[漫画]それでも歩もう。だから手をつなごう。『朝霧の巫女』9巻
朝霧の巫女 9 (ヤングキングコミックス) (2013/04/30) 宇河 弘樹 商品詳細を見る |
まるで 朝霧のようだ
大・団・円!ついに終わったー!
「朝霧の巫女」9巻感想です。ながーく続いた作品も、ついに完結巻!
2000年連載開始、07年終了。しかし単行本作業は終わらず、連載終了から6年で最終巻発売。
この作家さんは本当に職人気質で、こだわりが強いということは作品を読んでいて伝わってきます。じっくりと作業が進められてきた単行本は、本当に鬼気迫る。
自分は当時雑誌では読めていませんでしたが、単行本化するにあたり変更点は非常に多いようですね。加筆・修正は山ほどあるんだとか。
雑誌掲載版を電子書籍でもいいので出してくれると嬉しいんだけど、まぁ無理だろうなぁ…。
正直言って内容は後半から難解になってきました。稲生物怪録や日本神話の知識にとぼしい自分では、内容の半分ももしかしたら理解できてないのかも知れません。
しかしそれでも作品の迫力、深い愛情と憎悪、込められたエネルギーに圧倒される!
いやむしろ、自分の知らない知識が至る所に散りばめられていたからこそ、なんだろう、知識欲みたいなのも刺激されたりしていた。そういうのも含めて、いっぱい楽しめた作品。
現代と幽世、そして神話が交差する物語と風景には本当に魅了されました。
様々なキャラクターの想いが結集される最終巻は怒涛の盛り上がり。
攫われた巫女。黄泉から溢れ出る異形と神々。まさに最終決戦。
死者と生者、そして人ならざるもの。その隔たりが今にもなくなる。
ものすごいスケールの戦争が描かれており、テンション上がるしか無い!
そして絶妙に厨二心をくすぐる作品なのですよ。かっこいい口上とか、神話とかさ。
以下、ネタバレ含みますので注意。
前巻→妄執の果てになにがあるのか。いざ、最終局面へ。『朝霧の巫女』8巻
最終巻。人々の思いや執着はどこに辿りつくのか。
ラストということでこれまでの伏線を回収しつつ、それぞれが自分の気持ちに決着をつけていきます。
この作品は血や因縁や輪廻転生など、『つながり』を様々な形で描いて来ました。
(絆と言うとポジティブなイメージが強くなるので『つながり』と言う)
つながりの中で宿る、一言では言い表せない感情とともに、非常に丁寧に。
それは深い愛情であったり、消せない憎しみであったり、尊敬、畏怖、嫉妬、侮蔑、未練、懺悔、哀れみ、慈しみ…。
それら感情を宿す多彩な人間関係。
親と子。怪と人。男と女。友人。主従。嫁姑。生者と死者。そして神と人。
人と人がどうつながり合っているのか。そこにどんな感情があるのか。
結い上げられた想いのドラマに、自分はこの作品に面白さがあったと思います。
特にこの作品なネガティブな『つながり』こそしっかりと描かれており、話を支配する重要な要素でした。そこから重厚な人間ドラマが展開されてきたのです。
それはまさに呪縛。人に土地にすべてのその者を縛り付ける、呪いのようなつながりです。
だからこそ各キャラクターが出した結論に興奮したり涙したり、ともかくクライマックスに相応しい読み応えがありましたよ!!
最終巻で各キャラどんな結論を出していったのか、それをひとつひとつ挙げていくのは手に負えない大変な作業になってしまいますが、印象深いものを書いて行きたいと思います。
●花於と倉子
花於との別離がトラウマとなっている倉子。黄泉の世界が溢れでたことで、花於と再会することになりました。
8巻の一番最後で花於ちゃんが出てきたときはめちゃくちゃテンション上がったものです。
人と怪の、叶えられなかった友情。それを司る、種族の異なる女たち。
倉子がどんな結論を出すのかは本当に気になっていた所でしたが
ホッとするような、しかし強烈に切ない結末でした。
人間のエゴではありますが、結局そこからは逃れられない。
もう一度花於ちゃんの手を振りほどくこと。泣きそうでも、泣いてしまっても、力の限り悲しみながら、現実を生きること。勇気ある結論であり、人間の強さを示した場面でもあったのかもしれません。
●忠尋とこま
死ぬことで望みを叶えたこまさん(8巻)。未だこまさんを求める忠尋。
第32話の2で彼は死んだこまの盲愛(の幻?)に呑み込まれてしまいます。
この時は左目と巫女委員会の介入で助けられますが、同時進行的に描かれていた倉子がちゃんと花於に別れを告げることができたこととの対比で、忠尋の脆さを改めて感じさせられた場面でした。
でもその後でちゃんと忠尋は自分から柚子への想いを取り戻し、こまさんの幻影を振り払うことができました。死者の想いを振りほどく覚悟は、どれほどのものだったろうか。血の繋がった愛おしい存在に、みずから「さよなrら」を告げる。
こまさんとの最後の離別のシーンは名場面ですわ。
最後は本当に静かにそっと、りんと解けた。妄執は晴れたのだろうか。
思わずこまさんの過去話を「妖の寄る家」で読み返したことは言うまでもない。
そしてこまさんの消えた後、立ち尽くす忠尋からただよう空虚感…。
完全な気持ちの整理はつかない。死別はつらい。
けど生きている者は、未来に生きていかなければならない。歩いていかねばならない。
そしてそれを死者は見つめる…。
生者が死者を見送るだけではない。死者が生者を見送る様子も描いています。
これまでの積み重ねで、このこまさんを見た時には、思わず涙ですよ…!
