[漫画]大学生が読んでおきたい10の大学生漫画
今日はいろんな「大学生漫画」を挙げていこう(唐突)
4月になってもう結構経ちましたね。今年から大学生になった人は、漫画を読むゆとりも出てきたころなんじゃないでしょうか。学校によるか!まぁいいや。
なので今日は自分が好きな「大学生が主役の漫画」を10作品あつめてみました。
なんだかんだで今の自分と境遇が似た作品って、なかなか刺激を受けます。
俺も今大学生ですが、大学生になってから大学漫画を読むのがさらに好きになりました。
面白そうな大学生漫画を見つけたら、ぜひ読んでみてくださいな。
とりあえず記事タイトルを「大学生が読んでおきたい10の大学生漫画」とかに偉そうにしちゃいましたけど、単純に俺が好きな作品を紹介していくだけです!
でも大学が舞台の漫画って、パッと思いつくものが少ないんですよね。
中学、高校なんかはもう沢山ありますけど、大学生漫画は……?
オタクサークルの人間関係、恋愛を爽やかにディープに描く青春漫画「げんしけん」
キラキラみずみずしい美大ストーリー「ハチミツとクローバー」
農大「もやしもん」音大「のだめカンタービレ」東大「東京大学物語」獣医「動物のお医者さん」。
自分は未読ですが「幕張サボテンキャンパス」もちらほら名前を見かける。
……このあたりがパッと思いつくメジャーどころでしょうか。
逆にいえばそれ以外の大学漫画はあまり知られてないのかも。
今回はそれら有名作品はあえて省いた、ほかのいろんな大学漫画を紹介します。
●ネムルバカ/石黒正数
漫画ファンには言わずと知れた傑作だと思いますが、なんのメディア展開もしていないので一般的な知名度はたぶん低いのかな。
「それでも町は廻っている」の石黒正数さんによる一巻完結作品。
性格の全然ちがう2人の女の子の友情を描いたストーリーです。
捻くれつつも面白い視点による人間観察の面白さや、若気の至り的な要素が光る。でも基本的にはちょい不安げなムードがゆらゆら。
自由がゆえに悩んで時間を持て余す大学生の、「くすぶってる感」がいい。
しかし後半からストーリー要素が強くなり、一旦シリアスに落ち込んだ後、眩しすぎるラストへ疾走する!
クライマックスの熱い爽快感は、めぐりゆく季節のロマンチックで淡く切ない感触とも合わさって、なんとも素晴らしい読後感を残してくれる…!!
1冊で終わってることで読み返しやすい。俺も何度も読んだなぁ。
男女・年齢問わず共感と感動が得られる、親しみやすい傑作なのでは。
●四年生/木尾士目
木尾士目さんが「げんしけん」より前に連載していた作品です。
「げんしけん」は上でかいたように、有名すぎるので今回はあえて除外しています。
この作家さんはホントに大学生を描くのが好きなんだなーと思う。
もう15年前の単行本なので現代とはけっこう風景は違うかもしれないけど
大学生のノリや空気というか、そういうのは全然変わっておらず、漠然とした不安がありつつもじんわり暖かく堕落した時間に包まれている。
とあるカップルを描いた漫画で、苦々しいシーンもあるけど、なんだかんだで結構甘くて優しい味わい、かな。
最終話のなんとも言えない余韻は何度読んでも素晴らしい!
男女のすれ違いや、人間関係の本当に微妙な『違和感』を掴んで描き出しており、全体的に漂う敏感な空気に心がビリビリしますよ。
なお続編の「五年生」も面白いです。3巻、ラブホでの会話シーンに張り詰める緊張感はハンパない。でもマジでシリアスでヘコまされます……。でもドロドロな恋愛漫画好きは要チェック。
そして作品集「陽炎日記」も、これまた大学生のナマっぽいシリアスな恋愛漫画でオススメ!
