[本]剣と魔法のファンタジーには浪漫が溢れてる! 『ゴッドシーカー』1巻
ゴッドシーカー 1 (電撃コミックス) (2011/01/27) 堤 利一郎 商品詳細を見る |
神話に縋る者など火に焼べてしまえ
先日の更新「やさしいセカイのつくりかた」と同じく、電撃大王GENESISで連載をしている
堤利一郎先生の「ゴッドシーカー」の1巻が発売されました。
がっしりとした世界観で繰り広げられる王道のファンタジー漫画です。
古風なRPGゲームを思わせる、剣と魔法の世界。
掲載誌が季刊なのでゆったりとした進行ではありますが、だからこそ可能なのであろう精密な画面の描き込みが迫力十分。重厚な世界感をより一層盛りたてています。
今日はこの作品を感想をー。
人はひとつ魔法を持って生まれ落ちるこの世界。
それは例えば火打石の代わりの小さな火を生む力や、切り傷を少し早く治す力など、日常生活をちょっとだけ便利にする程度のものが普通だった。
ところが小国グラン=カフナ国領主の妹・ナナベルティカ・シーカーは、伝説上の存在であったはずのオーディアス十二神の1人、剣聖フレイア・シーカーの魔法を宿して誕生した。
古代に失われた大魔法が現代に復活したことを知る人間は少ないが、その巨大な力を巡り周辺国も少しずつ動き出す。
ナナベルティカとグラン=カフナ国領主領主であり彼女の兄であるサーロードと、彼らと共に育った剣の達人の少年・オヴの3人をメインキャラに置き、骨太な物語が展開される作品です。
魅力的なのはやはりこの世界観。
剣と魔法、荒れた大地、古代からの残る伝説・・・・・・これにどうしてもテンション上がるw
キャラクターの服装からもしっかりとファンタジー色を出していますね。
アクションシーンはまだ少ないながらも魅力的な「動き」を描けているなと。
(クリック拡大)
ふと静寂が襲う、決定的な一瞬。
カッコいいなぁ。恥ずかしいくらいキマっちゃってるけど、それが気持ちいいのです。
魔法を駆使したバトルシーンでも雰囲気はばっちり。特にナナが行使する『光神』は物語序盤でさっそく披露され、その迫力でグッと物語に引き込まれた感があります。
いやー本当にいい絵だと思いますね。ちょっとザラついた質感が物語とも合っていますね。
おオカいガチファンタジーというわけでもなく、程よく肩の力を抜いたコメディチックなやり取り(主にオヴとナナをいじるサーロードという形ですがw)もあって良かったです。
そんでもってこの作品、女の子も可愛いのですよ!草原の民・リンゼルちゃんがたまりません!
草原の民はグラン=カフカ国に侵攻し、ナナの力で逆に隊丸ごと殲滅されてしまった民族。
リンゼルはその隊を率いたボスの家族らしく、グラン=カフナ国を憎んでいるのですが
行き倒れているところをオヴに助けられてたため、多大な恩を彼に感じている様子。
少しずつオヴに吸い寄せられていく彼女の心・・・そして別れ際。侵略でも戦争でも暗殺目的でもなく、もう一度この国へ来てもいいかと尋ねるリンゼル。何のためにオヴが聞き返すと・・・
「オヴに会いに だ」
ひゃおおおおおん(うめき声)!なんぞこれー!ニヤニヤが止まらない!
リンゼルちゃんの心は草原の民らしく流されやすい感じなのでしょうか・・・ちょっと心情の移り変わりが早い気がしますが、飯の恩は大きいのでしょうね。ラブコメ展開は大歓迎ですのでなんら問題は無い!
そして彼に草原の民の女性にとって大切は「守り刀」を彼に託してしまうのですが
その意味を知ってさらに悶えてしまう自分!リンゼルちゃんまじかわええ!
さてしかしメインヒロイン(?)ナナちゃんも黙ってちゃいません。
(クリック拡大)
ばっちり着替え中の姿も見られて急激にラブコメ度数が上昇を始めた第4話でした。
この後の微妙な空気の中でギクシャクしてしまう2人も素敵でしたね・・・!
もちろんラブコメ漫画ではないのでこれは一要素に過ぎないのですが
それでも2人の女の子キャラはこの作品の面白さに大きく貢献していると思います。
作品の楽しみの幅が広がっていますしね。
熱量を十分に持っている、純粋かつ良質なファンタジーでした。
とっつきにくさを感じませんし、バトルシーンの迫力もなかなかなモノです。
季刊連載な上若干ストーリーの進行もまったり気味ですが、これからもじっくりと歩みを進めていって欲しい作品。現時点でも面白いですが、更なる成長がとても楽しみ。
主人公・オヴは剣技の腕前はすさまじいですが魔法を使えないということに苦悩しています。反対に恐ろしいほど強大な魔法を持ってしまったナナもまた、破壊しかできない自分を残念がっている。魔法に関して、2人がどのように変わっていくのかも楽しみ。2人の距離感も同じくw
いよいよ次巻では本格的に国対国の戦争がはじまりそうですし、先が気になりますねー!
地味に電撃大王GENESISは良作が結構あると思います。雑誌込みで大応援!
