2ntブログ

正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[漫画]2016年1月単行本の購入予定

今年もよろしくお願いします。
なんかしらのまとめ記事とこの購入予定がほとんどなブログになっておりますが
もうちょっとなんとかしたいです。

01/05 白泉社 花とゆめコミックス かわいいひと 2 斎藤 けん
01/07 講談社 アフタヌーンKC ちん×ぱら 1 松本 藍
01/09 新潮社 バンチコミックス 向ヒ兎堂日記 6 鷹野 久
01/09 マッグガーデン ブレイドコミックス ARIA 完全版 ARIA The MASTERPIECE 1 天野 こずえ
01/12 小学館 ビッグ コミックス スペシャル お酒は夫婦になってから 2 クリスタルな洋介
01/12 小学館 ゲッサン少年サンデーコミックス 味噌汁でカンパイ! 1 笹乃 さい
01/13 講談社 KC Kiss こいいじ 3 志村 貴子
01/15 KADOKAWA 単行本コミックス オゲハ 2 oimo
01/15 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 ポラリスCOMICS 思春期ビターチェンジ 5 将良
01/22 講談社 アフタヌーンKC カナリアたちの舟 高松 美咲
01/22 講談社 アフタヌーンKC フラジャイル 5 恵 三朗/草水 敏
01/22 講談社 アフタヌーンKC ヴィンランド・サガ 17 幸村 誠
01/22 スクウェア・エニックス ガンガンコミックス 天賀井さんは案外ふつう 1 水野 英多/城平 京
01/27 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT 未満アイドル、ハジメます。 1 MATSUDA98
01/29 白泉社 書籍扱いコミックス この靴しりませんか? 完全版 水谷 フーカ
01/29 リイド社 トーチコミックス ニュクスの角灯 1 高浜 寛

すくねぇ!1月購入予定。
松本藍センセイ、講談社で単行本出るか。モリタシリーズ好きです。
地道に人気も出てきている感じのある「向ヒ兎堂日記」も新刊。月刊ヤンキンで昔やってた作品を単行本化してほしい。あれ結構好きだったんだけどなー。
ARIA完全版!やっと出るぞ!しかも毎月発売だったはずが2巻は3月発売だ!メイトでマラソン予定。
サークルの酒飲み仲間で集まったらマジでみんな買っていた「お酒は夫婦になってから」第2巻!
「味噌汁でカンパイ!」、味噌汁限定お料理漫画。ほのぼのラブコメとしてもバッチリ楽しい。
「オゲハ」、前巻は結構胸糞展開だったんですけど、2巻はいろいろ爆発しそうで楽しみ。
「思春期ビターチェンジ」いよいよ思春期が暴走し破裂する季節がやってくる。高校編!
ドラマももうじきやる「フラジャイル」。本当に、すごく完成度のたかい漫画だと思います。
かつてスパイラル読者だった身としては買いたい「天賀井さんは案外ふつう」。
MATSUDA98さんの商業単行本って結構久しぶりだ。「未満アイドル、ハジメます」。
「この靴しりませんか?」、大好きな作品がここにきて完全版としてリリース。

ちょっと買う量少なくて寂しいので適度に新規開拓していく予定。

[漫画]クリスマスだよエロ漫画2015!

クリスマスが近づいてきたので今年もやります。
毎度懲りずにクリスマス=エロを安直に結びつける更新の日。
クリスマスはエロ漫画を読めよ2015。

クリスマスだからエロ漫画の年間まとめを更新する、うち的には恒例のやつです。
過去のエロ漫画総括記事。
クリスマスだからエロ漫画2010!
クリスマスこそエロ漫画だよ2011!
クリスマスだしエロ漫画2012!
クリスマスなんだしエロ漫画2013!
クリスマスなのでエロ漫画2014!

