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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[小説]いつか戻ってきたくなる、優しい日々の集積。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』7.5巻

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5 (ガガガ文庫)
(2013/08/20)
渡 航

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   うるせぇ。そんなの全部わかってんだよ。

完璧なるあーしさんヒロインまっしぐら表紙で登場した俺ガイル7.5巻!!
アニメ放送を挟んで届けられた新刊は本編ではなく番外編です。
表紙のあーしさんかわいいな…。強気そうな表情や、スカートの質感も素晴らしい。ぽんかん⑧神の進化がとまらない。
シリアスな要素もガンガン掘り込んでくる本作ですが、今回は超平和!めっちゃ平和です!あまりに明るすぎて次の巻でどうなるんだかな!
時系列はバラバラ。基本的に6巻後のものが多いです。
前回、7巻は波乱のままに終了したので、はやく8巻が読みたいところですが…わたりん忙しいだろうから…ガマンだョ…っ!!

なおディープなファンはすでにゲットしているシナリオも多い短篇集です。
例えば小説6巻の店舗特典小説として配布されたSSが全て収録。
自分は結局4店舗分の特典小説をがんばって集めましたが、正直あの商法はまったく褒められたものではないので、こうして収録されてよかったですね。これはガガガ文庫GJ。GJ部にかけたわけではない。
そして「比企谷小町の策略」。これはコミケの企業ブースで限定発売されたドラマCDのシナリオを小説用にリライトしたものです。
「比企谷小町の策略」はオークション等でプレミア価格で取引されてるのも見かけましたし、これもちゃんと原作小説に吸収されてよかったです。

個人的に目新しさはあまりない短篇集ではありましたが、刊行ペースがやや落ちて飢餓感が出てきた中でリリースされた最新刊なのでもうムチャクチャ面白かったですよ。
ざっくり感想を書いていこう。

過去の感想。
青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
甘い青春には慣れない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』3巻
かつて「彼ら」だったぼくらが出来ること 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』4巻
憧れだった君を許せない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』5巻
独りの英雄は、ステージの輝きを浴びられない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』6巻
それでも彼らは当たり前の嘘をつく。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』7巻
そして彼と彼女は他人になる。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』6.25・6.50・6.75巻



SSに関しては省略。暇人がメール送ってきすぎである。しかしこのメールお悩み相談の設定テンプレは便利だなぁ。いくらでもSSが作れそうなシステムである。「人生」を思い出すけれども。

●「こちらとしても彼ら彼女らの行く末に幸多からんことを願わざるを得ない。」
章のタイトルとしては過去最長じゃないかなこれ。
ちなみに今度出るvitaのゲームの特典アニメになっているシナリオです。
詳しい内容は置いとけ。ともかくヒロインたちのウェディングドレス姿が拝める。この短編の存在意義はそこに全て集約される。

地方紙の結婚特集記事をつくることになった奉仕部の面々。
とはいえ一介の高校生である彼らにとって「結婚」なんて縁遠いもの。
そこで小町が介入し、ヒロインたちの「嫁度」チェックなる催しが行われる!
ということでいろんなイベントを通じて由比ヶ浜、雪ノ下の対照的?な結婚観を楽しめたり、実際にお嫁さんっぽいことをしてみたり。
なるほど、これは妄想が捗るってもんよ。

それにしたってやはり最大の見どころはドレスのシーンである。
この場面はそれを見つめる八幡のモノローグのポエム加速値が尋常ではなく、明らかに彼が心底うっとりしていることが伺えて笑える。
八幡は美しいもの、尊いものを見る時、たまにモノローグのノリがガラッと変わるので面白い。あとやたら細部を凝視し言及するので、めちゃくちゃ観察しているのも伺える。
長いポエムのあと、「だっておwwwwwwww(バンバン」と、やるおAA的ツッコミを入れて楽しむのも可。
しかし心底まで捻くれた彼が揺らいでしまう、その光景の輝きに感動もあったりして。やっぱり八幡ポエムは大好きなんだよな。