微笑ましい恋愛要素もあればアクションや魔法を楽しむこともできるということで、幅広くオススメができる作品になっているのではないでしょうか。夢のある漫画です。
『ゴッドシーカー』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
期待のファンタジー第一巻。剣と魔法のロマンを再確認!凛々しい表紙も良いですね。
[本]19歳天才少年が女子高教師!“才能”を巡る学園ラブコメ 『やさしいセカイのつくりかた』1巻
やさしいセカイのつくりかた 1 (電撃コミックス) (2011/01/27) 竹葉 久美子 商品詳細を見る |
本当に朝永のこと好きみたいじゃない
待ってました!「やさしいセカイのつくりかた」1巻発売です。
先日一周年を迎えた、電撃大王なのに掲載作品全部オリジナル漫画のみという「電撃大王GENESIS」で連載をしている本作。季刊雑誌なので掲載が遅いことにやきもきしながら毎号楽しみにしているのですが「待ちに待った」な1巻がよーやく発売されてテンション上がってます!
それでは今日はこの作品について。
13歳でアメリカの大学へ入学、大学院へ進み研究に没頭する日々を送っていた朝永悠19歳。
しかし彼の研究に資金提供をしていた会社が倒産、研究の続けられなくなってしまう。
スポンサー探しと資金調達のためにさ迷っているところに、偶然出会った恩師に拝み倒され、学校で臨時講師として教鞭を振るうことに。ところがそこは女子校!19歳の彼は、自分とほとんど歳が同じ少女たちと教師として向かい合うことになってったのだ。
と、なんだかハーレムになりそうなシチュエーションの作品ではありますが、この作品はそこらへんきちんと節操を持っているようです。
メインヒロインは今のところ2人。
かつての事件から男性恐怖症に陥っている純情派ギャル・ハルカ。
年齢不相応な問題を安々と解いてみせるものの、才能をかくそうとする少女・葵。
まずはハルカですが、「男性恐怖症」というのは朝永の前任教師がやらかした事件が強く影響しています。その教師が仕出かしたのは性的暴行未遂なのですが、その被害者となったのがハルカ。
その人物が学校を去った後も彼女の心の傷は癒えず、男を信じられないようになってしまいました。朝永に対しても最初は敵意むき出しです・・・。
ところが少しずつ朝永の人間性にふれて、彼女の中で変化が起こっていきます。
そうなるとこれまで厳しく彼に当たってきたツケが回ってきて、罪悪感なども相まって上手く素直になることができず苦しむハルカちゃんがやたらかわゆい!軽そうな外見と奥ゆかしい女の子らしさのギャップが良いですね・・・!
一度ヘコむとわりと引きずってしまう性格なようですが自分で立ち直って見せたあたり、自分のメンタルのコントロールは上手にできる様子。それでもその方法を巡ってまたひと騒動・・・。
恋してしまったからこそ、それしか見えなくなってしまったのか。
不器用だなぁ、ピュアだなぁ。やっぱり可愛い女の子だ。
(クリック拡大)
「あたしだってまだなんだから!!!」
しかも“まだ”とのこと。うっかり叫んじゃいました。フッフー!
弱くて不器用で臆病で純粋な女の子です。主人公と恋仲になりそうなのはこちら?
しばしばヘアスタイルが変わるのも面白いキャラクターですね。
単行本ラストでは反省も込めて?三つ編み姿で登場。これもかわいいー!
一方葵の方は、先のハルカとはかなり違うキャラクターですね。
天才である朝永に「僕と同類」と言わしめるほどの頭脳を持つ少女。
ですが本人はそれを認めず、周囲にも隠そうとしている。
どうやら彼女の家庭環境にその秘密がありそうですが、それはまだ明かされておりません。
知的興味は旺盛で、それをきっかけにだんだんと主人公に心を開いていく様子は
ラブコメというより人間ドラマとしてニヤニヤできそう。
けれど全く朝永先生を気にしていないという感じでも無いようで・・・?
今後の彼女の動きが非常に気になるところですね。少し控えめな性格も○。
自分を前に進ませないように必死に抑え込んでいるようでもある葵。
けれど朝永が自分と同じくらいの歳に製作した研究ノートを見て少し彼女に異変が。
自分の知らない世界にいる朝永。しょうがない、彼は特別だなのだから。
けれど、くやしい。
静かに闘争心に火が付いた彼女。「もっと上に行きたい」。その想いがより強固に。
彼女は自分の殻を破ることができるのか。
主人公・朝永は言わずもがな天才ですし、葵も明らかに何かを持っている側の人間です。
朝永は幼少の頃から周囲のサポートによって満たされた環境でエリートとして生きてきた。
自分の才能・力量を正し理解し、臆することなく自分の道を歩んで行こうとする
外見とは少しちがって逞しい人間性を持っているキャラクター。
だから葵がなぜ自分の力を活かす方向に進まないのか理解ができない。
かつて彼女と似たような状況にあった彼は、この特殊なケースにおいても人生の先輩として意見ができる立場にある。けれど葵はそれを望まなない・・・。
と言うわけで「押してダメなら引いて誘え」とエサ(研究資料)をチラつかせる作戦を開始したりしますが、注目したいのがこの作品が描く「才能」の取り扱い方ですかね。
異質な、他の人とは大きく違うモノ。
それを持ち存分に発揮しながらも進むことができなくなった教師・朝永と、持っているけれどそれを使って進もうとしない少女・葵。2人の内面の微妙なすれ違いもこの作品の面白いところ。
また、ハルカもこの話題に絡んできます。
自分は特別じゃない。けれど朝永と並ぶためには、「何か」を手にしなくては。
最も自分が活かせるであろう舞台に自ら向かっていくハルカです。
特別なものを持っていないなら、自分の力で特別になるしかない。
上手くいかない現実に苦しまされることもたくさんあるけれど
自分から踏み出してみることが、新しい、やさしいセカイへの第一歩なのかもしれない。
ハルカと葵のどちらにも言えることです。盛り上がってきましたね。
「何か」を持っていながら歩こうとしない少女。「何か」を見つけるために歩き出した少女。爽やかに人間の成長を描いてゆく作品ですね。
とまぁなんだか偉そうなこと書きましたが、結論言うと女の子がかわいい!だから好き!
