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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[漫画]2012年6月単行本の購入予定とか気になる本とか

ほかのサイトさんで月のはじめに購入予定の単行本をリスト化したりするのを見かけます。
自分はそういうを見ながら「ほほうほほう」と楽しんでたりしてたりしますが、唐突に自分もやってみるかという気に。
まぁ最近新刊の発売日の管理ができてなくて、「あ、あれ出てたんだ・・・」と後になって気づくパターンが増えてきて困ってるので、この更新完全に自分のタメだ。だって本屋に行ってからナタリーの当日発売単行本リストを見て本探すという体たらくですし・・・。
見逃しもあるかも知れないですが、とりあえずリスト化。これを頼りに6月を生きる。
そうか・・・もう5月も終わったんだ・・・はやい・・・。


06/04  角川書店  O/A 6巻
06/04  集英社  バクマン。19巻
06/04  集英社  血界戦線 5巻   
06/04  集英社  パジャマな彼女。1巻 
06/06  講談社  こみっく☆すたじお 4巻
06/06  講談社  戦闘破壊学園ダンゲロス 1巻
06/07  講談社  夏の前日 3巻
06/07  芳文社  この果実は誰のもの
06/08  秋田書店  りびんぐでっど! 3巻
06/08  秋田書店  ハンザスカイ 12巻
06/08  講談社  AKB0048 宇宙で一番ガチなヤツ! 1巻
06/08  講談社  惡の華 6巻
06/12  双葉社  つぐもも 8巻
06/12  芳文社  つぼみ Vol.18
06/12  芳文社  7時間目の音符 2巻
06/12  芳文社  未完の恋
06/12  アース・スター エンターテイメント pupa 2巻
06/13  講談社  ちはやふる 17巻
06/13  講談社  たいようのいえ 6巻
06/13  講談社  放課後カルテ 2巻
06/15  エンターブレイン  乱と灰色の世界 4巻
06/15  エンターブレイン  ジゼル・アラン 3巻
06/16  芳文社  ダブルマリッジ
06/18  一迅社  百合男子 2巻
06/19  集英社  ぎんぎつね 7巻
06/19  集英社  ねじまきカギュー 5巻
06/22  講談社  げんしけん 二代目の参 12巻
06/22  講談社  BLOOD ALONE 8巻
06/22  スクウェア・エニックス  妖狐×僕SS 7巻
06/25  少年画報社  桃色メロイック 1巻
06/25  スクウェア・エニックス  ハイスコアガール 2巻
06/25  富士美出版   モザイク×三姉妹
06/25  ワニブックス  こえでおしごと! 8巻
06/28  茜新社  ガーデン(仮) 
06/29  小学館  ミル 4巻
06/29  白泉社  アマガミ Precious diary 5巻
06/30  白泉社  楽園 Le Paradis Vol.9   
06/30  白泉社  14歳の恋 2巻 

[漫画]紡がれる人と戦艦の新たな絆。『蒼き鋼のアルペジオ』5巻

サカナクション新曲「僕と花」、CW曲の「ネプトゥーヌス」共に素晴らしい!
蒼き鋼のアルペジオ 5巻 (ヤングキングコミックス)蒼き鋼のアルペジオ 5巻 (ヤングキングコミックス)
(2012/04/28)
Ark Performance

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   我々人類は・・・17年ぶりに海を渡ります

「蒼き鋼のアルペジオ」5巻が・・・一ヶ月前に出てます。もっと早く書きたい。
今回の表紙は蒔絵ちゃんです。人間が表紙になるのは初めてかー。あと右から伸びているのは・・・なんだろう、侵蝕魚雷かな。戦艦じゃないですし、今回の表紙はこれまでの流れからみても新鮮な仕上がりですね。
掲載誌アワーズでも結構表紙になってますし、ドラマCD化したり、勢いあるみたいです。
個人的に4巻くらいからメンタルモデルの人間臭さがフィーチャーされてきたあたりから、一気に面白くなってきたように思っています。そしてこの5巻も、メンタルモデルに注目したい内容。

かわりゆくメンタルモデルの少女たち 『蒼き鋼のアルペジオ』4巻



401クルーの出番がぜんっぜんない第5巻!
彼らが出港準備をやってる間に、陸で大事件が起きていたっていう話なのです。潜水艦とかが出てくる場合じゃない。4巻ラストから引き続き、デザインチャイルド編でまるっと1冊!
蒔絵・ハルナ・キリシマという人間と戦艦メンタルモデルの3人組で危機から逃れようという展開で、これまでの「蒼き鋼のアルペジオ」にはなかった、新鮮な陸上戦がたっぷりと。
もちろん海での繊細かつ大胆で迫力満点な戦艦バトルも面白い本作ですが
メンタルモデル・ハルナの変化と合わせての陸上戦がとてもおもしろい!

