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[漫画]きっと許されない恋だけど。『Liqueur―リキュール―』Vol.2

ブラコンアンソロジー Liqueur―リキュール―2 (Flex Comix)ブラコンアンソロジー Liqueur―リキュール―2 (Flex Comix)
(2012/08/11)
草野紅壱、kashmir 他

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   でもこれからは 一緒にいられないよ

うひょう!ブラコンアンソロジー「Liqueur(リキュール)」のVol.2がでました。
vol.1は去年の春に出たので、1年以上ぶりになりました。Vol.1もお気にいりだったので、待ってましたの一冊。
まずテーマがブラコンですよ。姉/妹オンリーの近親恋愛アンソロジーって時点で買います買います。
それに参加している作家さんもなかなかに豪華で見逃せない。
Vol.1とは結構違った作家さんの並びになっていますが、固定されるよりは良し良し。
作家一覧は公式HPとかでチェックできますのでそちらで。
この公式HPの「ブラコン・ネバー・ダイ」のコピー大好きw (ちょっと終了フラグを感じますがVol.3も待ってますよ!)

豪華執筆陣で送る姉/妹オンリー本 『Liqueur-リキュール-』



では気に入った作品を順番に触れていきたいなと。

●ある姉の不道徳/渡辺静
「この彼女はフィクションです。」の人。黒髪セミロングのおねえちゃんが主人公。
後半の変貌がインパクト大でした。最初のイメージをぶち壊す乱れっぷりがすごいw
やましさや罪悪感を内に秘めた感情描写もひかり、巻頭らしく勢い十分な一作。

●伝染/よしだもろへ
うーかわいいー。よしだもろへさんの女の子はかわいい。
兄姉の気兼ねない距離感に1人胸ときめかす妹、という構図が魅力的に描かれいます。

リキュール21

許されない恋をしているという苦しみがにじみ出ていて雰囲気も好み。
こういうふわふわした片思いは、切ないけどほっとします。お兄ちゃんが狙っていたら面白いんだけど、お兄ちゃん純朴そうだし、なさそうだなぁ・・・。
明らかに狙って子供っぽいデザインの妹ちゃんが見せる、キス直前の色っぽい表情がたまらないです。

●よるとまひる2/カザマアヤミ
Vol.1からの続投作。前回に一瞬見せた寂しさを拡大させたようなエピソード。
成長への、変わっていくことへの恐怖がまひるを捉えてはなさない。普段のあっけらかんとした明るく騒がしい振る舞いは、そういう現実から逃れたいという思いもあるんだろうな。
というか今回でグッとこの2人のドラマが深まったし続きとか気になります。普通に連載とかしてくんないですかね!ハフハフ

●おにいちゃんカメラ/雨隠ギド
きたー雨隠ギドさん!今回のVol.2で一番好きな作品でした。
切ない雰囲気を醸しつつ、けれど明るく進行していくのですが、なんといってもエンディングが好きすぎる。こういう、思いを引きずる女性の姿に弱いのかもしれないな、俺。
やっぱり肉親は近すぎて壁があって、それを乗り越える2人もいればそうじゃない人もいる。でも穏やかな表情で思い出をとりだすこのラスト、じんわり染みる。ブラコンネバーダイ。死なせはしないこの恋。自然に死んだりもしない。

●いもうと観察日記/kashmir
かまってちゃんな妹ちゃんが輝きまくる一作。むぅぅかわいい。
最後の複雑そうな表情も味わい深い・・・な・・・困ったものだ・・・ふぅ。6ページと短い作品ですが、これでもかと1人の女の子のかわいいポイントを押し込めたような構成で、満足度たかし。

●今年からは妹/狩野蒼穹
これも大好き。最後のページのぐぐっと引き込まれました。
狩野蒼穹さんといえば執拗なまでに姉×弟もののエロスな漫画を発表している作家さんですが、本作も多分に漏れず姉漫画!しかし姉は「あたし妹になるわ」と宣言。
詳しくは言わないけど1番トリッキーだったかな。面白かったです。ナイス姉漫画。

●たぬきねいり/キダニエル
キダニエルさんの作品は今回はじめて読みましたが、いい表情を描く作家さんですね
クールな甘えん坊という妹のキャラクターにやられました。
主導権をにぎりたいのかそうでないのか、あやふやな妹ちゃん。いや、これはただ兄といっしょにいたいだけだw コロコロといろんな表情を見せてくれるのも愛らしい。

リキュール22

可愛らしいだけでなく葛藤も描かれていて、軽いものにはなっていないのもいいですね。

●たくらんで妹/位置原光Z
いつもの位置原先生のマンガです、おわり。
・・・いや終わりませんけど、いつものあんなノリですよ!
女の子がダベってはじまりダベって終わる基本スタイル。でもちゃんとブラコン漫画。アホらしい盛り上がりの中でブラコン魂に火がつき、おのおの密かにたぎっていくのに笑ったw

●はさみ。/大朋めがね
大朋めがねさんの涼やかな絵柄はトリにピッタリじゃないでしょうか。ラストの作品。
これもラストシーンがすごく好き。切ない余韻が広がり、大満足で本を読み終えました。
笑顔のまま出て行って、最後のページ、子供がふしぎそうに彼女の顔を見上げて終わる。どんな表情をしていたのかはわからないけど、きっと・・・。
ハッピーでキュートなものも好きですが、ヒリヒリする甘酸っぱいものもいい。



そんなリキュールVol.2でした。
今回は姉にも妹にも目立った作品があって、バランスがよかったと思います。
ページ数も参加作家も増え、パワーアップが上手くいってる印象。
あとVol.1より、なんとなく切なげな作品が増えてる・・・かも?
このジャンルにならそういう要素を期待しがちな自分としては嬉しい傾向ですよ!
チクリと心に刺さる背徳感。家族だからこそ想いを届けることができない切なさ。近くて遠い・・・そして許されない恋。そんなこのジャンルならでは醍醐味がいいスパイスになっています。Vol.1でも感じましたが、さらに。
いろんな作家さんのブラコン少女の漫画を読めるということで、自分はこのシリーズ大応援ですよ。
あとは安定して供給してもらえれば嬉しいんですが・・・Vol.3は出るのかな。
安定して供給してほしいのはフレコミ全体に言えることですが。ゲフンゲフン
ともかく、今回も良質な一冊でした。いろんな作家さんに触れることができますし、作家の新規開拓という意味でも個人的にはおいしい。

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漫画と邦ロックとゲーム。
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