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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[本]僕を護るのは、無表情で黒髪ロングな魔法使いでクラスメイト。 『ウィッチクラフトワークス』1巻

ウィッチクラフトワークス(1) (アフタヌーンKC)ウィッチクラフトワークス(1) (アフタヌーンKC)
(2010/11/05)
水薙 竜

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   多華宮君は私のお姫様だから

発売されたのは去年の11月なので結構前になってしまいますが
今日は水薙竜先生の作品「ウィッチクラフトワークス」1巻で更新。
アフタヌーンの増刊雑誌「good!アフタヌーン」で連載している作品で、単行本売上も人気の方も好調らしくvol.14では表紙を獲得しています。
学園ファンタジーというある意味王道なジャンルなのですが、その中で捻りの加えられた設定が面白い、遊び心がある作品に仕上がっているかなと。



ごく普通に学校生活を送っていた主人公・多華宮仄。平凡な一学生である彼ですが、学園のアイドル火々里綾火と縁があるようで、学校バスの便もクラスの席も彼女とはいつも近く。
そのせいで親衛隊の皆さまから目を付けられ、ときたま面倒事に巻き込まれてしまう・・・
できれば平穏に生きていくたい彼でしたが、ある日突然校舎が崩れ落ちてきました。そんな謎の緊急事態から仄を救ったのが、魔女の恰好をした火々里さん。
これまで一度も話したことのない学校のアイドルが、魔女の恰好して、空を箒で飛んで、自分を抱きかかえて助けてくれたのです。
襲いかかる謎の人形軍団を魔法で次々蹴散らす火々里さんに混乱を隠せない主人公。
一段落して彼女は仄に言うのでした。「私が多華宮君を護るから」

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「多華宮くんは私のお姫様だから」

そんなわけで「お姫様」として護られることになった男子高校・多華宮仄。しかも襲い来る塔の魔女たちは、彼の身体の中「白いアレ」を狙っているようで・・・?
不思議な争いにいきなり巻き込まれて始る、爆炎舞う学園ファンタジー。



いやぁいいですね!黒髪ロングな魔女っ娘ですよ!

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おっぱいが大きいのも良いですが、高身長というのも見逃せないポイント!
主人公と並んで歩くカットを見ると、頭一個分違うんですよね。かなりな身長差。
そして揺るがぬ無表情と、凛々しい釣り目。
目を細めて怒りを露わにすることはあっても笑顔を見せてくれることはありませんし、アクシデントがあっても慌てるそぶりを見せません。言葉数も少なく、かなり強い印象与えるツリ目のおかげでちょっと冷たい感じのする女の子ではあります。
けれどそんな女の子が主人公に対してだけはやさしいという、このギャップがですね!最高に良いんですよ!仄を護るためなら自己犠牲もいとわない強い意志を持っています。
敵に対してはかなり容赦無しで、ボウボウ魔法使って燃やしていく火々里さん。
某ペーパーで水薙先生も「ヒロインは無敵なので安心してごらんください」と書いてましたが、本当にその通り。ちょっと危ない感じになってもあっさり逆転。圧倒的。安心感ハンパないですw
しかしそんな完璧な彼女に対し、あっさり的の罠にはまってつかまる主人公のふがいないことと言ったら・・・!火々里さんがピンチ(?)になるのも、全部主人公のせいだったり。
けれどそんな手のかかる主人公に対し文句の一つも言わないのです。
怒りを押し殺しているそぶりもない。彼女にとっては主人公の無事が最優先なのですから。
本当に主人公を大切に想っているんだなぁと・・・。
それは任務であるからなのか、それとも・・・というところも気になるところですね。
結論。鬼強くてカッコよくて主人公第一な黒髪長身魔法使い火々里さんかわゆい!
願わくわ彼女の無表情が解かれ心乱されるような恥ずかしイベントをー!
・・・かなり難しいでしょうが。



