ブログを引っ越しました。
突然ですがブログを引っ越しました。
http://inmsazanami.wordpress.com
↓
【最新】https://sazanami233.hatenablog.com/
このFC2ブログでの更新はたぶんこれで最後になります。
削除はしませんが、新しいブログに大半の記事は移設しました。
このブログは、ほぼ役目を終えた状態です。
理由としては、このブログはR18ジャンルのブログとして(年に1回のクリスマスの記事のために)やってきておりましたが、禁止ワードがかなり厳しくなってきたことが大きいです。
普通の漫画の記事を書いていても「女子中学生」とかで投稿がはじかれていました。それ以外にも事細かにNGワードが設定されており、それをチエックして書き直して・・・という作業がめんどくさすぎて、ストレスでした。
これまであんまり読み返さずにガーッとかきあげてハイ更新!という雑なやり方だったので
それができなくなったのが窮屈に感じたこともあり、ブログ引っ越しという結論に。
まぁそれ以外にもFC2でブログを続けるという事に対して、思う所もあったり。
アダルトジャンルでは突然凍結されてしまったという話題を結構耳にしましたし、実際このブログも短期間でしたが2度ほど凍結されています。その度に肝を冷やしましたが、そういう不安を抱えたままというのも座りが悪いなと。
10年以上このブログを続けてきました。
中学生の頃から続けていたもので自分としてもかなり愛着はありましたが、別に新しいブログになった所でやることは変わらないので、見てくださってる方がおりましたら次のブログでもよろしくお願いいたします。
漣
http://inmsazanami.wordpress.com
↓
【最新】https://sazanami233.hatenablog.com/
このFC2ブログでの更新はたぶんこれで最後になります。
削除はしませんが、新しいブログに大半の記事は移設しました。
このブログは、ほぼ役目を終えた状態です。
理由としては、このブログはR18ジャンルのブログとして(年に1回のクリスマスの記事のために)やってきておりましたが、禁止ワードがかなり厳しくなってきたことが大きいです。
普通の漫画の記事を書いていても「女子中学生」とかで投稿がはじかれていました。それ以外にも事細かにNGワードが設定されており、それをチエックして書き直して・・・という作業がめんどくさすぎて、ストレスでした。
これまであんまり読み返さずにガーッとかきあげてハイ更新!という雑なやり方だったので
それができなくなったのが窮屈に感じたこともあり、ブログ引っ越しという結論に。
まぁそれ以外にもFC2でブログを続けるという事に対して、思う所もあったり。
アダルトジャンルでは突然凍結されてしまったという話題を結構耳にしましたし、実際このブログも短期間でしたが2度ほど凍結されています。その度に肝を冷やしましたが、そういう不安を抱えたままというのも座りが悪いなと。
10年以上このブログを続けてきました。
中学生の頃から続けていたもので自分としてもかなり愛着はありましたが、別に新しいブログになった所でやることは変わらないので、見てくださってる方がおりましたら次のブログでもよろしくお願いいたします。
漣
「高木さん」も輩出したゲッサンminiが結構スゴいので読んでほしい
いやぁ「からかい上手の高木さん」のアニメは最高ですね。
幸せすぎる。自分をふりかえって鬱になるとか無い無い。そんなの通り越して高木さんがかわいい。
ちょっと昔のJ-POPのカバーソングを採用するっていうセンスも良すぎませんか。
今やあだち充先生のMIXと並ぶ、ゲッサンの大看板に成長した「からかい上手の高木さん」ですが、もとは雑誌連載ではありませんでした。はじまりは雑誌の付録冊子。ゲッサンにたまについてくる付録「ゲッサンmini」にシリーズ掲載されていき、ネットで人気がワッと拡大して本誌昇格。そっからはゲッサンお前なんかい高木さんを表紙にしてんだよ状態。新人さんが大出世ですよ。ついにアニメも始まりました。
本題ですが。ゲッサンminiはかなりヤバいです。
新しい個性がバンバン飛び出す、滅茶苦茶いい舞台になってます。
創刊号からゲッサンを購読してるので贔屓目ではありますが・・・
「からかい上手の高木さん」が誕生した聖地として、改めて取り上げてみたいと思います。
過去に掲載された中から個人的にお気に入りの作品をプレイバック。
なんとありがたいことに過去作はpixivコミックで読める!
あと最近うぇぶりで「ゲッサンルーキーズ」というコーナーが設けられ毎週作品が掲載されてます。
まぁゲッサン大好きマンの書く記事なので、小学館の回し者程度に思って読んで下さい。
空虚な人たち/吉川皓也(ゲッサンmini2017春掲載)
完全に天才。
ドロリと濁ったような妖しいペンタッチがクセになる。明らかにおかしいテンポが病みを感じさせる。けれど描かれる世界はどこかコミカルでもあったり、キャラクターがしっかりと息づいた魅力的な、魅惑的な漫画を描かれる新人さんです。
なんでこの人は数あるコミック誌からゲッサンを選んだんだと思わなくもない作風。でも読んでみると、不思議とゲッサンの空気からは外れていない(と、思うけどどうなんでしょう・・・
掲載当時から一部界隈がにわかに沸き立っていたこの読み切り。
物語の流れも素晴らしい。インモラルな空気とケロッとしたままの主人公の対比が面白いし、風景がゴチャっと猥雑で。混沌とした空気がたまらない。全編通して無機質じみた雰囲気の中で、かすかに動きをみせる少女の表情ひとつひとつに目が止まる。
語りすぎず、かと言って冷めきってもいない。漫画としての設定温度が絶妙。
いま自由に読める作品はこれだけですがゲッサンで過去に掲載された読み切りもそれぞれ尖りまくってました。埋もれさせてはいけない作品たちです。ぜったいに作品集を出してくれよな・・・!
これが初掲載された作品。
どれもこれも、個性とエンタメの両立が素晴らしい。(ゲッサンmini+2)
おと・ふと/井上まい (ゲッサンmini2016秋掲載)
読み切りとしての完成度で言ったらmini個人的に史上最高峰ですね。
童話的な設定で、見事なストーリー展開と仕掛け。あとは柔らかなタッチが世界観にピッタリ。
夫を探すために禁忌の森へ入った少女が出会ったのは、醜いクマのようなばけもの。不思議な関係がはじまり、少しずつ暖かな空気となっていくんですが・・・
作画のレベルも高いし雰囲気も最高、ラブストーリーとしてもグッとくる。これも埋もれておいてしまってはもったいない名作ですよ。
井上まい先生は「春のムショク」という作品を連載を始めており、もう少ししたら1巻が出るかなーという感じ。
こちらの一捻りが隠された青年と少女の物語。
井上まい先生の作品はやさしい柔らかな世界観で、ギュっと心が締め付けられるような切なさ、叙情をひと味加えるのが上手い。追いかけていきたい作家さんです。
(デカッ)
16歳でデビューを飾った仲沢ゆうか先生の作品を紹介。
ツイッターで貼られた作品は本紙掲載だったのでいまWEBでは見られないんですが、読める2作を。
東京ハイドソング (ゲッサンmini2016秋)
「東京ハイドソング」。音楽で殺され、音楽に救われていく人間のお話。心をへし折れる瞬間をばっちり描いてくれるので結構しんどいお話なんですが、そのぶんスカッとしますね。主人公の冴えないキャラクター性とか好きだったので、連載になったりしないかなーと密かな期待を寄せている。
この主人公がのし上がっていくの見たいよな。
吉野のおわり (ゲッサンmini2018冬)
「吉野のおわり」はこないだ掲載されたばかりの最新作。あまりにもエモ雪を多用してくるため問答無用で心臓に圧をかけてくる。
いきなり幼馴染に先立たれ始まる物語。非常にモノローグ的な短編なんですが、それゆえに作家さんのセンスがむき出しになっている。イラストとポエムの融合率の高さよ。
少年の死後、思い出をたどりながら自分の思いを見つめ直していく。無くしてから気づく。あれは恋なのだったのだと。
僕と彼女の発明(ゲッサンmini+ 7号)
犬養友先生の作品は結構いろんな方向性の作品を発表しています。ちょっとブラックだったりほんわか系だったり。その中でも1番お気に入りの作品。
天才がゆえにクラスから浮いてしまった少女と、素直になれないけれど彼女を見守る主人公の、思春期全開のこそばゆいお話。ラブコメと呼べるほどハッピーでもないけれど、少しだけ社会からはみ出したってそれでもいいじゃんって気楽に笑ってくれるような開放的なラストが印象的。
欠席0 (ゲッサンmini2017秋)
真田先生は近年のゲッサンのデビュー作家の注目株。エモいやつ描いてくれる人です。
絵柄の可愛らしさとキャラクターたちの掛け合いがなんともおかしくて、それなのにこの作品みたいに心にチクリとトゲが残るような作品を描いてくれる。侘び寂びですよね(???)
