[本]その涙を拭えたのなら。 『ディアティア』
ディアティア (2011/05/31) かずま こを 商品詳細を見る |
[急募] 君に会う口実
かずまこを先生が「楽園」で連載していたディアティアが待望の単行本化!
初々しくてほっぺた落ちるくらい可愛らしい2人が惹かれあう様子を描いた作品です。
「ディアティア」とは「Dear Tear」、ずばり「涙」をフィーチャーした青春模様が展開。
装丁も綺麗でお気に入り。表紙画像で見られる色が濃い部分は、水滴をモチーフにしたようなコーティングがされており、その下の絵が滲んでいるなど細かな仕掛けがされています。
ヒロイン・桐ヶ谷の目元に浮かぶ涙も小さくコーティング仕様。拭いたい。
では今日はこの作品の感想をーつらりつらり。
なぜだかモテる高校生・成田のもとに、ひとりの女の子がやってきた。名前は桐ヶ谷。
彼女の周りの女の子たちが次々成田に恋をしてはフラれるので、一体どんな男なのか知るために、なんで想いを受け止めないのか問い詰めるために彼を近くで見てみようと考えたらしく。
そんな探り合うようにであった2人なのですが・・・転がり落ちるようにラブでコメり涙がキラリ☆(同じなーみーだが略)な展開がやってきて、ほくほく顔で読み進められました。
特に葉月さんが登場してからのちょっとした三角関係には悶えましたねー!
ああー、この上手くいかない、もじもじしちゃう感じ。行き場がなくて気まずいような、逃げ出したくなるような、甘酸っぱいような感じ。好きですねぇ。
こんな感じでみんな赤面してばかりだったりするので、赤面スキーにもたまらない一作となっています。
特にメインヒロインの桐ヶ谷さんの赤面の可愛らしさはとどまるところを知らない勢い!
主人公が彼女に発した、ちょっとだけ無神経な言葉。「あんまり女の子って感じがしないから、話してて楽だよ」。主人公・成田はおかれた家庭環境のせいで、女性そのものと女性が流す涙を少しだけ怖がるようになってしまっていました。
彼からすればどことなく『強い』イメージのある桐ヶ谷という少女は、あまり女の子であることを意識しないですむ分気楽に一緒にいられるらしい。
けれどこれが引き金となってしまいました。まだ成田は見えていなかったんですね、桐ヶ谷の『強い』イメージは周囲が勝手に見ていただけのもので、本当は我慢してばかり・涙をこらえてばかりだということが。
傷つき「泣いてる女は嫌いでしょ」と残し帰ろうとする桐ヶ谷の肩に触れ、振り向かせる成田。
(クリック拡大)
泣いたら嫌われる・・・そんなのイヤなのに、泣いてると分かって涙を見ようとした成田。
空気読めてなさそうですけれど、これで桐ヶ谷返してたらもっと駄目だったろうからGJと言うところでしょうか。そして何より、彼女涙から逃げることも見てみぬフリもせず、自分から向き合おうとした成田には、早くも成長と変化が感じられます。
何より泣いてる桐ヶ谷可愛すぎでしょうと!
この作品赤面もたまらないのですが、泣き顔も本当に魅力的なのです。
個人的には美佳先輩もたいへん好きなキャラ。フラれた後「もっと頑張れたらよかったな・・・」と悔いを残してしまった様子がなんとも切なかったです。が、想いは受け取れなくても、好いてくれたことへの感謝を口にした成田に、大粒の涙を零しました。報われなかったけど、彼女はいい恋ができたのかも知れません。幸せな描かれ方は最初から最後までしないキャラクターですけど、結構重要な女性キャラ。
まぁここまで赤面がかわいい涙目がかわいいと書いてまいりましたが
この作品が真の爆発力を見せ付けてくれるのは物語も終盤に入ってから!
特に付き合いだしてからの成田・桐ヶ谷にはニヤニヤが止まらなりません。素晴らしい!
