[本]二代目げんしけん、はじまりはじまり。 『げんしけん』10巻(二代目の壱)
げんしけん 二代目の壱(10) (アフタヌーンKC) (2011/05/23) 木尾 士目 商品詳細を見る |
咲ねーさんのコト 好きだったっしょ?
げんしけん復活ッッ!げんしけん復活ッッ!
ということでまさかのげんしけんの10巻が発売されました。本当に出てしまいましたよ!
「二代目の壱」と副題が付いていますが、やはり「10巻」とも付けてしまうあたりにくい。本棚にずっと収まってた9巻の横にまた新しいげんしけんを並べることができるこの感動!
もともとは一回きりの読みきりとしてアフタヌーンで復活しましたげんしけんですが、去年の秋くらいに「期間限定復活」と銘打たれ短期シリーズ的に再出発し、しかしいつのまにやら限定解除され通常連載になりました。これから先もげんしけんが楽しめてしまうとか嬉しすぎる・・・!
しかし二代目ということで、これまでのげんしけんと変わった点も多くあります。主要メンバーが特にそう。どんな感じになってるかは、感想としてつらつら書いていこうかなと。
春は新歓の季節。現会長は荻上。
なんとか新入生をげんしけんに入れなければと奮闘し、3人の女の子を確保しました。
二代目になってからはこの新入生たちが存在感を放つ内容になっていますね。
明るく活動的な腐女子、吉武。地味系でちょっとだけ頑固な腐女子・矢島。正統派美人だけどやっぱり腐女子・波戸。・・・っておい全員腐ってるー!
現役では荻上と大野さんがいますし、げんしけん一気に女性密度が上がってしまいました。そりゃクッチーもハーレム気取りになってしまいますよ。・・・とか思ってたら予想外の展開が。
新入生の1人、正統派キラキラ美人の波戸さんですが・・・
波戸くんでした。
本名は波戸賢二郎。男の子らしいお名前ですね。なんとなくハーマイオニー的某漫画家さんを思い出します。最近ついに自分から女装しだしましたねあの主人公。今関係ないですけど。
まぁなんにせよこの二代目の壱巻、この波戸くんをめぐるエピソードがとても多く
しかもどれもろくでもない内容ばかりで、その濃いキャラを存分に味わうことができます。
というかそもそも女装&腐男子キャラ。これだけでも強烈すぎるのですが・・・もうどんどん酷い方向に進んでいってしまうのがこの巻の面白いところw
校内の女子トイレで女装してから部室にくることを咎められ、ならばいい着替え場所があるぞとスーが提案したのが斑目のアパート。それを斑目も了承。
部屋を貸してもらってるお礼にと片付け・掃除をしたり通い妻状態の波戸くんです。
しかもそんなシチュエーションに波戸くん自身興奮気味になっており、俯瞰的に物事を見るもう1つの人格を妄想で作り出し、「ハト(自分)×マダ(斑目)・・・アリだな・・・」とか言い出す始末。これには流石のげんしけんメンバーもドン引きである。
というか最初は女装キャラにしても最初はまだ慎みがあったように思うのですが、
心が開けてきたのか、どんどんその真髄があらわになってきてしまいました。
そしてふと斑目と2人きりになったときには、今度は自分が襲われる妄想!
色々ダメすぎませんかこの人ww
別人格を作ってそれで楽しんでる節もあり、相当イタかわいいです。
まぁそうなってしまったことにはシリアスな理由もあるのですが、結局今も女装を続けているのは「楽しいから」という想いが強いためであり・・・うわぁ、まとめてみると本当にダメだw
というか斑目さん、ここにきて意外な料理スキルを発揮し、自らやや危ないルートに踏み出してしまった感あり。斑目さんの未来があらゆる方向から心配です。可愛いですねぇ斑目、ホント。
しかしながら、波戸君はきっぱりと「自分はホモじゃない」と断言しているので、BLに萌えているのもフィクションだという意識をもって、距離をとりつつ楽しんでいるようです。そこらへんのバランスは面白く、リアリティを感じます。この先きっと揺らぐんじゃないかなとも思うんですがw
でも彼を見てると、クッチーじゃなくても言いたくなりますね。こんなにかわいい子が(略)!
