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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

完結記念 この柳の浮かれっぷりがヒドい2016 in 最終巻 『ラストゲーム』11巻

過去記事 1巻→[漫画]小学校から大学へ、10年かけて挑む恋のバトル 『ラストゲーム』1巻

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   泣いても傷ついてもそれでも好きっていいたいの

「ラストゲーム」完結記念!!!!
この柳の浮かれっぷりがヒドい!!!!!
2016を開催いたします!!!!!!

勝手に選びました。さっそくネタバレ全開だ、振り落とされんなよ!

第5位!!!!!

ラスゲ112

付き合うことになりました

わ、わ~~!あるある!こういうやつ!浮かれちゃって改まって報告しちゃうやつ!!
浮かれきった柳の顔に一瞬「かわいそうなことにならないかな」という念も浮かぶが
これまでのことを思えばもうちょっと過剰なくらい幸せになってくれてもいいよ、柳は。
しかし「いえ~い」の軽いノリ、ここだけ大学生テンション強くて笑う

真面目に感想を挟んでいくと、ようやく念願かなってついにいよいよ、
焦れったくて勿体ぶられて仕方がなかった柳と九条もお付き合いスタート。
ラストゲーム最終巻となる11巻は切なさ20%、幸福度3億%ぐらいの比率。
言葉にならないくらいのハッピーエンドが全力全開でめくるめく。
これは戦争だ。天乃忍先生は、こちらを殺すつもりでかかってきているんだぞ。

第4位!!!!!

ラスゲ114

取り残されてキレる柳

めんっどくせーな!!!そういう所がかわいいんだよ!!!!!
付き合ったとたんにもう「仕事と私どっちが大事なのよ!?」のテンションである。
しかもこいつ少女漫画のヒーロー役なんだけどな。

第3位!!!!!

ラスゲ113

あまりに恋人が可愛すぎたため崩れ落ちる柳

これまで不憫な出来事が続きすぎたため、九条が本当に彼女になってくれたことに
脳の処理能力が追いつかずたまにこうなる。かわいいしか言えなくなるとき、あるある。

第2位!!!!!

ラスゲ111

にじみでる気持ちわるさ

俺の大好きな柳がそのまま全面に出ている柳。彼がもっとも輝いている瞬間である。
嬉しいあまりいちいち「はあ・・・九条が俺の彼女かぁ~~~~」とか再確認ばかりしてしまう。
しかもそれが口に出てしまうから最高!柳!やったな!ドン引き!

第1位!!!!!!

ラスゲ115

俺のこと好き?

言わせたいだけじゃねーか牢にブチこむぞ!!!!九条と二人きりにしてやる!!!!
直前にでこちゅーを挟んでくるのもポイント高いですね、とびきりのイタズラ顔も眩しい。
相手の反応見て楽しむような余裕を持ってしまうほど調子に乗ってる柳もムカつきますが最終巻だしまぁね。いやそれにしてもひどいよ、愛されキャラすぎるぜ柳。



以上、散々たる浮かれっぷりをご覧いただきました。なんだよいやヒドイものだよ・・・
女漫画のヒーロー役として、こんなに情けない姿を見せてもいいんですか?
なんとか言ってやってくださいよ九条さん!!

ラスゲ116

かわいすぎ😇😇😇😇😇😇😇😇😇😇
だめだ~~~鉄壁の九条さんですら陥落してしまった~~~~~幸せな家庭を築いてくれ🏠

思う存分にイチャついてもらったところで、まだ本番は残っているのです。
迎えるは結婚式、その当日、そしてその未来。
余すとこなく彼らの満開の笑顔を噛みしめて、俺の頬はゆるゆるさ。



恐るべきは上にあげたシーンはすべて第54話に収められているという所。
なんと付き合いたてのエピソードは54話、その次はもう最終話で結婚式。
正直を言えばもっとたっぷりと、幸せを味わっている2人を見ていたかったように思うけれど
まぁこれまでも両片思いシチュをひたすら突き進んでいた彼らのことだから、この1話だけでも満腹ありますね。
もうほんっと・・・・・・・・・この2人、可愛すぎる・・・
結婚式も、オマケ漫画での未来も、サブキャラたちの関係性も、全てキラキラとまっすぐ輝いていた。

1巻のふたりのゲームが始まったあの夜をフラッシュバックさせ、それと重ねるエンディングも見事。
1巻第3話から始まったゲームの勝敗も、第6話の指輪の予約も、全部やりきる。
最終話はもう王道中の王道。
ほしい展開がほしいままに来るような、答え合わせみたいな気持ちでした。
思えば1巻が出てから5年近くが経っています。
クラクラしそうなほどに甘く幸福な2人を見ていると、当然ながら作中10年と続く腐れ縁を決着されたという意味でも、長期連載の幕引きという意味でも、すばらしい時間に立ち会えた喜びのような思いさえしてくるのです。