アフターエピソードである「マイディア1」もこれまた凄い・・・!付き合い始めのメールのやり取りを描いたもので、圧倒的破壊力でもって自分の脳を攻撃してくる。可愛すぎますよこの2人!
(クリック拡大)
『やっぱりそのうちキスとかもしてみたいです。』
これだけで幸せすぎて意識が朦朧としてくるレベルですが、続く「マイディア2」は単行本描き下ろしとして収録され各所で話題でしたね。自分もまったくの初見でしたが実際に読み、そのあまりのイチャイチャっぷりに思わず身震い・・・!これは一体どういうことなのだ!2人のちゅーが描かれているのです!!心行くまで幸福感と初々しさを満喫しました。
どんなキスかは、読んでのお楽しみ・・・!
ではまとめ。
本当に可愛らしい、不器用で等身大な恋愛模様を楽しむことができました。満足。
かずま先生はこれまで女の子同士の恋愛を描く作品を単行本で多く発表してきましたが、ディアティアは先生初の、男女の恋愛もの単行本。
あとがきにあった「ハーレム漫画」という言葉には思わずポンを手を打ち納得w
「Dear Tear」というタイトルにあるように、「涙」がテーマの1つにある本作。
それは涙を流すシーンが多く、そして印象的な使われ方をしていることからも伺えましたが、苦手だった涙すら、愛おしく感じるようになった主人公にもニヤリとさせられます。
主人公が乗り越えるべきもの、そして成長を映すものとしても「涙」は描かれているようにも感じました。
主人公自身涙を流すことはしませんが、涙のその真の意味を、真正面から受け取ることができるようになった彼を見るといい気分になれます。これまで若干逃げていましたからね。
第一話ラスト「恥ずかしいからいやです」を絡め昇華した最終話ラストも絶品!
ちょっとだけ高めの単行本ではありますが、可愛らしい恋愛漫画を読みたい人、初々しい2人を見てニヤニヤもじもじしたい人、いろんなオススメしたい作品です。
この物語後半の高揚感・強烈な赤面三昧っぷりは是非味わってみて欲しい・・・!
『ディアティア』 ・・・・・・・・・★★★★
本当に愛らしい2人の、恋の始まりからを追うお話。一巻完結で読みやすいです。
[本]ジゼルお嬢様の、ちょっとした昔話。 『ジゼル・アラン』2巻
ジゼル・アラン(2) (2011/05/14) 笠井 スイ 商品詳細を見る |
人を不幸にするような仕事は しない
ジゼルお嬢様の華麗なる活躍劇!
Fellows!にて連載する笠井スイ先生の初連載作「ジゼル・アラン」の2巻が発売されました。
何でも屋を営むおてんばお嬢様ジゼルと、彼女に振り回されつつもそれが楽しい・・・?ような、色んな人々を描く作品。2巻ではジゼルのお屋敷時代のエピソードも収録。注目したいですね。
では感想をー。
突如現れた謎の老紳士。ジゼルと顔見知りらしいその正体は、ジゼル家の執事・モネ。
来訪の理由は、1巻でジゼルが起こした騒動が新聞で報じられてしまったため。
彼女の仕事ぶりを見るためにしばらくモネが付き添うことになり、いつもとは違う場の雰囲気にジゼルもエリックも戸惑い気味。はたして以来を上手くこなすことが出来るのか?
そのつながりで語られることになるジゼルのお屋敷時代の話がやはり見所!
今でこそ年齢に見合わないアパートの管理人をしながら、これもまた年齢に似合わない何でも屋を喜びながらやっている女の子なのですが、本当はお屋敷にいるべきお嬢様。
一般市民に混じってこんなちょっとおかしなことをやってるのにも、理由があったのですね。
それにしても、お屋敷時代のジゼルは黒髪ロングであり、これもまた今とはまた違った魅力がありますねぇかわいいー。中身は今と全然変わってないので、お淑やかさなんてありませんが、これはこれでw
それ掃除道具なのであまり綺麗ではないのですが・・・・・・お嬢様の好奇心には関係なし。
このようにお嬢様でありながら周囲が求めるその像からかけ離れた少女に成長したジゼル。
彼女の姉は理解を示してくれていますが、父親はこんなジゼルをなんとかしたいと思っているようで、ふとしたことからジゼルは父親と対立し、4日間に及ぶ抗議の引きこもりへ!
