[漫画]君がいるならたとえ世界が終わる日も。『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』3巻
「あした地球がこなごなになっても」、見事という他ない。
・・・私たち、・・・ちゃんとした大人になれるかな?
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション、略してデデデデ、さらに縮めてデ略のコミックス第3巻です。
終末はたまたとは滅亡とは慣れ親しんだ隣人である現代に生きる女子高生たちの
くそ平和な日常を綴った、浅野いにお先生のほんのりセカイ系の匂いを放つ最新連載作。
個人的にいま連載している漫画作品の中ではトップクラスに面白いです。
定期的に俺は浅野いにお先生のことを半分ネタにするように楽しみますけど、本気で好きなことはやはり変わりなく。
過去作で時に炸裂させていた自己嫌悪や破滅的思考、暴走する悪意といった殺伐した空気は
ほどよく女子高生たちのとぼけた世界観と交じり合い、不思議な味わいを楽しませてくれます。
素直に女の子カワイイ!世界がヤバい!みんなカワイイ!って楽しんでるんですが
現実と照らしあわせようものならめんどくさい話題になるのでそういうのはしません。
この3巻、感触としては「プロローグはここでお終い」である。
過去最大の事件(彼女らにとっての)と、そしていずれ訪れるアレ。
栗原キホ。
おんたんと門出とよく遊んでいた、仲良しグループの中のひとり。この3巻の表紙の娘。
グループの中ではおそらくいちばん『今風の女子高生』で、ちょっと太めの眉とあえてそれをアピールするように短めにカットされたボブヘアがかわいくて、告白されて舞い上がちゃって、出来た彼氏と一晩中SNSですきなアーティストの歌詞について議論をして寝不足で登校してくる。あれっ、こんなの普通に恋しちゃうぞ!
で、失恋してみんなと弾けるように遊んで慰めてもらって、泣いてしまう。
ちょっと浮かれやすくて素直で、まさに等身大の遊びたいざかりの女の子って感じだ。
おんたんと門出の親友と呼べる女の子だった。そして彼女たちの日常から欠けたピースのひとつになった。
叫んで泣いて、残された4人は確かめるように手を繋いだ。帰り道。
突き刺すようなおんたんの絶叫の見開きに、やられてしまった人、多いんじゃないかな。
こういうのを見るとおんたんはある程度意識的にピエロを演じる部分は間違いなくあるんだ。
栗原キホの死というのは、これまで主人公たちのすぐそばで起こっていた宇宙人との戦争という暴力的な世界は、けしてまやかしなんかじゃないと、そう読者に叩きつけてくる。
きっといつかはあるんじゃないかって、正直なところ身構えていた展開だ。
なのにぽっと、まるで他人事みたいにテレビニュースで読み上げられた犠牲者の中に栗原キホの名前ある・・・という演出が絶妙だ。最初、一瞬、事態がつかめなかった。
その死は軽いのか重いのかも分からない。
世の中にとってはなんてことない死だ。学校のほかのやつらだってケロッとして、スマホでゲームやりながら気楽に同級生の死を話題にする。描かれていない外側でいくらでも人間は犠牲になっていて、けれどそれでもくそみたいな日常に彼女たちはいたはずだった。
・・・本当に上手い。こんなにも不意を付かれてしまうなんて、とショックすると同時にワクワクしてくる。
第23話、卒業式で出席番号23番は読みあげられない。そしてそこにある空席。
喪失というものに対するだれかの悲しみの深さ大きさを描きながらも
死というのはもうそこら中にあって、みんな慣れてしまって、それすらも「くそ平和」の中に収まってしまっているのが静かな狂気を感じさせる。
そしておんたんと門出は第一志望の大学に落ちた。
げぇーっへっへっへっへ!!