なんて暖かな視線を向けているんだろうか。彼女の想いは、ここまで晴れたか。
こまさんについては後で「母親」について書くときにも追記しよう。
●乱裁道宗と熊沢菊里
死んでは生まれ、輪廻し続けてきた2人。想い合っているのに、結ばれない男女。
いやむしろ男だから女だからという領域を超えている。
7巻で2人の壮絶なつながりを読んでから、非常に気になっていた2人。
愛の怨霊のような菊理。使命のために彼女の想いを退け、けれど本当に大切に守っている。
クライマックスでは主を失ったことで現世に乱裁を縛っていた呪いが消えたのか、彼もまた…。
最後の最後まで愛しあい、けれど結ばれなかった。
乱裁が消えてしまった後、嗚咽しながら凄まじい顔で苦しみ号泣する菊理もすごい。
めちゃくちゃ心揺さぶられる。このカットは本当に読んでいて苦しかった。
「皆と歩め。俺の分まで生き抜け」
「それが兄の望みだ」
そう言い残しあんな晴れやかな顔で逝かれたら…残された方はどうすんの。
でも乱裁は分かっていたから安心して任せたんだろう。
菊理は決して独りにはならないと。共にいてくれる者達がすでにいることを。
乱裁が最後に見せたのは、妹に手向けた強烈な愛情と
立場上やむなく敵となってしまった忠尋たちへの、信頼だったのだろう。
忠尋たちを信じて、妹を託して逝けたんだろう。いい男だった…。
●日瑠子陛下バンザーイ!
バンジャーイ!日瑠子陛下バンジャーイ!
美少女天皇の日瑠子様、怒涛の大活躍。彼女がいたからこその「朝霧の巫女」のラストであったと断言できるでしょう。
おいおい、最初のころなんか病状みたいに描かれていたのに…
長説法は無用!
あなた方が改心して矛を差し出すまで
わたしの鉄拳は緩みません!!!
血を啜り泥に這っても
人々の命を取り戻し、共に生き抜き歩む道を残したいからです
カッコよすぎるだろ。なんて逞しい!
あまりにも大きな人類愛を持ったお方ですよ!
「道を残したい」という言葉が、あまりにも重い…!!
そんな陛下に忠誠を誓う1番の臣下が斎藤である。
めちゃくちゃカッコよくて強いマッシュルームかブロッコリーみたいな老人。
最終的にはなんか船になってスサノオに激突してたよ。
意味わかんないけどとりあえず最高の爺さんだったということである!!!
日瑠子様は神と同化してしまったようだけれど、きっとなんでもできる斎藤のことなので、なんかしてずっと陛下の傍にいるんだろう。ロリ天皇と老人の永遠の主従。ロマンティックじゃない。
しかし改めて、「歩む」という言葉が本当にグッとくる使い方をされている。
人の営みとして。未来へ進んでいくために。自分の意志で足を踏み出すこと。
生きていくために背負っていかねばならないことはたくさんある。
それでもちゃんと歩いでいくんだろう。そうして歴史を作っていく。
●朝霧の巫女は「母の物語」
この作品は「母」の物語だったのとも思います。
印象深いのがこまさんと結実、2人の母親同士のの確執。
こまさんの忠尋への妄執。忠尋と結実の亀裂。
最終的には日瑠子陛下もスサノオを自らに宿し、母親(母神?)となりますしね。
とくに忠尋(子)をめぐっての女同士の争いは壮絶で、これほどまでに親の執念を見せつけられて恐ろしくなるほどまでの体験をした作品は無いような気がする。
そこに複雑な心中の主人公・忠尋が介入し、さらに胸締め付けられる親子のドラマも展開。
こまさんと結実さんは、それぞれ違った性質の「母親」の想いを作中に溢れされていました。
子を想う親の気持ち。親を想う子の気持ち。これらがこの作品の大事な要素でもあった。
自分は結実さんのモノローグを読むと心が苦しくなる。
途方も無い後悔と今も続く苦悩が、言葉の細部からすらにじみ出ていて。
母になることを棄てたわたしは
かわりに守るべきものを探し続けていたのかもしれぬ
さまよいながら生きてきて、気づけばここにたどり着いていた
現実から、子から逃げ出した母親。
本当は愛したかった。けれどそれは叶えられなかった女の苦しみ。
こまさんの描写はこれまでたくさんありましたが、意外と結実さんの心を捉えた場面はそれほど多くはなかった印象。最終巻にして彼女の傷がしかと見えてきて、痛々しかった…。
結実さんに関しては単行本最後のページを見てほっこりするのも忘れちゃいけない。
ともかく。
いろんな要素が絡み合った作品ですが、「母」というものの描き方は本当に印象深い。
人間臭さ満点な女性として。または新しいものを作り出す神秘的な存在として。
諸々ひっくるめて母親への敬意、畏怖、みたいなものが込められているのかもしれない。
日本神話に出てくる母親エピソードも、チラッと調べてみたらだいぶ面白かったです。(俺はマジで日本神話の知識がないのです)
古来から母親というのは、ドラマを背負っているんだろうな。
次の世代へと受け継がれていく、つながれていく血のバトン。
そういうのに深いロマンを感じるのも、この作品のテーマとしてしっくり来る。
クライマックスでは主人公のご先祖たちが現れますね。ここは名シーンやで…。こまさんバイバイしてるしよ…。
子を信じて未来に送り出す、親側の決意。
朝霧の巫女が完結したのは、こまさんのこの結論を出したからかもしれない。
●糸の話
運命の人とつなぐのは赤い糸ともよく言いますが。
「朝霧の巫女」でも、糸は重要な役がありましたね。
人がほどければ糸に戻る。むしろ世界すら、高天原で成された織物。
人と人とつなぐものの表現としての糸。存在をなすものとしての糸。
改めてこれら人の世界を『糸』と表すことに面白さを感じました。
糸という言葉に宿るイメージがなんとも好きだ。なんだろう、奥ゆかしさや頼りなさ。一本だけでつながっていてもつぐにプツリと切れてしまいそうだけど、2本で撚り合わせればもっと強くなれる所とか。
弱いそうで強いようで、けれど縁の力を感じるような、いい表現ですね。糸。
「けして独りで離れぬように。迷わぬように」
手をつないだ表紙の2人は、最終巻を飾るに相応しい。
自らの手でほどけた糸を海から見つけ出した、正真正銘の運命の糸。
糸を束ねれば紐。紐という言葉も、所々で出てきたな。
●まとめ
短篇集「妖の寄る家」からじっくり丁寧に描かれてきた長い物語「朝霧の巫女」。
いかにして未来と向き合っていくのか。
この弱い世界で生きていく意志を見せていくか。
どう決着がつくんだろうかとワクワクしながら読みましたが
時に残酷に時に優しく、エンディングは晴れやかな心地で迎えられました。
しかし願わくば、その戻ってきた日常をエピローグとして見てみたかったなぁという気持ちが強いです。あと数ページ、日常描写を入れて完結してくれたら、もっと気持ちよかったかも。
特に菊理の傷はそう簡単に癒えるはずもないもので、彼女がこれにどう向き合っていくか、もうちょっと見て安心感を得たかったという思い。
単行本ラストでは、これから登校しようっていうキャラクターたちが描かれています。
でもこれでも足りない!長く続いたこの作品のエピローグを、もっとじっくり味わいたかった。ワガママな読者だよまったく!