けれどどれだけの作品じゃないんだってことで長々書いてしまいました。
ハルカちゃんも葵ちゃんも可愛くて困っちゃいますね!おのれ朝永(呼び捨て)!
作者の竹葉久美子先生はこの作品が初単行本となる新人さんですが、人気的も好調らしく嬉しいですね。4月発売のGENESIS次号表紙を獲得したようです。
パンチラ等もありますが程度は抑えられ上品な読み心地。柔らかくもスッキリしたタッチと画面作りで読みやすくて嬉しいです。メインでは無くとも色んな女の子が登場しますしね。
物語も人気もさらに盛り上がっていきそうな「やさしいセカイのつくりかた」。
期待できるシリーズだと思います。しばらくかかりそうですが2巻が楽しみ。
『やさしいセカイのつくりかた』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
ヒロインたちがそれぞれ魅力的。メインの2人には頑張って欲しいなぁ。
[本]武士だからこその意地が己を変えていく! 『ムシブギョー』3巻
ムシブギョー 3 (少年サンデーコミックス) (2011/01/18) 福田 宏 商品詳細を見る |
蟲奉行所 月島仁兵衛、推して参る!!!
サンデー超・クラブサンデーにて連載していた「ムシブギョー」もこれにて終了。
現在は週刊連載に格上げされ、少年サンデーにて「常住戦陣!!ムシブギョー」とタイトルを変えてリニューアル連載が始まっています。
この旧連載版は現連載版のプロトタイプ的ポジションになってしまいましたが、だとしてもやはり面白いものは面白い!
作品としては物語が完結しないまま連載終了してしまったことはやや残念ではありますが・・・週刊で仕切り直しという珍しい事態になったので仕方ないでしょう。
イレギュラーな展開に見舞われた「ムシブギョー」ですが、一応の総括がされる第3巻です。
この巻ではムシブギョー中最長シリーズとなった白榊編(全3話)がメイン。
仁兵衛が見せる「武士の意地」と、果てないほど遠くに感じる無涯への憧れが描かれました。
迫力あるアクションも良いのですが、特別強いわけではないけれど持ち前のド根性で常に戦場に立ち続ける、彼の心意気がカッコいいですよね、この作品。キャラの内面で魅せる漫画。
青臭いんだけど貫くことは非常に難しい理想を信条にして生きる武士・仁兵衛。
この作品はやはりこの主人公だからこそ面白いのだなぁと改めて感じました。
男の子らしい無手っぽさも、ブレない想いも、素直な性格も、痛快。
しかし無涯は本当モテモテですね。男にもモテる男w
第13話は奉行所から出られないと言う謎の少女と仁兵衛が出会うお話。
手袋で守られた細くやわな少女の手。傷の付いた無骨な少年の手。
本来交わるはずのなかった2つの世界を象徴する描写ですが、なんとなしに少女の手を掴む仁兵衛にはニヤリとさせられますねぇ。いーい具合に空気が読めてなくて!
彼といるうちに些細ですが少女の表情にも変化が生まれていくのもグッと来るというもの!
そしてそんな少女の意外な正体とは一体・・・?
手渡された鈴、そしてお勤めである「御籠り」の意味など、詳細が気になるエピソードでしたが何も語られぬまま終了。現在連載中のリニューアル版でいつか語られることとなるでしょう。
個人的にも無表情っ娘は好みなので気になるキャラクターです。
そして最終話『Record of MUSHIBUGYO』は「ムシブギョー」の〆。
意図的にシチュエーションを第一話と似せることで、仁兵衛の成長を描いています。
似通った構図を使用していたのも狙っていたのでしょうね。
第一話と最終話で主人公の変化を明確にさせる演出です。
上京したてで右も左も分からず、自分が付いていながら蟲に手も足も出ず、守るべき人を攫われ、蟲奉行メンバーに救助されてしまった第一話仁兵衛。
けれど今は違う。
今度こそ、守り抜く。
多数の蟲を1人で切り捨てていく仁兵衛!たった一匹に後れを取った昔とは違うのです。
また蟲退治が終わってからも上手く一話との対比がされていました。
第一話序盤では江戸の住民たちに馬鹿にされ、話も聞いてもらえなかったかれですが・・・
それが今では新聞記事に掲載され、その活躍に湧き立つ大勢の住民たち!
仁兵衛は本当に江戸に迎え入れられたのだなぁと笑顔になれましたね・・・。
そしてそれに一役買ったのが新聞屋の娘、お園。
周囲の人間に女だから・子供だからと認められず、それを覆そうと奮闘する姿は、これもなんとなく初期の仁兵衛を思い起こさせます。そして彼女もまた、現在の陣兵衛と同じくどんどんと周囲から評価を得ていくようになります。仁兵衛の生き様が繋がっていったのでした。
このエピソードで「ムシブギョー」は終了。いい区切りだったと思います!
