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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[漫画]かわいい妹ができました。『琴浦さん』4巻

琴浦さん4 (マイクロマガジン☆コミックス)琴浦さん4 (マイクロマガジン☆コミックス)
(2013/02/22)
えのきづ

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   妹・・・かわいい・・・

「琴浦さん」4巻が出ました。
やーアニメの「琴浦さん」おもしろいですね!めちゃくちゃ出来良くて、原作読んでいても心揺さぶられています。アニメがどう締めくくられるのか楽しみです。
で、漫画版は第5部に突入しました。VSお父様編といった所でしょうか。
3巻あとがきに、4巻までしばらくかかると書かれていましたが、確かに結構かかりましたね。1年半くらい待ちました。まさに待望の新刊!

そういえば今回の表紙、琴浦さんともう一人のおかしな髪型の子は誰なんだ、と思ったら・・・「モリ!」のこのポーズでやっぱりお察しだった・・・。
森谷さんはこれっぽっちもドラマチックじゃない風に不幸というか不遇というか。ある意味で彼女らしいポジションを確立しましたよね。いいことなのかは置いといて。

3巻→夏は遊ぼう!海へ行こう! 『琴浦さん』3巻



琴浦さんのもとを訪れた謎の女性。彼女は、なんと琴浦さんの父親の秘書をしているという人物。琴浦さんは東京に行き、父親と合ってくれないかと話を持ちかけられます。
ぜんぜん気乗りしないのに秘書の女性のために、とりあえず父親に会いに行くことにします。
かつて自分を捨てた父。今なお自分を嫌っているかもしれない父。
それをわかった上で会いに行こうという琴浦さんを見ていると、この娘も強くなったもんだよなぁと感慨深い。真鍋らと仲良くなっていなかったら、きっと逃げただろうから。
そして東京にいく琴浦さんにセットでついていくESP研の面々。
第4巻は父親との再開編。そして東京ぶらり旅。

さて、新キャラも出ました!

琴浦さん41

・・・なんか目つき悪くて怪しい。

琴浦さん44

いや、かわいい!!

琴浦さんの父親は再婚し、子供もいます。琴浦さんの腹違いの妹がいたということです。
姉の琴浦さんが春香。この妹さんが絢香。
「まさか私に妹がいるとは!」「まさか私に姉がいるとは!」
の衝撃が双方にあり、めちゃくちゃ不器用になっちゃう姉妹のファーストコンタクト。ニヤニヤしましたねえここはw 絢香がだんだんと琴浦さんになついていく過程。瞬時に妹を溺愛するシスコンおねえちゃんに変貌した琴浦さん。2人ともかわいいわ・・・!!
ワガママだけど素直になれない。いったん懐いたら甘えん坊。ゲーム好き。いいですやん・・・レギュラーキャラになっておくれよ・・・!

琴浦さん42

絢香ちゃんのおかげで、親子みたいな格好になって2人が照れちゃうシーンもいい!
いい光景ですなー・・・琴浦さんも嬉しそうだし。



そしてここで唐突にいやな妄想をしてしまったので書いてみる。
というか単行本を読んだときから、ここはちょいと引っかかった。
春香と絢香。なぜ名前が似ているのか。
この父親にとって「春香」の名前は忌々しいものだったはず。ならなぜ新しい子供の名前を、春香と似た響きの「絢香」にしたのだろうか。
琴浦さんことを嫌っていたお父さんは、新しい子にあえて春香と似たような名前をつけることで、子育てをやり直そうとした、とか、あるかな。
「やり直す」というのは前向きな意味じゃない。琴浦春香への申し訳なさからくる「やり直し」じゃなく、自分のリセットのためだとしたら。
今度こそ琴浦春香のことを頭から消してやろうと思ったのではないだろうか。失敗した子育て(と考えているんじゃないかなと思う)を上書きするために。後悔すらなくなるくらいに綺麗サッパリ上書きするために。・・・そういう黒い妄想。

我が子への憎しみをごまかすために絢香に接してきていたら怖いですわ。
自分で考えておいて、そこまでクズい親かなぁと肩を持ちたくなりますが
でもまぁ、琴浦さんの超能力を会社運営に利用しようと最接近を測った時点で、やはりこの男の揺るぎないクズっぷりは輝かんばかりでございます。

この巻で展開される琴浦さんVS父親の構図は、ある意味期待どおり。
形としては、琴浦さんが父親にビンタを張る、というシーンが見れて、結構スッキリです。
しかもそれが自分のためじゃないってのがカッコよかったなー!復讐のためじゃなかった。これは大きいことなのだ。きっとこの親子のために。
その後の琴浦父の様子を見ると、まぁ反省はしても根本は変わっていないよね、という感じ。まぁそうそう根っから生まれ変われるはずもなし。
そらそうだ。全てまるっと綺麗に収まるなんてことはありえない。
「琴浦さん」という作品は、そういうシビアな一面があるのは前々からですが、新刊でもやはりそういうチクリとした毒を仕込んでいる。チクリどころじゃないかも。ヘタすると心にクギ打ち込まれて抜けないことありますからね。いたたた。



ストーリーは(琴浦さんの心の問題として)ひと段落ついたかな、という印象。
琴浦さんの心に巣食っていた、両親へのトラウマは、そのうち父親に関しては解決されたかもしれない。人と人として向き合えた、大事な内容だったと思います。まぁ親父はなんともかんともですが、少なくとも絶縁状態ではなくなっということで。
今回は限定版などの発売はありませんでしたが5巻ではドラマCD付き限定版が出るんだとか。5月31日発売。アニメも好調ですし、これからのいろんなメディア展開も見たくなりますね。
ストーリー漫画色も強い「琴浦さん」、これからの展開が楽しみですわ。

そうそう、今回のオマケ漫画の「ちびうらさん」も垂涎モノの可愛らしさですよ!