・・・おう。
この作品に出てくる「大人」って、いろんな人種がいる。まぁそんなの当たり前なんだけれど。
今の子供達は、リアルタイムで世界が大きく変貌していくそのさなかに、思春期を迎えた。
迷い惑い戦う姿も逃げる姿も、それぞれの大人たちが信じる正義思想戦争を、間近で見つめた世代だ。
その中で、この3巻で俺が1番好きなシーンが一層、胸に響く。
ちゃんとした大人ってなんだろう。
そして胸の奥底にある少しだけの不安。
大人になるまで生きていけるだろうかと。
門出は卒業式を終えたあと担任教師に訪ねます。
「本当の本当は、この世界はどのくらいやばいんですか?」
「ただの偶然があいつらの気まぐれ」
そして当たり前だけど、このくそ平和な日々がそのまま続くことを根拠もなくすこし思っていて
18歳らしい、将来への不安やモラトリアム的な疑問も湧き上がる。
大人に、なれるのだろうか。
甘酸っぱくもあり、この作品の優しい顔した終末感を象徴するかのような、高校生活の最後を飾る名シーンですわ。
「だって僕たちは、僕たちなんだから」というおんたんのセリフも格好いい。
わけもなく不安で、わけもなく自信家で、悲しみはあれど日々はそれなりに満たされて、けれどどうしようもなく欠け落ちたものもあって。
この作品の破滅的な設定って、「青年期の感覚」をさらに色鮮やかに浮かび上がらせる装置としても働いてくれているなと感じます。そういうのが大好き。
ほか、3巻ラストのモノローグも意味深で、今後を読み解くカギになりそう。
ほか、宇宙人に関する事実もいろいろと見えてきました。
実は宇宙人自体はかなり弱いんですね。民間の被害者が出るのだって、撃墜された宇宙船の落下によるものも多い。
現代の自衛武装で、宇宙人との戦闘は圧倒しています。
でも戦争や武器供給、宇宙人討伐をビジネスにする人たちにとって
宇宙人には”脅威”であり続けてもらわないといけない。
だから「殺しすぎないよう注意しろ」「適当数を処理」といった言葉が出てくる。
SF映画みたいな危機的な状況なのに、人々は死を隣に据えながら実に呑気にたくましい。
そして宇宙人。
彼らにも知能はあって、片割れを射殺されれば崩れ落ち、呆然となにか言葉を発する。
この場面は物悲しくてたまらなかった。
宇宙人の扱う言語はまったく意味はわからないんだけど、なんか法則性があって実は解読できたりしないかな・・・
全体的に「世界の危機」と呼ばれるものが薄っぺらくて信じがたくて呑気なもので
でも「いや絶対この先なんかヤバいこと起きるでしょ・・・」って感じるわけで
そしてその予感が現実のものとなるのが、この第3巻ラスト。
プロローグはお終いだ。
おんたんのニートお兄ちゃん(顔だけイケメン)が人助けをするほっこりエピソードも収録。
お兄ちゃん大好き人間としては感謝の一話である。めっちゃ面白かった。
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』3巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
あまりに死に慣れすぎた結果、麻痺をし続けている世界。癒えること無い闇が巣食う。
俺はもっと女の子かわいいおんたん最高って呻きながらこの作品を楽しみたいのに。
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 3 (ビッグコミックススペシャル) 浅野 いにお 小学館 2015-08-28 売り上げランキング : 622 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
・・・私たち、・・・ちゃんとした大人になれるかな?
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション、略してデデデデ、さらに縮めてデ略のコミックス第3巻です。
終末はたまたとは滅亡とは慣れ親しんだ隣人である現代に生きる女子高生たちの
くそ平和な日常を綴った、浅野いにお先生のほんのりセカイ系の匂いを放つ最新連載作。
個人的にいま連載している漫画作品の中ではトップクラスに面白いです。
定期的に俺は浅野いにお先生のことを半分ネタにするように楽しみますけど、本気で好きなことはやはり変わりなく。
過去作で時に炸裂させていた自己嫌悪や破滅的思考、暴走する悪意といった殺伐した空気は
ほどよく女子高生たちのとぼけた世界観と交じり合い、不思議な味わいを楽しませてくれます。
素直に女の子カワイイ!世界がヤバい!みんなカワイイ!って楽しんでるんですが
現実と照らしあわせようものならめんどくさい話題になるのでそういうのはしません。
この3巻、感触としては「プロローグはここでお終い」である。
過去最大の事件(彼女らにとっての)と、そしていずれ訪れるアレ。
栗原キホ。
おんたんと門出とよく遊んでいた、仲良しグループの中のひとり。この3巻の表紙の娘。
グループの中ではおそらくいちばん『今風の女子高生』で、ちょっと太めの眉とあえてそれをアピールするように短めにカットされたボブヘアがかわいくて、告白されて舞い上がちゃって、出来た彼氏と一晩中SNSですきなアーティストの歌詞について議論をして寝不足で登校してくる。あれっ、こんなの普通に恋しちゃうぞ!
