[本]緊張の王都籠城戦へ。国も人も揺れに揺れ… 『ブレイクブレイド』9巻
久しぶりに小説ブログの方、更新してます。話題の「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」。
ナイスコメディ。→http://shiori0515.blog57.fc2.com/blog-entry-52.html
王都ビノンテンは2週間で陥落する
発売してから結構経ってしまいましたが、ブレイクブレイド最新9巻を。
自分は限定版を購入。描き下ろしイラストも含む卓上カレンダーが付いてきました。
全六章構成の劇場アニメもいよいよ3月末に最終章「慟哭ノ砦」が公開されるということで、それもとても楽しみです。がんばって5章まで映画館通ってますしね・・・。ジルグ・・・。
と、アニメの方も見逃せないのですが、原作も引き続き息もつかせぬ展開!感想へ。
前8巻でまさかまさかの展開を迎えたものの、二十日間の休戦協定を結んだクリシュナとアテネス。主人公ライガットも無事クリシュナへと帰国しますが・・・戦争で失ったものは、あまりにも多く、大きい。
9巻はそんな休戦期間中から始まり、ライガットは対戦中谷底へ落下したデルフィングの回収をするためスパイとしてアテネス領内へ潜入。これはライガット自ら志願したことです。
8巻ラストでは自分の無力さと罪悪感から「俺を罰しろ」と吠えた彼ですが、既にクリシュナは貴重なライガットを(デルフィングを操縦できる唯一のパイロットとして)手放すことはできない状況にあり・・・それは聞き遂げられないまま。
危険を伴う任務をわざわざ引き受けたのは、自分の無力感をなんとか払拭したかったのか。 ・・・いや、懺悔を込めてかな。自分への罰。喪失を背負って次の戦いを生き抜く儀式か。
そしてデルフィングを発見し、ライガットは一人、誓いを立てる。
(クリック拡大)
「―――俺は ボルキュスを殺したい」
明確な殺意を持って戦争を望むライガット。今までを考えると凄い変化。
運命に振り回され、なり行きと勢いで戦場を駆けてきたライガットですが
これまでの出来事で彼も変わらざるを得ない。背負ったもの、失ったものの重み、敵への憎しみで人の心はどんどん酷く麻痺していく。戦争としては正しいかも知れないが少し悲しくもあり。
何はともあれ、戦う決意を固めたライガット。一度は敗北したボルキュスに一矢報いることはできるのか。期待高まるリベンジマッチは近い・・・!
主人公の精神面の変化に盛り上がったところで、休戦機関終了。
首都ビノンテンへ侵攻するアテネス軍に対し、籠城戦に持ち込まれるクリシュナ軍。
一方オーランドの方でも怪しげな動きが。そして長引く西部国境戦線の決着は。
単純な王都籠城戦だけじゃなく、その周辺を巡る他の戦場の動きにも注目ですね。
特に物語の中でどんどんとその存在感を増していくオーランド国!
クルゾン大陸でアテネスに次ぐ領土面積を誇る大国。ですがその宗教色の強さから近年の武力の衰えに彼ら自身気付けていない、というか目を逸らしている節あり。けれど今回それを打破するための動きも生まれてきました。
細かな部分でストーリーに絡んでくるのを見るに、今後更に活躍の場は増えることが予想されます。面白いキャラクターも多く楽しみなのですが・・・、なにより心配なのはクリシュナ・・・。
オーランドはクリシュナの光となるのか。
ただでさえ防戦一方な籠城戦を強いられているというのに、兵力も所有ゴゥレム数も不利。
アテネス軍は時間をかけてじっくりと崩す作戦を取り、兵の士気も下がるばかり・・・。
加えてアテネス軍は休戦前から結構変化が見られて、絶望感もテンションもヤバい。
敵将ボルキュス操るヒュケリオン。その手には新たに見慣れぬ大剣が!
これまでスコルピオンテールを主に使用してきたボルキュスですが、ここにきてこんなゴッツい得物担いでやってまいりましたよ。デルフィングとの戦いが楽しみ!