だけど十分、彼らの未来を信じることができる終幕。
となりの人と、大切な人を手をつなぐ。シンプルなたったそれだけのことがどれほど尊いのか。
親と子。怪と人。男と女。友人。主従。嫁姑。生者と死者。神と人。
いろんな関係性を内包した作品でした。
人の感情の恐ろしさも描いてきて、その迫力にゾクゾクさせられてばかりでした。最初はラブコメだったはずなのに、後半からガチシリアスですからね…。
けれどとても前向きな決着。その切なくも暖かな感触に、心も安らぎました。
死者と向き合うという切実なテーマも、自分は大好きだったなぁ。
そし神秘的な世界観と背景描写。最高に雰囲気がよかった…。
思えばアワーズの漫画ではヘルシングよりトライガンより先に読んだなぁ。
中学生の時から追っていた作品だったので、終わってしまうのは寂しいですが
それでも忍耐強くこれだけ美しくヘヴィな傑作を仕上げてくれた宇河先生には、本当に感謝しかありません。
まだまだ読み解けていない部分もたくさんあります。これからも思い出したように読み返しては、「朝霧の巫女」の世界にどっぷり浸かりたいなぁ。
カバー裏オマケ漫画、最高に余韻をブチ壊してくれました。これぞ朝霧の巫女!
『朝霧の巫女』9巻(完結) ・・・・・・・・・★★★★☆
綺麗なだけではない命の苦悩、叫び。ずっしりと心に響く作品でした。
[漫画]もっと知りたい…女の子の秘密。『思春期のアイアンメイデン』1巻
思春期のアイアンメイデン(1) (ヤングガンガンコミックスSUPER) (2013/04/25) 渡辺 静 商品詳細を見る |
女子って…女子って…すげぇ。
小学校の中学年くらいのとき、男子と女子でわけられて授業をしたことは案外よく覚えています。いわゆる性の授業。その頃のほかの記憶はあまり無いんだけれど、覚えているということはそれだけ当時の自分にしても印象深かったイベントだったんだろう。
男子だけ集められて、先生が黒板に大きく「金玉」って書いてたなー。今考えるとシュール。でその働きとかをなんか普段は違った緊張感で聴いていた気がする。
はて、ではあのとき女子たちはどんなことを勉強したのか…。
当時も今も、結構そこんところ興味ありますよ!
さてそんなわけで渡辺静さんの新作「思春期のアイアンメイデン」感想。
女子への興味がつきない思春期の男子中学生が『女の子のふしぎ』に迷い込むファンタジックな日常系ラブコメディです。
異性への興味。男子中学生という生き物は8割それで構成されているようなもの!
いい具合に思春期をこじらせた中学生たちがその欲望や戸惑いを全開にしており、実に俺好みの世界観でございます。思春期漫画いいよね…!
女の子が秘密にする「あの日」って一体なんぞや。
不思議と興奮で脳みそいっぱいさせられる、ここは女の子のミステリー。
主人公・真山はエロいこと大好きなアッパー系な思春期少年。
教室では友達と大声で下ネタトーク。女子のパンツを見ようと必死。その他多数の女子へのセクハラ三昧の、どう考えてもしょーーもない中学二年のクソガキである。
でも振り返ってみれば中学二年のころなんてこんなものだ。俺もあの頃は透けブラをネタにできるくらいの若いエネルギーがあったはずなんだ…。今となっては…まぁいいやこの話は。
そんな等身大な少年には、月子という幼馴染の女の子がいます。
成績優秀、ルックス・プロポーション文句なし。そして真山と距離を取る。
かつて真山と月子は本当に仲がいい幼馴染でしたが、いつからか男子と女子の別々の世界に分かれていくのはよくある事。
昔とは違って「女の子」っぽくて、しかもどんどんかわいくなっていく月子。彼女への寂しさや憧れや苛立ちや、色んなものを真山は抱えています。
しかしある日、真山は目撃してしまうのです。とびきりの女の子の秘密を!
とくに男子には絶対に秘密にしたい、女の子に来る『あの日』を!
そうして始まる真山と月子の奇妙な関係は、かつての絆を取り戻していく過程でもあります。不思議なかたちで距離を縮めた2人。繋いだキーワードは、女の子の『あの日』である。
女の子の『あの日』!!
男からすれば触れていいものかなんなのか、ともかく神秘的で秘密だらけで、知りたいけどきっと知っちゃいけないようなフワフワしたワードである。でも興味はあるよねっ!(ニコッ
女の子のあの日=ドキドキは避けられない。
『あの日』がどういうものなのか。それがこの作品の最大のポイントであり、独自の捻りを加えたもので面白い。どんなものかは実際に見て貰いたいものです。
ヤンガンのサイトで第一話が公開されていますので、折角だからおいておきます。
→http://www.square-enix.co.jp/magazine/yg/introduction/sisyunnkino/
これが月子の『あの日』。本来のそれとは違うのに、現象のあり方としてはそれに近い。なんとも憎い距離感の設定となっています。
さ、さいですか…。
否が応にもドキッとさせられるこんな瞬間がこの漫画の持ち味のひとつ。ねぇ、だってこんなの男はドキドキするでしょうよ!女の子の体の秘密だもの。
月子の秘密を知ってしまう主人公の男の子。誰にも知られたくない、知られちゃいけないとっておきの秘密。それを2人だけで共有するという嬉し恥ずかしなラブコメ展開!
