[漫画]下品でも単純でもないと証明します! 『こえでおしごと!』6巻
こえでおしごと! 6巻 (ガムコミックスプラス) (2011/07/25) 紺野 あずれ 商品詳細を見る |
エロゲの仕事が下品でも単純でもないことを証明します!
「こえでおしごと!」6巻が発売されました。
毎回凝った限定版を用意してくる本作、今回はなんとゲームが付いてきました。→こえでおしごと! 6巻 【初回限定版】 (ガムコミックスプラス)(AA)
うぶな女子高生がエロゲー声優をやってしまうという随分とひどい羞恥プレイに注目があつまり、アニメにもなってしまったこの作品ですが、この6巻はいつもよりぐっと真面目に声優業の厳しさを描いた内容になっています。
それでもサービスシーンは欠かさないのがこの作品のジャスティス!では感想。
今回は最近ちょっと出番が少なかった文花さんのエピソードが多くを占めています。
エロゲ声優として主人公の憧れの先輩であり、真面目でおっぱいも大きいナイスなお方。
しかし彼女、エロゲーでの演技は素晴らしいのですが、アニメのい現場となるととたんに緊張してしまい、実力を発揮することができないという悩みも抱えていました。
オーディションに出て見ても、いい役は全く獲得することができず・・・
そんな中、既に有名な役をいくつもゲットしている文花の同期・住吉神楽が登場。
不調な文花に対し、こんなセリフを吐きます。
(クリック拡大)
「エロゲーみたいな下品で単純な仕事ばっかりやってるから――
アニメに耐えうる技術とか度胸とかが身につかないのよ!」
エロゲの仕事も、大切な声優の仕事の1つ。
プライドを持って今まで積み重ねてきたものを「下品で単純なもの」と馬鹿にされ、イライラを募ら文。しかし現状彼女を見返せるような、アニメ関連の大きな仕事を獲得することは難しく・・・。
難しい局面に立たされた文花さんはどう立ち向かっていくのか。
文花さんの声優としてのレベルアップをしっかりと描いた大切なエピソードだったと思います。
ライバルキャラも憎たらしいだけではなく、恋愛や声優としてのライバル意識を絡めなかなかに読ませられる仕上がり。えっちぃシーンが少なくとも楽しめました。というとなんかおかしい気がしますけど、実際えっちぃシーンを売りにした作品であるのは間違いないと思うので、そんな中で声優業のハードな側面にもきっちり触れ、そこに真剣に立ち向かっていく声優さんたちの姿を描いたというのは大きいのかも知れません。実際面白かったですし。
過去にも声優業の難しさを語るエピソードはたくさんありましたが、今回はより生々しかった気がします。エロゲー声優がちょっとバカにされてしまうこととか。
現代の「売れる声優」に必要なスキルの話は、かなりリアリティがありました。
とまぁこの作品にとってはちょっと珍しい方向の読み応えを見せてくれましたが
紺奈はなんだかいつもどーりにラブがコメってニヤける展開を繰り広げてました。
ぐぬぬ。
今回は文花さんが強く存在感を放った巻でしたが、紺奈もちゃんと仕事はしましたね。
基本的に脱ぐ方向で。
というところで「こえのおしごと」6巻でした。
今回は間違いなく文花さんのターンでしたね。面白かったです。
過激なシーンが目立つ作品ではありますが、ネタに走り過ぎずしっかりと業界漫画らしいところも描く、懐の深さを見せつけた1冊と言えるのではないでしょうか。
しかしちょっとだけ寂しかったのは確かでもあり・・・!文花さんも脱ーげーよー!!(ジタバタ
そういえばエロゲの曲を歌った時、紺奈たちがユニット名に彼女たちが実際に通っている高校名を使ってましたが、大丈夫でしょうかね。いくら良くある名前の学校とは言え。
なんか学校バレしてしまうフラグのようにも感じてしまうんですが、心配しすぎかな。
結構長い恋愛になってきましたが、まだまだ楽しめそうです。7巻も期待。
『こえでおしごと!』6巻 ・・・・・・・・・★★★☆
生々しい話も交え、真剣に声優漫画をやってもやっぱり面白いんだなと再発見。
[小説]最近読んだ3冊『可愛くなんかないからねっ! 』『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』2巻『僕の妹は漢字が読める』
とりあえず期末試験、筆記のもの全て終わりました。
あとはちまちましたレポートをいくつか提出するくらいです。あー終わった終わった。終わってないけどもう終わったようなもんです。
とか言ってると日曜あたりにレポートで泣きを見てるかもですが・・・。
早いとこ夏休みに突入したいところ。夏はたくさん漫画読もう。
夏コミは3日間とも行く予定です。前回の冬コミが初めてだったので、夏は未知の領域。
どんな装備でいくべきなのか調べて、万全の状態で臨みたいですね・・・。
久しぶりに日記のように書きだしてはみたものの、基本的に学校行って課題やって漫画読んでブログ更新してーってのをしてるだけで特別書くことないんですよね。
漫画よりも格段に読書量は落ちますが、ラノベもちまちまとは読んでます。
と言っても最近は自力の新規開拓はあまりしてなくて、ネットで話題になってた作品とか、好きな作家さんの最新作を追っていたりとかばかりです。
せっかくなので今日は、日記ついでに最近読んだラノベについてさらさらと。
前作「レンタル・フルムーン」がとても面白かったのですが・・・瀬那和章先生はレンフル4巻ではなく新作を発売しました。ちくしょー、でもやっぱり好きな作家さんなので購入。
可愛すぎてどうしても女の子にみられてしまう主人公が、巫女さんと一緒に幽霊(?)退治をするというお話。言わば男の娘作品なのかも知れませんが、そこを強烈に「売りです!」と押しつけてる感はなく、読者と程良い距離感を保ちながらコメディに活かしています。
逆に言えばラブコメではなく男の娘作品を期待して読むと、本作は少々物足りないかも。
また主人公にしてもヒロインにしても、やや薄味になってしまっている感はぬぐえません。
それでもこの作家さんならではの技が光り、例えばじんわりとした雨の空気や、桜吹雪が視界を覆うシーンで、その時のキャラの心情を現す表現であるとともに、そこから香り高い世界観が自分に飛び込んでくるんですよね。
ちょくちょく言われますが色彩描写がとても巧みで、読んでいて気持ちいい背景を思い浮かべられる美しい文章を生み出してくれる作家さん。本作もそれは同じで、堪能させてもらいました。
華のある作品を書く作家さんではありませんが、今後とも応援していきたいです。
って、あとがき読んだら「レンタル・フルムーン」も完全凍結というわけではないんですね!
