[小説]優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
![]() | やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫) (2011/07/20) 渡 航 商品詳細を見る |
だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。
たまにやるラノベ更新。
今日は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」略して「はまち」、通称「俺ガイル」2巻。
結構まえに発売されていたのに感想かいてませんでしたので、今回さらりとでも。
どうやら次の第3巻には、ドラマCD付きの限定版の発売も決定したそうで。
ブレイクの兆しがあるような・・・?ガガガちゃんがんばって!
最近よく「残念」を掲げた作品を見かけるようになったような気がします。
本作もその1つです。確かに残念なキャラクターが揃っています。
それぞれのキャラクターが迷惑だし、面倒くさいし、わりとストレスたまったりすら。
でもそれがこの作品の楽しさであり、キャラクターへの愛着もわきます。
そしてこいつら、わりと本当に本気でダメで残念です。コメディとしても流して楽しむことが出来ないくらい、深刻にこじれていたりして。
迷惑で残念でまちがっている。だから、思い通りにいかない。
この巻のラスト、結衣との関係は近づいたようにみせかけて、最後は切なくケンカさせて終わらせたりします。なんでそうなるの・・・と思っても、それがこの作品らしくもある。
本作に最も特徴的なのが、これっぽっちも恋愛的になびかないヒロインと、無駄に頭いいのに加えて捻くれすぎて友人づきあいを上手くやっていくつもりが毛頭なさそうな主人公。
特にこの主人公が特徴的で、この作品の魅力の大部分を担っています。
最近のラノベらしいフォーマットにのかってはいても、真髄は明らかにズレてる。
心地よく冷めた空気をちゃんと纏ってくれているのが好きなところでもあります。
ちゃんとぼっちとしての理論に力強く筋がとおっているというか、プライドを持って孤独を演じているというか。
でも本当にテンポよく、マシンガンのようにギャグやパロネタを仕込んできているのも良いですよね。だから基本的には本当に明るい様子なのです。けれどふと影が差す。
その切り替えと、2種類の空気のまじりあい方が絶妙かなと。
青春のダメな部分を変に誇示はせず、けれど美しいものとして描くこともない。
等身大に、どこか「まちがっている」青春ラブコメ。タイトル通り。
2巻でメインストーリーにあった動きと言えば、八幡と結衣の関係の進展?でしょうか。
2人を繋ぐ思い出が共有になったものの、それが良い方向に転がるとは限らず・・・。
結衣ちゃんの、ビッチ風なのに乙女で一途なとことか、すんごいかわいいですんですが!
上にもちらっと書きましたけど、この巻のラストは胸がいたいってばよ・・・。
また、雪乃の家庭事情の謎が表面化してきたというところも気になります。
というか雪乃は、なんてなびかないヒロインだ!とニヤニヤしているんですが、むしろヒロイン分は結衣ちゃんが全部引き受けていて、彼女はもう1人の主人公ポジションでもあるのかなと。
本格的に主人公の妹・小町ちゃんも絡んできているのも目新しい点であり、今後物語を動かすのに役割を果たすパワーと持ったキャラクターになっている気がします。楽しみです。
ほかにもゲストキャラも増えてきて、より賑やかになってきた印象の第2巻。
主人公やヒロイン2人の新しい表情も見えてきたように感じました。
この調子で3巻以降も進んでいって欲しいですね。
[漫画]戦争と恋の物語、大空を舞い完結。 『とある飛空士への追憶』漫画版4巻
![]() | とある飛空士への追憶 4 (ゲッサン少年サンデーコミックス) (2011/09/12) 不明 商品詳細を見る |
このひとときを 永遠のものにしよう
わたーしのかーれーはー・・・パイローォットォーーーーー(号泣しながら)
と全然関係ない歌で始めてしまいましたが、「とある飛空士への追憶」の漫画版も、この4巻で終了です。1冊の小説をじっくりと描ききってくれた、いいコミカライズだったのでは。
『あのシーン』も、雑誌掲載時同様にしっかりとカラーで再現されていますよ。
・・・しかし感想を書こうにも、ラストバトルは3巻で終わっていて、4巻はまるまるエンディングを描いた内容。また、映画でいうスタッフロールのあとのちょっとしたエピローグ?も収録。
あえて言葉にするのも野暮であるような内容ですし、ネタバレをしてまうことがとても惜しい巻となっているのも確かで、感想がとても書きづらい・・・。
とは言えいい作品であったのも間違いないので、今日はこの本の感想をー。
ネタバレはすこしも絶対にイヤだ!という方は今回見ない方がいい気がします・・・!
