[CD]雪ノ下雪乃の内面を描く、アニメ俺ガイルOP『ユキトキ』
珍しくCDの感想なんぞ。
TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」オープニングテーマ曲「ユキトキ」。
やなぎなぎ5thシングルとして4月17日に発売しました。
まさに春にぴったりの、非常に爽やかなポップチューン!
問答無用に心掴まれる美メロに打ちのめされ、歌詞を読んでまた悶絶!!
原作ファン的にはこれはチェックせねばと買って参りましたよ。
曲単体でもお気に入りなのですが、俺ガイルという作品に添えられた内容だということを加味すると曲の奥深さが増し、より一層美味しく。
買ったら大きいポスターもらえました。麗しや。
作曲はROUND TABLEの北川勝利。歌うのは化物語「君の知らない物語」の時、スーパーセルでゲストボーカルやってたやなぎなぎさん。近年は個人名義でアニメソングをリリースしてますね。個人的にはmanyoさんとコラボしたアルバム「Tachyon」の音世界がめちゃくちゃ心地よかったですわ。
さて「ユキトキ」です。
曲は軽やかなバンドサウンドにピアノ・ストリングスが絡み合う、お洒落なポップス。どこか憂いを湛えた淡い色彩がパッと花開く、開放感に満ちた一曲です。
歌い出しから完璧ですよね。この美メロ!サビ入り構成は大正解!
歌い出しに掴んで、一気に駆け出す演奏!しかし一旦ブレイクを挟んで、穏やかにAメロへ。そして胸に暖かさがこみ上げてくるかのような、爽快なサビへと向かう。
曲展開がとても気持ちがいいんですよね。メロディがとても甘酸っぱく、そして美しさも感じる。高揚感と開放感もあって、これぞ春歌。
歌詞に出てくる「アザレア」だって、春に咲くあざやかな花ですから。
全体的にリズムの緩急が絶妙に心地いい「ユキトキ」の曲構成は、もしかすると雪ノ下の気持ちともシンクロしている部分があるのかもしれない。
そう、歌詞を見ていれば一発で分かる。
この「ユキトキ」はカンッペキに雪ノ下雪乃の心の内を歌った内容となっているのです。
原作小説などは主人公・八幡の一人称視点となっており、他ヒロインの胸の内は想像するしかない。
しかし「ユキトキ」は、原作者による作詞ではないけれど、この作品を読み解くに欠かせないパーツに成り得る。というか雪ノ下ファンでこの歌詞眺めてニヤニヤできないヤツいるのかよ!ひゃほーっ!!
これね、フルで聞くと歌詞の良さをさらに噛み締めることができますよ。
原作ファンも「ユキトキ」はフルで聞いておかなくちゃ!
1人であることになんの疑問も持たなかった主人公(少女)が
少しずつその世界を広げ、「誰か」と共にいる喜びを知るまでのストーリー。
そこにある深い愛情。恋愛を歌った内容ではありませんが、誰かをつながり会える感動を噛み締められる。原作と重ねると、万感の想いというのだろうか、このアツい震えは…。
物語の即した歌詞内容ではなく、あくまでも「雪ノ下雪乃」というキャラクターの心理と成長・変化のイメージ化に挑んだ内容となっていると思います。
歌詞を見ていきます。
まずイメージとして膨らむのは、雪ノ下が1人でいる奉仕部の部室。
「気づけば俯瞰で眺めてる箱」とは、1人に慣れすぎてしまった雪ノ下が自らを客観的に見ている様子かな。しかしそれで「心は白色不透明」。
今ある状況に不満はないけれど、でも気持ちよさはないような、漠然とした寂しさを感じ取れる箇所でもあります。白く不透明→雪、とイメージを繋げられますね。雪に感情が埋まり、喜怒哀楽を曖昧にしてしまっている様子も浮かびます。
その雪を溶かす春を訪れを歌ったのが「ユキトキ」という曲。
冬と春。雪とアザレア(春に咲く花)。
2つの季節の共存、あるいは移り変わりはジャケット写真でも印象的に用いられています。
2番Aメロにも、雪ノ下の1人の時間を思わせるフレーズがあります。
「難しい数式 誰にも頼らず 解いて明かしてきた」
「当たり前だと思っていたから 何も疑わなかったけど」
1人でもなんでもできる能力が、彼女にはあるんですよね。
しかし彼女は、この部屋を出たがります。
「アザレアを咲かせて 暖かい庭まで 連れ出して 連れ出して なんて ね」
春が欲しい。1人のこの部屋から飛び出したい。
「だからそう ひとつずつ ゆっくりと手をつないでいくの(2番サビ)」
誰かと一緒に、暖かな春へ。
雪ノ下にしては「手をつなぐ」とはまた大胆な…!とは思いますが、きっと彼女が望むのはそこなんでしょう。
作詞をしたやなぎなぎさん本人も書いていたように、タイトルが「雪解け」ではなく「ユキトキ」であるのは、自らの意志がそこにあるから。
ちゃんと自分から歩み出すことを主題としたことに、この曲の意味がありますね。
「ひとりで守ってた小さなあの部屋は」
「少しだけ空いている場所があって」
「ずっと知らなかったんだ」
この箇所も好きで。「少しだけ」空いているってのがいいんだ。
何人も入れますよーみたいな規模じゃない。小さなあの部屋はずっと彼女が守ってきた空間。そこに他者を迎えることができる余裕が、ほんのすこしだけあるということ。ここに、まだ全てが変わり切れていないけれど、それでも踏み出した雪ノ下の成長途中な部分が垣間見えて好き。
雪ノ下はその性格的に、多くの人間と親交を深められる人間ではないか。成長途中というのは正しくないかもしれない。それでも、彼女の変化をハッキリ示した箇所です。
ここに前後する間奏では意外なくらい強めにエレキギターのソロが入ってきて、しかも大サビ直前には「ジャジャジャッジャ!」と、派手にかき鳴らすプレイ。カッコいい!
ここでハッとさせられますね。雪ノ下の意識が、視界が、世界が開ける。
春の風が「部屋」に吹き込んで、ふと見た庭先には鮮やかなアザレアの花。そんな風景が浮かびます。きっとその部屋は、ひとりぼっちではないんだろうな。
「胸に貼り付いたガラス 溶けて流れる」
のフレーズも美しい。透明なガラスは、見ただけではその存在がわからない。でも確かに隔たりがあるわけだ。なんの違和感もなく1人の世界で生きてきた彼女のこれまでと、誰かとともに歩み出す彼女のこれから。過去と未来を隔てたガラスは熔けて流れる。だから、前に進める。「ガラス」という表現がお見事だなぁ。
ちなみにアザレアの花言葉。
「あなたに愛される幸せ」
「愛の楽しみ、恋の喜び」
とまぁ清々しいくらい、ラブの匂いがしてきますが!
歌詞は恋愛だけではなく、人間的な成長と明快な視界への爽やかな感動が込められていて、単純な「恋の歌」になっていなかったのが個人的に嬉しい所。
だってね、雪ノ下は恋するとかよりもっと前に、ちゃんと他の人と付き合っていくことで、心を育てていかなきゃならないんだ。春の日差しを浴びて、暖かく柔らかく、やがてそこに花が咲くように。
雪ノ下目線で見るなら、むしろ八幡より由比ヶ浜の方が彼女を新しい世界に引っ張っていってくれているのでは……と、いろいろ解釈はあるかなw
雪ノ下目線で見た「俺ガイル」の世界の断片を楽しめるという意味でも
「ユキトキ」は非常に有意義で、なにより素晴らしい一曲だと思うのです。
やなぎなぎさんの、美しくも凛とした歌声もマッチしていて素敵です。
そういえばアザレアって、川崎市の市花らしいんですが
あれ………川崎…さん…!?