自分が彼女にとってオンリーワンな存在であるという実感は、やっぱり嬉しいことのはず。
けれど主人公は「面倒なことになった」という態度!おいなんだよコイツ!
とすこーしイラッ☆(古い)としましたが、彼なりの考えはあるようで。
自分を守ってくれた代わりに髪を少々焦がした火々里さんに感謝の言葉を述べるかと思いきや、なぜか怒りだす仄!
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それは恋愛感情ではなく、単純で純粋な憧れ。
強くてカッコよくて魔法まで使える・何でもできる女の子。
それがありふれていて貧弱で何にもできない自分を、身を呈して護ってくれる。
そして、かすかであろうとも、自分のせいで傷を追ってしまう。彼女が穢れてしまう。
納得がいかない。そんなことをしてもらう筋合いも、してもらう資格も自分には無い。
上の叫びは自分自身の無力さを嘆いたものであり、八つ当たりなんですね。
熱いじゃないですか、男の子らしくて好きですよこういうの!
いや、彼が凄く黒髪ロングが好きなだけなのかもしれませんが!きっとそうですね。
男の子として女の子にもらってもらうという立場には若干のとまどいや不満、違和感は感じざるを得ない・・・しかしただの男子高校生が魔法使い同士の戦いに首を突っ込めるわけもなし。
けれどなんとかしなければならない。黙って彼女が傷つくのを見てるだけなんて嫌だ。
そこで彼はある提案をします。ここからがこの作品の本章かな。盛り上がりそうです!



ではまとめ。
なんと言ってもメインである2人の関係性が微笑ましく、そして面白い。
隔月雑誌での連載ということで描き込み量はなかなかなモノ。絵も丁寧ですし、バトルの迫力も十分。衣装や小道具までしっかりと描かれ、絵を見る楽しみもあります。
しかしまだ世界観の説明も十分でなく、若干の置いてけぼり感はありました。
2巻以降からは謎を明かされ、物語もより動いていくでしょう。続きが楽しみです。
敵キャラ「塔の魔女」たちは特徴ある外見で目を引きますが、本格的な活躍はまだしてないので今後に期待。長く物語が続いていろんなキャラをじっくり見たいですね。キャラは多数。
ド派手に戦っているのにどこかほのぼのした雰囲気もたのしいです。
2巻がでるのはもうちょっと先のことになりそうですが、期待して待ちたいところ。
火々里さんの笑顔が見たい!

『ウィッチクラフトワークス』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
魔法使いはクラスメイトでスタイルがよくて超カッコいい女の子。そんなお話。

[本]繋がり響き合う青春模様。 『FULLSWING』2巻

FULL SWING 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)FULL SWING 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
(2011/02/10)
武論尊、マツセダイチ 他

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   ナイスアシストだったぜ・・・!

ベテラン原作者武論尊先生×ゲッサンデビューの新鋭マツセダイチ先生が送る
一話完結オムニバス青春作品「FULLSWING」の2巻で今回は更新です。
1巻の頃から応援していますが、2巻も安定して良エピソードを届けてくれています。
毎話読み切り形式なのも読みやすくて好きだったり。
では今回も1話ごとの感想なんかを。せっかく作りになっている作品ですし!

5話 早川貴文

1巻収録の第4話の脇役が主人公へと昇格。これがこの作品の基本スタイルです。
自分の恋を押し殺して園田を改心させ、自ら失恋の道を選んだ切ないポッチャリ男、貴文。
そんな彼に突然春の予感!勤め先の介護センターで知り合ったおばあさんの孫である強面ヤンキー少女と、成り行きから友達づきあいが始まるのでした。
貴文は体系からして恋愛ベタキャラっぽさ全開なのですが
非常に気骨のある男性でもあり、曲がったことは許せない強い正義感の持ち主。
口は悪いわ金髪タバコだわなヒロインの杏子は、お金のために祐二に近づいてくる冒頭であまりいい気はしなかったもの、少女らしくかわいい夢を語ったり「女の子」と扱われることに動揺したり・・・と、なかなかな乙女っぷりでテンション上がってしまいました。
ストーリーも2人の新しい関係性を想像させる終わり方もベタですが
黒髪に戻してセーラー服を着た杏子が予想以上に可愛く、気持ちよく物語が締りました。

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普通な格好をするのがまだ恥ずかしいご様子!初々しいー!

6話 伊藤祐二

ある日帰宅すると、家の前にメイドが・・・。
それはアニメのキャラクターデザインを目指すため上京してきた、隣の部屋の柏木美香でした。この漫画でメイドが登場するのはなんだか意外な感じでしたね。
しかしやっぱりストーリー的には青春の苦味が一杯に感じられるちょっと泥臭い内容。むしろギャップでより際立っていたくらいでした。
人生には挫折も付き物。必死に編み出したものを会社に持ち込みに行ったものの「こんなもんかな」と笑われてしまった柏木。涙を流して夢を断とうとする彼女ですが、そこで祐二が放った言葉が熱いです。
誰だって最初は「こんなもん」なのです。そこで折れずに努力を続けられた人が成長できる。立ち止まっては思考しまた歩みを進める。その積み重ねが大切。
互いが互いに良い方向に影響し合っている関係も心温まりますね!