本が好きなら、きっとこの作品も好きになる。
あれ、最終的にはレンフル面白いよって話になってしまった。4巻出るのかな期待!!
ドラマCDにコミカライズにと、超スピードメディア展開を見せている作品。よっぽど1巻が評判良かったのでしょうね。GA文庫は大ヒットには恵まれてきてませんし、期待しているのでしょう。
さて、そんな俺修羅こと「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」の2巻です。
新キャラも2人登場し、1人は主人公にベッタリなおかっぱ電波少女。
もう1人が真鈴の妹である真那ちゃん。彼女が主人公と真鈴との関係を大きく混乱させ、2巻最大の見せ場へと発展していきます。
主人公がブチ切れるところは、期待通りにやってくれた!ということで相応の満足感と爽快感!主人公の必殺技は日々むき出しにされるどころかむしろ増えてく黒歴史。
しかしながら、真那ちゃんのキャラも若干ふわふわしたままラストシーンに突入してしまった感じがあり、明確な敵として描かれては可愛そうではあるのですが、やや中途半端でした。
丁寧な物語構造になっていたかは首をかしげてしまうところ。
しかし2巻になり、よりキャラクターの深部も見えてきたことで愛着がわいてきましたね。
1巻の時点ではチワワ派だったのですが、2巻を読んだらみるみる真鈴への高感度が。
今後は修羅場という名のハーレムをどんどん大きくしていったらいいと思います。
本作、「修羅場成分が足りんぞ!」と言われがちで、これには納得してしまいます。甘く可愛らしいソフトな嫉妬のぶつけあい程度。
主人公としては居心地はいいのですが、ガチ修羅場もいつか来て欲しいですね。
「きらりん!おぱんちゅ おそらいろ」なる作品が、現代日本を代表する作家の最新作として大セールスが期待される。総理大臣は非実在美少女。そんな23世紀になってしまいました。
未来の日本を舞台に繰り広げられる本作は、コミカルに現代(21世紀)とのギャップを描いた異色のラブコメ作品。ラブコメなのかなこれ、コメディ8、5割くらいですけど。
骨組は本格SFですが、そこにラノベチックな旨みを加えまくり仕上がった良作です。
発売当初、ネタとして買ったようなものなのですがこれが普通にどころかかなり面白かったです。純粋に笑えますし、「そんな未来もあり得るか」と驚きつつも、やっぱり笑えます。
我々読者の暮らす21世紀に見られる様々なものごとが、23世紀ではどのように扱われているのかこれが最高に馬鹿らしくていいですね。重要文化財の魔法少女像とか。
タイトルにもなっている妹さんのキャラが若干弱いことが気にはなりましたが、それでもこの世界観と設定に惚れこんでしまい、一気に読んでしまいました。
ただ「漢字が読める」というのが唯一最大の特徴であった(と思う。1巻の時点では。)妹さんが、その特徴を手放してしまうラストシーンには、今後の展開へ心配をしてしまいました。
まぁこっそりお兄ちゃんを想う姿は、王道ながら心ゆすぶられるものがありますが!
2巻に続くことを前提にした物語でしたが、1巻単体でも驚くほど綺麗にまとまっています。
読み終えた後、再び冒頭に戻り「21世紀のみなさまへ」を読み直すと、いっきにニヤニヤが止まらなくなってしまいました。上手い構成だなぁ。2人が歩んだドラマを想像してしまうw
2巻以降どうなっていくかはまだ読めませんが、1巻単体ではかなりオススメしたい出来!
