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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[本]豪華執筆陣で送る姉/妹オンリー本 『Liqueur-リキュール-』

ブラコンアンソロジー Liqueur ―リキュール― (フレックスコミックス)ブラコンアンソロジー Liqueur ―リキュール― (フレックスコミックス)
(2011/04/12)
カトウ ハルアキ、草野 紅壱 他

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   ホント仲良しね~この子たち

発売からしばらく経ってしまいましたが、今日はフレックスコミックスから発売されましたブラコンアンソロジー「Liqueur(リキュール)」の感想を!
姉/妹キャラをメインに据えた近親恋愛ばかりを集めており、このコンセプトが発表された時点で購入を決心したものですが、驚くべきは参加作家さんの豪華さ!
自分が持つアンソロジー本の常識を覆す圧倒的な作家陣。よくぞここまで毛色の違う作家さんをズラリ集めたものだと感動すら覚えます。参加作家さん一覧は以下。
カトウハルアキ、草野紅壱、日坂水柯、水上悟志、カザマアヤミ、朝木貴行、春野友矢、桜野みねね、山田J太、押切蓮介、高崎ゆうき、幾夜大黒堂、マシュー正木、来瀬ナオ、小坂泰之、百合原明(敬称略)。
活躍するジャンルも掲載誌もバラバラな作家さんたち。実際本を手にしても、非常に多彩な誌面になっていました。しかしなんにせよ作品数が多いので、今回は特に気になった作品をいくつか取り上げていきたいと思います。本当は全部取り上げたいくらい・・・!
フレコミの公式で試し読みもできるので、気になる方はまずそちらをチェック。

夕日ロマンス/カトウハルアキ

夕日ロマンスの続編がついに登場!・・・pixivでたまに単発漫画があがっていますけども。
この本の表紙もこの作品で、フレコミレーベルの姉弟漫画といえばコレなので納得の選出。
夕日ロマンスとは、見た目クールビューティなお姉さんがこっそりとなんて全くせずに欲望の赴くままに堂々と実の弟との愛を叫び愛に生きる、極上の姉弟漫画です。ざっくり。
久しぶりの長編新作(1Pのみではないので長編とは言えると思います)となりますが、雰囲気やノリはしっかり「夕日ロマンス」になっており、単行本が好きだった方には間違いなくオススメできるエピソードだったと思います。
今回もお姉ちゃんは美人だけど残念すぎて・・・・・・かわいいなぁ本当!
ユウ姉ちゃんの迸るラブがヒロをを襲いますが、飄々としたヒロは特にツッコミもせず受け流します。それは別に冷めてるわけじゃなくて、ゆるやかでまろやかで、情熱的な2人の時間を表しているのですね。お互いそれが普通で、傷つくでも興奮するでもなく、ただじゃれあっているだけのような、でも幼年の時のそれとは大分違う感情や意味を孕んでもいて・・・ああ、やっぱりこの2人の空気が自分は大好き。

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ユウがこんな表情を見せるのは弟だけ。それは家族だからであり、そしてそれとは大きく異なる想いがあるからこそ。甘い時間の中にほんのり香るインモラル。
ユウとヒロは、きっとずっとこんな調子でイチャイチャしているんでしょうね。

夕日ロマンス(Flex Comix)夕日ロマンス(Flex Comix)
(2007/07/12)
カトウ ハルアキ

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単行本「夕日ロマンス」も大変オススメです。
カトウハルアキ先生としても本当に思いいれ強いキャラクターたちであるようで、いずれまた単行本として出て欲しいです。・・・でもそれよりまずヒャッコ最新話マダー!!!(バンバン

わにあに/水上悟志

そのまんま、兄がワニになっちゃったという話。タイトル思いついてそのまま作品のネタにしまった感じがしますw 水上先生らしさを感じられるコメディ。

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おう、流石はワニ、食いっぷりも豪快です。
水上先生は爬虫類が好きなんでしょうかね。ワニ兄も無表情なはずなのにどこか愛嬌あるように見えて面白いです。そしてワニになっても兄のことが好きで好きでしょうがな下の妹さんと、ちゃんと冷静な部分もある上の妹さんの組み合わせも賑やか。
特に下の妹さんは「兄と妹」という血縁の壁、「人と爬虫類」という種族の壁・・・と分厚い2つの壁を乗り越えんとするエネルギッシュな一途さがかわいらしいw
そう長いお話ではないのですが、水上先生の短編集が好きな方はツボそうです。

よるとまひる/カザマアヤミ

カザマアヤミ先生の作品は双子もの。いちおう妹ヒロインです。
いつでもどこでもべったりな妹に悶々させられるお兄ちゃん。2人セットでかわゆし!