7話 柏木誠

個人的に2巻のMVPはこの作品かなと。
第6話に登場したメイドっ娘の兄が主人公に変わりまして、泣ける青春物語が展開。
突然誠の部屋を訪ねてきたのは、小学校時代の友達、野島明日美。
かつて仲良く日々を過ごした2人ですが、野島が転校しそれっきりになってしまいました。
この時の過去回想シーンがノスタルジック全開で想い高ぶらされますが
野島は元気そうに見える中に暗い影を抱えていて、それに堪え切れなくなっている。
誠の傍が自分の最後の居場所だと思ったのか、重い決意を胸に彼の元へ来たのです。
過去と現代を行き来しつつ確実に物語を盛り上げていき、そしてこの作品では初めての2Pまるまる使った見開きページのインパクト。ラストシーンもラブ的にニヤニヤできました・・・!
物語の展開もよかったのですが、構成が良かったですね。ページをめくる楽しさがありました。
全体通して青臭い「FULLSWING」ですが、その良さが存分に発揮された話でしたね。単純に小学生時代の明日美が非常にかわいかった!という理由もあるかも知れませんが!
シチュエーションも凄くクサい。だけどそれが良い。

8話 大西裕希

ここでちょっと切ないフルスイングが読める第8話へ。
自己中心的な恋愛をしてきた大西ですが、恋人から「他に好きな人が出来た」と言われ動揺。納得できずわめき、ヤケになってサッカーもラフプレー連発。最初の彼はただの子ども。
けれどそこから彼は変わっていくのです。自分がすべきこと、大切にすべきことを見つける。
ただの子供でしかなかった大西の成長は胸にグッと来ましたね。
終盤、恋人の千夏にキスを求められるも拒絶されますが、ここで踏ん切りがついたのでしょう。好きな人を幸せにしてあげたい。けれどそれは自分ではもう無理なのだ。遅かった。
そして彼は彼女の手を引いて走り出します。これが彼の「フルスイング」!

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たとえそれで自分が涙を流しても。
人は時に自ら悲しみに突き進む必要があるのかもしれません。彼にとっては今回がそれか。
けれど今回で彼は大きく成長できたはず。ちょっと寂しいですが、いいエピソードでした。

9話 松島奈緒

幼女回ですね。(違います
物語としては女優である主人公松島がバツイチのオッサンに恋をするもの。
しかしそのオッサンの子供であるに仁美ちゃんが可愛いよはぅん!
こういう無邪気さで話を和ませてくれるキャラがこれまであまりいなかったので
その分仁美ちゃんの存在感はなかなか大きいものになっていると感じます。

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ちょっとあざといお着替えシーンもあり、意外と頑張ってくれるじゃないですか「FULLSWING」!喜ぶ方向性が大分おかしい気がしますが!
さて普通に物語の話に戻りますと、今回の話は説得力があったなと思います。
松島がオッサンに惚れるのも、オッサンの深く静かなカッコよさがきちんと描かれていて無理がある感じになっていませんでしたしね。
松島が(女性ですが)男気を見せるラストでは、彼女はジャージ姿で登場。
松島が冒頭でお参りした神社は実は・・・と最後に明かされた真相にニヤリとしたり。
もうちょっとページ数があればよかったかなと思いましたが、上手いことまとめられていて読み心地も良好。家族もの漫画な側面もすこしあり、ちょっと新感覚。



ではまとめ。
1巻を楽しめた方なら安心して読める内容の一冊になっていたと思います。
読後感の良い(すこし例外もありますが、それも一興)エピソードが並んでいます。
しかしここまで全ての作品が恋愛がらみではあることにはちょっと不満も。友情モノなエピソードも読んでみたいなーなんて思ったりもします。このままでも十分面白いのですがw
この作品で連載デビューのマツセ先生はだんだんと慣れてきたのか、絵も洗練されてきているなと感じましたね。少しずつ絵が上手くなっていっています。成長が楽しみです。

登場人物たちが全力で何かに立ち向かっていく姿を描く「FULLSWING」。
そこには当然失敗も挫折もありますが、だからこそ人生は面白い。
3巻はどこへ繋がっていくのでしょうか・・・!