だから感想書こうにもストーリーにあまり触れられないんですって!(
ということでちょっと別の切り口から最終巻を取り上げてみたいなと思います。
この巻、かなりの加筆修正がされていました。
増ページはないものの、シャルルとファナのしぐさや表情は、非常に細かな部分まで修正がされています。なかには構図やちょっとコマ割が変わっているシーンすら。
ファナに関しては、登場シーン半分以上に手が加えられているような具合です。
雑誌がまだ手元に残ってる人は、見比べてみるのも面白いと思います。
特に第16話・2人が傍にいられる最後の時間は、本当にささいですが眉の角度をはじめ表情の微調整、髪の動き、動作の変更などがたくさんされており、この時間をよりムードをいいものにしようとする製作の意図を感じます。26話のファナはほとんど修正されているような。
まぁ雑誌とちまちま見比べながらでないと違いが分からないような、本当に些細なことではありますが、そのような努力をこっそりとしてあることに感動してしまったり。
まるっと構図が変わっていたり、コマの構成まで変更されてるのは、単行本33、47ページ、53ページ、77ページ、80ページ、86ページかな、ザラッっと確認した感じだと。
そして心に残った加筆修正個所と言えばここ。


と、シャルルがファナに向かって手を振ることをより強調する加筆がされています。
手を差し伸べているようにも見えるのがいいですよねー!シエラ・カディス群島で「踊ってよ、シャルル」と頼むファナの手を、シャルルは踊るためでなく無茶を止めさせるために掴みました。2人のダンスは、この時は叶えられなかった。
そして今、シャルルはこの最後の大空の舞台で、自分から踊ってみせ、そして彼女に手を差し伸べる。その光景を目に焼きつけ、ファナも一生懸命に背伸びをして、空へと手を伸ばす。
2人のダンスは、黄金の舞う大空で、成し遂げられたのだ。
最高の、はなむけだ。
2人の手は、心は、最後にまた強く繋がれたんだろう。・・・やや妄想解釈かな。


ここも描きなおされていますね。ファナの表情により感情が宿っているのでは。
その時間で、その光景で、彼はすべてを伝え切った。ありったけの想いを全部。
光のような金色が踊る夏空が、忘れられない思い出になる。
そして彼の努力と人知れぬ栄誉は未来にて結実し、世界を駆け巡る。
ああもう、なんて切ない、そして熱い男のロマンが詰め込まれてるんだろうか!
やっぱりこの作品のラストシーンは珠玉!泣いてしまうじゃないですかー・・・!
このコミカライズ版、確かに空戦にやや迫力が足りてない部分もありましたが、自分がもっとも期待していた、「2人の恋物語を丁寧に描いてくれること」を、しっかりやり遂げてくれたという点において、自分はこの漫画版は成功だったと思っています。
風を感じさせてくれる爽やかさと、2人の恋の切なさに、大満足です。
・・・ただ、1巻から思ってましたが、この単行本表紙デザインは・・・!カラーもキレイな作家さんなのにそこをアピールしずらいデザインですよねえ。もうちょっと、なんとかならなかったか!
