きっと今は自由に、空も 『魔女くんと私』
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これって 魔法のせいじゃないのかな
警戒心のつよい怯えた小動物を、デレッデレになるまで、なつかせたい
一発目から欲望ダダ漏れになりましたが「魔女くんと私」の感想です。
縞あさと先生の初コミックスにして初連載作。いきなりハイレベルなデビュー作。
これがですね・・・めっちゃ破壊力強くて、ちょっとヨロメキましたよね・・・
ファンタジー要素もある青春ラブストーリー。さくっと読めてオススメです。
主人公の女子高生・凪のクラスに、とある少年が転入してきました。
真白というその男の子は実は魔法のちからを秘めた、魔女の一族。
男でありながら「魔女」と呼ばれる彼にはしかし、重大な秘密があります。
男の魔女は単体では魔法が扱えない。
魔力の源は女にあり、男の魔女は、女に接触した状態でないと魔法を使えないのだ。
にも関わらず。男の魔女になったばかりに散々な扱いを受け続け、
真白くんは女子アレルギーとなってしまったのだ・・・!
というわけで真白くんがめっちゃかわいい。ハイ。
そもそも人見知りというか積極的に人と関わろうとしない消極的なヤツなのに、加えて女子が苦手なせいで勘違いされまくる。
じっさい女子を避けるようになった致命的な理由も明かされるんだけど、
「苦労してきたんだろうなあ」と一発で伝わる"目つき"をしている。
すさんでいて、人に怯えた、まるで捨て犬のような。
そんな彼に興味を持つ主人公、凪。
最初こそ衝突をするも、徐々にいっしょにいる時間も増えていく凪と真白。
この凪がいいキャラをしているんですよ、真白をいい意味でコントロールする存在で、真白くんの持つ対人距離のテリトリーにズケズケに入り込み、引きずり出す。
ちょっとSッ気もあるのもかわいい。
イタズラをしたくなっちゃったときの彼女のすこし妖しい表情にゾクゾクします。
そんなわけで、2人の空気感がバツグンに好きになってしまったのです。
凪ちゃんが真白くんをムリヤリ可愛がる感じとか、
最初は怯えていた真白くんが少しずつ心を開いてゆく感じとか、もう。
設定も上手にボーイ・ミーツ・ガールの高揚感を手助けしてくれる。
女子アレルギーの男の子が、女子に触れたときだけ、魔法を使える。
そんな葛藤が滲む設定に、彼らの感情の変化も合わさって
後半はニヤニヤがとまらねぇ事にやっていく訳ですよ。
触れたくないけど、触れたい。
「異性に触れる」という思春期の、10代の、圧倒的な憧れを
それこそ本当に「魔法」に直結させる、このダイナミックな舞台がたまらん!
どんどんと真白くんも凪ちゃんも、表情に熱を帯びていくんですよ。
魔法というファンタジーな要素があっても、誰かを手つなぐことで心がときめいてしまうような、ありふれた、少年と少女の初恋の物語なんです。
魔法で起こせる事象は、真白くん自身の精神状況も多いに影響するという、
その前提を踏まえると、彼の放つ魔法の特性の変化や、それが使用された場面との噛み合わせすべてがメッセージを含んでいてタイヘンに良い(良い)(良い)。
これは真白くんの成長の物語でもあって、彼が凪という少女に受け入れてもらったことで、すこしずつ癒やされていく。ついでに懐いていってしまう。かわいいなあ、かわいいなコイツめ・・・!!
