[漫画]物語に惹きこまれっぱなし!運命を変えるSFサスペンス『僕だけがいない街』2巻
僕だけがいない街 -2 (カドカワコミックス・エース) (2013/06/01) 三部 けい 商品詳細を見る |
「バカなの?」と俺の目を見て雛月が言った
いまトップクラスに続きが気になる漫画が「僕だけがいない街」なのですが、今月2巻が発売されました。面白い!!
「推薦コメントなのに推薦してない」と一部で話題になっていた荒木飛呂彦先生によるオビ付きですよw でもこれで注目度が少し上がった感もあり嬉しい。
時間巻き戻し能力を使って過去改変を目指すタイムリープSF要素に、サスペンス・ミステリの要素も上手く組み合わさってめちゃくちゃ続きが気になる!
ミステリものなので結末を読んでからじゃないとうまい評価ができませんが、今のところ「物語に惹き込まれる」という一点だけでも無茶苦茶パワーがある。タイムリープもの醍醐味もあってスゲーワクワクしますよ!あと雛月加代ちゃんがとてもかわいいです、はい。
やはり1巻はプロローグ的なものだったか。2巻はまるっと過去編です。
これがまた盛り上がる。話のテンポもいいしラストのひきも強烈。
1巻→トラウマに立ち向かうループ・ミステリー『僕だけがいない街』1巻
以下、勝手な犯人予想とか今後の展開妄想も書いてるので気になる人は注意。
大切な家族を失った。どこから間違えていたんだ?
全てやりなおすためにリバイバル能力を使うと、なんとこれまで体験したことないほど過去に巻き戻ってしまった。昭和63年。すべての元凶は小学時代にあったということか。
凶悪事件がこの時発生し、子どもたちはそれを秘密にされ、いつしか主人公も記憶を閉ざしていました。しかしいま向き合わなきゃいけないのはその凶悪事件です。
クラスメイトの少女を含め3人の子供がその命を奪われた。
今を変えるために過去を変える。子供にもどった主人公・悟の奮闘が始まります。
まず、最初からクライマックスで泣いてしまうのですよ‥・。
いきなり凄い過去に巻き戻されて混乱する主人公は、ともかく母親に会うために走る。そして出会えて一緒にご飯を食べて、涙を流す。親子の絆が現れるなにげない日常にうるっとくる…。
大人になって、いろんなものを失ったあと、その記憶を持ったまま少年に戻ったら、きっとこんな感動が爆発するんだろうな。それも母親そのものを失ってしまった後になったらもう。
1巻の終盤の展開を再び読み返した後だともうウルウルしてきてしまうよ・・・。
主人公のお母さんは本当にカッコよくて頼り甲斐のある人だなぁ。
この巻でも見事な活躍を見せてくれますし、いいキャラだ。VS雛月ママのシーンは興奮しましたよ。
主人公はあの凶悪事件を回避すべく、雛月加代に接近していく。
母親からの虐待を受けていて、クラスから浮いている。ひとりぼっちの女の子。
3人の子供が殺害される事件の最初に被害者となる彼女を保護すべく、主人公は動いていく。
その過程がまた面白い、というかかわいい・・・!
10歳の男の子と女の子がゆっくりと近づいていくその姿。
作品の雰囲気的にあまりこういう事言うのはズレてる気もしますが
「大人から子供に戻ってクラスメイトを攻略すっぞ!」というシチュエーション自体、なんとも美味しいじゃないですか・・・!いや攻略するつもりじゃなく、事件を未然に防ぐために友達になろうとしているんですけども。
ラブコメ的にニヨニヨと顔をとろけさせながら読んでる場合じゃないのは分かってます。そんな下卑た感情抜きにしても、雛月に「守ってあげなきゃ!」と思わせられてグイグイ惹かれてしまうのですよ。
傷つきボロボロになって追い詰められていく少女。虐待、殺害と悲惨な運命を辿ってしまう彼女を助けようと奔走する男の子。テンション上がるわ・・・!!
主人公も雛月を守ろうとしているうちにどんどん彼女に惹かれているし
雛月もそんな主人公のことを好ましく思っていて、どんどんと表情が豊かになっていく。心を開いていってくれる。言葉数の少ないツリ目少女の恥じらいに否が応にもテンション上がる。
あぁーかわいい。守りたい。2巻は雛月の変化を追っていくことも楽しすぎる!
