[漫画]太く高く強く、伸びていけ。『ハンザスカイ』13巻
ハンザスカイ 13 (少年チャンピオン・コミックス) (2012/07/06) 佐渡川 準 商品詳細を見る |
ありがとうございました!!!
「ハンザスカイ」ラストの13巻。終わってしまった・・・!
終わったのは結構前で、最終巻まで読んだら燃え尽きて・・・だいぶ遅れましたが感想を。
連載終了は残念ですし、「えっ、ここで終わり!?」と最初はビックリしたものですが
冷静になれば、いいタイミングでの終了と言えたのかな、とも思います。
「えっ、ここで終わり!?」と思った理由というのは、終わるタイミングに最初戸惑ったから。
長らく戦っていた高校総体の千葉予選を終え、インターハイへと駒を進めました。終わるならこのタイミングかなと思っていましたが、IH出場決定後、半座のスランプの話になったんですよ。
これはこれで面白かったし、これは半座のさらなる成長フラグだろうと。
終わるなら大会終わった時点で終わるだろうし・・・これは全国大会編来るで!
と思ったら全115話にて完結。111話からの新展開に胸躍らせたら5話後に終わってた。
けどやっぱり団体戦決勝、VS要陵は、どの試合もアツかった。とても面白かった。
この巻の前半に納められた青柳と徳良の試合も、すばらしい迫力でしたよ。
個人技を競う個人戦でありながらも、とてつもないまでに仲間同士のきずなを感じさせる構成には何度も心震わせました。思いを背負う。憧れる。歴史。伝統。
一言ではとてもまとめられないような様々な背景が、男たちのドラマをさらに面白くしていました。決勝戦、大満足でした。
声を張り上げた、あふれんばかりの声援も背負ってくれる頼もしいその背中!部長・青柳の魅力の真髄がありましたね。バーサーカーとしての一面も。
でもオチもよかったですね。無我夢中で何も考えられないというだけの試合。クリアな脳みそ全部を使って敵を見る。難しいことなんて知らない。ただ戦おう。
そして大会が終わったあとの、いわば「ハンザスカイ」の総括となる5話。
ここには反復の演出が光っていましたね。気持ちのいい終わり方だった。
かつて学んだことが活かされる。学んだことが血となり肉となる。
そして学んだことを、今度は自分がだれかに教える・・・次へとつないでいく。
この作品は、様々なつながっていく姿が描かれていたと思います。過去の因縁や、学校の伝統、先輩の意思・・・。人と人のつながりは巡っていく。
このラストシーンでは初心者としてスタートした半座が、もなかちゃんに空手をイチから教えていく。その姿は非常に感動的というか、感慨深い思いを与えてくれました。
ところでこのラスト5話、描き残すことがないようにしているかのように、もなかちゃんのかわいい道着姿やら練習姿やらが描かれており・・・なんていうか・・・ありがとうございます。
不思議とエロい雰囲気ただよう1シーン・・・!俺がおかしいだけなのか。
で、そのあとは因縁の、そして大切な相手である穂波との・・・いいラストだったと思います。
ダメな終わり方をしたという残念さはない。でも悔やんでしまうのは、もっと読みたかったという思いがあるからで。でもやりきった感はあるかなぁ。全国大会編も見たかったけど、ここまで盛り上がる内容にできたかどうか。
それに、作品の終わりを惜しめるというのは、複雑な思いですが、いい作品の証明でもあると思います。うん、いい漫画だった。ありがとうございました。
完結記念ということで、シリーズ全体通して好きな試合TOP3とかをやってみる。
団体戦を主に描いてきたハンザスカイ。大会を勝ち抜いていくあいだに、数多くの試合が描かれていきました。どれも印象に残るものばかりですが・・・
3位。VS一ノ橋高校編。中でも青柳と工藤による大将戦。単行本5巻。
5巻の感想の時にも書きましたが、本気で一ノ橋魂がカッコよすぎる。