告白に至る流れも、これまでまったりとしていた本作らしからぬ疾走感でたまらない!
あの九条が、柳のために空港まで走って向かい、息も落ち着かないまま勢いでドン。
あれだけ焦れったかった、焦がれるのも飽き飽きした、けれどずっと欲しかったシンプルな恋の告白はついに柳の耳を捉える!泣くわ!
落ち込んで柳からの着信も取れない九条の切ないワンシーンとかもね、かわいすぎる。
告白の場面となっては、本当に今にも泣きそうで、ただわけも分から走り出してしまうようなただの女の子。
理性的な彼女らしくない、けれどだからこそ言うことのできた言葉でもあったように思います。

そしてそんな告白をアシストした蛍くん。やはり最後まで、愛された失恋キャラでしたね。
結婚式で撮影係をしていた彼が、九条に向けて「笑って!」と本心から言うことができることに、
そしてかすかな痛みを感じる要素も入れ込んでくるあたりもニクい演出。
桃香様ともやりともも微笑ましくて大好きだった。

特別編もオマケ漫画もぎっちりとサービス精神が詰まった嬉しい内容ばかり。
さらに8巻から引き続きドラマCD付き限定版も同時発売。またこのドラマCDがいいんだよ。
ドラマCDでしか聞けない結婚式での一幕をふくめ、オリジナルエピソードも。
最終巻のお祝いに、お得感たっぷりと約50分のボイスドラマ、こちらも是非。
個人的には、九条とお母さんのやりとりがグッときた。そうなのだ、九条という女の子を語る上で、母親の存在は外せない。強い絆で結ばれた母子の歴史を感じるようなスペシャル感のある演出だ。
通常版と限定版で表紙も違うので俺は両方買ってしまいました。
本編通りのウェディングな九条も最高だが、神前式での九条もまた最高。柳は両方なんか笑える。

作者も書いていたけれど、九条の満面の笑みというのはこれまで意図的に封印されていたらしい。
だからこそ、溢れ出した恋がかなったとき、そして永遠を誓う式のとき、彼女はこれまで見たこともなかった最高の笑顔を見せてくれる。
蛍くんが向けたカメラへの力強い返しを見て、なんだかほっとしてしまった。
あんな顔をされたら、安心してしまうほかないんです。

個人的な思い入れの強さもあって、リアルタイムで追い続けたラブコメだけに
終わってしまうことはとても寂しいですね・・・読めば幸せになれる薬みたいな(怪しい響きだな)作品だった。もとは1巻で完結していた作品で、好評だったからってことで10巻も増えてしまった本作。
1巻の完成度から評価も高かったですが、いやいや、よくぞ続けてくれた。
積み重ねた年月の重みが、そしてボリュームをましたストーリーに読み手の想いも募って
成熟した作品になったなと感じます。読み続けてよかった本当に。
すれ違ってばかり、から回ってばかりの、柳と九条の物語を読むことができてよかった。


最高のハッピーエンドをありがとうございました!
次回作楽しみです。趣味全開の悲恋ものも待ってます!

『ラストゲーム』11巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
10年をかけた恋のバトルの行方がここに。感極まるエンディングでひたすらニヤニヤできる。
柳くんをこバカにしたような記事を書いてしまって気分を害されたらすみません。柳大好きなんです・・・

絶対、好きにならない、だから。『やがて君になる』2巻

7年ぶりにPCを買い換えてwin10に変えたらスキャナーが使えなくなったよくある話。

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   心臓が選んでくれたらいいのに

大人気「やがて君になる」2巻です。
冷ややかな感情描写と熱を帯びていく物語の加速に惚れ惚れした本作。
1巻発売後から各所で話題となって、すでにかなりの知名度になっている感じ。
それもうなずける面白さ。発売から時間は立ってしまいましたが2巻の感想も行きます。

前回感想→わたしは貴女の特別なひと。『やがて君になる』1巻




2巻からは生徒会のほかの生徒たちも揃い、メインメンバーが揃った感じがある。
会長の七海、副会長の佐伯、主人公の小糸。
そこに加わった男子2人(!!)。チャラいノリのメガネ男子、堂島。ややおとなしい性格の慎。
メインキャラにがっつり男子キャラを増やしたあたり、この作品なりの挑戦とこだわりと感じますね。
個人的にも男子も出る百合漫画の方が好きだったりする。
性という言葉が持つ境界をさぐるのも百合漫画の醍醐味だとも思う。
という話はさておきこの新キャラのうち慎くん。
こちらがなかなかすごい形で小糸と七海との形に介入してくる。

君になる22

秘密を握るという形でいきなり小糸の超至近距離までやってくる。
けれど悪意のある人物じゃなく、あくまでも傍観者として、演目を客席で眺めているスタンス。
当事者たる小糸としては、客席に誰かがいると知ってしまっては・・・小さな変化も訪れるだろうとは思うけれど・・・。
客席から見る彼は、これは相思相愛の恋物語に見えると言う。
壇上にいる彼女は、これはなんてことない普通の感情と言う。

他人と判断する状況と、当人の感じる気持ちのズレ。
自分の態度を、第三者に観察されて、くだされる判断。恋愛を知らない小糸にとってはかなりのプレッシャーでもあるのでは。