「ユキトキ」関連のインタビュー記事や、やなぎなぎさん本人の言及もあったのでまとめ。
やなぎなぎオフィシャルブログ 「ユキトキ発売日前日」
ナタリー 「俺ガイル」雪乃と寄り添って生まれた雪解けの歌
アニメイトTV 「周りを頼れない雪乃さんを救ってあげたい」
表題曲だけじゃなくカップリング曲もいい仕上がり。
「音のない夢」はタイトルどおりの幻想的で不思議な浮遊感が楽しい。
「Surrealisme」は奇妙なメロディラインを持った複雑な一曲。歌詞の世界観も面白いし、なによりリズムが独特でクセになる。韻の踏み方もすごいことになってますね。
TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」オープニングテーマ曲「ユキトキ」。
やなぎなぎ5thシングルとして4月17日に発売しました。
まさに春にぴったりの、非常に爽やかなポップチューン!
問答無用に心掴まれる美メロに打ちのめされ、歌詞を読んでまた悶絶!!
原作ファン的にはこれはチェックせねばと買って参りましたよ。
曲単体でもお気に入りなのですが、俺ガイルという作品に添えられた内容だということを加味すると曲の奥深さが増し、より一層美味しく。
買ったら大きいポスターもらえました。麗しや。
作曲はROUND TABLEの北川勝利。歌うのは化物語「君の知らない物語」の時、スーパーセルでゲストボーカルやってたやなぎなぎさん。近年は個人名義でアニメソングをリリースしてますね。個人的にはmanyoさんとコラボしたアルバム「Tachyon」の音世界がめちゃくちゃ心地よかったですわ。
さて「ユキトキ」です。
曲は軽やかなバンドサウンドにピアノ・ストリングスが絡み合う、お洒落なポップス。どこか憂いを湛えた淡い色彩がパッと花開く、開放感に満ちた一曲です。
歌い出しから完璧ですよね。この美メロ!サビ入り構成は大正解!
歌い出しに掴んで、一気に駆け出す演奏!しかし一旦ブレイクを挟んで、穏やかにAメロへ。そして胸に暖かさがこみ上げてくるかのような、爽快なサビへと向かう。
曲展開がとても気持ちがいいんですよね。メロディがとても甘酸っぱく、そして美しさも感じる。高揚感と開放感もあって、これぞ春歌。
歌詞に出てくる「アザレア」だって、春に咲くあざやかな花ですから。
全体的にリズムの緩急が絶妙に心地いい「ユキトキ」の曲構成は、もしかすると雪ノ下の気持ちともシンクロしている部分があるのかもしれない。
そう、歌詞を見ていれば一発で分かる。
この「ユキトキ」はカンッペキに雪ノ下雪乃の心の内を歌った内容となっているのです。
原作小説などは主人公・八幡の一人称視点となっており、他ヒロインの胸の内は想像するしかない。
しかし「ユキトキ」は、原作者による作詞ではないけれど、この作品を読み解くに欠かせないパーツに成り得る。というか雪ノ下ファンでこの歌詞眺めてニヤニヤできないヤツいるのかよ!ひゃほーっ!!
これね、フルで聞くと歌詞の良さをさらに噛み締めることができますよ。
原作ファンも「ユキトキ」はフルで聞いておかなくちゃ!
1人であることになんの疑問も持たなかった主人公(少女)が
少しずつその世界を広げ、「誰か」と共にいる喜びを知るまでのストーリー。
そこにある深い愛情。恋愛を歌った内容ではありませんが、誰かをつながり会える感動を噛み締められる。原作と重ねると、万感の想いというのだろうか、このアツい震えは…。
物語の即した歌詞内容ではなく、あくまでも「雪ノ下雪乃」というキャラクターの心理と成長・変化のイメージ化に挑んだ内容となっていると思います。
歌詞を見ていきます。
まずイメージとして膨らむのは、雪ノ下が1人でいる奉仕部の部室。
「気づけば俯瞰で眺めてる箱」とは、1人に慣れすぎてしまった雪ノ下が自らを客観的に見ている様子かな。しかしそれで「心は白色不透明」。
今ある状況に不満はないけれど、でも気持ちよさはないような、漠然とした寂しさを感じ取れる箇所でもあります。白く不透明→雪、とイメージを繋げられますね。雪に感情が埋まり、喜怒哀楽を曖昧にしてしまっている様子も浮かびます。
その雪を溶かす春を訪れを歌ったのが「ユキトキ」という曲。
冬と春。雪とアザレア(春に咲く花)。
2つの季節の共存、あるいは移り変わりはジャケット写真でも印象的に用いられています。
2番Aメロにも、雪ノ下の1人の時間を思わせるフレーズがあります。
「難しい数式 誰にも頼らず 解いて明かしてきた」
「当たり前だと思っていたから 何も疑わなかったけど」
1人でもなんでもできる能力が、彼女にはあるんですよね。
しかし彼女は、この部屋を出たがります。
「アザレアを咲かせて 暖かい庭まで 連れ出して 連れ出して なんて ね」
春が欲しい。1人のこの部屋から飛び出したい。
「だからそう ひとつずつ ゆっくりと手をつないでいくの(2番サビ)」
誰かと一緒に、暖かな春へ。
雪ノ下にしては「手をつなぐ」とはまた大胆な…!とは思いますが、きっと彼女が望むのはそこなんでしょう。
作詞をしたやなぎなぎさん本人も書いていたように、タイトルが「雪解け」ではなく「ユキトキ」であるのは、自らの意志がそこにあるから。
ちゃんと自分から歩み出すことを主題としたことに、この曲の意味がありますね。
「ひとりで守ってた小さなあの部屋は」
「少しだけ空いている場所があって」
「ずっと知らなかったんだ」
この箇所も好きで。「少しだけ」空いているってのがいいんだ。
何人も入れますよーみたいな規模じゃない。小さなあの部屋はずっと彼女が守ってきた空間。そこに他者を迎えることができる余裕が、ほんのすこしだけあるということ。ここに、まだ全てが変わり切れていないけれど、それでも踏み出した雪ノ下の成長途中な部分が垣間見えて好き。
雪ノ下はその性格的に、多くの人間と親交を深められる人間ではないか。成長途中というのは正しくないかもしれない。それでも、彼女の変化をハッキリ示した箇所です。
ここに前後する間奏では意外なくらい強めにエレキギターのソロが入ってきて、しかも大サビ直前には「ジャジャジャッジャ!」と、派手にかき鳴らすプレイ。カッコいい!
ここでハッとさせられますね。雪ノ下の意識が、視界が、世界が開ける。
春の風が「部屋」に吹き込んで、ふと見た庭先には鮮やかなアザレアの花。そんな風景が浮かびます。きっとその部屋は、ひとりぼっちではないんだろうな。
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のフレーズも美しい。透明なガラスは、見ただけではその存在がわからない。でも確かに隔たりがあるわけだ。なんの違和感もなく1人の世界で生きてきた彼女のこれまでと、誰かとともに歩み出す彼女のこれから。過去と未来を隔てたガラスは熔けて流れる。だから、前に進める。「ガラス」という表現がお見事だなぁ。
ちなみにアザレアの花言葉。
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「愛の楽しみ、恋の喜び」
とまぁ清々しいくらい、ラブの匂いがしてきますが!