彼の背負うものの重みや情熱・・・それらを踏まえて試合に望む工藤選手。
第40話の一連の流れは最高でした。今読み返してもゾクゾクします。
2位。これ。
単行本12巻。VS要陵高校、野田対尾形。
これはもう仕方ないんです。これまでの野田の悔しさがあってこその爆発的歓喜。
ページをめくってこの見開きでしたから、初読時は自分まで吹き飛ばされそうな迫力でした。そして泣けてきましたよ・・・本当に。最後に最高の笑顔を見せる野田。名シーン以外の何だという。頭が果てしなくしびれてしまいそうな感情の高ぶりが味わえました。
1位。自分にとっての記念的な意味も込めて、VS蓮城、半座対峯岸戦。
単行本は第3巻。半座としては初の個人試合でした。
自分はこの作品を熱心に読みだしたのって、チャンピオンでこの一連の試合運びとその熱い展開を読んだからです。この試合からこの作品を好きになったのです。だから記念。
事実、この試合は最初の試合にふさわしい熱量。ハラハラしながら読んでいましたねえ。で、やっぱり面白い。長くじっくり描かれた試合ですが、テンポも良い。個人的にはこの作品と言えば、な代名詞的イメージとなっている1試合です。
『ハンザスカイ』13巻 ・・・・・・・・・★★★★
最終巻。最初は戸惑いましたが、いいラストでした。心が晴れる爽快感を、何度も味わわせてくれた作品でしたね。太く高く強く、空へ。
[漫画]本当に私たちはわかりあえた?『タイプライターのリボン』
C82で購入した同人誌の感想。
前にも感想を書いたことがあるサークル「おくることば」さんの新刊です。
「タイプライターのリボン」という本。創作ジャンル、オリジナル作品です。
今回も心震わせられました。いい本です。ネタバレをしたくないけどグサグサ来ます。
以前に「プラトンとパルマケイアー」という本の感想を書いたことがあるのですが
(感想→もっと言葉を、もっと意味を。『プラトンのパルマケイアー』)
これと近からずとも遠からずな感触。設定やストーリーなどは全然違いますが、これがこのサークルさんの平常運転なんでしょうか。おそろしい。このエッジの利き方がクセになる!
オススメの一冊なのですが、書き手の千歳良太さんがかいているとおり、本は完売!再販も現状予定なし!とのことで・・・いずれネットで公開してくれるようですが、いつになるやらってことらしいです。
ううむ・・・惜しい。なんとか読んでほしいなぁ。会える人には貸す勢い。
まぁともかく、さくっと感想も書いていきたいと思います。以下軽くネタバレ含む。
このサークルさんに特徴的なのは、哲学的エッセンスかなと。
今回も、作品とは独立した部分・・・章の合間などに、けっこう難しいテキストが乗せられています。
読まなくてもストーリーは楽しめるし、がんばって読んでも自分は頭こじれてきます。
しかしその「よくわからんな・・・」という印象は深く作品のテーマと結びつき、雰囲気作りの相乗効果を生む。理解できたような、できないような・・・そういうあやふやな安心と不安がふわふわ揺らぐ。だからこそ楽しめる。頭のよくない自分だけなんですかね、この感触は。
で、本作もその構成が光る一作。これがもうビックリするのだ。「プラトン」があったから怯えつつ読んでいたんだけど、前作「スイート・ドーナッツ・ホール」がゆるやか穏やかな作品だったので、どっちに転ぶかわからないドキドキがありました。
そうして新作を読み終えたら・・・「やりおった」と。
「プラトンのパルマケイアー」ってのが、前半と後半でグルッとテンションを変えた構成をとっていました。狂気の匂いすら漂う雰囲気の入れ替わりにずいぶんとヤラれました。
一方で新作の「タイプライター」は・・・最後の最後でこれまでの流れをブッちぎる、強烈なインパクトを残す作品となっています。
しょせんは他人と他人。自分とは違う人間を理解することって、そんなに簡単なことかい?