ときおり、彼が「男の子」としてムキになっちゃう時があって
思春期男子の図鑑の説明通りな行動をしてくれるので、
「意識しすぎィ!!」ともうこっちは爆笑モンなんだよな。
絵のタッチも、眩しさでかすむような、柔らかく切ない感触。
作品の魅力のおおきなポイントとして、作画の素晴らしさというのが間違いなくありますよ。見た瞬間に「好き」ってなるもんな。はかなげで甘酸っぱい。柑橘系の匂いがコミックスに刷り込まれんじゃねえのか。尊い・・・。
描き下ろしの初雪のエピソードとかその最たるもので、あまりにもエモすぎて一旦正座して読んだぞ。
気になった箇所は、本当に細かいところで本編ではないんですけど、
オビに「いじめたい系赤面男子!!」って書いてあるんですよ。
真白くんの魅力を閉じ込めたひじょうに分かりやすいテキストだと思うんですけれど、「いじめたい」という言葉はちょいと強すぎる気がして。本編で言ってないし。
というか途中で魔女への迫害・差別意識といったややシリアスな要素も顔を出す作品で、実際に真白くんもそういった目に合ってきたであろうキャラクタなのに
堂々と「いじめたい系赤面男子」と言い放つのは些か無神経でなかろうか。
まあそんな事を気にする俺もちっちゃいなと思いますが・・・
個人的には本当に大好きで、応援したい。これで終わってほしくないなぁ。
ぜひ続編を出してほしいですね。「男の魔女」という設定で学園で恋愛してくれるの、美味しすぎてもっともっと寄越せという気持ちでいっぱいです。
「魔女くんと私」シリーズではなくても、今後も追っていきたい作家さん。
いい新人さんが出てきてくれた。こういう、ピタッとくる作家さんが新しく出て来るとワクワクしてしまいます。次のコミックス待ってます。
『魔女くんと私』 ・・・・・・・・・★★★★
眩しいボーイミーツガール全1巻(今のところ)。男子がかわいい少女漫画はいい漫画だ。
[漫画]恐怖、恋愛、快楽、全部ぜんぶグチャグチャだ。『蟲姫』
本日9月6日は黒ロンの日。黒ロン祭に参加する記事です。
前々からこっそり「黒ロンの日用にとっておこう」と暖めていた作品のひとつだったりします。
今年は何について書こうかなと考えた時、やはりコレだなと思いました。
「蟲姫」という作品です。全3巻で、こないだ完結しました。→公式紹介ページ
自分の趣味嗜好を考えるに、黒ロンというのは恐怖とロマンを同時に孕んだような、底しれない何かを感じさせてくれるような、背筋がゾクゾク震え立つような、そういうのを求めてしまいがちです。
そういった部分で最近読んだ漫画で一番ゾクゾクきたのは、この「蟲姫」だったのです。
現代社会が異常発生した虫たちから攻撃を受ける、パニックホラー漫画であり
その核となるキャラクター、宗方聴久子が今回とりあげたい黒ロンヒロイン。
ぶっちゃけると人の形をしたモンスターで、人間食べます。
口から触手のばしたりして、キスして相手の内側から触手ねじこんで洗脳したり
腕からトゲはやしたり、毒を打ち込んだり、恐ろしいですね!
けれど彼女時折、涙を流す。
そして次々明かされる彼女の悲壮な過去。想い。
そういった部分できちんと魅せてくれる作品。
虫たちが活躍(いろんな意味で)する作品のため、虫嫌いな人はページをめくっただけでトラウマになりかねない。そこは注意なんですが、パニックものとしての緊迫感や高揚感、そしてその中に息づく哀しみや痛みといった繊細な感情表現が見事。
全3巻という尺も過不足無く、一本の映画を見たような感覚です。
作品紹介はこれくらいにして。今日の記事は黒ロン更新用なんですよ。
なんのためにこれを書いているのか。黒ロンのためです。
宗方聴久子。本作のヒロイン兼ラスボス。
シンプルイズベスト。ストレートな黒髪、セーラー服、凛々しい顔。
第1巻ではじわじわと主人公に忍び寄り、2巻では主人公を我が物にしようと強烈な束縛心を見せる。
作品内でラスボス扱いなのに、なんかもう、強さも弱さも兼ね揃えていて、正直メロメロにされます。