「FULLSWING」2巻 ・・・・・・・・・★★★★
良質な青春オムニバス漫画。長く続いて欲しいなと思います。

[本]嘘吐き少女の苦悩。揺らぐ三角関係は? 『屋上姫』1巻

屋上姫 ? (フレックスコミックス)屋上姫 ? (フレックスコミックス)
(2011/02/12)
TOBI

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   私は 嫌い

TOBI先生待望の新作は、再びフレコミに活躍の場を移してのの長期シリーズ!
というわけでそんな「屋上姫」1巻が発売されております。表紙良いですねー!
直球青春な赤面漫画をたくさん描いてきてくれたTOBさんだけに期待も高いですが、今回はこれまでとは若干毛色の違う変化球的作品でもありますね。それは「彼女は嘘をついている。」と大きく書かれて目を引くオビにも表れています。ではあらすじ。

主人公の黛陽平は小学校からの腐れ縁・信忠と結子らと同じ高校で入学式を迎えます。
高校でも何でもないような日々が続いていくのだと思う陽平でしたが・・・しかしその日、彼は運命的な出会いを果たすのでした。「屋上姫」と呼ばれる少女、霞上澄花と。
理事長の孫であり現生徒会長、容姿端麗・成績優秀。まさに雲の上の人。そんなどうやっても手が届きそうにない女の子に思わず目を奪われる陽平ですが、入学式が終わってから放課後にまさかの展開が待っていました。
屋上から降ってきたバラの花束。それを届けるために屋上に向かうと、そこには憧れの霞上の姿がありました。緊張しながらも朝方トラブルを解決してくれたことへのお礼を述べる陽平。しかしそんな中、霞上は突如ある提案をします。

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「私たち付き合ってみない?」

と、入学初日・初対面にも関わらず学校の有名人と付き合うことになった陽平。
けれどすぐに幸せ満開な恋人関係が始まるわけでもなく・・・。



あっさりと恋人同士になった陽平と霞上先輩。浮かれるばかりの陽平ですが、その翌日には彼もこの関係性に違和感を覚え始めます。幸せなはずなのに、どこか陰りを感じる。彼女の深い部分には自分は存在していないような感覚。
完璧な彼女が、なんでもない平民の自分と付き合ってくれているこの現実。
冷静になってみれば、明らかに釣り合いがとれていないことくらい分かるのです。
じわじわと心を蝕んでいく漠然とした不安は、じきに確信へと変わっていきます。
ドキドキしてるのは自分だけなんだ。空回りしてる恥ずかしさ。
けれどまだ彼女を、嘘なんてついているはずが無いと、信じていたい。
そのためには自分がもっと彼女に近づいていかなければならないと、決意を固めます。
もっと彼女のことを好きになるために。もっと彼女に好きになってもらうために。

・・・と、ラブコメと呼ぶのあまりふさわしくは無い展開です。
もちろんニヤニヤできるシーンもたくさんありますし、心安らぐ楽しいコメディも描かれているのですが、作品を支配している(タイトルも「屋上姫」ですしね)霞上先輩が抱える闇が、作品のトーンをかなり落としているように感じます。
見た目清々しい青空が広がっていますが、しかし霞上先輩の表情は硬い。1巻の内容はこの表紙に結構要約されているようにも思いました。まだ彼女は本当の笑顔を見せてはくれない。
恋人の前では緊張して普通に接することができない・・・という感じではない事は1話の時点で分かっていましたが、ではなぜ彼女はこんな不自然な付き合いを始めたのか?
その答えは単行本終盤で明かされますが・・・その内容も、なかなかに重い内容でしたね。
つまりは認められない想いを秘めておくための、あるいはなんとか打ち消すための隠れ蓑なのだ、今の関係は。でも「やっぱり」と変わらぬ想いに苦悩する姿も描かれており・・・。
何も知らないままある意味利用されてしまっている陽平を考えると、やはり胸が痛むと言うものです。頑張ってるのにさー・・・。本当に空回ってたよ・・・。
陽平とのデート中の赤面に心躍ったのは確かですが、あれは自分を見透かされた恥ずかしさというか、焦り過ぎたが故の失敗のためというか・・・違うんだよ!もっと心からその相手に恋した女の子の赤面がみたいんだよーうおーん!でもTOBIさんならやってくれる!TOBIさんなら今のこの息苦しさも全て前フリのはず!お願いします、姫の満面の笑みを!(只の願望