●大迫力の陸上戦!

アルペジオ

問答無用にカッコいい!
作画のレベルはもともと高いのですが、この陸上戦はスケール感がこれまでと違う。
見た目としては「人間VS人間」という構図になるぶん、メンタルモデルがいかに強大な力を持っているのかが今回アピールされます。
まぁ海って周りに何もないんで、どれほど大きな衝撃か等がパッと把握できないなぁってのを、この作品を読みながら自分は思っていました。しかし今回は陸上戦。自分にとって身近な世界観になったことで、一気にメンタルモデルの凄さを理解することができました。こりゃ人間敵わねえわ。
それは戦艦VS戦艦がメインだったこれまでではありえなかった状況であり、本作の新しい魅力を発見することにつながったなと。
幼い少女のような外見のメンタルモデルたち。しかし、鍛えあげられた兵隊も最新鋭の兵器も物ともせず無双状態!単純にバトルの爽快感といった意味でも十分に魅力的なのです。
一方で、「なぜハルナたちはここまで身体を張って蒔絵を守るのか。」その問いかけは読者も、そしてハルナ自身も自問自答する。
これまで敵として描かれてきた彼らが、人間の女の子をまもるヒーローになる。
メンタルモデルの葛藤を強く描き出される内容。だからこそ、この5巻は熱いのですよ!
この陸上戦でこの作品一気に好きになったもんな!

アruペジオ2

クマのぬいぐるみに憑依してしまったキリシマの大活躍がかなりシュールなのも見所かw

メンタルモデルらの葛藤、という複雑な面を描かれますが、一方でバトルはシンプル化。
これまでの海上戦は確かにちょっと複雑でもあって・・・専門用語がたくさん並んだり、緻密な計算とギャンブルの末の勝利というイメージが強かった。しかしこれまでとは違い、陸上戦はそれ自体実にシンプルになっている。人間が凄まじい戦力を小さな身体に宿した少女に翻弄される。
潜水艦漫画としてはイレギュラーなはずですが、これはこれですごく魅力的でした。



●人間と戦艦との友情
今回とあるキャラクターが死亡します。それが引き金となり、ハルナは暴走を起こす。
誰かの死を悲しむという、至極感情的・人間的な理由で我を失うのです。
メンタルモデルは人間ではなく、おそらくは何ものかにプログラムされて生み出された存在のはず。しかし今回のハルナにかぎらず、これまで登場したメンタルモデルの少女たちも、何者かに操作されているという感じは一切ありませんでした。完全自立型。けれど時折自我に関係なく作動するシーンもあったりで、「コード」と呼ばれる命令を受け取るとそれに従わざるをえないことがあるようです。

アルペジオ3

ハルナ暴走シーン。人間との関係にここまで思い悩んだ戦艦は過去いるだろうか。
こういう場面をみるとますます思いますねえ。こいつら本当に人間みたいだ。
彼女らもそういう感情に戸惑っているようですが、しかし最終的にこの5巻で交わされた「約束」は、メンタルモデルと人間の間に交わされた友情を確信させるものでした。
自体が一段落してみれば、今回はメンタルモデルらの秘密に迫る意味合いもあった章だったようにも感じます。けれど考察ぬきにしても、この5巻はアツい。人と戦艦の新たな絆ですよ!