若干ネタバレをしますが、聴久子は主人公に大して本能的に惹かれてしまうワケがあります。
作品のキーとなる「虫」にまつわる事なのですが、そこに元はと言えば人間であった、聴久子という単なるひとりの女の子の想いもある。
生存願望。生殖欲求。
どこからが人の欲望で、どこまでが虫の本能なのか、その境界はもはや誰にもわからない。
ある種アンビバレントな感情を融合させあるいはねじ伏せ、
ここまで強くオーラのある形であれる彼女の立ち姿そのものがカッコいいのです。
けれど彼女は時折、涙を流す。
人でなくなった自分を嘆き、悲しむ。
今なおせめぎあう彼女の中の「人」と「虫」。
彼女というキャラクターの内で渦巻くものを感じ取ると、感情移入の先はむしろ、彼女になる。
味わい深い女の子だと思います。異型のモンスターでもあり、どこまでも儚い少女でもある。
結局、運命に翻弄されていた中で暴走していただけなのかもしれないけれど
彼女のたどる結末も含め、幸福を望みたくなる。
そして彼女の行う捕食行為も官能的で・・・こう・・・キモチワルいのに・・・じっと見てしまうよね・・・。
グロテスクかつエロティックな要素というのが本作はいたるところまで充満していて
息がくるしくほどに世界観のいやらしさが感じられます。
この作品、作画をイラストレーターの里見有さんが担当しています。
漫画としての完成度も高くすばらしいのですが、1枚絵の一気に読み手の心を掴んでくる、イラストレーターさんならではのワザも堪能できてそこも大好きです。見開きや、ここぞというキメゴマもありますし、個人的には各話扉絵が大好きなんですよ・・・
特に1巻の扉というのが、だんだんと距離を詰めてくるヒロインのミステリアスの魅力を
存分に味わえる見事なイラストで飾られているのです。一部を紹介すると
カッコいいなこれ!!!!! 忍び寄る恐怖と官能の世界が、見事に表れているのではないでしょうか。
そんなわけで個人的には今年読んだ中で最強黒ロン、宗方聴久子さんの紹介でした。
クライマックスは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。ハッピー・・・エンド・・・!!
あとオマケ的に最近読んだ中でよかった黒ロンちゃんを追加でふたり。
主人公が黒ロン。召喚した悪魔にぶつくさ文句いいつつ友達づくりを頑張る不器用ガール。
やさしい雰囲気のコメディ漫画のようでいて、時々するどい言葉でこちらを突き刺してくる。
主人公のいじけっぷりや謎理論武装もかわいい、それ以上にがんばる姿がまたかわいい。
麦盛なぎ先生は思春期の空気を描くのが本当にうまい。線から言葉から思春期が感じられるぜ・・・!
ちょっと歪んだお父さんの秘密を隠そうと奮闘する、家族思いな黒ロン中学生主人公。
ツヤ髪が踊るたびに俺の心も弾むし、むしろ第1話の1コマ目で髪を結うしぐさで俺は死んだ。
前々からこっそり「黒ロンの日用にとっておこう」と暖めていた作品のひとつだったりします。
今年は何について書こうかなと考えた時、やはりコレだなと思いました。
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「蟲姫」という作品です。全3巻で、こないだ完結しました。→公式紹介ページ
自分の趣味嗜好を考えるに、黒ロンというのは恐怖とロマンを同時に孕んだような、底しれない何かを感じさせてくれるような、背筋がゾクゾク震え立つような、そういうのを求めてしまいがちです。
そういった部分で最近読んだ漫画で一番ゾクゾクきたのは、この「蟲姫」だったのです。
現代社会が異常発生した虫たちから攻撃を受ける、パニックホラー漫画であり
その核となるキャラクター、宗方聴久子が今回とりあげたい黒ロンヒロイン。
ぶっちゃけると人の形をしたモンスターで、人間食べます。
口から触手のばしたりして、キスして相手の内側から触手ねじこんで洗脳したり
腕からトゲはやしたり、毒を打ち込んだり、恐ろしいですね!
