[漫画]恐怖、恋愛、快楽、全部ぜんぶグチャグチャだ。『蟲姫』
本日9月6日は黒ロンの日。黒ロン祭に参加する記事です。
前々からこっそり「黒ロンの日用にとっておこう」と暖めていた作品のひとつだったりします。
今年は何について書こうかなと考えた時、やはりコレだなと思いました。
「蟲姫」という作品です。全3巻で、こないだ完結しました。→公式紹介ページ
自分の趣味嗜好を考えるに、黒ロンというのは恐怖とロマンを同時に孕んだような、底しれない何かを感じさせてくれるような、背筋がゾクゾク震え立つような、そういうのを求めてしまいがちです。
そういった部分で最近読んだ漫画で一番ゾクゾクきたのは、この「蟲姫」だったのです。
現代社会が異常発生した虫たちから攻撃を受ける、パニックホラー漫画であり
その核となるキャラクター、宗方聴久子が今回とりあげたい黒ロンヒロイン。
ぶっちゃけると人の形をしたモンスターで、人間食べます。
口から触手のばしたりして、キスして相手の内側から触手ねじこんで洗脳したり
腕からトゲはやしたり、毒を打ち込んだり、恐ろしいですね!
けれど彼女時折、涙を流す。
そして次々明かされる彼女の悲壮な過去。想い。
そういった部分できちんと魅せてくれる作品。
虫たちが活躍(いろんな意味で)する作品のため、虫嫌いな人はページをめくっただけでトラウマになりかねない。そこは注意なんですが、パニックものとしての緊迫感や高揚感、そしてその中に息づく哀しみや痛みといった繊細な感情表現が見事。
全3巻という尺も過不足無く、一本の映画を見たような感覚です。
作品紹介はこれくらいにして。今日の記事は黒ロン更新用なんですよ。
なんのためにこれを書いているのか。黒ロンのためです。
宗方聴久子。本作のヒロイン兼ラスボス。
シンプルイズベスト。ストレートな黒髪、セーラー服、凛々しい顔。
第1巻ではじわじわと主人公に忍び寄り、2巻では主人公を我が物にしようと強烈な束縛心を見せる。
作品内でラスボス扱いなのに、なんかもう、強さも弱さも兼ね揃えていて、正直メロメロにされます。
若干ネタバレをしますが、聴久子は主人公に大して本能的に惹かれてしまうワケがあります。
作品のキーとなる「虫」にまつわる事なのですが、そこに元はと言えば人間であった、聴久子という単なるひとりの女の子の想いもある。
生存願望。生殖欲求。
どこからが人の欲望で、どこまでが虫の本能なのか、その境界はもはや誰にもわからない。
ある種アンビバレントな感情を融合させあるいはねじ伏せ、
ここまで強くオーラのある形であれる彼女の立ち姿そのものがカッコいいのです。
けれど彼女は時折、涙を流す。
人でなくなった自分を嘆き、悲しむ。
今なおせめぎあう彼女の中の「人」と「虫」。
彼女というキャラクターの内で渦巻くものを感じ取ると、感情移入の先はむしろ、彼女になる。
味わい深い女の子だと思います。異型のモンスターでもあり、どこまでも儚い少女でもある。
結局、運命に翻弄されていた中で暴走していただけなのかもしれないけれど
彼女のたどる結末も含め、幸福を望みたくなる。
そして彼女の行う捕食行為も官能的で・・・こう・・・キモチワルいのに・・・じっと見てしまうよね・・・。
グロテスクかつエロティックな要素というのが本作はいたるところまで充満していて
息がくるしくほどに世界観のいやらしさが感じられます。
この作品、作画をイラストレーターの里見有さんが担当しています。
漫画としての完成度も高くすばらしいのですが、1枚絵の一気に読み手の心を掴んでくる、イラストレーターさんならではのワザも堪能できてそこも大好きです。見開きや、ここぞというキメゴマもありますし、個人的には各話扉絵が大好きなんですよ・・・
特に1巻の扉というのが、だんだんと距離を詰めてくるヒロインのミステリアスの魅力を
存分に味わえる見事なイラストで飾られているのです。一部を紹介すると
カッコいいなこれ!!!!! 忍び寄る恐怖と官能の世界が、見事に表れているのではないでしょうか。
そんなわけで個人的には今年読んだ中で最強黒ロン、宗方聴久子さんの紹介でした。
クライマックスは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。ハッピー・・・エンド・・・!!
あとオマケ的に最近読んだ中でよかった黒ロンちゃんを追加でふたり。
主人公が黒ロン。召喚した悪魔にぶつくさ文句いいつつ友達づくりを頑張る不器用ガール。
やさしい雰囲気のコメディ漫画のようでいて、時々するどい言葉でこちらを突き刺してくる。
主人公のいじけっぷりや謎理論武装もかわいい、それ以上にがんばる姿がまたかわいい。
麦盛なぎ先生は思春期の空気を描くのが本当にうまい。線から言葉から思春期が感じられるぜ・・・!