この戦いの終わりが近いことを感じ、「たまには部下の言うとおり動くのも、悪くない」なんて零すボルキュス。彼なりにこの戦いの中で感じるものはたくさんあったのでしょう。
クリシュナ側の貴族のクーデターで一気に首都潜入を果たすアテネス軍ですが・・・ボルキュスはここまでその姿を見せないデルフィングへの警戒は怠らない。デルはどこへ行ったのか。
そしていよいよ始まるであろう、クリシュナとアテネスの最後の戦い。
戦局は依然悪い、けれど不確定要素を数多く孕んでもいる。
特に、再び戦場に戻ってきたゼス。
旧友4人をメインに添えたこの作品。4人がクリシュナに揃ったことで、何が起こるか。
そんな感じの第9巻。揺れ動く戦況にハラハラさせられっぱなしです。
様々な戦局で場面な動きが見受けられ、どう物語が動くのか予想が付きません。
精密に作り上げられた骨太な世界観も、物語が進むほどに魅力を増していっている気がします。馴染んできたのかな。絵も相変わらず丁寧で、重量感たっぷりなアクションがやはり素敵。
そしてこの作品の「死者の描き方」は物語として十分すぎるほどの重みを与えてくれていますね。ダンの時もそうでしたが、この作品は死者の存在感を非常に重視している。
ザラいた荒野の中、不思議と人間味を感じるのは、だからなのでしょうか。
9巻ではみんな8巻でのジルグの出来事を抱え切れず苦しんでおり、それを乗り越え、あるいは苦悩しながらも決意をする人間たち。ドラマティックに物語を引き立てていますねぇ。キャラが退場になったあとも、あるいはなったからこそ、よりその人物の良さが光る。
オーランドはどう動くのか。アテネスの進撃は、クリシュナな反撃は。ライガットは。
他にも細かく気になる点が多いですね。サガレス大佐の奇策にはニヤリとさせられましたし、レガッツはなんかボーイミーツガールなことやってます。あと何気に気になるのは9巻18P5コマ目。誰が看病されてる・・・?などなど、本当、先が気になる作品です。
さて、次はいよいよ10巻目ですか。内容も盛り上がっていること間違いなし。
原作もアニメも、ブレイクブレイドは熱いのですよ!
『ブレイクブレイド』9巻 ・・・・・・・・・★★★☆
クリシュナVSアテネス、正に佳境。目が離せない展開の連続です。
ナイスコメディ。→http://shiori0515.blog57.fc2.com/blog-entry-52.html
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発売してから結構経ってしまいましたが、ブレイクブレイド最新9巻を。
自分は限定版を購入。描き下ろしイラストも含む卓上カレンダーが付いてきました。
全六章構成の劇場アニメもいよいよ3月末に最終章「慟哭ノ砦」が公開されるということで、それもとても楽しみです。がんばって5章まで映画館通ってますしね・・・。ジルグ・・・。
と、アニメの方も見逃せないのですが、原作も引き続き息もつかせぬ展開!感想へ。
前8巻でまさかまさかの展開を迎えたものの、二十日間の休戦協定を結んだクリシュナとアテネス。主人公ライガットも無事クリシュナへと帰国しますが・・・戦争で失ったものは、あまりにも多く、大きい。
9巻はそんな休戦期間中から始まり、ライガットは対戦中谷底へ落下したデルフィングの回収をするためスパイとしてアテネス領内へ潜入。これはライガット自ら志願したことです。
8巻ラストでは自分の無力さと罪悪感から「俺を罰しろ」と吠えた彼ですが、既にクリシュナは貴重なライガットを(デルフィングを操縦できる唯一のパイロットとして)手放すことはできない状況にあり・・・それは聞き遂げられないまま。
危険を伴う任務をわざわざ引き受けたのは、自分の無力感をなんとか払拭したかったのか。 ・・・いや、懺悔を込めてかな。自分への罰。喪失を背負って次の戦いを生き抜く儀式か。
そしてデルフィングを発見し、ライガットは一人、誓いを立てる。
(クリック拡大)
「―――俺は ボルキュスを殺したい」
明確な殺意を持って戦争を望むライガット。今までを考えると凄い変化。
運命に振り回され、なり行きと勢いで戦場を駆けてきたライガットですが
これまでの出来事で彼も変わらざるを得ない。背負ったもの、失ったものの重み、敵への憎しみで人の心はどんどん酷く麻痺していく。戦争としては正しいかも知れないが少し悲しくもあり。
何はともあれ、戦う決意を固めたライガット。一度は敗北したボルキュスに一矢報いることはできるのか。期待高まるリベンジマッチは近い・・・!