終盤のヒロインの表情で一発で心を鷲掴みされました、すべて物語ってますよ、そしてこれが全てなんだよな。
おかえりやさしい季節 (ゲッサンmini2017冬)
菊屋あさひ先生の描く作品は、作中で炸裂する感情がメチャクチャ生々しい。
怒りも悲しみも虚無も自己嫌悪を、ネガティブでしかも身に覚えがある葛藤を描くことが多い。
行き場のない気持ちを、どう落とし込むか。解決も解消もされないたったいま目の前にあるリアルと、どう向き合うか。
内省的なテーマを描き続けるがゆえに、きっと刺さる人にはぶっ刺さる殺傷能力の高さがたまらない。尖った作家さんが好き。よむたびに傷ついて、そしてちょっとスッキリする。自傷行為に似た。
あと新作がサンデーうぇぶりで公開されてます。2作。
海の底のヨーコ先生 http://www.sunday-webry.com/contents/33677
くっら。どうなってんだよ。でもラストの演出とか目頭が熱くなってしまう。家族というある種の牢獄、強すぎる繋がりに縛られ苦しむ人のリアルな痛みが、そしてほんの少しの救いがある。
ごめんなさいの夕暮れ http://www.sunday-webry.com/contents/34077
くっらい、くらいよ。一生引き摺ってしまいそうな思春期のトゲ、暗い罪悪感。うんうん、それもまた百合だね。たまらんやつです。
雑誌をよむ楽しみって、好きな連載を追うことはもちろん、新人さんの作品にいちはやく触れることができることだと思ってます。好きな雑誌に新しく載る作家さんって、それだけで自分へのヒット率高いし。
そういう意味でゲッサン系の新人作家さんは個人的にお気に入りがとても多くて
いっかいどこかで紹介したいと思ってたので今回記事にまとめてみました。
ゲッサンは新人さんの漫画だけ載った別冊付録がつくのも嬉しい。アフタヌーンは四季賞ポータブルをやめてしまいましたからね・・・。今後も続けてほしい。
幸せすぎる。自分をふりかえって鬱になるとか無い無い。そんなの通り越して高木さんがかわいい。
ちょっと昔のJ-POPのカバーソングを採用するっていうセンスも良すぎませんか。
今やあだち充先生のMIXと並ぶ、ゲッサンの大看板に成長した「からかい上手の高木さん」ですが、もとは雑誌連載ではありませんでした。はじまりは雑誌の付録冊子。ゲッサンにたまについてくる付録「ゲッサンmini」にシリーズ掲載されていき、ネットで人気がワッと拡大して本誌昇格。そっからはゲッサンお前なんかい高木さんを表紙にしてんだよ状態。新人さんが大出世ですよ。ついにアニメも始まりました。
本題ですが。ゲッサンminiはかなりヤバいです。
新しい個性がバンバン飛び出す、滅茶苦茶いい舞台になってます。
創刊号からゲッサンを購読してるので贔屓目ではありますが・・・
「からかい上手の高木さん」が誕生した聖地として、改めて取り上げてみたいと思います。
過去に掲載された中から個人的にお気に入りの作品をプレイバック。
なんとありがたいことに過去作はpixivコミックで読める!
あと最近うぇぶりで「ゲッサンルーキーズ」というコーナーが設けられ毎週作品が掲載されてます。
まぁゲッサン大好きマンの書く記事なので、小学館の回し者程度に思って読んで下さい。
空虚な人たち/吉川皓也(ゲッサンmini2017春掲載)
完全に天才。
ドロリと濁ったような妖しいペンタッチがクセになる。明らかにおかしいテンポが病みを感じさせる。けれど描かれる世界はどこかコミカルでもあったり、キャラクターがしっかりと息づいた魅力的な、魅惑的な漫画を描かれる新人さんです。
なんでこの人は数あるコミック誌からゲッサンを選んだんだと思わなくもない作風。でも読んでみると、不思議とゲッサンの空気からは外れていない(と、思うけどどうなんでしょう・・・
掲載当時から一部界隈がにわかに沸き立っていたこの読み切り。
物語の流れも素晴らしい。インモラルな空気とケロッとしたままの主人公の対比が面白いし、風景がゴチャっと猥雑で。混沌とした空気がたまらない。全編通して無機質じみた雰囲気の中で、かすかに動きをみせる少女の表情ひとつひとつに目が止まる。
語りすぎず、かと言って冷めきってもいない。漫画としての設定温度が絶妙。
いま自由に読める作品はこれだけですがゲッサンで過去に掲載された読み切りもそれぞれ尖りまくってました。埋もれさせてはいけない作品たちです。ぜったいに作品集を出してくれよな・・・!
これが初掲載された作品。
どれもこれも、個性とエンタメの両立が素晴らしい。(ゲッサンmini+2)
おと・ふと/井上まい (ゲッサンmini2016秋掲載)
読み切りとしての完成度で言ったらmini個人的に史上最高峰ですね。
童話的な設定で、見事なストーリー展開と仕掛け。あとは柔らかなタッチが世界観にピッタリ。
夫を探すために禁忌の森へ入った少女が出会ったのは、醜いクマのようなばけもの。不思議な関係がはじまり、少しずつ暖かな空気となっていくんですが・・・
作画のレベルも高いし雰囲気も最高、ラブストーリーとしてもグッとくる。これも埋もれておいてしまってはもったいない名作ですよ。
井上まい先生は「春のムショク」という作品を連載を始めており、もう少ししたら1巻が出るかなーという感じ。
こちらの一捻りが隠された青年と少女の物語。
井上まい先生の作品はやさしい柔らかな世界観で、ギュっと心が締め付けられるような切なさ、叙情をひと味加えるのが上手い。追いかけていきたい作家さんです。
とにかく読んでください!!
— ゲッサン編集部 (@gessanofficial) 2016年3月11日
弱冠16歳の瑞々しい感性に編集部一同震撼!!
第80回ゲッサン新人賞準グランプリ受賞作、
『左斜め前からの救世主』仲沢ゆうかを緊急掲載!!?
『ゲッサン4月号』は本日発売!! pic.twitter.com/wpQfqyipIK
(デカッ)
16歳でデビューを飾った仲沢ゆうか先生の作品を紹介。
ツイッターで貼られた作品は本紙掲載だったのでいまWEBでは見られないんですが、読める2作を。
東京ハイドソング (ゲッサンmini2016秋)
「東京ハイドソング」。音楽で殺され、音楽に救われていく人間のお話。心をへし折れる瞬間をばっちり描いてくれるので結構しんどいお話なんですが、そのぶんスカッとしますね。主人公の冴えないキャラクター性とか好きだったので、連載になったりしないかなーと密かな期待を寄せている。
この主人公がのし上がっていくの見たいよな。
吉野のおわり (ゲッサンmini2018冬)
「吉野のおわり」はこないだ掲載されたばかりの最新作。あまりにもエモ雪を多用してくるため問答無用で心臓に圧をかけてくる。
いきなり幼馴染に先立たれ始まる物語。非常にモノローグ的な短編なんですが、それゆえに作家さんのセンスがむき出しになっている。イラストとポエムの融合率の高さよ。
少年の死後、思い出をたどりながら自分の思いを見つめ直していく。無くしてから気づく。あれは恋なのだったのだと。
僕と彼女の発明(ゲッサンmini+ 7号)
犬養友先生の作品は結構いろんな方向性の作品を発表しています。ちょっとブラックだったりほんわか系だったり。その中でも1番お気に入りの作品。
天才がゆえにクラスから浮いてしまった少女と、素直になれないけれど彼女を見守る主人公の、思春期全開のこそばゆいお話。ラブコメと呼べるほどハッピーでもないけれど、少しだけ社会からはみ出したってそれでもいいじゃんって気楽に笑ってくれるような開放的なラストが印象的。
欠席0 (ゲッサンmini2017秋)
真田先生は近年のゲッサンのデビュー作家の注目株。エモいやつ描いてくれる人です。
絵柄の可愛らしさとキャラクターたちの掛け合いがなんともおかしくて、それなのにこの作品みたいに心にチクリとトゲが残るような作品を描いてくれる。侘び寂びですよね(???)
終盤のヒロインの表情で一発で心を鷲掴みされました、すべて物語ってますよ、そしてこれが全てなんだよな。
おかえりやさしい季節 (ゲッサンmini2017冬)
菊屋あさひ先生の描く作品は、作中で炸裂する感情がメチャクチャ生々しい。
怒りも悲しみも虚無も自己嫌悪を、ネガティブでしかも身に覚えがある葛藤を描くことが多い。
行き場のない気持ちを、どう落とし込むか。解決も解消もされないたったいま目の前にあるリアルと、どう向き合うか。
内省的なテーマを描き続けるがゆえに、きっと刺さる人にはぶっ刺さる殺傷能力の高さがたまらない。尖った作家さんが好き。よむたびに傷ついて、そしてちょっとスッキリする。自傷行為に似た。
あと新作がサンデーうぇぶりで公開されてます。2作。
海の底のヨーコ先生 http://www.sunday-webry.com/contents/33677
くっら。どうなってんだよ。でもラストの演出とか目頭が熱くなってしまう。家族というある種の牢獄、強すぎる繋がりに縛られ苦しむ人のリアルな痛みが、そしてほんの少しの救いがある。
ごめんなさいの夕暮れ http://www.sunday-webry.com/contents/34077
くっらい、くらいよ。一生引き摺ってしまいそうな思春期のトゲ、暗い罪悪感。うんうん、それもまた百合だね。たまらんやつです。
雑誌をよむ楽しみって、好きな連載を追うことはもちろん、新人さんの作品にいちはやく触れることができることだと思ってます。好きな雑誌に新しく載る作家さんって、それだけで自分へのヒット率高いし。
そういう意味でゲッサン系の新人作家さんは個人的にお気に入りがとても多くて
いっかいどこかで紹介したいと思ってたので今回記事にまとめてみました。
ゲッサンは新人さんの漫画だけ載った別冊付録がつくのも嬉しい。アフタヌーンは四季賞ポータブルをやめてしまいましたからね・・・。今後も続けてほしい。
クリスマスはエロ漫画だよ2017!