また、ジゼルはいつも大好きな冒険小説を読んでおりこれも父親は批判をしますが、「流行の小説ばかり読んで」とぼやく父親に対するジゼルの言葉がとても印象的でした。
「きれいだったから」
「自由」を求めるようなことを口にするなどからも取れますが、ジゼルにとってお屋敷は窮屈でしたない空間だったのでしょう。好奇心が強い彼女は冒険小説を読んで、さらに外の世界への憧れを募らせていっていたのですね。
守られた平和な場所なのでしょうけれど、彼女はこれでは満足できなかった。
そうして自由奔放に何でも屋をするジゼル嬢が出来上がったのですね。
彼女のルーツを知ることができた上、黒髪ロングな彼女というのも新鮮で嬉しいお話でした。
2巻を大きく分けると2つの大きな話があり、1つが上で書いたモネ編。
そして2つ目にあたるのが後半のギー編と呼べるものかなと思います。
同じイニシャルを持つ何でも屋ということで依頼者の中で混乱が生じ、それが原因でジゼルの前に現れたのがこの町のもう一人のGの何でも屋・ギー。
余裕たっぷりなほほえみがなんともニクいイケメン野郎。これにはエリック君も焦る焦る!
しかしコレがまた仕事の完成度という意味では手堅く完璧、出来る男なのです。
そんな彼に弟子入りをしようと考えたお嬢様ですが・・・周囲の人間はもちろん止めますが、ギー本人もかなり気が進まない様子。けれど何でも屋としてスキルを上げたい彼女も簡単には引き下がらない。
さてどうなるお嬢様の何でも屋家業・・・と、そんな感じの2巻です。
最後には華麗な仕事ぶりを見せ付けるジゼルお嬢様に後味もよし。
そういえば彼女の仕事に関して、エリックが面白いことを7話で言っていましたね。
無茶な方法で解決策を見出すジゼルお嬢様。今はそれでなんとかなるかも知れないが、もし万が一なにかトラブルが起きたなら、そのトラブルの責任は誰が取る。エリックは「ジゼルさんに決まってる」と言いました。
突き放したような言葉に一瞬聞こえますが、きっとエリックやいろんな仲間たちがいるのだから大丈夫。エリックくんなんか内心「俺が万が一なんて起こさせない」とかひそかに決意してそうなのに、それを言葉にはしないもんだからもう。態度で分かるんですよ不思議な信頼関係があるって。でも言わないのです。はぁ、かわいいなぁエリック。ジゼルを好きな自分を思う存分悩んでもっと可愛くなれ。
今回もジゼルお嬢様(結果的に)大活躍、そんなエピソードが複数収められた一冊に。
表情豊かなキャラクター、妥協を許さぬ書き込まれた背景画、衣装や小道具などからもこの時代へのこだわりが強く感じられる作品であるのは前回から変わらず。
本当に細やかな線までしっかりと描かれており、絵を見る楽しみは十分。
エピソードとしては第11話なんて好きですが、ツボだったのは第9話w
エリック君の頭のくせっ毛をむしりとり活用するのですが、その活用法がなんとも酷い!エリックくんが知ったら泣くぞ・・・!ああでも、とっさにこうできるお嬢様は流石機転が利く。
んでもってしつこいですけど、やっぱり印象的だった黒髪ロングジゼル様。
でも黒髪ロング時代もいいですけど、今のボブカットがやはり彼女には似合っていますね。
またジゼルのお姉さんもいいキャラだったので、またの登場が楽しみです。・・・ありますよね?