歌詞は恋愛だけではなく、人間的な成長と明快な視界への爽やかな感動が込められていて、単純な「恋の歌」になっていなかったのが個人的に嬉しい所。
だってね、雪ノ下は恋するとかよりもっと前に、ちゃんと他の人と付き合っていくことで、心を育てていかなきゃならないんだ。春の日差しを浴びて、暖かく柔らかく、やがてそこに花が咲くように。
雪ノ下目線で見るなら、むしろ八幡より由比ヶ浜の方が彼女を新しい世界に引っ張っていってくれているのでは……と、いろいろ解釈はあるかなw
雪ノ下目線で見た「俺ガイル」の世界の断片を楽しめるという意味でも
「ユキトキ」は非常に有意義で、なにより素晴らしい一曲だと思うのです。
やなぎなぎさんの、美しくも凛とした歌声もマッチしていて素敵です。
そういえばアザレアって、川崎市の市花らしいんですが
あれ………川崎…さん…!?
ユキトキ TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」オープニングテーマ (2013/04/17) やなぎなぎ 商品詳細を見る |
「ユキトキ」関連のインタビュー記事や、やなぎなぎさん本人の言及もあったのでまとめ。
やなぎなぎオフィシャルブログ 「ユキトキ発売日前日」
ナタリー 「俺ガイル」雪乃と寄り添って生まれた雪解けの歌
アニメイトTV 「周りを頼れない雪乃さんを救ってあげたい」
表題曲だけじゃなくカップリング曲もいい仕上がり。
「音のない夢」はタイトルどおりの幻想的で不思議な浮遊感が楽しい。
「Surrealisme」は奇妙なメロディラインを持った複雑な一曲。歌詞の世界観も面白いし、なによりリズムが独特でクセになる。韻の踏み方もすごいことになってますね。
[漫画]今日もふんわり、大切な時間を重ねていこう。『喰う寝るふたり住むふたり』2巻
喰う寝るふたり住むふたり 2 (ゼノンコミックス) (2013/03/19) 日暮 キノコ 商品詳細を見る |
俺はリツコが例え…例え男だとしても好きだっ!!
交際10年同棲8年。ますます味わい深い恋人同士の生活。
「喰う寝るふたり住むふたり」2巻の感想です。
ずっと一緒に暮らしてる、でも結婚はしてない2人の、男女別々の視点からイベントごとを見ていくサッピング構成が楽しいシリーズ。
俺はこの作品を遠い星の出来事をながめるように楽しんでいるわけですが
本当に胸がほのぼのと暖まる、リアルで等身大の優しい恋愛漫画ですねえ。
1巻→同居8年目のあったか優しい日常。『喰う寝るふたり住むふたり』1巻
さて、1巻の感想で「2人の性の話が読みたい!」と書いた私ですが!
それがさっそく叶ってしまった…俺のテンションはいきなりクライマックス!!
こういう、超個人的でセキララな性事情を読むの大好きなんですよ(ゲス顔
ちょいとセックスレスな2人のすれ違いを描く「のっぴきならぬ事情」シリーズは前後編でページ数も多く、非常に満足いく出来!
付き合いたてのカップルでもない。体力も減退気味。仕事だってある。
若かった頃みたいに求めることに照れだって出てきて…
リツコはきっと人並みだけど、のんちゃんは結構、性欲薄いタチ。
男と女。いろんな事情は違う。それぞれの思いや悩みが交互に描かれ、セックスレスに立ち向かう男女の意識は立体的になり、さらに面白くなっています。
悩みまくりのリツコさんには申し訳ないけれど
こうしてめそめそ自意識や羞恥心と戦う彼女は、めちゃくちゃ可愛かった!
しかし彼女さんがこんなに苦しんでるのに、彼氏さんは「気が乗らないから」ですからね!「気合出せやオラ!」と思わんでもない。
のんちゃんの愛が薄いんじゃない。リツコを大切に思っているのは間違いない。けどどうにもそういう気分になれない。Hな気分にすぐ切り替わるスイッチがあればいいのにね。
エピソードの終盤、見事「カッコーーン」とのんちゃんのスイッチが入るのですが、そのきっかけってのがまた…ね!えへえへ!
8年も同棲しているのに、その長さが逆に気恥ずかしさを生んじゃってる。
あーかわいい!こいつらかわいい!
愛と性欲はイコールではないけど隣り合ってるかそれに近しいポジションにあるものじゃないかな。いや知らないけど……。(台無し)
…だからこそこういう問題は、愛し合ってるのに意見が合わなくて、すれ違ってもどかしい。
でもあー。やっぱり円満で2人とも幸せそうな人間関係って、見ていて幸福エネルギー分けてもらえる気分になれます。
飲み屋のおっちゃんがこっそりと「今晩母さん抱こう…」と涙流しながら決意してる場面も好きw
このエピソードは特にですが、男女の視点が切り替わるサッピング構成が本当にこの作品のポイントになってますね。いい作用をもたらしてくれます。
すれ違う時は本当にやきもきさせられて、
そしてその気持ちが重なり、盛り上がる時の幸福感は凄まじい。
男と女。別々の違った感情持ち寄って、寄り添って、一緒に暮らす。
それぞれの言い分が理解できる。そのエピソードごとに2人とも違った感情がしっかり描かれていて説得力がある。
きっかりと「今回は男視点だ」「今度は女視点で」と分けられてるので、読む側としてもどちらにも平等な愛情と理解を注げるという感じがする。
このエピソードで印象に残ったと思ったのが、ちと癪でもあるけど、小熊さんのした話でした。
セックスに向き合うとき、男と女でそりゃ立場は当然違う。
女性がその限られた時間を、一途に自分にだけ注いでくれているんなら、男側のどんな言い訳もきっと通らない。
うん、なんか全力で「なるほど!」と受け取ることはできずとも、ひとつの意見としてはまっすぐ説得力があるなぁと。
…と、だいぶ背伸びして感想書いてきたので、これまで書いてきた文章の後ろに「よくわかんないけど、そんな感じじゃないかな…わかんないけど…」と自信無い一文を付け加えておきます。
他に好きだったエピソード。
第9話「お試しファミリー」は親戚の子供を一晩預かった2人の奮闘が面白いお話でした。自分たちの今の生活に子供が加わることで、2人の意識は結婚へと深まったように感じましたね。子供を相手にすることで、これまで見れなかった2人の慌てぶりが見れたのも良かった。
リツコなんか、子供は苦手だって言っていましたけど、褒めるとこ褒めて叱るとこ叱れていて、毅然としたいい母親になれるんでないの。
そして「リツコと子供を作る!!」って決意固めちゃったのんちゃん。
もうさっさとプロポーズしよう!な!
リツコも結婚バリバリ意識してたしなー。
Hのこと。食事のこと。子供のこと。将来のこと。
2人にとって大事なことに触れていった、読み応えある内容でした。
カップルだからこその男女の距離感と生活感で、男と女でそれぞれのドラマを描き出していく「喰う寝るふたり住むふたり」の魅力が今回も出ていましたね。
ただ、結構重要なネタをここまででやった感あるので、3巻以降でテンション落ちてこないかなーと少々心配だったりもします。どうなるか。
人と人がつながるということ。一緒に暮らすということ。共に生きること。
今回も、胸がホッコリ暖まる本でした。
カップルの生々しい話題も出てきましたが、個人的にはこういうのが嬉しい。
『喰う寝るふたり住むふたり』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
いい調子の2巻目。カップルのナマな部分が楽しめる。
[漫画]大学生が読んでおきたい10の大学生漫画
今日はいろんな「大学生漫画」を挙げていこう(唐突)
4月になってもう結構経ちましたね。今年から大学生になった人は、漫画を読むゆとりも出てきたころなんじゃないでしょうか。学校によるか!まぁいいや。
なので今日は自分が好きな「大学生が主役の漫画」を10作品あつめてみました。
なんだかんだで今の自分と境遇が似た作品って、なかなか刺激を受けます。
俺も今大学生ですが、大学生になってから大学漫画を読むのがさらに好きになりました。
面白そうな大学生漫画を見つけたら、ぜひ読んでみてくださいな。
とりあえず記事タイトルを「大学生が読んでおきたい10の大学生漫画」とかに偉そうにしちゃいましたけど、単純に俺が好きな作品を紹介していくだけです!