今回で六回目ですか。
前回の更新から、作品の選出をした12月20日くらいにかけて発売された成年向け単行本から
抜けるとか泣けるとかニヤけるとか、いろいろ基準ひっくるめたお気に入りを10冊選びました。

お前らクリぼっちがどうとか言ってないでエロ漫画でも読んでいればいいじゃないかと!
ところでクリぼっちってクリ勃○みたいでスケベですよね・・・耳にする度ドキドキする・・・

もちろん18歳以下キッズは見ないでください。

続きを読む ≫

[漫画]2015年12月単行本の購入予定

12月の購入予定。
12/01 祥伝社 フィールコミックス WHITE NOTE PAD 1 ヤマシタ トモコ 734
12/04 講談社 ヤンマガKC 中2の男子と第6感 2 福満 しげゆき
12/04 集英社 ジャンプコミックス 背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 2
12/04 白泉社 花とゆめコミックス ラストゲーム 9 天乃 忍
12/08 秋田書店 少年チャンピオン・コミックス・タップ! 死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々 2 阿部 共実
12/09 講談社 講談社コミックス ハピネス 2 押見 修造
12/11 講談社 KC Kiss 長閑の庭 3 アキヤマ 香
12/11 講談社 KCデザート ももいろ人魚 2 曙 はる
12/11 小学館 少年サンデーコミックス デラックス ひとりぼっちの地球侵略 9 小川 麻衣子
12/11 小学館 ゲッサン少年サンデーコミックス あしたは土曜日 はる・なつ 山本 崇一朗
12/11 小学館 ゲッサン少年サンデーコミックス からかい上手の高木さん 3 山本 崇一朗
12/12 徳間書店 リュウコミックス とりきっさ! 3 ノブヨシ侍
12/12 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 メテオCOMICS お前ら全員めんどくさい! 4 TOBI
12/12 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 メテオCOMICS 恋愛暴君 8 三星 めがね
12/14 KADOKAWA BEAM COMIX 世界八番目の不思議 宇島 葉
12/14 KADOKAWA BEAM COMIX 乙嫁語り 8 森 薫
12/18 小学館 少年サンデーコミックス だがしかし 4 コトヤマ
12/19 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT 菅野マナミ短編集 良い子さんと不良先生 菅野 マナミ
12/19 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT 新米姉妹のふたりごはん 1 柊 ゆたか
12/22 講談社 アフタヌーンKC げんしけん 二代目の十 19 木尾 士目
12/25 集英社 マーガレットコミックス 宇宙を駆けるよだか 3 川端 志季
12/25 スクウェア・エニックス ビッグガンガンコミックス やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。―妄言録― 8 佳月 玲茅/渡 航
12/25 白泉社 書籍扱いコミックス 純水アドレッセンス 完全版 かずま こを
12/25 白泉社 書籍扱いコミックス 彼女の囀る声 黒咲練導作品集 2 黒咲 練導
12/26 KADOKAWA カドカワコミックスA 僕だけがいない街 7 三部 けい

12/中 ワニマガジン社 WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL (成)みすでぃれくしょん ひげなむち

「すじピン!」順調に面白いジャンプ期待の新作。文化系なのにスポーツ、しかも部活描写多いの嬉しい。
「ラストゲーム」はいよいよ9巻。正直前の巻が盛り上がりすぎた感じもあるがさて。
「死にたくなるしょうもない日々~」は2巻。WEBでちらほら読めていたけれど、今回も当然爆弾アリ。
「長閑の庭」、いま個人的に応援してる作品。恋を哲学する作品なんだけど田中氏の残念な感じがたまらない。
「ももいろ人魚」久しぶりの新刊。さくっと読めてほどほどエロくて読みやすい。
山本崇一朗先生の「あしたは土曜日」「からかい上手の高木さん」2冊同時。至福ぅぅぅうう。
「世界八番目の不思議」、おお、すごい!絶望四八十手の人だ!(と言ってどれだけ通じるか分からん) →http://uno.fem.jp/img/48/index.html
「新米姉妹のふたりごはん」、いろいろ面白アイテムが飛び出る料理漫画。料理の美味しさ語りやグルメトリビア路線ではなく、かわいい女の子が料理作りを楽しむってやつだ。これはいいやつなんだ。
二代目になってもう10冊目、「げんしけん」。ところで今月のげんしけんは鼻毛告白以来に涙がこみ上げた。
前巻のあまりのおもしろさに打ち震えた「僕だけがいない街」。どう考えても傑作だ。楽しみすぎる。