で、失恋してみんなと弾けるように遊んで慰めてもらって、泣いてしまう。
ちょっと浮かれやすくて素直で、まさに等身大の遊びたいざかりの女の子って感じだ。
おんたんと門出の親友と呼べる女の子だった。そして彼女たちの日常から欠けたピースのひとつになった。
叫んで泣いて、残された4人は確かめるように手を繋いだ。帰り道。
突き刺すようなおんたんの絶叫の見開きに、やられてしまった人、多いんじゃないかな。
こういうのを見るとおんたんはある程度意識的にピエロを演じる部分は間違いなくあるんだ。
栗原キホの死というのは、これまで主人公たちのすぐそばで起こっていた宇宙人との戦争という暴力的な世界は、けしてまやかしなんかじゃないと、そう読者に叩きつけてくる。
きっといつかはあるんじゃないかって、正直なところ身構えていた展開だ。
なのにぽっと、まるで他人事みたいにテレビニュースで読み上げられた犠牲者の中に栗原キホの名前ある・・・という演出が絶妙だ。最初、一瞬、事態がつかめなかった。
その死は軽いのか重いのかも分からない。
世の中にとってはなんてことない死だ。学校のほかのやつらだってケロッとして、スマホでゲームやりながら気楽に同級生の死を話題にする。描かれていない外側でいくらでも人間は犠牲になっていて、けれどそれでもくそみたいな日常に彼女たちはいたはずだった。
・・・本当に上手い。こんなにも不意を付かれてしまうなんて、とショックすると同時にワクワクしてくる。
第23話、卒業式で出席番号23番は読みあげられない。そしてそこにある空席。
喪失というものに対するだれかの悲しみの深さ大きさを描きながらも
死というのはもうそこら中にあって、みんな慣れてしまって、それすらも「くそ平和」の中に収まってしまっているのが静かな狂気を感じさせる。
そしておんたんと門出は第一志望の大学に落ちた。
げぇーっへっへっへっへ!!
・・・おう。
この作品に出てくる「大人」って、いろんな人種がいる。まぁそんなの当たり前なんだけれど。
今の子供達は、リアルタイムで世界が大きく変貌していくそのさなかに、思春期を迎えた。
迷い惑い戦う姿も逃げる姿も、それぞれの大人たちが信じる正義思想戦争を、間近で見つめた世代だ。
その中で、この3巻で俺が1番好きなシーンが一層、胸に響く。
ちゃんとした大人ってなんだろう。
そして胸の奥底にある少しだけの不安。
大人になるまで生きていけるだろうかと。
門出は卒業式を終えたあと担任教師に訪ねます。
「本当の本当は、この世界はどのくらいやばいんですか?」
「ただの偶然があいつらの気まぐれ」
そして当たり前だけど、このくそ平和な日々がそのまま続くことを根拠もなくすこし思っていて
18歳らしい、将来への不安やモラトリアム的な疑問も湧き上がる。
大人に、なれるのだろうか。
甘酸っぱくもあり、この作品の優しい顔した終末感を象徴するかのような、高校生活の最後を飾る名シーンですわ。
「だって僕たちは、僕たちなんだから」というおんたんのセリフも格好いい。
わけもなく不安で、わけもなく自信家で、悲しみはあれど日々はそれなりに満たされて、けれどどうしようもなく欠け落ちたものもあって。
この作品の破滅的な設定って、「青年期の感覚」をさらに色鮮やかに浮かび上がらせる装置としても働いてくれているなと感じます。そういうのが大好き。
ほか、3巻ラストのモノローグも意味深で、今後を読み解くカギになりそう。
ほか、宇宙人に関する事実もいろいろと見えてきました。
実は宇宙人自体はかなり弱いんですね。民間の被害者が出るのだって、撃墜された宇宙船の落下によるものも多い。
現代の自衛武装で、宇宙人との戦闘は圧倒しています。
でも戦争や武器供給、宇宙人討伐をビジネスにする人たちにとって
宇宙人には”脅威”であり続けてもらわないといけない。
だから「殺しすぎないよう注意しろ」「適当数を処理」といった言葉が出てくる。