あとはちまちましたレポートをいくつか提出するくらいです。あー終わった終わった。終わってないけどもう終わったようなもんです。
とか言ってると日曜あたりにレポートで泣きを見てるかもですが・・・。
早いとこ夏休みに突入したいところ。夏はたくさん漫画読もう。
夏コミは3日間とも行く予定です。前回の冬コミが初めてだったので、夏は未知の領域。
どんな装備でいくべきなのか調べて、万全の状態で臨みたいですね・・・。
久しぶりに日記のように書きだしてはみたものの、基本的に学校行って課題やって漫画読んでブログ更新してーってのをしてるだけで特別書くことないんですよね。
漫画よりも格段に読書量は落ちますが、ラノベもちまちまとは読んでます。
と言っても最近は自力の新規開拓はあまりしてなくて、ネットで話題になってた作品とか、好きな作家さんの最新作を追っていたりとかばかりです。
せっかくなので今日は、日記ついでに最近読んだラノベについてさらさらと。
可愛くなんかないからねっ! (電撃文庫) (2011/06/10) 瀬那 和章 商品詳細を見る |
前作「レンタル・フルムーン」がとても面白かったのですが・・・瀬那和章先生はレンフル4巻ではなく新作を発売しました。ちくしょー、でもやっぱり好きな作家さんなので購入。
可愛すぎてどうしても女の子にみられてしまう主人公が、巫女さんと一緒に幽霊(?)退治をするというお話。言わば男の娘作品なのかも知れませんが、そこを強烈に「売りです!」と押しつけてる感はなく、読者と程良い距離感を保ちながらコメディに活かしています。
逆に言えばラブコメではなく男の娘作品を期待して読むと、本作は少々物足りないかも。
また主人公にしてもヒロインにしても、やや薄味になってしまっている感はぬぐえません。
それでもこの作家さんならではの技が光り、例えばじんわりとした雨の空気や、桜吹雪が視界を覆うシーンで、その時のキャラの心情を現す表現であるとともに、そこから香り高い世界観が自分に飛び込んでくるんですよね。
ちょくちょく言われますが色彩描写がとても巧みで、読んでいて気持ちいい背景を思い浮かべられる美しい文章を生み出してくれる作家さん。本作もそれは同じで、堪能させてもらいました。
華のある作品を書く作家さんではありませんが、今後とも応援していきたいです。
って、あとがき読んだら「レンタル・フルムーン」も完全凍結というわけではないんですね!
レンタル・フルムーン〈1〉第1訓 恋愛は読みものです (電撃文庫) (2009/06/10) 瀬那 和章 商品詳細を見る |
本が好きなら、きっとこの作品も好きになる。
あれ、最終的にはレンフル面白いよって話になってしまった。4巻出るのかな期待!!
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 2 (GA文庫) (2011/06/16) 裕時 悠示 商品詳細を見る |
ドラマCDにコミカライズにと、超スピードメディア展開を見せている作品。よっぽど1巻が評判良かったのでしょうね。GA文庫は大ヒットには恵まれてきてませんし、期待しているのでしょう。
さて、そんな俺修羅こと「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」の2巻です。
新キャラも2人登場し、1人は主人公にベッタリなおかっぱ電波少女。
もう1人が真鈴の妹である真那ちゃん。彼女が主人公と真鈴との関係を大きく混乱させ、2巻最大の見せ場へと発展していきます。
主人公がブチ切れるところは、期待通りにやってくれた!ということで相応の満足感と爽快感!主人公の必殺技は日々むき出しにされるどころかむしろ増えてく黒歴史。
しかしながら、真那ちゃんのキャラも若干ふわふわしたままラストシーンに突入してしまった感じがあり、明確な敵として描かれては可愛そうではあるのですが、やや中途半端でした。
丁寧な物語構造になっていたかは首をかしげてしまうところ。
しかし2巻になり、よりキャラクターの深部も見えてきたことで愛着がわいてきましたね。
1巻の時点ではチワワ派だったのですが、2巻を読んだらみるみる真鈴への高感度が。
今後は修羅場という名のハーレムをどんどん大きくしていったらいいと思います。
本作、「修羅場成分が足りんぞ!」と言われがちで、これには納得してしまいます。甘く可愛らしいソフトな嫉妬のぶつけあい程度。
主人公としては居心地はいいのですが、ガチ修羅場もいつか来て欲しいですね。
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫) (2011/06/30) かじいたかし 商品詳細を見る |
「きらりん!おぱんちゅ おそらいろ」なる作品が、現代日本を代表する作家の最新作として大セールスが期待される。総理大臣は非実在美少女。そんな23世紀になってしまいました。
未来の日本を舞台に繰り広げられる本作は、コミカルに現代(21世紀)とのギャップを描いた異色のラブコメ作品。ラブコメなのかなこれ、コメディ8、5割くらいですけど。
骨組は本格SFですが、そこにラノベチックな旨みを加えまくり仕上がった良作です。
発売当初、ネタとして買ったようなものなのですがこれが普通にどころかかなり面白かったです。純粋に笑えますし、「そんな未来もあり得るか」と驚きつつも、やっぱり笑えます。
我々読者の暮らす21世紀に見られる様々なものごとが、23世紀ではどのように扱われているのかこれが最高に馬鹿らしくていいですね。重要文化財の魔法少女像とか。
タイトルにもなっている妹さんのキャラが若干弱いことが気にはなりましたが、それでもこの世界観と設定に惚れこんでしまい、一気に読んでしまいました。
ただ「漢字が読める」というのが唯一最大の特徴であった(と思う。1巻の時点では。)妹さんが、その特徴を手放してしまうラストシーンには、今後の展開へ心配をしてしまいました。
まぁこっそりお兄ちゃんを想う姿は、王道ながら心ゆすぶられるものがありますが!