そして気になるのが『アドミラリティ・コード』。
すべてのメンタルモデルに送られた強力な上位命令コード、とでもいうべきもの。
ADMIRALITYの意味は、海上における権力や支配権とかそういうことっぽい・・・?
5巻で初登場したキーワード、だと思います。どの上位戦艦も反応をしめしたあたり、今後のカギを握るものなのは間違いないなさそう。でもこれ、誰が発信したんだろう?あの女は何者?
と考えてみればクエスチョンは小難しいことばかりでなく、「メンタルモデルってどこから来たんだ?どうやって出来た?」という根本的な疑問もぽんぽんでてくる。
メンタルモデルはこの作品を彩る重要キャラですが、どんな秘密があるんでしょうね。



というわけでさらーっと書いてきましたが、他におっと思ったポイントなんぞ。
今回でさらに、丁寧な作品だなぁという印象を強めたということがまず1つ。
陸軍と海軍の関係とかもきちんと説明がされる。物語の細かな背景に加え、「なぜこんなアクションが起こるのか?」ということをちゃんと論理的に、そしてこの作品らしく政治的な理由付けが行わている。
ガシッと安定感を出しつつも、躍動感ある展開は素晴らしいですね!
ドハデなバトル、華のあるメンタルモデルの少女たち・・・とキャッチーな要素の裏で、綿密に構築された世界観もステキだと思います。

そして30話でのタカオとイオナのやりとりも面白いですねえ。
イオナが実はメンタルモデルの中でも最初期に誕生していたり、それを伏線のように仕掛けてくる何気に重要なエピソードですが、イオナのイタズラっぽい笑みがとても印象的。
そうかーイオナってこんな表情豊かだったんだな。メンタルモデル同士だからか?それとも変化する決定的な理由がこれまでにあったのか?・・・なんにせよ、さらっとこういう描写を仕込んでくるあたりも、侮れない作品だなぁと思うのです。
あと、メンタルモデルたちもだいぶ増えてきましたねえ。新キャラもいますし、これからも増えていきそう。しかしまだがっつりと語られていない娘たちも多くいます。気になる。

これからどんな展開が待っているのか。『蒼き鋼のアルペジオ』5巻は、様々な面で今後の展開におおきく期待させられる内容だったと思います。
単純に「人間が味方、霧は敵」と割り切れなくなったことで、状況は複雑になりましたが漫画の面白みはグンとアップしたかと。誰が味方で誰が敵なのか。
個性豊かなメンタルモデルの少女たちに注目しつつ、戦艦タカオの恋ははたして実るのかを見守りつつ、この力強い物語を楽しんでいきたいですね。
5巻まできて、多彩な魅力を放つ作品に成長しているこちは間違い無い。

『蒼き鋼のアルペジオ』5巻 ・・・・・・・・・★★★★
人とメンタルモデルの絆を描いた、世界を変えるための一歩を踏みしめた一冊。
「潜水艦マンガ?なんか小難しそうだなぁ」という人も、ぜひ読んでほしいシリーズ!

[漫画]誰か声かけて・・・誰か好きになって・・・『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』2巻

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(2) (ガンガンコミックスONLINE)私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(2) (ガンガンコミックスONLINE)
(2012/05/22)
谷川 ニコ

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   大丈夫 気にすんなって よくあることだって 元気だせよ

どうしたのもこっち・・・ポーズもなんかかわいい表紙!でも目が死んでる・・・。
直視することができない青春を謳歌する『もこっち』こと、黒木智子を観察するシリーズ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」第2巻が出てます。
今回も、直視できない・・・。しかもなんてこった、物語は夏休みに突入です。
身悶えするほど痛々しいシリーズですが、今回はリア充が浮かれきる夏休み中の彼女の生態(?)が詳細に描かれることとなり、鬱屈しまくりのオタク喪女ライフが展開。
破壊力の高いエピソードもかなり収録されており、勢いにのる一冊でしょう。
もこっちの孤独ぶりも勢いにのる・・・。じゃあ感想を。

新たなダメ少女、登場。『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』1巻



2巻もイタいエピソードがぎっしり。
さっきも書きましたが2巻は1冊まるっと、夏休みの間を描いた内容となっています。
「夏はみんな楽しく遊んでるんだろ?」「私もなんとか夏を漫喫してやる!」とヤル気をだすもこっちですけども・・・まぁ・・・うまくいかないよね、もこっちだもの・・・(ヒドイ)

モテない

わざとらしい!なんてわざとらしい「私誘われるの待ってます」アピール!
もこっち、行動力はあるんですよ。でもどうにも世界が彼女に優しくしてくれない。
もっとも、彼女の性格とか言動の極端さとか、理由は探せばいくらでもありそうなのが辛い所。
というか「漫画ならもしかしたら・・・」なんて期待を寄せてしまう部分を「まぁ現実なんてそんなもんですよ」と切り捨てるかのような感触すらあるんだよなぁ、この漫画。