クリスマスに向けてエロ漫画の選定もぼちぼちやっていかないとぁ。

[漫画]わたしは貴女の特別なひと。『やがて君になる』1巻

4048654322やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT)
仲谷鳰
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-10-24

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   好きにならなきゃいけないと思って 辛かったんだね

「特別」って何だろうかと、思う瞬間。

仲谷鳰さんの初連載作、「やがて君になる」の1巻が発売されました。
発売前から知り合いに「いい百合漫画がある。分かりやすい百合とはちょっと遠いかもだけど」とオススメされて、どういうこっちゃと期待値高めに購入した次第。
結果的にはめちゃくちゃおもしろい。かつ、恋愛感情というものに対してこれまであまり見なかったようなアプローチがされているように感じられます。かなり新鮮でした。
ざっくり感想を書くとします。

漫画を読む前でも読んだ後でも、このインタビューは面白いと思うのでこちらも要チェック。
百合作品に対する想いを語る――電撃コミック『やがて君になる』作者突撃インタビュー!



新入生、小糸侑。
恋愛が分からない。焦がれたいのに心が揺れない。
恋愛不感症とも言えるそんな主人公が、生徒会の先輩である七海燈子と出会って物語は始まります。七海先輩は男子からはもちろん女子からも愛の告白を受けるような、いわゆる高嶺の花。
「今まで好きと言われて、どきどきしたことないもの」とまで言ってのける彼女は
しかしとある事から小糸侑に心惹かれるようになり、アプローチをかけていく―――
はじめて特別な感情を抱いた先輩と、いまだ“特別”の感触を知らない小糸。
2人の関係にまつわる、様々な感情が少しずつ暴かれていく形で、ストーリー進みます。

恋愛不感症とは失礼は言い方ですが、そんな主人公・小糸侑のキャラクター性こそが、この作品の大きな魅力になっていると思います。
ときめき度高いセリフやシチュエーションが繰り出されたところで、彼女は動じない。きっとこれは喜ぶべきことなんだろう、素敵だな、と思いはする。でもそれは絵空事のように実感は無く、彼女にとって嬉しいも悲しいもない。感情が揺らがない。

本で読む、歌に歌われる、キラキラした恋模様。
まるで羽根が生えたように心は軽く舞い上がって、ドキドキして震えが止まらないような興奮。
そんなのを夢見るけれど、いざ告白されたって

やがて君になる11

舞い上がること無い心、しっかり地面を踏みしめたままの脚、静かなままの心臓。
小糸は先輩との関係性を通じて、これから恋を知っていく・・・という流れではあるものの
時折、この主人公の黒い感情が炸裂する。炸裂してくれる。これがたまらないんですよ!

“特別”を知った先輩に対して「ずるい」と、嫉妬のような感情を露にしてしまう。先輩の好きな人は自分なのに。自分がその“特別”の感情を知らないことからくるいらだち。
まずもって小糸が先輩に興味を抱いたのは、先輩が自身と同類だと思ったからだった。
その先輩は、ほかならぬ自分で“特別”を知って、変わった。
私も知りたいのに。私もそっちへ行きたいのに。どきどきして、ふわふわしたいのに。

やがて君になる12

けれど、特定の相手にこういった黒い感情を抱いてしまうってことも
恋愛不感症である彼女にとっては、ひとつの進歩のようにも思えたりする。
先輩の必死のキスを、無感情に無感動に受け止めた小糸。
彼女がそういう“特別”を先輩に抱く。ポジティブな気持ちでは無くても。
これというのもひとつ、先輩との関係における彼女の得たもののひとつに感じる。

・・・でも彼女は恋愛的な意味でどきどきできない意味での不感症であってけっして感情が無いわけではないです。
もとから感情が薄いこともあるだろうし、幼少のころから「恋とはすごいものらしい」というイメージが膨らみ上がりすぎて、いざ自分が直面したときのギャップが激しかったというのも原因にあるだろうな。
彼女の抱いた嫉妬だって、恋愛がらみではなく人間が備える元来の感情ではあり
これを彼女の恋愛的な進歩と呼ぶのもちょっとズレがあるかなぁと自分で反論したり。
でもひとりの人間に強い感情を抱くというある種の執着は、どんな形であれ心の距離を縮めるように思う。