具体的にアクションは取らず、ただ傍観をするという意味で慎くんは読者に近いポジションのキャラクターですね。男子がこんなに存在感を出してきても、正直危機感はあまりなくて、いいスパイスになっている。
年頃の男子にしては達観しすぎているので、なにか裏や過去の傷があるのかと考えてしまったりもする。
ともかく、今後もストーリーの根幹にある程度噛んできそうなキャラクタ。


そしてストーリーはかつての伝統、「生徒会劇の復活」へと進んでいく。
七海の追うお姉さんの影も具体的に見えてきて、ぐんぐん話もディープになっていく。

君になる23

つきつけられる拒絶。
より複雑に、より純度を増していく「好き」という呪縛。
上記のシーンが登場する第10話「言葉は閉じ込めて」は過去最高のスリルとポエムが味わえるまさに至極の32ページ。このこじらせ方が青春か。
そしてその番外編「言葉で閉じ込めて」で完全KOを喰らいリングに沈むのである。

姉の影を追う七海先輩にとって、浴びせられる好意は「姉のコピーをする私」に対するものとして捉えてしまう。だから「好き」は彼女にとっての枷だった。「こういうあなたが好き」というならば、そうじゃない私は好きではないのではないか。
けれど小糸は「好き」を持たない。だからこそ好き。
あたたかく包んでくれる、心はずむ言葉をくれる、けれど愛してくれない。
世界で1番優しい、私だけの特別なぬいぐるみ。

君になる21

彼女はあえて「好きだよ」と言う。
こたえてもらえないことを知っている。それでも彼女は私の特別でいてくれる。
聡明な彼女は、すべてを知り尽くして自分を騙している。
彼女自身が愛されることを望んでいないのだから。
・・・それもまた、自身を騙しているだけなのかもしれないけれど。




性癖に見逃せないのが副会長の佐伯先輩ですよ!!
1巻よりずっとずっと嫉妬心をむき出しにして、スマートな振る舞いしているようで、傍からみるとなかなかにみっともない事になってますよ!!
無茶をする彼女をただ救うのではない。私がいる。私が助ける。私がそばにいる。
小糸に対して「年季が違うんだよォ!」とばかりに牽制する佐伯先輩~~ウオォ~~。
ハァハァ・・・クッ・・・だめだろ先輩・・・こんなかっこいい、かっこわるいことばっかりしてちゃ・・・・・・・・・・耐えらんねぇよ・・・・・・もっとくれ

ツイッター上で見かけた説ですが、主人公のフルネームが「小糸侑」で、これは「恋という」という言葉につながっているのでは、というネタ。
たしかに主人公は恋心を知らないという物語上キーとなる個性があるので、その由来は非常に納得できる。
しかして物語は次々と転がり、ある種の「特別」をつかめているように感じる。
甘く熱い感情だけではない。応えられない、理解のできない悲しみに、「心臓が選んでくれたらいいのに」とさえ願ってしまう切ない夜。
そこに小糸なりの本当の気持ちが隠されているかもしれないし、たとえ恋じゃなくたっていい。
こんなに一人の人だけをおもう瞬間があるのなら。
え、エッモ・・・!

ところでメロンブックスで買うとゲスト作家陣ふくめ超豪華な冊子がついてきまして。
http://daioh.dengeki.com/blog/comics/『やがて君になる』第2巻書店特典をまとめてみ/
書店特典だけにとどめて欲しくない超クオリティな特典だったので
どうでならこちらもゲットすることをおすすめしたい・・・が・・・これ書いてる時点で残ってるのかどうかは怪しかったので気にしないでください。

『やがて君になる』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
盛り上がってきている百合漫画といえば、うむ、これだ(差し出す)
女の子たちの姿勢がとても綺麗な漫画だと思います。不安な気持ちも隠して凛と立つ。

[漫画]わたしは貴女の特別なひと。『やがて君になる』1巻

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   好きにならなきゃいけないと思って 辛かったんだね

「特別」って何だろうかと、思う瞬間。

仲谷鳰さんの初連載作、「やがて君になる」の1巻が発売されました。
発売前から知り合いに「いい百合漫画がある。分かりやすい百合とはちょっと遠いかもだけど」とオススメされて、どういうこっちゃと期待値高めに購入した次第。
結果的にはめちゃくちゃおもしろい。かつ、恋愛感情というものに対してこれまであまり見なかったようなアプローチがされているように感じられます。かなり新鮮でした。
ざっくり感想を書くとします。

漫画を読む前でも読んだ後でも、このインタビューは面白いと思うのでこちらも要チェック。
百合作品に対する想いを語る――電撃コミック『やがて君になる』作者突撃インタビュー!