2巻に続くことを前提にした物語でしたが、1巻単体でも驚くほど綺麗にまとまっています。
読み終えた後、再び冒頭に戻り「21世紀のみなさまへ」を読み直すと、いっきにニヤニヤが止まらなくなってしまいました。上手い構成だなぁ。2人が歩んだドラマを想像してしまうw
2巻以降どうなっていくかはまだ読めませんが、1巻単体ではかなりオススメしたい出来!
[本]いじらしくも切ない、それぞれの想い。 『イヴの時間』漫画版2巻
イヴの時間(2) (ヤングガンガンコミックス) (2011/07/25) 吉浦 康裕、太田 優姫 他 商品詳細を見る |
"いらない”って 言われちゃった・・・
吉浦康裕監督のオリジナルアニメ作品「イヴの時間」のコミカライズ第2巻。
ネット公開され話題になり、昨年春には劇場版も公開された原作の漫画化ですが
これがまたとてもいい漫画に仕上がっていて、かなりのお気に入りなのです。
アニメ版(小説版は未読ですが)には見受けられなかったシーンがいくつも追加されていて、アニメ版が好きな人にはもちろんオススメしたいですし、漫画そのものとして読み応えあります。
繊細なタッチで描かれる、人間とアンドロイドの物語。
この巻、とくに切なさが染みるシーンが多かったですね。しかしアンドロイド・サミィと主人公の実の姉・ナオコさんが可愛くて身悶えたのもまた事実!では感想。
作品のあらすじや世界観に関してはアニメ公式サイトが分かりやすいのでどうぞ→HP
この漫画版1巻の感想も以前書きましたので、よければそちらも。→隠された想いが胸を打つ・・・アンドロイドと人間の切なく暖かな未来。 『イヴの時間』1巻
と、誘導ばかりしてしまってなんだかなという感じではありますが・・・。
さて、1巻から10か月ぶりと結構久しぶりの発売になったこの2巻。
世界観の説明もあらかた済み、いよいよ人間とアンドロイドの関係に深くもぐっていく内容となっています。安らいだりニヤニヤしたりもすれば、猛烈に切なくさせられたり、たっぷりと作品の世界観に浸ることができる充実した内容。どんどん面白くなってきてますね!
読んで気になった部分を個別取り上げていきたいと思います。
2人の距離感は、1巻から引き続きゆっくりと、確実に近づいてきています。・リクオとアンドロイド・サミィの関係性。
自分がそうだとは思わないにしても、人間とアンドロイドの間で恋愛はできるのか考えてみたり、サミィのためを思って自分から手伝いを願い出たり。
「ドリ系」とバカにさせても、リクオはサミィを人間のように心がある存在だと、ある程度認めた上でコミュニケーションをとろうとしています。喜ばしい・・・かどうかは人によりますが、間違いなく彼は変わってきているのでしょう。
また、リクオからの優しさに触れ、つい笑顔を零してしまったサミィ。
なんて優しい笑顔なんでしょうか。ニヤニヤしちゃうじゃないですか!
しかし「イヴの時間」の外で感情を表に出してしまったのは、彼女の心のゆるみかな。
アンドロイドである以上、彼女がそうしてしまったことは明らかな失敗であるわけで。
その後、自分に差しのべられたリクオの手をあえてとらなかったのは、直前自分が浮かべた微笑みを、人間との距離を測り間違えたものだと反省したせいなのだと思います。
1度はお互いに近づきつつあった距離は、今度はまた少しずつ離れていく方向へ……。
意地はってはサミィを傷つけてしまうリクオには、もどかしさ炸裂というものです。
「イヴの時間」にてサミィが明かす本音を聞いてしまっては、さらに切なくなってしまいます。悲しげに「"いらない”って 言われちゃった・・・」とかもう…っ。ぐあー。
リクオとサミィのイベントにも心引き寄せられるのですが、・弟と姉
追随ずるエピソードとして、リクオの実の姉・ナオコのエピソードも今回大きな見所!