更新ペースは死んでても毎年これだけはやると決めてます
クリスマスはエロ漫画だよ2017!!
去年のクリスマスから今日までの間に出た成年向けコミックスから私的TOP10をピックアップ。
基準は適当ですが、基本的にちんこに従ってるので抜き重視です。毎年のことですけどね。
↓過去のエロ漫画総括記事
クリスマスだからエロ漫画2010!
クリスマスこそエロ漫画だよ2011!
クリスマスだしエロ漫画2012!
クリスマスなんだしエロ漫画2013!
クリスマスなのでエロ漫画2014!
クリスマスだよエロ漫画2015!
クリスマスはエロ漫画だよ2016!
毎年の苦悩なんですが、クリスマスという中途半端な時期のイベントに合わせて更新するので
12月末発売の作品を入れられないってあたりが悔しい限り。ひげなむち先生とか出るし…
ですが、そんな中で選んでみました。よろしければ今年もお付き合いください。
以下、もちろんですが18歳未満閲覧禁止です。
クリスマスはエロ漫画だよ2017!!
去年のクリスマスから今日までの間に出た成年向けコミックスから私的TOP10をピックアップ。
基準は適当ですが、基本的にちんこに従ってるので抜き重視です。毎年のことですけどね。
↓過去のエロ漫画総括記事
クリスマスだからエロ漫画2010!
クリスマスこそエロ漫画だよ2011!
クリスマスだしエロ漫画2012!
クリスマスなんだしエロ漫画2013!
クリスマスなのでエロ漫画2014!
クリスマスだよエロ漫画2015!
クリスマスはエロ漫画だよ2016!
毎年の苦悩なんですが、クリスマスという中途半端な時期のイベントに合わせて更新するので
12月末発売の作品を入れられないってあたりが悔しい限り。ひげなむち先生とか出るし…
ですが、そんな中で選んでみました。よろしければ今年もお付き合いください。
以下、もちろんですが18歳未満閲覧禁止です。
ソラニン新装版に寄せて 思い出話と第29話のこと
ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル) 浅野 いにお 小学館 2017-10-30 売り上げランキング : 73 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ソラニンの新装版が発売されましたのでちょっと書きます。
まぁ落ち着け、おちついて、・・・いやいや、そんな浅野いにおを嫌うなよ。結構、いい漫画描いてるんだよ。とサブカル御用達イジリだってもういい加減風化してほしいくらい。
やっぱり浅野いにおは良い作家だし、やっぱりソラニンは名作だ。
普段作家さんをさん付けとか先生付けして書くけど、いにおは別枠だから許してほしい。
せっかく新装版も出たわけだし、どうでもいい自分の思い出話を書きたい。
旧版ソラニンを買ったのは中3の時で、家族で北海道旅行の出発の日だった。セントレアに行く前に名駅で時間を潰していて、道中暇だろうからと駅チカのちいさな本屋さんで買った。
全2巻。ほど良い。旅行のお供にジャストサイズ。
当時「マンガがあればいーのだ。」さんの紹介記事を読んで気になっていたので、何気なしに買って行きの飛行機の中で読んだわけです。
1巻まで読んで、種田がどうなったのかイマイチわからないままに北海道に到着した。たしか残りは泊まり先で読んだ気がする。
正直その頃は、素晴らしい青春漫画だとは十分に感じていたんだけど、100%を理解できてはいなかった。今だって100%の理解が出来ているとも思わないけれど。
なんというかこの作品をキラキラしたものとしか掴めていなかった。
読み返すのも辛いけどこのブログにも当時かいた感想記事が残ってる。頑張って読み返すと
「うーーーーん、わかる、わかるよお前の気持ち。でも惜しい、これからもっとソラニンは最高の作品になるぞ」って感じだ。
自分は漫画の実写映画化のうち、かなりレアケースな成功例のひとつとして映画「ソラニン」を挙げる。
大学生で一人暮らしをしていて、20時までのバイトが終わって何気なしに映画館のほうに自転車で向かった。ツイッターでだれかが「ソラニンの映画が良かった」とつぶやいていたので、レイトショーで見た。公開されてから結構経っていたので自分のほかにはスーツ姿の30手前くらいの男の人しか劇場にいなかった。
で、まぁ、この映画でボロボロ泣いたのだった。
それから家に戻って、実家から持ってきていたソラニンを読み返した。中学の時読んだときより、はたまた何気なく本を手に取った高校の時の暇な夏休みのときより、断然ブッ刺さった。
なんせ音楽がいい。
説明不要でしょうけれど漫画の作中で歌われる「ソラニン」は、
アジカンの手によって映画主題歌として制作、リリース。
原作漫画も映画も見たことないけど曲は好きって人も結構いると思うし、なんならソラニンしかアジカンの曲を知らない人だっているかもしれない。
アジカンの中でもかなりの人気曲だし(まぁ本人たちが作詞してないのが人気投票一位になるのは流石にアレだし、人気には個人差がある)単なるメディアミックスの一環として以上の輝きを放ち続けている。イントロの最初のギターの音ですでに泣ける。なんて透明で淡い、締め付けられるような切ない音なんだよ。
というか自分にとってアジカンって本当に特別でめちゃくちゃ大きな存在で、高校受験の時にどんだけ「ファイブエム」「ソルファ」をリピートしたんだか分からない。深夜に「アンダースタンド」って曲のコーラスの「ナッナーナナナ」ってところを裏声で音源とハモってたら母ちゃんが入ってきてすっげえ気まずかったんだぞ・・・
脱線した。ともかくアジカンは最高であり、ソラニンも唯一無二の最強音楽なので、つまり映画も良い。サンボマスター近藤洋一の演技力に驚愕しろ。映画のエンドロールで流れる「ムスタング」の別アレンジバージョンもすっごくいいよ。おすすめです。
ソラニンはアジカンのライブでは勿論、超満員のロックフェスでも演奏されている。
それだけで胸が熱くなるんですよ。種田が遺したあの曲が。デモCDはほとんど箸にも棒にも引っかからなかったあの曲が。ちっさな地下のライブハウスで芽衣子が拙いながらに歌った曲が。こんなに大勢の前で歌われる、愛される曲になっているという現実。
フィクションとリアルを完全に混同してます。でも、でももうこの事実そのものが、現象それこそが、「ソラニン」という物語の隠しシナリオみたいに感じる。泣くしかない。奇跡でしかない。おい種田。種田・・・・・・お前の曲、イントロ流れるだけで歓声があがってるんだぞ・・・
そして新装版の発売である。
旧版発売から11年。
描き下ろしの第29話ではあれから10年の時が経った、彼らの姿が描かれている。
久しぶりに読み返した本編。20代なかばとなったいま読んだソラニンも痺れる読み応えだった。かつてとは味わいもだいぶ違う。年をとって彼らの年齢に近づいた。なんなら少し通り過ぎたくらいだ。
リアルに、それこそ内なる自分から問いただされるような剥き出しの言葉が作中に散らばっている。
ひとつひとつがギラリと鋭利に光っている。
将来をうやむやにしたい破滅願望や、求められる役割と自分自身とのギャップや、特別ななにかになりたいという淡い期待や、ちっぽけなダメ人間なりに大事なものを守ろうとしている感じとか、でも守ろうとしてるのはちっぽけな自分のプライドじゃん?で、嘆息するわけですよ。なんだよこれ。よくこんな漫画売れたな。世の中の人そんなにメンタルがタフなのかな。
種田が信号無視した理由があとがきで触れられていたけれど、作者の答えは非常に納得にいくものだった。スッキリしたようにも思うしなんだか余計にしょーもないようにも思えて、また泣けた。
とにかく痛々しくて、だからこそ彼らが足掻く姿が眩しい。豪雨とともに流れる涙。なにかを掴もうとする細い腕。がむしゃらな汗の一滴。
そしてそんな日々も、途方もない喪失も、いつしか薄れていく。
そうして毎日を生きていく。行きていくしかない。
見失いながら、倒れ込みそうになりながら、たまにあの頃を思い出して、酒をあおったりする。そういう何処にでもいる大人になっている。
第29話で作者の強い信念を感じた点は、種田の姿を描かったことだ。
例えば本編で描かれなかった回想シーンとしてや、芽衣子が夢に見たことだったりとかで、種田を描いても良かったかも知れない。
けれど29話は一切そんな内容じゃない。2017年を生きる芽衣子や、アイちゃんや、加藤やビリーがそこにいる。
みんな穏やかな表情をした、大人になった。
種田は図らずしも「ソラニン」という別れの歌を彼らに遺した。
この29話を読んで改めて、曲のメッセージ性の強さを確かめられる。
あの曲に支えられて、そして背中を押されながら、のこされた彼らは生きてきたのだろう。
けっして忘れたわけじゃない。でも、確実に日常のなかで薄れていく。
ただその残像が強烈な熱を宿していく。喪失の先にある暖かな日常に到達している。
寂しいし、名残惜しいけど、いいんだよ。あのメロディーを誰かが口ずさむなら。
加藤とビリーはあの時、腕をたかく掲げた。
芽衣子はある日、ふと思い出の曲のワンフレーズを思い出した。
そんなふうに。たまに引き出しから取り出しては眺める宝物みたいに。少しずつ色素を薄くして誰からも見えなくなっても、きっとそこに残っているものだって有るのかもしれない。
”意味もなく何となく進む淀みあるストーリー”。
零落 (ビッグコミックススペシャル) 浅野 いにお 小学館 2017-10-30 売り上げランキング : 106 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
いっしょに「零落」も買いましたけどまだ上手に飲み込めていないので、別の時に。
2017年上半期 面白かった新作コミックス12作
あっさりと2017年が折り返してしまったぞ。どうなっているんだ。
ということであまり更新もできぬままこのザマですが、せっかくなので上半期のまとめ的な記事でも。
「新作コミックス」というのは、今回の括りで言うと、第1巻だったり単巻モノだったりを指します。
なぜ12作かと言うと、10作のつもりでガーッと書き始めて、あとで数えてみたら12個分だった・・・
ということで。順番はあまり関係ないです。 ↓↓↓
狭い世界のアイデンティティー/押切蓮介
押切蓮介先生は本当に多彩で多作だ。
新作である「狭い世界のアイデンティティー」はズバリ漫画家マンガである。
しかも思いっきり歪ませた、おふざけ全開の、血で血を洗う漫画家バトルロワイヤルだ・・・!!