でも大学が舞台の漫画って、パッと思いつくものが少ないんですよね。
中学、高校なんかはもう沢山ありますけど、大学生漫画は……?
オタクサークルの人間関係、恋愛を爽やかにディープに描く青春漫画「げんしけん」
キラキラみずみずしい美大ストーリー「ハチミツとクローバー」
農大「もやしもん」音大「のだめカンタービレ」東大「東京大学物語」獣医「動物のお医者さん」。
自分は未読ですが「幕張サボテンキャンパス」もちらほら名前を見かける。
……このあたりがパッと思いつくメジャーどころでしょうか。
逆にいえばそれ以外の大学漫画はあまり知られてないのかも。
今回はそれら有名作品はあえて省いた、ほかのいろんな大学漫画を紹介します。
●ネムルバカ/石黒正数
漫画ファンには言わずと知れた傑作だと思いますが、なんのメディア展開もしていないので一般的な知名度はたぶん低いのかな。
「それでも町は廻っている」の石黒正数さんによる一巻完結作品。
性格の全然ちがう2人の女の子の友情を描いたストーリーです。
捻くれつつも面白い視点による人間観察の面白さや、若気の至り的な要素が光る。でも基本的にはちょい不安げなムードがゆらゆら。
自由がゆえに悩んで時間を持て余す大学生の、「くすぶってる感」がいい。
しかし後半からストーリー要素が強くなり、一旦シリアスに落ち込んだ後、眩しすぎるラストへ疾走する!
クライマックスの熱い爽快感は、めぐりゆく季節のロマンチックで淡く切ない感触とも合わさって、なんとも素晴らしい読後感を残してくれる…!!
1冊で終わってることで読み返しやすい。俺も何度も読んだなぁ。
男女・年齢問わず共感と感動が得られる、親しみやすい傑作なのでは。
●四年生/木尾士目
木尾士目さんが「げんしけん」より前に連載していた作品です。
「げんしけん」は上でかいたように、有名すぎるので今回はあえて除外しています。
この作家さんはホントに大学生を描くのが好きなんだなーと思う。
もう15年前の単行本なので現代とはけっこう風景は違うかもしれないけど
大学生のノリや空気というか、そういうのは全然変わっておらず、漠然とした不安がありつつもじんわり暖かく堕落した時間に包まれている。
とあるカップルを描いた漫画で、苦々しいシーンもあるけど、なんだかんだで結構甘くて優しい味わい、かな。
最終話のなんとも言えない余韻は何度読んでも素晴らしい!
男女のすれ違いや、人間関係の本当に微妙な『違和感』を掴んで描き出しており、全体的に漂う敏感な空気に心がビリビリしますよ。
なお続編の「五年生」も面白いです。3巻、ラブホでの会話シーンに張り詰める緊張感はハンパない。でもマジでシリアスでヘコまされます……。でもドロドロな恋愛漫画好きは要チェック。
そして作品集「陽炎日記」も、これまた大学生のナマっぽいシリアスな恋愛漫画でオススメ!
問題はいま入手しづらいことか。文庫版とか出ないものか。
●夢のアトサキ/やまむらはじめ
全一巻でキレイにまとまっている佳作。一話完結でいろんな男女の関係を描いていくオムニバス形式です。青春が色濃い、爽やかなタッチで綴られる大学生漫画。
キャラクターがそれぞれ個性があり、それに合ったストーリー。
なかでもメインのカップル(也寸志と阿耶)の関係性はとても惹かれる。美しいけど、いまにもプツンと途切れてしまいそうに不安定で、でも信じたくなる熱がある。
作品の裏テーマでもある芸術へのストイックな情熱がまた、恋愛とは違った面で心の琴線に触れる。
現在アワーズで連載中の音大漫画「天にひびき」もだいぶ面白い。こちらはモロに『才能』と向き合う学生を描いています。上品でありながらバッチリ熱い!
そういえばアニメ化もした「神様ドォルズ」も主人公は大学生だった。やまむらはじめ先生は大学生が主人公率高いのかな。
●恋愛ディストーション/犬上すくね
長いこと宙ぶらりんでしたが見事連載が再開された恋愛オムニバス。
恋人たちのささやかな、でも大切な日々をキラキラ眩しく綴ります。
性の話題もけっこう前面に出てきて、生々しい内容ではあります。でもさらりと清涼感ある絵で、いやらしくなりすぎません。
特別凝った設定もなし。シンプルにカップルたちのパーソナルな問題などをドラマチックに描いていく。巻を増すごとに各カップルへの愛着も深まり、いつまでたっても微笑ましい彼らを眺めてたっぷり心温めてもらえるのです。
熱すぎず冷たくもない、軽すぎず重すぎず。
なんというか居心地がいい。スッと染みこんでくるような、肌に馴染む感じ。
最近の展開だと新しいカップルが誕生し、これまたニヤニヤできるんですよ!
→いつから好きになったかなんて知らないけれど。『恋愛ディストーション』7巻
●1DK/かがみふみを
非モテ大学生殺すにゃ 刃物はいらぬ 一冊の「1DK」があればよい。
今年に入って出た一冊完結の作品。しかしこの一冊に込められた破壊力は測り知れず…読んで何度悶えたか。布団を殴りつけたか。情けない声を上げたか。
童貞と処女の初々しいカップルの恥ずかしすぎる日常。
ずーっと室内(彼氏の部屋)で展開される、初キスから初体験までの爆発しやがれくそったれデイズである。
二人して初々しい恥ずかしがり屋なもんだから、もうずっと赤面赤面また赤面。それでも勇気をふりしぼって体を寄せて、好きを確かめて。
第9話、布団の中でもぞもぞしてるだけで一話終わったときはもうどうしようかと!!!
初めてだらけのカップルが辿る、初めてだらけの日々。
すこーしずつ、すこーしずつ距離が縮まって、そばにいることが自然になっていく。一緒の部屋で長い時を過ごしている、という実感。生活感。まさに絶品。
一冊だけで手軽に読めますし、胸焼けしそうなほどダダ甘な恋愛漫画が読みたい人はぜひぜひ。
●ヒメゴト~十九歳の制服~/峰浪りょう
女らしくできない女の子。女装趣味の男の子。清楚可憐な援交やってる女の子。
19歳のメインキャラたちを主軸にそれぞれのコンプレックスを描いていく作品です。抱えた闇は違えど、どこか共鳴しあう人々。
ストーリーが魅力的でとにかく引き込まれる!先が気になりますわ―!現在連載中の作品でもかなりお気に入り。
心理描写を繊細に描いており、メインキャラたちの複雑な人間関係の絡まりが面白くて仕方ない!
男の汚さ。女の汚さ。裏切り。秘密。けれど純粋な気持ち。
クズが多い漫画で嫌悪感を抱く人もいるかもしれない内容ですが、だからこそハマると愛おしくなってくる。
19歳という不安定な年齢。大学生だからこそできるテーマとストーリー。
心にズシリとくる内容ですが、漂う淡い色気と切なさに心をくすぐられる。
エロいシーンもありますが直接的なものは少なく、むしろ少女漫画的な雰囲気もあるような。現在5巻まで出てるので要チェックですよ。
援交少女・未果子ちゃんがめちゃくちゃカワイイのでぜひ幸せになってほしい。
→ヒミツを抱えあう19歳の三角関係。『ヒメゴト~十九歳の制服~』1,2巻
●過ち、はじめまして。/色白好
ドロドロした作品二連発。こちらは完全にエロ漫画です。
校内でも有名なとびきり可愛い女の子は、実は教授と不倫をしている。
彼女に憧れながらそのことを知ってしまった主人公は、一気にヒロインとの関係を深め、その肉体関係に溺れていく…!
