[本]その涙を拭えたのなら。 『ディアティア』
ディアティア (2011/05/31) かずま こを 商品詳細を見る |
[急募] 君に会う口実
かずまこを先生が「楽園」で連載していたディアティアが待望の単行本化!
初々しくてほっぺた落ちるくらい可愛らしい2人が惹かれあう様子を描いた作品です。
「ディアティア」とは「Dear Tear」、ずばり「涙」をフィーチャーした青春模様が展開。
装丁も綺麗でお気に入り。表紙画像で見られる色が濃い部分は、水滴をモチーフにしたようなコーティングがされており、その下の絵が滲んでいるなど細かな仕掛けがされています。
ヒロイン・桐ヶ谷の目元に浮かぶ涙も小さくコーティング仕様。拭いたい。
では今日はこの作品の感想をーつらりつらり。
なぜだかモテる高校生・成田のもとに、ひとりの女の子がやってきた。名前は桐ヶ谷。
彼女の周りの女の子たちが次々成田に恋をしてはフラれるので、一体どんな男なのか知るために、なんで想いを受け止めないのか問い詰めるために彼を近くで見てみようと考えたらしく。
そんな探り合うようにであった2人なのですが・・・転がり落ちるようにラブでコメり涙がキラリ☆(同じなーみーだが略)な展開がやってきて、ほくほく顔で読み進められました。
特に葉月さんが登場してからのちょっとした三角関係には悶えましたねー!
ああー、この上手くいかない、もじもじしちゃう感じ。行き場がなくて気まずいような、逃げ出したくなるような、甘酸っぱいような感じ。好きですねぇ。
こんな感じでみんな赤面してばかりだったりするので、赤面スキーにもたまらない一作となっています。
特にメインヒロインの桐ヶ谷さんの赤面の可愛らしさはとどまるところを知らない勢い!
主人公が彼女に発した、ちょっとだけ無神経な言葉。「あんまり女の子って感じがしないから、話してて楽だよ」。主人公・成田はおかれた家庭環境のせいで、女性そのものと女性が流す涙を少しだけ怖がるようになってしまっていました。
彼からすればどことなく『強い』イメージのある桐ヶ谷という少女は、あまり女の子であることを意識しないですむ分気楽に一緒にいられるらしい。
けれどこれが引き金となってしまいました。まだ成田は見えていなかったんですね、桐ヶ谷の『強い』イメージは周囲が勝手に見ていただけのもので、本当は我慢してばかり・涙をこらえてばかりだということが。
傷つき「泣いてる女は嫌いでしょ」と残し帰ろうとする桐ヶ谷の肩に触れ、振り向かせる成田。
(クリック拡大)
泣いたら嫌われる・・・そんなのイヤなのに、泣いてると分かって涙を見ようとした成田。
空気読めてなさそうですけれど、これで桐ヶ谷返してたらもっと駄目だったろうからGJと言うところでしょうか。そして何より、彼女涙から逃げることも見てみぬフリもせず、自分から向き合おうとした成田には、早くも成長と変化が感じられます。
何より泣いてる桐ヶ谷可愛すぎでしょうと!
この作品赤面もたまらないのですが、泣き顔も本当に魅力的なのです。
個人的には美佳先輩もたいへん好きなキャラ。フラれた後「もっと頑張れたらよかったな・・・」と悔いを残してしまった様子がなんとも切なかったです。が、想いは受け取れなくても、好いてくれたことへの感謝を口にした成田に、大粒の涙を零しました。報われなかったけど、彼女はいい恋ができたのかも知れません。幸せな描かれ方は最初から最後までしないキャラクターですけど、結構重要な女性キャラ。
まぁここまで赤面がかわいい涙目がかわいいと書いてまいりましたが
この作品が真の爆発力を見せ付けてくれるのは物語も終盤に入ってから!
特に付き合いだしてからの成田・桐ヶ谷にはニヤニヤが止まらなりません。素晴らしい!
アフターエピソードである「マイディア1」もこれまた凄い・・・!付き合い始めのメールのやり取りを描いたもので、圧倒的破壊力でもって自分の脳を攻撃してくる。可愛すぎますよこの2人!
(クリック拡大)
『やっぱりそのうちキスとかもしてみたいです。』
これだけで幸せすぎて意識が朦朧としてくるレベルですが、続く「マイディア2」は単行本描き下ろしとして収録され各所で話題でしたね。自分もまったくの初見でしたが実際に読み、そのあまりのイチャイチャっぷりに思わず身震い・・・!これは一体どういうことなのだ!2人のちゅーが描かれているのです!!心行くまで幸福感と初々しさを満喫しました。
どんなキスかは、読んでのお楽しみ・・・!
ではまとめ。
本当に可愛らしい、不器用で等身大な恋愛模様を楽しむことができました。満足。
かずま先生はこれまで女の子同士の恋愛を描く作品を単行本で多く発表してきましたが、ディアティアは先生初の、男女の恋愛もの単行本。
あとがきにあった「ハーレム漫画」という言葉には思わずポンを手を打ち納得w
「Dear Tear」というタイトルにあるように、「涙」がテーマの1つにある本作。
それは涙を流すシーンが多く、そして印象的な使われ方をしていることからも伺えましたが、苦手だった涙すら、愛おしく感じるようになった主人公にもニヤリとさせられます。
主人公が乗り越えるべきもの、そして成長を映すものとしても「涙」は描かれているようにも感じました。
主人公自身涙を流すことはしませんが、涙のその真の意味を、真正面から受け取ることができるようになった彼を見るといい気分になれます。これまで若干逃げていましたからね。
第一話ラスト「恥ずかしいからいやです」を絡め昇華した最終話ラストも絶品!
ちょっとだけ高めの単行本ではありますが、可愛らしい恋愛漫画を読みたい人、初々しい2人を見てニヤニヤもじもじしたい人、いろんなオススメしたい作品です。
この物語後半の高揚感・強烈な赤面三昧っぷりは是非味わってみて欲しい・・・!
『ディアティア』 ・・・・・・・・・★★★★
本当に愛らしい2人の、恋の始まりからを追うお話。一巻完結で読みやすいです。
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