兎にも角にも勢いが素晴らしい。第一話の冒頭からぶっちぎってカッコいいので読んでいない方はぜひこちらからでもどうぞ
→http://morning.moae.jp/lineup/681
このヤケクソテンション!胸焼けしそうな殺気!一度漫画家が寄り集まれば、そこは修羅の巷!!
幾多もの天才たちが蠢く漫画界、そこに誰ひとりとして凡人は存在しない!!己のプライド、欲望、承認欲求、漫画愛・・・さまざまな感情が交錯しハチバチと爆ぜる!!
主人公は、兄を出版社に殺され復讐に燃える少女。
生半可な覚悟では生き残れない過酷なマンガ業界。そこに彼女は挑んでいくのだ。己の漫画が・・・2割くらい・・・!!のこりは大体暴力で解決し、のし上がっていく!!!ライバルたちを蹴散らしその頂上への駆け上るのだ!!
破茶目茶なギャグテイストが濃厚な本作ですが、過剰に描写した中にも漫画家の本音のようなものも潜んでいる気がして(出版社の忘年会で渦巻く欲望だとか・・・)なかなか笑っているだけで終わらせるのももったいない。耳を済ませて、この下らない騒音の中に潜んだ本当の声を探してみたくなる。すごく繊細で、ギャグっぽく照れ隠しした何かが、熱いものが、たしかにこの漫画にはある。
それはきっとこんな漫画を手にとるような、漫画が好きな人にこそ分かる気がする。
明日ちゃんのセーラー服。/博
表紙の”圧”やばくないですか!?もうなんにも知らなくてもレジ直行、表紙買いセンサーとかまったく無意味の圧倒的な暴力性。かわいい女の子の本を買いたい。ソレだけなんだよ!
と思ったら中身もすごいんです。「明日ちゃんのセーラー服。」はかわいい顔してかなり尖った漫画ですよ!
作者「博」先生と言えば「アクアリウム」から素晴らしく美麗かつ多彩な少女絵描きさんという印象でしたが、本作はさらに特性を爆発されたような感じ。
ストーリーはシンプルで、田舎の名門中学にあたらしく入学した主人公、明日小路ちゃんの学校生活を描いた、おだやかな日常者。目標は、友達をたくさんつくりたい。みんなと仲良くなりたい。なんて等身大の願いだろうか・・・優しい気持ちになれる・・・。
個人的にも大好きなんですが、フェチ写真家の青山裕企さん写真集のような
「ここの動作に、この一瞬に目をつけるか!」と言ったような驚きと輝きがちりばめられていて、自分の中に新しい視点が生み出されていく。
ただ髪を結ぶだけのシーンをじっくり描いてみせたり、極端な例を上げると、アイドルを夢見る小路ちゃんが妄想の中でアクロバティックなキメシーンを炸裂させるその妄想の中身を、1ページまるまる使った大ゴマを14ページも連続させて描写したり。
つまりフェチ描写を優先させるがあまりコマ割も放棄して、イラスト集はたまたパラパラ漫画のような構成になる瞬間が度々ある。この情熱のほとばしる感じ、たまらない。
ここらへんはWEB掲載漫画ということも影響しているのだろうけれど、なんというか非常に21世紀的な、『ディスプレイで読む漫画』としての特性を備えているように感じます。
それなのに、個人的には紙のコミックスで読むことがとてもうれしい。
あどけない少女たちが一瞬、ほんの僅かみせるゾクリと背筋が震えるような”魔力”を、みごとに神とインクで閉じ込められている魅惑のコミックスなのですよ。まさに、宿っている、のだ。
それの最たるものがこの表紙。冒頭に戻りますが、”圧”やばくないですか。
物語の面白さというより創作物として独特の存在感を放つ一作。
ツイッターで絵師さんが投下するモノクロ1枚絵の少女絵をとかをお気に入りに放り込んでいるようなムッツリスケベに是非読んでほしい。
不滅のあなたへ/大今良時
「聲の形」という傑作を送り出した作者の新連載。
期待の大きかったであろう中で繰り出してきたのは、けっこう予想外だった。SFでもあるが、冒険ファンタジーと読んでもいいのだろうか。それにしたって哲学的だ。けれど王道のようにも感じる。個人的にはなんだか少し、漫画版のナウシカのような雰囲気にも感じます。
もしくは雰囲気で言うと、半世紀くらい昔の、外国の冒険小説みたいな。
後に不死<フシ>と呼ばれる生命を、神は世界へと産み落とした。
それは死者の肉体を借りながら次々に形を変え、世界を彷徨っていく。
おぼろげな思考。おぼろげな本能。様々な出会いを経て、フシは変化をしていく。
まとめてみるとシンプルなんだけど大今先生の独特のテンポや描写力によってグッと深みを増した、とにかくメッセージ性の強い作品に感じます。
生命における死だとか、理不尽な掟、絶望的な暴力・・・
世の中のいろいろな”抗いがたいもの”に対する強い怒り。そして反抗心。
肉弾戦という括りだけではなくメンタル的な部分も含め、広義な「戦い」が展開されていく。読んでいると本当に心が突き動かされる。今年になって漫画を読んで泣いた経験は、たぶんこの作品だけだったかもしれない。
誰かが残したメッセージをフシは受けとり、そのつもりは無くても誰かに繋いていく。フシは主人公として、メッセンジャーの役割を担っているのですね。
ストーリーの緩急の付け方もお見事。個人的には、数巻溜まってから一気読みすると面白さ倍増パターンの漫画かなとも思います。
おじさんとみーこ/朝日 悠
やさぐれ金髪おじさんが、初心なJCを手篭めにするお話。
それはもう語弊もなんでもなくストレートにそういう話で、生理的に付け付けないという人もいるだろうとは思う。が!!!そんなことは!!!どうでもいい!!!
いいか俺はちょっと背伸びした危険な恋にゾクゾクしてるJCを眺めていたいんだよ!!!
身寄りをなくした少女のもとへ、おじさんがやってくる。
互いに孤独を内に抱えた2人は共鳴するかのように、ぬくもりを、安らぎを求めていく。
少女漫画らしいほわほわと幼気なタッチから紡ぎ出される物語は、絵柄で緩和はされてはいるが、非常にアダルトでいやらしい世界観となっている。
だってもう、流し目でタバコ蒸す怖いおじさんと、いたいけな女の子が同居してですね、もうイチャイチャちゅっちゅしまくりなんですよ。そりゃヤルことヤってますし。思いの外遠慮なくエロいよ。
1巻ではゲスト的に部外者の男性が登場し、ズバリ2人の関係性を異常だと指摘する。しかし少女は静かに彼と決別を果たす。哀れんでくれる男性の手を取らず、より闇を深くしていく。ここらへんの演出は同人誌版とくらべても秀逸だった。
世界から疎外されているような、薄暗い空洞がどちらの胸にも存在して
まるでその深さを確かめ合うように、やはり抱きしめあってしまう。
切迫した2人の心理描写と、ドロッドロになるまで甘くなったイチャラブシーンの波状攻撃にすっかりやられてしまうのです。下巻のカラー口絵なんかもう泣けてしまうから・・・。
コミティアで通ってシリーズを買い集めてたんですが商業出版化。
前からちょくちょくある流れのやつですが、なんだかんだで嬉しい半面ちょっとさみしいヤツですよね。
しかし商業単行本として冷静にこの漫画を読むと、あまりにも強いコミティア臭にクラクラしてしまう。あの”におい”、我々の脳みそに直接感覚を呼び覚ましてくれる。
日々是平坦/迂闊
あぁァーーーーーーこんな青春が欲しかった。それだけなんだよ。
迂闊先生が楽園本誌とWEB増刊で連載しているふたつのシリーズをパッケージした「日々是日常」の1巻。
収録の2シリーズが毛色が違っていて、同じ学校で同じ時間を共有しているはずなのに、“バカサイド”と”リア充サイド”では文字通りに見えている世界が違っていることが丸分かりになっている一冊なのです。
おバカたちは楽しくどうでもいいことで盛り上がっている一方で、
初めてのお付き合いに戸惑い赤面しあってしまうような初々カップルがいる。
けれどどちらかを選ぶこともできないような幸福さ。いわば両A面盤!
