[漫画]物語に惹きこまれっぱなし!運命を変えるSFサスペンス『僕だけがいない街』2巻
僕だけがいない街 -2 (カドカワコミックス・エース) (2013/06/01) 三部 けい 商品詳細を見る |
「バカなの?」と俺の目を見て雛月が言った
いまトップクラスに続きが気になる漫画が「僕だけがいない街」なのですが、今月2巻が発売されました。面白い!!
「推薦コメントなのに推薦してない」と一部で話題になっていた荒木飛呂彦先生によるオビ付きですよw でもこれで注目度が少し上がった感もあり嬉しい。
時間巻き戻し能力を使って過去改変を目指すタイムリープSF要素に、サスペンス・ミステリの要素も上手く組み合わさってめちゃくちゃ続きが気になる!
ミステリものなので結末を読んでからじゃないとうまい評価ができませんが、今のところ「物語に惹き込まれる」という一点だけでも無茶苦茶パワーがある。タイムリープもの醍醐味もあってスゲーワクワクしますよ!あと雛月加代ちゃんがとてもかわいいです、はい。
やはり1巻はプロローグ的なものだったか。2巻はまるっと過去編です。
これがまた盛り上がる。話のテンポもいいしラストのひきも強烈。
1巻→トラウマに立ち向かうループ・ミステリー『僕だけがいない街』1巻
以下、勝手な犯人予想とか今後の展開妄想も書いてるので気になる人は注意。
大切な家族を失った。どこから間違えていたんだ?
全てやりなおすためにリバイバル能力を使うと、なんとこれまで体験したことないほど過去に巻き戻ってしまった。昭和63年。すべての元凶は小学時代にあったということか。
凶悪事件がこの時発生し、子どもたちはそれを秘密にされ、いつしか主人公も記憶を閉ざしていました。しかしいま向き合わなきゃいけないのはその凶悪事件です。
クラスメイトの少女を含め3人の子供がその命を奪われた。
今を変えるために過去を変える。子供にもどった主人公・悟の奮闘が始まります。
まず、最初からクライマックスで泣いてしまうのですよ‥・。
いきなり凄い過去に巻き戻されて混乱する主人公は、ともかく母親に会うために走る。そして出会えて一緒にご飯を食べて、涙を流す。親子の絆が現れるなにげない日常にうるっとくる…。
大人になって、いろんなものを失ったあと、その記憶を持ったまま少年に戻ったら、きっとこんな感動が爆発するんだろうな。それも母親そのものを失ってしまった後になったらもう。
1巻の終盤の展開を再び読み返した後だともうウルウルしてきてしまうよ・・・。
主人公のお母さんは本当にカッコよくて頼り甲斐のある人だなぁ。
この巻でも見事な活躍を見せてくれますし、いいキャラだ。VS雛月ママのシーンは興奮しましたよ。
主人公はあの凶悪事件を回避すべく、雛月加代に接近していく。
母親からの虐待を受けていて、クラスから浮いている。ひとりぼっちの女の子。
3人の子供が殺害される事件の最初に被害者となる彼女を保護すべく、主人公は動いていく。
その過程がまた面白い、というかかわいい・・・!
10歳の男の子と女の子がゆっくりと近づいていくその姿。
作品の雰囲気的にあまりこういう事言うのはズレてる気もしますが
「大人から子供に戻ってクラスメイトを攻略すっぞ!」というシチュエーション自体、なんとも美味しいじゃないですか・・・!いや攻略するつもりじゃなく、事件を未然に防ぐために友達になろうとしているんですけども。
ラブコメ的にニヨニヨと顔をとろけさせながら読んでる場合じゃないのは分かってます。そんな下卑た感情抜きにしても、雛月に「守ってあげなきゃ!」と思わせられてグイグイ惹かれてしまうのですよ。
傷つきボロボロになって追い詰められていく少女。虐待、殺害と悲惨な運命を辿ってしまう彼女を助けようと奔走する男の子。テンション上がるわ・・・!!
主人公も雛月を守ろうとしているうちにどんどん彼女に惹かれているし
雛月もそんな主人公のことを好ましく思っていて、どんどんと表情が豊かになっていく。心を開いていってくれる。言葉数の少ないツリ目少女の恥じらいに否が応にもテンション上がる。
あぁーかわいい。守りたい。2巻は雛月の変化を追っていくことも楽しすぎる!
主人公がナチュラルに口説きにかかるのが見ていて気持ちがいいですね。
ボロボロになった10歳の女の子の癒しまくってあげてほしい・・・!
そして殺される運命をブチ壊して救ってあげてほしいよな。
読むほどに雛月の素顔が見えてきて、心底愛おしくなってくるよ!