MVPはどう考えても平塚先生ですよね。まさかのカラー口絵ポスターで縦ブチヌキのウェディングドレス振り向き美人!!その美貌を打ち消す圧倒的に残念なナカミ。
「誰かもらってあげて!じゃないと俺貰っちゃうよ!」なんて独白で述べている八幡さん、確実に先生に攻略されているようだね(ニッコリ

でも制服エプロンでお料理してるゆきのんの挿絵の破壊力も途轍もない。

●「比企谷小町の計略」
コミケ用ドラマCDのシナリオ小説。
時系列としては3巻の後。平和だったころですね…。
ドラマCDになるとこの作品は中の人つながりのパロディをいっぱい仕掛けてきます。

クイズマジックチバデミーの存在そのものにこの作品らしい猛烈な千葉愛を感じるw
ドラマCDシナリオだったためか、とくに会話劇のテンポが意識されているような。とても読みやすく賑やかで心が暖まってきますね。
それにしても「女子高生が彼氏と行きたいデートスポットはどこ?」に八幡が答えた内容は…うん…あるよ…男子高校生だもんな…。

●「未だ、彼らは帰るべき場所を知らない。」
100ページ以上ある、この作品的には中編と呼べそうなボリューム。
描きおろしであり、いちばん読み応えがあったエピソードです。
時系列としては梅雨の後、夏休みに突入というタイミングだから結構遡るな。

帰るべき場所。タイトルどおり、「居場所」をテーマとした短編となっています。
本筋は部活にOBが来て雰囲気がヤバいからなんとかしたいって柔道部の依頼を解決するお話。
しかしテーマ的に、奉仕部や八幡自身と重なる部分もあったりする。
やはりこういうのは悩める青年期につきまとう、ありふれた、ナイーブな話題なんだな。

いつか戻りたいと思えるような居場所。
それに思い馳せる八幡は印象的であり、そんなことをぼんやりと考えてしまう時点で、彼の中で見当は付いているんじゃないか、なんて勘ぐりたくなる。
ただ、このエピソード中では夏休み前。
7巻で彼がどんな行動を起こしたのか、どんな思いを抱いて葉山らに協力したのか。
未来と過去を照らし合わせると皮肉が効いている。
夏休み前の段階で、八幡は自分自身の未来に伏線を張ってしまっていたんだな。
聡い彼のことだから、ある種の予感と悲観を混ぜ込んだ言葉だったのだろうと思う。

「いつか戻りたいと思えるような居場所」というキーワードは、7巻が世に出た後のこのタイミングで現れた言葉としてあまりに重みが感じられる。
単なる番外編の短篇集として7.5巻を終わらせたくなかった、作者の想いがそこに込められているようだ。7巻の内容を思うと、一層見逃せない。
このシリーズに今後寄り添いつづける、繊細で触れ難い、大切な言葉になっていくのではないかな。

おだんごヘアのゆきのんが美味でもある。素直に百合として組み合わせいいよね、ガハマゆきのん…。
あ、あとあーしさんこと三浦の恋のライバルみたいな新キャラ(後輩)が登場。
このタイミングで名前アリで出てくるということは、本編にも関連したキャラクターになるかも。



そんな「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」7.5巻の感想でした。
とにかく平和です。
こういうひと時が後々、胸ふるわせる思い出になったりするんだろう。
ギャグが多くて読みやすいですね。この作品はいつも読みやすいですが。
パロディのネタが異様に新しいものもあったりして、さすが取り入れるのが早いなぁw もう艦これネタだよ!