そんな上手くいかない2人にぐぬぬっておきながらも、結子ちゃんまじ可愛いよと!
陽平と小学校から友達である女の子であり、くりっと丸く大きな目とすぐに赤くなる顔、そして全体的に漂う「報われない娘オーラ」が可愛らしい、まさに地味子。

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おそらく長い間募らせているのであろう、陽平への淡い恋心。
そして霞上先輩への憧れもありますが、まさか陽平と彼女が付き合っているとも知らず。
この純粋な女の子が傷つかずにいられる未来はあるのでしょうか。ちょっと難しそうですね・・・。今後この娘にとって辛い展開が結構出てくるんじゃないかなぁと想像します。
陽平と霞上と結子でちょっと不格好ながら三角関係が出来上がっていますので、この3人がどうなっていくのかもこの作品の今後の見所でしょうね。
信忠もほんのり存在感を放っていますしね。気になるキャラです。結子をどう思ってるのか。



ではさくっとまとめ。
これまでのTOBI先生の作品を顧みても、本作は新しいタイプの物語。
同じく青春を描いてありながらもかなりシリアスな恋愛が主軸。
この1巻だけでは物語に爽快感があったとはちょっと思えませんが、素直に続きを見てみたくなるストーリーですし、十分期待が持てる内容でありました。
物語序盤は先輩への不信感でうまくハマりこめませんでいしたが、読み終えてからもう一度読み始めると、彼女の心理も少し読み取れて物語を2度楽しめそうな感じ。
2巻以降は上手い具合にキャラが走り出していくんじゃないかなーと期待です。
あと既にいろんなサイトさんでも触れられていますが、この作品でもうひとつ注目すべきなのが黒ストなのですよ!そのマニアックな描写っぷりには思わず息に飲みました。霞上先輩の最大の魅力はその美脚と黒ストにあるということは疑い様も無いこと(漣脳内調べ)。
いや、でもやっぱり先輩の心からの笑顔が、興奮が、赤面が見たい・・・!
苦しみの中にある屋上姫。これから姫さんの心境にどのような変化が訪れるのか。
気丈にふるまう陽平はどこまで頑張れるのか。彼女を変えられるのか。
そして結子はちゃんと幸せになってくれるのか・・・!
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切なさたっぷりな三角形。2巻がとても楽しみです。
ネット連載作品なのでHPを置いておきます→。第一話と最新話が読めます。

『屋上姫』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
TOBI先生の新作はちょっとシリアスな青春漫画。結子ちゃんを見守りたいです。

[本]緊張の王都籠城戦へ。国も人も揺れに揺れ… 『ブレイクブレイド』9巻

久しぶりに小説ブログの方、更新してます。話題の「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」。
ナイスコメディ。→http://shiori0515.blog57.fc2.com/blog-entry-52.html



ブレイク ブレイド ? 限定版 (Flex Comix)ブレイク ブレイド ? 限定版 (Flex Comix)
(2010/12/11)
吉永 裕ノ介

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   王都ビノンテンは2週間で陥落する

発売してから結構経ってしまいましたが、ブレイクブレイド最新9巻を。
自分は限定版を購入。描き下ろしイラストも含む卓上カレンダーが付いてきました。
全六章構成の劇場アニメもいよいよ3月末に最終章「慟哭ノ砦」が公開されるということで、それもとても楽しみです。がんばって5章まで映画館通ってますしね・・・。ジルグ・・・。
と、アニメの方も見逃せないのですが、原作も引き続き息もつかせぬ展開!感想へ。



前8巻でまさかまさかの展開を迎えたものの、二十日間の休戦協定を結んだクリシュナとアテネス。主人公ライガットも無事クリシュナへと帰国しますが・・・戦争で失ったものは、あまりにも多く、大きい。
9巻はそんな休戦期間中から始まり、ライガットは対戦中谷底へ落下したデルフィングの回収をするためスパイとしてアテネス領内へ潜入。これはライガット自ら志願したことです。
8巻ラストでは自分の無力さと罪悪感から「俺を罰しろ」と吠えた彼ですが、既にクリシュナは貴重なライガットを(デルフィングを操縦できる唯一のパイロットとして)手放すことはできない状況にあり・・・それは聞き遂げられないまま。
危険を伴う任務をわざわざ引き受けたのは、自分の無力感をなんとか払拭したかったのか。 ・・・いや、懺悔を込めてかな。自分への罰。喪失を背負って次の戦いを生き抜く儀式か。
そしてデルフィングを発見し、ライガットは一人、誓いを立てる。