この報われない感じ!ハッピーエンドに向かえないズブズブの恋!
単なるエロ漫画としても十分な魅力があります。しかしこの漂う無力感というか、絶望感というか…ストーリー面にむしろ強く惹かれる。
闇が広がる中で、しかしなんの免疫も無さそうな女の子も途中から物語に食い込んできます。彼女がこれからどんな闇に落ちるのかが本当に楽しみ(笑顔)
うわぁー誰も幸せな恋ができてねぇー!!まぁ幸せかどうかは本人が決めるけど、見てる分には生産的な部分ゼロだよこいつら! だがそれがいい。
インモラルなエロス。こんな大学生漫画もどうでしょうか?
『ヒメゴト』の未果子ちゃんと同じく、清楚っぽい外見で実はビッチなクソ女、っていうギャップが好きなのかもしれない。
→報われない、でも抜け出せない。『過ち、はじめまして。』1巻
●ラストゲーム/天乃忍
ドロドロした作品が続いたのでサッパリ明るいラブコメを。
ぜんぜん素直になれないツンデレ少年×ぜんぜん気持ちに気付けないドンカン少女!
天乃忍さんの「ラストゲーム」は小学校からの腐れ縁をひきずる男女を描いた、実に微笑ましい正統派ラブコメ。
舞台は大学ですが、上で挙げてきた大人っぽい恋愛漫画と比べるとなんと健全か…!!この2人の関係の牛歩っぷりはすごい。じれったくてこっ恥ずかしくて、ピュアな気持ちになれますよ…。
1巻の構成の完成度がとても高かった。小中→高校→大学と段々に描かれ、グッと「腐れ縁」感を強めてくれる。2巻以降、明らかに報われないポジションの男の子が出てきたり、むしろヒロインはお前だろとツンデレ少年・柳くんにツッコみたくなったり。ますますラブコメとしての魅力は磨かれていく!
掲載誌のLaLaもプッシュしてくれているようで、もしやそのうちアニメ化なんて…?と妄想してしまう。でも勢いがあるのは確かなので、実現するかもですね。楽しみだ。
軽やかで暖かくて切なくて、いい青春ラブコメ漫画ですよ!
→粉のように飛び出す、せつないときめきです『ラストゲーム』3巻
●夏の前日/吉田基已
淡い淡い、そして色気たっぷりな恋愛漫画。
芸大で洋画を学ぶ青年と、純和風な装いが特徴的なお姉さんヒロイン。2人の恋愛を描いた作品であり、ズバリ言えば年上お姉さんな恋人って最高だな。
どんどんかわいくなっていくヒロイン・晶さんにメロメロでございます。
でもどことなく漂う儚げな匂いに、またドキドキさせられてしまう!
深く愛しあって、それを何度も確かめて。でも「1人」と「1人」であることは変わらない。1人から逃げない。1人で戦う。向き合う。
どこか乾いたような、冷えた風が吹いているような、そんな心地。
絵もまたいいんだよなぁ。肉体の柔らかさと暖かさが伝わってくる。本当に愛おしく互いを見つめる2人。交わり視線の熱。けれどどこか淋しげ。
「絵を描く」という行為への情熱もほとばしり、実にいい雰囲気の作品!
→触れて、感じて、愛して、1人で描く。『夏の前日』3巻
●ファムファタル -運命の女-/シギサワカヤ
大丈夫!シギサワカヤの単行本だよ!ズブズブに決まってるじゃないですか。
卑怯な女。嘘つきな女。本音を隠すフリして少し明かしてくる女。
そんなイヤな女を好きになってしまった、ダメな男。
どれが本音だ?なにを信じればいい?どこまで信じればいい?
サークル内恋愛を描いた本作「ファムファタル」は、一人の女に振り回される男を描いた恋愛漫画。心のズッシリ重く来る、シリアスで濃厚な人間ドラマです。
シギサワカヤ作品らしい「聡い」女性像がたまらない!
主人公のシタバタっぷりもいいんですよね。醜い、カッコわるい本音をブチまけるシーンなんかは嬉しくなってくる。“彼女”に絡め取られてから、どんどん嘘をつくのが上手くなっていくあたりとか。
しかしそれにつけてもクライマックスのニヤニヤ感は素晴らしいのだ。
ファムファタル。それは運命の女性。または男を破滅に導く悪女。
どっちだっていいよ。こんな訳の分からない女、知り尽くせるわけがないんだから。だからこそ惹かれる。
●番外編
上の10作品には入れなかったものの、これもいいよ!ってのを紹介。
「高杉さん家のおべんとう」は大学生ではないけど、大学の教授が主役。
正確にはオーバードクターで、中学の非常勤、大学の非常勤…をやっていますね。
研究者目線から大学をみてみるのも面白いものです。久留里ちゃんかわいいよ!(まるで関係ない)
大学生要素そんなに強くないけど「惑星のさみだれ」は超傑作・超オススメだし
(追記:最初はそう書いてましたけど思い返してみれば大学生だからこそな作品か、さみだれ)
「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」は専門学校だけどドロドロキラキラなエロス全開漫画で面白かった。
あと予備校だけど冬目景さんの「ももんち」も好きだなぁ。こういうのもっとくれ。
「まじかるストロベリィ」は主人公たちが植物マニアの植物学科。妖精さんたちとのマッタリほのぼのな日常が激癒し。
「変ゼミ」はクソしょうもないことやってるのに、所々で「これはこれでいい青春だ!」みたいな空気を醸すのがムカつくが、確かに清々しく納得してしまういい変態漫画ですね!
そんなわけで、好きな大学生漫画を10作品挙げてみました。
挙げた作品、恋愛漫画ばっかりですね!俺の趣味まるだし!
まぁいっこで気になって貰えたら嬉しいです。
あなたにピッタリの大学漫画はきっとありますよ!
でも自分が知らない漫画も当然たくさんありますので
「これも大学生漫画だよ!読んどけよ!」ってのがあったら教えて下さいまし。
4月になってもう結構経ちましたね。今年から大学生になった人は、漫画を読むゆとりも出てきたころなんじゃないでしょうか。学校によるか!まぁいいや。
なので今日は自分が好きな「大学生が主役の漫画」を10作品あつめてみました。
なんだかんだで今の自分と境遇が似た作品って、なかなか刺激を受けます。
俺も今大学生ですが、大学生になってから大学漫画を読むのがさらに好きになりました。
面白そうな大学生漫画を見つけたら、ぜひ読んでみてくださいな。
とりあえず記事タイトルを「大学生が読んでおきたい10の大学生漫画」とかに偉そうにしちゃいましたけど、単純に俺が好きな作品を紹介していくだけです!
でも大学が舞台の漫画って、パッと思いつくものが少ないんですよね。
中学、高校なんかはもう沢山ありますけど、大学生漫画は……?