新入生、小糸侑。
恋愛が分からない。焦がれたいのに心が揺れない。
恋愛不感症とも言えるそんな主人公が、生徒会の先輩である七海燈子と出会って物語は始まります。七海先輩は男子からはもちろん女子からも愛の告白を受けるような、いわゆる高嶺の花。
「今まで好きと言われて、どきどきしたことないもの」とまで言ってのける彼女は
しかしとある事から小糸侑に心惹かれるようになり、アプローチをかけていく―――
はじめて特別な感情を抱いた先輩と、いまだ“特別”の感触を知らない小糸。
2人の関係にまつわる、様々な感情が少しずつ暴かれていく形で、ストーリー進みます。

恋愛不感症とは失礼は言い方ですが、そんな主人公・小糸侑のキャラクター性こそが、この作品の大きな魅力になっていると思います。
ときめき度高いセリフやシチュエーションが繰り出されたところで、彼女は動じない。きっとこれは喜ぶべきことなんだろう、素敵だな、と思いはする。でもそれは絵空事のように実感は無く、彼女にとって嬉しいも悲しいもない。感情が揺らがない。

本で読む、歌に歌われる、キラキラした恋模様。
まるで羽根が生えたように心は軽く舞い上がって、ドキドキして震えが止まらないような興奮。
そんなのを夢見るけれど、いざ告白されたって

やがて君になる11

舞い上がること無い心、しっかり地面を踏みしめたままの脚、静かなままの心臓。
小糸は先輩との関係性を通じて、これから恋を知っていく・・・という流れではあるものの
時折、この主人公の黒い感情が炸裂する。炸裂してくれる。これがたまらないんですよ!

“特別”を知った先輩に対して「ずるい」と、嫉妬のような感情を露にしてしまう。先輩の好きな人は自分なのに。自分がその“特別”の感情を知らないことからくるいらだち。
まずもって小糸が先輩に興味を抱いたのは、先輩が自身と同類だと思ったからだった。
その先輩は、ほかならぬ自分で“特別”を知って、変わった。
私も知りたいのに。私もそっちへ行きたいのに。どきどきして、ふわふわしたいのに。

やがて君になる12

けれど、特定の相手にこういった黒い感情を抱いてしまうってことも
恋愛不感症である彼女にとっては、ひとつの進歩のようにも思えたりする。
先輩の必死のキスを、無感情に無感動に受け止めた小糸。
彼女がそういう“特別”を先輩に抱く。ポジティブな気持ちでは無くても。
これというのもひとつ、先輩との関係における彼女の得たもののひとつに感じる。

・・・でも彼女は恋愛的な意味でどきどきできない意味での不感症であってけっして感情が無いわけではないです。
もとから感情が薄いこともあるだろうし、幼少のころから「恋とはすごいものらしい」というイメージが膨らみ上がりすぎて、いざ自分が直面したときのギャップが激しかったというのも原因にあるだろうな。
彼女の抱いた嫉妬だって、恋愛がらみではなく人間が備える元来の感情ではあり
これを彼女の恋愛的な進歩と呼ぶのもちょっとズレがあるかなぁと自分で反論したり。
でもひとりの人間に強い感情を抱くというある種の執着は、どんな形であれ心の距離を縮めるように思う。

ともかく、彼女の感情の揺れ動きを追うだけで、彼女のモノローグをひとつ取り上げるだけで、とてもワクワクするのです。なんてめんどくさい女の子なんだろうかと。でもそこがひどく可愛らしい。



どうして先輩は私のことを好きなんだろうかと、恋をする人たちがその身を焦がす感情とはどんなものなのだろうかと、小糸は悩みます。
幸せな悩みでもあるだろうけれど彼女は彼女なりに、涼しい顔をして、この命題に取り組むのです。

で、そんな難敵に恋してしまった七海先輩は、これまた本当に、乙女なんだ・・・
これまで恋というものを知らず、誰とも付き合いもせず過ごしてきた彼女。
クールな彼女が初恋を前にジタバタしてしまうのがかわいすぎる・・・!!

なんとか、なんとか意識してもらおうと不意打ちキスをきめたり
休みの日だってオマケみたいな理由を付けて会いにきたり
人前では凛々しい彼女が、裏からこっそり小糸に触れられたら動揺が隠し切れない。
ささやかなシーンですがペットボトル回し飲みの間接キスに照れちゃうのも地味に破壊力高い。
「アーーーッ!!アーーーーッ!!!」と思わずのけぞってしまう可愛らしさ。
相方がなにを言われてもされても赤面ひとつせずツンとした女の子なので
その反動のように、等身大の恋する女子が全面にあふれた七海先輩が際立つ。

けれど七海先輩にだって一捻りがあって。
七海先輩にとって、小糸は縋る先でもあったのだと。明かされてさらにニッコリである。

彼女は努力によって、平凡だった自分を変えて今に至った。
周りに好かれるため、信頼されるため、理想の自分を目指して、必死にもがいた。

やがて君になる13

七海先輩は、特別な自分であり続けたい。
けれど小糸は、”特別”を知らない。彼女の前でなら、特別である必要がない。
張り詰めた努力で日常を維持している先輩にとって、
小糸の前でだけは、”特別な自分”を手放せる。それこそが特別な関係なのだ。

恋愛的な意味での”特別”を探す小糸。誰かに認められた”特別”な自分が欲しい燈子。
ちがう意味合いだったはずの『特別』というキーワードがここで重なる。
読んだ時にゾクゾクきたんだ・・・お見事なんだよなぁ・・・!