SF映画みたいな危機的な状況なのに、人々は死を隣に据えながら実に呑気にたくましい。
そして宇宙人。
彼らにも知能はあって、片割れを射殺されれば崩れ落ち、呆然となにか言葉を発する。
この場面は物悲しくてたまらなかった。
宇宙人の扱う言語はまったく意味はわからないんだけど、なんか法則性があって実は解読できたりしないかな・・・
全体的に「世界の危機」と呼ばれるものが薄っぺらくて信じがたくて呑気なもので
でも「いや絶対この先なんかヤバいこと起きるでしょ・・・」って感じるわけで
そしてその予感が現実のものとなるのが、この第3巻ラスト。
プロローグはお終いだ。
おんたんのニートお兄ちゃん(顔だけイケメン)が人助けをするほっこりエピソードも収録。
お兄ちゃん大好き人間としては感謝の一話である。めっちゃ面白かった。
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』3巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
あまりに死に慣れすぎた結果、麻痺をし続けている世界。癒えること無い闇が巣食う。
俺はもっと女の子かわいいおんたん最高って呻きながらこの作品を楽しみたいのに。
[漫画]恐怖、恋愛、快楽、全部ぜんぶグチャグチャだ。『蟲姫』
本日9月6日は黒ロンの日。黒ロン祭に参加する記事です。
前々からこっそり「黒ロンの日用にとっておこう」と暖めていた作品のひとつだったりします。
今年は何について書こうかなと考えた時、やはりコレだなと思いました。
「蟲姫」という作品です。全3巻で、こないだ完結しました。→公式紹介ページ
自分の趣味嗜好を考えるに、黒ロンというのは恐怖とロマンを同時に孕んだような、底しれない何かを感じさせてくれるような、背筋がゾクゾク震え立つような、そういうのを求めてしまいがちです。
そういった部分で最近読んだ漫画で一番ゾクゾクきたのは、この「蟲姫」だったのです。
現代社会が異常発生した虫たちから攻撃を受ける、パニックホラー漫画であり
その核となるキャラクター、宗方聴久子が今回とりあげたい黒ロンヒロイン。
ぶっちゃけると人の形をしたモンスターで、人間食べます。
口から触手のばしたりして、キスして相手の内側から触手ねじこんで洗脳したり
腕からトゲはやしたり、毒を打ち込んだり、恐ろしいですね!
けれど彼女時折、涙を流す。
そして次々明かされる彼女の悲壮な過去。想い。
そういった部分できちんと魅せてくれる作品。
虫たちが活躍(いろんな意味で)する作品のため、虫嫌いな人はページをめくっただけでトラウマになりかねない。そこは注意なんですが、パニックものとしての緊迫感や高揚感、そしてその中に息づく哀しみや痛みといった繊細な感情表現が見事。
全3巻という尺も過不足無く、一本の映画を見たような感覚です。
作品紹介はこれくらいにして。今日の記事は黒ロン更新用なんですよ。
なんのためにこれを書いているのか。黒ロンのためです。
宗方聴久子。本作のヒロイン兼ラスボス。
シンプルイズベスト。ストレートな黒髪、セーラー服、凛々しい顔。
第1巻ではじわじわと主人公に忍び寄り、2巻では主人公を我が物にしようと強烈な束縛心を見せる。
作品内でラスボス扱いなのに、なんかもう、強さも弱さも兼ね揃えていて、正直メロメロにされます。
若干ネタバレをしますが、聴久子は主人公に大して本能的に惹かれてしまうワケがあります。
作品のキーとなる「虫」にまつわる事なのですが、そこに元はと言えば人間であった、聴久子という単なるひとりの女の子の想いもある。
生存願望。生殖欲求。
どこからが人の欲望で、どこまでが虫の本能なのか、その境界はもはや誰にもわからない。
ある種アンビバレントな感情を融合させあるいはねじ伏せ、
ここまで強くオーラのある形であれる彼女の立ち姿そのものがカッコいいのです。