秘密。なんて甘美で禁忌的な響き。異性の体の秘密を握るのってイイな!
身体がおおきく変化する思春期。それに戸惑いは当然あるでしょう。他の人と比較して一喜一憂したり。はたまた異性の体を覗き見て、性別の違いを確認したり。
そういうことにどうしようもなく心が敏感に繊細になってしまう時期。
この作品はその雰囲気をバッチリとらえた思春期漫画なのです。
設定とキャラクターがかみ合わさって、見事に思春期空間を作り上げる本作。
ファンタジー要素はぬきにしても、単純に主人公とヒロインの関係は思春期らしい、いじらしさと愛おしさでラッピングされており、気持ち悪い笑みをこぼすことを避けられない!
特に先にも書いたように主人公がかわいいです。クソガキで。
人にイタズラ…主にセクハラをしかける悪ガキ系の主人公。隙あらばスカートを覗き込みまたはめくり上げ、胸を揉むわ堂々とヤラせて発言するわ。中学生とは言え、さすがにもう子供だからなで納得できるもんではありません。迷惑人物。
けれどヒロインのために頑張ってみせる時もある。すぐに素直にはなれないけれど、月子のために全校生徒の注目を集めようと大事だって成し遂げる。そういった誠実さをなかなかうまく描いており、素直になれない彼の不器用さと相まって、一見すると迷惑DQNな彼がかわいいヤツにちゃんと見えてくるw
「ヤリたい!!」と大声で言っちゃうような、実際に女の子の胸を揉むような主人公。
でも本当にいざそういう局面になりそうな時、彼は慌てふためきます。
このチキンっぷり!!完全に口だけ野郎ですよ!!
でもねぇ、全体的に粋がってる様子とか、未知の領域に踏み入ることに躊躇してしまうとか、非常にわかる。根性なしめ。かわいいじゃないか。
必要以上にアピールをして、それが叶いそうになった時、尻込みしてしまう。
完全に間抜けなんだけど、これこそが思春期らしい迷走の形のひとつだなぁ。
「女子って…すげぇ…」と感動するときの真山くんは、読者に重なる存在になる。
身体を張った『反撃』で見事に真山に一泡吹かせた月子。
けれど男の子の前で服に脱ぐということは…その上自分の身体にさわらせるということは…平気でなんていられるわけがない!
ということで混乱する真山を後にしたあと、正気になってものすごい勢いで赤面!
かわええ…!!
男子が女子を意識してしまうように。
女子だって男子を意識してドキマギしっちゃったりもするのだ!
第3話は男の子と女の子、両サイドから見ても絶品のニヤニヤエピソードですね!!
思春期をこじらせた男子と女子の不思議な関係。
性を意識してぎこちなくなった、未熟な男女の関係が本当にかわいい。
男子、とか、女子、とか。そういう呼び方ができる空間がそもそも愛おしいですね。
特に第3話と第8話のドキドキ感が素晴らしく、お気に入りの話です。
第8話は、月子の身体の様子を確かめるというシーンが凄くいい。
硬い 柔らかい 硬い 柔らかい
カリッ… ふにっ…
その硬さとやわらかさ。その温かさを、じかに触ってみる。
このじっくりと確かめる描写…こんなのドキドキするに決まってる!!
月子の「コーフン…してるんだ。私の…体で…」の独白がエロさに拍車をかける。
相手が自分に興奮している…なんてことを自覚して、めちゃくちゃ照れるんですよ。大人っぽく妖艶に振る舞うことなんてできない「女の子」の魅力。
そしてなぜか授業中に勃起してしまっていたあの謎現象がついに解明された。そんな理由だったのか、夢が広がるw
真山に猛アタックをしてくる下級生も登場し、ラブコメとしてこれからどんどん勢いは増していくだろうなと、その予感を与えてくれる第一巻でした。
設定の面白さとそれが溶け込む日常描写。なによりファンタジー要素を通じて鮮やかに浮かび上がる思春期の輝き!これぞ美味!2巻も楽しみにしております。むふー。
『思春期のアイアンメイデン』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
アイデアの面白さもそれを生かしたラブコメ展開も素晴らしい。ナイス思春期漫画!
[漫画]痛いほど本能で踊って!『ボールルームへようこそ』4巻
ボールルームへようこそ(4) (講談社コミックス月刊マガジン) (2013/04/17) 竹内 友 商品詳細を見る |
おめでとう 君がフロアの女王だ
バチバチ火花がはじけるライバルとの緊張感!燃え上がる闘志!背筋を這い上がり体震わせる興奮!最高に盛り上がっている「ボールルームへようこそ」第4巻。今こそ読み時というヤツです。内容も注目度も勢いが出てきています。おもっしれー!!
今回で第一部完、みたいな感触でした。それだけまとまりがいい。
まるで炎の嵐のよう。
物語から、絵から、全てから吹き上がる熱風に吹き飛ばされてしまいそうですよ!!
1巻から作品に宿ったこの熱量にゾクゾクしていましたが
今そのアツさはここにひとつの到達点を見せる!
3巻 待ちきれないんだ、体が熱くなりたがっている!『ボールルームへようこそ』3巻
「天平杯」決勝戦に駒を進めた多々良&真子ペア。
引っ込み事案でこれまで特別華のあるダンスをしてらこれなかった真子を、あえて「花」として輝かせようと「額縁」の役割の徹する多々良。
ライバルの賀寿&雫ペアは、そのダンスを見てメラメラと更に激しく燃え上がる。
お互いがお互いだけを見つめて「勝ちたい!」と。
情熱が研ぎ澄まされていく。闘争本能が純化していく。
しかしあくまで優雅に華麗に、美しく情熱的に踊るのだ。だってそれがダンスだろう。
4巻はまるっと天平杯決勝戦。この興奮度は尋常ではない!