悟のためにプレゼントせっせと編んでる雛月ぃぃぃ。
『「バカなの?」と俺の目を見て雛月が言った』
この場面が印象深い。これは1巻で雛月の遺影が登場した第二話冒頭
『いつものように その目はこっちを見ていなかった』
とのリンクなんですね。過去改変の成果をつよく感じさせてくれて、1巻読み返して気づいた時カタルシス。過去をやり直すことで、彼女は悟に目を合わせてくれるようになった。遺影の中で目をそらしていた彼女が、いまは目を合わせてくれる。隣で笑いながら、楽しそうに。
気になったシーンなんぞをつらつら書いてみようかな。
ミステリーもののたぶん「承」の段階にあるかな、いまは。
いかにも気になる場面がいくつも用意されています。後々その秘密が明かされるであろう伏線だらけ。分かりやすい演出がされていなくてもなんか「ん?」と感じる場面も結構あって、ミステリーはこうして謎を張り巡らせてる段階からワクワクしますよねぇ。
まず主人公の担任の先生がちょっと怖いぞという話。
「カンがいい」「人が良さそう」と味方にすれば力強い素質だが、どうもその素質が裏を感じさせるものでもある。
1巻クライマックスで、事件の真犯人は母親が一度候補から外した人物であることが示唆されています。そのことを考えると、子どもたちに近い教師というポジションにいた彼はけっこう犯人候補な気がする。
思ったことを素直に口に出してしまう主人公のクセは、脳と口が直通しちゃってる幼さの演出なのか、それとも別の意図があるのか。
結構そういう場面が多くて、雛月を「キレイだな」と思ったらそれをそのまま喋っちゃってて雛月ガチ照れ&クラス沸き立つの流れはめちゃくちゃ微笑ましかったですがw
雛月が言った「あたしのために人を殺せる?」という言葉は、そのまま取るならそんな覚悟もないのに私に踏み込むな、という拒絶の現れで、もっと考えると虐待のSOSでもある。
このセリフは結構大切なポイントになるのかなーと思ったりもする。
1度、主人公は誰かを殺害することで事件を防ごうとして失敗するとか。
まぁともかく、雛月の心のバリアをどんどん融かしてやって欲しい。結局そこです。
あとこの建物。加渡島建設。
第一話の見開きカラーページではこの前で立ちすくんでいる幼き悟が描かれており、気になります。悟にとっての過去の象徴する建物でもあり、物語にも関係ありそう。
しかしこの殺風景な中の不気味さがこの作品は上手く表現されてるよなぁ。
そんな「僕だけがいない街」2巻の感想でした。
月刊連載で6話収録コミックスなので、次出るのは半年後かな。
待たされるなぁ。早く続き読みたいよ!(ヤングエース買え
読み手の感情コントロールがうまいなーというのも2巻読んでて思いました。
喜怒哀楽の感情を読みながら転がされている。雛月はかわいいけど状況はスリリングで、サスペンスでSFですよ。いろんな楽しみ方がある作品。テンションの浮き沈みが激しくて、ハラハラドキドキです。
個人的な未来予想としては、主人公のリバイバル能力には代償が付くことが関係してくるのかなと思っています。代償というのは例えば自身が事故ったり、ものをなくしたり。
そんな風に代償がつきまとう能力で、こんな大規模な巻き戻しをしたらどうなるか。
代償として主人公自身が消える → 「僕だけがいない街」とタイトルリンク
みたいなラストかなーと想像。無粋かなと思ってもミステリものは妄想しちゃうよな・・・。ううん、どんな展開がこれから来るのか楽しみ!
雛月をなんとか幸せにしてやって欲しいです・・・。
『僕だけがいない街』2巻 ・・・・・・・・・・★★★★
1巻も面白かったですが2巻から本番という感じかな。いま続きが気になりまくるSFサスペンス。
[漫画]淡い日に僕らは揺れた。『BUTTER!!!』6巻
BUTTER!!!(6)<完> (BUTTER!!! (6)) (2013/05/23) ヤマシタ トモコ 商品詳細を見る |
あ 手 が 熱い っていうか 痺れて 痛い
最高に愛おしくてキラッキラの漫画だったなと思う。
社交ダンスに情熱を燃やす高校生たちの青春を描いた、ヤマシタトコモ先生の長編シリーズ「BUTTER!!!」がついに完結しました。
てっきりまだまだ続いていくように思っていて、完結とアナウンスされた時にはビックリしました。けれどこうして単行本で読んでみると、たしかにここ以外あるのかってくらい綺麗なタイミングだった。
もっと読みたかったなというのが本音ではある。
でもだらだら続けるよりも潔さを見せてくれましたね。
この作品のどういう所に萌えていたのかってのは、これまでの「BUTTER!!!」感想記事で何度も何度も書いてきました。でも最終巻もやっぱり書いちゃう。だってかわいいんだもの。
彼らは本当にただの高校生だった。
期待しすぎたり、やる気がでなかったり、すぐにヘコんだり心折れたり、素直になれなかったり傷つけてしまったり。
なんでもっと上手くできないかな。なんて生意気なことを思う時もあったけれど、そういう生意気な目線で彼らを見つめることができたことも面白みだった。
この作品って「お似合いの2人」ってのが少なかったように思う。個人的には。最初から波長が合うような、最初から決まっていたようなパートナー関係ではなかった感じ。
でもそんな危なっかしさが本当にかわいらしかった。アンバランスなのに響きあえるというか。
つまり「危うさ」が本作の萌えの根源にある!