琴浦さん43

カワイイ(断言)
もうなんの脈絡もなく登場したオマケ漫画なんですが、マスコット的かわいらしさと、その天真爛漫な様子が普段とのギャップが合わさり大変素晴らしい・・・よし、これで一冊だそう(無理

『琴浦さん』4巻 ・・・・・・・・・★★★☆
アニメも好調で嬉しい限り。今回はグッと視界が開けたような、動きのある展開。

[漫画]気持ち以外は、君のもの。『クズの本懐』1巻

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)
(2013/02/19)
横槍 メンゴ

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   一人が寂しいなら 寄り添ったっていいじゃないか
   遂げてみせるよ クズの本懐

   
横槍メンゴさん「クズの本懐」第1巻が出ています。
前回更新した「君は淫らな僕の女王」の作画を担当した横槍メンゴさんのオリジナル連載。
「君は淫らな」と、その原作者の岡本倫さんの「極黒のブリュンヒルデ」と3冊同時発売。3冊合同発売記念に「極黒の君は淫らなクズフェア」が開催してます。タイトル混ぜただけでインパクト抜群なことになってますね・・・!

「君は淫らな僕の女王」は暴走しまくりのド変態漫画でしたが、明るい雰囲気のライトエロコメディと言った感じでもありました。
一方でオリジナルの本作「クズの本懐」は、それとは違ったムード。
色っぽくて歪んでいて、じんわりとブラック。
こういうの好きだなぁ・・・雰囲気で魅せるエロだ。
直接的なエロい描写もありますが、しっとりとした感触がまずあって良い。



お似合いのカップルとして周囲から認められている、花火と麦。性格ルックス互いにハイレベル。それでいて関係に清潔感がある。まさに男女交際の理想像。
・・・というのは、花火と麦が、周囲にそう装っているだけの話。
本当に彼らはそんなんじゃない。カップルの理想だなんてとんでもない。
2人が抱える秘密は、きっと2人だけのあやふやな闇。

どん底みたいに暗いというものではありません。
でもハッキリと暗いというわけでもない。それが作品のポイントでもある。
この関係は幸せなのか、不幸なのか。正しいのか間違っているのか。
当人たちの気持ちにすら白黒つかない、不安定さがあります。

彼らの秘密。それは、本当に好きな人の身代わりとして、交際しているということ。お互いがお互いに、別の人を思いながらキスを交わして抱き合って。
高校生ながら結構ドロドロな恋をしていますよ・・・。
しかも花火と麦のそれぞれの想い人たちも、また好き合っているであろう現実。
花火と麦をつなげたのは、最初は単なる悪ふざけでした。
でも次第にその甘い時間を求めてしまう。触れ合ってしまう。
大好きな人じゃなくたって、誰かに触れられたら、暖かいんだ。冷えた心は安らぐんだ。

クズ11

印象的だったのはこのモノローグ。
「人の身体はあたたかい やわらかいし 心なんかよりずっと確実に そこに在る 私を満たす」
イビツで間違った関係かもしれない。でもとにかく切実さが心に滲む。器用なようでぜんぜん不器用な2人です。もどかしさとも似ているけどまた少し違うのだ、彼らを見守っていたくなる気持ちは。
キスをしているその時にだって、別の人を想うことは出来る。
それでお互いが慰め会えるなら、それはそれで、虚無な愛なんかじゃない。

クズ12

「気持ち以外は 君のもの」っていう言葉にゾクゾクするなぁ。
逆にいえば、気持ちだけは捧げてあげない。本当に好きな人のためだけの「好き」。
気持ちだけは違うんだ、というのがこの2人の関係の、最後の一線なんでしょうね。
だからこそこのラインが揺らいだときどうなるかが、すごく楽しみです。



それでまた、主人公2人だってあんまり報われてない不幸キャラなのに
花火や麦を好きという、また別のサブキャラクターまでぞろぞろ出てくるのです。
報われることのない片思いキャラ多すぎです・・・イイネ!(ニカッ
中二病こじらせた痛いコも生粋の百合っ娘も、なんだかんだでキャラが豊か。

1巻の中ではあまりストーリーは進みませんでしたが
2巻からは各キャラも動き出して、ストーリーも進んでいくのかな。
全体的にポエミーな雰囲気で、(なんとなくART-SCHOOLとかの世界観っぽい)ストーリーに動きが乏しく、そこが寂しかったかも。
ムードの良さは抜群に個人的趣味にハマってくれたので、これからの展開に期待!