ほんとに名シーンが多くてどう感想を書こうか悩みますが最初にこれかな。
とにかくこの漫画は本当に、表情が魅力的です。
集中した凛々しい顔も、ライバル意識バリバリの緊張顔も素敵ですよ。
自分を誇ってみせる不遜な表情も、ダンスの美に酔いしれる表情も
ダンスのあと、全力を出しきった疲労と充実が入り交じる表情も。
でも個人的には1番はこのシーンに代表される表情かな。
メッチャクチャ苦しそうないい顔してる!!
まさに必死の形相です。このページだけでも熱気がひしひし伝わってきますね…!!
本当に苦しそうな極限状態。けれど彼らはこんな苦しそうな表情は極力伏せて、あくまでも余裕を感じさせるほほ笑みを周りに見せようとする。
ダンサーって見栄っ張りでカッコつけたがりなのです。痛そうなくらいに全力で、けれど笑ってみせる。だからこそ、本当に痺れるくらいにカッコいい。力の限りカッコつけるんだ。これまでの悔しさも苦しみも血の滲む努力もすべて笑顔の下に押し込めてカッコてつけみせる!
あまりに熱気と迫力がこもりすぎて、読みながらヒリヒリと胸焦がされる!
作中で彼らのダンスを見ている観客同様、本当に自分も魅せられてしまう…!
バチバチ火花ちらしあう多々良と賀寿。互いが互いを焚き付けて、全力全開で競い合う。
でもパートナーの女の子たちも負けてはいない。
多々良とパートナーとして踊る真子。
賀寿の妹であり、彼から一度見放されてしまった少女です。
4巻は賀寿と真子の複雑な感情入り交じる、兄妹のドラマも印象的でした。
賀寿がダンスを始めたきっかけの回想シーンなんかは鳥肌だった。「ダンスを選んでくれてありがとう」なんてさ。そんなの言われたらもう…!
賀寿なりのこだわりと意地がかいま見えて、よりストーリーに熱が入る!
ロリ真子ちゃんもまさに天を仰ぐ可愛らしさであった…ふう…。
真子と賀寿、兄妹のドラマもアツい。しかし仮初めのペアとなった真子と多々良たちのドラマは更にアツい!目指すは大番狂わせ。実力差は歴然。それでも勝ってやると誓ったんだ!
真子は賀寿に、自分を認めて貰いたい。そしてまた兄と踊りたい。
その気持ちを叶えてあげようとする多々良の応え方もカッコいいんだ。
ダンサーの目立ちたがり本能を押しのけ「額縁」に徹するプレイで、いかに真子が魅力的なのかを会場に見せつけようとしました。そして実際に会場を沸かせてみせた。
そして決勝戦にまで到達。この勝負に勝てば、晴れて多々良と真子は『解散』です。
この戦いに勝てば、多々良と真子のペアは解消される。
もともとは賀寿を見返してやるために、半ばあてつけのように組んだペア。
勝ちたい。勝って見返したい。お前の妹はこんなにすごいんだぞと、賀寿に見認めさせたい。真子を認めさせたい。
賀寿との勝負に勝利するという同じ目標を持った多々良と真子は、逆に言えば自分たちのペアを解散するために勝とうとしているんだ。
だからこんな、矛盾を抱えながらも晴れやかな表情を見せてくれる。
「もったいないなぁ 踊りたくないなぁ!」
そんなこと言って、なんて踊りたそうな顔してやがるんだ!ワクワクしてんじゃん。
名残惜しさを覚えつつ、しかしその顔は開始直前の高揚に染まっている。
もっとこのパートナーと踊りたい。楽しみたい。興奮したい。
けれどこの勝負に勝って、それで最後だ。だからこれが最高のラストダンス!
きっと本当だったら素晴らしいペアとして絆を磨き高めてきた2人。当然お互いに解散への寂しさはあるんだろう。それでも前に進もうとするこのストイックに惚れる!!
こうして考えると男女ペアが当たり前のダンスは、どんなカタチであれ、男女のドラマが生まれるのだろう。
そしてそれぞれの想いを胸に、男は男らしく、女は女らしく、美しいダンスを踊るのだ。もうね、深く考えるまでもなくロマンチックですわ!
多々良と真子。このペアが解散に向かっていく(勝てばね!)のは見ていて本当に寂しいです。だってこんなに素晴らしいダンスを踊る2人なのに。こんなにお互いを見つめ合えている2人なのに。それに「ラブコメとかしちゃえよ!」と思ってしまったのは確かですよ。
でも個人的には多々良と真子が恋愛感情ぬきの絆の深まりを見せてくれたのが素晴らしかった。
ラブコメを期待していた反面、決してその方向にブレなかった2人が素直にカッコいいと思えたのです。多々良は雫一直線ですが、真子ちゃんはどうなるかなーと見ていましたが。いやはや、下世話な期待をしてしまった己を恥ぢよ!
目標に向かって進んでいこうとする、ダンサーとしてのストイックな清潔さを感じて清々しかった。尊敬と友情でつながりあっていたな。
二人は共に想いも美しさも強さも絆を高めあった、素晴らしい相棒になった。
そしてもう1人のヒロイン。賀寿とペアを組んで大会に出場している雫さん。
彼女は作中でも実力者として描かれていましたが
4巻では改めて、彼女の恐ろしさと美しさを魅せつけられました。
これが花岡雫というダンサーか!
優美な中に闘志を燃やす。たおやかな少女なようで、彼女もまたダンサーらしく目立ちたがりやで負けず嫌い!自分の一挙一動が会場を沸かす興奮の虜なのですよ!
ダンサーの誇った顔も素敵な本作ですが、上の雫は本当にゾクゾクさせられた…!なんてまっすぐ「私を見なさい」と訴えているのか。すげえな。真面目に、傲慢だ。
これまでで理解はできていたと思ったんだけど、再度思い知らされましたよ。彼女の強さ、深さ、恐ろしさ、美しさ。ダンサーとしての実力に、多々良と賀寿とはまた違う女性としての魔力も合わさり輝いて、さらに奥深い!
