[本]19歳天才少年が女子高教師!“才能”を巡る学園ラブコメ 『やさしいセカイのつくりかた』1巻
やさしいセカイのつくりかた 1 (電撃コミックス) (2011/01/27) 竹葉 久美子 商品詳細を見る |
本当に朝永のこと好きみたいじゃない
待ってました!「やさしいセカイのつくりかた」1巻発売です。
先日一周年を迎えた、電撃大王なのに掲載作品全部オリジナル漫画のみという「電撃大王GENESIS」で連載をしている本作。季刊雑誌なので掲載が遅いことにやきもきしながら毎号楽しみにしているのですが「待ちに待った」な1巻がよーやく発売されてテンション上がってます!
それでは今日はこの作品について。
13歳でアメリカの大学へ入学、大学院へ進み研究に没頭する日々を送っていた朝永悠19歳。
しかし彼の研究に資金提供をしていた会社が倒産、研究の続けられなくなってしまう。
スポンサー探しと資金調達のためにさ迷っているところに、偶然出会った恩師に拝み倒され、学校で臨時講師として教鞭を振るうことに。ところがそこは女子校!19歳の彼は、自分とほとんど歳が同じ少女たちと教師として向かい合うことになってったのだ。
と、なんだかハーレムになりそうなシチュエーションの作品ではありますが、この作品はそこらへんきちんと節操を持っているようです。
メインヒロインは今のところ2人。
かつての事件から男性恐怖症に陥っている純情派ギャル・ハルカ。
年齢不相応な問題を安々と解いてみせるものの、才能をかくそうとする少女・葵。
まずはハルカですが、「男性恐怖症」というのは朝永の前任教師がやらかした事件が強く影響しています。その教師が仕出かしたのは性的暴行未遂なのですが、その被害者となったのがハルカ。
その人物が学校を去った後も彼女の心の傷は癒えず、男を信じられないようになってしまいました。朝永に対しても最初は敵意むき出しです・・・。
ところが少しずつ朝永の人間性にふれて、彼女の中で変化が起こっていきます。
そうなるとこれまで厳しく彼に当たってきたツケが回ってきて、罪悪感なども相まって上手く素直になることができず苦しむハルカちゃんがやたらかわゆい!軽そうな外見と奥ゆかしい女の子らしさのギャップが良いですね・・・!
一度ヘコむとわりと引きずってしまう性格なようですが自分で立ち直って見せたあたり、自分のメンタルのコントロールは上手にできる様子。それでもその方法を巡ってまたひと騒動・・・。
恋してしまったからこそ、それしか見えなくなってしまったのか。
不器用だなぁ、ピュアだなぁ。やっぱり可愛い女の子だ。
(クリック拡大)
「あたしだってまだなんだから!!!」
しかも“まだ”とのこと。うっかり叫んじゃいました。フッフー!
弱くて不器用で臆病で純粋な女の子です。主人公と恋仲になりそうなのはこちら?
しばしばヘアスタイルが変わるのも面白いキャラクターですね。
単行本ラストでは反省も込めて?三つ編み姿で登場。これもかわいいー!
一方葵の方は、先のハルカとはかなり違うキャラクターですね。
天才である朝永に「僕と同類」と言わしめるほどの頭脳を持つ少女。
ですが本人はそれを認めず、周囲にも隠そうとしている。
どうやら彼女の家庭環境にその秘密がありそうですが、それはまだ明かされておりません。
知的興味は旺盛で、それをきっかけにだんだんと主人公に心を開いていく様子は
ラブコメというより人間ドラマとしてニヤニヤできそう。
けれど全く朝永先生を気にしていないという感じでも無いようで・・・?
今後の彼女の動きが非常に気になるところですね。少し控えめな性格も○。
自分を前に進ませないように必死に抑え込んでいるようでもある葵。
けれど朝永が自分と同じくらいの歳に製作した研究ノートを見て少し彼女に異変が。
自分の知らない世界にいる朝永。しょうがない、彼は特別だなのだから。
けれど、くやしい。
静かに闘争心に火が付いた彼女。「もっと上に行きたい」。その想いがより強固に。
彼女は自分の殻を破ることができるのか。
主人公・朝永は言わずもがな天才ですし、葵も明らかに何かを持っている側の人間です。
朝永は幼少の頃から周囲のサポートによって満たされた環境でエリートとして生きてきた。
自分の才能・力量を正し理解し、臆することなく自分の道を歩んで行こうとする
外見とは少しちがって逞しい人間性を持っているキャラクター。
だから葵がなぜ自分の力を活かす方向に進まないのか理解ができない。
かつて彼女と似たような状況にあった彼は、この特殊なケースにおいても人生の先輩として意見ができる立場にある。けれど葵はそれを望まなない・・・。
と言うわけで「押してダメなら引いて誘え」とエサ(研究資料)をチラつかせる作戦を開始したりしますが、注目したいのがこの作品が描く「才能」の取り扱い方ですかね。
異質な、他の人とは大きく違うモノ。
それを持ち存分に発揮しながらも進むことができなくなった教師・朝永と、持っているけれどそれを使って進もうとしない少女・葵。2人の内面の微妙なすれ違いもこの作品の面白いところ。
また、ハルカもこの話題に絡んできます。
自分は特別じゃない。けれど朝永と並ぶためには、「何か」を手にしなくては。
最も自分が活かせるであろう舞台に自ら向かっていくハルカです。
特別なものを持っていないなら、自分の力で特別になるしかない。
上手くいかない現実に苦しまされることもたくさんあるけれど
自分から踏み出してみることが、新しい、やさしいセカイへの第一歩なのかもしれない。
ハルカと葵のどちらにも言えることです。盛り上がってきましたね。
「何か」を持っていながら歩こうとしない少女。「何か」を見つけるために歩き出した少女。爽やかに人間の成長を描いてゆく作品ですね。
とまぁなんだか偉そうなこと書きましたが、結論言うと女の子がかわいい!だから好き!
けれどどれだけの作品じゃないんだってことで長々書いてしまいました。
ハルカちゃんも葵ちゃんも可愛くて困っちゃいますね!おのれ朝永(呼び捨て)!
作者の竹葉久美子先生はこの作品が初単行本となる新人さんですが、人気的も好調らしく嬉しいですね。4月発売のGENESIS次号表紙を獲得したようです。
パンチラ等もありますが程度は抑えられ上品な読み心地。柔らかくもスッキリしたタッチと画面作りで読みやすくて嬉しいです。メインでは無くとも色んな女の子が登場しますしね。
物語も人気もさらに盛り上がっていきそうな「やさしいセカイのつくりかた」。
期待できるシリーズだと思います。しばらくかかりそうですが2巻が楽しみ。
『やさしいセカイのつくりかた』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
ヒロインたちがそれぞれ魅力的。メインの2人には頑張って欲しいなぁ。
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