一目惚れのような、最初から燃え上がるような恋じゃなくてもいい。
小糸の友人である朱里の失恋エピソード時にも語られることですが
それはそのまま小糸と先輩にも当てはまるもの。
かなり変化球な主人公ですが、だからこそこの作品は面白い。

主人公たちだけではなくサブキャラたちも今度動いていきそうな予感があるし
これは引き続きチェックしたいシリーズですね。
とくに佐伯さんは、これから黒い感情が出てきそうでワクワクします。
個人的には小糸の友人で黒ボブヘアの娘が好きなので活躍してほしいぞ・・!

百合漫画・・というにはイチャイチャ成分は少なく、そもそも恋愛そのものへのポジティブさに欠けているものの、やはりこれは、とても慎重な、とても臆病な、恋のおはなしだ。
そして恋愛にかぎらずより根本的な、人としてのつながりに視線が向けられているようにも感じる。恋というか、人を想うことに、焦点を当ててる。
「女の子だから」というより、「あなただから」と断言できるような
そういう、恥ずかしくも最高にかっこいい恋へと、物語は走りだした。
今はまだ遠いけれど、やがて特別な君になる。
いずれ来ると信じたい小糸ちゃんと初恋と、最高級の赤面を待っています。

『やがて君になる』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
期待が持てる新人さんでありシリーズ第一巻。恋愛感情を遠くから眺めるような百合漫画です。

[漫画]その永遠を刻む、鋭利で優しい少女たちの愛。『魚の見る夢』2巻

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   これで私のこと 忘れられなくなったでしょ?

すごい…すごく良かった…!!それしか今は言えない!
小川麻衣子先生のおくる百合漫画「魚の見る夢」2巻、完結巻です。素晴らしいです。個人的にははやくも2014年の俺的BEST10に入ってくる予感がしました。
ここまでうねりのあるストーリーになってくるとは。期待していたけれど、期待以上だった!
1巻を読んでいる人にはまず言いたい。こっからが本番だ!そしてそもそも未読の人にも言いたい。読んで損はしないぞ、と!(…合うならば)

「インモラル・ストーリー」を掲げるだけあり、肉親である姉妹の関係を描いた作品。
1巻は甘くも苦い束縛が心地良い作品だな、という感じでしたが、2巻はフルスロットルの全開モードでして…。
すれ違って、傷ついて、裏切って、笑って、怒り、焦がれ、涙する。精一杯の少女らがもがく水底。ただよう無限の情念。絡み取られるかのような凄みがここにはあります。
胸いっぱいの痛みと、研ぎ澄まされた鋭利さと、芯まで温まるような優しさが内包されている。そんな、ひとつの「家族」の物語です。

この作品は芳文社の百合アンソロジー「つぼみ」にて不定期掲載されていたシリーズ。しかし知っての通り「つぼみ」は休刊となり、つぼみのWebコミックとして何度か掲載されましたがWEBも閉鎖…しかし単行本で無事、完結!たっぷりの描きおろしを加えてフィナーレを迎えました。
以前「ちゃんと単行本で完結させる」という告知はあったものの、やはりちと不安でもあったわけです。しかし見事にそれは吹き飛ばされました。
そんなわけでつぼみコミックスシリーズのラストを飾ったある意味記念的な作品。
中身も、極上の一冊となっています。大満足…!

1巻感想→息苦しい…けれど離れられない私たち。『魚の見る夢』1巻

そして完結巻の発売に合わせてというすこし珍しいタイミングで特設サイトができています。
試し読みもできますのできになったらこちらもチェックしてみては。

以下、ネタバレを含んでしまうので注意をお願いします。
ところでこの2巻表紙、御影の指にドキドキしますね?



1巻クライマックス、夏祭りの直後から2巻は始まります。
感情をしずかに炸裂させ迫る妹・御影ですが巴はそれを受け入れられない。

人を好きになる重み。人の「好き」を受け止める責任。おなじ女同士だから、血の繋がった妹だから、という理由で悩むよりもっと巴は根源的な悩みに直面しています。
きっと好きにはいろんな種類があって、家族として親友として恋人として、様々な愛はある。
けれど巴は「人を好きになるって何…?」「人を好きになったことがない…」と泣く。

魚21

巴にとって「好き」という感情は、細かなカテゴライズがまだ施されていないように思えます。どんな風に好きなのかよりもまず、好きの意味を知らなかった。
母をなくし、父には敵意を見せる彼女にとって家族として頼れる安らぎが少なく、もしかしたら「好き」を理解するような心の余裕すら無かったのかもしれない。
そういう意味では巴に欠けた愛を教えるのはやはり家族の役割でもあるし、結果としてそれは実の妹である御影が果たしたと思えます。
あとがきでも述べられていたように、百合であり、姉妹関係でもあり、そして「家族の再生」を描いた作品として達成されたテーマがありました。

●高柳さんへのファーストキス
ここからは気になったポイントごとに書いていく形でかいていきます。
御影に片思いする素直な性格の女の子、高柳さん。
巴に対しては嫉妬の念を抱いているように見える彼女ですが、2巻では御影と彼女とのドラマが作品を突き動かす要因にもなりました。また御影の変化・成長を促した大事な一瞬がありました。
その一瞬こそがこの作品中でもトップクラスの名場面だったと思います。