青春の美味しいところばかり食べてしまおう。レッツ・ハイスクール!(謎)
なんといっても『純粋男女交際』がね、ほんと、もうむり。
彼らの脈拍が、吐く息の湿り方が、ふとした瞬間に目を奪われる静寂が、全部生々しい。
真面目なばかりの2人だけと、周囲がイメージしているよりかは、ちょっとだけナイショが多かったりして。ちょっとだけ(きっと)走りすぎていたりして。
非常にプライベートな内容を、第三者目線のモノローグが気持ちのいい切り取り方をしてくれている。
体が温まった所でやってくる『日々是平坦』のバカバカしさで一気に喉越し良くなる感じ。意味わからんな。なんかグイッとツルッと行ける面白さなんですよ。
そんなこんなの一冊。よくあるようでなんだか特別。迂闊先生の描く女の子はみんな健康的で素晴らしい。
ルポルタージュ/売野機子
2033年。恋愛する者がマイノリティとなった社会が舞台。
売野機子先生といえば詩的な恋愛漫画の名手ですが、最新作「ルポルタージュ」はまさに売野ワールドが全開になっている。
”飛ばし”結婚という現代的な結婚・・・恋愛感情を必要としないパートナシップのような共存生活を人々が選択している。
この社会においては、結婚相手とは『共同経営者』という考えなのだ。
現代の思想のその先を見せてくれる設定、有り得そうな近未来のビジョン。
そんな中でテロ事件を追う主人公が、とある男と出会ったことで
さらに深く事件へと巻き込まれていく。そして、恋をする。
もともと好きな作家さんではあったけれど、本作はとくに作家さんの独自色が色濃く出ているように感じますね。まさしく真骨頂と言える。
描かれている世界観も素晴らしい。恋愛は人生に必要不可欠だった時代はもうとうに終焉していて、人々は次の生き方を見つけている。そんな時代に、あえてムダな恋愛に落ちてしまう。もはや本能的に、直感的に、致命的に、誰かを好きになってしまう。その理不尽さに誰も抗えない。
「非・恋愛コミューン」というシステムも描き方も、刺さる所がありますね。
大恋愛の果てに結ばれても、離婚する夫婦ばっかりだ。
そんなのを見ていれば恋愛がおっくうにもなるし、もっとシンプルで「めんどくさい」という感情に支配されてしまう。
それならば最初から相手をしっかり見極めて、全て計算して調整して、安心で丈夫な『強い家庭』を作っていこう、と。まるで自衛策のようで。傷つきたくないという思いが強い、省エネ主義的な思想も、非常に現代的に感じますね。
続刊においてはどんどんとこの世界観の深掘りもされていくことでしょう。
それに、こんなに鮮やかに1巻を締めくくられては、2巻も買うしかない。
売野機子という才能の在り処がきちんと見つけられたような作品。
「自分は恋をしなくても生きていけると 思っていた頃があったんだってさ…」
おとなとこども、あなたとわたし。/糸なつみ
「年の差」がテーマのオムニバス漫画。もうテーマから絵から内容から全部好き。コミックitというKADOKAWAの中でもちょっと異質な女性向け誌に掲載されており、コミクスが出るまで知らなかったのですが、読んでみたらもうドンピシャ。まぁコミックit自体がそもそも好みだったということもある。
1巻2巻が同時発売されたのですが、1巻だけ最初に買って、次の日にはすぐ2巻を買いに行ってましたね・・・。
3つのストーリーがありまして、1巻につき各1話ずつ、同時進行していく。
それぞれが違った角度から「年の差」を軸にしたドラマが展開され、それは切々とした恋のお話だったり、すでに亡くなった人物によって繋がれた疑似家族だったり、同じオフィスで務める女性同士の交流だったり・・・
読んでいると作者の年の差属性の強さを感じる。生半可なものではないのですよ。年の差によって隔たれた人生観。視線の違い。年をとる事で失ってしまったもの・・・。
生きてきた時間の違い。それは時に残酷なほどに人々の間を切り裂き、すべてを傷つけていってしまう。シビアな側面もかなりフィーチャーされていきます。
いわゆるオトナ女子向け、レディース漫画っぽい内容ではありますが
ソフトな絵のタッチと、作者のエモい完成によって幅広く受け入れられそうな作品ですね。
3つのストーリー、それぞれ甲乙つけがたいほどに味わい深く、「どれ派」かでも知り合いと話し合ってみたいくらい。いやぁ。年の差OLのオフィスドロドロ物語、イイヨネ。
怒りのロードショー/マクレーン
映画好きの「語り」をメインに据えたような作品、いくつか浮かびますが、中でも個人的にはこれが好きかなぁという一作。
絵も内容も荒削りなんだけれど、ソレがゆえに我武者羅なエネルギーがビシバシ放たれている。
そもそもペンネームが「マクレーン」て。その時点で相当おバカな香りが漂ってきますね。
とっても下らない、しかし愛にあふれる映画好きたちの日々。
時に言い争いをしたり、時にいっしょの映画を見て震え立ちあるいは涙する!
ぶっちゃけ読んでてよくわからないネタも頻出する。映画好きなら拾えるものが多いと思うけれど、有名な筋肉映画をそんなに見れていない自分はクエスチョンマークもいっぱいだ。でも面白い!!例えば友達が必死なテンションでオタクトーク全開してたら話の意味はわからなくても面白いじゃない?そういう感じなんです。そして話をきいているとワクワクする。ムズムズしてくる。俺も、その映画、みたい・・・!!!
というか実は映画語りと同時進行的に「オタク」という人種の生き様も熱く描いてくれる。
理解もされず、むしろ違う方面のオタクから理不尽な争いを持ち込まれたり、なんなら同じ映画オタクの中でも娯楽主義or芸術主義といった火種がそこかしこに散りばめられる。
なんというかこの漫画は際どい。ブレーキ積んでいない車みたいに、楽しい気分のまま次には冷水ぶっかけられるようなスリリングな展開が待ち受ける。
けれど結局は、自分の大好きなことを誰かを共有できる歓びが、この作品の圧倒的な肯定感を裏付ける。
あと出てくる女の子がだいたいとても優しくておちんちんにくる。(お姉ちゃんはNG)
幸色のワンルーム/はくり
少年は大好きな大好きなだいすきな少女を誘拐した。そんな危ないオープニング。
欲望のままのその行動は結果、どん底にいた少女を救い出すことになった。
しょせん誘拐犯とその被害者というただそれだけの共存。
なのにそのワンルームに、不思議な温かさが宿ってゆく。
なんて危うい漫画なんだろう。
エンターティメントとしてこの漫画を飲み込むことができない人だって、きっと大勢いる。けれどこんなにも切実に、お互いの空白を埋めることだけを目的とした共存関係を。スレスレで恋愛に陥らないような、もはや手遅れないような、この不思議な絆を。じっと見守りたくなる人も大勢いるはずだ。
発売、即重版。自分もしばらく入手ができず、たまたま入った小さな本屋で初版を購入できましたが、非常に話題性のある作品であることは間違いない。
どうしようもなく寄り添うことでしかもう生きていけないことを、お互いに知ってしまったのに、「誘拐犯」「被害者」という関係性でしかお互いを赦すことができない。だからイビツな感情にふたりともが絡め取られていく。
あまりにも純粋な将来の誓いを、彼らは破滅のために結ぶ。
だからギリギリで心を許し合わないような、けれど自身が理解しきれていない本能レベルで互いに依存してしまっているような、あまりにも切実で子供じみた男女のストーリーに転がり込んでいくのです。いわゆるエモいってやつなんだよな。
ぶっちゃけ読んでスッキリする話なんかじゃなくて、ニヤニヤゴロゴロできるものでもなくて、描かれている人間の汚さとか世界の歪みとか理不尽な暴力とかに目を覆いたくもなる。でも素直に、幸せになってほしいなと、祈りたい。
商業連載ではあるけれど非常に『ネット』の世界のあの、というかこんな感じの、いろんな黒いものを感じる作品ですね。
たとえとどかぬ糸だとしても/tMnR
大好きなtMnR先生の商業デビュー作。モチロン最高だった(条件反射)
同一作品ジャンルでたぶん人生で1番買い漁ったのが「ラブライブ!」同人で、好みのCPはあれどわりと無差別にシリアス系のを収集していましたが、そこから商業誌に進出してくれました。
そんなデビュー作ですが、もうあらすじの時点で勝利を確信ってもんですよ。
やったぜ・・・。
というか1巻の内容、ほぼほぼこのあらすじに集約されてしまうんですが。
なんといっても可愛らしい絵のタッチと、ヒリヒリとしたモノローグのバランスが絶妙。痛くても痛くても、恋心を手放すことができない苦しみ。幸せなれるわけがないと自分を諭しておきながら、それでも堕ちていく悲しい矛盾。
主人公の少女の苦悩に身をよじりつつ、しかりながらその恋の相手である薫瑠さんの天真爛漫な魅力と、その包容力!