ヨネコちゃんと早川くんはピッタリだと思うがw
等身大の情熱と挫折が織り込まれた物語。
チグハグで、アンバランスで、コントロールがとれていない。
心も人との関係も、学生というまだまだ未熟な時代の色がくっきりと作品に映り込んでいて、まさに「青春物語」でした。
悩んでくじけて立ち上がって戦って笑いあう。いろんな経験が人を成長させる。経験がダンスをきっと美しくする。作中でのラストダンスは、まさに彼らの集大成とも言える満足度の高さで、魅せつけてくれました。
これまでの感想記事。
回って溶けて1つになって『BUTTER!!!』1巻
ざわめく心。ダンスで味わう青春の苦味と感動!『BUTTER!!!』2巻
苦しくても逃げたくても、立ち向かわなきゃ。『BUTTER!!!』3巻
全力でケンカして、全力で踊ろう。青春してるんだろ!『BUTTER!!!』4巻
きみに失望されるのだけは、いやだから『BUTTER!!!』5巻
好きなシーンについて書いていこうかな。
といっても好きなシーンっていっぱい、いっぱいあるのです。
端場くんは、6巻でちゃんと動ける少年になったんだなと特に実感。
最初のころと読み比べるとえらい違いである。気持ちがいい。
端場くんが自分の意見で他の部活メンバーを盛り上げる場面とか
もうすっかり掛井くんと小突きあえる仲になってたりとか。
カッコよく踊りたいって欲を抑えきれなくなっている。
今回なんて我を忘れて暴走して教室乗り込んだりしちゃうしな。
その暴走は、どれだけこの部活のことを大切に思ってるかの裏付けでもあって、ああなんて格好いい成長をしたんだ端場くん!と感動を禁じ得ない。
でも本人はまだまだ「変わりたい」「成長したい」ってもがいている。
コミュ症だった少年が外の世界と自意識と戦っていくその姿。
華なんてこれぽちもない男の子だけど、日陰者としての卑屈さを持ちつつ輝きだした端場君。
いわれのない悪意を向けられ、滅茶苦茶にヘコむ夏ちゃんも印象深い。
このタイプの「悪意」を達観して受け止めることができるような太いメンタルの高校生は滅多にいないだろうけれど、特に夏は身がすくむほど「悪意」におびえてしまう。打たれ弱いんだよなぁ。それを責めるわけではないし、むしろそこが彼女の人間性の可愛い所でもあると思う。
注目を浴びたくない。笑われたくない。傷つけられたくない。こわい。
動画サイトに晒して貶す、悪質ないたずら関連の話は、全くもってスッキリしなかった。同じアフタの「ハックス」を少し思い出したりしたけれど、こういうのは単純な怒りとはまた違うやるせなさみたいなのも混じって、うまく気持ちの整理がつかない。
でもここで救ってくれるのは、先生たちの対応。
「怒ってくれる大人」というのは、子供にとっては大切なことなんだと思う。それでもその心に言葉を届けられない時も当然あるわけで、やるせなさを噛み締めることもある。
これまでを思い出しても、この作品の大人は本当にいい味出していましたね。
責任しょって子供たちを見つめている。伝えてあげたい大切なことを、ひとりひとりが胸にきちんと持っている。その上で教える。導く。
迷える子どもたちが主人公だったこともあり、この作品ではとくに大人という存在への描写に密かな力強さと決意が込められていたように思います。
なんとかこの子たちを幸せにしてあげたい。がんばっている、がんばろうとしている子には相応に達成感を味わってほしい。そんな願いのようなものが。
きっとヤマシタトモコ先生の感情が透けて見えている部分なんじゃないかな。
ダンサーの宇塚さんと理佐さんの「ダンサーとして楽しむ哲学」「カッコつける面白さ」を見せるける姿勢もかっこいい!
「仕事だってねぇ 好きなコト仕事にしてても 楽しいのなんて一瞬だけだよ」
「でもな―――悔しいけど楽しいのなんか一瞬で十分なんだよ」
「―――必死でカッコつけてるとこういうコト言えるわよぉ 言いたくなんない? きみも同類でしょ?」
「カッコつける」って、ちょっとネガティブなイメージになることも多い。
気取ってるだとか、張り切っちゃってプププとか、嘲笑の的になる。
むしろ1巻の頃の端場くんなんて「必死かよ 受ける」とか言っちゃったり、いかにも努力してカッコつける人を小馬鹿にする人でした。それがここまで変わったんだもんなぁ…!
ダンサーなんてカッコつけて目立ってこそなもの。最終巻でダンスを楽しむひとの凛とした生き様に、端場くんたちも自分も魅入ってしまう。羨ましいと思う。焦がれる。
こうして堂々とカッコつけていて、そのことの価値を自分でわかっている大人たちは、本当に格好いいな…!