巻末には本編とは無関係?の読み切り「にゃんにゃんプレリュード」も収録。
人懐っこい猫耳美少女視点から、なんとなく冷えてしまった交際を寂しく見つめるおはなし。ぜんぜん違うおはなしなのに雰囲気は本編と近くて、合わせて楽しめます。忘れちゃうのは悲しいことだな。

そんなこんな。各キャラクターの気持ちをゆっくり切なく堪能しながら、なんとも甘酸っぱいような苦々しいような不思議な味わいを楽しめました一冊でした。
「恋は結ばれなくちゃ意味がないのに!!」というくらいなのに行動には移せないチキン女子花火ちゃんですが、やっぱいっちょコテンパンにフラれて欲しいですな。そっからそっから。

『クズの本懐』1巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
ほんのりインモラルな香りにゾクゾク。クズだから、クズらしく、堕ちていたい。

[漫画]ド淫乱オナニストの幼馴染に求められすぎて困る『君は淫らな僕の女王』

なんかこの記事タイトルみたいなエロゲとかAVとかありそうな。
君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス)君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス)
(2013/02/19)
横槍 メンゴ

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   昴の出すものは よだれでもなんでもおいしい

オナニー狂いの変態幼馴染にペロペロどころじゃなく色々されたい(あいさつ)
「君は淫らな僕の女王」のコミックスが発売されましたよ。
岡本倫さんが原作、横槍メンゴさんが作画を担当するというコンビからして興味をそそられるってもんですが、内容もかなりぶっ飛んでいで楽しいですよ!
というか正直、抜きゲーのような設定である。エロくないわけがない。
ヒロインが発情しまくり、主人公襲うわ夢中で自慰するわで大変です。
リビドー全開な少年少女を楽しめる一冊!

もとはヤングジャンプで読み切りとして登場した作品でした。
単行本化するかわからなかったし単純にお気に入りだったので、掲載されたヤンジャンは保管してありましたが、上手いこと人気出てくれたようで続きが連載されました。
1巻完結漫画としてまとまり、収まりがいいです。
長々やっていくタイプの作品ではないと思いますし、インパクトを大事に最後まで駆け抜けてくれて良かったです。さくっと読めてだいぶ心に残る、いいエロコメですね!
第一話が試し読みできるようなので、こちらでチェックしてみては→試し読み

作画の横槍メンゴさんのオリジナル連載「クズの本懐」1巻も同時に発売されてます。
「君は淫らな」とはまた違った方向からせめる色っぽい漫画でした。
気持ち以外は、君のもの。『クズの本懐』1巻



お嬢様育ちで勉強もできて、おまけにめちゃくちゃ可愛くて。
クラスメイトの男が「完璧すぎてエロい妄想なんかできない」とまで言う。そんなヒロイン・昴の幼馴染が、主人公の斎藤。なんてことない平凡な男の子です。
誰にでも優しい昴は、なぜか幼馴染の斎藤にだけ、辛辣な態度。

ある夜、学校で流行りのおまじないを、きまぐれに斎藤がやってみたところ、なんと願いが叶えられて昴との同居生活がいきなり始まる。
急激に近づいてしまったことで見えてくる昴の本心・・・。
しかし願いが叶えられたことで、とある代償を支払われます。
それは、自制心をなくすこと。一日に限られた時間のみですが、昴が自制心をなくすと・・・

君は淫らな12

うん、ヒドい。
清楚で優等生な美少女が、まさか口にするなんてありえないかのような淫語を連発!

ポイントは「自制心をなくす」という表現ですよね。
別に性格が変わったとか普段と違うことを考えてしまうとかではない。「こんなことしちゃいけない」ってリミッターが外れるだけ。だからこれは、いつも昴が考えてることが、素直に現れてしまっているだけなのだ・・・!ド変態じゃねーか!

受精。着床。孕ませて。続くセリフではもっと過激に
「一生あなたの性欲処理係させて欲しいの・・・」
「私の子宮をあなたの精子で満タンにして欲しいよぉ・・・」

とまぁアタマ悪い感じの発情っぷりである。
昴は淫語たっぷり系のエロ漫画とかエロゲーとかで知識を得たと見た。じゃなきゃこんな言葉使いになるかよ!随分と男性の欲望そのまんまのセリフを言うよなw 

しかも自制心をなくしてるあいだの記憶は本人にバッチリ残っている。
自制心を取り戻したあとの昴の慌てぶりとか強烈な恥ずかしがりは、もう美味しすぎてほっぺた落ちそう。かわいすぎるんや・・・!
性欲をむき出しにしてあへあへしちゃうのも当然良い。
しかし理性を取り戻した後のリアクションで2度美味しいのだ!
プライド高い素直になれない系女の子が精神的に丸裸にされて涙目になっちゃう展開とか、大好きです。余裕なくしちゃう女の子ってステキ!



しかし昴は自制心を失っていなくてもスゴい。なにがってそのオナニー狂いっぷりが。

君は淫らな13

カッコいいぜ昴さん。プロのオナニストの顔だ。

いろいろストレスの多い昴さん。それを発散すべく、彼女はとてつもない勢いでオナニーに勤しむのである。ゴミ箱には丸まったティッシュが山を成す。
とにもかくにも、彼女の壮絶なオナニー模様は圧倒されてしまう。
画像付けようかと思いましたがあんまり過激な記事にしてしまうのもいかんかと自嘲したでござる。まぁこれまで書いてきた内容もアレなので今さらな気もするけれど・・・。
オナニーに全力投球する昴の姿は、エロいとかよりむしろ笑えてくるw
人の性事情ってコミカルなものとして楽しめることもある。自分はそういう視点を持ちたい(ゲス
あとあれ。すごい単純。オナニーにふける女の子が好きなんです。

君は淫らな11

人に肩を揉ませておいて、自分はオナニーをしているというこの傲慢さ。
しかも気づかれてないと思っている。この至近距離でわからないわけねーだろ!

そしてこの漫画は、昴がオナニー好きを公言することで人生を変えてみせた漫画でもある。素晴らしい。オナニーで好きな人もゲット。最高だ。最高にバカだ。オナニーは世界を救う!!たぶん!!
とにかく全力でオナニーしてたらなんとかなる。そういうことを僕らに教えてくれる!