理解しあえていると誤解して満足を得ているだけの独りよがりじゃないのか、と。
絶望的に横たわる、相互理解の困難。
広くみれば他者および社会との関係性を描いたもの。読んでいてそのまま自分自身に跳ね返ってくるような、シビアな問題を突き付けてくる。だからこそドキッとさせられるのです。
とまぁ内容の面白さを書きましたが、それより表面的(でも大事)なことも触れよう。絵がかわいい。うん即物的な意見だ!でもかわいいのはいいことだ!
かわいらしい絵柄でエグいことも描いていくこのギャップがまず素敵です。加えて込められたメッセージも深みがあり、引き込まれます。
心が切りつけられて、傷口がじわじわ傷み続ける。
やさしい顔してかなりの曲者ですよ。何度も読んで味わっていきたいですね。
前にも感想を書いたことがあるサークル「おくることば」さんの新刊です。
「タイプライターのリボン」という本。創作ジャンル、オリジナル作品です。
今回も心震わせられました。いい本です。ネタバレをしたくないけどグサグサ来ます。
以前に「プラトンとパルマケイアー」という本の感想を書いたことがあるのですが
(感想→もっと言葉を、もっと意味を。『プラトンのパルマケイアー』)
これと近からずとも遠からずな感触。設定やストーリーなどは全然違いますが、これがこのサークルさんの平常運転なんでしょうか。おそろしい。このエッジの利き方がクセになる!
オススメの一冊なのですが、書き手の千歳良太さんがかいているとおり、本は完売!再販も現状予定なし!とのことで・・・いずれネットで公開してくれるようですが、いつになるやらってことらしいです。
ううむ・・・惜しい。なんとか読んでほしいなぁ。会える人には貸す勢い。
まぁともかく、さくっと感想も書いていきたいと思います。以下軽くネタバレ含む。
このサークルさんに特徴的なのは、哲学的エッセンスかなと。
今回も、作品とは独立した部分・・・章の合間などに、けっこう難しいテキストが乗せられています。
読まなくてもストーリーは楽しめるし、がんばって読んでも自分は頭こじれてきます。
しかしその「よくわからんな・・・」という印象は深く作品のテーマと結びつき、雰囲気作りの相乗効果を生む。理解できたような、できないような・・・そういうあやふやな安心と不安がふわふわ揺らぐ。だからこそ楽しめる。頭のよくない自分だけなんですかね、この感触は。
で、本作もその構成が光る一作。これがもうビックリするのだ。「プラトン」があったから怯えつつ読んでいたんだけど、前作「スイート・ドーナッツ・ホール」がゆるやか穏やかな作品だったので、どっちに転ぶかわからないドキドキがありました。
そうして新作を読み終えたら・・・「やりおった」と。
「プラトンのパルマケイアー」ってのが、前半と後半でグルッとテンションを変えた構成をとっていました。狂気の匂いすら漂う雰囲気の入れ替わりにずいぶんとヤラれました。
一方で新作の「タイプライター」は・・・最後の最後でこれまでの流れをブッちぎる、強烈なインパクトを残す作品となっています。
しょせんは他人と他人。自分とは違う人間を理解することって、そんなに簡単なことかい?
理解しあえていると誤解して満足を得ているだけの独りよがりじゃないのか、と。
絶望的に横たわる、相互理解の困難。
広くみれば他者および社会との関係性を描いたもの。読んでいてそのまま自分自身に跳ね返ってくるような、シビアな問題を突き付けてくる。だからこそドキッとさせられるのです。
とまぁ内容の面白さを書きましたが、それより表面的(でも大事)なことも触れよう。絵がかわいい。うん即物的な意見だ!でもかわいいのはいいことだ!