けれど彼女は時折、涙を流す。
人でなくなった自分を嘆き、悲しむ。
今なおせめぎあう彼女の中の「人」と「虫」。
彼女というキャラクターの内で渦巻くものを感じ取ると、感情移入の先はむしろ、彼女になる。
味わい深い女の子だと思います。異型のモンスターでもあり、どこまでも儚い少女でもある。
結局、運命に翻弄されていた中で暴走していただけなのかもしれないけれど
彼女のたどる結末も含め、幸福を望みたくなる。
そして彼女の行う捕食行為も官能的で・・・こう・・・キモチワルいのに・・・じっと見てしまうよね・・・。
グロテスクかつエロティックな要素というのが本作はいたるところまで充満していて
息がくるしくほどに世界観のいやらしさが感じられます。
この作品、作画をイラストレーターの里見有さんが担当しています。
漫画としての完成度も高くすばらしいのですが、1枚絵の一気に読み手の心を掴んでくる、イラストレーターさんならではのワザも堪能できてそこも大好きです。見開きや、ここぞというキメゴマもありますし、個人的には各話扉絵が大好きなんですよ・・・
特に1巻の扉というのが、だんだんと距離を詰めてくるヒロインのミステリアスの魅力を
存分に味わえる見事なイラストで飾られているのです。一部を紹介すると
カッコいいなこれ!!!!! 忍び寄る恐怖と官能の世界が、見事に表れているのではないでしょうか。
そんなわけで個人的には今年読んだ中で最強黒ロン、宗方聴久子さんの紹介でした。
クライマックスは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。ハッピー・・・エンド・・・!!
あとオマケ的に最近読んだ中でよかった黒ロンちゃんを追加でふたり。
主人公が黒ロン。召喚した悪魔にぶつくさ文句いいつつ友達づくりを頑張る不器用ガール。
やさしい雰囲気のコメディ漫画のようでいて、時々するどい言葉でこちらを突き刺してくる。
主人公のいじけっぷりや謎理論武装もかわいい、それ以上にがんばる姿がまたかわいい。
麦盛なぎ先生は思春期の空気を描くのが本当にうまい。線から言葉から思春期が感じられるぜ・・・!
ちょっと歪んだお父さんの秘密を隠そうと奮闘する、家族思いな黒ロン中学生主人公。
ツヤ髪が踊るたびに俺の心も弾むし、むしろ第1話の1コマ目で髪を結うしぐさで俺は死んだ。
前々からこっそり「黒ロンの日用にとっておこう」と暖めていた作品のひとつだったりします。
今年は何について書こうかなと考えた時、やはりコレだなと思いました。
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蟲姫 2 (画楽コミックス愛蔵版コミックス) 里見 有 外薗 昌也 ホーム社 2015-07-17 売り上げランキング : 10547 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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「蟲姫」という作品です。全3巻で、こないだ完結しました。→公式紹介ページ
自分の趣味嗜好を考えるに、黒ロンというのは恐怖とロマンを同時に孕んだような、底しれない何かを感じさせてくれるような、背筋がゾクゾク震え立つような、そういうのを求めてしまいがちです。
そういった部分で最近読んだ漫画で一番ゾクゾクきたのは、この「蟲姫」だったのです。
現代社会が異常発生した虫たちから攻撃を受ける、パニックホラー漫画であり
その核となるキャラクター、宗方聴久子が今回とりあげたい黒ロンヒロイン。
ぶっちゃけると人の形をしたモンスターで、人間食べます。
口から触手のばしたりして、キスして相手の内側から触手ねじこんで洗脳したり
腕からトゲはやしたり、毒を打ち込んだり、恐ろしいですね!