「あなたを悲しませたくないから受け入れた」なんて、優しいけど残酷な失敗を犯した。
なかばヤケのように唇を重ね身体に触れさせた御影はほんとうにずるいなと、そりゃ高柳さんも崩れ落ちるわと。
稲妻のように一瞬できらめき燃えて、一瞬でもう取り戻せないくらいに離れ傷ついてしまった2人。
そこから御影は「人に想われる責任の重み」をはっきりと理解できるようになります。
巴に対して自分がしてきたことも顧みて、彼女はここから明らかに変えていく。

この作品、後述もしますがいくつかの「大切な一瞬を刻む行為」が描かれています。
甘美でもあり冷酷でもあるその一瞬は、高柳さんと御影にとって、あの秘密のキスだったのだと確信できる。一生消えない恋と傷。

魚22

「でも ただ一つ  初めてのキス 高柳にあげたよ」
あまりにも美しく、懺悔と神秘が織り込まれた光景が、言葉にならないくらい胸を衝いた名シーンです。ぐおおお切ねー。でもこういうのに身悶えしたいんだ。

●父親の存在とその視線
なにゆえ巴と御影がこんなにこんがらがってるのかって、父親の存在による部分が大きいわけです。1巻では少ししか見えてこなかった「父親」が、いよいよ登場。

ナチュラルにダメ人間だなぁと感じさせられる描写も数多くありますが
ゾクリとさせられるのは、自らの娘を性的に見つめる視線(88P等)です。
彼にとって失ってしまった妻の面影はいまも鮮明で、妻とよく似た御影にむける眼差しは、父親のものではなく非常に男性的。
幼い少女たちがそれに怯えるのは無理もないし、父親としての振る舞いの中にはどこか「この少女を掌握したい」チックな欲望が透けて見えるので、やっぱりこいつダメ野郎だな。

ただ父親のラスト登場シーン(160P)では、御影を見つめながら描いた絵が高評価されているわけで、娘である巴への嫉妬も抱いています。彼は負の感情を昇華できる芸術家なんですね。亡き妻、そして御影への執着を持ち続ける限り彼はしぶとく絵かきとして生きていきそうな気配。
糾弾されるべき父親ではあるけれど、彼にもそれなりなエンディングが用意されているように匂わせてくれるのがこの作品の優しさのポイントで気に入っています。

作品テーマは「家族の再生」でありながら娘たちが父親と決別、あるいは相当な距離を置いて完結するあたり、「家族であっても無条件に寄り固まるのではなく、適切な距離はあるよね」的メッセージはあるのかもしれない。

家族でありながら、娘たちに複雑な感情を抱いたまま遠くにいる父がいて。
家族でありながら、家族としてだけじゃない関係を求めたがった少女もいる。

様々な家族のあり方の中で、ベストな距離を模索する…そんな作品だったのかもしれない。気持ちの整理をつけることもまた再生と言える。

●砕け散ることで永遠を手にした少女
ここが本作の一番の見どころ。クライマックスらしい最高の盛り上がりをみせてくれた!胸が張り裂けそうな切なさと狂気が高まる、素晴らしい百合ドラマでございました…!!

こごえる水底にあるひっそりと佇む、灼熱の海底火山のような。
冷たく重く揺るぎない、すべてを燃やし散らす激しい愛。

物語の核心に触れる部分であり、ここは実際に読んでその凄みを味わっていただきたい。
ひとりの少女が奏でる悲劇的でひとりよがりなクライマックスは、理解できそうで理解できない、手の届かないもどかしさが絶妙。それでいて胸をえぐっていかれる。ぽっかり空いた心の喪失感のようなものは読んでいて自分も体感しました。

彼女はその裏切りを「相互の補完」と呼んだ。なんで傷つけたのかと問われ、「“私も”傷ついたわ」とこたえた。あの一瞬があれば生きていけるとまで言った。
すごいなぁ、ゾックゾクきますよ。理解できそうで理解できない、女の子の情念。こういう異物感を楽しみたいから百合漫画を読んでいる部分もあるのかもしれません。
少なくとも自分には及び付かない領域に、彼女たちはすんなりと魂をなじませていて、恐怖とあこがれみたいなのがごちゃまぜになりますわ。
裏切って、傷つけて、ひどいことをして、自分を相手の記憶に刻み込んでやりたい。忘れられない存在になりたい。そのために手段を選ばない。恐ろしく刹那的な生き様だ……!

とは言え、卒業式で「顔を見せて」と言ったときの“彼女”の動揺。これは、彼女が超越した存在なのではなくやはり人間の女の子なのだとわかる感じで、これも突き刺さるシーンです。
巴ははっきりとした笑顔で「さようなら」といったけれど、彼女の「さようなら」は表情を見せない背中越しの言葉でした。きっといつも通り優しそうな微笑みを浮かべていただろうけれど、あの時の去り際、彼女はどんな表情だったんだろう?巴の「さようなら」を見たあとは、それが一層気になってきます。でもそれは描かれない。こういう演出が上手いんだよなぁ…!