この6巻には小冊子付きの限定版もあって、自分はそちらを購入しました。
主人公ポジションである夏に対してすら
「この子は本当にどうしようもない性格なので、痛い目をみせてあげたい」
「夏をちゃんとどん底につき落としてあげたいですね」
といった辛辣な、しかし愛情に満ちたコメントをみつことができます。歪んだ愛情だとも思うがw
夏はたくさんに試練が与えられてきた。彼女本来の魅力的な笑顔より、くよくよ悩んだりちょっと涙ぐんだ夏の方がしょうじき印象深い。
でもそれは、作者自信がどれだけ「この子をどう成長させていってあげようか」と考え描いてきた足跡でもある。それだけ愛を受けたキャラクターなんだな。
この限定版の小冊子、本編では見られないいろんなモノが見られて満足度高かったです。柘さんの体つきに関するメモ書きがマニアックで面白かったw
単行本描きおろし漫画も面白かったなー!
お兄ちゃん、聞こえるように大きく「ちっ」て言うの、妹ソックリだなーーとか
過去さんざん照れ隠しで罵詈雑言浴びせてきた女の子に告白した男の子の運命とか。
こういう断片を見せられると、まだまだこの作品を読んでいたかった、という思いが一層強まるのですが!贅沢なオマケ漫画ですよ。
そしてなんといっても、クライマックスの高揚感は爽快。
作品を締めくくるのは、新入生を前にする新歓のダンスです。
その最中のみんなの充実したキラキラの表情を見てるだけで、心の底がググッと持ち上がるような感覚がする。
特に端場くんの熱っぽいこんな切ない表情をみたらねぇ。
君に触れて体がしびれる。熱い。痛い。胸が落ち着かない。
何のためにカッコつけようとしてたかって。誰のために落ち込んだり起こったりしたのかって。きっとまだ言葉に出来ない。でも心が叫びたがってる。鼓動が証明する。きっと始まっている。
全力で走れ!全力で走れ!36度5分の体温!!
まさしく道を切り開くための時間だった。そのための努力だった。
次へすすむために4人の思いを結集させたステージで物語を締めるというのは美しい構成だったなと思います。
まっすぐにちゃんと頑張っている、もしくは頑張ろうともがく若者たち。
「本気」を出すことを面白さと苦しみを照らしだす、痛みを伴う眩しい成長物語でした。
連載当初から雑誌で読んでいましたが、心の襞をくすぐるとか優しさはなくて、容赦なくガツンガツン脳みそを叩きつけてくる熱いメッセージがあった。大好きな作品でした。
最初から俺は端場くんを溺愛していましたが、彼の心の動きをしっかり負ってくれたという面でも素晴らしかった!
踊り終えたあと、夏に褒められて「全然うれしくねーよ…」とつぶやいた端場くん。
うっすらとその目に溜まる涙を見て、やはり彼は滅茶苦茶可愛かったなと。
その胸にこみ上げる想いを想像して、俺まで泣きそうになる。
「BUTTER!!!」これにて完結です。
とびきり愛おしい青春の物語として、きっとこれから長く俺の本棚においてあります。
『BUTTER!!!』6巻(完) ・・・・・・・・・・・★★★★☆
青春の喜怒哀楽がギュッと詰まった少年少女の物語。最終巻のBGM(あとがき記載)まで素晴らしい内容でした。彼らの未来を想像して、またモダモダする…!
[漫画]寂しさだって賑やかさに塗りかえられて『僕らはみんな河合荘』 4巻
僕らはみんな河合荘 4巻 (ヤングキングコミックス) (2013/05/30) 宮原 るり 商品詳細を見る |
聞きたい いま 聞きたい
「僕らはみんな河合荘」4巻の感想です。
相変わらず下品だけど、みんな素で遠慮なく笑いあってる空気が素敵!
宮原るり先生は「恋愛ラボ」が今度アニメ化しますけれど、こっちもなってくれないかな…!
単行本の最初のカラー口絵ですが、改めてここを1巻から順番にみてみると、律ちゃんと宇佐くんの関係が着実に縮まっているのが現れていますね。
1巻は宇佐に気づかず読書に熱中する律。
2巻は律の注意をひこうとしてる(ように見える)宇佐と彼に視線を向ける律。
3巻は並んで読書をする2人。
そして4巻では本の内容についての意見交換をしている2人。
ゆ―――っくりと関係を深めていっている2人。うーん微笑ましい。
そこをじっくりと描かれるからこそ、ちょっとした進歩に感動したりして。
4巻はおおっとなるラブコメイベントもあったりして、でもいつもどおりのバカバカしい喧騒。
そしてふと心に刺さる、リアルな人間関係の悩みも包み込まれた内容となっています。
人と人の距離感を慎重にみつめるこの作品ならではの味わい。
ギャグ漫画としても楽しんでいますが、こういう一筋縄ではいかない要素を組み込んでくる部分が大好きだなぁ。
前巻→ここは不思議と心落ちつくんだ。『僕らはみんな河合荘』3巻
今回はシロさんの株が爆アゲする内容だったな!!
大人なのにずーっとヒマそうに家にいて、子供みたいにはしゃいでて、そして超がつくほど変態で面倒臭いマゾヒスト。この作品のギャグにはシロさんが関わることが多いし、実際すげー面白くて大好きな男なんだけれど!
今回はシロさんが普通にすれば普通にカッコいいことが物語で効果的に見せられて、シロさんにときめいてしまった俺は自分が悲しい!!!