モテない女の子をギャグにしているわけで、実はどういうふうに楽しめばいいのか戸惑うこともあったりしますよ、この作品は。
ギャグもなかなかレベル高いとおもいますが、しかしギャグの質的に、おもいっきり笑い飛ばすことが辛い。それはもこっちが一応女の子だからって遠慮してるわけでもなく、自分とのシンクロ部分があるからですよ。
楽しみながら、あれ、なんか胸がいたい!なんて瞬間が、この作品にはちらほら。
「うわーもこっちイタいなぁー!!・・・あれ、この娘の思考、俺と同じだ・・・」とハッとした時には俺の心がグサリ。思考回路が微妙に似てて辛い・・・。
もこっちの性格の悪さは作品全体で示されてて、タイトルからして多数の第三者「お前ら」に責任放り投げてますけども、やっぱり自分と似てる部分があって。
ちょっと優しくされたら「もしかしてコイツ私のこと好きなんじゃ・・・?」とか都合のいい事考えたり、部屋こもって恋愛ゲームやって悶々しながら奇行に走ったり、ダメ人間のくせに見栄っ張りで・・・・・・うわーなんか他人ごとじゃない。
でもついつい目を離せなくなる作品であり、もこっのは強烈なキャラには惹かれる!

そんなもこっちの残念っぷりは全力で発揮されていたと思うのは・・・考えてみればいつも全力で残念だったけども・・・個人的に印象に強く残ったのはいとこのきーちゃん関連の話。
毎年夏休みに遊びにくるいとこの女の子、きーちゃん。もこっちは彼女に「親戚のオトナなおねーさん」として、なんとなくそれっぽいことを言って優越感に浸っていました。
しかしいよいよ今年、化けの皮が剥がれてしまう・・・。
もこっちに失望の視線を向けるきーちゃんの冷たい無表情が、刺さるッ・・・!
でもあんまり可哀想すぐて、失望とも違う気持ちがきーちゃんの胸に生まれる。

モテない2

大人げない・・・大人げなさすぎる・・・!
自慢するためにズルをしてまで勝利する。しかも相手は小学生。場所は年下しかいないカードゲーム大会。ズルして得たポジションで「クイーン」と呼ばれご満悦。もう・・・やめて・・・っ
もこっちを理解したきーちゃんは、今後はやさしくしてあげなければと決意。
失望されるのもキツいけど、これはこれで絶対キツいだろう・・・。

そしていたたまれなさ過去トップクラスの第17話「モテないし握手会に行く」もたまらない。
もこっちのオタ趣味を前面に押し出したネタ。そしてもこっちの業の深さが2度3度と事件を起こす、非常に濃いエピードでしたよ。
そしてオチが強烈。声優さんに会ってリクエストしたセリフに自分の声を挿入して編集した、オリジナルボイスドラマを作って・・・、親に聞かれる。

もこっちがモテないのはどう考えてもお前が悪い

いたたっっっったああああああもうギブギブギブ

親バレとかは結構誰もがゾクゾクッとくるもんだと思います・・・。イヤ~な空気が場を満たして時間が凍りつくような一瞬。
そして自分の恥ずかしい部分が明るみに出されて…ああ逃げたい消えたい死んでしまいたい。



まぁ・・・そんな内容の第2巻。
1巻でもこっちを気に入った人なら間違いなく楽しめる1冊。パワーダウンどころか、さらに面白くなってきてるように思います。
いちいちネタがしんどくて、笑えるんだけどそれだけじゃない苦味を提供してくれるのもこの作品ならではか・・・!今回もいっぱい楽しく、そしてイタい作品でした。
もこっちの状況がこれっぽっちもよくなる兆しがないのがすごいですねえ。
もこっち以外だと弟くんぐらいしか定番キャラいないし・・・最小限の人物で話を広げ盛り上げてるあたりもすごいんじゃないかなと。それだけもこっちのキャラが濃いということか。
3巻は冬ごろ発売とのことで。ガンガンオンラインで追いつつ発売を待ちます。
もこっちが刻んだ、甘さ0%の高校の夏休み。悩んでくすぶっていじけることも、青春か・・・? 確実にダメな方のな・・・。でも、それってやっぱり、共感できてしまう部分も多いのだ。