げんしけんの魅力の1つにあるのが、オタクだからこそ感じることができる毒というか、共感できる切なさかなとと思います。(自分で自分がオタクだと言うのはなんか変な感じですけど、この場では取り敢えず、ということで。)
そんな要素をいっぱいに背負い、読者から愛され続けているのが斑目というキャラクター。
げんしけんが好きな人はもれなく斑目が好きなんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうか。自分も大好きなのですが、二代目になっても彼の登場が多いのは非常に嬉しいところです。やっぱりげんしけんといえば斑目だよ、なんて思ってしまう自分。
波戸くんという強烈なキャラクターとの絡みが多く印象的ですし、未だにいろいろ引きずってしまっているのも甘酸っぱいなぁ・・・!部室で1人でいる時に、部室にたまって男ばかりでゲームやってた昔を思い出すシーンも素敵。笹原妹に「お前ちゃんと失恋できてねーんだよ」と言われたときには、自分もハッとさせられてしまったり。
でも、うん。変わらずちょっと情けない斑目が、やっぱり大好きだ。
それと斑目とスーとのやりとりはやっぱりすごく和みますねぇ。これも好き。
またその話題に関して、新入生の矢島さんが側面を見せてくれます。
オタクだからと自分で勝手に諦めてしまってる部分に、自己嫌悪してしまったり・・・。
女性のオタクだからこそのコンプレックスというか、劣等感というか。近くに波戸くんなんて人がいたらそれはしょうがないだろうだろうなぁと思いますが、彼女がちょっと悔しい思いをしたり、後悔してしまったりするシーンでは、この作品独特の、リアルな体温みたいなものを感じさせられました。
ああ、あるよなあ、そういうの、なんて。
自己嫌悪で傷つく弱さなんてみんなが持っていると思いますが、そういうのを感じさせてくれるのもこの作品の面白いところでしたね。かわいいなぁ。情けないなぁ。そこがまたかわいい。
ではまとめ。
9巻の発売が2006年12月なので、もう4年以上経っているのですね。しかしそんな長い期間があいたことを感じさせません。懐かしくも心地良い「げんしけん」の空気は健在です。
今回も散りばめられた小ネタの量が凄いですね、スーのカバー範囲の広さ凄いなと!
げんしけんは小ネタに関してもニヤリとできるものが多くていいですねぇ。コアになりすぎない、絶妙で程いいバランス。新しいネタも多数出ましたしね。ブヒるって女の子が言うと可愛いな!
そういえば今回のカバー裏も面白かったですねw斑目とスーはアリですなぁ。
恋愛要素もちらちら顔を出し、大野さんの「田中さん待ち」だとか、荻上の電話とか、57話のオマケ4コマとか、ニヤニヤしてしまうのは仕方がないことですw
かつてげんしけんを読んでいたころ、自分はまだ中学生とかだったわけですが
大学生になった今げんしけん読むと、なんか色々しんどくなりますね☆(笑えない)
個性あるキャラクターたちがわいわいとオタクな話で盛り上がる。
それだけでなんだか凄く面白い。4年ぶりに読んでも、間違いなく。
久しぶりに再開した友達と、昔と変わらないノリで笑い合えたような嬉しさです。
確実に変わってきたげんしけん。たしかに初期のころとは大分違ってきましたけれど、でもやっぱり「げんしけんの空気って、こういうのだったな」と思い出せる部分もたくさんあります。
何度かお話してるのでしつこいかもですが、自分はげんしけんに結構影響受けた生き方しているので、この作品の続きを楽しみにできる、という今がとても幸せです。感慨深いですね。
次の巻もまた楽しみに待つとします!
『げんしけん(二代目の壱)』10巻 ・・・・・・・・・★★★★
まさか「10巻」が出るなんて。面白さは変わらず、新鮮なネタも豊富。やはり面白い!
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取りあえず、荻上がカワユイっすね。髪を下ろしてた方が似合う気がする。てゆうか、大学の時に好きだった子が荻上にちょっと似てたんだけど、髪下ろしモードになるとまた逆に荻上がその人に似てて困る(笑)。
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