次はいよいよ8巻。今年中に出るのか…!?
タイミング的に物語は冬に突入するわけで、12月発売とかかな…。
ラノベはアニメ化すると刊行ペースが鈍るケースが結構ありますねぇ。半年に一冊ペースでいいので、さくさく進んでいってくれれば言うことなし。半年に一冊ペースって業界全体から見れば贅沢なんですけどね…!
まぁ今はアニメのBD/DVDに付属する小説の方が本編同等の盛り上がりある内容で読み応えあるので、しばらくはそれを追う形で満足しよう。
まさかあんなしっかりした内容で責めてくるとは思わなかったですね。
ちょっとだけ、この7.5巻のようなのを付属小説に回した方がよかったのではとも思ったりする。

それにしてもオビにありましたが140万部ですか。アニメ化でずいぶんブーストかかったみたいで。嬉しいですね。ガガガ文庫にこんなヒット作が…っ。
わたりんも兼業じゃなく専業で…とは思うけど、わたりんはあれで仕事がめちゃくちゃ楽しそうに見えたりもするので、いいや。

とりとめない感想になりましたが、そんな感じ。
八幡の新作モノローグポエムが堪能できて嬉しかったです。

[漫画]星がつなぐ、光が刻む、ふたりの宇宙。『スピカ The twin STARS of ”きみのカケラ”』

スピカ The twin STARS of ”きみのカケラ” (少年サンデーコミックススペシャル)スピカ The twin STARS of ”きみのカケラ” (少年サンデーコミックススペシャル)
(2013/08/16)
高橋 しん

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   あの日においてきた、幼い私達の、小さな星。

定期的に高橋しん成分を摂取しないとつらい体です。
高橋しんさんの新作コミックス「スピカ the twin STARS of “きみのカケラ”」が発売されたので感想を。
今回も装丁が素晴らしいです。さわってみるとわかりますが、散らばった光に指で触れられる美しいデザインとなっています。
ちょっと値が張るコミックスですが、この装丁の質もそうだし、中もカラーページ豊富だし、不満はありませんね。

本作は前に少年サンデーに連載されたファンタジー漫画「きみのカケラ」の双子のようなポジションとのこと。
テーマ的に連なる部分も多く、きみのカケラを知っているとニヤッとできる小ネタが。
とは言え完全に独立した作品集なので、知らない人でも全然大丈夫。
「きみのカケラ」の双子であることに加えて、星をめぐる2つの物語を収めた作品でもあります。そういう意味でも双子ってことですね。ツインスターズ。

高橋しん先生の過去の単行本の感想とか↓
夢見た世界で、永遠の太陽は輝く。『きみのカケラ』9巻
あの夏のヒミツ、おぼえていますか? 『SEASONS~なつのひかりの~』
喋れない少女とエスパー少年『雪にツバサ』1巻
終末のそばに儚い日常はある。『花と奥たん』2巻



ふたつの作品を個別に。

スピカ-ふたりの銀のつばさ-

これは明らかに「きみのカケラ」の世界を引き継いだ、あれから遠い未来のお話。あのぬいぐるみキャラもいたり…。
でも世界の雰囲気なんかはガラリと変わっていて、まったく新しいものとして楽しめる。「きみのカケラ」を読んでいたら、この暖かくなったこの世界の風景を見てにっこりできます。
加えてネタバレになりそうですが、展開も…。

この星に宇宙燈台が輝いていたのも今は昔。灯を失ってしまった星と鍛冶屋の少女。そんな彼女の前に落っこちてきた、どこかの宇宙で戦争をやっているらしいロボットの少年兵。
人間の少女と機械兵の少年。そんなボーイミーツガールは、星の希望を照らしだすまで話のスケールを膨らませます。
必死にそれぞれの目指すものに手を伸ばす。美しいものを求める。
苦しい境遇に立たされる二人の主人公ですが、その運命の中で奮闘する姿がなんとも健気であり、幸福を願わざるをえない。

個人的に名シーンだと思ったのが、女の子がボロボロ涙をこぼして料理をムシャムシャ食べる場面。
家族のぬくもりに飢えていた少女の感動が全開になってますね。なんて高揚感のある食事だろうか…!
高橋しん先生は近年食事シーンに気合が入っていますね。人の繋がりや生命の営みとしての食事って側面を強調する描き方をしていて好きですねえ。