けれど彼女時折、涙を流す。
そして次々明かされる彼女の悲壮な過去。想い。
そういった部分できちんと魅せてくれる作品。
虫たちが活躍(いろんな意味で)する作品のため、虫嫌いな人はページをめくっただけでトラウマになりかねない。そこは注意なんですが、パニックものとしての緊迫感や高揚感、そしてその中に息づく哀しみや痛みといった繊細な感情表現が見事。
全3巻という尺も過不足無く、一本の映画を見たような感覚です。
作品紹介はこれくらいにして。今日の記事は黒ロン更新用なんですよ。
なんのためにこれを書いているのか。黒ロンのためです。
宗方聴久子。本作のヒロイン兼ラスボス。
シンプルイズベスト。ストレートな黒髪、セーラー服、凛々しい顔。
第1巻ではじわじわと主人公に忍び寄り、2巻では主人公を我が物にしようと強烈な束縛心を見せる。
作品内でラスボス扱いなのに、なんかもう、強さも弱さも兼ね揃えていて、正直メロメロにされます。
若干ネタバレをしますが、聴久子は主人公に大して本能的に惹かれてしまうワケがあります。
作品のキーとなる「虫」にまつわる事なのですが、そこに元はと言えば人間であった、聴久子という単なるひとりの女の子の想いもある。
生存願望。生殖欲求。
どこからが人の欲望で、どこまでが虫の本能なのか、その境界はもはや誰にもわからない。
ある種アンビバレントな感情を融合させあるいはねじ伏せ、
ここまで強くオーラのある形であれる彼女の立ち姿そのものがカッコいいのです。
けれど彼女は時折、涙を流す。
人でなくなった自分を嘆き、悲しむ。
今なおせめぎあう彼女の中の「人」と「虫」。
彼女というキャラクターの内で渦巻くものを感じ取ると、感情移入の先はむしろ、彼女になる。
味わい深い女の子だと思います。異型のモンスターでもあり、どこまでも儚い少女でもある。
結局、運命に翻弄されていた中で暴走していただけなのかもしれないけれど
彼女のたどる結末も含め、幸福を望みたくなる。
そして彼女の行う捕食行為も官能的で・・・こう・・・キモチワルいのに・・・じっと見てしまうよね・・・。
グロテスクかつエロティックな要素というのが本作はいたるところまで充満していて
息がくるしくほどに世界観のいやらしさが感じられます。
この作品、作画をイラストレーターの里見有さんが担当しています。
漫画としての完成度も高くすばらしいのですが、1枚絵の一気に読み手の心を掴んでくる、イラストレーターさんならではのワザも堪能できてそこも大好きです。見開きや、ここぞというキメゴマもありますし、個人的には各話扉絵が大好きなんですよ・・・
特に1巻の扉というのが、だんだんと距離を詰めてくるヒロインのミステリアスの魅力を
存分に味わえる見事なイラストで飾られているのです。一部を紹介すると
カッコいいなこれ!!!!! 忍び寄る恐怖と官能の世界が、見事に表れているのではないでしょうか。
そんなわけで個人的には今年読んだ中で最強黒ロン、宗方聴久子さんの紹介でした。
クライマックスは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。ハッピー・・・エンド・・・!!
あとオマケ的に最近読んだ中でよかった黒ロンちゃんを追加でふたり。
それでも世界を崩すなら (少年チャンピオン・コミックス・タップ!) 陸野二二夫 秋田書店 2015-08-07 売り上げランキング : 9011 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
主人公が黒ロン。召喚した悪魔にぶつくさ文句いいつつ友達づくりを頑張る不器用ガール。
やさしい雰囲気のコメディ漫画のようでいて、時々するどい言葉でこちらを突き刺してくる。
主人公のいじけっぷりや謎理論武装もかわいい、それ以上にがんばる姿がまたかわいい。
のーぷろぶれむ家族(1) (ヤンマガKCスペシャル) 麦盛 なぎ 講談社 2015-08-06 売り上げランキング : 37762 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
麦盛なぎ先生は思春期の空気を描くのが本当にうまい。線から言葉から思春期が感じられるぜ・・・!
