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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[小説]いつか戻ってきたくなる、優しい日々の集積。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』7.5巻

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7.5 (ガガガ文庫)
(2013/08/20)
渡 航

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   うるせぇ。そんなの全部わかってんだよ。

完璧なるあーしさんヒロインまっしぐら表紙で登場した俺ガイル7.5巻!!
アニメ放送を挟んで届けられた新刊は本編ではなく番外編です。
表紙のあーしさんかわいいな…。強気そうな表情や、スカートの質感も素晴らしい。ぽんかん⑧神の進化がとまらない。
シリアスな要素もガンガン掘り込んでくる本作ですが、今回は超平和!めっちゃ平和です!あまりに明るすぎて次の巻でどうなるんだかな!
時系列はバラバラ。基本的に6巻後のものが多いです。
前回、7巻は波乱のままに終了したので、はやく8巻が読みたいところですが…わたりん忙しいだろうから…ガマンだョ…っ!!

なおディープなファンはすでにゲットしているシナリオも多い短篇集です。
例えば小説6巻の店舗特典小説として配布されたSSが全て収録。
自分は結局4店舗分の特典小説をがんばって集めましたが、正直あの商法はまったく褒められたものではないので、こうして収録されてよかったですね。これはガガガ文庫GJ。GJ部にかけたわけではない。
そして「比企谷小町の策略」。これはコミケの企業ブースで限定発売されたドラマCDのシナリオを小説用にリライトしたものです。
「比企谷小町の策略」はオークション等でプレミア価格で取引されてるのも見かけましたし、これもちゃんと原作小説に吸収されてよかったです。

個人的に目新しさはあまりない短篇集ではありましたが、刊行ペースがやや落ちて飢餓感が出てきた中でリリースされた最新刊なのでもうムチャクチャ面白かったですよ。
ざっくり感想を書いていこう。

過去の感想。
青春とは嘘であり、悪である。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
甘い青春には慣れない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』3巻
かつて「彼ら」だったぼくらが出来ること 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』4巻
憧れだった君を許せない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』5巻
独りの英雄は、ステージの輝きを浴びられない。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』6巻
それでも彼らは当たり前の嘘をつく。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』7巻
そして彼と彼女は他人になる。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』6.25・6.50・6.75巻



SSに関しては省略。暇人がメール送ってきすぎである。しかしこのメールお悩み相談の設定テンプレは便利だなぁ。いくらでもSSが作れそうなシステムである。「人生」を思い出すけれども。

●「こちらとしても彼ら彼女らの行く末に幸多からんことを願わざるを得ない。」
章のタイトルとしては過去最長じゃないかなこれ。
ちなみに今度出るvitaのゲームの特典アニメになっているシナリオです。
詳しい内容は置いとけ。ともかくヒロインたちのウェディングドレス姿が拝める。この短編の存在意義はそこに全て集約される。

地方紙の結婚特集記事をつくることになった奉仕部の面々。
とはいえ一介の高校生である彼らにとって「結婚」なんて縁遠いもの。
そこで小町が介入し、ヒロインたちの「嫁度」チェックなる催しが行われる!
ということでいろんなイベントを通じて由比ヶ浜、雪ノ下の対照的?な結婚観を楽しめたり、実際にお嫁さんっぽいことをしてみたり。
なるほど、これは妄想が捗るってもんよ。

それにしたってやはり最大の見どころはドレスのシーンである。
この場面はそれを見つめる八幡のモノローグのポエム加速値が尋常ではなく、明らかに彼が心底うっとりしていることが伺えて笑える。
八幡は美しいもの、尊いものを見る時、たまにモノローグのノリがガラッと変わるので面白い。あとやたら細部を凝視し言及するので、めちゃくちゃ観察しているのも伺える。
長いポエムのあと、「だっておwwwwwwww(バンバン」と、やるおAA的ツッコミを入れて楽しむのも可。
しかし心底まで捻くれた彼が揺らいでしまう、その光景の輝きに感動もあったりして。やっぱり八幡ポエムは大好きなんだよな。

MVPはどう考えても平塚先生ですよね。まさかのカラー口絵ポスターで縦ブチヌキのウェディングドレス振り向き美人!!その美貌を打ち消す圧倒的に残念なナカミ。
「誰かもらってあげて!じゃないと俺貰っちゃうよ!」なんて独白で述べている八幡さん、確実に先生に攻略されているようだね(ニッコリ

