[漫画]炎の悲劇!燃やされても君のそばに。『春の包帯少女』1巻
春の包帯少女1 (メテオCOMICS) (2013/05/11) 佐藤ミト 商品詳細を見る |
だって憎しみや恨みを抱えて生きていくなんて 女の子には辛いじゃない
華やかで格好いい超能力への幻想というか憧れみたいなのは自分にもあって、だからこそこの作品では最初ざっくり心えぐられた。
「春の包帯少女」はそんな憧れや幻想の裏を行く、超能力によってもたらされる悲劇をクローズアップしたサスペンス×恋愛漫画。
じりじりとした焦燥感にドキドキさせられる、シリアスな作品となっています。
ほのぼのとした平和な日常が悲劇へと転落していくその空気が絶妙!
この力は、ただ悲劇と罪を生むばかり。ましてや大切な恋人まで傷つけて…
連載から追っていた作品ですが、表紙が素晴らしいですね!
この作品の印象的な場面にヒロインが燃える、というのがあります。
炎。包帯。そして儚げなヒロイン。
この作品を飾る看板的要素がカッコよく描かれていてお気に入りの表紙。
連載読んでなくても本屋でこれ見たら表紙買いしてただろうなーと。
WEB連載なので1話と新しい話は無料で読めます。試し読みしてみては。
→http://comic-meteor.jp/haruno/
第一話の扉絵、これもかっこいいですなぁ。
連続放火事件が町を騒がせる。
でもそんな物騒な事件とはまるで関係がないように学校の日常はありました。
高校生のハルとナツは仲良しカップルとしてクラスからいじられるような2人。
2人の絆の深さを見せつけるようにイチャコラしまくり!
本当にお互いを大切に思っているんだな。恋しあってるんだな。
と刷り込んだところでこの作品は本題へ向かいます。
ほのぼの青春はサスペンスへと転落。
誰もが羨むような恋人同士でありながら加害者・被害者という立場になり
もうあの頃には戻れない、緊迫した世界になります。
特に追い詰められていく主人公の描写は秀逸で、読んでいてもこちらも逃げ出したくなる。ふさぎ込みたくなる。
大切な人を傷つけてしまった。罪悪感に押しつぶされそうだ…。
その一方でヒロインのナツの器の大きさというか、人間としての底の深さに魅入る。
覚悟が決まってからは女の子は強いもんかもな。
作中、主人公のモノローグはちらほらあっても、ナツのものはありません。
彼女がどんなことを考えているのが、読み手は「信じる」ことしかできませんが
そういう部分も、一体この先どうなるんだろうと期待を煽られる作り。
ナツは本当にハルが好きなんだろう。
けれど、その愛は深すぎて、もしかしたら恐ろしいほどかも知れない。
第2話のクライマックスは、彼女の神々しさとどこか漂う退廃感、そしてあまりに深すぎる愛情がミステリアスに描きこまれたいいシーンだったと思います。
やさしくて一途な女の子。
けどそれだけじゃない何かを感じるのは気のせいだろうか…。
主人公は超能力者ですが、精神面は普通に高校生男子なんですよね。
けれどナツは非常に肝が座っている。それは読み手にとっても頼り甲斐あるものでもあるし、もしかしたら結構とんでもない女なんじゃ…みたいな想像をしてしまうな。
ナツは儚げなんだけれど、底の見えない強さを秘めた女の子でもあると思う。
その強さがどういったものなのか、今後描かれていくんだろうか。
単純に恋する乙女は最強なのさ理論でまったく構いませんがw
ここまで強烈に好き合っている彼女たちの、馴れ初めとかも知りたいなぁー。
そしてもう一人のメインキャラクター、アキ。
理不尽や暴力、ひっくるめて「悪」を徹底的に嫌う少女。
彼女がゆっくりとハル・ナツの秘密に迫っていくのがスリリング……!
彼女には憎しみを抱くに至った過去があるようなので、この少女がどのように物語を乱してくれるのか、楽しみですよ。
良き友人ポジションでありながら、主人公たちを追い詰める追っ手役でもある。
第一巻はメインキャラクターの顔見せと謎の提示が主な内容でストーリーにあまり進展はありませんでした。
こういう物語の力強さで引っ張るサスペンスものなんかは、サクサク話が進んでいってほしいものです。じっくり丁寧なのもいいんですが、もどかしいですわ!
これから更に盛り上がっていくでしょうね。続きが気になります。
現実を舞台にしながらも唐突に主人公が超能力者だと明かされて、こういうリアルなお話ならファンタジーは無い方が良かったのでは…?と少し思ったり。
なんだかファンタジー要素が浮いてしまっている気がして。いまはまだ超能力設定の必然性が薄いというか。
でも例えばこれから先に来るかも知れない、主人公が能力を開花させてしまったキッカケの回想。悲劇ばかり生み出す超能力を逆手にとって、炎でヒロインを幸せにしてみせる爽快な展開。とかがストーリーに食い込んだら、1巻の段階での違和感は払拭されそう。
現時点でも「自分の意志で発動する訳ではない」「コントロールが効かない」→ヒロインを傷つけてしまう、というやるせなさを生むものとして、超能力は存在してくれていますが。
個人的にはやはり、悲劇を生んだこの能力で最後はハッピーエンドを掴んでほしい、という思いが強いですね。最後にはやっぱり超能力には夢があって欲しいw
今んところマジで「あってよかった超能力!」なシーン無いですからね。
もしくは超能力を封印しようって方に行くのかなー。どうなんだろう。
あと能力者はハルだけではないような描写も第5話にあったりして、はてさてどうなるか!
罪を背負った少年少女の、秘密の戦い。
こういう白夜行シチュエーション、昔から好きなんだなぁ。
2人だけの不道徳的な秘密。迫る脅威。甘い毒に酔いしれるような雰囲気。
シリアスな要素が強いですが、合間合間にある優しいラブコメパートには心癒されます…!
圧倒的癒し!
主人公カップルの好感度は高いので応援したいですが
まだまだどんな方向に進んでいくのか予想ができません。
主人公たちを追い詰める脅威もあり一筋縄ではいかなさそう。
これが初単行本とのことですがすでに画力は高く、読みやすいです。
表紙イラストにグッときたら、そのまま買ってOKなんじゃないかな。
残酷で、儚くて、心が痛くて、ドキドキする。そんな漫画。
『春の包帯少女』1巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
続きが気になりまくるストーリー。燃やした僕と燃やされた君の物語。
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