けれど彼女時折、涙を流す。
そして次々明かされる彼女の悲壮な過去。想い。
そういった部分できちんと魅せてくれる作品。
虫たちが活躍(いろんな意味で)する作品のため、虫嫌いな人はページをめくっただけでトラウマになりかねない。そこは注意なんですが、パニックものとしての緊迫感や高揚感、そしてその中に息づく哀しみや痛みといった繊細な感情表現が見事。
全3巻という尺も過不足無く、一本の映画を見たような感覚です。
作品紹介はこれくらいにして。今日の記事は黒ロン更新用なんですよ。
なんのためにこれを書いているのか。黒ロンのためです。
宗方聴久子。本作のヒロイン兼ラスボス。
シンプルイズベスト。ストレートな黒髪、セーラー服、凛々しい顔。
第1巻ではじわじわと主人公に忍び寄り、2巻では主人公を我が物にしようと強烈な束縛心を見せる。
作品内でラスボス扱いなのに、なんかもう、強さも弱さも兼ね揃えていて、正直メロメロにされます。
若干ネタバレをしますが、聴久子は主人公に大して本能的に惹かれてしまうワケがあります。
作品のキーとなる「虫」にまつわる事なのですが、そこに元はと言えば人間であった、聴久子という単なるひとりの女の子の想いもある。
生存願望。生殖欲求。
どこからが人の欲望で、どこまでが虫の本能なのか、その境界はもはや誰にもわからない。
ある種アンビバレントな感情を融合させあるいはねじ伏せ、
ここまで強くオーラのある形であれる彼女の立ち姿そのものがカッコいいのです。
けれど彼女は時折、涙を流す。
人でなくなった自分を嘆き、悲しむ。
今なおせめぎあう彼女の中の「人」と「虫」。
彼女というキャラクターの内で渦巻くものを感じ取ると、感情移入の先はむしろ、彼女になる。
味わい深い女の子だと思います。異型のモンスターでもあり、どこまでも儚い少女でもある。
結局、運命に翻弄されていた中で暴走していただけなのかもしれないけれど
彼女のたどる結末も含め、幸福を望みたくなる。
そして彼女の行う捕食行為も官能的で・・・こう・・・キモチワルいのに・・・じっと見てしまうよね・・・。
グロテスクかつエロティックな要素というのが本作はいたるところまで充満していて
息がくるしくほどに世界観のいやらしさが感じられます。
この作品、作画をイラストレーターの里見有さんが担当しています。
漫画としての完成度も高くすばらしいのですが、1枚絵の一気に読み手の心を掴んでくる、イラストレーターさんならではのワザも堪能できてそこも大好きです。見開きや、ここぞというキメゴマもありますし、個人的には各話扉絵が大好きなんですよ・・・
特に1巻の扉というのが、だんだんと距離を詰めてくるヒロインのミステリアスの魅力を
存分に味わえる見事なイラストで飾られているのです。一部を紹介すると
カッコいいなこれ!!!!! 忍び寄る恐怖と官能の世界が、見事に表れているのではないでしょうか。
そんなわけで個人的には今年読んだ中で最強黒ロン、宗方聴久子さんの紹介でした。
クライマックスは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。ハッピー・・・エンド・・・!!
あとオマケ的に最近読んだ中でよかった黒ロンちゃんを追加でふたり。
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主人公が黒ロン。召喚した悪魔にぶつくさ文句いいつつ友達づくりを頑張る不器用ガール。
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麦盛なぎ先生は思春期の空気を描くのが本当にうまい。線から言葉から思春期が感じられるぜ・・・!
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[漫画]むすんでひらいて君との物語。『むすんでひらいて』7巻
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女の子はどうして 自分から傷付きにいくんだろう
発売から結構経ってしまいましたが「むすんでひらいて」本編の最終第7巻の感想を書きたいと思います。
いやしかし7巻か。気づけば結構長い連載になっていましたね。
さらさらと読みやすい漫画なので、そこまで長く感じないというのが正直なところ。でも振り返ればここまでいろんなカップルがいて、みんないろんな気持ちと向き合ってきていたよな。
複数の男女をめぐるオムニバス青春恋愛漫画「むすんでひらいて」。
今回はその本編の最終巻ということで、結末に向けて走っていきます。
過去にやった更新。やったりやらなかったりでしたね……。
青春は走れ!オムニバス青春学園ストーリー。『むすんでひらいて』1巻
不器用全開!甘酸っぱい青春オムニバス 『むすんでひらいて』3巻
初恋は近くて遠く、甘くてにがい。『むすんでひらいて』4巻
甘く切なく、ドキドキが鳴り止まない 『むすんでひらいて』5巻
ここまでじっくりと描かれてきた明智、夏、理央の三角関係。
というかむしろ明智―理央でカップルは出来上がっている。そこに明智のことをずっと好きだった幼馴染の夏がいて、そのことを知る理央がうまく明智との関係を踏み出せないという……あーじれったい!でも切ない!