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「―――俺は ボルキュスを殺したい」

明確な殺意を持って戦争を望むライガット。今までを考えると凄い変化。
運命に振り回され、なり行きと勢いで戦場を駆けてきたライガットですが
これまでの出来事で彼も変わらざるを得ない。背負ったもの、失ったものの重み、敵への憎しみで人の心はどんどん酷く麻痺していく。戦争としては正しいかも知れないが少し悲しくもあり。
何はともあれ、戦う決意を固めたライガット。一度は敗北したボルキュスに一矢報いることはできるのか。期待高まるリベンジマッチは近い・・・!



主人公の精神面の変化に盛り上がったところで、休戦機関終了。
首都ビノンテンへ侵攻するアテネス軍に対し、籠城戦に持ち込まれるクリシュナ軍。
一方オーランドの方でも怪しげな動きが。そして長引く西部国境戦線の決着は。
単純な王都籠城戦だけじゃなく、その周辺を巡る他の戦場の動きにも注目ですね。
特に物語の中でどんどんとその存在感を増していくオーランド国!
クルゾン大陸でアテネスに次ぐ領土面積を誇る大国。ですがその宗教色の強さから近年の武力の衰えに彼ら自身気付けていない、というか目を逸らしている節あり。けれど今回それを打破するための動きも生まれてきました。
細かな部分でストーリーに絡んでくるのを見るに、今後更に活躍の場は増えることが予想されます。面白いキャラクターも多く楽しみなのですが・・・、なにより心配なのはクリシュナ・・・。
オーランドはクリシュナの光となるのか。
ただでさえ防戦一方な籠城戦を強いられているというのに、兵力も所有ゴゥレム数も不利。
アテネス軍は時間をかけてじっくりと崩す作戦を取り、兵の士気も下がるばかり・・・。
加えてアテネス軍は休戦前から結構変化が見られて、絶望感もテンションもヤバい。

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敵将ボルキュス操るヒュケリオン。その手には新たに見慣れぬ大剣が!
これまでスコルピオンテールを主に使用してきたボルキュスですが、ここにきてこんなゴッツい得物担いでやってまいりましたよ。デルフィングとの戦いが楽しみ!
この戦いの終わりが近いことを感じ、「たまには部下の言うとおり動くのも、悪くない」なんて零すボルキュス。彼なりにこの戦いの中で感じるものはたくさんあったのでしょう。
クリシュナ側の貴族のクーデターで一気に首都潜入を果たすアテネス軍ですが・・・ボルキュスはここまでその姿を見せないデルフィングへの警戒は怠らない。デルはどこへ行ったのか。
そしていよいよ始まるであろう、クリシュナとアテネスの最後の戦い。
戦局は依然悪い、けれど不確定要素を数多く孕んでもいる。

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特に、再び戦場に戻ってきたゼス。
旧友4人をメインに添えたこの作品。4人がクリシュナに揃ったことで、何が起こるか。



そんな感じの第9巻。揺れ動く戦況にハラハラさせられっぱなしです。
様々な戦局で場面な動きが見受けられ、どう物語が動くのか予想が付きません。
精密に作り上げられた骨太な世界観も、物語が進むほどに魅力を増していっている気がします。馴染んできたのかな。絵も相変わらず丁寧で、重量感たっぷりなアクションがやはり素敵。
そしてこの作品の「死者の描き方」は物語として十分すぎるほどの重みを与えてくれていますね。ダンの時もそうでしたが、この作品は死者の存在感を非常に重視している。
ザラいた荒野の中、不思議と人間味を感じるのは、だからなのでしょうか。
9巻ではみんな8巻でのジルグの出来事を抱え切れず苦しんでおり、それを乗り越え、あるいは苦悩しながらも決意をする人間たち。ドラマティックに物語を引き立てていますねぇ。キャラが退場になったあとも、あるいはなったからこそ、よりその人物の良さが光る。
オーランドはどう動くのか。アテネスの進撃は、クリシュナな反撃は。ライガットは。
他にも細かく気になる点が多いですね。サガレス大佐の奇策にはニヤリとさせられましたし、レガッツはなんかボーイミーツガールなことやってます。あと何気に気になるのは9巻18P5コマ目。誰が看病されてる・・・?などなど、本当、先が気になる作品です。
さて、次はいよいよ10巻目ですか。内容も盛り上がっていること間違いなし。
原作もアニメも、ブレイクブレイドは熱いのですよ!