あとは週刊連載の方で。
以上、旧連載版「ムシブギョー」3巻でした。
物語の締めが難しい状況にあったこの作品ですが、その中でしっかりとこの作品らしさを見せつけてくれましたし、主人公の・仁兵衛の成長とその志の高さと気持ちよさ、そしてそれがどんどん人に伝わっていく様子等、上手くまとまっていたと思います。
しかしこれが掲載されたころは移籍の情報は出てなくて、本当に焦ったものです・・・。
すでに始まっている週刊連載の方がどれほどこの旧連載版に沿った内容となっていくかはまだ分かりませんが、今のところこの旧連載版をより膨らませたものとなっており、ほぼ筋書きは一緒なようです。少年サンデーでの連載を読んで気になった方は、こちらの旧連載版の単行本を買うと内容先取りが可能かも。
しかし週刊連載の方が凄く丁寧に物語を進めていっているので、そちらの進行が待つ方がいいような気も・・・?リニューアル連載というのはそこらへん旧連載版を勧めづらくて辛いです・・・。
どちらにしても大変面白い作品なのは変わりありませんが!
なお3巻の巻末オマケにはこの作品のメインヒロイン達の描き下ろし入浴漫画が。
お春ちゃんのおっぱいは素晴らしいものですが、火鉢ちゃんの身体のラインも実にナイス!
まっすぐで熱い展開とキャラクター。カッコ良いアクション。デカくて恐くて気持ち悪い敵。ザクザクした勢いの良いポップな作画。心地良い少年漫画イズムが詰まった作品だと思います。
少年サンデーに移ったことですし、この作品の発展がとても楽しみです。
堂々、常住戦陣。
『ムシブギョー』3巻 ・・・・・・・・・★★★★
「常住戦陣!!ムシブギョー」の前身作。爽快な漫画でした。週刊連載にも期待大!
[本]ざわめく心。ダンスで味わう青春の苦味と感動! 『BUTTER!!!』2巻
まだ試験中です。が、ちょっとは余裕が持てるようになってきたかも。
・・・・・・しゃる うぃ だんす
アフタヌーンにて連載中の「BUTTER!!!」2巻が発売されました。
作者のヤマシタトモコさんは最新の「このマンガがすごい! 2011」のオンナ編にて1ー2フィニッシュを決めた、今まさに乗りに載っている作家さんです。
「社交ダンス」というちょっと珍しい題材を取り扱う作品なのですが、賑やかな青春の高揚感と独特の暖かくも鋭い空気感とが絶妙に合わさった、親しみやすい作品に仕上がっています。
2巻では登場人物それぞれが新しい表情を見せるようになって来まして、物語の一層の盛り上がりを実感しました。なかなか見所が多い一冊になっているのではないでしょうか。
まぁまずは端場君です。
どうかしてるレベルで端場君が好きな自分ですが、2巻も彼の活躍が止まりません!
一巻でひとつ壁を破って見せた彼ですが、2巻ではパートナーの萩野目と同時に新たな壁にブチ当たってしまいます。それは「パートナーとのコミュニケーション」。ペアで行うダンスでは必須とも言えるであろうこの課題に、彼らが挑みます。
自分だけ技術が追い付いていない焦り・劣等感。ネガティブが爆発して卑屈になりすぎてしまう端場。言葉足らずのせいでもあるけれど、相手の気持ちが分からずカッとなってしまう萩野目。
微妙なズレがどんどんと大きくなっていく2人・・・せっかくの合宿なのに。
けれどそこから何とかしようと、下手糞ながらもきちんと行動に移す端場君がやはり良い!
気まずい沈黙の中、怯えながらもちょっと噛みながらも最初の一歩を踏み出す。
端場君が荻野目さんに向かって「荻野目さん」と呼びかけるのは、実はこれが初めて。
それに気づくと、何でも無いように見える一歩が彼なりに全力の勇気を込めたものなんだと気づかされて、より彼への愛着が湧いてきますね・・・!なんでこうかわいいんだ!
その後始まったダンスでも、ダンスでのリード役を端場君がきちんとこなしていて更にニヤニヤしてしまいました。それにくみ取り、笑顔で応え踊ることができた萩野目もナイス!