シロさんと麻弓さん、息合っているしいい感じじゃねーかとも思うんだけど
あんまりシロさん関連のフラグは信じないようにしてますw
ふざけてるようで、ちゃんとその人が傷ついた時にはさらりとフォローをいれたり、都合よく利用されることすら良しとして人と関係を築く。
シロさんは人と関係することが楽しくてしょうがない、みたいな印象がある。
たまに滅茶苦茶格好いいのも、ふだんバカみたいな言動ばかりのギャップでな。
まぁ大変な目にあいたい、面倒な目にあいたい、というメンタルどMのサガと言ってしまえばその通りなんだけどw
改めてシロさんいい人だなーっと確信した。大好きだわこの人!
上はシロさんがスーツでばっちりキメたエピソードは、それ以外の面でもお気に入り。
麻弓さんが同窓会に行って、学生時代の友人たちと再会するのですが
そこで交わされる女同士に密かな対決と暖かな絆がたまらない。
女二人して酒読んでヘラヘラ笑いながら「ヘーキヘーキ」と言っちゃうシーンいいなぁw 大人になってもこうしてつながりあえている女の友情(愛憎入り乱れた)素敵です。
いちおう主人公の宇佐が高校生なので学生たちがメインのエピソードも多いですが、この作品は群像的な面もあって、こうして時々オトナなドラマも混じってくるのが面白いよなぁ。
いろんな年代・いろんな立場のキャラクターの物語や感情が入り乱れて、それがギャグにしてもシリアスにしても、お互いを引き立てあっている。
そういう様々な要素がゴチャッと一緒に詰め込まれてるのが「河合荘」なんだな。気持ちがスッキリしない話もあるけど、整頓しきれないモノがたくさんあるから面白いんだろう。
ところで麻弓さん、過去の栄光を引きずりまくってるけど納得ですよ。
こりゃ引きずるわ。学生時代、滅茶苦茶かわいいなオイ!
それが今じゃ高校の学祭にもぐりこんで男子たちの視線を浴びて優越感に浸る。
このきもちよさそーな素敵ドヤ顔。
ああ…うん…過去を知ってさらに麻弓さんの残念度が上がった気がするね…。
宇佐くんと律ちゃんにも進展がありました。
ちゃんと関係が進んでいる実感がある。すごく丁寧にそこを描いてくれる。
いつもだったら宇佐が律ちゃんに振り回されることが多い。
でも今回ははっきりと、律ちゃんが宇佐くんに振り回されていました。宇佐くんの知らないところでな…。
宇佐くんが自分の傍にいない。もっと楽しいこと・好きなことを見つけたのかな…なんて、言葉にならない寂しさを募らせる律ちゃん。
明らかに宇佐くんのこと気にしまくりですよ!見てるか宇佐!見てないよな宇佐!残念だなぁおまえ!!
宇佐も宇佐で、「俺のことなんて気にもせず、本に夢中だろうけどなぁ」なんてコイツがぼやいてるそのコマで本に集中できずうなだれる律ちゃん!この切ないスレ違いが終盤に生きてくるわけですよ!!
これまで河合荘という住まいを介してつながっていたように思います。
帰り道が一緒だから。話たいこともあるから。
でも宇佐としてはもっと近くなりたいなと思っていただろう。
そんな中、今回ついにメールアドレスもゲット。そして電話も。
律と宇佐。個人と個人でやっとつながったような気がしますね。
些細なようで、きっと大きな一歩。
そして帰り道。宇佐がやっているゲームに興味を示す。
「どんなゲームなの?」
「珍しいッスねー、先輩が本以外の話なんて。ゲームも好きなんスか?」
「…なんとなく。気になって。」
このシーンすごい好き。夕焼け空の下、ゆっくり育つ心。相手の気持ちも、片方は自分の気持ちすら気付けていないけれど。もどかしー!
明らかな興味を持って、宇佐くんに歩み寄っていった律ちゃん。
ああ~~この地味な、大切な一歩に胸ときめいてしまうよ!!
宇佐ァ!!「珍しいッスねー!」じゃねーよ!「ゲームも好きなんスか?」じゃねーよ!!お前興味もたれてるぞ!
そんな「僕らはみんな河合荘」4巻でした。
いつもどおりキレのあるシモネタの連打に笑わせてもらうと共に、着実に深まるラブがコメる雰囲気にドキドキですよ!
下ネタをガンガン前面に押し出しておきながら、ピュアな恋愛を両立してるのは凄いなw ギャグもちょいシリアスも恋愛もひっくるめて、人の心をしっかり描いていこうっていう姿勢が好きですね。
前の住人・馬淵が帰ってくるエピソードも、ちょっとした厳しさを見せつついっぱいの優しさとぬくもりが広がっていて味わい深い。好きだな。
そしておなじみの描きおろしシリーズ「シロさんと俺」も笑えるw
毒もあり甘酸っぱさもあり、そして呆れるほどバカバカしい。
この河合荘の賑やかさは、ずっと読んでいたいなと思える。
『僕らはみんな河合荘』4巻 ・・・・・・・・・★★★★
安定の、そして進歩の4巻。シロさん活躍!シロさんの目も初登場するよ!