そうそう、ティッシュを用意するのがやたら手慣れてたもこっちを見て、ほほうほほうとなったダメな読者も結構いるはず。わりとアケスケに思春期の少女の性欲を描いた作品でもあるんですよね。そこも好きなポイントですよ。性欲に限らずともいろんな欲望がうずまいてる。でもそれが上手く実を結ばないのがこの作品の面白さ。
まぁとりあえず、言い訳ばかりのもこっちに、1巻の頃と同じことを言って〆よう。 

お前がモテないのはどう考えてもお前が悪い。

『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
慣れてきても切れ味鋭い、モテない女子高生の暴走青春物語。傷を負うのはあなたかも?

[漫画]波乱のコンクールが幕を開ける『四月は君の嘘』3巻

四月は君の嘘(3) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(3) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2012/05/17)
新川 直司

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   次は――――お前の番だ 有馬公生

「四月は君の嘘」3巻が発売されました。
今勢いのある作品のうちの1つだと思っていますが、実際面白いんですよ本当に!
2巻は興奮がいけるところまで上り詰めたような、凄まじい熱気を帯びた展開でしたが、3巻は新たな目標に向けて練習を重ねていく内容となっていました。
その中でコンクールを盛り上げる新キャラの顔見せなども行われます。それ他にも大事件はなくとも細かく変化がやってきて、やはり見逃せない内容になっていると言えます。

輝きだした、かけがえのない春。 『四月は君の嘘』1巻
熱狂がぼくらの背中を押す『四月は君の嘘』2巻



●2人の新キャラ
かをりに背中を押されるように、再びピアノコンクールを目指す有馬公生。
ゆっくり穏やかに、しかし確実にピアノを取り戻していく公生くんです。
あれほどふさぎこんでいた彼ですが、しがらみもトラウマも何もかも吹き飛ばすくらい、かをりとの演奏が衝撃だったんだなあ。
彼の心に食らいついて離れない音楽。
演奏家が忘れられるわけがないんだ、あの興奮を、あの賞賛を。
そして公生のコンクール復帰を知り、高揚するピアニストも大勢。
かつては神童として名を馳せたあの公生が戻ってくるのだから、同年代のライバルたちも黙ってはいない。大人たちもざわめきだって、公生の存在感を改めて実感しますね。
けれど彼らの大半は公生の身になにが起こったのかなんて知らないわけで。
でも一度コンクールに出たら、過去を言い訳にすることなんでできません。
真正面から闘いの舞台に乗り込んだわけで、これは気になる展開ですよ。

そう、それで新キャラが登場するのですよ。
圧倒的な存在感を放った幼少のころの公生。彼にコンクール1位をかっさらわれ続け、けれど突然その背を見失い、いつかまた戦える日を夢見てピアノを弾き続けたヤツらが。
公生が突然表舞台から消えたあの日から、年経った。
彼の過去を知り、今を知らない彼らは血をたぎらせる。「やっとまた戦えるのだ」と。
1人は少年・相座武士。相当の実力者ながらもずっと1位を公生に奪われ続けた男。
もう1人は少女・井川絵見。ギラギラの闘争心を剥き出しにした女の子。
公生を「待っていた」2人のピアニストの登場は、物語を一掃熱くさせます。

四月3

井川さんはいい表情しますなー!この獰猛そうな笑みがいいですね!
相座は派手な見た目とは裏腹に、真摯でストイックな人格が3巻の時点で伺えます。



●かをりの存在感
新キャラも登場してテンション上がりますが、この巻の見所は、公生が静かに確実に自らを高めていく様子にあり。
2巻のようなド派手なイベントはないこの3巻。しかし着実に、次の絶頂みたいな興奮への足がかりを作っているような展開なのです。
そして再び歩き出した公生は、苦しみながらもまたピアノと向きあう。

公生をここまで突き動かした張本人、かをりは今回が今回も存在感を放ちます。
今回なんて演奏シーンなどの特別なシーンもなかったのに。
公生がいつもいつもかをりを見て、かをりのことを考えているもんだから、作品としても彼女の存在感がどんどん強まっているような気がします。
そんなかをりにまつわる、3巻で特に印象的なシーンがここ。