ヒロインのことばかり書いていますが、主人公も悪くない。
きっちりと性欲を隠さない男の子で、好感が持てます。
HしようHしようって迫ってくるヒロインを払いのけることはできなくて、ちょっと流されちゃう。Hしなきゃいいんだ・・・ってフェラは許しちゃう。えっそういう問題なの?って思いましたがもとに戻った昴があんまり怒ってなかったのでOKみたいです。ちょろいっっ!!



個人的に感じたのは、3、4000円くらいで買えるロープライスの抜きゲーみたいだな、ということ。悪い意味じゃなく、そういうライトエロな雰囲気って素敵だと思います。エロゲーの設定としてこういうのありそうだし、やってみたいですわ。
物語の締め方というか、余韻も実に抜きゲーっぽくていいですよねw 
自制心を失わなくても、好きあったならHなことはしたいよね。するよね。
えっちいのはいけないことだ、と言わない。自分がそれを許せるか、相手がそれを許せるか。どこまで、何まで、愛し合えるか。
コミカルですが性行為を肯定するメッセージがあり、清々しくもある。
だってきっと当然のことなのだ。いけないことなんかじゃない!

普段は主人公の斉藤君目線ですけど、昴目線になったときの彼女のモノローグは
「Hしたい」「オナニーしたい」とかそればっかり。女の子だってスゴいのだ。
リミッターが外れたから斎藤くんが知ってしまっただけで、本当に彼女はいつもいつだってエロいことで頭がいっぱい・・・!もっと昴視線のエピソードも読んでみたかったですね!

性欲で暴走するヒロインが強烈な、ピュアでエロエロな漫画でした。
読後感もスカッとするし、単純にエロい漫画としてもばっちり行ける。
淫語を連呼しながら誘ってくる系ヒロインは大好きなので、昴はツボでしたねー。
ってなんか普通に18禁漫画の感想かいてるような気分に仕上がってきましけど、これ一般向けですからね!でもあえてその気分のままで終えてしまおう。いいエロ漫画でした!

『君は淫らな僕の女王』 ・・・・・・・・・・★★★☆
淫乱に変貌する優等生な女の子ってエロおもしろい。発情する女の子ってかわいい。

[漫画]この想いよ君に響け!『悪戯ちょうちょ』2巻

悪戯ちょうちょ(2) (アクションコミックス(コミックハイ!))悪戯ちょうちょ(2) (アクションコミックス(コミックハイ!))
(2013/02/12)
綾瀬 マナ

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   耳で 心で ―――世界中で

音楽百合漫画、「悪戯ちょうちょ」2巻の感想です。
やー面白くなってきました!音楽漫画としても百合漫画としても盛り上がってきたじゃないかと。読んでいて作中の女の子とシンクロして、感情が高ぶっていく感覚が味わえました。もう、めっちゃくちゃ情熱的な漫画ですね「悪戯ちょうちょ」。

音楽の名門女子高にかよう少女たちを描いたお話。
主人公はピアノが大好きな女の子、さくら。そして彼女の親友である声楽科のなのは。
1年生にはまだ出場資格が与えられない学内コンクールに出ることを決意した2人。そして紆余曲折を経て、1年生ながらコンクール出場をもぎ取る。
そんなイレギュラーとなったさくらとなのはは、コンクールに向けて特訓を開始。そして2巻の内容へと入っていきます。




この漫画は、百合漫画としても音楽漫画としても気にっています。
どちらの方面でも、この漫画はすごくエネルギッシュで眩しい。というかその2つの要素は、この作品ではもはや一緒になって1つの「愛」になっている。それは大きくてキラキラしていて清らかで鬼気迫る。この迫力に呑み込まれてしまうのは、仕方のないことだと思う。

とにかく「好きだ!」という感情が思考を、身体を突き動かしていく。純粋すぎて繊細すぎて、時にやっぱり傷ついてしまうけれど。でもやっぱり「好き」は止められない。
がむしゃらに前に進んでいこうとする少女たち。アツいですよこれは。

さくらはなのはに想いを寄せています。なのはも彼女を好きですが、それは親友としての「好き」であり、さくらが欲しがる「好き」ではない。
親友としての「好き」を突きつけられるたび、さくらは胸を締め付けられます。
それでも彼女たちは強く強く結ばれている。2人だからこそ前に進んでいける。
そしてさくらは「好き」を、言葉より旋律に託す。
1巻にあった「この想いが音で伝わってしまえばいいのに―――」というのが、彼女のスタンスを表していますね。臆病なんだ。言葉にするのは怖いんだ。
だからか。口より雄弁にピアノは愛を語る。一音にすら想いをありったけ詰めて。なんという情熱的ラブレターだろうか!
2巻で一番カッコよくてお気に入りだったシーンも、そんなさくらの演奏シーン。
この想いを伝える。伝えたい、伝わらないなんて、言わせない!

悪戯ちょうちょ21

この気持ちが届くように祈りながら。気持ちを演奏に織り込んで、いつしか気持ちと一緒に指が曲が暴れまわる!
この耳にはこの漫画で流れる音楽は聞こえていないはずなのに、何かが確かに聞こえるような感覚がする。自分の心が突き動かされる音がするのだ。
この漫画の演奏シーンは、熱いよ!そこに恋心が隠しきれないほど託されているから!