これまで彼女は「ドリ系」をバカにする、今時の若い女性という描かれ方で
家族という立ち位置にありながら、読者として彼女を好意的には受け止められませんでした。彼女の考えこそが「普通」なのですが、しょっちゅう辛辣な言葉を投げかけてきましたしね。
そんな彼女が「お姉ちゃん」としての不満を吐き出すのがこの2巻。
「…じゃあ特別に お姉ちゃんが熱いコーヒ―――」
人間の生活の手間をはぶくアンドロイドの仕事。
けれど、『あえて手間をかけたい』、そんな瞬間もあったりするのが面倒な人間。
誰かのためになにかをする、温かみを与えてあげたい時があるのです。
けれど普段アンドロイドに任せきりにできるシステムに甘えているせいで、いざというとき何もできない。家の中のことですら把握しきれていない。きまぐれだけど、弟に優しくしてあげることも叶わない。
それはアンドロイドの仕事を「私がやるからいいよ」を遮ってまで行動をおこすことができない中途半端な意志のせいでもあるのですが、家族間のコミュニケーションのきっかけを奪ってしまっているのは確か。普通の人間はアンドロイドを「家族」とは思っていないのだから。
そうか、ナオコもたまには「お姉ちゃん」になりたかったんだ。甘えられたかったんだ。
気が向いた時にでも、お姉ちゃんらしく振舞いたかった。でもそうし辛い不器用さ。
はぁーかわいい、かわいいですねえナオコお姉ちゃん!しかし同時に考えさせられます。
外見的にはたしかに性別・年代ともにサミィと1番近いのはナオコ姉なので、意識してしまうことはあったのでしょう。彼女ばかりが家族の中で必要とされることへのストレスもあったのかも。
まぁ彼女がサミィのように色々命令されても、きっとあまりやってくれないでしょうけど。最初から何もやらなくてもいいと突き離されてると、期待されてないようで癪、とか。
舞台となる未来社会の問題点を浮き彫りにしつつ、切なくなったりニヤニヤしてしまったり、とても素敵なエピソードでした。しかもアニメには無かった追加エピソードです。
これは読めて嬉しかったですね。すごく面白かった。姉ラブ迸る。
そしてナオコ姉の話からも繋がり、リクオとも関係するのですが・居場所を奪われる恐怖。
この社会に生きる人々は、常に「アンドロイドに居場所を奪われること」を恐れているようです。
ナオコは「姉」のポジションをとられたように思いストレスを感じていましたし
リクオがピアノをやめてしまったのは、大したものではないと高をくくっていたアンドロイドのピアノに感動してしまった自分に戸惑い、許せなかったから。
外見は人間そっくり、人間にはできないことも可能にする能力も持っている。
対等になってしまえば、もしかしたら人間は彼らに劣った存在なのかもしれない…。
だからこそこの社会の人々は人間とアンドロイドの境界線をハッキリさせようとしているし、熾烈なくらいにアンドロイドを人間として扱うことを嫌う。人間の領域を侵されないよう、必死に。
人間が生み出したのに、勝手にプライドを傷つけられて、敵視して、遠ざけて。
そんな社会によって抑圧されているアンドロイドたちの本当の気持ちを思うと…これがまた切なくて仕方ないのです。しんどくなるくらい・・・。
彼らは、少なくとも本作で目立って登場するアンドロイドはみんな、心の底から主人のためになりたいと思ってるし、理解してもっと近づこうとしています。けれど人間の世界は堅苦しいもので。
人間は無意識のうちに、彼らの良心を裏切り続けているのです。心が痛い・・・!
しかし人間としても決して無理にエゴを通しているわけではなく、そうしなければ人間社会のバランスが悪くなってしまうことが分かっているんでしょう。
アンドロイドに心なんて無ければもっと楽なのに・・・。でも心があるからこその、切なくも面白みのあるこの物語か。なんとか、アンドロイドたちとの上手い共存を実現させて欲しいですね。
それにしても、作中ミステリアスに触れられますが、アンドロイドの設計者がなぜ面倒な「心」をアンドロイドにこっそり仕込んだのかも、かなり気になるところです。
そんなこんなで「イヴの時間」コミック版第2巻でした。
全体的に1巻からさらなるパワーアップを遂げた、充実した1冊だと感じました。
アニメ版とはやや異なる少女漫画のような作画も、とても温かみのあるもので好印象!
デジタル度の高いアニメの感じも好きですが、こういうのもまた物語に合いますね。
しかしなにより面白いのが、世界観を補強するオリジナルエピソードたち。
漫画版オリジナル要素がどんどん投入され、そのどれもが面白いとは素晴らしいことです。
派手ではなくとも、キャラクターもそれぞれかわいらしいのも良い。
お姉ちゃんキャラがメインとして複数登場する作品でもあるので、姉スキーな方にも!
本編の空気とはかなり異なるテンションの高さを見せてくれるオマケページも楽しいです。
ややスローペースな刊行の漫画版ですが、じっくりと大切に進めていってくれてとてもうれしい出来。アニメ版第2章と一緒に楽しみ!
『イヴの時間』漫画版2巻 ・・・・・・・・・★★★★
漫画版ならではのオリジナル要素が盛りだくさん。読み応えありました。
[漫画]ぼんやりエスパー少女×世話焼きヤクザ 『ヒナまつり』1巻
うあー試験!
何この・・・世話係みたいな感じ・・・
大武政夫先生の「ヒナまつり」1巻。いやぁ待ってました待ってました。
Fellowsで読み切りとして掲載された第1話がかなり面白く、これは連載化して欲しいなと思ったらみごと11号から連載昇格!そして待望の単行本の発売になりました。嬉しいです。
刀と銃を構えてる恐そうなヤーさんと、イクラ丼を前にキメ顔してる女の子。
なにがなんだか分からないけど、じっと見てると笑いがこみ上げてくる不思議…!