問題はいま入手しづらいことか。文庫版とか出ないものか。
●夢のアトサキ/やまむらはじめ
全一巻でキレイにまとまっている佳作。一話完結でいろんな男女の関係を描いていくオムニバス形式です。青春が色濃い、爽やかなタッチで綴られる大学生漫画。
キャラクターがそれぞれ個性があり、それに合ったストーリー。
なかでもメインのカップル(也寸志と阿耶)の関係性はとても惹かれる。美しいけど、いまにもプツンと途切れてしまいそうに不安定で、でも信じたくなる熱がある。
作品の裏テーマでもある芸術へのストイックな情熱がまた、恋愛とは違った面で心の琴線に触れる。
現在アワーズで連載中の音大漫画「天にひびき」もだいぶ面白い。こちらはモロに『才能』と向き合う学生を描いています。上品でありながらバッチリ熱い!
そういえばアニメ化もした「神様ドォルズ」も主人公は大学生だった。やまむらはじめ先生は大学生が主人公率高いのかな。
●恋愛ディストーション/犬上すくね
長いこと宙ぶらりんでしたが見事連載が再開された恋愛オムニバス。
恋人たちのささやかな、でも大切な日々をキラキラ眩しく綴ります。
性の話題もけっこう前面に出てきて、生々しい内容ではあります。でもさらりと清涼感ある絵で、いやらしくなりすぎません。
特別凝った設定もなし。シンプルにカップルたちのパーソナルな問題などをドラマチックに描いていく。巻を増すごとに各カップルへの愛着も深まり、いつまでたっても微笑ましい彼らを眺めてたっぷり心温めてもらえるのです。
熱すぎず冷たくもない、軽すぎず重すぎず。
なんというか居心地がいい。スッと染みこんでくるような、肌に馴染む感じ。
最近の展開だと新しいカップルが誕生し、これまたニヤニヤできるんですよ!
→いつから好きになったかなんて知らないけれど。『恋愛ディストーション』7巻
●1DK/かがみふみを
非モテ大学生殺すにゃ 刃物はいらぬ 一冊の「1DK」があればよい。
今年に入って出た一冊完結の作品。しかしこの一冊に込められた破壊力は測り知れず…読んで何度悶えたか。布団を殴りつけたか。情けない声を上げたか。
童貞と処女の初々しいカップルの恥ずかしすぎる日常。
ずーっと室内(彼氏の部屋)で展開される、初キスから初体験までの爆発しやがれくそったれデイズである。
二人して初々しい恥ずかしがり屋なもんだから、もうずっと赤面赤面また赤面。それでも勇気をふりしぼって体を寄せて、好きを確かめて。
第9話、布団の中でもぞもぞしてるだけで一話終わったときはもうどうしようかと!!!
初めてだらけのカップルが辿る、初めてだらけの日々。
すこーしずつ、すこーしずつ距離が縮まって、そばにいることが自然になっていく。一緒の部屋で長い時を過ごしている、という実感。生活感。まさに絶品。
一冊だけで手軽に読めますし、胸焼けしそうなほどダダ甘な恋愛漫画が読みたい人はぜひぜひ。
●ヒメゴト~十九歳の制服~/峰浪りょう
女らしくできない女の子。女装趣味の男の子。清楚可憐な援交やってる女の子。
19歳のメインキャラたちを主軸にそれぞれのコンプレックスを描いていく作品です。抱えた闇は違えど、どこか共鳴しあう人々。
ストーリーが魅力的でとにかく引き込まれる!先が気になりますわ―!現在連載中の作品でもかなりお気に入り。
心理描写を繊細に描いており、メインキャラたちの複雑な人間関係の絡まりが面白くて仕方ない!