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ずっとにこにこしてる妹さんを見ていると自分もにこにこしてしまいます。ぐふふ。
しかしそんな彼女の笑顔がふと翳るシーンがあります。そこが「もう大人になるのやめようよ・・・」と零したとき。ただの双子の兄と妹が「男」と「女」で分けられてしまうのが、なんだかさびしい。それは仕方の無い成長なのだけれど、いつまでも子供のように何も考えないで居られたら・・・なんて考えてしまう。
成長に伴う距離感の変化に戸惑う2人。けどカラッと明るく終わってくれて読後感良し!
妹さんの笑顔にほんわか癒される短編。双子をテーマにした作品はレアでした。

世界で一番残酷な恋/百合原明

この作品は血縁関係の切なさをストレートに扱った作品。
頭も良くてカッコいい兄ちゃん。他の女の子たちからもモテモテです。
自慢のお兄ちゃんに憧れと、それ以上の感情をあふれさせる主人公ですが、お兄ちゃんはいつもさらっとそれを受け流します。そうやってじゃれあっているのも、彼女にとっては幸せなんだけれど、満たされないことに不満もあり。
けれどお兄ちゃんに恋人がいると知って、妹さんはほろり涙。

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兄にとっては、自分は「ただの妹」。どんなに好きでも、自分が妹である限り、この恋を真面目に取り合ってもらうことは叶わない。妹だからというだけで、恋が許されないなんて。
幸せな物語ではありませんが、だからこそ血縁関係における恋愛の切実さにリアリティを感じました。そう簡単に全ての人がなにもかも踏み越えていけるわけがない。
今回で初めて作品を読む作家さんでしたが、絵も美しく読みやすいし、チェックしていきたいです。主人公のまっすぐさが眩しく可愛くセンチメンタル。いいなぁいいなぁ。