1巻から作品の雰囲気がまったく変わっていませんが、キャラクターのちょっとした一面やらが深く見え出して愛着が沸いてきました。そういう意味ではどんどん面白くなってきてるかも。
今回も書き下ろし漫画がおおめで満足度高し。9話のアフターなんてかわいすぎるw
さらりと読めますが、確かな充実感を得られる作品だなぁと改めて思いました。
伸びやかに日々を生きる女の子。服を汚し、髪を乱し、笑顔を生み出すお嬢様。
3巻ではどんな活躍を見せてくれるのか。楽しみですね。
『ジゼル・アラン』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
一昔前のヨーローッパを舞台に、1人のお嬢様が駆け回るお話。読みやすいし読後感も良い。
[本]火照る心と身体はもっと熱く。 『C- 黒咲練導作品集』
風邪から復活しました。
いつでも来いよ 待ってるから
『放課後プレイ』で有名な黒咲練導先生の単行本「C-(シーマイナー)」です。
白泉社の恋愛アンソロジー『楽園』関連で掲載された分をまとめた一冊となっていますが、表紙の女性は単行本書き下ろし新作のキャラで、これは25P程の大ボリューム!
他作品でも発揮されている黒咲先生独特のフェティシズムがより濃密かつド直球で味わえる内容であり、つまりは一般向け作品ですがだいぶエロいということです。
収録されている作品のいくつかはこれまでの『楽園』の感想記事で取り上げたことがあるものもあるので、たまにそちらへのリンクを張りつつ気に入った作品についてつらつらと。
ものすっごいツリ目な彼女さんのポーカーフェイスっぷりや、その肉体の頼りなさに悶々させられますが、何気に主人公の男性の強くは出られない様子もかわいかったり。
ラスト、自分からキスをする彼女さんを見れば、思わず笑顔になってしまうのは必然。
それまで顔を寄せるのも、舌を差し入れるのだって彼の方だったけれど
彼の知らないところで、今度は彼女からキスをする。微笑ましいです。
行為中の描写は他の作品と比べると大人しめで、雰囲気を重視する淡々としたもの。
上のキスシーンがとても印象に残りましたし、キスシーンが魅力的な作品です。
ポーカーフェイスな女性がヒロインだからこそ、作品全体としてテンポや微妙な表情に特に気を配っているように感じた作品でした。単行本の頭にこの作品を置いたのは面白いなと。
かなり暴力的かつ独占的で過激なセリフが飛び出す作品。男性的なエロかも。「種付け」とか。
でもその行為から覗ける女性の想いは切なく、男もこれでなかなかダメ野郎だが格好良い。
ヒロインの地震なさそうな表情と大きく柔らかそうなおっぱいもいいですね!一時的な体のつながりしか安心ができないのに、もっと強い心のつながりに憧れて、だからこそ怖がって腰が引けてしまう性格も。この本のヒロインたちの中では一番のお気に入りかもしれません。
本編終了後には単行本オマケの書き下ろしカットが描かれており、彼女なり彼を受け入れて、笑顔を見せてくれるようになったことにほっとさせられました。
まぁきっと、今でも彼女は不安を抱えているんだろうけど、この男と一緒なら大丈夫そうかな。
絵として刺激的なのはもちろんのこと、やってることもSMチックでドキドキです。
ストッキングを男に舐めさせながらどんどん快楽に墜ちていく様はいいですねぇ。
こう、喉をのけぞらせて感じる女の子いいなじゃいですか。どうでもいいですか。
しかしなによりかわいいのかこのドSな女の子、Hの時は彼任せになってるっぽいところですよ!そんなことを窺わせるまるまる1P使ったカラー大ゴマ、挿入されてるらしいシーンで作品が終了。かわいいなぁこの女の子w
アイドルちゃんがだいぶ口汚い上にメイクもキツいのですが、そんな彼女がなんとかマネージャーにアプローチをかけて、自分だけを見てもらえるようにと頑張る様子にはほっこり。
そして本当に「愛してる」なんて言われたら今度は照れ隠しでまた罵倒。素直じゃないなw
エロス的には上でも書いた特徴の上、褐色肌とややマニアックな属性があり、アナルセックスにまで至っているあたり単行本の最後に単行本でこそできるはっちゃけ方をしてるなぁと。ここまで楽園本誌で出来たんでしょうか・・・?