かわいらしい絵柄でエグいことも描いていくこのギャップがまず素敵です。加えて込められたメッセージも深みがあり、引き込まれます。
心が切りつけられて、傷口がじわじわ傷み続ける。
やさしい顔してかなりの曲者ですよ。何度も読んで味わっていきたいですね。
[漫画]想像せよ・・・世界はエロで満ちている!『この○○がエロい!!』
この○○がエロい!! (ヤングチャンピオン・コミックス) (ヤングチャンピオンコミックス) (2012/08/20) 金平守人 商品詳細を見る |
イマジネーションのエロによる世界平和を!!
「女子アナ」という言葉にちょっとドキドキする。
「ちんすこう」の文字の並びをちょっと変えてみたくなる。
そんな男子中学生・・・むしろ男子小学生並にしょーもない下ネタを愛する皆さん。たぶんこの漫画を気に入ります。
今日は金平守人先生の「この○○がエロい!!」の感想。
「アッタマわるぅ」と思わずぼやくこと間違いなしのハイテンションなエロギャグ漫画です。
日常のささいなワンシーンをきっかけに急にエロい妄想が始まる。
男なんてわりとみんなそんな感じなのでは、と思ってるんですが、どうなんでしょ。
もう大人になってしまった。けれどエロい話をすれば、少年のころのワクワクを取り戻せる・・・。それって・・・・なんだか素敵なことだと思うんですよね。(いい話風に)
まぁささっと内容について。
「世界には直接的なエロがあふれすぎておる!!モロ見えなエロなど行きつく所しょせんは医学書じゃ 若者よ もっとイメージするのじゃ!!」
と声高に言い放って始まるこのお話。博士みたいな格好して全然研究もしていなさそうな単なるエロジジィであるエロ之宮博士と、助手の25歳むっちりメガネ、吉本さん。
この2人をメインに、なんだかエロく聞こえる言葉、エロく見える仕草などを探求していく。
1話あたり4ページと短いながら、ぎっしりとネタを込めこんでいます。
それが全44話、合間合間にオマケページもあり、だいぶお腹いっぱいの一冊。
しかし軽く楽しめるテンポのよさがあります。なによりネタをこれでもかと打ち放ってくるので、ギャグの方向性にピンとこればかなり楽しめると思います。
どれもこれもヒドい下ネタです。一般向けですが強烈にアレコレやっています。
冷静に考えれば、かるく胸焼けおこしそうなくらいの下ネタの連打。なのにスルッと読めてしまうのは、やっぱりエロの魔力はすさまじいということか!頭カラッポにしましょう。
特に読者から募集した「エロく聞こえるシチュ/セリフ」シリーズが面白かったなぁw
うん・・・これは、ね。意識しちゃうとふへへってなりますね。ハイ。
うむ、純朴そうな学生さんが「汁もいっぱいいれてください。」・・・どこにだい。
AVとかエロ漫画で使われる単語を現実で聞くとドキッとすることあるある。なんて迷惑な言葉の逆輸入だよ・・・おかげで楽しく生きられる。
こんな感じで、「ちょっと聞き方/見方を変えることでエロくなる」場面を紹介していく。
無理やりだなあと思うものもあれば、「これはなるほど素晴らしい」というものまで様々。
ちょっとだけ新しい世界が発見できたような気がしましたね。(神妙な顔で)
基本的にエロジジィがエロネタで暴走して、助手さんが引き気味に見守りつつセクハラされるっていうスタイル。キャラの掛け合いとしてはコテコテの漫才チックな要素が強い。
でもこの雰囲気はいいなぁ。きわどいネタも、カラッと笑える明るいエロスに変換される。
ネチッこさはほとんどないんですけど、そこはギャグマンガとして良いことかなと。
・・・ところで途中で少しだけ出てきた、エロ研究員の下っぱ3人娘はどこいったw
ストーリーは存在しないので、いつもみたく長々語るってのをしませんが
何度も読み返して「うわぁ、ひでえなこりゃ」と苦笑いできるいい漫画だと思います。褒めてます褒めてます。ピュアな心を持ち下ネタで笑うというのは幸せです。
1巻のナンバリングがされていませんが、今も連載中とのこと。長くかかるとは思いますが続きのコミックスも出る・・・かも。楽しめたので楽しみにしています。
金平守人先生の絵はもちろんかわいらしいし、いつものおふざけも、エロネタに全力投球しているぶん漫画の魅力にわかりやすく繋がっています。なんとなく、過去の作品はけっこうナンセンスギャグも多かったように思うんだけど。あと表紙とかの実験的な遊びw
まぁとにかくストレートに下ネタを繰り出しまくる漫画です。
人によっては読めたもんじゃないレベルのひどさなんだろうけど、好きな人は好き。人を選ぶ作品でしょうね。でも俺は好きだなw
ものすごーく下品なんだけど、でもやっぱり面白いのだ。女の子もかわいいし。
アウt・・・・・・・いや、クマですよクマ。セフセフ!