ちょっと歪んだお父さんの秘密を隠そうと奮闘する、家族思いな黒ロン中学生主人公。
ツヤ髪が踊るたびに俺の心も弾むし、むしろ第1話の1コマ目で髪を結うしぐさで俺は死んだ。
[漫画]2015年09月単行本の購入予定
ジタバタする日々の中で艦これを再開させてしまう謎。瑞穂掘りで心折れつつあります。
09/04 講談社 ヤンマガKC 亜人ちゃんは語りたい 2 ペトス
09/04 集英社 ジャンプコミックス I・ショウジョ+ 4 高山 としのり
09/05 小学館クリエイティブ ヒーローズコミックス 死にたがりの尺度 淡田青 連作短編集 淡田 青
09/07 講談社 アフタヌーンKC 甘々と稲妻 5 雨隠 ギド
09/07 講談社 KCxARIA オルガの心臓 3 雨宮 もえ
09/07 講談社 アフタヌーンKC 鉄風 7 太田 モアレ
09/07 講談社 アフタヌーンKC つるつるとザラザラの間 4 月子
09/10 マッグガーデン ブレイドコミックス 魔法使いの嫁 4 ヤマザキ コレ
09/11 小学館 ビッグ コミックス たそがれメモランダム 2 田村 茜
09/11 小学館 ビッグ コミックス 恋は雨上がりのように 3 眉月 じゅん
09/14 KADOKAWA BEAM COMIX ヒナまつり 9 大武 政夫
09/17 講談社 KC月刊マガジン ボールルームへようこそ 8 竹内 友
09/18 集英社 ヤングジャンプコミックス イエスタデイをうたって 11(完) 冬目 景
09/18 小学館 サンデーGXコミックス じごくあね 3 吉田丸 悠
09/19 KADOKAWA MFコミックス アライブシリーズ 断裁分離のクライムエッジ 11 緋鍵 龍彦
09/23 講談社 モーニングKC コンプレックス・エイジ 6 佐久間 結衣
09/23 講談社 KCDX 独身OLのすべて 3 まずりん
09/23 講談社 モーニングKC ホーリータウン 宮崎 夏次系
09/23 講談社 モーニングKC 夕方までに帰るよ 宮崎 夏次系
09/25 白泉社 ジェッツコミックス 3月のライオン 11 羽海野 チカ
09/26 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT ib ―インスタントバレット― 5 赤坂 アカ
09/26 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT 凪のあすから 5 前田 理想/Project-118
09/26 白泉社 ジェッツコミックス3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 1 西川 秀明/羽海野 チカ
09/30 小学館 ビッグ コミックス 茄子とアルタイル 2 大野 ツトム
09/30 少年画報社 YKコミックス 壊れていてもかまいません 2 あらた 伊里
09/30 少年画報社 YKコミックス 僕らはみんな河合荘 7 宮原 るり
09/30 新書館 ひらり、コミックス ショートケーキと加瀬さん。 高嶋 ひろみ
09/30 竹書房 バンブーコミックス 私に見えない恋心 仙石 寛子
09/30 白泉社 書籍扱いコミックス アパルトめいと 2(完) 犬上 すくね
09/下 新書館 ウィングス・コミックス はれたら明日! 高嶋 ひろみ
9月の購入予定。
「亜人ちゃんは語りたい」、すでに人気盛り上がってる感じではありますがその中での2巻発売。
ハジケてくれている「I・ショウジョ+」も4巻目。いいぞ、もっとやれ。
「鉄風」7巻。来月発売の8巻でついに完結。「才能」を描いた作品って好きなんですが、この作品は中でも強烈に輝いていた作品に思います。雑誌読んでなかったので結末が楽しみです。
「魔法使いの嫁」。静かに穏やかに風のようにやってる作品。もうそろそろメディア展開来そうな予感も。
やさしいせつない夕暮れ、「たそがれメモランダム」はしっとり読みたい作品。
「ボールルームへようこそ」8巻!着々と巻数を重ねて、テンションが落ちてこない。
地味に、大事件な「イエスタデイをうたって」の最終巻。雑誌で読んだけれど、なんか感慨深い。
「ホーリータウン」「夕方までに帰るよ」と夏次系をたっぷり堪能できる秋。
「3月のライオン」も新刊発売。前巻のラストがアレだったので、めちゃくちゃ続きが気になってた。
合わせてスピンオフ「灼熱の時代」も楽しみ。まだまったく読めてない。
ナイスラブコメ「壊れていてもかまいません」待ってました第2巻。作者の百合趣味があふれでる。
高嶋ひろみ先生は単行本2冊リリース。加瀬さんシリーズ大好きなんですよね・・・!!!