面白いのがこれは意図的に、少年と少女の名前が出てこないこと。
お伽話に出てくる人物には名前が無いことも多いですよね。動物の名前そのままだったり、またはたんに男の子とか、女の子とか。名前が出てこないのはそういう意味なのかもしれない。
きっとこのお話は、後のこの世界に残るお伽話のようなものになる。
または二人はスピカになったからって事なのかもしれない。
真っ暗な場所にでも寄り添って離れない、春に見える2つ星。
白くく青く濃い光が降り注ぐラストシーンの感慨深さは、やはり好いものです。

●スピカ-放課後のちいさな星-

いいねぇ!なんとも言えない、切ない匂いと透き通った空気を感じる青春…!
なんだか久しぶりな気がする。ありふれた高校生たちの疾走感のある青い漫画。
高橋しん先生的にはだいぶ平和な作品だったと思うけど、こういうの最近少ない気がするんだよな。
部活の約束をすっぽかして、女の子と男の子がふたりで思い出の場所を目指す。
そこで星を見ようと、バカみたいに心を高揚させて、果てに向かう。
見えないものを見ようとして!望遠鏡を覗きこんだ!!

ワクワクして切なくなって、懐かしさすらもやってくる。
短編としてのまとまりの良さといいテーマといい、とても完成度の高い作品だったと思います。
澄んだ夜空を眺める。その時間に余計な言葉は野暮だよねって感じでもう、甘酸っぱさがガッツリ心に染み渡りますよ…。
「ばかだね。お前。女の話はただうなづいて聞くもんだ。」
とかいちいちいい雰囲気にいい言葉が飛び出すんですよ。カラーページの使い方も豪華。カラーを有意義に感じられるという意味で過去の高橋しん作品でもトップクラスなのでは。
黒い暗い、遠くの宇宙に、いろんな色の星が美しく散らばっている絵は、カラーで見れなきゃ損でしたよ。

青春の香りを色濃く感じられる物語には、青春らしい喪失感と傷が織り込まれています。
それはもう、がむしゃらに闇雲に、不安を振り解くために、少女は星を見つけようとする。
でも星はいつでも見れるわけない。時間はもちろん、季節が重要になる。
どんなに欲しがっても、大切なものがいつでも見つけられるわけではない。
天体観測が少年の少女のドラマにシンクロしており、これもお見事。
そしてなんといってもモチーフが「スピカ」って所で〆もバッチリなのです。

本当にそのまますぎるけど、BUMPの天体観測流しながら読むと、胸キュン指数がさらに上がるよ!
個人的にこれ、新海監督に30分くらいで映像化して欲しいんですけど。うん、キラキラ着色系作家繋がりで発想が安直です。
あと小ネタでしょうけど、冒頭のカラーページの制服の冬服、これって最終兵器彼女の制服と一緒じゃないですか!アホ!



そんな「スピカ the twin STARS of “きみのカケラ”」でした。
スピカ2作に加え、単行本のラストにはあの有名な宮沢賢治の童話をリミックスした感じの漫画も収録されており、これも良い。これは「きみのカケラ」最終巻のあとがきにあったものですね。
基本的に高橋しん先生の作品は健気キャラが最強なんですけど、今回の作品はそれがなんらブレないまま爽快さとなって読者に届けられている感じがします。
なにげにクセの強い作家さんだと思うんですけれど、これは読みやすいな。
入門の一冊としてもいいかもしれない。

一冊トータルで、宇宙への憧れがパッケージされている気がします。
星空を見上げるときの、あの寂しかったり清らかだったり熱くなったり怖くなったりするフワフワした感覚が詰まっていて、とても気持よく感情を揺さぶられる。
恋愛よりいっぽ手前の、でも恋に勝るとも劣らない、遠い祈りの関係。
もどかしいですが、この距離感がいい!
発売されたタイミングも完璧でした。
夏に読みたい、爽やかなときめきをくれる作品集。

『スピカ the twin STARS of “きみのカケラ”』 ・・・・・・・・・★★★★☆
「どうかあなたに」と祈る人たちのまっすぐさ、心をキラキラに澄んだ状態にしてもらえます。
ところでそろそろ最終兵器彼女の文庫版とか新装版とか出ませんかね?