薫瑠にとって主人公は、夫の妹で、幼馴染で、守りたい家族で――
そんな風に”特別”に扱われるほどに、よけいに拗れていく片想い。
不憫な恋をする男女のことがだいすきなみんな~~~! ・・・ここが楽園だ・・・
初情事まであと1時間/ノッツ
大発明だ。そう言うほかない至高のコンセプトはずばりタイトルそのままだ。
例えばサッカーで歴代の名試合・名プレイを集めた番組があったとして、見てる誰しもが試合中のムービーを見ながら「このあとなんかあってゴールして得点が入るわけね」って分かりきっているわけじゃないですか。でも滅茶苦茶楽しい。綺麗に場面が繋がって、そして最高潮のシーンで結ばれる。結果が分かっていても、いや結果がわかっているからこそワクワクしながら過程を見守れる。
くどい例えをしてしまったけれど本作が楽しいのもそれなのだ。
結果ヤッてしまうと分かっていながら読み進めて、そしてまんまと”そういう流れ”に発展していった時、興奮と安心が一度にやってきて最高に幸せ。最高のカタルシス・・・!
ちょっぴり情けない男の子や女の子が、それを受け入れてくれる誰かに触れる・・・
というそれだけで、その瞬間の奇跡の価値で涙腺がぶっ壊れてしまうのだ。
コンプレックスがあったり、人と接するのが怖かったり、変化を恐れたり
様々な理由があって、けれどそれを踏み越えてしまう愛おしい瞬間たち。
すこしだけ、男性側が受け身体制のものが多いことが気にかかる所ではあるけれど、まぁ女の子から積極的に来てもらって悪い気がするわけがねぇんだよな(悟)
もとはコミティアで発行された同人誌がはじまり、当時から大好きだったシリーズです。それが連載となりもっといろんな世界の「初情事まであと1時間」をニマニマ楽しむことができるようになった奇跡・・・。500巻くらい続いて欲しい。
あさは、おはよう/大澄 剛
あれ、これ去年末発売だった・・・まぁいいや・・・。
書影ではモノクロで少女の笑顔が描かれていますが、これ実際に書店で買うと表紙下部分のイラストを覆うような大きいカラーオビが巻かれていて、それをとると少女の笑顔が現れる仕掛け。
もともとオビと本体が一体となったデザインって大好きなんですよね。
本作で言うと、これが本編を読むとまた二重に意味が変わってきて、「本」としての面白さがある。こういう見せ方や演出で紙のコミックスならではの意味を持たせてくれるの好き。
内容としては家族ドラマだったり青春物語だったり、人情モノのオムニバス6作。
それぞれ単独としても楽しめるんですが、微妙につながりがあったりして、
その中心にあるのが表紙の女の子ですね。
特にすきなのはノスタルジーあふれる少女同士の絆を描いた「イコール」、幼少の恋心との決別、あるいは新たな始まりを感じる「さよならわんぱく」。この2作がお気に入りなですが、短編集として雰囲気も統一されており、ついつい涙腺が緩んでしまうような、優しさと切なさと眩しさが詰まった本になっています。
話題になるタイプではないせよ、素直に、暖かな漫画ですね。
発売年的にルール違反(まぁ縛りという意味で)ではありましたが、触れておきたい漫画だったので。
そんな12作でした。
新作開拓も過去と比べるとかなり減っては来てしまいましたが、なんだかんだで表紙買いとか結構してしまうんですよね。次もこの縛りで更新やるかどうかは分かりませんが。またよろしくお願いします。
ということであまり更新もできぬままこのザマですが、せっかくなので上半期のまとめ的な記事でも。
「新作コミックス」というのは、今回の括りで言うと、第1巻だったり単巻モノだったりを指します。
なぜ12作かと言うと、10作のつもりでガーッと書き始めて、あとで数えてみたら12個分だった・・・
ということで。順番はあまり関係ないです。 ↓↓↓
狭い世界のアイデンティティー(1) (モーニングコミックス) 押切蓮介 講談社 2017-04-21 売り上げランキング : 11164 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
狭い世界のアイデンティティー/押切蓮介
押切蓮介先生は本当に多彩で多作だ。
新作である「狭い世界のアイデンティティー」はズバリ漫画家マンガである。
しかも思いっきり歪ませた、おふざけ全開の、血で血を洗う漫画家バトルロワイヤルだ・・・!!
兎にも角にも勢いが素晴らしい。第一話の冒頭からぶっちぎってカッコいいので読んでいない方はぜひこちらからでもどうぞ
→http://morning.moae.jp/lineup/681
このヤケクソテンション!胸焼けしそうな殺気!一度漫画家が寄り集まれば、そこは修羅の巷!!
幾多もの天才たちが蠢く漫画界、そこに誰ひとりとして凡人は存在しない!!己のプライド、欲望、承認欲求、漫画愛・・・さまざまな感情が交錯しハチバチと爆ぜる!!
主人公は、兄を出版社に殺され復讐に燃える少女。
生半可な覚悟では生き残れない過酷なマンガ業界。そこに彼女は挑んでいくのだ。己の漫画が・・・2割くらい・・・!!のこりは大体暴力で解決し、のし上がっていく!!!ライバルたちを蹴散らしその頂上への駆け上るのだ!!
破茶目茶なギャグテイストが濃厚な本作ですが、過剰に描写した中にも漫画家の本音のようなものも潜んでいる気がして(出版社の忘年会で渦巻く欲望だとか・・・)なかなか笑っているだけで終わらせるのももったいない。耳を済ませて、この下らない騒音の中に潜んだ本当の声を探してみたくなる。すごく繊細で、ギャグっぽく照れ隠しした何かが、熱いものが、たしかにこの漫画にはある。
それはきっとこんな漫画を手にとるような、漫画が好きな人にこそ分かる気がする。
明日ちゃんのセーラー服 1 (ヤングジャンプコミックス) 博 集英社 2017-04-19 売り上げランキング : 1888 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
明日ちゃんのセーラー服。/博
表紙の”圧”やばくないですか!?もうなんにも知らなくてもレジ直行、表紙買いセンサーとかまったく無意味の圧倒的な暴力性。かわいい女の子の本を買いたい。ソレだけなんだよ!
と思ったら中身もすごいんです。「明日ちゃんのセーラー服。」はかわいい顔してかなり尖った漫画ですよ!