表紙イラストのふともものボンレスっぷりもいいですね!
さくっとまとめ。
上に取り上げた作品のほかにも見所ある作品がそろっています。特に「on」は色んな人にビックリしたりニヤっとしてもらいたい作品!「off」も静と動の切り替わりも好き。
主人公とその相手の2人しか登場しないものが多く、楽園ちゃんシリーズを除く全ての作品で性描写あり。だいぶ激しかったりマニアックだったり、濃いものが多いです。
そして全体的に感じたものとして、登場人物の表情、特に目が印象的だということがあります。
病んだ、寂しげな、歪んだ、愛しげな・・・目。様々な表情を、目だけで訴えかけてくるような。
この作品のキャラクター、どれも一筋縄ではいかないやつらばかりで、素直な言葉をくれるような人たちではありません。そんな彼らでも、その瞬間瞬間の表情で本当の想いが届けられます。じっくりと彼らの表情の変化を追うだけでも楽しめるかと。
作品の方向性としては放課後プレイとは異なりますが(4コマ漫画ではないですしね)、作者のファンならば楽しめるでしょうし、激しくも妖しい恋を楽しみたいという人にもお薦めしたい一冊。
カバーをめくるとカラーで女体祭り。やっほほーいおっぱいは尖ればよしということですね。
『C- 黒咲練導作品集』 ・・・・・・・・・★★★☆
ねっとりと情熱的なエロスを詰め込んだ一冊。愛は時々、むりやりできもちわるい。
C-―黒咲練導作品集 (2011/04/30) 黒咲 練導 商品詳細を見る |
いつでも来いよ 待ってるから
『放課後プレイ』で有名な黒咲練導先生の単行本「C-(シーマイナー)」です。
白泉社の恋愛アンソロジー『楽園』関連で掲載された分をまとめた一冊となっていますが、表紙の女性は単行本書き下ろし新作のキャラで、これは25P程の大ボリューム!
他作品でも発揮されている黒咲先生独特のフェティシズムがより濃密かつド直球で味わえる内容であり、つまりは一般向け作品ですがだいぶエロいということです。
収録されている作品のいくつかはこれまでの『楽園』の感想記事で取り上げたことがあるものもあるので、たまにそちらへのリンクを張りつつ気に入った作品についてつらつらと。
楽園4号掲載。その記事で書きたいことは大半書いているので、よろしければそちらで→リンクKissing number problem
ものすっごいツリ目な彼女さんのポーカーフェイスっぷりや、その肉体の頼りなさに悶々させられますが、何気に主人公の男性の強くは出られない様子もかわいかったり。
ラスト、自分からキスをする彼女さんを見れば、思わず笑顔になってしまうのは必然。
それまで顔を寄せるのも、舌を差し入れるのだって彼の方だったけれど
彼の知らないところで、今度は彼女からキスをする。微笑ましいです。
行為中の描写は他の作品と比べると大人しめで、雰囲気を重視する淡々としたもの。
上のキスシーンがとても印象に残りましたし、キスシーンが魅力的な作品です。
ポーカーフェイスな女性がヒロインだからこそ、作品全体としてテンポや微妙な表情に特に気を配っているように感じた作品でした。単行本の頭にこの作品を置いたのは面白いなと。
楽園vol3収録。これも前に感想かいていたのでそちらをー・・・→リンクテオブロミン
かなり暴力的かつ独占的で過激なセリフが飛び出す作品。男性的なエロかも。「種付け」とか。
でもその行為から覗ける女性の想いは切なく、男もこれでなかなかダメ野郎だが格好良い。
ヒロインの地震なさそうな表情と大きく柔らかそうなおっぱいもいいですね!一時的な体のつながりしか安心ができないのに、もっと強い心のつながりに憧れて、だからこそ怖がって腰が引けてしまう性格も。この本のヒロインたちの中では一番のお気に入りかもしれません。
本編終了後には単行本オマケの書き下ろしカットが描かれており、彼女なり彼を受け入れて、笑顔を見せてくれるようになったことにほっとさせられました。