魚23

“彼女”こそが一番のクセモノでしたが、彼女もまた水底でもがき苦しんだ少女のひとりであって、再度1巻から読み返してみると感慨深いものがあります。そこかしこに、予感めいたものを読者に向けてちりばめていたようにも感じます。
あとがきページのイラストでは彼女もしっかり未来へ向かっていて、きっと強い女性になるだろうなと思い馳せてしまいますね。

●巴と御影の未来
クライマックスでは巴が感情を炸裂させ、御影がそれを大切に抱きとめるような展開。これまでとは役目を入れ替えたその関係性に、胸が熱くなりましたね!
そわがままな妹に囚われながらもちゃんとお姉ちゃんらしいお姉ちゃん。けれど心細くなったときには、妹が姉を抱きしめるんだなぁ。

それにしてもようやく巴のわがままな部分が出たなと思った。
1巻第5話では「前に進みたい」と家を出たがる発言をしていましたが…

魚24

巴は、前に進みたいわけでも変わりたいだけじゃなく、逃げたかったのだ。御影は1巻で「都合がいい」とこれを責めていましたが、正しかったのかもしれない。自分の理想を押し付けて、自分の殻にこもってしまう。我慢に我慢を重ねてきた巴が不満をぶちまけたのは、読んでいて不思議と感動的でした。
そしてこのシーンの御影の言葉は重く、高柳さんへの思いも織り込まれた、大切な内容でした…。
積もり積もった息苦しさから読者をも開放するかのような、未来のための前向きな言葉!
これまでは巴を縛り付けていた御影が、最後は解き放つ役割を担うというのは、いい展開でしたねぇ。

最後の最後、「震えが止まるまで…」と妹に抱きしめてもらった巴の表情に感無量。
強くありたいと願っていても、甘えたかったんだよなぁ。誰かに頼りたかったんだよなぁ。よかったよかった…!

読み終えたらもう一度見てもらいたいのが、第1巻の冒頭のカラーページ。
鮮やかすぎて言葉を失いました。すごい。狙ってたんだな。
そこからどこまでだって行ける旅立ちの場所から、2人はどこに向かうんだろうな。いやはや、完成度のたかい、その先を夢想させてくれるラストでした。



そんな「魚の見る夢」完結第2巻でした。
情念の漂う水底の住む、恐ろしいまでの愛に魂まで浸した少女たち……。
精一杯にもがいている感じも愛おしく、そこに宿る愛は恐ろしく、読み応えがありました。

1巻は展開の起伏にやや乏しいところがあり、それでも雰囲気の良さで気に入った作品でしたが、2巻は明らかにブーストかかって面白くなりました。演出面、ストーリー面ともに、ゾクゾクさせられる魅力があります。
気持ちがグラグラ揺らされて、それがまた心地よいのです。
「魚の見る夢」とはいいますが夢というほどあやふやでなく、確かに現実で進み始めたのも清々しい。

少女の心を繊細に、そして高揚感あるストーリーで描き切った本作。
小川麻衣子先生の新たな百合モノを読みたくなる出来栄えでしたね…!
「ひとりぼっちの地球侵略」も軌道に乗っていますが、こういう路線もたまらんです。
サンデー超で読んだ「インタールード」からこの作家さんのファンですが、短編も得意とする作家さん。物語の〆方が余韻あるセンチメンタルな感じですごく好きなんですよね。百合漫画のみならず、これからも良質な作品を届けて貰えたら読者としては嬉しい限りなのです。

『魚の見る夢』2巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
完成度のたかい全2巻。百合モノに抵抗がなければぜひ…!
めちゃくちゃ鋭利で優しい、少女たちのいろんな愛の物語です。

[漫画]溢れるリビドー!吹き荒れるベロチューの嵐!『リビドーハンタータケル』1巻

リビドーハンタータケル 1 (ジャンプコミックス)リビドーハンタータケル 1 (ジャンプコミックス)
(2013/07/04)
丈山 雄為

商品詳細を見る

   超!!!! カッコいいッ!!!!!

エロいっ!!直球でそう思える少年漫画のエロ枠はいつの時代も必要です。
「リビドーハンタータケル」は久しぶりに少年漫画のエロ枠の新作で心打ち抜かれたかもしれない。これは最高にバカエロい漫画だぞ。
少年漫画だとやはり健康的なエロスが目立ちますが、この作品はネットリとしたいやらしさを感じる。
ハプニングでもなく、エロいことをしたいからするっていう欲望剥き出しの内容。リビドーハンターの名は伊達じゃない!
キャラクターが次々と発情していく様は文句なしにエロく股間にダイレクトに訴えかけるパワフルさがあります。でも話の筋は少年漫画らしく、読むとスッキリ。
なお、大事なことなので先に言いうと、乳首あります。

作者の丈山雄為さんのことは四季賞受賞作「解体ザナフ」で知りました。
こちらはずっしりとヘヴィーで泣ける、大人の残虐ドラマに仕上がっていましたが
「リビドーハンタータケル」はそれとは方向性の違う、カラッと明るいエロ少年漫画!
ザナフ路線も今後期待したいところではありますが、今のところはこの溢れるリビドーに身を焦がす少年漫画でその爆発力を魅せつけてほしいですね!