まだまだぎこちないけれど、2人の着実な成長にほっこりです。
そして何気なく、けれどきちんと描かれた合宿解散後の萩野目の様子も良かった。
確実な手応えと満足感と、みんなと離れて1人になったことのほんの少しの寂しさ。
みんなで楽しく過ごした後に1人で辿る帰路で感じる、切なさに似た不思議な気持ち。
なんだか自分にも経験があるような無いような。なんとなくノスタルジック。素敵だ。
しかし合宿開け、今度は荻野目がネガティブな方向に落ちてしまう展開へ。
元気でまっすぐな女の子で、物語を突き動かすエネルギーに満ちた女の子だったのですが、2巻ではだいーぶ落ち込みモードな彼女が描かれました。少し意外ではありましたが、これがまた面白い。
しかし彼女の性格が物語の一種の起爆剤になっていてもいたため、かなり不安にもなったり。
1巻にて端場君のために彼の手をとった荻野目。けれど今はダンスへの想いすら揺らぐ。
そうだよなー、人間強いばかりじゃないもんだよな。
彼女は直線系な女の子だと思っていたのですが、それだけじゃない所も見せられてよりキャラの体温がはっきりしてきた感じ。ハッとさせられるキャラクターの2面性。
そうそう、不安定なのが青春ですよ!心苦しいけど、こういうのも好きだなぁと。
原因はささいな失敗。ちょっとカッコよく見せようとして、逆に恥をかいたこと。
けれど一度弱った心には、何でも無いようなことも鋭く刺さりまくる。
失敗の原因を見透かされて、憧れのプロダンサーに「こんなもんだよ」なんて言われて。
そうなるとどんどん深みにはまっていき、自分の駄目な部分ばかり見えてくる。
社交ダンス部に入部をするつもりは無くとももともとダンスが好きだった彼女。それだけにこっそりとダンスへのプライドを胸に潜ませてたのかもしれない。それは彼女の中では完璧に折れた。自分の浅はかな部分をみんなに見せてしまったことへの恥ずかしさ、もしくは屈辱感。
自分ってひょっとしてちょっと凄いんじゃない?そんな、勘違い。
「・・・あたしてフツ―――・・・・・・」と零すシーン彼女は、憤りや情けなさの自己嫌悪で渦巻いているようで、ビリビリと染みました。無茶苦茶イタい。読んでる方が逃げ出したくなるくらいに。
まぁそんなこんなでどん底な彼女。
しかしそんな彼女を再び立ち上がらせたのは、待ってましたの端場君なのですよ!
たどたどしく荻野目に大切なことを伝えていく彼の姿に大興奮・・・!
そして決め台詞「・・・しゃる うぃ だんす」ですよ!
始めて端場君が自分からダンスを誘ったー!!!
ダンスの縁起だけじゃなく、本当の意味で荻野目を「リード」した端場君でした。
1巻では荻野目が彼の手を取ってくれた。今度は彼が彼女の手を取る番なのかも知れない。
不器用男子はたまりませんな!本当かわいいなコイツ!端場くんの進撃が止まらない!
内容紹介はこれくらいにしまして、一個気になったこと。
この作品は、キャラクター達の間にリアルな距離感を感じるなぁと。
先に書いた、端場君が始めて萩野目の名前を呼ぶ・ダンスに誘うということも、本当に少しずつ関係性が向上しているということを実に丁寧に描いています。
端場君と柘さんは同じ部活でわりと話はしているみたいですけども、仲が良いというわけではないみたいです。柘さんはかなり直球に端場君への不満を彼自身にぶつけて見せますし、端場君も彼女に対し特別良い感情は抱いていないような。
深く作中で追及にされてはいないにしろ、キャラ同士の微妙なズレを感じます。分かりやすい人間関係(好感度)をあまり明かさないようにしているようにも見えますねこの作品。
そういう微妙に不安定な空気感もリアルで、この作品の魅力と思えます。
一方柘さんは第11話にて、とある男子生徒を徹底的に嫌って「死ね」なんて超ストレートに罵倒してたりします。作中の曖昧な人間関係の中でこそ光る、強烈な感情ですね。真正面から女の子に「死ね」って言われるとか・・・絵的にも凄いインパクトですが、ヘコむ・・・。
まぁまとめますと、きちんとキャラクターとキャラクターの温度差のようなものが計算されているように感じるなぁ、という話でした。
ささいなズレがあったりそこに居心地の悪さを感じたりもするけれど、そんなキャラクター達だからこそ、真に心通わせた瞬間の一体感が物凄い破壊力になるのです。
2巻での荻野目の発言に掛かりましたが、物語自体もまるでダンスのようだ、なんて上手いこと言おうとして失敗した感を無茶苦茶漂わせながら〆!(逃亡
というわけで「BUTTER!!!」2巻感想でした。
連載も好調なようで、これからの展開にも大変期待です。端場くんの活躍にも!
そういや2巻から結構な人数の新キャラが登場しました。巻末オマケの登場人物紹介ページはありがたいです。知恵熱を出して寝込む端場君も可愛いですよ!(端場君に触れすぎ
結構長々書きましたが、キャラも魅力なんですが、とても雰囲気がいい作品です。
青春の濃ーい部分が詰まってるようで、自分はこの作品大好き。
楽しいことも気持ちいいこともたくさんあるけれど、凄くセンシティブな痛みも伴う。
この作品に閉じ込められている「青春」はとても等身大で、何と言っても魅力的。
3巻の発売が今から楽しみです。あとヤマシタトモコ先生の作品集めたい。
『BUTTER!!!』2巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
端場君への愛がとどまることを知らない!イタ気持ちいい青春ダンス漫画です。
BUTTER!!!(2) (アフタヌーンKC) (2011/01/21) ヤマシタ トモコ 商品詳細を見る |
・・・・・・しゃる うぃ だんす
アフタヌーンにて連載中の「BUTTER!!!」2巻が発売されました。
作者のヤマシタトモコさんは最新の「このマンガがすごい! 2011」のオンナ編にて1ー2フィニッシュを決めた、今まさに乗りに載っている作家さんです。
「社交ダンス」というちょっと珍しい題材を取り扱う作品なのですが、賑やかな青春の高揚感と独特の暖かくも鋭い空気感とが絶妙に合わさった、親しみやすい作品に仕上がっています。
2巻では登場人物それぞれが新しい表情を見せるようになって来まして、物語の一層の盛り上がりを実感しました。なかなか見所が多い一冊になっているのではないでしょうか。
まぁまずは端場君です。
どうかしてるレベルで端場君が好きな自分ですが、2巻も彼の活躍が止まりません!