男の汚さ。女の汚さ。裏切り。秘密。けれど純粋な気持ち。
クズが多い漫画で嫌悪感を抱く人もいるかもしれない内容ですが、だからこそハマると愛おしくなってくる。
19歳という不安定な年齢。大学生だからこそできるテーマとストーリー。
心にズシリとくる内容ですが、漂う淡い色気と切なさに心をくすぐられる。
エロいシーンもありますが直接的なものは少なく、むしろ少女漫画的な雰囲気もあるような。現在5巻まで出てるので要チェックですよ。
援交少女・未果子ちゃんがめちゃくちゃカワイイのでぜひ幸せになってほしい。
→ヒミツを抱えあう19歳の三角関係。『ヒメゴト~十九歳の制服~』1,2巻
●過ち、はじめまして。/色白好
ドロドロした作品二連発。こちらは完全にエロ漫画です。
校内でも有名なとびきり可愛い女の子は、実は教授と不倫をしている。
彼女に憧れながらそのことを知ってしまった主人公は、一気にヒロインとの関係を深め、その肉体関係に溺れていく…!
この報われない感じ!ハッピーエンドに向かえないズブズブの恋!
単なるエロ漫画としても十分な魅力があります。しかしこの漂う無力感というか、絶望感というか…ストーリー面にむしろ強く惹かれる。
闇が広がる中で、しかしなんの免疫も無さそうな女の子も途中から物語に食い込んできます。彼女がこれからどんな闇に落ちるのかが本当に楽しみ(笑顔)
うわぁー誰も幸せな恋ができてねぇー!!まぁ幸せかどうかは本人が決めるけど、見てる分には生産的な部分ゼロだよこいつら! だがそれがいい。
インモラルなエロス。こんな大学生漫画もどうでしょうか?
『ヒメゴト』の未果子ちゃんと同じく、清楚っぽい外見で実はビッチなクソ女、っていうギャップが好きなのかもしれない。
→報われない、でも抜け出せない。『過ち、はじめまして。』1巻
●ラストゲーム/天乃忍
ドロドロした作品が続いたのでサッパリ明るいラブコメを。
ぜんぜん素直になれないツンデレ少年×ぜんぜん気持ちに気付けないドンカン少女!
天乃忍さんの「ラストゲーム」は小学校からの腐れ縁をひきずる男女を描いた、実に微笑ましい正統派ラブコメ。
舞台は大学ですが、上で挙げてきた大人っぽい恋愛漫画と比べるとなんと健全か…!!この2人の関係の牛歩っぷりはすごい。じれったくてこっ恥ずかしくて、ピュアな気持ちになれますよ…。
1巻の構成の完成度がとても高かった。小中→高校→大学と段々に描かれ、グッと「腐れ縁」感を強めてくれる。2巻以降、明らかに報われないポジションの男の子が出てきたり、むしろヒロインはお前だろとツンデレ少年・柳くんにツッコみたくなったり。ますますラブコメとしての魅力は磨かれていく!
掲載誌のLaLaもプッシュしてくれているようで、もしやそのうちアニメ化なんて…?と妄想してしまう。でも勢いがあるのは確かなので、実現するかもですね。楽しみだ。
軽やかで暖かくて切なくて、いい青春ラブコメ漫画ですよ!
→粉のように飛び出す、せつないときめきです『ラストゲーム』3巻
●夏の前日/吉田基已
淡い淡い、そして色気たっぷりな恋愛漫画。
芸大で洋画を学ぶ青年と、純和風な装いが特徴的なお姉さんヒロイン。2人の恋愛を描いた作品であり、ズバリ言えば年上お姉さんな恋人って最高だな。
どんどんかわいくなっていくヒロイン・晶さんにメロメロでございます。
でもどことなく漂う儚げな匂いに、またドキドキさせられてしまう!
深く愛しあって、それを何度も確かめて。でも「1人」と「1人」であることは変わらない。1人から逃げない。1人で戦う。向き合う。
どこか乾いたような、冷えた風が吹いているような、そんな心地。
絵もまたいいんだよなぁ。肉体の柔らかさと暖かさが伝わってくる。本当に愛おしく互いを見つめる2人。交わり視線の熱。けれどどこか淋しげ。
「絵を描く」という行為への情熱もほとばしり、実にいい雰囲気の作品!