まぁきっと、今でも彼女は不安を抱えているんだろうけど、この男と一緒なら大丈夫そうかな。
ストッキングに白濁をこぼし、ねちゃねちゃ弄ぶお話。従属性クラブ
絵として刺激的なのはもちろんのこと、やってることもSMチックでドキドキです。
ストッキングを男に舐めさせながらどんどん快楽に墜ちていく様はいいですねぇ。
こう、喉をのけぞらせて感じる女の子いいなじゃいですか。どうでもいいですか。
しかしなによりかわいいのかこのドSな女の子、Hの時は彼任せになってるっぽいところですよ!そんなことを窺わせるまるまる1P使ったカラー大ゴマ、挿入されてるらしいシーンで作品が終了。かわいいなぁこの女の子w
単行本の最後に収録された描き下ろし表題作。アイドルとそのマネージャーが登場人物。C-
アイドルちゃんがだいぶ口汚い上にメイクもキツいのですが、そんな彼女がなんとかマネージャーにアプローチをかけて、自分だけを見てもらえるようにと頑張る様子にはほっこり。
そして本当に「愛してる」なんて言われたら今度は照れ隠しでまた罵倒。素直じゃないなw
エロス的には上でも書いた特徴の上、褐色肌とややマニアックな属性があり、アナルセックスにまで至っているあたり単行本の最後に単行本でこそできるはっちゃけ方をしてるなぁと。ここまで楽園本誌で出来たんでしょうか・・・?
表紙イラストのふともものボンレスっぷりもいいですね!
さくっとまとめ。
上に取り上げた作品のほかにも見所ある作品がそろっています。特に「on」は色んな人にビックリしたりニヤっとしてもらいたい作品!「off」も静と動の切り替わりも好き。
主人公とその相手の2人しか登場しないものが多く、楽園ちゃんシリーズを除く全ての作品で性描写あり。だいぶ激しかったりマニアックだったり、濃いものが多いです。
そして全体的に感じたものとして、登場人物の表情、特に目が印象的だということがあります。
病んだ、寂しげな、歪んだ、愛しげな・・・目。様々な表情を、目だけで訴えかけてくるような。
この作品のキャラクター、どれも一筋縄ではいかないやつらばかりで、素直な言葉をくれるような人たちではありません。そんな彼らでも、その瞬間瞬間の表情で本当の想いが届けられます。じっくりと彼らの表情の変化を追うだけでも楽しめるかと。
作品の方向性としては放課後プレイとは異なりますが(4コマ漫画ではないですしね)、作者のファンならば楽しめるでしょうし、激しくも妖しい恋を楽しみたいという人にもお薦めしたい一冊。
カバーをめくるとカラーで女体祭り。やっほほーいおっぱいは尖ればよしということですね。
『C- 黒咲練導作品集』 ・・・・・・・・・★★★☆
ねっとりと情熱的なエロスを詰め込んだ一冊。愛は時々、むりやりできもちわるい。
[日記]面白いくらいダウン中
胃腸風邪らしきものをやらかしてぶっ倒れてました。
一時的には39度5分くらい出てベッドの上でもぞもぞするしかなかったですが、今は平熱。
しかし腹の調子が一向に良くなりませんし、無意味に疲労感凄い・・・。
更新再開は来週になりそうですかね。まぁゆったり治すとします。
でも今夜のあの花とかは見ます。録画環境ないとしんどいですね。
一時的には39度5分くらい出てベッドの上でもぞもぞするしかなかったですが、今は平熱。
しかし腹の調子が一向に良くなりませんし、無意味に疲労感凄い・・・。
更新再開は来週になりそうですかね。まぁゆったり治すとします。
でも今夜のあの花とかは見ます。録画環境ないとしんどいですね。
[本]二代目げんしけん、はじまりはじまり。 『げんしけん』10巻(二代目の壱)
げんしけん 二代目の壱(10) (アフタヌーンKC) (2011/05/23) 木尾 士目 商品詳細を見る |
咲ねーさんのコト 好きだったっしょ?