一巻でひとつ壁を破って見せた彼ですが、2巻ではパートナーの萩野目と同時に新たな壁にブチ当たってしまいます。それは「パートナーとのコミュニケーション」。ペアで行うダンスでは必須とも言えるであろうこの課題に、彼らが挑みます。
自分だけ技術が追い付いていない焦り・劣等感。ネガティブが爆発して卑屈になりすぎてしまう端場。言葉足らずのせいでもあるけれど、相手の気持ちが分からずカッとなってしまう萩野目。
微妙なズレがどんどんと大きくなっていく2人・・・せっかくの合宿なのに。
けれどそこから何とかしようと、下手糞ながらもきちんと行動に移す端場君がやはり良い!
気まずい沈黙の中、怯えながらもちょっと噛みながらも最初の一歩を踏み出す。
端場君が荻野目さんに向かって「荻野目さん」と呼びかけるのは、実はこれが初めて。
それに気づくと、何でも無いように見える一歩が彼なりに全力の勇気を込めたものなんだと気づかされて、より彼への愛着が湧いてきますね・・・!なんでこうかわいいんだ!
その後始まったダンスでも、ダンスでのリード役を端場君がきちんとこなしていて更にニヤニヤしてしまいました。それにくみ取り、笑顔で応え踊ることができた萩野目もナイス!
まだまだぎこちないけれど、2人の着実な成長にほっこりです。
そして何気なく、けれどきちんと描かれた合宿解散後の萩野目の様子も良かった。
確実な手応えと満足感と、みんなと離れて1人になったことのほんの少しの寂しさ。
みんなで楽しく過ごした後に1人で辿る帰路で感じる、切なさに似た不思議な気持ち。
なんだか自分にも経験があるような無いような。なんとなくノスタルジック。素敵だ。
しかし合宿開け、今度は荻野目がネガティブな方向に落ちてしまう展開へ。
元気でまっすぐな女の子で、物語を突き動かすエネルギーに満ちた女の子だったのですが、2巻ではだいーぶ落ち込みモードな彼女が描かれました。少し意外ではありましたが、これがまた面白い。
しかし彼女の性格が物語の一種の起爆剤になっていてもいたため、かなり不安にもなったり。
1巻にて端場君のために彼の手をとった荻野目。けれど今はダンスへの想いすら揺らぐ。
そうだよなー、人間強いばかりじゃないもんだよな。
彼女は直線系な女の子だと思っていたのですが、それだけじゃない所も見せられてよりキャラの体温がはっきりしてきた感じ。ハッとさせられるキャラクターの2面性。
そうそう、不安定なのが青春ですよ!心苦しいけど、こういうのも好きだなぁと。
原因はささいな失敗。ちょっとカッコよく見せようとして、逆に恥をかいたこと。
けれど一度弱った心には、何でも無いようなことも鋭く刺さりまくる。
失敗の原因を見透かされて、憧れのプロダンサーに「こんなもんだよ」なんて言われて。
そうなるとどんどん深みにはまっていき、自分の駄目な部分ばかり見えてくる。
社交ダンス部に入部をするつもりは無くとももともとダンスが好きだった彼女。それだけにこっそりとダンスへのプライドを胸に潜ませてたのかもしれない。それは彼女の中では完璧に折れた。自分の浅はかな部分をみんなに見せてしまったことへの恥ずかしさ、もしくは屈辱感。
自分ってひょっとしてちょっと凄いんじゃない?そんな、勘違い。
「・・・あたしてフツ―――・・・・・・」と零すシーン彼女は、憤りや情けなさの自己嫌悪で渦巻いているようで、ビリビリと染みました。無茶苦茶イタい。読んでる方が逃げ出したくなるくらいに。
まぁそんなこんなでどん底な彼女。
しかしそんな彼女を再び立ち上がらせたのは、待ってましたの端場君なのですよ!
たどたどしく荻野目に大切なことを伝えていく彼の姿に大興奮・・・!
そして決め台詞「・・・しゃる うぃ だんす」ですよ!
始めて端場君が自分からダンスを誘ったー!!!
ダンスの縁起だけじゃなく、本当の意味で荻野目を「リード」した端場君でした。
1巻では荻野目が彼の手を取ってくれた。今度は彼が彼女の手を取る番なのかも知れない。
不器用男子はたまりませんな!本当かわいいなコイツ!端場くんの進撃が止まらない!