→触れて、感じて、愛して、1人で描く。『夏の前日』3巻
●ファムファタル -運命の女-/シギサワカヤ
大丈夫!シギサワカヤの単行本だよ!ズブズブに決まってるじゃないですか。
卑怯な女。嘘つきな女。本音を隠すフリして少し明かしてくる女。
そんなイヤな女を好きになってしまった、ダメな男。
どれが本音だ?なにを信じればいい?どこまで信じればいい?
サークル内恋愛を描いた本作「ファムファタル」は、一人の女に振り回される男を描いた恋愛漫画。心のズッシリ重く来る、シリアスで濃厚な人間ドラマです。
シギサワカヤ作品らしい「聡い」女性像がたまらない!
主人公のシタバタっぷりもいいんですよね。醜い、カッコわるい本音をブチまけるシーンなんかは嬉しくなってくる。“彼女”に絡め取られてから、どんどん嘘をつくのが上手くなっていくあたりとか。
しかしそれにつけてもクライマックスのニヤニヤ感は素晴らしいのだ。
ファムファタル。それは運命の女性。または男を破滅に導く悪女。
どっちだっていいよ。こんな訳の分からない女、知り尽くせるわけがないんだから。だからこそ惹かれる。
●番外編
上の10作品には入れなかったものの、これもいいよ!ってのを紹介。
「高杉さん家のおべんとう」は大学生ではないけど、大学の教授が主役。
正確にはオーバードクターで、中学の非常勤、大学の非常勤…をやっていますね。
研究者目線から大学をみてみるのも面白いものです。久留里ちゃんかわいいよ!(まるで関係ない)
大学生要素そんなに強くないけど「惑星のさみだれ」は超傑作・超オススメだし
(追記:最初はそう書いてましたけど思い返してみれば大学生だからこそな作品か、さみだれ)
「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」は専門学校だけどドロドロキラキラなエロス全開漫画で面白かった。
あと予備校だけど冬目景さんの「ももんち」も好きだなぁ。こういうのもっとくれ。
「まじかるストロベリィ」は主人公たちが植物マニアの植物学科。妖精さんたちとのマッタリほのぼのな日常が激癒し。
「変ゼミ」はクソしょうもないことやってるのに、所々で「これはこれでいい青春だ!」みたいな空気を醸すのがムカつくが、確かに清々しく納得してしまういい変態漫画ですね!
そんなわけで、好きな大学生漫画を10作品挙げてみました。
挙げた作品、恋愛漫画ばっかりですね!俺の趣味まるだし!
まぁいっこで気になって貰えたら嬉しいです。
あなたにピッタリの大学漫画はきっとありますよ!
でも自分が知らない漫画も当然たくさんありますので
「これも大学生漫画だよ!読んどけよ!」ってのがあったら教えて下さいまし。
4月になってもう結構経ちましたね。今年から大学生になった人は、漫画を読むゆとりも出てきたころなんじゃないでしょうか。学校によるか!まぁいいや。
なので今日は自分が好きな「大学生が主役の漫画」を10作品あつめてみました。
なんだかんだで今の自分と境遇が似た作品って、なかなか刺激を受けます。
俺も今大学生ですが、大学生になってから大学漫画を読むのがさらに好きになりました。
面白そうな大学生漫画を見つけたら、ぜひ読んでみてくださいな。
とりあえず記事タイトルを「大学生が読んでおきたい10の大学生漫画」とかに偉そうにしちゃいましたけど、単純に俺が好きな作品を紹介していくだけです!
でも大学が舞台の漫画って、パッと思いつくものが少ないんですよね。
中学、高校なんかはもう沢山ありますけど、大学生漫画は……?