でも制服エプロンでお料理してるゆきのんの挿絵の破壊力も途轍もない。

●「比企谷小町の計略」
コミケ用ドラマCDのシナリオ小説。
時系列としては3巻の後。平和だったころですね…。
ドラマCDになるとこの作品は中の人つながりのパロディをいっぱい仕掛けてきます。

クイズマジックチバデミーの存在そのものにこの作品らしい猛烈な千葉愛を感じるw
ドラマCDシナリオだったためか、とくに会話劇のテンポが意識されているような。とても読みやすく賑やかで心が暖まってきますね。
それにしても「女子高生が彼氏と行きたいデートスポットはどこ?」に八幡が答えた内容は…うん…あるよ…男子高校生だもんな…。

●「未だ、彼らは帰るべき場所を知らない。」
100ページ以上ある、この作品的には中編と呼べそうなボリューム。
描きおろしであり、いちばん読み応えがあったエピソードです。
時系列としては梅雨の後、夏休みに突入というタイミングだから結構遡るな。

帰るべき場所。タイトルどおり、「居場所」をテーマとした短編となっています。
本筋は部活にOBが来て雰囲気がヤバいからなんとかしたいって柔道部の依頼を解決するお話。
しかしテーマ的に、奉仕部や八幡自身と重なる部分もあったりする。
やはりこういうのは悩める青年期につきまとう、ありふれた、ナイーブな話題なんだな。

いつか戻りたいと思えるような居場所。
それに思い馳せる八幡は印象的であり、そんなことをぼんやりと考えてしまう時点で、彼の中で見当は付いているんじゃないか、なんて勘ぐりたくなる。
ただ、このエピソード中では夏休み前。
7巻で彼がどんな行動を起こしたのか、どんな思いを抱いて葉山らに協力したのか。
未来と過去を照らし合わせると皮肉が効いている。
夏休み前の段階で、八幡は自分自身の未来に伏線を張ってしまっていたんだな。
聡い彼のことだから、ある種の予感と悲観を混ぜ込んだ言葉だったのだろうと思う。

「いつか戻りたいと思えるような居場所」というキーワードは、7巻が世に出た後のこのタイミングで現れた言葉としてあまりに重みが感じられる。
単なる番外編の短篇集として7.5巻を終わらせたくなかった、作者の想いがそこに込められているようだ。7巻の内容を思うと、一層見逃せない。
このシリーズに今後寄り添いつづける、繊細で触れ難い、大切な言葉になっていくのではないかな。

おだんごヘアのゆきのんが美味でもある。素直に百合として組み合わせいいよね、ガハマゆきのん…。
あ、あとあーしさんこと三浦の恋のライバルみたいな新キャラ(後輩)が登場。
このタイミングで名前アリで出てくるということは、本編にも関連したキャラクターになるかも。



そんな「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」7.5巻の感想でした。
とにかく平和です。
こういうひと時が後々、胸ふるわせる思い出になったりするんだろう。
ギャグが多くて読みやすいですね。この作品はいつも読みやすいですが。
パロディのネタが異様に新しいものもあったりして、さすが取り入れるのが早いなぁw もう艦これネタだよ!

次はいよいよ8巻。今年中に出るのか…!?
タイミング的に物語は冬に突入するわけで、12月発売とかかな…。
ラノベはアニメ化すると刊行ペースが鈍るケースが結構ありますねぇ。半年に一冊ペースでいいので、さくさく進んでいってくれれば言うことなし。半年に一冊ペースって業界全体から見れば贅沢なんですけどね…!
まぁ今はアニメのBD/DVDに付属する小説の方が本編同等の盛り上がりある内容で読み応えあるので、しばらくはそれを追う形で満足しよう。
まさかあんなしっかりした内容で責めてくるとは思わなかったですね。
ちょっとだけ、この7.5巻のようなのを付属小説に回した方がよかったのではとも思ったりする。

それにしてもオビにありましたが140万部ですか。アニメ化でずいぶんブーストかかったみたいで。嬉しいですね。ガガガ文庫にこんなヒット作が…っ。
わたりんも兼業じゃなく専業で…とは思うけど、わたりんはあれで仕事がめちゃくちゃ楽しそうに見えたりもするので、いいや。

とりとめない感想になりましたが、そんな感じ。
八幡の新作モノローグポエムが堪能できて嬉しかったです。

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漫画と邦ロックとゲーム。
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