ではそんなイチオシなこの作品を感想を。
ヤクザの新田さんの部屋に突然現れた物体。無表情な人間の顔だけが出ています。
しょっぱなからこのシュールな雰囲気にやられてしまいます。
じわりじわりとボディーブローのように聞いて笑えてくるんですよね。なにこの意味不明ほのぼのファーストコンタクト。
スイッチを押したら裸の女の子が出てきました。それが表紙の女の子・ヒナ。
よく考えたらヒナちゃんあのまま一晩放置されてたのに、何も言わず暴れずじっとしてたんですね。律儀な・・・そしてなんて綺麗な目をしてるんだ…まるで悟ったというな・・・。たぶん特に何も感じてなかったんでしょうけど。
まぁそんな風に出会った新田とヒナは、自然と一緒に暮らしだすのですが、ヒナちゃんの持つエスパー能力と、彼女自身のマイペースさが新田をいろんなトラブルやらなんやらに巻き込まれたりとか。
1話完結のゆる~いコメディ漫画として進行していきます。
もう超リラックス。すごい癒される上に笑えてしまうのです。
ヤクザ社会を描いてもいて、一部殺伐としたシーンもあるのですが、その緊張感や乾いた空気さえ面白さに変わってしまう。すこし劇画チックな作画と雰囲気のギャップがまた笑いを誘う。
お気に入りの話はいくつもあるのですが、特に第3話と第4話の面白さはヤバい。
3話は授業参観取り立て、第4話がキャバクラ遊びのお話。ヒナに日常をブチ壊され、でも最終的には一見丸く収まってる風に終わってしまう感じが素晴らしいのです。
一見そう見えるだけってのがミソですよね。難しいことは考えるな、バカになれ。
「キャバクラに行きたい」というヒナに乗っかり、よし!キャバクラにいくぞ!と盛り上がるダメヤ大人たちの盛り上がりもまた面白かった。
のちに大武先生が「初めて描いた見開きページだった」と明かしたのがこのシーン。
(クリック拡大)
バカだなー!
このシーン、勝手に連れ回されて1人だけしょぼくれてる右端のクラスメイトの女の子がいい味出してるんですよねw 三島さんはどんどん出てきて欲しいなぁ。
第4話の異常なテンションの高さはなんだったんでしょうね。大好き。
そんな感じのギャグ漫画。派手にはせめてこないシュールなタイプ。
渋みを感じさせるヤクザ作画とヒナが放つてきとーな空気が絶妙に合わさっています。
2人のしっかり繋がってるようでふわふわしてるような微妙な関係もいいですね。
新田さんは世話焼きですな。いいパパさんぶりを見せてます。
そしてもちろんヒナちゃんはかわいいのです。頼りがいあるダメっ子。
ともかくヒナちゃんが日常をひっ掻きまわしていくこの作品。
それでもみんなとりあえず楽しいなーって風に盛り上がってなんとなく終わっちゃう、なるほど、「ヒナまつり」です。毎日がお祭りです。振りかえっちゃいけない。
雑誌の他連載作家さんからも愛されてるようで、Fellows15号では色んな作家さんが雛祭りイラストを掲載する企画がされていたのですが、この「ヒナまつり」関連のものがとても多くて笑ってしまいました。気になる方はチェックしてみては。本編では単行本のすぐ続きが読めます。
「また巻頭、これが約束された勝利か」とかなまいきなこと言ってるオビのヒナちゃんも面白かわいいのでぜひ。→Fellows! 2011-FEBRUARY volume 15 (ビームコミックス)(AA)
単行本オマケも充実しており、書き下ろし漫画が合計10ページ。
内容も本編同様いい空気で進行します。ヒナちゃんの反応を見るのが楽しくて仕方ないw
第2巻は11月発売予定。新キャラ登場で気になる新展開へ・・・?
個人的にここまでヒットしたギャグ漫画は久しぶりで、強く応援していきたい作品です。
新田さんもヒナちゃんも、本当いいキャラしてるんですよねぇ。
『ヒナまつり』1巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
お気に入りの多分ギャグ漫画。繰り返し読みたくなる不思議な魅力があります。
ヒナまつり 1 (ビームコミックス) (2011/07/15) 大武 政夫 商品詳細を見る |
何この・・・世話係みたいな感じ・・・
大武政夫先生の「ヒナまつり」1巻。いやぁ待ってました待ってました。
Fellowsで読み切りとして掲載された第1話がかなり面白く、これは連載化して欲しいなと思ったらみごと11号から連載昇格!そして待望の単行本の発売になりました。嬉しいです。
刀と銃を構えてる恐そうなヤーさんと、イクラ丼を前にキメ顔してる女の子。
なにがなんだか分からないけど、じっと見てると笑いがこみ上げてくる不思議…!