オタクサークルの人間関係、恋愛を爽やかにディープに描く青春漫画「げんしけん」
キラキラみずみずしい美大ストーリー「ハチミツとクローバー」
農大「もやしもん」音大「のだめカンタービレ」東大「東京大学物語」獣医「動物のお医者さん」。
自分は未読ですが「幕張サボテンキャンパス」もちらほら名前を見かける。
……このあたりがパッと思いつくメジャーどころでしょうか。
逆にいえばそれ以外の大学漫画はあまり知られてないのかも。
今回はそれら有名作品はあえて省いた、ほかのいろんな大学漫画を紹介します。
●ネムルバカ/石黒正数
ネムルバカ (リュウコミックス) (2008/03/19) 石黒 正数 商品詳細を見る |
漫画ファンには言わずと知れた傑作だと思いますが、なんのメディア展開もしていないので一般的な知名度はたぶん低いのかな。
「それでも町は廻っている」の石黒正数さんによる一巻完結作品。
性格の全然ちがう2人の女の子の友情を描いたストーリーです。
捻くれつつも面白い視点による人間観察の面白さや、若気の至り的な要素が光る。でも基本的にはちょい不安げなムードがゆらゆら。
自由がゆえに悩んで時間を持て余す大学生の、「くすぶってる感」がいい。
しかし後半からストーリー要素が強くなり、一旦シリアスに落ち込んだ後、眩しすぎるラストへ疾走する!
クライマックスの熱い爽快感は、めぐりゆく季節のロマンチックで淡く切ない感触とも合わさって、なんとも素晴らしい読後感を残してくれる…!!
1冊で終わってることで読み返しやすい。俺も何度も読んだなぁ。
男女・年齢問わず共感と感動が得られる、親しみやすい傑作なのでは。
●四年生/木尾士目
四年生 (アフタヌーンKC) (1998/05/20) 木尾 士目 商品詳細を見る |
木尾士目さんが「げんしけん」より前に連載していた作品です。
「げんしけん」は上でかいたように、有名すぎるので今回はあえて除外しています。
この作家さんはホントに大学生を描くのが好きなんだなーと思う。
もう15年前の単行本なので現代とはけっこう風景は違うかもしれないけど
大学生のノリや空気というか、そういうのは全然変わっておらず、漠然とした不安がありつつもじんわり暖かく堕落した時間に包まれている。
とあるカップルを描いた漫画で、苦々しいシーンもあるけど、なんだかんだで結構甘くて優しい味わい、かな。
最終話のなんとも言えない余韻は何度読んでも素晴らしい!
男女のすれ違いや、人間関係の本当に微妙な『違和感』を掴んで描き出しており、全体的に漂う敏感な空気に心がビリビリしますよ。
なお続編の「五年生」も面白いです。3巻、ラブホでの会話シーンに張り詰める緊張感はハンパない。でもマジでシリアスでヘコまされます……。でもドロドロな恋愛漫画好きは要チェック。
そして作品集「陽炎日記」も、これまた大学生のナマっぽいシリアスな恋愛漫画でオススメ!
問題はいま入手しづらいことか。文庫版とか出ないものか。
●夢のアトサキ/やまむらはじめ
夢のアトサキ (ヤングキングコミックス) (2007/11/28) やまむら はじめ 商品詳細を見る |
全一巻でキレイにまとまっている佳作。一話完結でいろんな男女の関係を描いていくオムニバス形式です。青春が色濃い、爽やかなタッチで綴られる大学生漫画。
キャラクターがそれぞれ個性があり、それに合ったストーリー。
なかでもメインのカップル(也寸志と阿耶)の関係性はとても惹かれる。美しいけど、いまにもプツンと途切れてしまいそうに不安定で、でも信じたくなる熱がある。
作品の裏テーマでもある芸術へのストイックな情熱がまた、恋愛とは違った面で心の琴線に触れる。
現在アワーズで連載中の音大漫画「天にひびき」もだいぶ面白い。こちらはモロに『才能』と向き合う学生を描いています。上品でありながらバッチリ熱い!