そして大好きなのがこのシーン。1人になってから流した悔し涙。
ああ、こうしてまた、彼女は強くなる。
そんな「ボールルームへようこそ」4巻でした。
上に書いてきたように、過去最高潮のハイテンションに圧倒された一冊。
興奮が、高揚が、伝播する。
ダンスは会場に。そしてそれは読者へと!
互いが互いに自分を見せつけ合う。そしてそれを見て、また燃え上がる。
バカみたいな情熱のサイクルが、ライバルと自分をグルグルめぐって、もう勝負の相手がどうとか目的を見失って、ただ「なんかすげーぞこれ!!」とバカになってしまう。
けれど勢いばかりじゃなく繊細な人間描写も光り、とにかく物語にノせられます。言葉の選択も巧みで、人間やダンスをそこに宿るドラマと熱量を絶妙に表現してくれています。『言葉』で人を、読者を煽るのがうまい作品。
ダンサーってのは人を興奮させるのが上手いよね。まったく。
あと改めて、多々良はいい子だなぁと思ったりもした。
競技中まさに自分も踊りながら賀寿を見て、ああこの人はなんてカッコいいんだ、と尊敬していたりする。当然その賀寿に勝つ気持ちは消えないままで。
そして彼のダンスは、技術ではなく本能レベルで周囲を魅了する。
第15話、多々良たちのダンスをみて客席にいるダンサーたちが、「踊りてぇ~~~!!」とウズウズしてしまう。なによりダンスを楽しんで、それを見せつける彼だからこそのワンシーンかもな。まだダンス初心者の多々良だけど、その根っこにはすでにダンサーとしての天性の魅力がきちんと芽吹いて育っているように感じますね!いや、初心者が初心者なりにはしゃいでる姿が、ダンスに夢中になっている根源的なエネルギーが、熟練者の魂をも揺さぶっている。
踊るのが楽しくて楽しくて仕方ない!そう叫ぶような多々良のダンス!
ついにとことん根っこまでこの作品に捕まったような感じです。呑み込まれた。こりゃ面白いわ。5巻早く読みたいー!!
『ボールルームへようこそ』4巻 ・・・・・・・・・・★★★★☆
圧巻!高まるテンションを抑えきれない絶好調の内容。大迫力ですな。
[漫画]2013年5月単行本の購入予定
漫画タノシイ(逃避)
あ、こないだアクセス数200万越えました。ありがとうございます。
05/02 講談社 雪にツバサ 6 高橋 しん
05/02 集英社 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 3 泉 光/超平和バスターズ
05/02 集英社 終わりのセラフ 2 山本 ヤマト/鏡 貴也/降矢 大輔
05/07 講談社 ウィッチクラフトワークス 5 水薙 竜
05/09 新潮社 向ヒ兎堂日記 2 鷹野 久
05/10 小学館 ハレルヤオーバードライブ! 9 高田 康太郎
05/10 小学館 ひとりぼっちの地球侵略 3 小川 麻衣子
05/10 双葉社 お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!! 7 草野 紅壱
05/10 海王社 あおくて堅い 山田 酉子
05/11 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 春の包帯少女 1 佐藤 ミト
05/14 マッグガーデン 蒼きユピテル 1 藤野 もやむ
05/14 マッグガーデン 蒼きユピテル 2(完) 藤野 もやむ
05/14 マッグガーデン 17歳℃ 麦盛 なぎ
05/15 マッグガーデン flat 7 青桐 ナツ
05/17 集英社 ねじまきカギュー 10 中山 敦支
05/17 小学館 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic 1 伊緒 直道/渡 航
05/18 一迅社 マテリアルキャンディ 黒霧 操
05/18 一迅社 ツミキズム 井村 瑛
05/22 スクウェア・エニックス 妖狐×僕SS 9 藤原 ここあ
05/22 スクウェア・エニックス 恋するみちるお嬢様 2(完) 若林 稔弥
05/23 講談社 新装版 真・女神転生 デビルチルドレン 1 藤異 秀明
05/23 講談社 BUTTER!!! 6 限定版 ヤマシタ トモコ
05/24 集英社 花と落雷 2(完) 渡辺 カナ
05/25 一迅社 やはり俺の青春ラブコメは間違っている コミックアンソロジー
05/27 アスキー・メディアワークス発行/角川グループホールディングス発売 この美術部には問題がある! 1 いみぎむる
05/30 少年画報社 ワールドエンブリオ 10 森山 大輔
05/30 少年画報社 ワールドエンブリオ 11 森山 大輔
05/30 少年画報社 僕らはみんな河合荘 4 宮原 るり
05/30 少年画報社 蒼き鋼のアルペジオ 7 Ark Performance
05/31 白泉社 想いの欠片 2 竹宮 ジン
05/下 マイクロマガジン社 琴浦さん 5 えのきづ
05/下 ワニマガジン社 ぱら☆いぞ 2 道満 晴明
5月の購入予定。
とりあえず「真・女神転生デビルチルドレン」新装版のニュースに狂喜乱舞である。
小学生のころ、コロコロやポケスペを平和に楽しんでいたころの俺を、今思い返してみれば中二病みたいなものに墜落させた罪深く思い出深い作品です…。
誰が呼んだか「幼年誌のベルセルク」。新装版表紙も刹那さんイッちゃってて素敵すぎる。
「ぱら☆いぞ」2巻も待望。はやく読みたいなはやくはやく。
「ハレルヤオーバードライブ!」「ひとりぼっちの地球侵略」のゲッサン作品ズ楽しみですわ。
麦盛なぎさんの「17歳℃」はいい一巻完結漫画かな。webで追っていて単行本欲しかった。
「ねじまきカギュー」は10巻越えかぁ。中山先生応援してるのでこれは嬉しい。
「ワールドエンブリオ」は2巻同時発売、そしてドラマCD付き限定版もあり。
クライマックスな展開に入ってますが、どう物語を締めくくってくれるかも合わせて楽しみですなー。「クロノクルセイド」の森山大輔先生だもの。
限定版といえばアニメいい出来だった「琴浦さん」も5巻限定版に期待してます。
そんな感じの5月。あとゲームですけど「サモンナイト5」にもワクワクですよ!