『ブレイクブレイド』9巻 ・・・・・・・・・★★★☆
クリシュナVSアテネス、正に佳境。目が離せない展開の連続です。

[本]秘められた永遠の始まりへ。 『朝霧の巫女』7巻

朝霧の巫女 7 (ヤングキングコミックス)朝霧の巫女 7 (ヤングキングコミックス)
(2011/01/31)
宇河 弘樹

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   何を苦しみ 恐れることがあるのでしょうか

6巻から1年と一か月ぶり、「朝霧の巫女」の7巻が発売されてます。
連載はとっくに終了してるのにいまだに単行本作業が終わっていない、ということで有名なこの作品。連載終了は2007年。全9巻構成で、やっと先日7巻が発売されたのです。
連載当時アワーズを読んでいなかった自分はこの単行本発売ペースにやきもきさせられっぱなし。一体いつ最終回を読めるのか!
なんで連載してないのに単行本一冊出すのに一年もかかるのか・・・なんて言いたくもなるものの、実際に作品を読んでみればその理由は即時理解。力の入れ込みようがハンパ無いのです。これぞ職人技。5巻発売前には既に出ていた1~4巻のリメイクも検討してましたし(結局流れましたが)、強いこだわりをもって本作の製作を続けている宇河弘樹先生。
そんなこんなで、今日はじっくりと作り込まれた朝霧の巫女7巻の感想です。



7巻は大24話「妹背の花」1~4からスタート。
とある目的のために同じ人として輪廻を生きている(呪いと蔑まれもする)乱裁と菊理。
ついに本格的に動き出し6巻にて柚子を手中に収めた彼ら。その永遠のような旅路の始まりとなったのは、650年以上前・南北朝時代でありました。
この「妹背の花」のお話は、全編普段とは絵のタッチが大きく異なっています。過去へ大きく遡る内容のため、時代を感じさせる演出なのでしょう。こういうところにも力が入ってますね。
内容も少々難解ですが、それだけ読み説く楽しみもあるというもの。wikiとか歴史系サイトを見ながらだとより楽しめるかもしれませんので、ちょっとリンクも張ってみたり。
主な登場人物は乱裁となる楠木正成と、その妹(作中では女性)楠木正季(菊理)、そして彼らの主君である後醍醐天皇です。
人が伸し支配する世を「虫がつくままの醜態」と一蹴し、今一度神が統べる日本国を取り戻そうとする天皇。六波羅探題、そして鎌倉幕府までを解体し新たな国づくりに着手せんとする中、鎌倉・足利氏が挙兵、対立。正成は足利氏へ和議を申し込むべきだと助言をしますが・・・。
そして史実に沿い、舞台は湊川の戦いへと移っていきます。

人間至上主義と神話至上主義の思想の対立。
結果的に足利氏に敗れる朝廷側ですが、彼らの悲願は現代にまで続いているのですね。
また、歴史上の出来事に色々とアレンジが加えられており、例えば後醍醐天皇は幼女です。

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生意気そうな元気のいい女の子。良いですね!
他にも気になる点は結構ありましたね。流石に見所の多い。
正成は戦場にて人並み外れた力を発揮しますが、78、79Pの見開きを見るにこの時点で幽世を手にしていているようで。決死の覚悟に宿ったものなのか、元来彼に宿っていたものなのか。「乱裁」を継ぐ前にこの力を得ていたということは、やはり素質があったのだなぁ。妹の菊理には神を降ろす巫女の素質の強い体質であるわけですし。
楠木正季が女性、しかも正成と兄妹でありながら恋心…と簡単に言ってしまえるのか分からない程、強い関係性と想いを抱いているのも面白い。
兄と妹であり、戦場では背中を預けられる相棒、そして並々ならぬ愛情で繋がる2人。
菊理である正季が残した言葉で「妹背の花」は幕を閉じるのですがそれが「菊理が恐いのはただひとつ この身が百度千度滅ぶうちに兄上への想いまでが消されはしまいか ただそれだけなのです。」というもの。
愛するものと共にゆけるなら、死すらも恐れようはずがない。本当に恐いのは、永遠に等しい時間の中で大切な想いまでもが掠れ薄れていくかも知れない、自らの弱さ
なんて純粋でひたむきな愛情でしょうか。彼らはそのまま六百年以上もこの世に在り続けているのです。互いの剣で身体を刺し合い果てる最期も壮絶…!
これまでミステリアスなままだった乱裁と菊理の関係性とその目的がはっきりと分かったことで、彼らへの愛着も増してきました。彼らは幸せに終わることができるのか……。