[アニメ]隠された聖なるエンディング-『言の葉の庭』イメージソングMVについて

●最高級の、雨ふる楽園の物語。『言の葉の庭』感想
この記事の追記のような形の更新となります。

先日、秦基博「言ノ葉」のMVアニメーション、ディレクターズカットBDが到着しました。
これは「言ノ葉」シングルCD購入者が抽選でゲットできるもので
自分ももちろん応募していたわけですが、運良くあたりました。
528名っていうのは倍率的にはどうだったんだろうか…。

言の葉の庭MV3

映画のエンディング曲である「Rain」とは別に、「言の葉の庭」の世界を歌ったオリジナルのイメージソングが「言ノ葉」です。
曲調や歌詞の内容から、作品風景があざやかに脳裏に蘇りますな…。
曲に関してはこちらのライナーノーツも読むと楽しいです。

MVはアニメ本編のカットをつなぎあわせ、新規カットも多数盛り込んだ内容となっており、ファンは必見の出来栄え。
ショートバーションがつい最近Youtubeで公開されたので、まだ見ていない方はぜひぜひ。
秦 基博「言ノ葉」の “新海誠ディレクターズ・カット版” MVがついに公開!
開始すぐに新規カットですね。



雪野さんが足の爪を着る(&メガネ装着!!)シーンには、この作品らしいフェチを感じる…!

さて、こっからが本題なのですが!
このMVには、「映画本編を見た人ならきっと見たかったであろう場面」が新規に追加されているのですよ!
これに俺は大興奮したのでこうして記事をかいているわけです。
このMVフルサイズ版は『8月28日(水)よりi-Tunes ほかにて取り扱いがスタートする』とのこと。
ネタバレになるので以下収納します ↓

続きを読む ≫

[漫画]溢れるリビドー!吹き荒れるベロチューの嵐!『リビドーハンタータケル』1巻

リビドーハンタータケル 1 (ジャンプコミックス)リビドーハンタータケル 1 (ジャンプコミックス)
(2013/07/04)
丈山 雄為

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   超!!!! カッコいいッ!!!!!

エロいっ!!直球でそう思える少年漫画のエロ枠はいつの時代も必要です。
「リビドーハンタータケル」は久しぶりに少年漫画のエロ枠の新作で心打ち抜かれたかもしれない。これは最高にバカエロい漫画だぞ。
少年漫画だとやはり健康的なエロスが目立ちますが、この作品はネットリとしたいやらしさを感じる。
ハプニングでもなく、エロいことをしたいからするっていう欲望剥き出しの内容。リビドーハンターの名は伊達じゃない!
キャラクターが次々と発情していく様は文句なしにエロく股間にダイレクトに訴えかけるパワフルさがあります。でも話の筋は少年漫画らしく、読むとスッキリ。
なお、大事なことなので先に言いうと、乳首あります。

作者の丈山雄為さんのことは四季賞受賞作「解体ザナフ」で知りました。
こちらはずっしりとヘヴィーで泣ける、大人の残虐ドラマに仕上がっていましたが
「リビドーハンタータケル」はそれとは方向性の違う、カラッと明るいエロ少年漫画!
ザナフ路線も今後期待したいところではありますが、今のところはこの溢れるリビドーに身を焦がす少年漫画でその爆発力を魅せつけてほしいですね!



簡単に言うと変身ヒーローものなのです。少年心がワクワクです。
変身すると、超絶イケメンになっちゃうのです。
変身した姿は今の自分と似ても似つかない、女性をひと目で恋に落としすぐさま発情にまで至らしめるバリバリ最強No.1イケメン。なるほど本当今日から1番1番だ1番!