モジモジしながらも今回はそこに完全決着。夏ちゃん理央ちゃん、がんばった!
明智のことはもう諦めている夏。でも彼女の積年の想いを知ってしまっては、これ以上明智を好きになれないと、理央は自分の恋を押しとどめる。
そんな理央の背中を押す夏!そんな夏に遠慮しまくる理央!という堂々巡りの女の子の恋愛事情でしたが、いざそこから一歩踏み出してみれば、これがまた素晴らしい。
恋と友情のはざまで揺らぎ続けた理央が出したこの結論には誰かの失恋の上に成り立つ恋なんて、嫌だと思った
そんなの全然キレイじゃないと
自分の気持ちなんてなかった事にしてしまう方がいいと思ってた
でも、たとえ後ろめたくても、手に入れたいものがあるなら
私は、間違ってもいいと
なっちゃんの勇気を、私の背中を押してくれた気持ちを、受け取らなくちゃ
これまで読んできていてよかった!と唸るしかなかった。
夏ちゃんの真剣な応援を受け取る。そして、自分の気持ちに正直になる。
明智もまた、自分を想ってくれる夏を知っています。
2人は夏という少女の片思いを知りながら、その上に結ばれるのです。
その覚悟の強さたるや。残酷なことなようで、しかしこれまで積み重ねてきた3人それぞれの思い出たちが、この結論を優しく祝福する。
はぁーよかった……。
明智と理央は結ばれるまでかなり長くかかりましたが、それに相応しい感動をくれました。
そして夏ちゃんサイド。かわいそうな少女でもありますが、それは彼女自身が選んだ道。そんな夏ちゃんを見守り、そして胸焦がれるナイスイケメンの西野くん。彼の頑張りもまた、今回の見どころと言えます。
夏ちゃんも西野くんも遠慮しいだから。優しすぎて自分を優先できなかったから。同じ目の高さから誰かを見ていた2人が、いよいよお互いを見つめ合う。
夏ちゃんを抱きしめる西野くんに悶・絶!
失恋してすぐに他の男と!と残念がる必要はなく、ここの萌えポイントは、失恋した夏ちゃんを慰める西野くんのほんのちょっとの下心が垣間見えるってところなのですよ。
いい人のような顔してさ、いや本当にいい人だってのはこれまでたくさん描かれてきましたが、この一世一代の大勝負の舞台で、「俺を意識してよ!」と言わんばかりの熱いアプローチ!!
西野くんの等身大の悩める男の子っぷり、めちゃくちゃ可愛いんですよね!
いい娘すぎる夏ちゃん。いい人だけど、ちょっとズルい西野くん。でもここで夏ちゃんをほうっておいたらクズ野郎だ。だったらよっぽど、優しく抱きしめた方がいい。抱きしめちゃったら、そりゃ、ほら。男の子だからさ。
そういう下心をたぶんちょっと意識した上で、西野くんの優しさを受け入れる夏ちゃんにもグッとくるんだよ!
「エラかったね」って頭ポンポンされたらそりゃー泣けるわー!!この包容力がイケメンたる所以だよー!!
ちなみに「エラい」は俺の地方だと「苦しい」みたいな意味の方言にもなりまして、褒めるのと同時に彼女の努力を労ってもいて、めちゃくちゃ好きなシーンでした。でも方言からセリフの意味を拡大するのは無茶かなw
恋は幸せを呼ぶとは限らないけれど、夏が体験したこの日々は、きっと色褪せることなく彼女の心に刻まれるに違いない。
夏ちゃんの失恋と、そこから新たな未来の可能性を見せてくれました。
この2人に関しては、最終話での様子も余韻あって素晴らしいのです。
「そろそろ 夏って呼んでもいい?」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…………
そして第一話をかざった日摩裏先輩と広呂くんの年の差カップル。
男性恐怖症な先輩の心をやさしく開いていった広呂くんは、そういえば告白の返事をずっと待っていたんだったよな。今までずっと好きだと伝え続けた男の子。
第1話の決着が最終話で行われる。すごく綺麗なラストだったと思います。
最終話はタイトル「むすんでひらいて」の意味みたいなのも見えてくる独白もあって、味わい深かったです。
最終巻、驚きは少なかったです。あるべきところに収まっていった感じ。
でもそれは期待通りだったわけで、なんの不満もなく、心地よく気持ちよく晴れやかに、それぞれのカップルの幸せな未来を願える。末永く、お幸せに……!