ではそんなイチオシなこの作品を感想を。
ヤクザの新田さんの部屋に突然現れた物体。無表情な人間の顔だけが出ています。
しょっぱなからこのシュールな雰囲気にやられてしまいます。
じわりじわりとボディーブローのように聞いて笑えてくるんですよね。なにこの意味不明ほのぼのファーストコンタクト。
スイッチを押したら裸の女の子が出てきました。それが表紙の女の子・ヒナ。
よく考えたらヒナちゃんあのまま一晩放置されてたのに、何も言わず暴れずじっとしてたんですね。律儀な・・・そしてなんて綺麗な目をしてるんだ…まるで悟ったというな・・・。たぶん特に何も感じてなかったんでしょうけど。
まぁそんな風に出会った新田とヒナは、自然と一緒に暮らしだすのですが、ヒナちゃんの持つエスパー能力と、彼女自身のマイペースさが新田をいろんなトラブルやらなんやらに巻き込まれたりとか。
1話完結のゆる~いコメディ漫画として進行していきます。
もう超リラックス。すごい癒される上に笑えてしまうのです。
ヤクザ社会を描いてもいて、一部殺伐としたシーンもあるのですが、その緊張感や乾いた空気さえ面白さに変わってしまう。すこし劇画チックな作画と雰囲気のギャップがまた笑いを誘う。
お気に入りの話はいくつもあるのですが、特に第3話と第4話の面白さはヤバい。
3話は授業参観取り立て、第4話がキャバクラ遊びのお話。ヒナに日常をブチ壊され、でも最終的には一見丸く収まってる風に終わってしまう感じが素晴らしいのです。
一見そう見えるだけってのがミソですよね。難しいことは考えるな、バカになれ。
「キャバクラに行きたい」というヒナに乗っかり、よし!キャバクラにいくぞ!と盛り上がるダメヤ大人たちの盛り上がりもまた面白かった。
のちに大武先生が「初めて描いた見開きページだった」と明かしたのがこのシーン。
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バカだなー!
このシーン、勝手に連れ回されて1人だけしょぼくれてる右端のクラスメイトの女の子がいい味出してるんですよねw 三島さんはどんどん出てきて欲しいなぁ。
第4話の異常なテンションの高さはなんだったんでしょうね。大好き。
そんな感じのギャグ漫画。派手にはせめてこないシュールなタイプ。
渋みを感じさせるヤクザ作画とヒナが放つてきとーな空気が絶妙に合わさっています。
2人のしっかり繋がってるようでふわふわしてるような微妙な関係もいいですね。
新田さんは世話焼きですな。いいパパさんぶりを見せてます。
そしてもちろんヒナちゃんはかわいいのです。頼りがいあるダメっ子。
ともかくヒナちゃんが日常をひっ掻きまわしていくこの作品。
それでもみんなとりあえず楽しいなーって風に盛り上がってなんとなく終わっちゃう、なるほど、「ヒナまつり」です。毎日がお祭りです。振りかえっちゃいけない。
雑誌の他連載作家さんからも愛されてるようで、Fellows15号では色んな作家さんが雛祭りイラストを掲載する企画がされていたのですが、この「ヒナまつり」関連のものがとても多くて笑ってしまいました。気になる方はチェックしてみては。本編では単行本のすぐ続きが読めます。
「また巻頭、これが約束された勝利か」とかなまいきなこと言ってるオビのヒナちゃんも面白かわいいのでぜひ。→Fellows! 2011-FEBRUARY volume 15 (ビームコミックス)(AA)
単行本オマケも充実しており、書き下ろし漫画が合計10ページ。
内容も本編同様いい空気で進行します。ヒナちゃんの反応を見るのが楽しくて仕方ないw
第2巻は11月発売予定。新キャラ登場で気になる新展開へ・・・?
個人的にここまでヒットしたギャグ漫画は久しぶりで、強く応援していきたい作品です。
新田さんもヒナちゃんも、本当いいキャラしてるんですよねぇ。
『ヒナまつり』1巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
お気に入りの多分ギャグ漫画。繰り返し読みたくなる不思議な魅力があります。
[漫画]この口と声で伝えなきゃ。 『O/A』4巻
うおー試験!
そうか 話しても いいんだ
ノベライズ化にラジオドラマ化に作中歌がホントにCDとして発売されることが決定したり
渡会けいじ「O/A」は好調なようで、単行本も4巻目になりました。
今回の表紙は新キャラクターの女子アナ・如月文代。
どんなキャラなのかなと思いつつ読んでみたら、初登場ながら一気にお話に食い込んできました。どうなっていくか楽しみですね、というところで感想。
今回目立ったのはゆたかの葛藤でした。
出版社から持ちかけられたのは、ゆたかの自叙伝本の出版依頼。とりあえず引き受けてはみたものの、これがちっとも上手く書けない進まない。
そんなエピソードから続き第17話では、ゆたかが大阪を訪れ、アイドルとして人気絶頂だったころとのギャップと直面。頻繁には街だからこそ、以前との環境の違いが再度はっきり分かってしまうのかも。
あのころと比べれば寂しい人気。その上、まっすぐな向上心すら持てているか怪しい。
元気をなくしたゆたかは、「ちゃんと私を見てよ」と不満に思っても、きっと同じくらいに自分自身への失望を感じていていたように見えます。ギラギラとアイドルとして生きていた過去を背負っている分、難しい心境にありますね。
そんな彼女をそっと救い上げてくれるのは、やっぱりパートナーであるはるみ。
暴走気味で突っ込んでいく人で、怒られたり殴られたりばかりだけど、そんな純粋な彼女だからこそ言葉もにごりなく心に届きます。伝えたいことをまっすぐに伝える人。