主人公の精神面の変化に盛り上がったところで、休戦機関終了。
首都ビノンテンへ侵攻するアテネス軍に対し、籠城戦に持ち込まれるクリシュナ軍。
一方オーランドの方でも怪しげな動きが。そして長引く西部国境戦線の決着は。
単純な王都籠城戦だけじゃなく、その周辺を巡る他の戦場の動きにも注目ですね。
特に物語の中でどんどんとその存在感を増していくオーランド国!
クルゾン大陸でアテネスに次ぐ領土面積を誇る大国。ですがその宗教色の強さから近年の武力の衰えに彼ら自身気付けていない、というか目を逸らしている節あり。けれど今回それを打破するための動きも生まれてきました。
細かな部分でストーリーに絡んでくるのを見るに、今後更に活躍の場は増えることが予想されます。面白いキャラクターも多く楽しみなのですが・・・、なにより心配なのはクリシュナ・・・。
オーランドはクリシュナの光となるのか。
ただでさえ防戦一方な籠城戦を強いられているというのに、兵力も所有ゴゥレム数も不利。
アテネス軍は時間をかけてじっくりと崩す作戦を取り、兵の士気も下がるばかり・・・。
加えてアテネス軍は休戦前から結構変化が見られて、絶望感もテンションもヤバい。
敵将ボルキュス操るヒュケリオン。その手には新たに見慣れぬ大剣が!
これまでスコルピオンテールを主に使用してきたボルキュスですが、ここにきてこんなゴッツい得物担いでやってまいりましたよ。デルフィングとの戦いが楽しみ!
この戦いの終わりが近いことを感じ、「たまには部下の言うとおり動くのも、悪くない」なんて零すボルキュス。彼なりにこの戦いの中で感じるものはたくさんあったのでしょう。
クリシュナ側の貴族のクーデターで一気に首都潜入を果たすアテネス軍ですが・・・ボルキュスはここまでその姿を見せないデルフィングへの警戒は怠らない。デルはどこへ行ったのか。
そしていよいよ始まるであろう、クリシュナとアテネスの最後の戦い。
戦局は依然悪い、けれど不確定要素を数多く孕んでもいる。
特に、再び戦場に戻ってきたゼス。
旧友4人をメインに添えたこの作品。4人がクリシュナに揃ったことで、何が起こるか。
そんな感じの第9巻。揺れ動く戦況にハラハラさせられっぱなしです。
様々な戦局で場面な動きが見受けられ、どう物語が動くのか予想が付きません。
精密に作り上げられた骨太な世界観も、物語が進むほどに魅力を増していっている気がします。馴染んできたのかな。絵も相変わらず丁寧で、重量感たっぷりなアクションがやはり素敵。
そしてこの作品の「死者の描き方」は物語として十分すぎるほどの重みを与えてくれていますね。ダンの時もそうでしたが、この作品は死者の存在感を非常に重視している。
ザラいた荒野の中、不思議と人間味を感じるのは、だからなのでしょうか。
9巻ではみんな8巻でのジルグの出来事を抱え切れず苦しんでおり、それを乗り越え、あるいは苦悩しながらも決意をする人間たち。ドラマティックに物語を引き立てていますねぇ。キャラが退場になったあとも、あるいはなったからこそ、よりその人物の良さが光る。
オーランドはどう動くのか。アテネスの進撃は、クリシュナな反撃は。ライガットは。
他にも細かく気になる点が多いですね。サガレス大佐の奇策にはニヤリとさせられましたし、レガッツはなんかボーイミーツガールなことやってます。あと何気に気になるのは9巻18P5コマ目。誰が看病されてる・・・?などなど、本当、先が気になる作品です。
さて、次はいよいよ10巻目ですか。内容も盛り上がっていること間違いなし。
原作もアニメも、ブレイクブレイドは熱いのですよ!
『ブレイクブレイド』9巻 ・・・・・・・・・★★★☆
クリシュナVSアテネス、正に佳境。目が離せない展開の連続です。
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