でも個人的のはありすちゃんの出番もっと増やして欲しかったなーッ!
ストーリーを語る上だとどうしても夏ちゃんについて書きたくなりますが、ありすちゃんもすごくお気に入りだった。
そんなこんなの「むすんでひらいて」本編最終巻でした。
爽やかであり、甘く切ない。それでいてサービスも忘れない。
これぞ青春漫画!と言える、よくまとまった良作だったと思います。
男の子も女の子も同じくらい頑張ってて輝いていて、全力の青春ムード。
こういうのが好きな人は多いと思うので、本編が完結したいま、一気に集めて読むというのもアリだと思うのですよ。きっちり終わりましたから。
あと「本編の最終巻」ってことはつまり、本編じゃない続きはあるってことですよ!
ということで「むすんでひらいて」の番外編、サブキャラたちのラブストーリーが綴られる第8巻を持って、完全完結となるようですね。
今から8巻の発売が楽しみです。本編完結の余韻に浸りつつ。
『むすんでひらいて』7巻 ・・・・・・・・・★★★☆
爽やか青春ラブストーリー本編完結!まっすぐな気持ちが胸を熱くする!
[漫画]モンスター“だからこそ”かわいいのだッ!『モンスター娘のいる日常』2巻
モンスター娘のいる日常(2) (リュウコミックス) (2013/02/13) オカヤド 商品詳細を見る |
よろしくお願いしますね だんな様♡
オカヤドさんの「モンスター娘のいる日常」2巻の感想。
表紙でもタイトルからでもわかるとおり、モンスター娘たちとの日常漫画です。
しかも2巻オビにありましたが、はやくも累計20万部突破だとか。大丈夫か日本、ということはいろんな場面に言えますが・・・この作品が20万部出回る日本は大丈夫なのかと改めて思いますね!たしかに1巻は買いに行ったら瞬殺していて、重版分をゲットするまで結構かかったものですが・・・!
しかし確かに売れるのも納得。ニッチなジャンルとは言え、非常にキャッチーにまとまった作品だと思うのです。普通のラブコメとはだいぶ違う、モンスター娘たちとのハーレムエロラブコメ漫画!
1巻の感想はブログでは書いていませんでしたが、こちらでちょいと書いたのでそちらも読んでもらえれば。
さくっと説明すると、モンスター娘たちの同居している男の子が主人公なのですが、1巻のラストで「よっしゃ、お前ちょっくらモンスター娘と結婚したれや」と持ちかけられてしまいました。
同居しているモンスターたちはみんな主人公のことが大好き。しかもこれまでは人間とモンスター種のHは禁止されていたので・・・うろたえる主人公を尻目に、がっつりソノ気になっちゃうヒロインたち!
1巻はわりとハプニングエロが多かったですね。ミーアなんかは最初っから好意丸出しでしたけどw しかし今回はヒロインたち自らが主人公を襲うため、積極的に「誘う」エロシーンが目立ちました。というわけで、おそらく個人的な趣味による評価だと思うのですが、1巻よりエロかった。いいよね、こういうの・・・・・・!
「ねぇ だぁりん知ってる・・・?蛇の交尾って、一晩中続くんだよ・・・?」
「こうやって頭の先から尻尾の先まで絡み合って・・・何時間も繋がり続けるの・・・・・・」
エロシーン1つとっても、ヒロインの身体の秘密にしても、人間ではありえないことを繰り出してくるのが本作の魅力。ラミア(半人半蛇)に愛されて全身巻きつかれちゃうの巻!
かと思ったら異次元すぎる脱皮プレイが始まったりな・・・!
このラブコメ漫画では、「そういう方法もあるのか!」と感心させられることが多い。あーこのシチュはエロいな~とか呟きながら読んでます。危ない。
パピちゃんは鳥人だからか脚がしっかり健康的でいいよね。ロリキャラと相まって元気な感じがよく出ていていい。そろそろ卵を産もう(提案)。
騎士道精神・淑女たれ・なちょいカタメなヒロイン、ケンタウロスのセレアさんも、なんだかんだで積極的に迫ってきますよね。「止むを得ずです!」のキメゼリフが似合う純情チョロイン。デカ乳デカ尻かわいい。
しかもこれら3人のヒロインに加え、2巻からは更にヒロインが増えました。
スライム娘きたー!