そういえばアニメ化もした「神様ドォルズ」も主人公は大学生だった。やまむらはじめ先生は大学生が主人公率高いのかな。
●恋愛ディストーション/犬上すくね
恋愛ディストーション 1 (サンデーGXコミックス) (2011/03/19) 犬上 すくね 商品詳細を見る |
長いこと宙ぶらりんでしたが見事連載が再開された恋愛オムニバス。
恋人たちのささやかな、でも大切な日々をキラキラ眩しく綴ります。
性の話題もけっこう前面に出てきて、生々しい内容ではあります。でもさらりと清涼感ある絵で、いやらしくなりすぎません。
特別凝った設定もなし。シンプルにカップルたちのパーソナルな問題などをドラマチックに描いていく。巻を増すごとに各カップルへの愛着も深まり、いつまでたっても微笑ましい彼らを眺めてたっぷり心温めてもらえるのです。
熱すぎず冷たくもない、軽すぎず重すぎず。
なんというか居心地がいい。スッと染みこんでくるような、肌に馴染む感じ。
最近の展開だと新しいカップルが誕生し、これまたニヤニヤできるんですよ!
→いつから好きになったかなんて知らないけれど。『恋愛ディストーション』7巻
●1DK/かがみふみを
1DK (アクションコミックス(コミックハイ!)) (2013/02/12) かがみ ふみを 商品詳細を見る |
非モテ大学生殺すにゃ 刃物はいらぬ 一冊の「1DK」があればよい。
今年に入って出た一冊完結の作品。しかしこの一冊に込められた破壊力は測り知れず…読んで何度悶えたか。布団を殴りつけたか。情けない声を上げたか。
童貞と処女の初々しいカップルの恥ずかしすぎる日常。
ずーっと室内(彼氏の部屋)で展開される、初キスから初体験までの爆発しやがれくそったれデイズである。
二人して初々しい恥ずかしがり屋なもんだから、もうずっと赤面赤面また赤面。それでも勇気をふりしぼって体を寄せて、好きを確かめて。
第9話、布団の中でもぞもぞしてるだけで一話終わったときはもうどうしようかと!!!
初めてだらけのカップルが辿る、初めてだらけの日々。
すこーしずつ、すこーしずつ距離が縮まって、そばにいることが自然になっていく。一緒の部屋で長い時を過ごしている、という実感。生活感。まさに絶品。
一冊だけで手軽に読めますし、胸焼けしそうなほどダダ甘な恋愛漫画が読みたい人はぜひぜひ。
●ヒメゴト~十九歳の制服~/峰浪りょう
ヒメゴト〜十九歳の制服〜 1 (ビッグ コミックス) (2011/04/28) 峰浪 りょう 商品詳細を見る |
女らしくできない女の子。女装趣味の男の子。清楚可憐な援交やってる女の子。
19歳のメインキャラたちを主軸にそれぞれのコンプレックスを描いていく作品です。抱えた闇は違えど、どこか共鳴しあう人々。
ストーリーが魅力的でとにかく引き込まれる!先が気になりますわ―!現在連載中の作品でもかなりお気に入り。
心理描写を繊細に描いており、メインキャラたちの複雑な人間関係の絡まりが面白くて仕方ない!