09/04 講談社 ヤンマガKC 亜人ちゃんは語りたい 2 ペトス
09/04 集英社 ジャンプコミックス I・ショウジョ+ 4 高山 としのり
09/05 小学館クリエイティブ ヒーローズコミックス 死にたがりの尺度 淡田青 連作短編集 淡田 青
09/07 講談社 アフタヌーンKC 甘々と稲妻 5 雨隠 ギド
09/07 講談社 KCxARIA オルガの心臓 3 雨宮 もえ
09/07 講談社 アフタヌーンKC 鉄風 7 太田 モアレ
09/07 講談社 アフタヌーンKC つるつるとザラザラの間 4 月子
09/10 マッグガーデン ブレイドコミックス 魔法使いの嫁 4 ヤマザキ コレ
09/11 小学館 ビッグ コミックス たそがれメモランダム 2 田村 茜
09/11 小学館 ビッグ コミックス 恋は雨上がりのように 3 眉月 じゅん
09/14 KADOKAWA BEAM COMIX ヒナまつり 9 大武 政夫
09/17 講談社 KC月刊マガジン ボールルームへようこそ 8 竹内 友
09/18 集英社 ヤングジャンプコミックス イエスタデイをうたって 11(完) 冬目 景
09/18 小学館 サンデーGXコミックス じごくあね 3 吉田丸 悠
09/19 KADOKAWA MFコミックス アライブシリーズ 断裁分離のクライムエッジ 11 緋鍵 龍彦
09/23 講談社 モーニングKC コンプレックス・エイジ 6 佐久間 結衣
09/23 講談社 KCDX 独身OLのすべて 3 まずりん
09/23 講談社 モーニングKC ホーリータウン 宮崎 夏次系
09/23 講談社 モーニングKC 夕方までに帰るよ 宮崎 夏次系
09/25 白泉社 ジェッツコミックス 3月のライオン 11 羽海野 チカ
09/26 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT ib ―インスタントバレット― 5 赤坂 アカ
09/26 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT 凪のあすから 5 前田 理想/Project-118
09/26 白泉社 ジェッツコミックス3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 1 西川 秀明/羽海野 チカ
09/30 小学館 ビッグ コミックス 茄子とアルタイル 2 大野 ツトム
09/30 少年画報社 YKコミックス 壊れていてもかまいません 2 あらた 伊里
09/30 少年画報社 YKコミックス 僕らはみんな河合荘 7 宮原 るり
09/30 新書館 ひらり、コミックス ショートケーキと加瀬さん。 高嶋 ひろみ
09/30 竹書房 バンブーコミックス 私に見えない恋心 仙石 寛子
09/30 白泉社 書籍扱いコミックス アパルトめいと 2(完) 犬上 すくね
09/下 新書館 ウィングス・コミックス はれたら明日! 高嶋 ひろみ
9月の購入予定。
「亜人ちゃんは語りたい」、すでに人気盛り上がってる感じではありますがその中での2巻発売。
ハジケてくれている「I・ショウジョ+」も4巻目。いいぞ、もっとやれ。
「鉄風」7巻。来月発売の8巻でついに完結。「才能」を描いた作品って好きなんですが、この作品は中でも強烈に輝いていた作品に思います。雑誌読んでなかったので結末が楽しみです。
「魔法使いの嫁」。静かに穏やかに風のようにやってる作品。もうそろそろメディア展開来そうな予感も。
やさしいせつない夕暮れ、「たそがれメモランダム」はしっとり読みたい作品。
「ボールルームへようこそ」8巻!着々と巻数を重ねて、テンションが落ちてこない。
地味に、大事件な「イエスタデイをうたって」の最終巻。雑誌で読んだけれど、なんか感慨深い。
「ホーリータウン」「夕方までに帰るよ」と夏次系をたっぷり堪能できる秋。
「3月のライオン」も新刊発売。前巻のラストがアレだったので、めちゃくちゃ続きが気になってた。
合わせてスピンオフ「灼熱の時代」も楽しみ。まだまったく読めてない。
ナイスラブコメ「壊れていてもかまいません」待ってました第2巻。作者の百合趣味があふれでる。
高嶋ひろみ先生は単行本2冊リリース。加瀬さんシリーズ大好きなんですよね・・・!!!