つい閉じこもりがちになってしまうゆたか。自分だけじゃ上手く答えが出せない。
でも焦る必要なんてない。まずは隣にいるその人と、はしゃぎいだり笑いながら話してみればいいんです。なんか隣にいる、うらやましいくらいに賑やかな人と。
新登場の如月文代は「反骨機械」とも呼ばれている、物静かな女子アナウンサー。
しかしふとしたミスから(はるみ・・・。)2人1役でラジオを放送しているという「ペレーション・オーロラ」が彼女にバレてしまい、半ばムリヤリにラジオ放送に参加させてみる方向に。
はるみは毛にこだわりすぎである。
秘密を知られてしまいましたが、思ったより平穏のままでいてくれそうで一安心。
むしろ文代アナのキャラでよりラジオが盛り上がっている様子が嬉しい限り。
しかしこの文代アナ、思わずところでゆたかにつながってもいた人物でもあり・・・!彼女が発したドキッとさせられるセリフで4巻は終わります。なかなか気になる引き。
という感じの第4巻。
2人の距離感を見直しつつ、新キャラも動き出して見所がありました。
インパクトのある事件は起きないにせよ、作品を確実に強化させた巻だと思います。小ネタやギャグも、つっこもうと思えばいくらでも突っ込めそうな感じは相変わらずw ドヤ顔でモールス信号送ってくるミホちゃんウザかわ!でも3巻を読んだ後だとなんでも微笑ましい限りですね。
それと、コミュニケーションの必要性を示したのが印象的だったように思います、今回。
上でも触れたゆたかとはるみのやり取りには心に残るものがありました。ラジオがテーマの作品らしく、「言葉」で伝えることの大切さは、全体通して1つの大きなテーマなのかも。
また、描かれた大阪の背景は、実際の街並みが使われているそうです。
今回も楽しませていただきました。5巻も楽しみにしてます。
『O/A』4巻 ・・・・・・・・・★★★☆
新キャラもなかなかかわいい第4巻。はるみちゃんの執拗な毛トークも見物。
O/A (4) (角川コミックス・エース 216-7) (2011/07/01) 渡会 けいじ 商品詳細を見る |
そうか 話しても いいんだ
ノベライズ化にラジオドラマ化に作中歌がホントにCDとして発売されることが決定したり
渡会けいじ「O/A」は好調なようで、単行本も4巻目になりました。
今回の表紙は新キャラクターの女子アナ・如月文代。
どんなキャラなのかなと思いつつ読んでみたら、初登場ながら一気にお話に食い込んできました。どうなっていくか楽しみですね、というところで感想。
今回目立ったのはゆたかの葛藤でした。
出版社から持ちかけられたのは、ゆたかの自叙伝本の出版依頼。とりあえず引き受けてはみたものの、これがちっとも上手く書けない進まない。
そんなエピソードから続き第17話では、ゆたかが大阪を訪れ、アイドルとして人気絶頂だったころとのギャップと直面。頻繁には街だからこそ、以前との環境の違いが再度はっきり分かってしまうのかも。
あのころと比べれば寂しい人気。その上、まっすぐな向上心すら持てているか怪しい。
元気をなくしたゆたかは、「ちゃんと私を見てよ」と不満に思っても、きっと同じくらいに自分自身への失望を感じていていたように見えます。ギラギラとアイドルとして生きていた過去を背負っている分、難しい心境にありますね。
そんな彼女をそっと救い上げてくれるのは、やっぱりパートナーであるはるみ。
暴走気味で突っ込んでいく人で、怒られたり殴られたりばかりだけど、そんな純粋な彼女だからこそ言葉もにごりなく心に届きます。伝えたいことをまっすぐに伝える人。
つい閉じこもりがちになってしまうゆたか。自分だけじゃ上手く答えが出せない。
でも焦る必要なんてない。まずは隣にいるその人と、はしゃぎいだり笑いながら話してみればいいんです。なんか隣にいる、うらやましいくらいに賑やかな人と。
新登場の如月文代は「反骨機械」とも呼ばれている、物静かな女子アナウンサー。
しかしふとしたミスから(はるみ・・・。)2人1役でラジオを放送しているという「ペレーション・オーロラ」が彼女にバレてしまい、半ばムリヤリにラジオ放送に参加させてみる方向に。
はるみは毛にこだわりすぎである。
秘密を知られてしまいましたが、思ったより平穏のままでいてくれそうで一安心。
むしろ文代アナのキャラでよりラジオが盛り上がっている様子が嬉しい限り。
しかしこの文代アナ、思わずところでゆたかにつながってもいた人物でもあり・・・!彼女が発したドキッとさせられるセリフで4巻は終わります。なかなか気になる引き。
という感じの第4巻。
2人の距離感を見直しつつ、新キャラも動き出して見所がありました。
インパクトのある事件は起きないにせよ、作品を確実に強化させた巻だと思います。小ネタやギャグも、つっこもうと思えばいくらでも突っ込めそうな感じは相変わらずw ドヤ顔でモールス信号送ってくるミホちゃんウザかわ!でも3巻を読んだ後だとなんでも微笑ましい限りですね。
それと、コミュニケーションの必要性を示したのが印象的だったように思います、今回。
上でも触れたゆたかとはるみのやり取りには心に残るものがありました。ラジオがテーマの作品らしく、「言葉」で伝えることの大切さは、全体通して1つの大きなテーマなのかも。
また、描かれた大阪の背景は、実際の街並みが使われているそうです。
今回も楽しませていただきました。5巻も楽しみにしてます。
『O/A』4巻 ・・・・・・・・・★★★☆
新キャラもなかなかかわいい第4巻。はるみちゃんの執拗な毛トークも見物。