[漫画]誰か声かけて・・・誰か好きになって・・・『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』2巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(2) (ガンガンコミックスONLINE) (2012/05/22) 谷川 ニコ 商品詳細を見る |
大丈夫 気にすんなって よくあることだって 元気だせよ
どうしたのもこっち・・・ポーズもなんかかわいい表紙!でも目が死んでる・・・。
直視することができない青春を謳歌する『もこっち』こと、黒木智子を観察するシリーズ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」第2巻が出てます。
今回も、直視できない・・・。しかもなんてこった、物語は夏休みに突入です。
身悶えするほど痛々しいシリーズですが、今回はリア充が浮かれきる夏休み中の彼女の生態(?)が詳細に描かれることとなり、鬱屈しまくりのオタク喪女ライフが展開。
破壊力の高いエピソードもかなり収録されており、勢いにのる一冊でしょう。
もこっちの孤独ぶりも勢いにのる・・・。じゃあ感想を。
新たなダメ少女、登場。『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』1巻
2巻もイタいエピソードがぎっしり。
さっきも書きましたが2巻は1冊まるっと、夏休みの間を描いた内容となっています。
「夏はみんな楽しく遊んでるんだろ?」「私もなんとか夏を漫喫してやる!」とヤル気をだすもこっちですけども・・・まぁ・・・うまくいかないよね、もこっちだもの・・・(ヒドイ)
わざとらしい!なんてわざとらしい「私誘われるの待ってます」アピール!
もこっち、行動力はあるんですよ。でもどうにも世界が彼女に優しくしてくれない。
もっとも、彼女の性格とか言動の極端さとか、理由は探せばいくらでもありそうなのが辛い所。
というか「漫画ならもしかしたら・・・」なんて期待を寄せてしまう部分を「まぁ現実なんてそんなもんですよ」と切り捨てるかのような感触すらあるんだよなぁ、この漫画。
モテない女の子をギャグにしているわけで、実はどういうふうに楽しめばいいのか戸惑うこともあったりしますよ、この作品は。
ギャグもなかなかレベル高いとおもいますが、しかしギャグの質的に、おもいっきり笑い飛ばすことが辛い。それはもこっちが一応女の子だからって遠慮してるわけでもなく、自分とのシンクロ部分があるからですよ。
楽しみながら、あれ、なんか胸がいたい!なんて瞬間が、この作品にはちらほら。
「うわーもこっちイタいなぁー!!・・・あれ、この娘の思考、俺と同じだ・・・」とハッとした時には俺の心がグサリ。思考回路が微妙に似てて辛い・・・。
もこっちの性格の悪さは作品全体で示されてて、タイトルからして多数の第三者「お前ら」に責任放り投げてますけども、やっぱり自分と似てる部分があって。
ちょっと優しくされたら「もしかしてコイツ私のこと好きなんじゃ・・・?」とか都合のいい事考えたり、部屋こもって恋愛ゲームやって悶々しながら奇行に走ったり、ダメ人間のくせに見栄っ張りで・・・・・・うわーなんか他人ごとじゃない。
でもついつい目を離せなくなる作品であり、もこっのは強烈なキャラには惹かれる!
そんなもこっちの残念っぷりは全力で発揮されていたと思うのは・・・考えてみればいつも全力で残念だったけども・・・個人的に印象に強く残ったのはいとこのきーちゃん関連の話。
毎年夏休みに遊びにくるいとこの女の子、きーちゃん。もこっちは彼女に「親戚のオトナなおねーさん」として、なんとなくそれっぽいことを言って優越感に浸っていました。
しかしいよいよ今年、化けの皮が剥がれてしまう・・・。
もこっちに失望の視線を向けるきーちゃんの冷たい無表情が、刺さるッ・・・!
でもあんまり可哀想すぐて、失望とも違う気持ちがきーちゃんの胸に生まれる。
大人げない・・・大人げなさすぎる・・・!
自慢するためにズルをしてまで勝利する。しかも相手は小学生。場所は年下しかいないカードゲーム大会。ズルして得たポジションで「クイーン」と呼ばれご満悦。もう・・・やめて・・・っ
もこっちを理解したきーちゃんは、今後はやさしくしてあげなければと決意。
失望されるのもキツいけど、これはこれで絶対キツいだろう・・・。
そしていたたまれなさ過去トップクラスの第17話「モテないし握手会に行く」もたまらない。
もこっちのオタ趣味を前面に押し出したネタ。そしてもこっちの業の深さが2度3度と事件を起こす、非常に濃いエピードでしたよ。
そしてオチが強烈。声優さんに会ってリクエストしたセリフに自分の声を挿入して編集した、オリジナルボイスドラマを作って・・・、親に聞かれる。
いたたっっっったああああああもうギブギブギブ
親バレとかは結構誰もがゾクゾクッとくるもんだと思います・・・。イヤ~な空気が場を満たして時間が凍りつくような一瞬。
そして自分の恥ずかしい部分が明るみに出されて…ああ逃げたい消えたい死んでしまいたい。
まぁ・・・そんな内容の第2巻。
1巻でもこっちを気に入った人なら間違いなく楽しめる1冊。パワーダウンどころか、さらに面白くなってきてるように思います。
いちいちネタがしんどくて、笑えるんだけどそれだけじゃない苦味を提供してくれるのもこの作品ならではか・・・!今回もいっぱい楽しく、そしてイタい作品でした。
もこっちの状況がこれっぽっちもよくなる兆しがないのがすごいですねえ。
もこっち以外だと弟くんぐらいしか定番キャラいないし・・・最小限の人物で話を広げ盛り上げてるあたりもすごいんじゃないかなと。それだけもこっちのキャラが濃いということか。
3巻は冬ごろ発売とのことで。ガンガンオンラインで追いつつ発売を待ちます。
もこっちが刻んだ、甘さ0%の高校の夏休み。悩んでくすぶっていじけることも、青春か・・・? 確実にダメな方のな・・・。でも、それってやっぱり、共感できてしまう部分も多いのだ。
そうそう、ティッシュを用意するのがやたら手慣れてたもこっちを見て、ほほうほほうとなったダメな読者も結構いるはず。わりとアケスケに思春期の少女の性欲を描いた作品でもあるんですよね。そこも好きなポイントですよ。性欲に限らずともいろんな欲望がうずまいてる。でもそれが上手く実を結ばないのがこの作品の面白さ。
まぁとりあえず、言い訳ばかりのもこっちに、1巻の頃と同じことを言って〆よう。
お前がモテないのはどう考えてもお前が悪い。
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
慣れてきても切れ味鋭い、モテない女子高生の暴走青春物語。傷を負うのはあなたかも?
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正直,大変なショックを受けました。
これまで34年間(内,赤ん坊時代除いて30年?),ありとあらゆる作品を見てきた私ですが,こんな感覚は初めてでした。
もう,とても痛い!としか表現できません。
心臓にザクッザクッ!と,突き刺さってきます。
勝手ながら,当時の深夜アニメ界では『進撃の巨人』という作品をNo,1としたと思われますが,
私にとっては,2011年の『ゆるゆり』『ベン・トー』,2012年の『貧乏神が!』に続く不朽の名作です。
なお,『不朽』とは『後世に残る・・』とあります。
谷川ニコ先生は,この作品が後世にも残ったらどう思うでしょうか。
反応を見てみたいです。