あ、こないだアクセス数200万越えました。ありがとうございます。
05/02 講談社 雪にツバサ 6 高橋 しん
05/02 集英社 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 3 泉 光/超平和バスターズ
05/02 集英社 終わりのセラフ 2 山本 ヤマト/鏡 貴也/降矢 大輔
05/07 講談社 ウィッチクラフトワークス 5 水薙 竜
05/09 新潮社 向ヒ兎堂日記 2 鷹野 久
05/10 小学館 ハレルヤオーバードライブ! 9 高田 康太郎
05/10 小学館 ひとりぼっちの地球侵略 3 小川 麻衣子
05/10 双葉社 お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!! 7 草野 紅壱
05/10 海王社 あおくて堅い 山田 酉子
05/11 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 春の包帯少女 1 佐藤 ミト
05/14 マッグガーデン 蒼きユピテル 1 藤野 もやむ
05/14 マッグガーデン 蒼きユピテル 2(完) 藤野 もやむ
05/14 マッグガーデン 17歳℃ 麦盛 なぎ
05/15 マッグガーデン flat 7 青桐 ナツ
05/17 集英社 ねじまきカギュー 10 中山 敦支
05/17 小学館 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic 1 伊緒 直道/渡 航
05/18 一迅社 マテリアルキャンディ 黒霧 操
05/18 一迅社 ツミキズム 井村 瑛
05/22 スクウェア・エニックス 妖狐×僕SS 9 藤原 ここあ
05/22 スクウェア・エニックス 恋するみちるお嬢様 2(完) 若林 稔弥
05/23 講談社 新装版 真・女神転生 デビルチルドレン 1 藤異 秀明
05/23 講談社 BUTTER!!! 6 限定版 ヤマシタ トモコ
05/24 集英社 花と落雷 2(完) 渡辺 カナ
05/25 一迅社 やはり俺の青春ラブコメは間違っている コミックアンソロジー
05/27 アスキー・メディアワークス発行/角川グループホールディングス発売 この美術部には問題がある! 1 いみぎむる
05/30 少年画報社 ワールドエンブリオ 10 森山 大輔
05/30 少年画報社 ワールドエンブリオ 11 森山 大輔
05/30 少年画報社 僕らはみんな河合荘 4 宮原 るり
05/30 少年画報社 蒼き鋼のアルペジオ 7 Ark Performance
05/31 白泉社 想いの欠片 2 竹宮 ジン
05/下 マイクロマガジン社 琴浦さん 5 えのきづ
05/下 ワニマガジン社 ぱら☆いぞ 2 道満 晴明
5月の購入予定。
とりあえず「真・女神転生デビルチルドレン」新装版のニュースに狂喜乱舞である。
小学生のころ、コロコロやポケスペを平和に楽しんでいたころの俺を、今思い返してみれば中二病みたいなものに墜落させた罪深く思い出深い作品です…。
誰が呼んだか「幼年誌のベルセルク」。新装版表紙も刹那さんイッちゃってて素敵すぎる。
新装版 真・女神転生 デビルチルドレン(1) (KCデラックス) (2013/05/23) 藤異 秀明 商品詳細を見る |
「ぱら☆いぞ」2巻も待望。はやく読みたいなはやくはやく。
「ハレルヤオーバードライブ!」「ひとりぼっちの地球侵略」のゲッサン作品ズ楽しみですわ。
麦盛なぎさんの「17歳℃」はいい一巻完結漫画かな。webで追っていて単行本欲しかった。
「ねじまきカギュー」は10巻越えかぁ。中山先生応援してるのでこれは嬉しい。
「ワールドエンブリオ」は2巻同時発売、そしてドラマCD付き限定版もあり。
クライマックスな展開に入ってますが、どう物語を締めくくってくれるかも合わせて楽しみですなー。「クロノクルセイド」の森山大輔先生だもの。
限定版といえばアニメいい出来だった「琴浦さん」も5巻限定版に期待してます。
そんな感じの5月。あとゲームですけど「サモンナイト5」にもワクワクですよ!
[漫画]悩んで悔やんで喜んで、心震わせて。『14歳の恋』3巻
14歳の恋 3 (2013/04/30) 水谷 フーカ 商品詳細を見る |
ほら あんまり可愛いと ちょっと本気出しちゃうじゃない
相変わらずもどかしすぎる思春期漫画「14歳の恋」3巻がでました。
だいたい年1冊ペースでここまで来ているシリーズですが、読むたび心がみずみずしくなりますな…。何度もジタバタ悶えさせられる。
今回の表紙、逆光がいい感じに綺麗ですねぇ。教室内はほんのり薄暗くて、窓のむこうはスカッと晴れ渡っていて。逆光をあびる教室と生徒、という絵が好きなのかもしれない。
この作品、カラーでこういう逆光の絵を書いてくれることが多い気がしますねえ。たまらんです。
前巻→甘く淡くちょっと切なく過ぎる14歳の日々。『14歳の恋』2巻
さて内容の感想。
3巻は和樹と彼方がケンカをしてしまうエピソードから幕開け。
男女別け隔てなくみんな仲良し!!なんてクラスはほとんどないハズで、ご多分にもれず2人のクラスもささいな事を積もり積もらせ、どんどん不仲が深まる。
そんな中、クラスの男女代表のような和樹と彼方がやんわりとクラスの混乱を落ち着かせようとするも…。
やっぱり2人も、まだまだ自分の気持ちをコントロールしきれない子供なんだよねえ。
理想通りにできなかった、その上大切な人との距離が出来てしまった。
人間関係を壊さないように器用に立ち回ってきた2人が、まさかお互いが一番大切な人とケンカをしてしまう。そしてクヨクヨして悶々として、ため息ばかり。いやー思春期ってイイですね!!ハァハァ!当人たちはまったく笑えたもんじゃないですが、こういう失敗もまたひとつのスパイスとしてこの思春期空間を彩ってくれます。
みんな悩んでる。上手くいかないねぇ。みんな目の前のことしか見えない一生懸命さとその愚かさがあって、ただただ眩しい。見てる側としては、こんなにみんなを愛おしく思えるのに、そんなこと言ったら彼らは怒ってしまうんだきっと。だからこっそり見守っていたい。うん。
くよくよ悩んですれ違って不安に押しつぶされそうな和樹と彼方もいい。
でもやっぱり2人が仲良くしているのを見て幸せになりたいのです!