単行本中盤からは現代に舞台を戻し、柚子のいなくなった空虚な日々が描かれます。
事態の深刻さを飲みこみ切れていなかった自分にイラ立つ主人公・忠尋。
罰を欲してこまさんから貰ったタバコを吸ってみたり、不登校してみたり、外見落ちついている彼ですが、相当な後悔に悩まされている様子。静かに闘志を燃やし、柚子奪還を誓います。
柚子と過ごした幼少時代の過去回想シーンも入るのですが、そこでのやりとりも印象的。
自分が他の子とは違うことが分かっていた幼い忠尋。幽世の存在を見つめ、あえて孤立しようとする彼の手を柚子は引いてあげます。

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異質だとしても、自分とは違っても、逃げたりしない。
理解のためにもっと近づく。その手を握る。それができるのが柚子という女の子。
それは彼女の姉である倉子でも同じなようです。倉子さんの回想シーンも重要。
彼女は幼いころ、妖であり友でもあった花於に酷い裏切りをしてしまったことをトラウマに持ち、それに悩まされていました。
そしてある日流し雛の行事の最中、彼女に大きな変化が。

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雛人形に人間の悪い病気や不幸を全て託して川に流し、健康を祈るというこの行事。
悪いもの全てを人形に肩代わりさせて、自分と無関係なものにしてしまう。
異質なものに対して無視を決め込む、人間の身勝手さが倉子には見えた。
上の画像の2コマ目、人形たちを見送る3人の後ろには大勢の人影が見えますが、これはつまり人間界ということでしょうか。対して穢れを背負い流されていく人形たちが向かうは幽世か。
それはかつて自分が花於にしたことを、本質は同じ。
今度こそ見ないふりも知らんぷりもしない。
その風景を見つめていた倉子は海に入り、波をかきわけ人形たちの元へ歩み寄る。
この時に彼女はトラウマを乗り越える事が出来ましたし、この時の考えが忠尋を家族として家に招き入れたことにも繋がるのですね。あの家の方針は、この時出来上がったと。
「寄る辺」でなければならなかったのだ、自分は、あの家は。
非常に印象に残るシーンでしたが、この後心苦しい帝の決定が知らされ、読んでる方としてはかなりキツい引きで7巻は終了。ラストのこまさんにはテンション上がりましたが…確実に悪い方向に話が進んでおり、いよいよ終盤と呼べる個所に入ってきたのかなと。



ちょっと長くなりましたがまとめ。
神、人、森、妖。純和風な作風が魅力的な「朝霧の巫女」ですが、7巻も心地いい雰囲気で読ませてくれました。この作品の背景描写がなにげに凄く好きなのです。靄のかかった空気感。
そして何と言ってもこの作品の演出技法は凄い!演出の上手い下手は勉強不足な自分には分からないのですが、物語を追う楽しみに付随して、読み返すことで見えてくる新たな作品のメッセージやキャラクターの心理に何度も震えました。本当に奥深い作品です。
単純な物語の面白さ・重厚さもたまりません!引き込まれる、読ませられるなんて言い方はまだ甘いか。引き摺りこまれる、取り込まれる。そんな感覚。
胸倉掴まれて直接物語の空気に酔わされるような、そんな迫力があります。
ガンコな職人のように製作を続ける宇河弘樹先生。朝霧の巫女は全9巻になるということで完結まであと2冊。いつ完結するのか見えないのが辛いところですが、いくらでも待ちます。本気で。

カバー裏ではお約束の御遊びモード全開。相変わらずひどいノリの任侠4コマも楽しめますが、それよりも背表紙が…。「終わコンの巫女」なんて言わないで下さいよw 巫女さんはまだまだ現役です!人間と神話が紡ぐ純和風物語「朝霧の巫女」、8巻にも期待大!

『朝霧の巫女』7巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
待つだけの価値は十分な朝霧の巫女最新7巻。あーやっぱり面白いー。
・・・・・・ネタバレは勘弁してくださいと切実に。なんで雑誌で読んでなかったんだ自分は・・・!

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