四月1

「ごめんね、ごめんね」と謝る。涙をこぼしてまで。
公生にピアノをもう一度ひけと、コンクールに出ろと公生を導いたのになぜ。
なんて思ったけどよく考えてみれば当然なものかも知れない。
彼女のせいで、公生はピアノで再び苦しむはめになった。それは同じ音楽家同士だから分かることかも知れない。こんな苦しい場所にまたしても連れてきてしまったのだ。それも公生の場合は単純な話ではない。乗り越えるべきものはとてつもなく巨大。
でもかをりは自分の行動を後悔してないはずなのだ。もう一度ひけと、公生を動かしたことは彼女が強く望んだことだから。でも涙をこぼしてしまう。
「何もかも乗り越えて、音楽を奏でろ」なんて、ある意味恐ろしく傲慢なことで。そんな無責任で残酷な自分をわかっているからこそ謝罪をする。本当は恨まれてるんじゃないかって不安になってしまう。音の高みを目指すことでしか幸せになれない音楽家の業の深さがかいま見える部分でもあるかも。
けど公生のピアノを聞くと、いつもすごくいい表情をするんだよね、この娘。
ああ、いいなぁかをりちゃん。素直で強い。でも脆くもある。

恋愛感情に限定せず、公生がかをりへの思いを強めていく(憧れや尊敬や)様子はこれでもかと強調されていきますが、瞬間的に爽快な気持ちにさせてくれる一瞬があったりします。
個人的にはコンクール前に緊張してフラフラになった公生にむけたこの一声。

四月2

「星は君の頭上に輝くよ」

その笑顔とその言葉は、読んでてなぜか自分も救われたような気持ちに。
だってねえ、もう、あなたが光ですよ。かをりちゃんが公生を照らす光。
このシーンの他にも、戸惑う公生の背中を支える力強い言葉をいつもくれるのだ。
オリジナリティのない自分の演奏に落ち込む公生に向けた「君はどうせ君だよ」の言葉にもグサーッと。「どうせ」の使い方がすごくいいんだ。どこか突っぱねるような、けど全部包み込むような包容力があってすごく暖か。
操り人形だとか機会だとか言われた過去。ピアノに自分もねりこんだオリジナリティある音楽への飛翔が、今後の目標の1つなんでしょう。その一端は見せていますが、まだ爆発はしてない。



その他きになった点など。
「私を見て」と嫉妬心をのぞかせる椿ちゃんも切なかったなぁ・・・今回。
音楽面だけでなく、淡い恋心が交差する多角関係も強い魅力を放っているのです。
青春の痛みとかままならない現実とかも描いてくるので、気持よくなるばかりの作品ではありません。けどそれがこの作品の力強くもどこか儚げな雰囲気を支えている。

そうそう、今回の全体的にモノローグがすごく染みた。
「四月は君の嘘」は全編すごく詩的な表現に彩られてる作品だと思います。
すっごく青臭くて、ダイレクトに痛みを飛ばしてくる感じ。
1巻の最初のころはそのポエミー全開モノローグが上滑りしてる気になったりもしましたが、しかし作品のテンションがガンガンに上がってきてる今、その詩的さは作品の確かな魅力になっていますね。読者の気分をゆさぶり高めてくれる。
こっ恥ずかしいくらいなんですけど、作品と合ってますね。

3巻はこんな感じで、相変わらず面白いですなー!2巻で沸騰しきったテンションを、熱いままにキープしつつ次の段階に進みだしています。どこまでいくのやら・・・!
公生復帰のコンクールはもう始まっています。こんな盛り上がる土台を用意されては、4巻の大盛上がりに期待するしかないでしょうが!4巻は9月発売!待ちきれない!

『四月は君の嘘』3巻 ・・・・・・・・・・★★★★
次の舞台へ、丁寧に盛り上げてきている第3巻。次の爆発への期待が止まらない・・・!

電波少女は世界の秘密と出会う。『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』2巻

クラスメート、上村ユウカはこう言った。(2) (ガンガンコミックスONLINE)クラスメート、上村ユウカはこう言った。(2) (ガンガンコミックスONLINE)
(2012/04/21)
桜井 慎

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   乱暴にしないでね?