主人公がナチュラルに口説きにかかるのが見ていて気持ちがいいですね。
ボロボロになった10歳の女の子の癒しまくってあげてほしい・・・!
そして殺される運命をブチ壊して救ってあげてほしいよな。
読むほどに雛月の素顔が見えてきて、心底愛おしくなってくるよ!
悟のためにプレゼントせっせと編んでる雛月ぃぃぃ。
『「バカなの?」と俺の目を見て雛月が言った』
この場面が印象深い。これは1巻で雛月の遺影が登場した第二話冒頭
『いつものように その目はこっちを見ていなかった』
とのリンクなんですね。過去改変の成果をつよく感じさせてくれて、1巻読み返して気づいた時カタルシス。過去をやり直すことで、彼女は悟に目を合わせてくれるようになった。遺影の中で目をそらしていた彼女が、いまは目を合わせてくれる。隣で笑いながら、楽しそうに。
気になったシーンなんぞをつらつら書いてみようかな。
ミステリーもののたぶん「承」の段階にあるかな、いまは。
いかにも気になる場面がいくつも用意されています。後々その秘密が明かされるであろう伏線だらけ。分かりやすい演出がされていなくてもなんか「ん?」と感じる場面も結構あって、ミステリーはこうして謎を張り巡らせてる段階からワクワクしますよねぇ。
まず主人公の担任の先生がちょっと怖いぞという話。
「カンがいい」「人が良さそう」と味方にすれば力強い素質だが、どうもその素質が裏を感じさせるものでもある。
1巻クライマックスで、事件の真犯人は母親が一度候補から外した人物であることが示唆されています。そのことを考えると、子どもたちに近い教師というポジションにいた彼はけっこう犯人候補な気がする。
思ったことを素直に口に出してしまう主人公のクセは、脳と口が直通しちゃってる幼さの演出なのか、それとも別の意図があるのか。
結構そういう場面が多くて、雛月を「キレイだな」と思ったらそれをそのまま喋っちゃってて雛月ガチ照れ&クラス沸き立つの流れはめちゃくちゃ微笑ましかったですがw
雛月が言った「あたしのために人を殺せる?」という言葉は、そのまま取るならそんな覚悟もないのに私に踏み込むな、という拒絶の現れで、もっと考えると虐待のSOSでもある。
このセリフは結構大切なポイントになるのかなーと思ったりもする。
1度、主人公は誰かを殺害することで事件を防ごうとして失敗するとか。
まぁともかく、雛月の心のバリアをどんどん融かしてやって欲しい。結局そこです。
あとこの建物。加渡島建設。
第一話の見開きカラーページではこの前で立ちすくんでいる幼き悟が描かれており、気になります。悟にとっての過去の象徴する建物でもあり、物語にも関係ありそう。
しかしこの殺風景な中の不気味さがこの作品は上手く表現されてるよなぁ。
そんな「僕だけがいない街」2巻の感想でした。
月刊連載で6話収録コミックスなので、次出るのは半年後かな。
待たされるなぁ。早く続き読みたいよ!(ヤングエース買え
読み手の感情コントロールがうまいなーというのも2巻読んでて思いました。
喜怒哀楽の感情を読みながら転がされている。雛月はかわいいけど状況はスリリングで、サスペンスでSFですよ。いろんな楽しみ方がある作品。テンションの浮き沈みが激しくて、ハラハラドキドキです。
個人的な未来予想としては、主人公のリバイバル能力には代償が付くことが関係してくるのかなと思っています。代償というのは例えば自身が事故ったり、ものをなくしたり。
そんな風に代償がつきまとう能力で、こんな大規模な巻き戻しをしたらどうなるか。
代償として主人公自身が消える → 「僕だけがいない街」とタイトルリンク
みたいなラストかなーと想像。無粋かなと思ってもミステリものは妄想しちゃうよな・・・。ううん、どんな展開がこれから来るのか楽しみ!
雛月をなんとか幸せにしてやって欲しいです・・・。
『僕だけがいない街』2巻 ・・・・・・・・・・★★★★
1巻も面白かったですが2巻から本番という感じかな。いま続きが気になりまくるSFサスペンス。
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