簡単に言うと変身ヒーローものなのです。少年心がワクワクです。
変身すると、超絶イケメンになっちゃうのです。
変身した姿は今の自分と似ても似つかない、女性をひと目で恋に落としすぐさま発情にまで至らしめるバリバリ最強No.1イケメン。なるほど本当今日から1番1番だ1番!

大人しい性格の童顔男子、タケル。
積極性のカケラもない、草食系どころかもはやただの草男子。
そんな主人公だがしかし秘めた性欲はとてつもない!彼のリビドーに目をつけてやってきた天使・ペロエルが彼にパワーを授けます。
すべてのオスを蹴散らし、すべてのメスを従えるスーパーイケメンになれる力!
そのうえで女性を興奮させ、そのリビドーエネルギーを集めよう、ってのが目的。
主人公はひたすらヒロインたちを優しく激しく、次々とモノにしていくのだ!
うん、バカ!!
バカ漫画なりに突き抜けた様子が最高に気持ちがいいのです。
特に変身した主人公が無双しまくるシーンとか笑いが止まらないですよw

リビドー13

圧・倒・的!!
1つの絵の中で2人の男をぶっ飛ばし、2人の女の唇を奪ってみせる超スピード展開!
こういう荒々しい運転とバカみたいなテンションでグイグイと引っ張っていってくれるのが楽しいですわー!こういうバカエロ漫画大好き!

でもこういう漫画なので、やっぱりどれほどエロいのかってのが重要にもなりますが
もうね…バッチリですよ…。
アッサリはせず、ねっとりと脳に絡みつくような、生身の匂いを感じる…!
もわっとのぼり立つような…な…!

リビドー11

ヤバいヤバいヤバいたまらん。
汗の湿気で透けた下着、発情まちがいなしな吐息、情熱的な視線!

表情とか、くにゃっとした女体のしなりとか、女性が“堕ちる”カタルシスとか
絵から設定から物語から一斉に襲いかかる三位一体のエロス!!
自身を持って「これはエロいぞ!」とおすすめしたい。小中学生でこれに出会っていたらたぶん枯らしてる。

特に個人的にキャラクターの表情には、すばらしい拘りを感じて好印象。
この作家さんはデフォルメを効かせたポップな絵柄なのですが、それでいて女性の細やかで魅力的な線をいっぱい絵に投入している感じがする。それがよく現れているのが表情。
特にうっとりとキスを交わすこの漫画の見せ場の場面は絶品ですよ。
そう、キスといえば、この漫画はキスシーンが多いのです。

リビドーハンター12

愛おしげにチュッチュする場面が1冊の中でたっぷり拝めます。
うーんイイ…。腰に乗っかられ自由を奪われながら、女の子から濃厚なキスを受ける主人公の図。
普段は受け身、変身後は超・肉食系。
そんなふうに主人公の体質もガラッと変化する作品だからこそ、主人公をめぐるキスも様々なものがあって興奮度増しまし。女性優位からの有無言わせず強奪系へ。

キスシーンはこの作品を象徴するもので、相手の口内を下でグチュグチュまさぐるなんて最高にエロいし、たっぷりと愛で優しくキスするのも最高にニヤけるし、まぁともかくいいキス漫画。
イラストSNSの検索履歴にキスハメの4文字が刻まれ続ける漣さんにもこれにはご満悦(偉そうな上に関係薄い)
過激に愛情たっぷりな漫画は、読んでいて胸がホカホカしてくるな。



ストーリー的には1巻のラストでライバルキャラが登場。
泣き虫なロリビッチ天使はどうやらペロエルの妹さんでございました。
彼女が孕波乱を起こしていきそうな予感。
1巻段階で主人公をとりまくヒロインたちの構図は出来上がっている感じがありますが、まだまだヒロインたちは増えるのかなー。
個人的には幼馴染の小山内さんをゲームならばまっさきに攻略したい所。
しかし主人公のお母さんもまたヌケた感じでかわいいなあw

メインヒロインである少女たちは、あくまでも素のままの主人公を好いている。
このことがキーですね。ただイケメンに変身して無双するだけじゃ恋愛はうまくいかないような、主人公の根本的な成長をストーリーが促してくれそうな期待につながっています。
単純なバカエロ漫画を貫きつつ、彼自身の本当の変身を見せてくれたら嬉しい。

絵を見て思った人も多いかとは思いますが、作者は中山敦支先生の元アシスタントさんです。だいぶ師匠と絵が近い印象を受けます。
もちろんまるで同じなわけではありませんが、今のところはそう。
自分は中山敦支先生の大ファンなのでこういう独特のクセがある絵柄を引き継ぐ作家さんが居て、とても嬉しいです。
これが初単行本の作者さんなので、きっと絵も少しずつ変化が見られていくと思いますが、より洗練されたポップさとエロスが備わっていくのを見守って行きたいですね。
あとやっぱり「解体ザナフ」のようなブラックなのもいずれ見てみたいなあ。

『リビドーハンタータケル』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
すごい勢いとすごいエロス。期待したい超疾走のバカエロ漫画!

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漫画と邦ロックとゲーム。
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