[漫画]祝福を鳴らすのさ。『ハレルヤオーバードライブ!』9巻
ハレルヤオーバードライブ! 9 (ゲッサン少年サンデーコミックス) (2013/05/10) 高田 康太郎 商品詳細を見る |
ハレルヤ!!君に祝福を!!
恋と音楽は青春を彩るというものです。
キラキラ青春バンドストーリー「ハレルヤオーバードライブ!」第9巻感想。
絵も演出もどんどん進化してきていますね!
心地良い疾走感。音楽に触れること・生み出すことの幸福感に満ちた青春漫画ですわ。この作品のライブ回は本当に毎回カッコいいのです。演出とかコマ割りをうっとり眩しく見つめるのが大好き。けど今回はライブじゃなくても魅せられた。
さて9巻は、小雨たちが突破口を見出すまでのお話です。
バンドにおける必殺技…キラーチューンを作ることが今回のメイン。
前巻のラヴェンダーとの勝負の結果。そしてそこからの再出発。グングンと物語にうねりが感じられるようになってますね。本当にこの作品は前に進んでいっていると思う。
前巻 高まる僕の鼓動と、高まる君の鼓動が、『ハレルヤオーバードライブ!』8巻
「希望」は手が届かなくなった。手応えを掴めても結果がつかめなきゃ意味はない勝負だった…。
というわけで当然ふさぎこんじゃうティアドライブのメンバー。
そう、「希望」の曲は取り戻せなかった。
けれどそれで1番にショックを受けているはずのハルさんが笑顔を絶やさないのは、無理をしているだけじゃない。
あのライブを見て、確かにハルさんに想いが届いた。
そして、新しい「希望」を彼女は見つけられたのだ。
それがティアドライブ。後輩が見せたステージの上の予測不能の化学反応。まばゆいエネルギー。その熱量を確かに受け取ったから、きっとハルさんはこんなに嬉しそうなんだ。
希望を失ったらなら、新しい希望を見つけよう。作ってしまおう。
道を切り開く希望の音楽を奏でよう。
誰かを救う音楽。救うというのは大げさかもしれないけれど、心を支える優しくて強いメッセージを曲にしたいっていう思いは、多分この場面から形になったんだと思う。
「祝福」は9巻のテーマでもあるのでは。
ってなわけで新曲作りに力を注いでいくティアドライブ。
今回の表紙になっている九森弟と若葉ちゃんは、デートっぽいイベントをこなして絆を深めつつ、新曲のアイデア出しを進める。
普通に買い物してるだけじゃうまく会話が続かなかった2人。けれどスタジオに入って楽器を手にしてからはスムーズにコミュニケーションがとれているのがいいですねえ。
おしゃべり好きというわけではないこの2人にとっては、音楽こそ代えがたい交流ツールなんだな。自然にゆっくりと距離を縮めている2人には胸がホッコリしますよ!
無理やりに振り絞った不器用な言葉を投げかけ合うより
曲を通じて音を重ねたり主張しあったり、思いがけない返しを楽しんだり
音楽という変幻自在のコミュニケーションで、2人は本当に楽しそうです。
ウニ子こと若葉ちゃんは、本当に謙虚というか後方支援キャラだなぁ。
でも第45話「Brother Sun Sister Moon」の彼女は頑張っていた。
「冬夜くんが何か決めて一歩進む時は…私が背中押したげるって……」
なんてさ。あなたが頑張るときは私が支えてあげるからって言ってるようなもんですよ。取りようによってはすごいいい告白じゃないですか。でもこの2人はまだラブコメ展開には行きそうになくて、それは今後のお楽しみだろうか。
いつもがあんなにオドオドしているのに、いざ演奏してみれば
ギターのプレイスタイルは結構ハデっていうのが面白いよな。
あと私服の若葉、クセ毛を隠すために大きめな帽子がとても可愛い…!
この娘はオシャレ帽子がなかなか様になる気がする。
若葉ちゃんもいい。ハル先輩もかわいい。だが俺は麗ちゃん派だッ!
相変わらず麗はかわいいなぁーあ。小雨との絆もさらに深まってきてると思う。何気ない日常のワンシーンだけど、こんなふうにいきなり乗っかってマッサージする娘だったんだねぇってとても微笑ましたかったです。
7,8巻がすばらしき麗巻だった反動で、今回はやや影薄かったですけどね…。
ハル先輩に尋ねられて、「好きな人は…います!!」と小雨がこたえた時、盛大に「かっはー!」て吹き出してる麗がかわいかったですよね。ね。
しかしもう、今回でハル先輩は自分の恋心をほとんど自覚してしまったし、小雨-ハルの両思いラインが完成したようなものです。麗ちゃん…(´・ω・`)
しかしラブコメ的な盛り上がりと裏腹に、寂しい現実がつきつけられたりする。
夏休みも終わった。季節は進む。夏は秋になる。
もうすぐ、3年生は引退する。
分かっていたけれどここまでハッキリ言われてしまうと…ああ…淋しい…!