演奏シーンだけじゃない。曲の世界の解釈。これも魅力的です。
さくらが曲と向き合うとき、その曲の解釈がされます。
その音楽が持つ味わい、世界観、感触・・・それらを探っていく。
それが視覚的に描かれていくのですが、その1つ1つがとても美しい。
上でも述べたさくら自身の情熱と、その曲が持つ世界観がガッチリと組み合わさります。そしてさらにこちらの感情を揺さぶってくるのだ・・・!
曲世界の描写はそれぞれは瑞々しい感動に満ちていて、気持ちがいい。

その曲に込められた本来の意味そのとおりのものを掴めないことだってある。けれどその時その時の、演奏者が誰かに向けた特別なメッセージをのせて、焦がれるほどのラブレターは響く。
曲の真意を無視する曲解釈に怒る人もいる。だからさくらはそういうものとも戦っていくんだな。そういう人たちをどこまで圧倒させられるか。激情のピアニストの真価はこれから発揮されていくに違いない。
自分を見せつけて、不敵に笑ってみせる。カッコいいわ・・・!

悪戯ちょうちょ22



いやー2巻面白かったです。
個人的に1巻はいきなり物語が大きく動いて、面白かったんですがホンの少しのおいてけぼり感がありました。主人公の心がうまく掴めないままどんどん先に進んでいってしまう感じで。
けれど2巻で、状況が落ち着きましたね。そして留まったそこからゆっくり世界が広がっていく。性急に走り出した1巻から始まり、2巻ではじっくりと作品の深みを出した内容になっていたと思います。ストーリーや感情に緩急が付いて、一気に面白さが増したなと。
この漫画を読むなら2巻までを一気読みするのがいいかも。

2巻から新キャラが登場しました。さくらを担当する男性教師の藤奏美。
百合漫画でありながらメインキャラにはモテ系男性教師である。まぁ主人公たちはいっさい揺るがないので心配いらないと思うけれど。
この先生、まだどういう人物か読めないです。悪い人ではないですが、はてどう関係していくのやら。
藤から課せられる課題に苦しめられつつも、前に進んでいくさくら。
その一方でパートナーとなるなのはは壁にぶつかります。
2巻終盤は、2人の関係を大きくうごかす一大イベントが!

そんなこんなの一冊でした。ゾクゾクさせてもらいましたよ!
恋愛感情モロ出しのエモーショナルな音楽描写。いいですねえ。
綾瀬マナさんの絵それ自体も、めちゃくちゃ綺麗です。光っている。
女の子同士の関係。うまく届かない想い。
思春期の繊細な感覚がキラキラまぶしいし、とってもかわいいですわ。
音楽への純粋すぎる愛。そこに大切な人への想いも叩きつける。「好きで好きでたまらない!」といったような真っ直ぐななパワーがはじける、眩しい風景。
3巻ではどのように話が動いていくのか!

カバーをとった所の描き下ろし漫画もニヤニヤできますわー。
一緒にいたら方言が移っちゃったとかなにそれ。どれだけ一緒にいんの・・・。

『悪戯ちょうちょ』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
先走って生きる少女たちの気持ちを音楽にのせて。情熱的でリリカルな感触が素敵な漫画。

[ゲーム]この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ。『虚ノ少女』

虚ノ少女 初回限定版虚ノ少女 初回限定版
(2013/02/08)
Windows

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面白かったあああああけどウワアアアアアア

2月8に発売されたInnocentGrey新作ソフト「虚ノ少女」です。
なんとか全ED全CGを見終えました。なので感想でも書こうかなと。

メーカー処女作「カルタグラ」の世界観を引き継いだ代表作「殻ノ少女」。そのまた続編が今回の「虚ノ少女」です。読み方は前作と同じ「カラノショウジョ」。
そしてこの「殻ノ少女」シリーズは、全三部作になることも発表されています。
ということは今回の「虚ノ少女」の次に、完結編も出るということです。
想像していたより大長編になってきましたね、このシリーズ。
しかも今回の虚のテキスト量は結構すごいことになっていて、たぶん「殻ノ少女」の2~2,5倍はあるんじゃないかなと。プレイ時間は25時間~30時間くらいかな。

さて書きたいことは結構あるので、項目ごとにまとめていこうかなと思います。
ネタバレになるところは白字にしています。



●イラスト
イノグレの特徴といえば杉菜水姫さんによる美麗CGでしょう。
ほかにも好きな要素はありますが、やはりエロゲーなんですから、このイラストの魅力と言うのはとても大切。
前作「クロウカシス」から3年ほどが経ちましたが、素晴らしく上手くなっています。もともと上手かったんですけどね。確実な進化を遂げていました。
雰囲気は全く変わらず、繊細でどこか儚げで、冷たい空気をまとったようなクールなCGたちには魅了されっぱなしでしたね。
テキストや世界観の雰囲気と完璧にマッチした作風、かつこのクオリティ!
イノグレファンとしては今回も大満足の出来栄えでしたし、また次の作品でどれだけの進化を見せてくれるのか今から楽しみになってくるほど。
「クロウカシス」でも出たことだし、ビジュアルファンブック出して欲しいなぁ。ぜったい買いますわこれは・・・。杉菜氏の画集「濡烏」も大好きでよく見返します。