男の汚さ。女の汚さ。裏切り。秘密。けれど純粋な気持ち。
クズが多い漫画で嫌悪感を抱く人もいるかもしれない内容ですが、だからこそハマると愛おしくなってくる。
19歳という不安定な年齢。大学生だからこそできるテーマとストーリー。
心にズシリとくる内容ですが、漂う淡い色気と切なさに心をくすぐられる。
エロいシーンもありますが直接的なものは少なく、むしろ少女漫画的な雰囲気もあるような。現在5巻まで出てるので要チェックですよ。
援交少女・未果子ちゃんがめちゃくちゃカワイイのでぜひ幸せになってほしい。
→ヒミツを抱えあう19歳の三角関係。『ヒメゴト~十九歳の制服~』1,2巻
●過ち、はじめまして。/色白好
過ち、はじめまして。 1 (バンブーコミックス COLORFUL SELECT) (2012/10/27) 色白 好 商品詳細を見る |
ドロドロした作品二連発。こちらは完全にエロ漫画です。
校内でも有名なとびきり可愛い女の子は、実は教授と不倫をしている。
彼女に憧れながらそのことを知ってしまった主人公は、一気にヒロインとの関係を深め、その肉体関係に溺れていく…!
この報われない感じ!ハッピーエンドに向かえないズブズブの恋!
単なるエロ漫画としても十分な魅力があります。しかしこの漂う無力感というか、絶望感というか…ストーリー面にむしろ強く惹かれる。
闇が広がる中で、しかしなんの免疫も無さそうな女の子も途中から物語に食い込んできます。彼女がこれからどんな闇に落ちるのかが本当に楽しみ(笑顔)
うわぁー誰も幸せな恋ができてねぇー!!まぁ幸せかどうかは本人が決めるけど、見てる分には生産的な部分ゼロだよこいつら! だがそれがいい。
インモラルなエロス。こんな大学生漫画もどうでしょうか?
『ヒメゴト』の未果子ちゃんと同じく、清楚っぽい外見で実はビッチなクソ女、っていうギャップが好きなのかもしれない。
→報われない、でも抜け出せない。『過ち、はじめまして。』1巻
●ラストゲーム/天乃忍
ラストゲーム 1 (花とゆめCOMICS) (2012/01/04) 天乃 忍 商品詳細を見る |
ドロドロした作品が続いたのでサッパリ明るいラブコメを。
ぜんぜん素直になれないツンデレ少年×ぜんぜん気持ちに気付けないドンカン少女!
天乃忍さんの「ラストゲーム」は小学校からの腐れ縁をひきずる男女を描いた、実に微笑ましい正統派ラブコメ。
舞台は大学ですが、上で挙げてきた大人っぽい恋愛漫画と比べるとなんと健全か…!!この2人の関係の牛歩っぷりはすごい。じれったくてこっ恥ずかしくて、ピュアな気持ちになれますよ…。
1巻の構成の完成度がとても高かった。小中→高校→大学と段々に描かれ、グッと「腐れ縁」感を強めてくれる。2巻以降、明らかに報われないポジションの男の子が出てきたり、むしろヒロインはお前だろとツンデレ少年・柳くんにツッコみたくなったり。ますますラブコメとしての魅力は磨かれていく!
掲載誌のLaLaもプッシュしてくれているようで、もしやそのうちアニメ化なんて…?と妄想してしまう。でも勢いがあるのは確かなので、実現するかもですね。楽しみだ。
軽やかで暖かくて切なくて、いい青春ラブコメ漫画ですよ!
→粉のように飛び出す、せつないときめきです『ラストゲーム』3巻
●夏の前日/吉田基已
夏の前日 1 (アフタヌーンKC) (2010/02/05) 吉田 基已 商品詳細を見る |
淡い淡い、そして色気たっぷりな恋愛漫画。
芸大で洋画を学ぶ青年と、純和風な装いが特徴的なお姉さんヒロイン。2人の恋愛を描いた作品であり、ズバリ言えば年上お姉さんな恋人って最高だな。
どんどんかわいくなっていくヒロイン・晶さんにメロメロでございます。
でもどことなく漂う儚げな匂いに、またドキドキさせられてしまう!