ちょっと歪んだお父さんの秘密を隠そうと奮闘する、家族思いな黒ロン中学生主人公。
ツヤ髪が踊るたびに俺の心も弾むし、むしろ第1話の1コマ目で髪を結うしぐさで俺は死んだ。
前々からこっそり「黒ロンの日用にとっておこう」と暖めていた作品のひとつだったりします。
今年は何について書こうかなと考えた時、やはりコレだなと思いました。
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「蟲姫」という作品です。全3巻で、こないだ完結しました。→公式紹介ページ
自分の趣味嗜好を考えるに、黒ロンというのは恐怖とロマンを同時に孕んだような、底しれない何かを感じさせてくれるような、背筋がゾクゾク震え立つような、そういうのを求めてしまいがちです。
そういった部分で最近読んだ漫画で一番ゾクゾクきたのは、この「蟲姫」だったのです。
現代社会が異常発生した虫たちから攻撃を受ける、パニックホラー漫画であり
その核となるキャラクター、宗方聴久子が今回とりあげたい黒ロンヒロイン。
ぶっちゃけると人の形をしたモンスターで、人間食べます。
口から触手のばしたりして、キスして相手の内側から触手ねじこんで洗脳したり
腕からトゲはやしたり、毒を打ち込んだり、恐ろしいですね!
けれど彼女時折、涙を流す。
そして次々明かされる彼女の悲壮な過去。想い。
そういった部分できちんと魅せてくれる作品。
虫たちが活躍(いろんな意味で)する作品のため、虫嫌いな人はページをめくっただけでトラウマになりかねない。そこは注意なんですが、パニックものとしての緊迫感や高揚感、そしてその中に息づく哀しみや痛みといった繊細な感情表現が見事。
全3巻という尺も過不足無く、一本の映画を見たような感覚です。
作品紹介はこれくらいにして。今日の記事は黒ロン更新用なんですよ。
なんのためにこれを書いているのか。黒ロンのためです。
宗方聴久子。本作のヒロイン兼ラスボス。
シンプルイズベスト。ストレートな黒髪、セーラー服、凛々しい顔。
第1巻ではじわじわと主人公に忍び寄り、2巻では主人公を我が物にしようと強烈な束縛心を見せる。
作品内でラスボス扱いなのに、なんかもう、強さも弱さも兼ね揃えていて、正直メロメロにされます。
若干ネタバレをしますが、聴久子は主人公に大して本能的に惹かれてしまうワケがあります。
作品のキーとなる「虫」にまつわる事なのですが、そこに元はと言えば人間であった、聴久子という単なるひとりの女の子の想いもある。
生存願望。生殖欲求。
どこからが人の欲望で、どこまでが虫の本能なのか、その境界はもはや誰にもわからない。
ある種アンビバレントな感情を融合させあるいはねじ伏せ、
ここまで強くオーラのある形であれる彼女の立ち姿そのものがカッコいいのです。
けれど彼女は時折、涙を流す。
人でなくなった自分を嘆き、悲しむ。
今なおせめぎあう彼女の中の「人」と「虫」。
彼女というキャラクターの内で渦巻くものを感じ取ると、感情移入の先はむしろ、彼女になる。
味わい深い女の子だと思います。異型のモンスターでもあり、どこまでも儚い少女でもある。
結局、運命に翻弄されていた中で暴走していただけなのかもしれないけれど
彼女のたどる結末も含め、幸福を望みたくなる。
そして彼女の行う捕食行為も官能的で・・・こう・・・キモチワルいのに・・・じっと見てしまうよね・・・。
グロテスクかつエロティックな要素というのが本作はいたるところまで充満していて
息がくるしくほどに世界観のいやらしさが感じられます。
この作品、作画をイラストレーターの里見有さんが担当しています。
漫画としての完成度も高くすばらしいのですが、1枚絵の一気に読み手の心を掴んでくる、イラストレーターさんならではのワザも堪能できてそこも大好きです。見開きや、ここぞというキメゴマもありますし、個人的には各話扉絵が大好きなんですよ・・・
特に1巻の扉というのが、だんだんと距離を詰めてくるヒロインのミステリアスの魅力を
存分に味わえる見事なイラストで飾られているのです。一部を紹介すると
カッコいいなこれ!!!!! 忍び寄る恐怖と官能の世界が、見事に表れているのではないでしょうか。
そんなわけで個人的には今年読んだ中で最強黒ロン、宗方聴久子さんの紹介でした。
クライマックスは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。ハッピー・・・エンド・・・!!
あとオマケ的に最近読んだ中でよかった黒ロンちゃんを追加でふたり。
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主人公が黒ロン。召喚した悪魔にぶつくさ文句いいつつ友達づくりを頑張る不器用ガール。
やさしい雰囲気のコメディ漫画のようでいて、時々するどい言葉でこちらを突き刺してくる。
主人公のいじけっぷりや謎理論武装もかわいい、それ以上にがんばる姿がまたかわいい。
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麦盛なぎ先生は思春期の空気を描くのが本当にうまい。線から言葉から思春期が感じられるぜ・・・!
ちょっと歪んだお父さんの秘密を隠そうと奮闘する、家族思いな黒ロン中学生主人公。
ツヤ髪が踊るたびに俺の心も弾むし、むしろ第1話の1コマ目で髪を結うしぐさで俺は死んだ。
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