げんしけん復活ッッ!げんしけん復活ッッ!
ということでまさかのげんしけんの10巻が発売されました。本当に出てしまいましたよ!
「二代目の壱」と副題が付いていますが、やはり「10巻」とも付けてしまうあたりにくい。本棚にずっと収まってた9巻の横にまた新しいげんしけんを並べることができるこの感動!
もともとは一回きりの読みきりとしてアフタヌーンで復活しましたげんしけんですが、去年の秋くらいに「期間限定復活」と銘打たれ短期シリーズ的に再出発し、しかしいつのまにやら限定解除され通常連載になりました。これから先もげんしけんが楽しめてしまうとか嬉しすぎる・・・!
しかし二代目ということで、これまでのげんしけんと変わった点も多くあります。主要メンバーが特にそう。どんな感じになってるかは、感想としてつらつら書いていこうかなと。
春は新歓の季節。現会長は荻上。
なんとか新入生をげんしけんに入れなければと奮闘し、3人の女の子を確保しました。
二代目になってからはこの新入生たちが存在感を放つ内容になっていますね。
明るく活動的な腐女子、吉武。地味系でちょっとだけ頑固な腐女子・矢島。正統派美人だけどやっぱり腐女子・波戸。・・・っておい全員腐ってるー!
現役では荻上と大野さんがいますし、げんしけん一気に女性密度が上がってしまいました。そりゃクッチーもハーレム気取りになってしまいますよ。・・・とか思ってたら予想外の展開が。
新入生の1人、正統派キラキラ美人の波戸さんですが・・・
波戸くんでした。
本名は波戸賢二郎。男の子らしいお名前ですね。なんとなくハーマイオニー的某漫画家さんを思い出します。最近ついに自分から女装しだしましたねあの主人公。今関係ないですけど。
まぁなんにせよこの二代目の壱巻、この波戸くんをめぐるエピソードがとても多く
しかもどれもろくでもない内容ばかりで、その濃いキャラを存分に味わうことができます。
というかそもそも女装&腐男子キャラ。これだけでも強烈すぎるのですが・・・もうどんどん酷い方向に進んでいってしまうのがこの巻の面白いところw
校内の女子トイレで女装してから部室にくることを咎められ、ならばいい着替え場所があるぞとスーが提案したのが斑目のアパート。それを斑目も了承。
部屋を貸してもらってるお礼にと片付け・掃除をしたり通い妻状態の波戸くんです。
しかもそんなシチュエーションに波戸くん自身興奮気味になっており、俯瞰的に物事を見るもう1つの人格を妄想で作り出し、「ハト(自分)×マダ(斑目)・・・アリだな・・・」とか言い出す始末。これには流石のげんしけんメンバーもドン引きである。
というか最初は女装キャラにしても最初はまだ慎みがあったように思うのですが、
心が開けてきたのか、どんどんその真髄があらわになってきてしまいました。
そしてふと斑目と2人きりになったときには、今度は自分が襲われる妄想!
色々ダメすぎませんかこの人ww
別人格を作ってそれで楽しんでる節もあり、相当イタかわいいです。
まぁそうなってしまったことにはシリアスな理由もあるのですが、結局今も女装を続けているのは「楽しいから」という想いが強いためであり・・・うわぁ、まとめてみると本当にダメだw
というか斑目さん、ここにきて意外な料理スキルを発揮し、自らやや危ないルートに踏み出してしまった感あり。斑目さんの未来があらゆる方向から心配です。可愛いですねぇ斑目、ホント。
しかしながら、波戸君はきっぱりと「自分はホモじゃない」と断言しているので、BLに萌えているのもフィクションだという意識をもって、距離をとりつつ楽しんでいるようです。そこらへんのバランスは面白く、リアリティを感じます。この先きっと揺らぐんじゃないかなとも思うんですがw
でも彼を見てると、クッチーじゃなくても言いたくなりますね。こんなにかわいい子が(略)!