オタクサークルの人間関係、恋愛を爽やかにディープに描く青春漫画「げんしけん」
キラキラみずみずしい美大ストーリー「ハチミツとクローバー」
農大「もやしもん」音大「のだめカンタービレ」東大「東京大学物語」獣医「動物のお医者さん」。
自分は未読ですが「幕張サボテンキャンパス」もちらほら名前を見かける。
……このあたりがパッと思いつくメジャーどころでしょうか。
逆にいえばそれ以外の大学漫画はあまり知られてないのかも。
今回はそれら有名作品はあえて省いた、ほかのいろんな大学漫画を紹介します。
●ネムルバカ/石黒正数
ネムルバカ (リュウコミックス) (2008/03/19) 石黒 正数 商品詳細を見る |
漫画ファンには言わずと知れた傑作だと思いますが、なんのメディア展開もしていないので一般的な知名度はたぶん低いのかな。
「それでも町は廻っている」の石黒正数さんによる一巻完結作品。
性格の全然ちがう2人の女の子の友情を描いたストーリーです。
捻くれつつも面白い視点による人間観察の面白さや、若気の至り的な要素が光る。でも基本的にはちょい不安げなムードがゆらゆら。
自由がゆえに悩んで時間を持て余す大学生の、「くすぶってる感」がいい。
しかし後半からストーリー要素が強くなり、一旦シリアスに落ち込んだ後、眩しすぎるラストへ疾走する!
クライマックスの熱い爽快感は、めぐりゆく季節のロマンチックで淡く切ない感触とも合わさって、なんとも素晴らしい読後感を残してくれる…!!
1冊で終わってることで読み返しやすい。俺も何度も読んだなぁ。
男女・年齢問わず共感と感動が得られる、親しみやすい傑作なのでは。
●四年生/木尾士目
四年生 (アフタヌーンKC) (1998/05/20) 木尾 士目 商品詳細を見る |
木尾士目さんが「げんしけん」より前に連載していた作品です。
「げんしけん」は上でかいたように、有名すぎるので今回はあえて除外しています。
この作家さんはホントに大学生を描くのが好きなんだなーと思う。
もう15年前の単行本なので現代とはけっこう風景は違うかもしれないけど
大学生のノリや空気というか、そういうのは全然変わっておらず、漠然とした不安がありつつもじんわり暖かく堕落した時間に包まれている。
とあるカップルを描いた漫画で、苦々しいシーンもあるけど、なんだかんだで結構甘くて優しい味わい、かな。
最終話のなんとも言えない余韻は何度読んでも素晴らしい!
男女のすれ違いや、人間関係の本当に微妙な『違和感』を掴んで描き出しており、全体的に漂う敏感な空気に心がビリビリしますよ。
なお続編の「五年生」も面白いです。3巻、ラブホでの会話シーンに張り詰める緊張感はハンパない。でもマジでシリアスでヘコまされます……。でもドロドロな恋愛漫画好きは要チェック。
そして作品集「陽炎日記」も、これまた大学生のナマっぽいシリアスな恋愛漫画でオススメ!
問題はいま入手しづらいことか。文庫版とか出ないものか。
●夢のアトサキ/やまむらはじめ
夢のアトサキ (ヤングキングコミックス) (2007/11/28) やまむら はじめ 商品詳細を見る |
全一巻でキレイにまとまっている佳作。一話完結でいろんな男女の関係を描いていくオムニバス形式です。青春が色濃い、爽やかなタッチで綴られる大学生漫画。
キャラクターがそれぞれ個性があり、それに合ったストーリー。
なかでもメインのカップル(也寸志と阿耶)の関係性はとても惹かれる。美しいけど、いまにもプツンと途切れてしまいそうに不安定で、でも信じたくなる熱がある。
作品の裏テーマでもある芸術へのストイックな情熱がまた、恋愛とは違った面で心の琴線に触れる。
現在アワーズで連載中の音大漫画「天にひびき」もだいぶ面白い。こちらはモロに『才能』と向き合う学生を描いています。上品でありながらバッチリ熱い!
そういえばアニメ化もした「神様ドォルズ」も主人公は大学生だった。やまむらはじめ先生は大学生が主人公率高いのかな。
●恋愛ディストーション/犬上すくね
恋愛ディストーション 1 (サンデーGXコミックス) (2011/03/19) 犬上 すくね 商品詳細を見る |
長いこと宙ぶらりんでしたが見事連載が再開された恋愛オムニバス。
恋人たちのささやかな、でも大切な日々をキラキラ眩しく綴ります。
性の話題もけっこう前面に出てきて、生々しい内容ではあります。でもさらりと清涼感ある絵で、いやらしくなりすぎません。
特別凝った設定もなし。シンプルにカップルたちのパーソナルな問題などをドラマチックに描いていく。巻を増すごとに各カップルへの愛着も深まり、いつまでたっても微笑ましい彼らを眺めてたっぷり心温めてもらえるのです。
熱すぎず冷たくもない、軽すぎず重すぎず。
なんというか居心地がいい。スッと染みこんでくるような、肌に馴染む感じ。
最近の展開だと新しいカップルが誕生し、これまたニヤニヤできるんですよ!
→いつから好きになったかなんて知らないけれど。『恋愛ディストーション』7巻
●1DK/かがみふみを
1DK (アクションコミックス(コミックハイ!)) (2013/02/12) かがみ ふみを 商品詳細を見る |
非モテ大学生殺すにゃ 刃物はいらぬ 一冊の「1DK」があればよい。
今年に入って出た一冊完結の作品。しかしこの一冊に込められた破壊力は測り知れず…読んで何度悶えたか。布団を殴りつけたか。情けない声を上げたか。
童貞と処女の初々しいカップルの恥ずかしすぎる日常。
ずーっと室内(彼氏の部屋)で展開される、初キスから初体験までの爆発しやがれくそったれデイズである。
二人して初々しい恥ずかしがり屋なもんだから、もうずっと赤面赤面また赤面。それでも勇気をふりしぼって体を寄せて、好きを確かめて。
第9話、布団の中でもぞもぞしてるだけで一話終わったときはもうどうしようかと!!!
初めてだらけのカップルが辿る、初めてだらけの日々。
すこーしずつ、すこーしずつ距離が縮まって、そばにいることが自然になっていく。一緒の部屋で長い時を過ごしている、という実感。生活感。まさに絶品。
一冊だけで手軽に読めますし、胸焼けしそうなほどダダ甘な恋愛漫画が読みたい人はぜひぜひ。
●ヒメゴト~十九歳の制服~/峰浪りょう
ヒメゴト〜十九歳の制服〜 1 (ビッグ コミックス) (2011/04/28) 峰浪 りょう 商品詳細を見る |
女らしくできない女の子。女装趣味の男の子。清楚可憐な援交やってる女の子。
19歳のメインキャラたちを主軸にそれぞれのコンプレックスを描いていく作品です。抱えた闇は違えど、どこか共鳴しあう人々。
ストーリーが魅力的でとにかく引き込まれる!先が気になりますわ―!現在連載中の作品でもかなりお気に入り。
心理描写を繊細に描いており、メインキャラたちの複雑な人間関係の絡まりが面白くて仕方ない!
男の汚さ。女の汚さ。裏切り。秘密。けれど純粋な気持ち。
クズが多い漫画で嫌悪感を抱く人もいるかもしれない内容ですが、だからこそハマると愛おしくなってくる。
19歳という不安定な年齢。大学生だからこそできるテーマとストーリー。
心にズシリとくる内容ですが、漂う淡い色気と切なさに心をくすぐられる。
エロいシーンもありますが直接的なものは少なく、むしろ少女漫画的な雰囲気もあるような。現在5巻まで出てるので要チェックですよ。
援交少女・未果子ちゃんがめちゃくちゃカワイイのでぜひ幸せになってほしい。
→ヒミツを抱えあう19歳の三角関係。『ヒメゴト~十九歳の制服~』1,2巻
●過ち、はじめまして。/色白好
過ち、はじめまして。 1 (バンブーコミックス COLORFUL SELECT) (2012/10/27) 色白 好 商品詳細を見る |
ドロドロした作品二連発。こちらは完全にエロ漫画です。
校内でも有名なとびきり可愛い女の子は、実は教授と不倫をしている。
彼女に憧れながらそのことを知ってしまった主人公は、一気にヒロインとの関係を深め、その肉体関係に溺れていく…!