引退を見据えて感慨深さとより一層の情熱を燃やす三年生たち。頼もしくもカッコいいです。やはりいい先輩たちだったんだなと、改めて感じます。
次世代を担う後輩たちの成長を優しく見守りつつ、でもまだまだ鍛えなくちゃならん、という姿勢はカッコいいものです。
引退するのヤだなー。もっとメタりかの演奏いっぱい見たいし。あーでも。3年生の引退時にさみしんぼなタンポポちゃんがきっと泣いちゃうのシーンは早く見たいな!(ひどい
ある種のタイムリミットのようなものが見えて、物語に緊張感がましたのは当然のこと。もうすぐ終わってしまうこの輝かしい一時を大切にしようという、学生の部活ならではの感慨が生まれてとても甘酸っぱいのです。
9巻のキモはその最後のエピソードですよ。
思ったようにメロディを紡げない。新しい希望を作れない。前進ができない現状にいらだちを隠さない小雨は、アドバイスで楽器を持たずインスピレーションに身を任せろ(意訳)作戦に打って出る。
そこからの勢いは本当に素晴らしく、シリーズ通しても傑作と言える回だと思います。
ネームの妙というか、本当にリズムが聞こえてくるような高揚感に包まれていて凄く好きな流れでした。
まるで押し流されるように、けれどそれを味わう余裕を残しつつ、音楽の魔法に浸れる。最後のページの演出まで最高にカッコいい!!
小雨は感性のメロディメイカーなんだろう。
楽器をいじりながらよりスラスラと望んだ旋律が、それこそ小雨自信が追い切れないくらいに次から次へと沸き上がってくる。
小雨が思ったままに歌っていくメロディラインを拾い集め記憶し繰り返し、即興で演奏やコーラスを付け足していく。
それぞれが必死に、けれど喜びと充実感を覚えながら曲をかたちにしていく。緩やかに勢いがどんどん増していくこの感覚は凄いな。読んでいてとても幸せでしたよ。
考えてみれば金属理化学研究部の全員がいっしょに1つの曲を奏でたシーンを初めて見た。周囲を巻き込んで傍聴していく。小雨の「音楽の魔法」はこういう所もあるよな。
新たな希望は、まさに祝福。大切な人のための祝福。
その人の幸せな場面に寄り添う、心の中で自然と流れる。
演奏を終えたあと、メンバーが自然と笑みを浮かべながら言ったこのセリフが、まさにこの曲がどういうものかを表したものでもあると思います。
音楽を愛するすべての人に『ハレルヤ』と。祝福を鳴らすのさ。
そんな「ハレルヤオーバードライブ!」9巻でした。
ストーリー的には一休みの巻かなとおもいきや、どんどん物語は動くし演出は冴えるし人間関係の深まりも楽しいし、テンションあがりまくる一冊でしたよ!
とくに上で書いたコミックス最終話。この一話はそのまま一曲として考えられるような、気持ち良いリズムを感じる素晴らしい出来。
リターンマッチは次の10巻で描かれるのでしょう。一冊に収まるかは謎ですが、ここが大きな盛り上がりどころになることは間違いなし!
色んな要素が次の文化祭ライブに集められて、流れが見えますね。部活としての区切りとか、負けられない勝負とか、バンドとしての成長とか晴れ舞台とか。本当にワクワクしてきたなー!
恋愛と音楽の青春バンドストーリー。落ち着かずにどんどん熱くなってます。
『ハレルヤオーバードライブ!』9巻 ・・・・・・・・・・・★★★★
音楽の魔法は、そして祝福は、きっと彼らの道を照らすのだ。
今回の口絵(44話見開き扉絵)もカッコいいな。正面と背中合わせのループ構造。
[漫画]炎の悲劇!燃やされても君のそばに。『春の包帯少女』1巻
春の包帯少女1 (メテオCOMICS) (2013/05/11) 佐藤ミト 商品詳細を見る |
だって憎しみや恨みを抱えて生きていくなんて 女の子には辛いじゃない
華やかで格好いい超能力への幻想というか憧れみたいなのは自分にもあって、だからこそこの作品では最初ざっくり心えぐられた。
「春の包帯少女」はそんな憧れや幻想の裏を行く、超能力によってもたらされる悲劇をクローズアップしたサスペンス×恋愛漫画。
じりじりとした焦燥感にドキドキさせられる、シリアスな作品となっています。
ほのぼのとした平和な日常が悲劇へと転落していくその空気が絶妙!
この力は、ただ悲劇と罪を生むばかり。ましてや大切な恋人まで傷つけて…
連載から追っていた作品ですが、表紙が素晴らしいですね!
この作品の印象的な場面にヒロインが燃える、というのがあります。
炎。包帯。そして儚げなヒロイン。
この作品を飾る看板的要素がカッコよく描かれていてお気に入りの表紙。
連載読んでなくても本屋でこれ見たら表紙買いしてただろうなーと。
WEB連載なので1話と新しい話は無料で読めます。試し読みしてみては。
→http://comic-meteor.jp/haruno/
第一話の扉絵、これもかっこいいですなぁ。
連続放火事件が町を騒がせる。
でもそんな物騒な事件とはまるで関係がないように学校の日常はありました。
高校生のハルとナツは仲良しカップルとしてクラスからいじられるような2人。
2人の絆の深さを見せつけるようにイチャコラしまくり!