濡烏濡烏
(2010/03/31)
杉菜水姫

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エロCGの満足度も高い。エロゲーとしては少ない部類に入るであろうエロシーン数ですが、それでもイラストの満足度が高いおかげでとくに不満に感じませんでした。
素肌の感触が見て取れるかのような肉体描写はお見事としか・・・。
しなる女体のエロさ。そして美しい乳首。いやほんとに乳首がめちゃくちゃいいんですよこのゲーム。乳首に見惚れる。
好きなCGは砂月関連全部と、歩のエロシーンと、エンディングCG各種。
砂月の美しい和服はずっと頭の中に残っていました。H後のリラックスした表情もすごくお気に入り。
歩は発情した表情が普段とのギャップというか、前作ではエロなかったキャラなのでそういう意味でもアツかった。
エンディングCGはどれも気合入ってましたね。特に「うわあああああ」ってなったのは冬子のウェディングドレスですが・・・まぁ、これはね・・・。あとでシナリオについて書くときに触れます。




●キャラクター
主人公は殻から引き続き、ワカメこと時坂探偵。
今作はさらにダブル主人公ということで、真崎智之という男も加わります。
ストーリーに登場する人物は過去最高。イノグレおなじみの生死予想LOTでは、なんと44人の生死を予想しました。正答確率ぜったい低いわw

そんな大人数で紡がれていくストーリー。
でも意外と混乱しませんでしたね。殻と同じく「この人とこの人は意外な繋がりが!」とか「この人は実はこの人の血縁!」とか多かったですけれど、殻よりスッキリ理解できた気がする。
シナリオの尺が伸びて、きちんと設定をストーリーの中で消化させられていたように思います。
殻はストーリーが急ぎ足になってしまって、混乱してしまったような記憶がある。

主人公の時坂は今回からフルボイス。ドラマCDでも担当した「高橋がならない」という声優さんです。なんとなくの印象ですが、中学生ながら毎年すごい数のバレンタインチョコを受け取り、しかも本人もバレンタインソングをカバーしてしまいそうな声をしています。
これがまた渋くてキザでエロカッコいいボイス!時坂さんのキャラを完璧に再現した素晴らしい仕事をしてくれています。
シナリオ的にも時坂さんは頼りがいありますねえ、今回も。伊豆に引っ越して子育てにいそんでいるどっかの探偵とは大違いだぜ!

このシリーズはメインキャラの男性陣もそれぞれ魅力的で、主人公の時坂も当然ですが、カルタグラから登場している八木沼さんもいいキャラをしている。
カルタから殻まで、すごい勢いで憎まれキャラの悪運で生き抜くキャラで、「いけすかねえなコイツ」という視点でおもしろい男だったんですが
「虚ノ少女」では完全にツンデレとなり、随分と丸くなっていたという印象
時坂とのやりとりはニヤニヤできる可愛らしいものでしたね!
いったいどうしてしまったんだ八木沼さん・・・彼らしい一面は残しつつ、マイルドなキャラクターに変貌しており、彼の性格にストレスを感じることはありませんでした。
あと今作は魚住さんが登場しなかったのが残念。担当していた声優さんが引退したとか、そういう噂を聞きますが、好きなキャラだったので、なんとかなってくれぇ・・・。

好きな女性キャラキャラは断然、未散ちゃんです。めちゃくちゃ可愛かった。
ルートとか用意されていないサブキャラですけど、彼女の正体がわかれば納得せざるを得なかったw
あと理子ですね。とくに冬見さんになったことに気づいてから、一気にお気に入りになりました。真崎との関係も良かったなぁ。
かつて恋しあった2人の再開というシチュエーションはニヤニヤしっぱなしでした。ニヤニヤしている場合でもなかったですけども!エンディングのこの2人の関係、けっこう含みを持たせてありますよね。新たな人生を歩みだした2人にとって、あの恋は過去のものという感覚は共有されている。これからの未来で、どんな人生を歩んでいくかは今の2人次第なのだ。
ちょっと寂しいけれど、こういうドラマを描いてくれるのがイノセントグレイの好きなところ。ただ好き合って付き合ってだけじゃない男女の想いが織り込まれている。そしてこの2人は、それがネガティブなところで完結しなかった。素晴らしかったです!

そして由果ちゃんですよ・・・!許されない。なんで死んだんや・・・!
エロ川未央ボイスでエロが無いなんてウソだろと思いましたよ・・・。
ぐり子もめちゃくちゃ可愛かったのに・・・死んだあと回想シーンやるのは反則。

菜々子さんはナチュラルにエロかったですね。熟女ですけど、それがまた。



●BGM
イノセントグレイといえば美麗なイラストとオサレなBGM!
サントラ収録曲数は60曲近くであり、事実過去最高のボリューム。
「月の虚」はすでに聴きまくっていた曲なので新鮮味はありませんでしたが、やはりムービーと合わせると雰囲気たっぷり。



そして意表をつく「翡翠の美羽」!この曲の使われ方面白かったですね。いちど何かEDを見て、さーてまたやり直すかと最初からプレイすると、1週目と冒頭モノローグが違うぞと思ったらこの2ndOPがなだれ込んでくる演出。テンション上がりました。お見事。
ボーカル曲3つめの「ソノレイド」は真EDの際に流れるグランドエンディング曲。しかしこのエンディングが・・・アレなので、とんでもない切なさ・やるせなさを伴った曲になっています。
イノグレ×しもつきんの黄金タッグにおける新たな名曲であると同時に、ゲームのシナリオと合わせて凄まじいインパクトを与えてくれるものになっています。
バンドサウンドと美しいコーラスワーク、揺れるピアノの旋律が耳に残る一曲。

BGMだと「刺」「Petite plume」「for you…」あたり気に入ってますね。サンドトラックを買ってじっくり聞き込みたいです。なんせすごい曲数ありますし。