作者「博」先生と言えば「アクアリウム」から素晴らしく美麗かつ多彩な少女絵描きさんという印象でしたが、本作はさらに特性を爆発されたような感じ。
ストーリーはシンプルで、田舎の名門中学にあたらしく入学した主人公、明日小路ちゃんの学校生活を描いた、おだやかな日常者。目標は、友達をたくさんつくりたい。みんなと仲良くなりたい。なんて等身大の願いだろうか・・・優しい気持ちになれる・・・。
個人的にも大好きなんですが、フェチ写真家の青山裕企さん写真集のような
「ここの動作に、この一瞬に目をつけるか!」と言ったような驚きと輝きがちりばめられていて、自分の中に新しい視点が生み出されていく。
ただ髪を結ぶだけのシーンをじっくり描いてみせたり、極端な例を上げると、アイドルを夢見る小路ちゃんが妄想の中でアクロバティックなキメシーンを炸裂させるその妄想の中身を、1ページまるまる使った大ゴマを14ページも連続させて描写したり。
つまりフェチ描写を優先させるがあまりコマ割も放棄して、イラスト集はたまたパラパラ漫画のような構成になる瞬間が度々ある。この情熱のほとばしる感じ、たまらない。
ここらへんはWEB掲載漫画ということも影響しているのだろうけれど、なんというか非常に21世紀的な、『ディスプレイで読む漫画』としての特性を備えているように感じます。
それなのに、個人的には紙のコミックスで読むことがとてもうれしい。
あどけない少女たちが一瞬、ほんの僅かみせるゾクリと背筋が震えるような”魔力”を、みごとに神とインクで閉じ込められている魅惑のコミックスなのですよ。まさに、宿っている、のだ。
それの最たるものがこの表紙。冒頭に戻りますが、”圧”やばくないですか。
物語の面白さというより創作物として独特の存在感を放つ一作。
ツイッターで絵師さんが投下するモノクロ1枚絵の少女絵をとかをお気に入りに放り込んでいるようなムッツリスケベに是非読んでほしい。
不滅のあなたへ(1) (週刊少年マガジンコミックス) 大今良時 講談社 2017-01-17 売り上げランキング : 1416 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
不滅のあなたへ/大今良時
「聲の形」という傑作を送り出した作者の新連載。
期待の大きかったであろう中で繰り出してきたのは、けっこう予想外だった。SFでもあるが、冒険ファンタジーと読んでもいいのだろうか。それにしたって哲学的だ。けれど王道のようにも感じる。個人的にはなんだか少し、漫画版のナウシカのような雰囲気にも感じます。
もしくは雰囲気で言うと、半世紀くらい昔の、外国の冒険小説みたいな。
後に不死<フシ>と呼ばれる生命を、神は世界へと産み落とした。
それは死者の肉体を借りながら次々に形を変え、世界を彷徨っていく。
おぼろげな思考。おぼろげな本能。様々な出会いを経て、フシは変化をしていく。
まとめてみるとシンプルなんだけど大今先生の独特のテンポや描写力によってグッと深みを増した、とにかくメッセージ性の強い作品に感じます。
生命における死だとか、理不尽な掟、絶望的な暴力・・・
世の中のいろいろな”抗いがたいもの”に対する強い怒り。そして反抗心。
肉弾戦という括りだけではなくメンタル的な部分も含め、広義な「戦い」が展開されていく。読んでいると本当に心が突き動かされる。今年になって漫画を読んで泣いた経験は、たぶんこの作品だけだったかもしれない。
誰かが残したメッセージをフシは受けとり、そのつもりは無くても誰かに繋いていく。フシは主人公として、メッセンジャーの役割を担っているのですね。
ストーリーの緩急の付け方もお見事。個人的には、数巻溜まってから一気読みすると面白さ倍増パターンの漫画かなとも思います。
おじさんとみーこ 上 (ZERO-SUMコミックス) 朝日 悠 一迅社 2017-05-25 売り上げランキング : 67610 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
おじさんとみーこ/朝日 悠
やさぐれ金髪おじさんが、初心なJCを手篭めにするお話。
それはもう語弊もなんでもなくストレートにそういう話で、生理的に付け付けないという人もいるだろうとは思う。が!!!そんなことは!!!どうでもいい!!!
いいか俺はちょっと背伸びした危険な恋にゾクゾクしてるJCを眺めていたいんだよ!!!
身寄りをなくした少女のもとへ、おじさんがやってくる。
互いに孤独を内に抱えた2人は共鳴するかのように、ぬくもりを、安らぎを求めていく。
少女漫画らしいほわほわと幼気なタッチから紡ぎ出される物語は、絵柄で緩和はされてはいるが、非常にアダルトでいやらしい世界観となっている。
だってもう、流し目でタバコ蒸す怖いおじさんと、いたいけな女の子が同居してですね、もうイチャイチャちゅっちゅしまくりなんですよ。そりゃヤルことヤってますし。思いの外遠慮なくエロいよ。
1巻ではゲスト的に部外者の男性が登場し、ズバリ2人の関係性を異常だと指摘する。しかし少女は静かに彼と決別を果たす。哀れんでくれる男性の手を取らず、より闇を深くしていく。ここらへんの演出は同人誌版とくらべても秀逸だった。
世界から疎外されているような、薄暗い空洞がどちらの胸にも存在して
まるでその深さを確かめ合うように、やはり抱きしめあってしまう。
切迫した2人の心理描写と、ドロッドロになるまで甘くなったイチャラブシーンの波状攻撃にすっかりやられてしまうのです。下巻のカラー口絵なんかもう泣けてしまうから・・・。
コミティアで通ってシリーズを買い集めてたんですが商業出版化。
前からちょくちょくある流れのやつですが、なんだかんだで嬉しい半面ちょっとさみしいヤツですよね。
しかし商業単行本として冷静にこの漫画を読むと、あまりにも強いコミティア臭にクラクラしてしまう。あの”におい”、我々の脳みそに直接感覚を呼び覚ましてくれる。
日々是平坦 1 迂闊 白泉社 2017-04-28 売り上げランキング : 46465 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日々是平坦/迂闊
あぁァーーーーーーこんな青春が欲しかった。それだけなんだよ。
迂闊先生が楽園本誌とWEB増刊で連載しているふたつのシリーズをパッケージした「日々是日常」の1巻。
収録の2シリーズが毛色が違っていて、同じ学校で同じ時間を共有しているはずなのに、“バカサイド”と”リア充サイド”では文字通りに見えている世界が違っていることが丸分かりになっている一冊なのです。
おバカたちは楽しくどうでもいいことで盛り上がっている一方で、
初めてのお付き合いに戸惑い赤面しあってしまうような初々カップルがいる。
けれどどちらかを選ぶこともできないような幸福さ。いわば両A面盤!
青春の美味しいところばかり食べてしまおう。レッツ・ハイスクール!(謎)
なんといっても『純粋男女交際』がね、ほんと、もうむり。
彼らの脈拍が、吐く息の湿り方が、ふとした瞬間に目を奪われる静寂が、全部生々しい。
真面目なばかりの2人だけと、周囲がイメージしているよりかは、ちょっとだけナイショが多かったりして。ちょっとだけ(きっと)走りすぎていたりして。
非常にプライベートな内容を、第三者目線のモノローグが気持ちのいい切り取り方をしてくれている。
体が温まった所でやってくる『日々是平坦』のバカバカしさで一気に喉越し良くなる感じ。意味わからんな。なんかグイッとツルッと行ける面白さなんですよ。
そんなこんなの一冊。よくあるようでなんだか特別。迂闊先生の描く女の子はみんな健康的で素晴らしい。
ルポルタージュ (1) (バーズコミックス) 売野機子 幻冬舎コミックス 2017-06-24 売り上げランキング : 2716 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ルポルタージュ/売野機子
2033年。恋愛する者がマイノリティとなった社会が舞台。
売野機子先生といえば詩的な恋愛漫画の名手ですが、最新作「ルポルタージュ」はまさに売野ワールドが全開になっている。
”飛ばし”結婚という現代的な結婚・・・恋愛感情を必要としないパートナシップのような共存生活を人々が選択している。
この社会においては、結婚相手とは『共同経営者』という考えなのだ。
現代の思想のその先を見せてくれる設定、有り得そうな近未来のビジョン。
そんな中でテロ事件を追う主人公が、とある男と出会ったことで
さらに深く事件へと巻き込まれていく。そして、恋をする。
もともと好きな作家さんではあったけれど、本作はとくに作家さんの独自色が色濃く出ているように感じますね。まさしく真骨頂と言える。
描かれている世界観も素晴らしい。恋愛は人生に必要不可欠だった時代はもうとうに終焉していて、人々は次の生き方を見つけている。そんな時代に、あえてムダな恋愛に落ちてしまう。もはや本能的に、直感的に、致命的に、誰かを好きになってしまう。その理不尽さに誰も抗えない。
「非・恋愛コミューン」というシステムも描き方も、刺さる所がありますね。
大恋愛の果てに結ばれても、離婚する夫婦ばっかりだ。
そんなのを見ていれば恋愛がおっくうにもなるし、もっとシンプルで「めんどくさい」という感情に支配されてしまう。
それならば最初から相手をしっかり見極めて、全て計算して調整して、安心で丈夫な『強い家庭』を作っていこう、と。まるで自衛策のようで。傷つきたくないという思いが強い、省エネ主義的な思想も、非常に現代的に感じますね。
続刊においてはどんどんとこの世界観の深掘りもされていくことでしょう。
それに、こんなに鮮やかに1巻を締めくくられては、2巻も買うしかない。
売野機子という才能の在り処がきちんと見つけられたような作品。
「自分は恋をしなくても生きていけると 思っていた頃があったんだってさ…」
おとなとこども、あなたとわたし。 (1) (it COMICS) 糸 なつみ KADOKAWA 2017-01-19 売り上げランキング : 156703 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
おとなとこども、あなたとわたし。/糸なつみ
「年の差」がテーマのオムニバス漫画。もうテーマから絵から内容から全部好き。コミックitというKADOKAWAの中でもちょっと異質な女性向け誌に掲載されており、コミクスが出るまで知らなかったのですが、読んでみたらもうドンピシャ。まぁコミックit自体がそもそも好みだったということもある。
1巻2巻が同時発売されたのですが、1巻だけ最初に買って、次の日にはすぐ2巻を買いに行ってましたね・・・。
3つのストーリーがありまして、1巻につき各1話ずつ、同時進行していく。
それぞれが違った角度から「年の差」を軸にしたドラマが展開され、それは切々とした恋のお話だったり、すでに亡くなった人物によって繋がれた疑似家族だったり、同じオフィスで務める女性同士の交流だったり・・・
読んでいると作者の年の差属性の強さを感じる。生半可なものではないのですよ。年の差によって隔たれた人生観。視線の違い。年をとる事で失ってしまったもの・・・。
生きてきた時間の違い。それは時に残酷なほどに人々の間を切り裂き、すべてを傷つけていってしまう。シビアな側面もかなりフィーチャーされていきます。
いわゆるオトナ女子向け、レディース漫画っぽい内容ではありますが
ソフトな絵のタッチと、作者のエモい完成によって幅広く受け入れられそうな作品ですね。
3つのストーリー、それぞれ甲乙つけがたいほどに味わい深く、「どれ派」かでも知り合いと話し合ってみたいくらい。いやぁ。年の差OLのオフィスドロドロ物語、イイヨネ。
怒りのロードショー マクレーン KADOKAWA 2017-01-30 売り上げランキング : 41727 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
怒りのロードショー/マクレーン
映画好きの「語り」をメインに据えたような作品、いくつか浮かびますが、中でも個人的にはこれが好きかなぁという一作。
絵も内容も荒削りなんだけれど、ソレがゆえに我武者羅なエネルギーがビシバシ放たれている。
そもそもペンネームが「マクレーン」て。その時点で相当おバカな香りが漂ってきますね。
とっても下らない、しかし愛にあふれる映画好きたちの日々。
時に言い争いをしたり、時にいっしょの映画を見て震え立ちあるいは涙する!