ともかく、彼女の感情の揺れ動きを追うだけで、彼女のモノローグをひとつ取り上げるだけで、とてもワクワクするのです。なんてめんどくさい女の子なんだろうかと。でもそこがひどく可愛らしい。



どうして先輩は私のことを好きなんだろうかと、恋をする人たちがその身を焦がす感情とはどんなものなのだろうかと、小糸は悩みます。
幸せな悩みでもあるだろうけれど彼女は彼女なりに、涼しい顔をして、この命題に取り組むのです。

で、そんな難敵に恋してしまった七海先輩は、これまた本当に、乙女なんだ・・・
これまで恋というものを知らず、誰とも付き合いもせず過ごしてきた彼女。
クールな彼女が初恋を前にジタバタしてしまうのがかわいすぎる・・・!!

なんとか、なんとか意識してもらおうと不意打ちキスをきめたり
休みの日だってオマケみたいな理由を付けて会いにきたり
人前では凛々しい彼女が、裏からこっそり小糸に触れられたら動揺が隠し切れない。
ささやかなシーンですがペットボトル回し飲みの間接キスに照れちゃうのも地味に破壊力高い。
「アーーーッ!!アーーーーッ!!!」と思わずのけぞってしまう可愛らしさ。
相方がなにを言われてもされても赤面ひとつせずツンとした女の子なので
その反動のように、等身大の恋する女子が全面にあふれた七海先輩が際立つ。

けれど七海先輩にだって一捻りがあって。
七海先輩にとって、小糸は縋る先でもあったのだと。明かされてさらにニッコリである。

彼女は努力によって、平凡だった自分を変えて今に至った。
周りに好かれるため、信頼されるため、理想の自分を目指して、必死にもがいた。

やがて君になる13

七海先輩は、特別な自分であり続けたい。
けれど小糸は、”特別”を知らない。彼女の前でなら、特別である必要がない。
張り詰めた努力で日常を維持している先輩にとって、
小糸の前でだけは、”特別な自分”を手放せる。それこそが特別な関係なのだ。

恋愛的な意味での”特別”を探す小糸。誰かに認められた”特別”な自分が欲しい燈子。
ちがう意味合いだったはずの『特別』というキーワードがここで重なる。
読んだ時にゾクゾクきたんだ・・・お見事なんだよなぁ・・・!



一目惚れのような、最初から燃え上がるような恋じゃなくてもいい。
小糸の友人である朱里の失恋エピソード時にも語られることですが
それはそのまま小糸と先輩にも当てはまるもの。
かなり変化球な主人公ですが、だからこそこの作品は面白い。

主人公たちだけではなくサブキャラたちも今度動いていきそうな予感があるし
これは引き続きチェックしたいシリーズですね。
とくに佐伯さんは、これから黒い感情が出てきそうでワクワクします。
個人的には小糸の友人で黒ボブヘアの娘が好きなので活躍してほしいぞ・・!

百合漫画・・というにはイチャイチャ成分は少なく、そもそも恋愛そのものへのポジティブさに欠けているものの、やはりこれは、とても慎重な、とても臆病な、恋のおはなしだ。
そして恋愛にかぎらずより根本的な、人としてのつながりに視線が向けられているようにも感じる。恋というか、人を想うことに、焦点を当ててる。
「女の子だから」というより、「あなただから」と断言できるような
そういう、恥ずかしくも最高にかっこいい恋へと、物語は走りだした。
今はまだ遠いけれど、やがて特別な君になる。
いずれ来ると信じたい小糸ちゃんと初恋と、最高級の赤面を待っています。

『やがて君になる』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
期待が持てる新人さんでありシリーズ第一巻。恋愛感情を遠くから眺めるような百合漫画です。

[漫画]正しい愛し方を知らない『あなたの世界で終わりたい』

あなたの世界で終わりたいあなたの世界で終わりたい
あおの なち

一迅社 2015-09-25
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   誰だって 強がって 他愛もない嘘をつくから