蓄える水分量で身長や胸の大きさまで変わるという、変電自在ボディ!
たゆたゆプルプル。しかも巨乳時には陥没乳首になる。なるほど、ね。(深い頷き)
2巻後半はこのスライム娘・スーを中心にドタバタしていく感じ。
てっきり1巻から登場している3人がメインでやっていくと思っていたので、ヒロイン追加はおっと思いましたね。お話のバリエーションが増えそうで楽しみ。連載が好調なおかげでしょうか。
たしかに、もっとヒロイン1人1人にクローズアップしてもらいたい欲もありますが・・・でもこの、みんな揃ってのドタバタ感も心地よくて楽しくて。
2巻ラストではまた別のヒロインが参入してきたりして、3巻への期待をさらに煽られるのです。まだまだ読みたい!こんなモンスター娘たちとの日常!
しかしまぁ、2巻目にして安定感がすごいです。おこがましい言い方かもしれませんが、作者の求めるものと作者がきっとかきたいものががっちり1つになれている感覚。「こういうのが読みたいんだ!」「こういうのが書きたいんだ!」のシンクロ。
主人公にベタ惚れにヒロインたちも一挙一動いちいち可愛らしくて、1つ1つ挙げていけばキリがありません。
そしてモンスター娘ならではの特徴が魅惑的シチュを創りだす。
コレは!と思ったのは、今回の新キャラ・スライムのスーに体ごと「取り込まれた」ときとか。
文字通りに一体になっちゃう。生死に関わる大変な自体なんですが、こんなダイレクトに女の子の身体に入れるって、なんか興奮しちゃうよな・・・。
あとさっきにも書きましたが、ラミアのミーアとの脱皮プレイ。
そう書いてもサッパリ意味不明でしょうが脱皮プレイなのです。蛇ですから脱皮は大切なことで、主人公がその手伝いをしているうちに大変なことに・・・。というか大変なところに指を突っ込んでしまう・・・!
そもそも!ヒロインが「脱皮」て!普通のラブコメじゃありえないシチュなわけですよ。
そういうありえないはずの光景が、それもラブコメとして繰り広げられる様は、頭の奥の方のイマジネーション的なのを司るどっかをガンガン刺激してくるわけです。
この漫画を好きになればそれだけ自分の想像力で「こんなエロいことができるんじゃないか・・・」とひとり悶々と興奮できてしまう。そんな楽しい時間を与えてくれるのですよ!俺はそういうところも込みで気に入っています。
新しいヒロインもまた増えちゃって、どんどんカオスになる主人公宅。
次はどんなイベントで楽しませてくれるのか。ずっと楽しみにしていたいラブコメ漫画の1つですね。
からっと明るいライトエロなラブコメディです。モンスター娘ということでギョッとする人もあるかもしれませんが、こういう雰囲気が好きな人はモンスター娘であることを気にせずに楽しめるはず。そしたらそのうち、「モンスター娘“だからこそ“かわいいのだ!」と、2巻のオビにある通りに堕っこちているんじゃないでしょうか。
普通じゃないけどかわいすぎるヒロインたちの虜にきっとなる!
性欲を隠さない更新になってしまいましたが、これくらいで丁度いい漫画。
『モンスター娘のいる日常』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
想像力を刺激するライトエロ・モンスターラブコメ。ハーレム絶好調ですね!
[漫画]単眼少女のおっきな眼かわいいよ!『真子さんとハチスカくん。』1巻
真子さんとハチスカくん。1 (マイクロマガジン☆コミックス) (2013/01/25) 221 商品詳細を見る |
あ・・・ハチスカくんのにおい・・・
「真子さんとハチスカくん。」1巻の感想。
どういう漫画かわかりやすく説明すると、コレです。
単眼!