大人しい性格の童顔男子、タケル。
積極性のカケラもない、草食系どころかもはやただの草男子。
そんな主人公だがしかし秘めた性欲はとてつもない!彼のリビドーに目をつけてやってきた天使・ペロエルが彼にパワーを授けます。
すべてのオスを蹴散らし、すべてのメスを従えるスーパーイケメンになれる力!
そのうえで女性を興奮させ、そのリビドーエネルギーを集めよう、ってのが目的。
主人公はひたすらヒロインたちを優しく激しく、次々とモノにしていくのだ!
うん、バカ!!
バカ漫画なりに突き抜けた様子が最高に気持ちがいいのです。
特に変身した主人公が無双しまくるシーンとか笑いが止まらないですよw

リビドー13

圧・倒・的!!
1つの絵の中で2人の男をぶっ飛ばし、2人の女の唇を奪ってみせる超スピード展開!
こういう荒々しい運転とバカみたいなテンションでグイグイと引っ張っていってくれるのが楽しいですわー!こういうバカエロ漫画大好き!

でもこういう漫画なので、やっぱりどれほどエロいのかってのが重要にもなりますが
もうね…バッチリですよ…。
アッサリはせず、ねっとりと脳に絡みつくような、生身の匂いを感じる…!
もわっとのぼり立つような…な…!

リビドー11

ヤバいヤバいヤバいたまらん。
汗の湿気で透けた下着、発情まちがいなしな吐息、情熱的な視線!

表情とか、くにゃっとした女体のしなりとか、女性が“堕ちる”カタルシスとか
絵から設定から物語から一斉に襲いかかる三位一体のエロス!!
自身を持って「これはエロいぞ!」とおすすめしたい。小中学生でこれに出会っていたらたぶん枯らしてる。

特に個人的にキャラクターの表情には、すばらしい拘りを感じて好印象。
この作家さんはデフォルメを効かせたポップな絵柄なのですが、それでいて女性の細やかで魅力的な線をいっぱい絵に投入している感じがする。それがよく現れているのが表情。
特にうっとりとキスを交わすこの漫画の見せ場の場面は絶品ですよ。
そう、キスといえば、この漫画はキスシーンが多いのです。

リビドーハンター12

愛おしげにチュッチュする場面が1冊の中でたっぷり拝めます。
うーんイイ…。腰に乗っかられ自由を奪われながら、女の子から濃厚なキスを受ける主人公の図。
普段は受け身、変身後は超・肉食系。
そんなふうに主人公の体質もガラッと変化する作品だからこそ、主人公をめぐるキスも様々なものがあって興奮度増しまし。女性優位からの有無言わせず強奪系へ。

キスシーンはこの作品を象徴するもので、相手の口内を下でグチュグチュまさぐるなんて最高にエロいし、たっぷりと愛で優しくキスするのも最高にニヤけるし、まぁともかくいいキス漫画。
イラストSNSの検索履歴にキスハメの4文字が刻まれ続ける漣さんにもこれにはご満悦(偉そうな上に関係薄い)
過激に愛情たっぷりな漫画は、読んでいて胸がホカホカしてくるな。



ストーリー的には1巻のラストでライバルキャラが登場。
泣き虫なロリビッチ天使はどうやらペロエルの妹さんでございました。
彼女が孕波乱を起こしていきそうな予感。
1巻段階で主人公をとりまくヒロインたちの構図は出来上がっている感じがありますが、まだまだヒロインたちは増えるのかなー。
個人的には幼馴染の小山内さんをゲームならばまっさきに攻略したい所。
しかし主人公のお母さんもまたヌケた感じでかわいいなあw

メインヒロインである少女たちは、あくまでも素のままの主人公を好いている。
このことがキーですね。ただイケメンに変身して無双するだけじゃ恋愛はうまくいかないような、主人公の根本的な成長をストーリーが促してくれそうな期待につながっています。
単純なバカエロ漫画を貫きつつ、彼自身の本当の変身を見せてくれたら嬉しい。

絵を見て思った人も多いかとは思いますが、作者は中山敦支先生の元アシスタントさんです。だいぶ師匠と絵が近い印象を受けます。
もちろんまるで同じなわけではありませんが、今のところはそう。
自分は中山敦支先生の大ファンなのでこういう独特のクセがある絵柄を引き継ぐ作家さんが居て、とても嬉しいです。
これが初単行本の作者さんなので、きっと絵も少しずつ変化が見られていくと思いますが、より洗練されたポップさとエロスが備わっていくのを見守って行きたいですね。
あとやっぱり「解体ザナフ」のようなブラックなのもいずれ見てみたいなあ。

『リビドーハンタータケル』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
すごい勢いとすごいエロス。期待したい超疾走のバカエロ漫画!