深く愛しあって、それを何度も確かめて。でも「1人」と「1人」であることは変わらない。1人から逃げない。1人で戦う。向き合う。
どこか乾いたような、冷えた風が吹いているような、そんな心地。
絵もまたいいんだよなぁ。肉体の柔らかさと暖かさが伝わってくる。本当に愛おしく互いを見つめる2人。交わり視線の熱。けれどどこか淋しげ。
「絵を描く」という行為への情熱もほとばしり、実にいい雰囲気の作品!
→触れて、感じて、愛して、1人で描く。『夏の前日』3巻
●ファムファタル -運命の女-/シギサワカヤ
ファムファタル 1―運命の女 (電撃コミックス) (2008/08/27) シギサワ カヤ 商品詳細を見る |
大丈夫!シギサワカヤの単行本だよ!ズブズブに決まってるじゃないですか。
卑怯な女。嘘つきな女。本音を隠すフリして少し明かしてくる女。
そんなイヤな女を好きになってしまった、ダメな男。
どれが本音だ?なにを信じればいい?どこまで信じればいい?
サークル内恋愛を描いた本作「ファムファタル」は、一人の女に振り回される男を描いた恋愛漫画。心のズッシリ重く来る、シリアスで濃厚な人間ドラマです。
シギサワカヤ作品らしい「聡い」女性像がたまらない!
主人公のシタバタっぷりもいいんですよね。醜い、カッコわるい本音をブチまけるシーンなんかは嬉しくなってくる。“彼女”に絡め取られてから、どんどん嘘をつくのが上手くなっていくあたりとか。
しかしそれにつけてもクライマックスのニヤニヤ感は素晴らしいのだ。
ファムファタル。それは運命の女性。または男を破滅に導く悪女。
どっちだっていいよ。こんな訳の分からない女、知り尽くせるわけがないんだから。だからこそ惹かれる。
●番外編
上の10作品には入れなかったものの、これもいいよ!ってのを紹介。
「高杉さん家のおべんとう」は大学生ではないけど、大学の教授が主役。
正確にはオーバードクターで、中学の非常勤、大学の非常勤…をやっていますね。
研究者目線から大学をみてみるのも面白いものです。久留里ちゃんかわいいよ!(まるで関係ない)
大学生要素そんなに強くないけど「惑星のさみだれ」は超傑作・超オススメだし
(追記:最初はそう書いてましたけど思い返してみれば大学生だからこそな作品か、さみだれ)
「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」は専門学校だけどドロドロキラキラなエロス全開漫画で面白かった。
あと予備校だけど冬目景さんの「ももんち」も好きだなぁ。こういうのもっとくれ。
「まじかるストロベリィ」は主人公たちが植物マニアの植物学科。妖精さんたちとのマッタリほのぼのな日常が激癒し。
「変ゼミ」はクソしょうもないことやってるのに、所々で「これはこれでいい青春だ!」みたいな空気を醸すのがムカつくが、確かに清々しく納得してしまういい変態漫画ですね!
そんなわけで、好きな大学生漫画を10作品挙げてみました。
挙げた作品、恋愛漫画ばっかりですね!俺の趣味まるだし!
まぁいっこで気になって貰えたら嬉しいです。
あなたにピッタリの大学漫画はきっとありますよ!
でも自分が知らない漫画も当然たくさんありますので
「これも大学生漫画だよ!読んどけよ!」ってのがあったら教えて下さいまし。
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ひぐち アサ先生の「ヤサシイワタシ」はご存知でしょうか?
未読なら是非!
未読なら是非!
僕も『ネムルバカ』が一番に思い浮かびました。
駄サイクル、モラトリアム、アイデンティティ…。
漠然と何かに焦る不安な気持ちと、無限の可能性が
入り混じった傑作だと思います。
駄サイクル、モラトリアム、アイデンティティ…。
漠然と何かに焦る不安な気持ちと、無限の可能性が
入り混じった傑作だと思います。
木村紺『神戸在住』!
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でも動物のお医者さんがないのが悲しいです。
読んだことがないのであればぜひとも読んでみてください。