内容紹介はこれくらいにしまして、一個気になったこと。
この作品は、キャラクター達の間にリアルな距離感を感じるなぁと。
先に書いた、端場君が始めて萩野目の名前を呼ぶ・ダンスに誘うということも、本当に少しずつ関係性が向上しているということを実に丁寧に描いています。
端場君と柘さんは同じ部活でわりと話はしているみたいですけども、仲が良いというわけではないみたいです。柘さんはかなり直球に端場君への不満を彼自身にぶつけて見せますし、端場君も彼女に対し特別良い感情は抱いていないような。
深く作中で追及にされてはいないにしろ、キャラ同士の微妙なズレを感じます。分かりやすい人間関係(好感度)をあまり明かさないようにしているようにも見えますねこの作品。
そういう微妙に不安定な空気感もリアルで、この作品の魅力と思えます。
一方柘さんは第11話にて、とある男子生徒を徹底的に嫌って「死ね」なんて超ストレートに罵倒してたりします。作中の曖昧な人間関係の中でこそ光る、強烈な感情ですね。真正面から女の子に「死ね」って言われるとか・・・絵的にも凄いインパクトですが、ヘコむ・・・。
まぁまとめますと、きちんとキャラクターとキャラクターの温度差のようなものが計算されているように感じるなぁ、という話でした。
ささいなズレがあったりそこに居心地の悪さを感じたりもするけれど、そんなキャラクター達だからこそ、真に心通わせた瞬間の一体感が物凄い破壊力になるのです。
2巻での荻野目の発言に掛かりましたが、物語自体もまるでダンスのようだ、なんて上手いこと言おうとして失敗した感を無茶苦茶漂わせながら〆!(逃亡
というわけで「BUTTER!!!」2巻感想でした。
連載も好調なようで、これからの展開にも大変期待です。端場くんの活躍にも!
そういや2巻から結構な人数の新キャラが登場しました。巻末オマケの登場人物紹介ページはありがたいです。知恵熱を出して寝込む端場君も可愛いですよ!(端場君に触れすぎ
結構長々書きましたが、キャラも魅力なんですが、とても雰囲気がいい作品です。
青春の濃ーい部分が詰まってるようで、自分はこの作品大好き。
楽しいことも気持ちいいこともたくさんあるけれど、凄くセンシティブな痛みも伴う。
この作品に閉じ込められている「青春」はとても等身大で、何と言っても魅力的。
3巻の発売が今から楽しみです。あとヤマシタトモコ先生の作品集めたい。
『BUTTER!!!』2巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
端場君への愛がとどまることを知らない!イタ気持ちいい青春ダンス漫画です。
[本]「とらねこフォークロア」他、最近読んで気になった作品達。
絶賛試験期間につき、まとまった記事が書きづらい状態にあります。
そんなわけで今回はいつもとは違った感じの更新でもと・・・。
最近気になった作品をいくつか取り上げて少しずつ感想を。
あくまでも「最近読んだ」なので最近の作品ばかりではありません。
「EREMENTAR GERAD」の東まゆみ先生の新作。
目つきが悪いばかりに上手く友達が作れない主人公が入学したのは、しばしば妙な出来事が起こる不思議な学校、聖アウラケイジ学院。学園ファンタジー漫画です。
まだまだ一巻では「面白くなりそうな」作品にとどまっていると感じましたが、作画レベルは流石に高いですねー!男性キャラはカッコよく、女性キャラはふんわり可愛い。
明らかにメインキャラであるギター少女の謎を残したままは一巻は終了。2巻からが本番でしょうね。キャラクターの芯もまだまだ見えてきませんし。迫力あるバトル、学園という賑やかな舞台設定に美麗な絵と、人気が出そうな要素はかなりありそうです。
明らかに読者に向けてセリフを発してる謎の猫耳男の正体も気になるところ!
「楽園」で「ディアティア」を連載?しているかずまこを先生。
凄まじい赤面展開を毎回のように繰り広げてくれる作品で、こりゃ我慢ならんと過去作も購入。
「純水アドレッセンス」は女生徒と学校の保健の甘酸っぱい百合作品です。
素直だけど意地っ張りで、まだまだ「こども」なななおと、「大人」として「女性」として彼女に接する松本先生。2人の間の微妙な空気感、それぞれの想いが混ざりあう様子が甘く、そして切ない。この透明感はまさに「純水」。
序盤と終盤での攻守交代にも実に燃えるものがあるのでした。指輪に見立てた噛み痕の演出もお見事!良質な一巻完結漫画です。
ジャンプSQで連載していた「Dr.るっる」ですが、なんだかいつの間にか終わってしまいました・・・。手堅く読めるラブコメとして中々気に行ってたのですが・・・ううむ。
しかし最終話までしめっぽくならず最後までこの作品らしさを貫いて終わっていったので、これはこれでよかったのかなぁと思わせられました。しっかり乳首も決めてくれまして、自分は満足でございますよ。
あ、同時収録された「ラブ&マニィ」も何気に面白かった。最後の笑顔は反則級!
「AKB49」。
特別AKBのファンでも無い自分ですが、この作品は素直に面白かったです。イロモノ・企画モノだと侮っていて本当にすみませんでした・・・!熱くストレートな少年漫画に仕上がっています。
あえてAKB48を絡める必要性も無いような気もしますが、実在のアイドルグループの中に主人公が入り込むというタイアップ漫画ならでは面白さがありますね。メンバーもきちんと漫画キャラクターとして落ちついている気がします。描き分けもされてますし混乱しませんでした。
AKBファンがこの作品をどう感じるのかはちょっと分かりかねますが、
純粋に漫画としての魅力は十分にある作品になっていると思います。
クッキリしたタッチの作画も読みやすく勢いがあって良いですね。今後が楽しみ。
とりあえず漫画上では前田敦子推し。やたら渋くカッコいい秋元康さんにも要注目。
桐島ヨウ先生の初単行本「ハツハナ」。
いわゆるベタなラブコメ作品。14歳大和撫子の幼妻との同居・・・たかぶりますね!