[漫画]2013年8月単行本の購入予定

最近がっつり更新ペース落ちててごめんなさい。リアルがバタバタです。
とは言っても夏コミ行きます。あんまりお金飛ばさないようにしないとなー…。

08/02 集英社 1/11 じゅういちぶんのいち 6 中村 
08/06 講談社 そんな未来はウソである 3 桜場 コハル
08/06 講談社 みなみけ 11 桜場 コハル
08/08 秋田書店 みつどもえ 13 桜井 のりお
08/08 祥伝社 夏服に着がえれば 元町 夏央
08/09 講談社 進撃の巨人 11 諫山 創
08/09 講談社 惡の華 9 押見 修造
08/09 集英社 お慕い申し上げます 4 朔 ユキ蔵
08/09 新潮社 MAMA 2 売野 機子
08/09 双葉社 ぼくは麻理のなか 2 押見 修造
08/10 芳文社 7時間目の音符(ノート) 4(完) 志摩 時緒
08/10 芳文社 ふたりの恋愛書架 2(完) ヤマザキ コレ
08/12 講談社 となりの怪物くん 12 ろびこ
08/12 小学館 ちろり 4 小山 愛子
08/12 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 恋愛暴君 3 三星 めがね
08/12 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 ブレイク ブレイド【新装版】 3 吉永 裕ノ介
08/12 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 ブレイク ブレイド【新装版】 4 吉永 裕ノ介
08/16 小学館 世界鬼 3 岡部 閏
08/16 小学館 スピカ The twin STARS of “きみのカケラ” 高橋 しん
08/16 小学館 常住戦陣!!ムシブギョー 11 福田 宏
08/19 集英社 ねじまきカギュー 11 中山 敦支
08/19 スクウェア・エニックス やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-妄言録- 2 佳月 玲茅/渡 航
08/20 徳間書店 のぼさんとカノジョ? 2 モリコロス
08/23 講談社 モンクロチョウ 2 日暮 キノコ
08/23 集英社 俺物語!! 4 アルコ/河原 和音
08/26 エンターブレイン発行/KADOKAWA発売 放浪息子 15 志村 貴子
08/27 アスキー・メディアワークス発行/KADOKAWA発売 やさしいセカイのつくりかた 4 竹葉 久美子
08/29 白泉社 フォトカノ Your Eyes Only 3 ナイロン/エンターブレイン/ディンゴ
08/30 白泉社 アパルトめいと 1 犬上 すくね

惡の華、最近8巻が出たのにもう9巻が出るんですね。雑誌連載と単行本に開きはありましたが。楽しみです。進撃と惡の華の最新話が読める時点で別マガ強い。
フォワードで大好きだった「7時間目の音符」「ふたりの恋愛書架」がどちらも完結…。寂しすぎますが…最終巻でもたっぷり悶えたいですね。
完結といえば「となりの怪物くん」も。どんな未来が見えるのか!
ドロドロダークな「世界鬼」も続きがとても気になる期待の作品です。
高橋しん先生の作品はとりあえず悩まず買っていますが、今回の短篇集も期待できそうですね。
「放浪息子」は15巻。これにて完結とのことです。単行本派なのでなんだか怖い。
「やさしいセカイのつくりかた」、きゃっきゃ爽やかな学園ラブコメなようでなかなかにエグい展開に行ったりしてる注目作。

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ブログを引っ越しました。 当ブログは更新を停止し、新ブログにて更新をしています。 https://sazanami233.hatenablog.com/

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漣

Author:漣
「さざなみ」と読みます。
漫画と邦ロックとゲーム。
好きなのは思春期とかラブコメとか終末。

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omuraisu0317あっとyahoo.co.jp(あっと→@に)

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