この報われない感じ!ハッピーエンドに向かえないズブズブの恋!
単なるエロ漫画としても十分な魅力があります。しかしこの漂う無力感というか、絶望感というか…ストーリー面にむしろ強く惹かれる。
闇が広がる中で、しかしなんの免疫も無さそうな女の子も途中から物語に食い込んできます。彼女がこれからどんな闇に落ちるのかが本当に楽しみ(笑顔)
うわぁー誰も幸せな恋ができてねぇー!!まぁ幸せかどうかは本人が決めるけど、見てる分には生産的な部分ゼロだよこいつら! だがそれがいい。
インモラルなエロス。こんな大学生漫画もどうでしょうか?
『ヒメゴト』の未果子ちゃんと同じく、清楚っぽい外見で実はビッチなクソ女、っていうギャップが好きなのかもしれない。
→報われない、でも抜け出せない。『過ち、はじめまして。』1巻
●ラストゲーム/天乃忍
ラストゲーム 1 (花とゆめCOMICS) (2012/01/04) 天乃 忍 商品詳細を見る |
ドロドロした作品が続いたのでサッパリ明るいラブコメを。
ぜんぜん素直になれないツンデレ少年×ぜんぜん気持ちに気付けないドンカン少女!
天乃忍さんの「ラストゲーム」は小学校からの腐れ縁をひきずる男女を描いた、実に微笑ましい正統派ラブコメ。
舞台は大学ですが、上で挙げてきた大人っぽい恋愛漫画と比べるとなんと健全か…!!この2人の関係の牛歩っぷりはすごい。じれったくてこっ恥ずかしくて、ピュアな気持ちになれますよ…。
1巻の構成の完成度がとても高かった。小中→高校→大学と段々に描かれ、グッと「腐れ縁」感を強めてくれる。2巻以降、明らかに報われないポジションの男の子が出てきたり、むしろヒロインはお前だろとツンデレ少年・柳くんにツッコみたくなったり。ますますラブコメとしての魅力は磨かれていく!
掲載誌のLaLaもプッシュしてくれているようで、もしやそのうちアニメ化なんて…?と妄想してしまう。でも勢いがあるのは確かなので、実現するかもですね。楽しみだ。
軽やかで暖かくて切なくて、いい青春ラブコメ漫画ですよ!
→粉のように飛び出す、せつないときめきです『ラストゲーム』3巻
●夏の前日/吉田基已
夏の前日 1 (アフタヌーンKC) (2010/02/05) 吉田 基已 商品詳細を見る |
淡い淡い、そして色気たっぷりな恋愛漫画。
芸大で洋画を学ぶ青年と、純和風な装いが特徴的なお姉さんヒロイン。2人の恋愛を描いた作品であり、ズバリ言えば年上お姉さんな恋人って最高だな。
どんどんかわいくなっていくヒロイン・晶さんにメロメロでございます。
でもどことなく漂う儚げな匂いに、またドキドキさせられてしまう!
深く愛しあって、それを何度も確かめて。でも「1人」と「1人」であることは変わらない。1人から逃げない。1人で戦う。向き合う。
どこか乾いたような、冷えた風が吹いているような、そんな心地。
絵もまたいいんだよなぁ。肉体の柔らかさと暖かさが伝わってくる。本当に愛おしく互いを見つめる2人。交わり視線の熱。けれどどこか淋しげ。
「絵を描く」という行為への情熱もほとばしり、実にいい雰囲気の作品!
→触れて、感じて、愛して、1人で描く。『夏の前日』3巻
●ファムファタル -運命の女-/シギサワカヤ
ファムファタル 1―運命の女 (電撃コミックス) (2008/08/27) シギサワ カヤ 商品詳細を見る |
大丈夫!シギサワカヤの単行本だよ!ズブズブに決まってるじゃないですか。
卑怯な女。嘘つきな女。本音を隠すフリして少し明かしてくる女。
そんなイヤな女を好きになってしまった、ダメな男。
どれが本音だ?なにを信じればいい?どこまで信じればいい?
サークル内恋愛を描いた本作「ファムファタル」は、一人の女に振り回される男を描いた恋愛漫画。心のズッシリ重く来る、シリアスで濃厚な人間ドラマです。
シギサワカヤ作品らしい「聡い」女性像がたまらない!
主人公のシタバタっぷりもいいんですよね。醜い、カッコわるい本音をブチまけるシーンなんかは嬉しくなってくる。“彼女”に絡め取られてから、どんどん嘘をつくのが上手くなっていくあたりとか。
しかしそれにつけてもクライマックスのニヤニヤ感は素晴らしいのだ。
ファムファタル。それは運命の女性。または男を破滅に導く悪女。
どっちだっていいよ。こんな訳の分からない女、知り尽くせるわけがないんだから。だからこそ惹かれる。
●番外編
上の10作品には入れなかったものの、これもいいよ!ってのを紹介。
「高杉さん家のおべんとう」は大学生ではないけど、大学の教授が主役。
正確にはオーバードクターで、中学の非常勤、大学の非常勤…をやっていますね。
研究者目線から大学をみてみるのも面白いものです。久留里ちゃんかわいいよ!(まるで関係ない)
大学生要素そんなに強くないけど「惑星のさみだれ」は超傑作・超オススメだし
(追記:最初はそう書いてましたけど思い返してみれば大学生だからこそな作品か、さみだれ)
「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」は専門学校だけどドロドロキラキラなエロス全開漫画で面白かった。
あと予備校だけど冬目景さんの「ももんち」も好きだなぁ。こういうのもっとくれ。
「まじかるストロベリィ」は主人公たちが植物マニアの植物学科。妖精さんたちとのマッタリほのぼのな日常が激癒し。
「変ゼミ」はクソしょうもないことやってるのに、所々で「これはこれでいい青春だ!」みたいな空気を醸すのがムカつくが、確かに清々しく納得してしまういい変態漫画ですね!
そんなわけで、好きな大学生漫画を10作品挙げてみました。
挙げた作品、恋愛漫画ばっかりですね!俺の趣味まるだし!
まぁいっこで気になって貰えたら嬉しいです。
あなたにピッタリの大学漫画はきっとありますよ!
でも自分が知らない漫画も当然たくさんありますので
「これも大学生漫画だよ!読んどけよ!」ってのがあったら教えて下さいまし。
[告知]『ブレイクブレイド』中吊り広告について(4月)
【特報】4月も「ブレイクブレイド」の中吊り広告を掲出するのです~☆路線はJR中央快速線、中央総武線各駅停車、京葉線、青梅線、五日市線、武蔵野線で、期間は4月11日(木)~4月15日(月)なのです~☆ bit.ly/WGo9eF
— COMIC メテオさん (@comicmeteor) 2013年4月11日
告知が遅れてしまいましたが、今月も「ブレイクブレイド」の中吊りが貼られているようです。
2月、3月に引き続き、今回もここ「正直どうでもいい」の記事から
文章を引用したかたちで制作していただけたようですよ。
まさかの3度目ですようひぃ!中吊りだと、こんな辺鄙なブログなんかより当然人の目に触れるわけで、おう……。「ブレイクブレイド」を引き立てることができるものになっていればいいな。
興味持ってもらえれば、いちブレブレファンとして嬉しいです。
4月11日(木)~4月15日(月)に
JR中央快速線、中央総武線各駅停車、京葉線、青梅線、五日市線、武蔵野線
にて貼られているようなので、探してみてください。
デザインはこれ。今回は黒銀ということで、これまでとは違ったタイプで、渋くもスタイリッシュな感じですな。黒銀といえばデルフィング。まさにブレイクブレイドカラー!