げんしけんの魅力の1つにあるのが、オタクだからこそ感じることができる毒というか、共感できる切なさかなとと思います。(自分で自分がオタクだと言うのはなんか変な感じですけど、この場では取り敢えず、ということで。)
そんな要素をいっぱいに背負い、読者から愛され続けているのが斑目というキャラクター。
げんしけんが好きな人はもれなく斑目が好きなんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうか。自分も大好きなのですが、二代目になっても彼の登場が多いのは非常に嬉しいところです。やっぱりげんしけんといえば斑目だよ、なんて思ってしまう自分。
波戸くんという強烈なキャラクターとの絡みが多く印象的ですし、未だにいろいろ引きずってしまっているのも甘酸っぱいなぁ・・・!部室で1人でいる時に、部室にたまって男ばかりでゲームやってた昔を思い出すシーンも素敵。笹原妹に「お前ちゃんと失恋できてねーんだよ」と言われたときには、自分もハッとさせられてしまったり。
でも、うん。変わらずちょっと情けない斑目が、やっぱり大好きだ。
それと斑目とスーとのやりとりはやっぱりすごく和みますねぇ。これも好き。
またその話題に関して、新入生の矢島さんが側面を見せてくれます。
オタクだからと自分で勝手に諦めてしまってる部分に、自己嫌悪してしまったり・・・。
女性のオタクだからこそのコンプレックスというか、劣等感というか。近くに波戸くんなんて人がいたらそれはしょうがないだろうだろうなぁと思いますが、彼女がちょっと悔しい思いをしたり、後悔してしまったりするシーンでは、この作品独特の、リアルな体温みたいなものを感じさせられました。
ああ、あるよなあ、そういうの、なんて。
自己嫌悪で傷つく弱さなんてみんなが持っていると思いますが、そういうのを感じさせてくれるのもこの作品の面白いところでしたね。かわいいなぁ。情けないなぁ。そこがまたかわいい。
ではまとめ。
9巻の発売が2006年12月なので、もう4年以上経っているのですね。しかしそんな長い期間があいたことを感じさせません。懐かしくも心地良い「げんしけん」の空気は健在です。
今回も散りばめられた小ネタの量が凄いですね、スーのカバー範囲の広さ凄いなと!
げんしけんは小ネタに関してもニヤリとできるものが多くていいですねぇ。コアになりすぎない、絶妙で程いいバランス。新しいネタも多数出ましたしね。ブヒるって女の子が言うと可愛いな!
そういえば今回のカバー裏も面白かったですねw斑目とスーはアリですなぁ。
恋愛要素もちらちら顔を出し、大野さんの「田中さん待ち」だとか、荻上の電話とか、57話のオマケ4コマとか、ニヤニヤしてしまうのは仕方がないことですw
かつてげんしけんを読んでいたころ、自分はまだ中学生とかだったわけですが
大学生になった今げんしけん読むと、なんか色々しんどくなりますね☆(笑えない)
個性あるキャラクターたちがわいわいとオタクな話で盛り上がる。
それだけでなんだか凄く面白い。4年ぶりに読んでも、間違いなく。
久しぶりに再開した友達と、昔と変わらないノリで笑い合えたような嬉しさです。
確実に変わってきたげんしけん。たしかに初期のころとは大分違ってきましたけれど、でもやっぱり「げんしけんの空気って、こういうのだったな」と思い出せる部分もたくさんあります。
何度かお話してるのでしつこいかもですが、自分はげんしけんに結構影響受けた生き方しているので、この作品の続きを楽しみにできる、という今がとても幸せです。感慨深いですね。
次の巻もまた楽しみに待つとします!
『げんしけん(二代目の壱)』10巻 ・・・・・・・・・★★★★
まさか「10巻」が出るなんて。面白さは変わらず、新鮮なネタも豊富。やはり面白い!