『この○○がエロい!!』 ・・・・・・・・・★★★☆
ずーっと下ネタを飛ばし続ける本。元気になれる、愛すべきバカバカしさw
金平先生と言えば「エロ漫の星」も面白かったですねえ。
[漫画]一瞬一瞬を刻みつけて『ハレルヤオーバードライブ!』7巻
ハレルヤオーバードライブ! 7 (ゲッサン少年サンデーコミックス) (2012/07/12) 高田 康太郎 商品詳細を見る |
踊らせてやりましょう!!
恋と音楽の青春バンドストーリー「ハレルヤオーバードライブ」7巻。
もう7巻かあという感じですね。いい調子で巻を重ねてきていると思います。
今度の表紙は生徒会長、御角日向。ストーリーに絡みだしてからまだ日が浅いキャラクターですが、いい表紙じゃないですか!一気に惚れ込みそう。このシリーズはカラーイラストもとても魅力的です。
さて、7巻はまるっと合宿編。
部活の人間関係がぎこちなくなったり、スランプに陥るバンドメンバーがいたり、いまだ癒えないかつての傷が顔をのぞかせたり・・・見逃せない展開がいくつか。しかしキラキラした前向きさが心を元気にしてくれる。
ということで感想。前の巻の感想も張ってみる。
新たな希望へ進め! 『ハレルヤオーバードライブ!』6巻
はじめて生で聞いたリリーパスカル。奪われた『希望』。肌と音で感じた圧倒的な差。
6巻ではいったん展開が大きな盛り上がりを見せ、主人公らは明確な目標を見据えました。
そして7巻からは新展開。
とはいえ一気にストーリーが動くことはなく、まずじっくりバンドを鍛えるために合宿へ。
『希望』を取り戻すのに今大切なのは、なにより練習である。
次の盛り上がりに向けて力を蓄えてるかのような、爆発を待つかのようにテンションを高めていくような感覚。バンドとして苦難を乗り越えていく姿があります。
●麗のスランプと成長
7巻全体を通じて感じたことは、麗という女の子がじっくり深められているということ。
彼女がいまいちバンドにノれないスランプに陥っており、そこからの復活が大きなテーマとなっている巻です。
しかしバンドメンバーとしても人間として強さをと柔軟さを得ていく過程が描かれていたように思います。それはつまり彼女の成長です。
好きなのはスランプでおちこむ麗とはげまそうと、ハルさんたちがカラオケに誘うエピソード。
ハル、タンポポ、愛葉、若葉・・・ほかのメンバーがどんな曲を歌うのかって部分も楽しいし
ベースラインのいい曲を選んで、ささいだけど麗に刺激を与えつつ、カラオケで緊張をほぐしてほしいという気配りもさすが。
それから色々ありましたが、7巻のクライマックスには麗たちの新バンドのステージ。
バンドメンバーはタンポポ、ハル、楓、コデマリ、そして麗。なにこの並び!