やや安定感に欠ける作画ですが、それが不思議と良いとも思えたり。
要所要所で王道なイベントを繰り広げ、サービスシーンもばっちり。
しかしちょっと急に感じられる展開で物語は収束してしまいました・・・。もうちょっと小槙ちゃんを見守りたかったのですが・・・!
しかしラストの○○姿は凄く新鮮で、新しい日々の始まりを強烈に印象付けられました。
最後の最後での衣装チェンジ、これもベタながら上手いですね。
そんな感じで雑多な更新になりましたが今日は以上ー。
来週中盤には解放されていつも通りな更新に戻れると思います。
もっとたくさん更新したいなあ。
そんなわけで今回はいつもとは違った感じの更新でもと・・・。
最近気になった作品をいくつか取り上げて少しずつ感想を。
あくまでも「最近読んだ」なので最近の作品ばかりではありません。
とらねこフォークロア(1) (ブレイドコミックス) (2011/01/08) 東まゆみ 商品詳細を見る |
「EREMENTAR GERAD」の東まゆみ先生の新作。
目つきが悪いばかりに上手く友達が作れない主人公が入学したのは、しばしば妙な出来事が起こる不思議な学校、聖アウラケイジ学院。学園ファンタジー漫画です。
まだまだ一巻では「面白くなりそうな」作品にとどまっていると感じましたが、作画レベルは流石に高いですねー!男性キャラはカッコよく、女性キャラはふんわり可愛い。
明らかにメインキャラであるギター少女の謎を残したままは一巻は終了。2巻からが本番でしょうね。キャラクターの芯もまだまだ見えてきませんし。迫力あるバトル、学園という賑やかな舞台設定に美麗な絵と、人気が出そうな要素はかなりありそうです。
明らかに読者に向けてセリフを発してる謎の猫耳男の正体も気になるところ!
純水アドレッセンス (IDコミックス 百合姫コミックス) (2009/01/17) かずま こを 商品詳細を見る |
「楽園」で「ディアティア」を連載?しているかずまこを先生。
凄まじい赤面展開を毎回のように繰り広げてくれる作品で、こりゃ我慢ならんと過去作も購入。
「純水アドレッセンス」は女生徒と学校の保健の甘酸っぱい百合作品です。
素直だけど意地っ張りで、まだまだ「こども」なななおと、「大人」として「女性」として彼女に接する松本先生。2人の間の微妙な空気感、それぞれの想いが混ざりあう様子が甘く、そして切ない。この透明感はまさに「純水」。
序盤と終盤での攻守交代にも実に燃えるものがあるのでした。指輪に見立てた噛み痕の演出もお見事!良質な一巻完結漫画です。
Dr.るっる 3 (ジャンプコミックス) (2010/11/04) 前田 理想 商品詳細を見る |
ジャンプSQで連載していた「Dr.るっる」ですが、なんだかいつの間にか終わってしまいました・・・。手堅く読めるラブコメとして中々気に行ってたのですが・・・ううむ。
しかし最終話までしめっぽくならず最後までこの作品らしさを貫いて終わっていったので、これはこれでよかったのかなぁと思わせられました。しっかり乳首も決めてくれまして、自分は満足でございますよ。
あ、同時収録された「ラブ&マニィ」も何気に面白かった。最後の笑顔は反則級!
AKB49~恋愛禁止条例~(1) (少年マガジンコミックス) (2010/12/17) 宮島 礼吏 商品詳細を見る |
「AKB49」。
特別AKBのファンでも無い自分ですが、この作品は素直に面白かったです。イロモノ・企画モノだと侮っていて本当にすみませんでした・・・!熱くストレートな少年漫画に仕上がっています。
あえてAKB48を絡める必要性も無いような気もしますが、実在のアイドルグループの中に主人公が入り込むというタイアップ漫画ならでは面白さがありますね。メンバーもきちんと漫画キャラクターとして落ちついている気がします。描き分けもされてますし混乱しませんでした。
AKBファンがこの作品をどう感じるのかはちょっと分かりかねますが、
純粋に漫画としての魅力は十分にある作品になっていると思います。
クッキリしたタッチの作画も読みやすく勢いがあって良いですね。今後が楽しみ。
とりあえず漫画上では前田敦子推し。やたら渋くカッコいい秋元康さんにも要注目。
ハツハナ (角川コミックス・エース 308-1) (2010/12/25) 桐島 ヨウ 商品詳細を見る |
桐島ヨウ先生の初単行本「ハツハナ」。
いわゆるベタなラブコメ作品。14歳大和撫子の幼妻との同居・・・たかぶりますね!
やや安定感に欠ける作画ですが、それが不思議と良いとも思えたり。
要所要所で王道なイベントを繰り広げ、サービスシーンもばっちり。
しかしちょっと急に感じられる展開で物語は収束してしまいました・・・。もうちょっと小槙ちゃんを見守りたかったのですが・・・!
しかしラストの○○姿は凄く新鮮で、新しい日々の始まりを強烈に印象付けられました。
最後の最後での衣装チェンジ、これもベタながら上手いですね。
そんな感じで雑多な更新になりましたが今日は以上ー。
来週中盤には解放されていつも通りな更新に戻れると思います。
もっとたくさん更新したいなあ。