カーテン越しに手をつないで、気持ちを確かめていく。指をむすんで、不安はほどけて。くわーっニヤニヤするしかない!!
仲直りするシーンも、お化粧してデートする話も、どれも絶品でしたね。
お化粧デートはねぇ…うむ…大人っぽいことにチャレンジしてみた背伸び感からくる子供っぽさと、少しでも恋人から美しく好ましく思われたいという女っぽさが交じり合っててすごく好き。
まだまだ「女の子」っぽさのほうが配分としては強いけれど、きっと少しずつ「女」の部分が香り立つようになってきたりするんだろう。その過程を!俺は見つめていたい!(クワッ
和樹・彼方だけじゃなく、本作は魅力的かつニヤニヤせざるを得ないサブキャラ布陣も協力であり見逃せないのです。
ここに来てまたしても深まる、志木葵ちゃんの切なさと苦悩。
彼方に思い寄せる百合っ娘です。彼方にとって彼女はどんどん素晴らしい友達になっているのが分かる。どんどん距離は縮まっています。
でも志木さんが本当に望む関係には、きっと進まないんだ。
ツライなぁ片思い。報われてほしい思いは当然強いんだけど…むむむ。
作中のもう一方のカップル(と言えるはず)の長居くんと日野原先生の生徒×先生ペアに関しては、なによりカバーをとった本体表紙のカラーイラストが絶品であることを最初に書いておきたい。長居くんのヘッピリ腰萌えぇ!!ワルい子っぽいけどここらへんありふれた男子中学生らしいヘタレぶりですよ!!
第16話は長居くんと日野原先生についてクローズアップしたエピソード。
やはり日野原先生は怖いなぁ。それでいて、惑わされていたい感じの女性だ。
日野原先生のために一生懸命になっちゃう長居くんヤバいな(トロ顔)
ていうかインターミッション14の長居くんの夢、日野原先生のおっぱいをやや増量してませんかね?この野郎!!長居ィ!!中学生男子!!!
しかしこれが妄想ではないとしたらどうだろう。
思えば日野原先生、これまで胸元が見えるような服を着ていない。見た感じ当別大きくも小さくもないように見えるが、実は脱いだらすごい可能性は十分捨てきれず残されているわけだ。
そこでこの長居くんの夢である。そこに現れる、普段着で想像されるよりもやや大きめに見える日野原先生のおっぱい…。つまり長居くんはすでに日野原先生のおっぱいを実際見たことがある、かも知れない!!
ああ、うん、それは無いな。だって長居くんだもんな。そこまで到達してるわけないな。日野原先生がイタズラでおっぱいチラ見せしたことあるとかの方がワンチャンあるだろう。
長居くんのことナメすぎですけど、だってそういう子だものね‥・!
その次のインターミッションで15を見ても、日野原先生は自分のドレス姿を夢に見ているけれど、けっこう谷間ありますね。自分の身体のことだし、このサイズで間違いないと思う。彼女特に巨乳願望ありというわけでは無さそうだし。
長居くんの妄想した理想おっぱいと、日野原先生の実は脱いだらすごいおっぱいが偶然の一致。これが私の導きだした答えです。
いやまてよ…日野原先生とずっと近くにいたことにより、長居くんは彼女の隠れ巨乳を察知していたという事もありえるな。好きな女性のおっぱいを観察した結果、彼は日野原先生の正確なバストサイズを観測することに成功した、ということか。なるほど思春期の少年の執念が成した奇跡と言えよう。
……俺はなぜ日野原先生のおっぱいでこんな考察をしているんだ…?(正気に戻る
描きおろしの「24歳の憂鬱」は日野原先生が長居くんと出会うきっかけを描いたエピソードでした。
ラストの「本気?なんのことよ やめて 14歳なんかに」にゾクッと来た。
1ページまるまる真っ黒で、「14歳なんかに」の吹き出しだけ浮かんでるという…。
まぁ、こんなセリフ、フラグ以外の何者でもないですけれど!!
ああきっと彼女は、そんな予防線を自分ではっておきながら、暗いところへ予期せず落っこちていったんだ。見事に今まさに落っこちてるんだ。でもそれを楽しんでいる現在の日野原先生のたくましくしなやかな生き方を見るに、やはり俺はニヤニヤしてしまう。
今回も大人の余裕たっぷりに長居くんをいじめてくれましたw
そんな「14歳の恋」!14歳たちの悶々とした恋心!それを見守りつつ介入してくる女教師の恋心!それぞれの気持ちが心地よく揺れ動いてる様子が素晴らしい。
とにかくもどかしくて爽やかで可愛らしい。思春期に頭を悩ませる子どもたちを愛おしげに見つめる作品です。苦しんだり傷ついたりする。でも最後は、良い事が待ってるんだから。
メインの和樹・彼方ペアは言わずもがな。長居・日野原ペアも危険な匂いを漂わせつつ(だって生徒と先生ですもの)本当に可愛い。可愛い!かわいい!!
4巻はまた1年ほど先になるんだろうな。楽園購読してますけども、楽しみです。
『14歳の恋』3巻 ・・・・・・・・・★★★★
うおー14歳!14歳だなぁ!かわいいなぁ!!はぁーッ!!(最初これが記事タイトルだった)