「踊らせてやりましょう!!」
いいシーンです。7巻で1番好き。
思えば今までの麗には、「小雨を支えてあげよう」「小雨と一緒に演奏しよう」という気持ちが大きかったように見えます。引き立て役、サポート役・・・裏方にいたような。
まぁ入部したきっかけがきっかけです。メタりかの轟音にショックを受けたのもあるけど、もとはいえば小雨がいてこそで。彼を好きだから、バンドに入った。恋に生きる女の子。
恋に生きるくせに恥ずかしがりのヘタレなんだから行動力があるんだかないんだか。
でも肝心なとこで決定打を出せないのも、もどかしくてたまらない・・・!
それはともかくとして、今までの麗にはなかった姿勢がここに見えるのです。
これはもう、麗のためのステージといっていい。
小雨と離れて、今までと違ったメンバーで、恋敵のハルさんと一緒のバンドで。
だれのためか、なんてのを置き去りにして、なにより自分が楽しむために。聞く人を躍らせるために。踊ってもらうんじゃない、躍らせるのだ。私たちが・・・私が。なにより、それで自分が楽しむために。
だってこのバンドは「ポニーテールズ」。麗のためのバンドなのだ。
「私がやる!」という意識が芽生えた麗というのは新鮮で、進歩を感じたのでした。力強い自意識と、スランプを抜けるための柔軟な思考。新しいリズムを取り込んだことは、音楽面でも精神面でも印象的な部分ですね。
でもやっぱり麗の気持ちの根底には、小雨に届かせようという思いがあったんじゃないかな。
どういう時にでも、どこかそういう歩み寄りがあるのが、彼女らしい。
そしてだからこそ、最後には小雨に届く。ひらめいた小雨は、次へと進むカギになる。
●先輩たちの存在感
7巻の3年生メンバー、みんなイイですよね。
本人たちものびのび楽しみつつ、後輩たちをリードする。スランプ打破の手掛かりを与える。アドバイスもすれば手伝いもする。今の部活を守るべく裏で手を回す。
先輩として描かれるキャラクターはみんな、後輩を思いやっての描写が見受けられます。
けれどここで存在感が強まるということは、推測すれば、3年生メンバーに終わりが近いということも感じられる。だから思わず切なくなります。受験勉強もあるし、卒業まではあと半年しか。
とくに鷹木部長は今回グッ深い魅力をみせつけてくれました。でもそれは自分たちの活動が残り少ないことを自覚しての後輩への思いが反映されたものだったりして、やはり寂しい。
そして先輩としての存在感はメタりかというバンドそのものにも宿る!
7巻終盤に見せたメタりかライブは、その場を激流にのみこむような大迫力。思えば第1話でも彼らのパフォーマンスはすさまじく、読者も小雨も心つかまれた。やはり彼らの存在感は尊い。小雨たちにとっての大きな柱になっている。
その中で御角さんもステキ。キラッキラしてる。むしろギラギラ。
今回のライブではOGである彼女もメンバーとなり、フルメンバーのメタりかとなります。
最初は部活をつぶそうとする生徒会の親玉、ラスボスっぽく登場しました御角。
一見すれば堅苦しい、こちらの言い訳をガンガン論破してきそうな怖い人。
でもそこからの変貌ぶりがかわいすぎる。最初のイメージを壊しまくりw
すっごい楽しそうww
普段はこんなドS体質だけど恋愛においてはMっぽくなるのもいいですね。
メタりかのメンバーの個性の強さは相当なもんですね。また御角さんの演奏を見たいな。
そんな感じの「ハレルヤオーバードライブ!」7巻でした。
今回の主役は麗ですね!麗好きとしちゃニマニマし続けながら読みました。
夏合宿編ということでいろいろイベントもありましたが、印象に残るのはやはり、思い出をおのおの心に刻み込んでいる様子です。大切に今をかみしめているような感覚。
今が本当に楽しい日々なのだと。直接言葉にはしないけど、つまりそういうこと。
で、ラブコメ面。気持ちが徐々に深まっていることは確かですが、状況に進展はありません。
ラブ面ではなまぬるい停滞感が漂っていますね、ここらでゴゴッと動いても面白いんじゃないかなと思います。バンドとしての前進は十分に感じる分、ラブコメにおいても明確な進歩がほしいかな。でも焦りは禁物か・・・これから動いていくことでしょう。
