[漫画]かわりゆくメンタルモデルの少女たち 『蒼き鋼のアルペジオ』4巻
アニメ「gdgd妖精s」面白いですなー!
これが 私の意思だ
「蒼き鋼のアルペジオ」4巻が発売されました。表紙はキリシマのメンタルモデル。
今回で取り上げるのははじめてなのですが、最近この作品かなり盛り上がってるなと思いまして。アワーズで連載追ってはいますが、単行本でよむとさらに面白い作品です。
さて、今回ドラマCD化も発表されてびっくり。しかもなんかキャスト豪華ですよ!
多彩なキャラが魅力的ですが、潜水艦同士の戦略バトルがメインに展開する漫画。
突然あらわれた謎の戦艦組織「霧の戦艦」と人類のバトルを描くSF海洋戦記漫画。
3巻では横須賀軍港を襲撃したキリシマ・ハルナを撃沈し、歴史も世界も動かした「イ401」クルーたち。それははじめて人類が人類の力で勝ちとった栄光でした。
これに湧き勢いづく人類ですが、「霧」サイドにさらに不穏な動きが・・・。
加えて4巻、任務中のイ401に攻撃を仕掛けてきた謎の戦艦は、人間が乗り込んでいた・・・!
●4巻で目立ったのが「霧」の変化。
主人公たちが乗り込む「イ401」は元霧の戦艦。人間というブレインを手にした彼女が次々と霧の戦艦の強豪たちを破っていっていることは、霧サイドとしても注目しているようで。
イ401に敗れたタカオはその身で人間の恐ろしさを感じ取り、自分も人間を乗せたいらしい。
(1巻191ページ)
ほかの多くの戦艦達も、人間と戦ってからその存在に興味を引かれるようになっていく様子が多く見受けられたのがこの4巻。それはキリシマ・ハルナ2艦を人間が撃沈したという事実の重要性の裏付けでもあるのでしょう。これまで負けっぱなしでされるがままでしたからね人間。
また、変化は霧だけではないのも注目でしょう。
今回イ401を追い込んだU-2501と機長ゾルダンは、大別すれば「霧」サイドですが、彼らは人間です。人間社会に失望し、自ら霧へ寝返った人類です。
イ401やタカオ、そして今回メンタルモデルが初登場したヒュウガは霧から人間側についたイレギュラーですが、その逆に人間側から霧へとうつる組織もあるんですね。ラスボスらしい風格を漂わせる千早翔像(主人公・群像の父親)も。
ざっくりと「こいつは霧」「こいつは人間」と区別することができなくなってきて、この作品の面白さが一段階上がってきたように思います。
まぁメンタルモデルって見た目はほとんど人間ですけども。
●また、メンタルモデルたちの多彩さも見逃せません。
この作品の目玉とも言える、戦艦に宿った人形の意識体「メンタルモデル」。
彼らはおそらくはプログラムにすぎない存在でありながら、それぞれに個性があります。そして自分の意思で、霧という母体から離れる決断をすることすら。
より柔軟な戦略をこなすための思考装置であるはずなのですが、こんなに自由でいいのか!
タカオちゃんなんて完璧に主人公に恋してますからね!(人間というユニットをのせて、自分ももっと強くなりたいという欲求から始まっているんですがw)
タカオは401に掌握されて武装できない状態ではありますが、積極的に人間に近づいていっているように感じます。
ヒュウガもイオナに大事なところに次々攻撃を撃ちこまれて陥落(機体的にも精神的にも)してからは、結果的には人間サイドについていますし。ヒュウガさん百合ん百合んでござる。
そんなタカオやヒュウガのほかにも、冷静沈着な司令官ポジション・コンゴウ、子供っぽさ全開のマヤなどなど、メンタルモデルがたくさん出てきて、彼女らの個性の豊かさが目立った巻とも言えます。まるで人間みたいなんですよね。
●人間と「霧」が友達になれるのか?
それがこの4巻の後半から描かれつつある新たなテーマでした。
敵対関係でもなく、使役関係でもなく、ただのともだちに。
401に敗れ吹き飛ばされたハルナとキリシマ(コアのみになってしまったけど)。
彼女たちは倒れているところを人間の少女に保護され、ともに遊んだりしました。まあ、蒔絵ちゃんが一方的にいじっているだけでしたけども・・・。
しかし24話の刑部博士の話は感動的でしたね・・・ちょっと泣いてしまいました。
機械に従うのは人間のプライドが許さない。
かといって人間だけでは、窮地な立たされた今の政治を正しくコントロールするような、的確な判断ができない。プレッシャーと罪悪感のために自由なんてどこにもなくなる。
その結果生まれたのか、人間でありながら機械の超思考能力を備えるデザインチャイルド。蒔絵ら、作られた子供たち。戦争状態における人間の業をするどく切り取ったエピソードでした。
そして危機に立たされた友人のために立ち上がるハルナ。
「霧」として人類に立ち向かうのではなく、友人を守る友人としてその力を振るう!