ながーいタイトルの「クラスメート、上村ユウカはこう言った。」2巻が出ています。
絵が好きな感じだったので軽く手を出した作品でしたが、これが意外と奥深く、内容でも楽しませてくれるものでした。ラブコメをやりつつもSF世界を電波に駆け抜ける。
1巻は意表を突かれたかたちで楽しませてもらいましたが、さて2巻は。

前巻→予測不能な恋と混沌の世界を疾走せよ『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』1巻

そうそう、またしてもいい表紙してますねー。上村ユウカの瞳は見ていて引きずり込まれそう。



疾走感あるミステリアスなボーイ・ミーツ・ガールといったイメージが強かった第一巻。
まぁどんな作品かも分からず手を出してあんな展開だったので、「うひょー、なんだこれなんだこれ!」とワクワクしましたよ。立ち上がりはなかなかに素晴らしかった。
2巻はと言うと、1巻ラストの気になる引きから続き、世界の秘密に確実に近づいていく内容。
スピード感は2巻では薄れていましたが、じっくりと謎に迫る一冊でした。
何が何やら分からず手を引かれ走りだした主人公。それは読者も同じことですが、一旦状況を落ち着かせることができた彼らは、改めて「この世界はどうなっているのか」それを探るべく行動を始めます。
明確な手がかりはなくともささいな違和感を頼りに秘密に迫っていく2人。
そのなかで確実に絆を深めていくわけですが・・・
「世界に1人取り残された人間の女の子」「世界の理から外れた機械の男の子」
彼らがどんな関係を気づき上げていくのか。単なる恋仲で終われるのかねえ。

さて2巻の見所は・・・委員長さんですよね!
2巻は裏表紙にもへっぴり腰でファイティングポーズを構える委員長がいます。
今回の2巻では、後半は完全に委員長さんをめぐるエピソードになっていました。

上村

ユウカにくすぐられて色っぽく体をくねらせたり…

上村2

縛られた上で言葉攻め受けたり…

なんかひどい扱われ方をしている委員長がエロくて素晴らしいとおもいます。
初期から重要キャラの1人として描かれていましたが、こうして物語に絡みだして嬉しい展開。
ユウカはかわいいけどなかなかクセが強い女の子でもありますしね。こういうタイプの女の子が出てきてバランスがいいラブコメになってきた感じはあります。
そう、この作品はラブコメですよ。変化球だけどそれはきっと間違いなく。
ユウカにしても委員長にしても(名前がまだ出てきてないのがまた扱いがヒドイよね・・・)主人公への好感度が序盤から猛烈に高くてニヤニヤしちゃうじゃないですか!
ユウカと委員長の間にちょっと絆が芽生えたりする、会話シーンの微妙な空気感もいい。



世界の秘密探索と、委員長をめぐっての混乱と、それから2巻ラストの引き。
見応えはありましたが、1巻で受けたインパクト以上のものはなかったかも知れないです。設定の面白さには光るものがありますが、ここからやはり、物語をどう動かしていくかによって評価が左右しますね。
特に2巻は起承転結の承の部分にあたるのか、身長に世界観を見つめなおすっていう描写が多かったため、ストーリーの進みは遅めだった気がします。
演出面にけっこう贅沢にページを割いているって印象もあって、ページ数のわりにあんまりストーリーが進みませんね。
けれどこの作品の世界観とかセンスとかにピンと来る人は、ストーリーが進まずともとりあえず引きこまれてしまいそうなオーラはある。
SFっぽさを前面に押し出しながらもラブコメのシチュは整って来ましたし、これからまた盛り上がっていきそうな雰囲気があります。3巻は8月に発売予定とのこと。
しかし・・・オビでロリユウカちゃん大活躍!?って煽ってましたけど、ほんの数ページしか出てこないじゃないですかーかわいかったけどー!!もっと見てみたかった・・・。

『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
世界の謎に迫る第2巻。いじめられちゃう委員長さんに思い滾らせつつ、物語も気になる。

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ブログを引っ越しました。 当ブログは更新を停止し、新ブログにて更新をしています。 https://sazanami233.hatenablog.com/

楽園に花束を

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漣

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「さざなみ」と読みます。
漫画と邦ロックとゲーム。
好きなのは思春期とかラブコメとか終末。

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