●シナリオ
面白かった!膨大な登場キャラをうまく整理しています。予想外の相関関係がどんどん出てきますが、しっかり説明が加わるし相関図が手帳(システムの)にあるので混乱はしませんでした。
「ヒンナサマの祟り」と呼ばれる形で、つぎつぎ女性が殺されていくサスペンス。その謎を解くカギは、とある因習にしばられた村と、ひとりの男が大きく関係していました。
そんな連続殺人事件とともに、時坂が追う冬子拉致事件にも進展アリ。

物語がはじまってすぐに、その段階では現代編に関与してこないキャラクターらによる過去編がスタート。これがまた長くて、プレイ時間にしておそらく3,4時間ほど。なので正直最初のうちはあんまりテンションが上がらなかった。
舞台が現代にもどり、過去編のキャラクターたちが大人になって登場、ストーリーに大きく関係しだしたあたりから、「虚ノ少女」本番ってところでしょうか。
読むのがダルいかもしれない過去編ですが、ここをしっかり見ておくとこの作品の面白さが跳ね上がります。かなり綿密に伏線が仕込まれており、過去と現在がつながり真実が暴かれていく過程は、ミステリーらしい爽快感がありましたね。

以下ネタバレを込みます。
近親婚をメインとしたミステリーは、さすがこのメーカーがやると禁忌的な雰囲気がぴったり合うなと改めて思いました。戦後の田舎の農村の因習、という実に「らしい」設定もバッチリハマっています。
単純にシナリオの出来は良かったと思いますし、美しいドラマをたくさん見せてくれた見応え充分のシナリオだったと思います。長いだけあって、エンディングの達成感もひときわ。
各エンディングについての感想は別項にて。というか語りたいエンディングは例の2つですよ。

そしてこの作品は神演出ゲーである、ということを声を大にして言いたい。



●推理
攻略難易度はこれまでの「殻ノ少女」「クロウカシス」といったタイトルと比べると、格段に落ちました。だいぶ攻略がしやすくなっています。単純に容疑者が絞られていくスタイルで、裏をかかれるかなと思ったらそんなことはなく。ストレートな印象です。
とくに捜査パートは親切設計になりましたね。あれで証拠品を見つけないと先に進めないって状況に、何度「殻」時代に苦しめられたことか・・・!
のぼせた憂の捜査パートは思わず笑いました。こういうジョークも入れてくるというのは、やはり作品のボリュームが増えたからかな。

ミステリーゲームなのだから、やはり謎解きの部分で満足度が高くないとやっぱりがっかりしちゃうじゃないですか。でも虚の難易度は、難しすぎず、けれど自力でもちゃんと読み込んでいけば真相にたどり着ける、ほどほどのレベル。プレイヤーが自分で謎をとき、真実を暴きだしていく。このゲームの醍醐味です。ここはシンプルながらしっかりとしたゲームバランスを保ってくれていました。



●エンディング
ええ、エンディングで語りたいのはあの2つですよ。完全にネタバレになるので白字。

パラノイアENDとトゥルーEND。
こいつぁすごいですね。ここまでやるかと。徹底してプレイヤーと時坂の心を叩き潰すラスト。
トゥルーの最後の時坂の絶叫で、まさしく俺も心が折れてしまいそうになった・・・。おかしくないですか・・・これトゥルーですか・・・。

まぁどう考えても冬子の生存は難しかったワケですが、それでも夢を見たかったんですよね。
もしかしたらっていう都合のいい妄想を引きずって、ずっと追いかけていたかった。
もしかしたら俺も、冬子のハッピーエンドを求めるパラノイアを抱えた、事件の被害者の一人だったのかもしれないね。んなわけあるか!
クリックする指が震えてくるほどの衝撃。頭にガツーンと重い一撃をくらったような感覚で、俺は「ソノレイド」を聞きました。やんなっちゃうわ・・・(ガチヘコみ)
ソノレイドが流れ終わったあとの「Fin」画面、そして再度かわるオープニング画面で完全にやられた。すごい凝った演出を仕掛けてきますわ。それも心痛めつけてくるためのナイフがむき出し。体がバラバラになった冬子のイラスト、まさかこう使ってくるとは・・・。

血も涙もない冷徹さをみせるトゥルーエンド。しかしそれに対応する、幸福すぎるエンディングがあります。それがパラノイアエンド。趣味わるすぎですよイノセントグレイさん。冬子とのエロシーン、冬子との結婚式。甘い甘い、幸せな夢。パラノイア。
この破壊力は実際にプレイした人なら分かるでしょう・・・2つのエンディングのインパクトは強烈。

冬子の声が殻のときと結構変わっていたのが結構印象的。まぁあれから結構年数経ったし、あじ秋刀魚さんも仕方ないかもな。ちょっと甘く少女チックな音色になりすぎて、あのいたずらな少年のような響きも混ぜた、不思議な冬子の声がちょっと遠ざかったかもしれない。しかし別にがっかりするほどのものでもないかな。気になっただけ。

しかし時坂さんの子どもを冬子が産んだというのが驚き。孕んでたんかい。ろくでもねえ先生だなワカメ。
しかしこの時坂と冬子の子が、殻シリーズ最終章の次回作のキーとなることはもはや確定的。はたしてどんなストーリーになるのか、今から楽しみだわなぁ・・・!
あとシンちゃんあっさり死にすぎて拍子抜けした。これで本当におしまいか?裏あるんじゃないかなぁ。そして尚織は黒幕か。六識とどっちが最強黒幕になるかな!