本当にお互いを大切に思っているんだな。恋しあってるんだな。
と刷り込んだところでこの作品は本題へ向かいます。
ほのぼの青春はサスペンスへと転落。
誰もが羨むような恋人同士でありながら加害者・被害者という立場になり
もうあの頃には戻れない、緊迫した世界になります。
特に追い詰められていく主人公の描写は秀逸で、読んでいてもこちらも逃げ出したくなる。ふさぎ込みたくなる。
大切な人を傷つけてしまった。罪悪感に押しつぶされそうだ…。
その一方でヒロインのナツの器の大きさというか、人間としての底の深さに魅入る。
覚悟が決まってからは女の子は強いもんかもな。
作中、主人公のモノローグはちらほらあっても、ナツのものはありません。
彼女がどんなことを考えているのが、読み手は「信じる」ことしかできませんが
そういう部分も、一体この先どうなるんだろうと期待を煽られる作り。
ナツは本当にハルが好きなんだろう。
けれど、その愛は深すぎて、もしかしたら恐ろしいほどかも知れない。
第2話のクライマックスは、彼女の神々しさとどこか漂う退廃感、そしてあまりに深すぎる愛情がミステリアスに描きこまれたいいシーンだったと思います。
やさしくて一途な女の子。
けどそれだけじゃない何かを感じるのは気のせいだろうか…。
主人公は超能力者ですが、精神面は普通に高校生男子なんですよね。
けれどナツは非常に肝が座っている。それは読み手にとっても頼り甲斐あるものでもあるし、もしかしたら結構とんでもない女なんじゃ…みたいな想像をしてしまうな。
ナツは儚げなんだけれど、底の見えない強さを秘めた女の子でもあると思う。
その強さがどういったものなのか、今後描かれていくんだろうか。
単純に恋する乙女は最強なのさ理論でまったく構いませんがw
ここまで強烈に好き合っている彼女たちの、馴れ初めとかも知りたいなぁー。
そしてもう一人のメインキャラクター、アキ。
理不尽や暴力、ひっくるめて「悪」を徹底的に嫌う少女。
彼女がゆっくりとハル・ナツの秘密に迫っていくのがスリリング……!
彼女には憎しみを抱くに至った過去があるようなので、この少女がどのように物語を乱してくれるのか、楽しみですよ。
良き友人ポジションでありながら、主人公たちを追い詰める追っ手役でもある。
第一巻はメインキャラクターの顔見せと謎の提示が主な内容でストーリーにあまり進展はありませんでした。
こういう物語の力強さで引っ張るサスペンスものなんかは、サクサク話が進んでいってほしいものです。じっくり丁寧なのもいいんですが、もどかしいですわ!
これから更に盛り上がっていくでしょうね。続きが気になります。
現実を舞台にしながらも唐突に主人公が超能力者だと明かされて、こういうリアルなお話ならファンタジーは無い方が良かったのでは…?と少し思ったり。
なんだかファンタジー要素が浮いてしまっている気がして。いまはまだ超能力設定の必然性が薄いというか。
でも例えばこれから先に来るかも知れない、主人公が能力を開花させてしまったキッカケの回想。悲劇ばかり生み出す超能力を逆手にとって、炎でヒロインを幸せにしてみせる爽快な展開。とかがストーリーに食い込んだら、1巻の段階での違和感は払拭されそう。
現時点でも「自分の意志で発動する訳ではない」「コントロールが効かない」→ヒロインを傷つけてしまう、というやるせなさを生むものとして、超能力は存在してくれていますが。
個人的にはやはり、悲劇を生んだこの能力で最後はハッピーエンドを掴んでほしい、という思いが強いですね。最後にはやっぱり超能力には夢があって欲しいw
今んところマジで「あってよかった超能力!」なシーン無いですからね。
もしくは超能力を封印しようって方に行くのかなー。どうなんだろう。
あと能力者はハルだけではないような描写も第5話にあったりして、はてさてどうなるか!
罪を背負った少年少女の、秘密の戦い。
こういう白夜行シチュエーション、昔から好きなんだなぁ。
2人だけの不道徳的な秘密。迫る脅威。甘い毒に酔いしれるような雰囲気。
シリアスな要素が強いですが、合間合間にある優しいラブコメパートには心癒されます…!
圧倒的癒し!
主人公カップルの好感度は高いので応援したいですが
まだまだどんな方向に進んでいくのか予想ができません。
主人公たちを追い詰める脅威もあり一筋縄ではいかなさそう。
これが初単行本とのことですがすでに画力は高く、読みやすいです。
表紙イラストにグッときたら、そのまま買ってOKなんじゃないかな。
残酷で、儚くて、心が痛くて、ドキドキする。そんな漫画。
『春の包帯少女』1巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
続きが気になりまくるストーリー。燃やした僕と燃やされた君の物語。