あおのなち先生の作品集「あなたの世界で終わりたい」感想。
前回の「あの子に優しい世界がいい」と連続刊行されたうちの一冊目。
表紙の雰囲気からもわかりますがはっきりと差別化されていて、2冊一緒に手元においておきたいデザインとなっています。並べて本棚に置くと綺麗。
恋のような魔法があるなら『あの子に優しい世界がいい』

さて、こちらの短編集はどちらかというとダークなメルヘン要素が強いかなと感じる。
モチーフとなっているのは例えば天使だとか吸血鬼だとか。
どちらにせよ人外×少女の組み合わせとなっており、そういったジャンルが好みの方なら特にオススメしたい。

全部で4編を収録しています。それでは個別に。



●「Goodbye my god」
転入してきたイケメンは、そのあと不登校になった。
プリントを届けに彼の家に行ったら彼には羽根が生えていた。
転校生は天使だったのだ。

自分を赦せるか、がテーマなのだろうか。正直もっと先を読みたい、もっと言葉が欲しくなった短編ではある。けれどあの静寂のなかで歩み出す一瞬で幕を下ろすこの短編は、この本の中で1番いとおしい物語。
できそこないの自分。周囲と違うことに耐えられず逃げ出した弱い自分。
人間の世界に馴染めずに登校拒否をする自分。
天使である園田くんは、クラスメイトのの田村さんと会話する中で、自分のナイーブな部分をどんどんとさらけ出していく。
話し相手が現れた歓びもあったろうけれど、それ以上に、これまで彼はどれだけ寂しい孤独の中にいたのか、彼の懐きぶりの裏側を想像するだに胸が締め付けられる。

あなたの世界12

捨てられたことを嘆いた天使は、自らの意思でその翼を捨てる。
天使でも人間でもどちらでもない状況から、一歩踏み出したことで
園田くんの中で、どれだけ田村さんのぬくもりが大切であったかがわかる。

しかしこの小さな一歩から少年と少女はどう変わっていくんだろう。
田村さんはクラスで浮き気味。家庭も円満とは到底言えず。
きっと様々な変化がこれからあるだろうけれど、それをきちんと読んでみたかったなぁ。
続編があったら学園ラブコメ路線でオナシャス!!(無理
美しい、印象的な結末でしたが、やはりもっと様々なものが解消された世界まで描き切って欲しかったようにも思う。贅沢かな・・・
神を捨てて少女の手をとるというのはタイトル回収がうまくされてて好き。

●「僕らの破片」
兄妹の描いたショート。正しい愛とはなんだろう、というテーマを描く。
主人公のお兄ちゃんは、昔から男の子を好きになる男の子だった。
幼少の頃より「自分は普通ではない」ということを知り、いまなおその現実に苦しめられながら、好きな人にたやすく裏切られながら、いま妹の恋愛相談を受けている。
ラストは思わずニヤリとさせられる仕掛け。
妹のきらめいた瞳は、果たしていつまで光っていられるだろう。
彼女もまた、イバラの恋を征く。
兄貴の呪うような祈るような冷たい視線がぐいぐいと読者を引き込んでくる。

あなたのせかい13

●「Mr.wonderland」
「ぼくたち、『ミスター・なんちゃら』みたいなタイトルに弱い芸人でーす!」
というくだらないネタはさておき、この短編はほかとちょっと趣が違う。
まさにワンダーランドに迷い込む夢の物語で、ファンシーでありつつかなりオドロオドロしい、黒っぽい血で塗り潰された悪夢のような感触。なのに夢の最後は、甘酸っぱくてセンチメンタル。
ワンダーランドに無邪気にあこがれる少女期からの卒業、そんなストーリーかな。
お別れを告げるラストシーンはずいぶんと大人びたキス。

●「貴女の世界で終わりたい」
表題作。「あなた」と「貴女」の変更点は色々意味深なポイント。
コミックスのタイトルにするにあたって、より幅広い意味が与えられた。
80ページ程の中編であり、かなりエネルギーがつまった作品に感じられます。