普段海上戦ばかりな分、陸上で行われる戦闘ということで新鮮でした。しかも戦艦なので戦力もダイナミック!ハルナさんまじっかけーす!!
見栄と私欲のためにやってきた人間たちと、人間の友達のために戦う霧の戦艦。
「霧=悪」という構図がはっきりと崩れ去りました。これが大きい。
また、ここで一般の人間と霧のこれまでありえなかった関係が気づかれつつあります。
イオナなどの限られた戦艦は人間と関係し始めていますが、戦いとは関係のない場面ではじまる人間と霧の友好関係はこれまでなかったはず。
蒔絵とハルナたちの関係が、もしかすると人類と霧の未来も暗示させてくれるのかも?
あー、振り返ってみると今回の4巻はマジでよかったなと!
もともと面白かったですけど、「霧」の変化がこの作品をさらに面白くしてくれてます。
ド迫力の戦艦バトルが目をひく作品ですが、華やかで個性豊かなメンタルモデルたち、そして常に変化を続ける戦局、世界の動向。多角的な面白さがあるスケールの大きい漫画だなぁと。
そして、気になる点がいくつもある作品なんですよね。
大型戦艦になると、霧の戦艦のメンタルモデルは2体になったりもするんですね。
大戦艦ナガト、超戦艦ヤマトはメンタルモデルが2体動いてるシーンがありました。
群像の幼馴染・天羽とそっくりなヤマト(メンタルモデル)の秘密も気になります。
謎が多い漫画ですし、まだまだ話が大きく動いていきそう。
人間と「霧」、それぞれが自分の意思で交わり始めました。
いろんなキャラクターが個性をもって動き出し、さらに先が予測できない状況に。
人間と「霧の戦艦」が織り成す戦いの歴史は、この先なにをもたらすのか。
ハルナと蒔絵の友情はどのようなものになっていくのか。
タカオちゃんの恋は成就するのか(?)。さー5巻が待ち遠しい!
『蒼き鋼のアルペジオ』4巻 ・・・・・・・・・★★★★
盛り上がって来ました。人間と霧のドラマが深くなってきてます。
蒼き鋼のアルペジオ 4巻 (ヤングキングコミックス) (2011/10/29) Ark Performance 商品詳細を見る |
これが 私の意思だ
「蒼き鋼のアルペジオ」4巻が発売されました。表紙はキリシマのメンタルモデル。
今回で取り上げるのははじめてなのですが、最近この作品かなり盛り上がってるなと思いまして。アワーズで連載追ってはいますが、単行本でよむとさらに面白い作品です。
さて、今回ドラマCD化も発表されてびっくり。しかもなんかキャスト豪華ですよ!
この4巻とアワーズ本誌で申し込むことができるようです。聞きたい。千早群像:福山潤 イオナ:悠木碧 タカオ:佐藤利奈 織部僧:杉田智和 コンゴウ:桑島法子 橿原杏平:白石稔 響真瑠璃:豊崎愛生 四月一日いおり:花澤香菜
多彩なキャラが魅力的ですが、潜水艦同士の戦略バトルがメインに展開する漫画。
突然あらわれた謎の戦艦組織「霧の戦艦」と人類のバトルを描くSF海洋戦記漫画。
3巻では横須賀軍港を襲撃したキリシマ・ハルナを撃沈し、歴史も世界も動かした「イ401」クルーたち。それははじめて人類が人類の力で勝ちとった栄光でした。
これに湧き勢いづく人類ですが、「霧」サイドにさらに不穏な動きが・・・。
加えて4巻、任務中のイ401に攻撃を仕掛けてきた謎の戦艦は、人間が乗り込んでいた・・・!
●4巻で目立ったのが「霧」の変化。
主人公たちが乗り込む「イ401」は元霧の戦艦。人間というブレインを手にした彼女が次々と霧の戦艦の強豪たちを破っていっていることは、霧サイドとしても注目しているようで。
イ401に敗れたタカオはその身で人間の恐ろしさを感じ取り、自分も人間を乗せたいらしい。
(1巻191ページ)
ほかの多くの戦艦達も、人間と戦ってからその存在に興味を引かれるようになっていく様子が多く見受けられたのがこの4巻。それはキリシマ・ハルナ2艦を人間が撃沈したという事実の重要性の裏付けでもあるのでしょう。これまで負けっぱなしでされるがままでしたからね人間。
また、変化は霧だけではないのも注目でしょう。
今回イ401を追い込んだU-2501と機長ゾルダンは、大別すれば「霧」サイドですが、彼らは人間です。人間社会に失望し、自ら霧へ寝返った人類です。
イ401やタカオ、そして今回メンタルモデルが初登場したヒュウガは霧から人間側についたイレギュラーですが、その逆に人間側から霧へとうつる組織もあるんですね。ラスボスらしい風格を漂わせる千早翔像(主人公・群像の父親)も。
ざっくりと「こいつは霧」「こいつは人間」と区別することができなくなってきて、この作品の面白さが一段階上がってきたように思います。
まぁメンタルモデルって見た目はほとんど人間ですけども。
●また、メンタルモデルたちの多彩さも見逃せません。
この作品の目玉とも言える、戦艦に宿った人形の意識体「メンタルモデル」。
彼らはおそらくはプログラムにすぎない存在でありながら、それぞれに個性があります。そして自分の意思で、霧という母体から離れる決断をすることすら。
より柔軟な戦略をこなすための思考装置であるはずなのですが、こんなに自由でいいのか!