ともかくこのエンディングと、砂月と里人の物語だけでも、脳も心もしびれまくる。いいストーリーでしたわ。

ああ、砂月と里人のストーリーについて、先のキャラクターの項目でも書いたけれど付け加えよう。個人的には冬見さんが逮捕されて、面会したときに「今日も雪が降っているね」「でも空は晴れている」とやり取りをしたエンディングが、彼らの迎えたエンディングとしては一番好みだったかもしれない。
というのもやはり時効だ圧力だと罰から逃れてしまった彼らは、なんだかんだでちょっと納得できていないのだ。プレイヤーである自分も、キャラクターたちもきっと。だから、新たな罪を重ねても、罪を償うエンディングを見せて良かったと思う。
これが最善ではなくても、当然あって嬉しいシーンだった。



●システム
絵よし!キャラよし!曲よし!シナリオよし!システムー・・・・・・・・・。
はい、結構つらいです、このゲームのシステム。いやむしろ、「スキップ速度が遅い」というただその一点においてのみ、このガッカリ感はある。
今後修正パッチなどでスキップ速度がアップすれば、もう何も言いません。

シナリオめちゃくちゃ長いんですよ。周回プレイ前提の作りのゲームですよ。
でもスキップが遅い。キツいです。いくらおもしろいゲームでも、読み飛ばしたいと思った箇所をささっと読み飛ばせないと、やはりイライラしてしまいます。
ゲーム攻略終盤はひたすらセーブロードセーブロードでしたが、いちいちスキップがスムーズにいかないもんだからこれでストレスがたまる。漫画読んでました。

その他のシステムは及第点。とくに「手帳」のシステムはさらに見やすく充実しており、プレイが快適になりました。
これまで書いてきたように、ほかの要素はハイレベルで楽しめるゲームです。だからこそこのシステムにだけ、いっこ書いておきたかった。ただただ、もったいないです。

<2/20追記>
修正パッチが公開されて、スキップ速度向上。随分とマシになりました。
http://www.gungnir.co.jp/innocentgrey/support_karanoshojo2.html
最初からこの速度だったらよかったのにと思わざるを得ませんが、対応ありがたいですね。



●まとめ。
自分が思う「イノセントグレイらしさ」をめいっぱいに詰め込んでハイレベルに楽しませてくれた作品。まぁシリーズの2作目ということで、「殻」をプレイして気に入った人がプレイするソフトのはず。だからファンなら楽しめるはずです。
このメーカーのファンなら概ね満足できる内容だと思います。すごいラストにさえ、気をつければ。ファンとは言えここまでやったら評価は分かれるでしょう。その上で紡がれるシリーズ最終章はどんなものになるのか。今からワクワクですわ・・・!・・・5年以内には出してください!なんか百合ゲー作りたいらしいですけども!

先にも述べましたがミステリゲームとしてはだいぶ親切になり、推理の醍醐味を損なうことなく易しくなっています。ここは有難い。
テキストのボリュームも気合十分でした。さすが、大作というだけのことはあります。満足度高し。無意味に長いだけでなく、物語に説得力と理解容易さがあり、話を読み解いていくカタルシスを与えてくれています。
そのほか、自分がイノセントグレイに求める要素を高い水準で叶えてくれたゲームでした(CGの美麗さ、BGMのクオリティなど)。

シナリオもかなり気に入っています。
罪とともに生きる人間の姿。綺麗なままでは生きていられないという切実なそれが胸を打つ。
純白は殺意で赤く。夢見た純白も消えてゆく。
また殻みたいにドラマCDをリリースしてほしいな。殻のドラマCDとかなぜかすごいプレミア価格(特に2巻)になっているので、再販とかもしてくれればいいのに。もっといえば俺も買いそびれた「ルリノユメ」の再販を頼む・・・。

あ、「虚ノ少女」のパッケージに同梱されている冊子も素晴らしいです。
版権イラストや、描き下ろし小説を収録しています。
冬子目線で殻から虚への物語や、葛城シンによる新作小説「プルガトリオの羊」もあります。面白かった。プルガトリオなんかはまさに幻想小説ですね。
ちなみに「プルガトリオ」ってどんな意味か作中で触れられていませんでしたが、どうも「煉獄」という意味らしいです。ホントにこのメーカーは「煉獄」とか「パラノイア」とか好きですよね!!

なんだかんだで面白さは「殻ノ少女」と同じくらいかな。
それってつまりとても楽しめたということです。イノグレのゲームは買い続けられる。
ほかのエロゲーじゃなかなか味わえない感覚が詰まってますよね。

この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ。
作品のモチーフとなっている、ダンテの『神曲』の『地獄の門』の銘文。
まさしくこの言葉通りの作品であったとして、長ったらしくなった感想を締めます。



虚ノ少女パケ

5周年BOX「PARANOIA」と一緒にパシャリ。
似たようなパッケージデザインとなっているので、今から「虚ノ少女」の前作「殻ノ少女」、またはルーツとなる「カルタグラ」もプレイするなら、このBOXがいいですね。

Innocent Grey premium box 「PARANOIA(パラノイア)」Innocent Grey premium box 「PARANOIA(パラノイア)」
(2010/12/03)
Windows

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Innocent Grey Haruka Shimotsuki Collection「トロイメライ(Traumerei)」 / 霜月はるか 通常版Innocent Grey Haruka Shimotsuki Collection「トロイメライ(Traumerei)」 / 霜月はるか 通常版
(2011/07/08)
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でももう販売終了しているという…!
せめてDL版とか出してくれないと、もったいないと思うけどなぁ…!惜しい!

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