初々しさがはじけるこっぱずかしさが、サンデー系王道のラブコメに匂いがします。
実際これくらいのほうが、音楽と青春が織りなすさわやかな物語を堪能できるかな。
この7巻からの新章ではどんな動きがあるのか、楽しみにしています。
『ハレルヤオーバードライブ!』7巻 ・・・・・・・・・★★★☆
第7巻はまるっと夏合宿編。麗のひたむきさと成長が楽しかったです。
[漫画]苦しくても傷ついても傍にいなくても、『でもやっぱり唯先輩が好き。』
今回はC82で購入した同人誌の感想。
同人誌での更新はあまりやってないですが、これは!と思ったらやっていきたい。
蒼井ホログラムさんのC82新刊「でもやっぱり唯先輩が好き。」
けいおん唯梓モノをまとめた、いちおう総集編です。「委託していない、かつ完売している本を集めた本」とのこと。シリアス色のつよい一冊ですね。ふわふわのかわいい百合~って雰囲気もありますが、それよりヘヴィーな内面描写からくる切ない展開が目立つ。悩んで傷ついてボロボロになったりします。だがそれがいい。
まず表紙から素敵です。傷を負った2人。不安げな表情のあずにゃん。無理に笑っているのか、笑っているけど傷が痛むのか、複雑そうな笑顔の唯。タイトルは金の箔押し。
もともと去年の夏コミで「CROSS」という本にであって衝動買いしたサークルさんでした。ノーチェックだったけどふらーっと彷徨いてたら見つけて、これがもうジャストミート。
キラキラしながらもズブズブの深く切ない恋模様にヨダレあふれさす勢い。
で、今回はそんな大好きな唯梓シリーズの総集編ということで。「CROSS」以前は読んだことがなかったので今回の総集編は実にうれしいです。
本のページがうすいブルーのものとなっていて、これがまた雰囲気いいんです。
収録は4作。
「ふたりのそれから」は唯たちが卒業し、3年生になってからの梓を描いたもの。
机の中の手紙を読んでからの感情の高ぶりがいいですねえ・・・!
この総集編、各話のアフターエピソードが書き下ろされているのですが、この書き下ろしがむっちゃニヤける出来で悶える。本編が痛みを伴うものである反動か、書き下ろしはずいぶんと甘い内容が多かったように思います。美味。
「TURN TO ME」は作家本人も書いてましたが、たしかに突っ走ってるw
コメディチックで、この本においてはだいぶ癒しの空間になっていました。
「COROSS」は最初に読んだ作品なのでかなり思い入れ深い。こっからシリアス全開タイム。
続きものではなくいろんなIFの世界を眺めていくシリーズですが、「CROSS」は2人の肉体関係も多分に含んだ、けっこうエロティックなもの。
ただし身体は触れ合っているのに心の面では癒されず。それどころか生傷を増やしていく梓と戸惑う唯。好き同士なのに起きてしまうすれ違いが強烈に胸に迫る。
むしゃらに身体だけ重ねてしまって、心が整理つけれてない状態かなぁ。
しかしその上で「すべてが2人に、祝福を」で締めくくられる最後のページの美しさといったらない。いろんな感情を昇華しています。
・・・しかし序盤の「また放課後ね、あずにゃん」の唯がやたらキリッとしてて吹く。
「ANSWER」は梓による告白イベントがあるエピソード。
でもやっぱり、どこかほの暗く儚げで、幸せが花開くかのような楽観的な明るさは無く。
そういうのだから読んでて心をズクズク刺激させられてしまう。つまり大好き。
書き下ろしのヤキモチあずにゃんも絶品である。(渋い顔しながら)
で、総集編書き下ろしの特別編「でもやっぱり唯先輩が好き。」も面白い。
様々なIFの世界を眺めてきた。じゃあ、またもういっこ、別の世界へ行ってみようか。
そんなネタネタを交えての仕上がりだけど、遊び心だけじゃないストレートな恋もうたわれていてしびれる。苦しくても傷ついても傍にいなくても、「でもやっぱり唯先輩が好き。」
あああ、なんて心揺さぶられるんだ。
蒼井ホログラムさんのシリアス系唯梓本は荒ぶるしかないよね!!