ぶっちゃけ読んでてよくわからないネタも頻出する。映画好きなら拾えるものが多いと思うけれど、有名な筋肉映画をそんなに見れていない自分はクエスチョンマークもいっぱいだ。でも面白い!!例えば友達が必死なテンションでオタクトーク全開してたら話の意味はわからなくても面白いじゃない?そういう感じなんです。そして話をきいているとワクワクする。ムズムズしてくる。俺も、その映画、みたい・・・!!!
というか実は映画語りと同時進行的に「オタク」という人種の生き様も熱く描いてくれる。
理解もされず、むしろ違う方面のオタクから理不尽な争いを持ち込まれたり、なんなら同じ映画オタクの中でも娯楽主義or芸術主義といった火種がそこかしこに散りばめられる。
なんというかこの漫画は際どい。ブレーキ積んでいない車みたいに、楽しい気分のまま次には冷水ぶっかけられるようなスリリングな展開が待ち受ける。
けれど結局は、自分の大好きなことを誰かを共有できる歓びが、この作品の圧倒的な肯定感を裏付ける。
あと出てくる女の子がだいたいとても優しくておちんちんにくる。(お姉ちゃんはNG)
幸色のワンルーム(1) (ガンガンコミックスpixiv) はくり スクウェア・エニックス 2017-02-22 売り上げランキング : 1194 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
幸色のワンルーム/はくり
少年は大好きな大好きなだいすきな少女を誘拐した。そんな危ないオープニング。
欲望のままのその行動は結果、どん底にいた少女を救い出すことになった。
しょせん誘拐犯とその被害者というただそれだけの共存。
なのにそのワンルームに、不思議な温かさが宿ってゆく。
なんて危うい漫画なんだろう。
エンターティメントとしてこの漫画を飲み込むことができない人だって、きっと大勢いる。けれどこんなにも切実に、お互いの空白を埋めることだけを目的とした共存関係を。スレスレで恋愛に陥らないような、もはや手遅れないような、この不思議な絆を。じっと見守りたくなる人も大勢いるはずだ。
発売、即重版。自分もしばらく入手ができず、たまたま入った小さな本屋で初版を購入できましたが、非常に話題性のある作品であることは間違いない。
どうしようもなく寄り添うことでしかもう生きていけないことを、お互いに知ってしまったのに、「誘拐犯」「被害者」という関係性でしかお互いを赦すことができない。だからイビツな感情にふたりともが絡め取られていく。
あまりにも純粋な将来の誓いを、彼らは破滅のために結ぶ。
だからギリギリで心を許し合わないような、けれど自身が理解しきれていない本能レベルで互いに依存してしまっているような、あまりにも切実で子供じみた男女のストーリーに転がり込んでいくのです。いわゆるエモいってやつなんだよな。
ぶっちゃけ読んでスッキリする話なんかじゃなくて、ニヤニヤゴロゴロできるものでもなくて、描かれている人間の汚さとか世界の歪みとか理不尽な暴力とかに目を覆いたくもなる。でも素直に、幸せになってほしいなと、祈りたい。
商業連載ではあるけれど非常に『ネット』の世界のあの、というかこんな感じの、いろんな黒いものを感じる作品ですね。
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たとえとどかぬ糸だとしても/tMnR
大好きなtMnR先生の商業デビュー作。モチロン最高だった(条件反射)
同一作品ジャンルでたぶん人生で1番買い漁ったのが「ラブライブ!」同人で、好みのCPはあれどわりと無差別にシリアス系のを収集していましたが、そこから商業誌に進出してくれました。
そんなデビュー作ですが、もうあらすじの時点で勝利を確信ってもんですよ。
ごくごく平凡な高校生、
鳴瀬ウタには、人には言えない秘密があった。
それは、実の兄のお嫁さんである薫瑠に恋をしていること。
決して実らない恋だけど、日々の営みが嬉しくて、
その一方で兄との新婚生活を見ていると胸が張り裂けそうで…
彼女は心を押し殺す。
そっと心に秘めた恋心が、目を覚まさないように――。
やったぜ・・・。
というか1巻の内容、ほぼほぼこのあらすじに集約されてしまうんですが。
なんといっても可愛らしい絵のタッチと、ヒリヒリとしたモノローグのバランスが絶妙。痛くても痛くても、恋心を手放すことができない苦しみ。幸せなれるわけがないと自分を諭しておきながら、それでも堕ちていく悲しい矛盾。
主人公の少女の苦悩に身をよじりつつ、しかりながらその恋の相手である薫瑠さんの天真爛漫な魅力と、その包容力!
薫瑠にとって主人公は、夫の妹で、幼馴染で、守りたい家族で――
そんな風に”特別”に扱われるほどに、よけいに拗れていく片想い。
不憫な恋をする男女のことがだいすきなみんな~~~! ・・・ここが楽園だ・・・
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初情事まであと1時間/ノッツ
大発明だ。そう言うほかない至高のコンセプトはずばりタイトルそのままだ。
例えばサッカーで歴代の名試合・名プレイを集めた番組があったとして、見てる誰しもが試合中のムービーを見ながら「このあとなんかあってゴールして得点が入るわけね」って分かりきっているわけじゃないですか。でも滅茶苦茶楽しい。綺麗に場面が繋がって、そして最高潮のシーンで結ばれる。結果が分かっていても、いや結果がわかっているからこそワクワクしながら過程を見守れる。
くどい例えをしてしまったけれど本作が楽しいのもそれなのだ。
結果ヤッてしまうと分かっていながら読み進めて、そしてまんまと”そういう流れ”に発展していった時、興奮と安心が一度にやってきて最高に幸せ。最高のカタルシス・・・!
ちょっぴり情けない男の子や女の子が、それを受け入れてくれる誰かに触れる・・・
というそれだけで、その瞬間の奇跡の価値で涙腺がぶっ壊れてしまうのだ。
コンプレックスがあったり、人と接するのが怖かったり、変化を恐れたり
様々な理由があって、けれどそれを踏み越えてしまう愛おしい瞬間たち。
すこしだけ、男性側が受け身体制のものが多いことが気にかかる所ではあるけれど、まぁ女の子から積極的に来てもらって悪い気がするわけがねぇんだよな(悟)
もとはコミティアで発行された同人誌がはじまり、当時から大好きだったシリーズです。それが連載となりもっといろんな世界の「初情事まであと1時間」をニマニマ楽しむことができるようになった奇跡・・・。500巻くらい続いて欲しい。
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あさは、おはよう/大澄 剛
あれ、これ去年末発売だった・・・まぁいいや・・・。
書影ではモノクロで少女の笑顔が描かれていますが、これ実際に書店で買うと表紙下部分のイラストを覆うような大きいカラーオビが巻かれていて、それをとると少女の笑顔が現れる仕掛け。
もともとオビと本体が一体となったデザインって大好きなんですよね。
本作で言うと、これが本編を読むとまた二重に意味が変わってきて、「本」としての面白さがある。こういう見せ方や演出で紙のコミックスならではの意味を持たせてくれるの好き。
内容としては家族ドラマだったり青春物語だったり、人情モノのオムニバス6作。
それぞれ単独としても楽しめるんですが、微妙につながりがあったりして、
その中心にあるのが表紙の女の子ですね。
特にすきなのはノスタルジーあふれる少女同士の絆を描いた「イコール」、幼少の恋心との決別、あるいは新たな始まりを感じる「さよならわんぱく」。この2作がお気に入りなですが、短編集として雰囲気も統一されており、ついつい涙腺が緩んでしまうような、優しさと切なさと眩しさが詰まった本になっています。
話題になるタイプではないせよ、素直に、暖かな漫画ですね。
発売年的にルール違反(まぁ縛りという意味で)ではありましたが、触れておきたい漫画だったので。
そんな12作でした。
新作開拓も過去と比べるとかなり減っては来てしまいましたが、なんだかんだで表紙買いとか結構してしまうんですよね。次もこの縛りで更新やるかどうかは分かりませんが。またよろしくお願いします。