しかし良作ぞろいの本アンソロ。上記4作しか触れないというのもさびしいので
上で書かなかったもの以外の全収録作品それぞれににさらにざっくりとした感想を。

・ずっと一緒のあなたと私/草野紅壱
「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだから(以下略)」の作家さんということであのようなノリかなと思いきや意外や意外、失恋を描くシリアスもの。
主人公のお姉ちゃんがした最後の攻撃は、姉と弟としての距離を図りきったものでありつつも、非常に切ない選択。けどそんなに敗北感溜め込まなくてもなぁ。つらい。
・てのひら/山田J太
やったぜ盲目ヒロイン大好物!(うわぁ)。とテンション上がりますがこれも結構シリアス。
兄の面影を、そのまま救いにし続け生きてきた少女。結末はショッキングだが、晴れやか。
・ハッピードッグライフ!/桜野みねね
みねね先生こそ胸も涙腺もギュンギュンきそうな切ないお話を持ってくると予想していたのですが、おもいっきり能天気な妹コメディでしたw語る部分は少ないですが素直に妹さん可愛い。
ところでみねね先生は最近マッグガーデンから離れたところでも活動するようになりましたねぇ。結構前ですが烈でも読みきりを掲載していましたし(しかも若干ホラー)。精力的でなによりです。現在やってる連載も楽しみにしています。
・じょそおとっ/幾夜大黒堂
アクションありサービスありで作画的にも非常に賑やかな作品。ちょっと読み辛い気も。
・お兄ちゃんといっしょ/マシュー正木
妹ダブルヒロイン制。ヒロイン達の年齢が低いためかバカっぽくも健全なコメディ。
・ふたり/小坂泰之
個人的にイチオシの作品でした。だったら上で取り上げろよ。すいません。
普段ツンケンしてる妹ですが、本当はしっかりお兄ちゃんのことを心配していて、それが明かされるシーンには大変ニヤニヤさせていただきましたw 連載で長く読んでみたい作品。
互いが互いの支え。たった2人で生きていくのだから。いつか終わりが来るまでは。
・お兄ちゃんをプロデュース!/高崎ゆうき
ページ数も他と比べて若干多めで、綺麗な起承転結があるストーリー。兄ちゃんに主体性がないように感じてしまいましたが、頑張り屋さんな妹ちゃんに◎。
・はちみつホーム/来瀬ナオ
貴重な姉漫画ー。しかもOLさん。社会人ヒロインはこの本では貴重でした。
・夏のおもいで/押切蓮介
参戦作家が発表されたとき、押切先生だけちょっと浮いてるなぁと感じましたが、実際読んで見たら浮いてる度合いがちょっとどころじゃありませんでしたw作者コメントにも笑ったw
・あねーと/朝木貴行
これもかなり面白かった。恋人じゃなく、家族であり続けることを選んだのですね。
家族なんだから、スタートラインからしてそもそも違うのだ。家族というだけで、ずっと繋がっていられるのだから。いろいろ思うところはあるにしても関係のカタチとしては道徳的で、切ない。でもまぁ、お姉ちゃんが笑っていてくれるならそれでいい。
・みらいもん/春野友矢
期待通りのノリと押しの強いギャグ。未来からやってきた妹と現在の妹がいろいろ言い争うお話ですが、やっぱりコメディ色が強すぎてラブコメって感じがしない春野先生カラーはそのままw
・くすりゆびさき/日坂水柯
トリを飾るのは日坂先生。この配置は納得。詩的表現を優先しすぎていっこのシチュエーションを提示するだけに終わってしまっているのが残念ではあるにしろ、こういうのが好きだったりします。爪とぎというシチュはなかなかマニアックで面白かったですね。



・・・・・・・・・・全部やろうとしたらそりゃ長くなりますよねー・・・。ではまとめ。
ブラコンヒロインたちをズラリ集めたアンソロジー「リキュール」、個人的にはかなり満足のいく内容でした。この値段でこの作家陣でこの内容、お得感が凄い・・・!
甘いラブコメチックな作品が半数ほどを占めていますが、チクリと心に刺さる背徳感や、家族だからこそ想いを届けることができない切なさなど、一冊通して読んでいるとこのジャンルならではの醍醐味とも言える要素がいいスパイスとなって利いています。
個人的にはもっとヒリつくなインモラルを漂わせる作品も1つあれば・・・とも思いましたが、しかしアンソロジーとしてのまとまりも全体的なクオリティも高かったように思います。
物語の方向性のバランスはとれていましたがしかし、この本はブラコンアンソロジー。
集計してみたところ、姉ヒロイン5作、妹ヒロイン16作と妹大勝利の巻!
どっちもおいしく戴けますけれど、お姉ちゃんもっと多くしてもよかったのでは!
そこはVOL.2に期待をしたいのですが、VOL.2が発売されるかどうかは今回の読者のリアクション次第とのこと。是非とも応援したいアンソロジーですので自分も葉書書くとします。

家族という絶対的安定感を誇る関係にありながら、その中で恋愛をしようと思うと途端にその関係は脆くなり、時に残酷な結末をもたらしたりする。
けど家族愛からさらに一歩踏み出した強い愛情に、脳がとけてしまいそうにもなる。
甘くもあり苦くもある血縁恋愛には、フィクションだからこその強い魅力があります。
このジャンルならではの楽しみをしっかりと届けてくれた「リキュール」に拍手。
VOL.2ではより進化したブラコンアンソロジーとなっていることを期待。というか出てくれー。

『ブラコンアンソロジー Liqueur 』 ・・・・・・・・・★★★★
参加作家さんの豪華さも全体的なクオリティの高さも上々。素晴らしき姉/妹天国。

≪ [本]赤面女の子のパラダイスだった。 『ファミレスの住人』/『帰れない二人』ホーム[本]本当の戦士への第一歩 『ヴィンランド・サガ』10巻 ≫

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