タカオちゃんなんて完璧に主人公に恋してますからね!(人間というユニットをのせて、自分ももっと強くなりたいという欲求から始まっているんですがw)
タカオは401に掌握されて武装できない状態ではありますが、積極的に人間に近づいていっているように感じます。
ヒュウガもイオナに大事なところに次々攻撃を撃ちこまれて陥落(機体的にも精神的にも)してからは、結果的には人間サイドについていますし。ヒュウガさん百合ん百合んでござる。
そんなタカオやヒュウガのほかにも、冷静沈着な司令官ポジション・コンゴウ、子供っぽさ全開のマヤなどなど、メンタルモデルがたくさん出てきて、彼女らの個性の豊かさが目立った巻とも言えます。まるで人間みたいなんですよね。
●人間と「霧」が友達になれるのか?
それがこの4巻の後半から描かれつつある新たなテーマでした。
敵対関係でもなく、使役関係でもなく、ただのともだちに。
401に敗れ吹き飛ばされたハルナとキリシマ(コアのみになってしまったけど)。
彼女たちは倒れているところを人間の少女に保護され、ともに遊んだりしました。まあ、蒔絵ちゃんが一方的にいじっているだけでしたけども・・・。
しかし24話の刑部博士の話は感動的でしたね・・・ちょっと泣いてしまいました。
機械に従うのは人間のプライドが許さない。
かといって人間だけでは、窮地な立たされた今の政治を正しくコントロールするような、的確な判断ができない。プレッシャーと罪悪感のために自由なんてどこにもなくなる。
その結果生まれたのか、人間でありながら機械の超思考能力を備えるデザインチャイルド。蒔絵ら、作られた子供たち。戦争状態における人間の業をするどく切り取ったエピソードでした。
そして危機に立たされた友人のために立ち上がるハルナ。
「霧」として人類に立ち向かうのではなく、友人を守る友人としてその力を振るう!
普段海上戦ばかりな分、陸上で行われる戦闘ということで新鮮でした。しかも戦艦なので戦力もダイナミック!ハルナさんまじっかけーす!!
見栄と私欲のためにやってきた人間たちと、人間の友達のために戦う霧の戦艦。
「霧=悪」という構図がはっきりと崩れ去りました。これが大きい。
また、ここで一般の人間と霧のこれまでありえなかった関係が気づかれつつあります。
イオナなどの限られた戦艦は人間と関係し始めていますが、戦いとは関係のない場面ではじまる人間と霧の友好関係はこれまでなかったはず。
蒔絵とハルナたちの関係が、もしかすると人類と霧の未来も暗示させてくれるのかも?
あー、振り返ってみると今回の4巻はマジでよかったなと!
もともと面白かったですけど、「霧」の変化がこの作品をさらに面白くしてくれてます。
ド迫力の戦艦バトルが目をひく作品ですが、華やかで個性豊かなメンタルモデルたち、そして常に変化を続ける戦局、世界の動向。多角的な面白さがあるスケールの大きい漫画だなぁと。
そして、気になる点がいくつもある作品なんですよね。
大型戦艦になると、霧の戦艦のメンタルモデルは2体になったりもするんですね。
大戦艦ナガト、超戦艦ヤマトはメンタルモデルが2体動いてるシーンがありました。
群像の幼馴染・天羽とそっくりなヤマト(メンタルモデル)の秘密も気になります。
謎が多い漫画ですし、まだまだ話が大きく動いていきそう。
人間と「霧」、それぞれが自分の意思で交わり始めました。
いろんなキャラクターが個性をもって動き出し、さらに先が予測できない状況に。
人間と「霧の戦艦」が織り成す戦いの歴史は、この先なにをもたらすのか。
ハルナと蒔絵の友情はどのようなものになっていくのか。
タカオちゃんの恋は成就するのか(?)。さー5巻が待ち遠しい!
『蒼き鋼のアルペジオ』4巻 ・・・・・・・・・★★★★
盛り上がって来ました。人間と霧のドラマが深くなってきてます。
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