よくみるとちっちゃく「個人ブログ『正直どうでもいい』より抜粋」て書いてあるよ!
ちなみに引用して頂いたのは9巻の記事です。
→緊張の王都籠城戦へ。国も人も揺れに揺れ… 『ブレイクブレイド』9巻
…2年前に書いたものをいま読み返すと、けっこう、クる。(身をくねらせながら)
[漫画]爆裂!猟奇!搾精!なんでもアリの破天荒学園ウォーズ!『戦闘破壊学園ダンゲロス』3巻
戦闘破壊学園ダンゲロス(3) (ヤンマガKCスペシャル) (2013/04/05) 横田 卓馬 商品詳細を見る |
それこそがビッチ・オブ・ビッチ!!
過激に尖りまくりの大人向け少年漫画!
一言で表すならそんな感じだと思います、「戦闘破壊学園ダンゲロス」。
ムチャクチャな超能力を持った学生たちが、それぞれの組織で三つ巴の大戦争を繰り広げる怒涛のバカテンション超能力バトル漫画。刺激的なジャンクフードのような作品かもしれない。
とにかくパワフルで、気分がハイなまま突っ走るこの疾走感がたまらない!!
しかもこの3巻はとある強烈な女キャラにより、これまでより更に過激に性的にトンデモない事態に突入していく!
というか、ものすごい勢いで精子が飛び散りまくる!なんだこれ。
魔人と呼ばれる異能力者たちを集めた学園「ダンゲロス」では
番長グループと生徒会が待ったなしの戦争を繰り広げている真っ最中。
しかしそこに謎の第三勢力「転校生」が乱入。グループ関係なしに生徒たちを殺戮にかかる!
本気で命を取り合う学園バトル!バカみたいな超能力戦争!
非常に少年漫画らしい作品だとも思うんですよ「ダンゲロス」。
異能力者だらけの学園を舞台に、三つ巴の大戦争!
次から次へと新しい超能力者たちが現れては消えて生きては死んで。
クセありまくりの濃ゆいキャラたちが、もんのすごい能力を携えて何十人と!
でも掲載誌は月刊ヤングマガジン。そりゃあいくら題材が少年漫画っぽくても、これは少年誌ではやれんわな。例えばこんな超能力。
異常に精液をまき散らしながら金玉を破裂、絶命させる、男性限定の殺人ウィルス能力!
モブだろうが魔人だろうが、どんどこ人が死んでいく!爆死コマ切れ処刑に首チョンパ!下品で残虐!それでも(だからこそ?)テンションが上がってしまうのが、なんでか知らないけどこの作品はクヨクヨ悩ませてはくれないからだ。とにかく前へ前へ!
そんなわけで、「次はどんな面白い能力を持ったヤツが出てくるかな~」というところの期待がめちゃくちゃデカいダンゲロスですが、
個人的に過去最高のインパクトを持った、恐ろしい女が現れました。
この男の悲鳴が、どれだけ強烈な行為なのかを物語る。
超絶的な性技を備えた人を超えたビッチ!!
荒淫において右に出る者なしを言われたビッチの中のビッチ!!
ビッチ・オブ・ビッチである!!
恐らく宇宙一
セックスが巧い!!
彼女に技をかけられた者は男女問わず!とにかくすンごいテクで絶頂しまくりなのだ!!
しかも半径2kmの人間に対して遠距離ビッチ能力でもある!
とにかく彼女に近寄ったら最後、気を失うまで搾りに搾られ枯れ果てる!!
バ カ す ぎ る
おかげで3巻の前半なんて、男たちが延々と情けない悲鳴を上げながらビチャビチャ精液を吹き出しながら悶え狂う、悲惨すぎる絵に。
その能力名「ぴちぴちビッチ」!
「それ適当に思いついたダジャレだろ絶対!」感たっぷりなネーミングはダンゲロスにおいて今に始まったことではない!大体いつもそんな感じだ!いンだよモノが面白いなら!
1巻2巻とものすごい勢いでバトルに次ぐバトルバトルバトルで
当然この3巻も戦いっぱなしの全速力な内容となっていますが
鏡子さんのインパクトは凄すぎる!全部持って行かれた感すらあるw
この濃ゆいキャラだらけの漫画でこれだけ目立つのはすごいことですわ。
3巻は鏡子さんの存在感に引っ張られてか、だいぶ性的な(しかしこの漫画だとこれっぽちもエロくないしむしろ笑えてくる)内容となっていました。
しかし考えてもみれば異常者だらけのこの漫画。性的におかしなやつとかそこらじゅうに居る!
おもしろすぎたのは某男性キャラ。とびきりイカれた性癖の持ち主である。
ごめんオレ・・・・おばあちゃん以外で勃たないから
あっハイ。
すごい名言飛び出してきたな……。
そして過去にやってきた“転校生”と描く番外編では
同じ性的な能力を持つもの同士、転校生と鏡子の熾烈なるバトルが!
フル勃起イケメンVS見た目だけおとなしいビッチオブビッチ!!
ヤるかヤられるか!!いや、殺るか殺られるか。
命をとりあう真剣な場面にすら笑いがこみ上げてくる。シリアスな笑いとはつまりそういうコレである。
「そう・・僕も貴女と同じ“淫魔人”・・・・!!」(キィン…
とかよくわからない事を言いながらエレクトしたモノを見せつける男に対し
鏡子さんもカッコよくパンツを脱ぎ捨て応戦。いやなんでだよ。なにが「さすがだ…」だよ!つかパンツ糸引いてますが!イイネ!(ニコッ
もーね!バカが多すぎて楽しすぎるんだ!ダンゲロス!
この作品は全体的にこういう無茶苦茶なノリで支配されている。
本当にカオス。からこそ面白い!こういうノリのバトル漫画、大好きさ!
そんな「戦闘破壊学園ダンゲロス」第3巻でした。
有名な話ですが、作画担当の横田さんはもともと有名なWEB漫画を描いていた人だったりします。あと「こがねいろ」という、少年ジャンプではかなり短期集中連載をやったり。
まさに気鋭の新人作家さんですなー。今後の活躍にも期待したい。
原作の「ダンゲロス」はもともとネット上で展開していたものだそうで
こちらは自分全然詳しくはありませんが、どうやら読者参加型でどんどんキャラ(+能力)が追加されていった感じらしいですね。このまとまりのなさすぎるカオスなバトル漫画は、そのいきさつをたどればなんとなく納得するw
「こんなヤツがいれば面白くねぇか?」の悪ノリの集合体みたいなものか。
お下劣、ムチャクチャ、演出過剰。待った無しの超スピード感。
全体的な低俗で「やりすぎ」で、どうしようもなくテンション上がってしまうのだ。
ドラマが深まるまえにストーリーが先に先に進んでいってしまうものだから、そこに少々のもったいなさはあります。もっとこのキャラじっくり見たいのになー、と感じることは多々。
でもこのスピード感こそがこの作品の魅力でもある!サックサク人が死んでく!
フルスロットルのまま駆け抜ける超ド級に頭ワルい異能バトル漫画「戦闘破壊学園ダンゲロス」。ますますテンションあがって4巻が待ち遠しい!
『戦闘破壊学園ダンゲロス(漫画版)』3巻 ・・・・・・・・・★★★★
巻を重ねるごとにますますテンション上がっていくお下劣なバトル漫画。お精子祭り。