同人誌での更新はあまりやってないですが、これは!と思ったらやっていきたい。
蒼井ホログラムさんのC82新刊「でもやっぱり唯先輩が好き。」
けいおん唯梓モノをまとめた、いちおう総集編です。「委託していない、かつ完売している本を集めた本」とのこと。シリアス色のつよい一冊ですね。ふわふわのかわいい百合~って雰囲気もありますが、それよりヘヴィーな内面描写からくる切ない展開が目立つ。悩んで傷ついてボロボロになったりします。だがそれがいい。
まず表紙から素敵です。傷を負った2人。不安げな表情のあずにゃん。無理に笑っているのか、笑っているけど傷が痛むのか、複雑そうな笑顔の唯。タイトルは金の箔押し。
もともと去年の夏コミで「CROSS」という本にであって衝動買いしたサークルさんでした。ノーチェックだったけどふらーっと彷徨いてたら見つけて、これがもうジャストミート。
キラキラしながらもズブズブの深く切ない恋模様にヨダレあふれさす勢い。
で、今回はそんな大好きな唯梓シリーズの総集編ということで。「CROSS」以前は読んだことがなかったので今回の総集編は実にうれしいです。
本のページがうすいブルーのものとなっていて、これがまた雰囲気いいんです。
収録は4作。
「ふたりのそれから」は唯たちが卒業し、3年生になってからの梓を描いたもの。
机の中の手紙を読んでからの感情の高ぶりがいいですねえ・・・!
この総集編、各話のアフターエピソードが書き下ろされているのですが、この書き下ろしがむっちゃニヤける出来で悶える。本編が痛みを伴うものである反動か、書き下ろしはずいぶんと甘い内容が多かったように思います。美味。
「TURN TO ME」は作家本人も書いてましたが、たしかに突っ走ってるw
コメディチックで、この本においてはだいぶ癒しの空間になっていました。
「COROSS」は最初に読んだ作品なのでかなり思い入れ深い。こっからシリアス全開タイム。
続きものではなくいろんなIFの世界を眺めていくシリーズですが、「CROSS」は2人の肉体関係も多分に含んだ、けっこうエロティックなもの。
ただし身体は触れ合っているのに心の面では癒されず。それどころか生傷を増やしていく梓と戸惑う唯。好き同士なのに起きてしまうすれ違いが強烈に胸に迫る。
むしゃらに身体だけ重ねてしまって、心が整理つけれてない状態かなぁ。
しかしその上で「すべてが2人に、祝福を」で締めくくられる最後のページの美しさといったらない。いろんな感情を昇華しています。
・・・しかし序盤の「また放課後ね、あずにゃん」の唯がやたらキリッとしてて吹く。
「ANSWER」は梓による告白イベントがあるエピソード。
でもやっぱり、どこかほの暗く儚げで、幸せが花開くかのような楽観的な明るさは無く。
そういうのだから読んでて心をズクズク刺激させられてしまう。つまり大好き。
書き下ろしのヤキモチあずにゃんも絶品である。(渋い顔しながら)
で、総集編書き下ろしの特別編「でもやっぱり唯先輩が好き。」も面白い。
様々なIFの世界を眺めてきた。じゃあ、またもういっこ、別の世界へ行ってみようか。
そんなネタネタを交えての仕上がりだけど、遊び心だけじゃないストレートな恋もうたわれていてしびれる。苦しくても傷ついても傍にいなくても、「でもやっぱり唯先輩が好き。」
あああ、なんて心揺さぶられるんだ。
蒼井ホログラムさんのシリアス系唯梓本は荒ぶるしかないよね!!