メジャージャンルではないにしろ、近年すこしずつ見かけるようになってきた単眼(モノアイ)少女というジャンル。
「真子さんとハチスカくん。」はまさにそんなモノアイ・ヒロイン真子さんがとってもかわいく描かれたラブコメ漫画なのです。
「え?なにこれ?一つ目?」とちょっと退いちゃう人も、あっさりとしたラブコメを楽しむつもりでさくっと読める作品なんじゃないかなと思います。
マンガごっちゃで最新話が読めるので、ここでどんなもんか見てみては。
ヒロインの真子さんは単眼です。大きな目がいっこだけです。
相手の男の子ハチスカくんは鵺(ぬえ)です。猫耳みたいなの生えてます。
友人として出てくる女の子・ミウは口裂け女です。目が怖いです。
とメインキャラたちは全員、いちおう人外キャラ?と言える、はず・・・。はずなんだけどこの作品は、別にモンスターであることを取りたてて強調することはしません。モノアイってことも鵺であることも口裂け女であることを、誰も突っ込んだり疑問に思ったりしない。
一見なんじゃこりゃなキャラクターたちを描いたこの漫画ですが、やっていることはベタベタで微笑ましいラブコメだという。
普通じゃないキャラが、普通のことをしてワイワイやっている。
さて「普通」と言いましたが、でもそんな「普通」にニヤニヤしましょうってのがこの漫画の趣旨。そして実際ヒロインの真子さんのかわいさを思う存分堪能できる作品です・・・!
バレンタインにがんばってチョコ渡そうとしたり、ハチスカくんの制服着たら照れながらも嬉しがったり、もうハチスカくんが近くにいるだけで声をかけるだけで赤面しちゃう勢いである。うむ・・・かわいい・・!すぐ涙目になっちゃうのもかわいい!
単眼である外見からくるインパクトと、それを裏切る「普通の恋する女の子」っぷりが面白いギャップを生んでいる気がしますね。
ハチスカくんもまんざらじゃない様子なので、ほぼ両思い状態です。2人のイチャイチャを見てると「さっさと付き合えや!」と思わなくもない。でもそういう付き合い前のときめきってのも当然ニヤニヤできちゃうわけで、安心して読むことができますわ。
目は口ほどにものを言うといいます。真子さんのモノアイは、めちゃくちゃ素直に彼女の気持ちを表していますよ。そしてその澄んだ黒い大きな瞳に吸い込まれそうになる!
この単眼を隠すために昔は前髪を伸ばしていたんですけど、ハチスカくんに瞳が綺麗だと褒められたから今の会型にしたってのがもうかわいい。やはりチャームポイントはおっきな目!
真子さんはなによりその大きな目が表情豊かなのですよ。
大きい目ほどかわいいみたいな風潮あるじゃないですか。どうせやるならここまでやればいいんじゃないかな。目いっこにしちゃえばいいんじゃないかな。(てきとー)
単眼少女って、メガネとかどうするの?とか
モノアイだからこその話題で話がふくらむエピソードもあって嬉しいところ!
そうそう、せっかくモノアイなんだしね。もっとこういう単眼がゆえなエピソード読みたいなぁ。妄想が膨らむ!
単眼娘だからこその弱点として、真子さんはまぶたを触られるのが苦手らしいです。そうそう、そういうオリジナルな要素が楽しいんだ・・・!かわいい。
やっていることは本当にほのぼのしたラブコメ。ストーリーはほぼ無し。
恋愛模様を進める気はあんまりないんだろうなーと思いましたが、そういう全然進展しない展開を見つめているだけでも楽しいもので。やきもきしたいのです。
思ったより人外ネタが少なく読みやすいですが、2巻以降はもうちょい特徴を生かしたエピソードも増えたらもっとおもしろそうかなと思いましたね。
よくも悪くも王道のネタが多くて、新鮮味はやや薄かったかもしれない。
学校に通っていますし、メイン3人以外のサブキャラもこれから増えていくのかな。もちろんモンスターで(希望)!まぁこのまま基本3人だけで進行していく可能性が高い気もしますがw
読んでいるうちに単眼にまったく違和感なくなってきてしまうのも面白かった。
『真子さんとハチスカくん。』1巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
単眼ヒロインとイチャイチャするというシンプルなようでおかしく楽しい漫画。