死にたい願う少女。血を飲めず衰弱する吸血鬼。
少女は、どうせ死ぬならあなたに殺されたいと願う。
願いながらも、閉じた世界でふたりは寄り添って、何事もない会話を交わす。
以下、ネタバレになってしまうので注意で。

あなたの世界11

・・・やはりこのラストの解釈はいろいろ出来そうなので、自分のものを書いておく。
最後で主人公の名は「田村芙由」であったことが明かされるわけですが
田村という姓はそもそも吸血鬼が名乗っていたものだったはず。

この作品における吸血鬼とは実在するモンスターというより、心に巣食う鬼。つまり最初から吸血鬼なんてのはこの世界に存在はしていなかった。彼がいたのは芙由の心の中。
「貴女の世界」。

彼女が急に孤独感に苛まれて不登校になったのは、弱った心に吸血鬼が取り憑いたから。
そりゃ150年前から生きてる吸血鬼が「田村」を名乗っているの、いま思えば違和感ありまくりである。

芙由が勝手に精神の深層世界でもうひとりの自分と語らっていたということも考えられる。
「貴女のことがきっと好きだった」と吸血鬼に言われたのも、彼女の妄想だったのだろうか。
芙由も吸血鬼も、母親という存在をとても重々しく捉えていることも共通する。
吸血鬼とは、心のもうひとりの芙由だったということだろうか。

しかし吸血鬼のセリフひとつひとつを見ても、死にたがる芙由に現実で戦うことを求めたりかなりアクティブ。
その上で母親と同じ悲劇を辿ろうという彼固有のバックボーンもあったり
芙由の中だけに存在する幻影などではなく、ちゃんとした個として描かれている。
彼が「成り損ない」であったことが、芙由が生き延びた理由として述べられている。
彼が出来損ないなのは血が飲めないこともあるけれど、まずターゲットを死に至らしめることができない心の優しさもあり、さらに言えば取り憑いた少女に恋をしてしまうような詰めの甘さもあったりする。
結局のところ、ひどく脆く儚い、存在だった。
人の心の中にしか存在しないとは言っても、きっとこんな弱い吸血鬼がいたのだろうと
そう信じさせてくれるような説得力のあるラストとなっている。
「ヒトとして死ぬ」ことを選ぶ。誰かのために命を投げ出せるような恋ができる。


印象的なモノローグのタイミングだとかコマ割りの華麗さだとか
かなり雰囲気で魅せてくるタイプの作品。スタイリッシュ。

そういえばこの作品も「Goodbye my god」も、姓が田村なキャラが出てくるのはなにか関連があるのだろうか。



そんな作品集。
「あなたの世界で終わりたい」「あの子に優しい世界がいい」2冊並べて置くが吉。
主にページ数の多い「Goodbye my god」「貴女の世界で終わりたい」のイメージから来ているけれど、コンプレックス・・・というか疲れて弱り果ててしまった心を、いかにして開放するか、そういった場面が印象的な一冊。
開放は傷を抱えながら生きていくことでもあるし、あるいは死に場所を見つけることでもある。
なんだかんだで出てくるキャラ、ギリギリで生きることに執着してくれるからそう暗いものでもない。
あおのなち先生の同人誌こんど出たらきっと手に入れる。

『あなたの世界で終わりたい』 ・・・・・・・・・★★★☆
美麗な作画、澄んだ氷のような世界観、スタイリッシュなキメシーン。ツボ。
「あの子に優しい世界がいい」と比べると、なんとなくこちらの方が暗い・・・ような。

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引っ越し先

ブログを引っ越しました。 当ブログは更新を停止し、新ブログにて更新をしています。 https://sazanami233.hatenablog.com/

楽園に花束を

プロフィール

漣

Author:漣
「さざなみ」と読みます。
漫画と邦ロックとゲーム。
好きなのは思春期とかラブコメとか終末。

連絡先。
omuraisu0317あっとyahoo.co.jp(あっと→@に)

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基本毎日います。記事にしない漫画感想とかもたまにつぶやいてますので、宜しければどうぞ。

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