[本]“一ノ橋魂”が激熱!譲れない信念のぶつかり合い! 『ハンザスカイ』5巻
ハンザスカイ 5 (少年チャンピオン・コミックス) (2011/02/08) 佐渡川 準 商品詳細を見る |
まぁ 見てろ
週刊少年チャンピオンにて連載中の「ハンザスカイ」の5巻。
この巻はまるっとVS一ノ橋高校編!これが無茶苦茶に熱いのです!
チャンピオンで連載を追っていた時から毎週震えんばかりに興奮していたのですが
単行本でまとめて読むと面白さがさらに凄いことになってしまいました。大変だ。
今日はそんなハンザスカイ5巻感想です。
巨体を活かした威圧的な試合を展開する一ノ橋・木田に苦しめられる半座。
そうして4巻が終わり、5巻はなかなか苦しい場面からスタートするのですが、
体格でもパワーでも経験でも向こうに利がある中で、決して引かない・諦めない半座にしょっぱなから心掴まされますね。
その後も次々と主人公サイド・御門高校の面々は活躍していくわけですが(次峰・野田にはあえて触れない。でも今週号のチャンピオン熱かったですね)、しかし一番心震えたのは、意外かもしれませんが相手校である一ノ橋高校についてだったり。
「一ノ橋魂」がこれちょっとカッコよすぎじゃないですかと!
毎巻欠かさずついているあとがきでは佐渡川先生もこの件に触れており、「一ノ橋魂にキレイな体育会系の側面をのっけれたらなと思いました」と書いてありました。
少なくとも自分は、彼らの魂にすっかり惚れてしまいましたね。お見事。堪りません。
一ノ橋は出場各選手のレベルがとても高い、前年度の準優勝校。
しかしただ単に強いばかりじゃないのが彼ら。番場と試合をした一ノ橋中堅・本郷選手がその例であるのですが、彼は正攻法では戦わなかった。審判を騙す・相手の反則誘う・・・勝利を得るために、美しいとは決して呼べない方法でポイントを狙った。
綿密に、時として狡猾に、勝利を目指す。卑怯かもしれないがそれも戦略。
分かってはいますが読者としてあまり気持ちのいい試合では無いですね・・・。本郷に見事勝利した番場がヤバいほどカッコよく見えたものでした。
やっぱ御門の選手たちは気持ちいい奴ばっかりだなー良いわー(ただし野田、てめーはダメだ)とか思いながら読み進め、ついに団体戦は決しました。
御門の勝利。副将戦での財前先輩の予想外の試合運びに胸が熱くなるのは当然。大将戦に入る前に勝負は決まってしまいました。・・・しかしここからなんですよね。勝利のために戦う一ノ橋魂の真価は、皮肉にも敗北してから輝いたのでした。
ここで自分の中で一ノ橋の評価が完全に一転してしまいましたね。
一ノ橋大将・工藤は力強く前に出ます。勝敗はすでに決した・・・それでも戦わなければならない大将戦へ。この試合の頑張りももぎ取った勝利も、団体戦の結果には結び付きません。けれど彼は全力で最後の試合に挑む・・・!
見せつけるは、代々受け継がれてきた信念。
一年前、それを先輩から受け取った。
『生きてる限り貪欲に、死してもなお、勝利の2文字にかじりつく一ノ橋魂』。
今度は彼の番なのだ。自分たちを負かした相手に、後ろで自分の背を見ている後輩たちに、それを強く示すこと。生かし、次に繋げていくこと。今回で引退する工藤の、それが最後の役割。
ヤバいですねこのカッコよさ!勝利にはもう届かない、けれどまだ試合は終わっていないのです。勝利が手に入らないからと言ってすごすご逃げるわけにはいかない。諦めた姿を見せるわけにはいかない。突き付けられた敗北すら退けて最後まで戦い抜くのだ。
「先輩」「後輩」の縦の関係は日本には根強く、問題点も様々あるようです。
けれどこの一ノ橋魂にはそんな悪いイメージを吹き飛ばす、気合いの入ったメッセージが込められているように感じましたね。一ノ橋魂は青臭くチャチな精神論。だからこそとても大切なものに感じます。伝統の重み。
繋がっていくもの、繋げていかなければならないもの・・・確かにある。
試合終了後、工藤は来年も大会に出られる下の部員たちへ、自分が受け取った時と同じく「後 たのんだぜ」と伝え、御門の前から姿を消していきました。縦の関係だからこそのカタルシスが詰まった素晴らしい内容でした。切なくも熱い名試合だったと思います。
偉大な背中は、きっと色々な場所に見つけられる。
少し長いこと一ノ橋魂について書いてしまいましたが、その中で主人公サイド・御門の大将の青柳にも魅せられますねぇ。工藤の決意を汲みとりつつも、手加減なんてしてやる筈が無い。
一ノ橋も応援したくなる気持ちに読者をさせて、敵として立ちはだかる青柳の決意と気迫をより強く印象付けてきました。誰だって軟弱な考えでそこに立っているわけがない。非情にならざるを得ないのが勝負という舞台なのだから。上手いなぁ。
一ノ橋魂は主人公サイドではない一相手校に持ってきたのがもったいないくらいの名エピソードだったと思うのですが、そのおかげで試合の中に渦巻き対立する2つの勝利への渇望をより立体的に楽しめるようになっていたなと思います。・・・自分で書いてて意味が分かりませんが、ようするに相手校の掘り下げ方もすごくしっかりしていて、ドラマの楽しみ方に幅が生まれていたなと。プライドとプライドのぶつかり合い!
また5巻は非常に試合シーンが多く、各キャラ華のあるシーンが用意されています。
血の気の多い内容で単純にアクションもカッコ良いのですが、上手くキャラクターの心情を描いてさらに試合展開を盛り上げてくるんですよね。ホイホイ釣られる。
番場、財前、青柳の先輩キャラはそれぞれタイプの違った男たちですが、3人とも本当いい先輩っぷりですね!特に番場先輩はどれだけ魅せてくれるんだと!
一応メイン・・・ヒロイン・・・?な藤木先輩の試合シーンも初めて描かれて、女の子成分バッチリ。もなかちゃんもかわいいすなぁ。かわいいすなぁ。(大事なので2回
個人的に今後の期待も非常に大きい本作品。6巻も楽しみですね!
恥ずかしながらやっと去年からチャンピオン購読始めたんですが、ハンザスカイを始め面白い作品多いですねー。何気に勢いが結構凄いことになってると思いますよチャンピオン。
『ハンザスカイ』5巻 ・・・・・・・・・★★★★
受け継がれていく偉大な背中・・・魅せる試合の連続に熱くさせられまくり!
Comment
コメントの投稿
Track Back
TB URL