さて、どうやら「飛空士」だけじゃコミックスにするには足りなかったようで、作画担当の小川麻衣子先生のオリジナル短編が2作収録されています。これは飛空士とは関係ありません。
コミカライズでこういう単行本構成はどうかなぁとちょっと思ってしまいますが、まぁ小川麻衣子先生をサンデー超時代から追っかけてる自分としては、これも実は嬉しいことで。小川麻衣子先生の短編集もいずれ出して欲しいもんですが。
まぁとりあえず、せっかくなので2作それぞれにちろっと個別感想でも。
・8月の面影
この作品は雑誌掲載時、突発的にやった雑誌感想のときに触れたのでこちらもどうぞ。
思い出話や過去との決別シーンなど、ノスタルジックなムードが色濃い一作。
切ない短編ですが、未来へと繋がる新しいお話が始まって〆。

青春らしさがにじみ出るエピソードで結構好きですねえ。ただSF要素をチラつかせてはいるものの、それが本筋に深くかかわってきているわけではないのが不思議。続編があるのか?
・ひとかどのまちかど
宇宙人がたくさんやってくる喫茶店でアルバイトを始めた女の子。彼女と、バイト先の息子であり学校のクラスメイトである男の子の交流を描いた作品です。
まずメイン2人がそれぞれに可愛らしさを持っていて、魅力的です。
ただあえて入れたのであろうファンタジー要素が、ストーリーの本筋とやや上手く噛みあっていない感じはあるかなぁと。それでも主人公2人のおはなしはしっかりしています。
筋だけみると結構少女漫画チックかも?しかし絵柄が中性的であるぶん、それと強くは感じさせない仕上がりになっています。
やろうと思えば続編もできそうですが、綺麗にまとまっているいい短編でした。
・・・感じで「とある飛空士への追憶」漫画版4巻の感想を終わるとします。
総合的に見て、かなり満足のいく一冊になっているのではないでしょうか。
劇場アニメは10月1日ロードショー。公式サイトはこちら。
しかしこの作品、原作小説、今回のコミカライズ、そしてアニメ版と、面白いくらいキャラデザの雰囲気が一致しませんねw アニメ版も動いてるのを見たらまた印象変わるかも。
Youtubeでアニメの冒頭12分が公開されているので、そちらもチェックしてみては。
→映画『とある飛空士への追憶』冒頭12分ノーカット
とりあえずこの漫画版、なかなかいい出来でしたよ。
『とある飛空士への追憶』漫画版 4巻 ・・・・・・・・・★★★★
完結巻。ふたりのラストシーンを感情たっぷりに、丁寧に描ききっています。
[漫画]師弟関係に胸震える、緊迫の大将戦! 『ハンザスカイ』8巻
![]() | ハンザスカイ 8 (少年チャンピオン・コミックス) (2011/09/08) 佐渡川 準 商品詳細を見る |
一言・・・見事!!
少年チャンピオンにて連載中の「ハンザスカイ」、8巻発売されてます。
白熱の大接戦!準決勝、御門vs東嶺大市川の試合もいよいよ大将戦となります。
今回の表紙は主人公半座と、部長の青柳先輩。今回青柳さんめっちゃ活躍中ですよー。
6巻の頭からやってる東嶺大市川戦も、いよいよ今回で終結。
今日はこの作品の感想をばー。
副将戦を終え、2対2となった御門と東嶺大市川の準決勝戦。
いよいよ、勝負は大将戦に持ち越されることになりました。
「頼みます!」と、メンバーから最後の希望を託されニヤリと笑う青柳さんが出だしからカッコいいですね。「大将戦ってのはこうでなきゃな」と、不敵に相手側をにらんでみせます。
しかしながら試合前に描かれる、東嶺大市川大将・真鍋選手のエピソードには、敵ながらあっぱれなくらいに胸を熱くさせられるのだからたまりません。

東嶺大市川監督・国島太陽と真鍋選手の師弟関係。これに本当に痺れる!
愚直なまでに繰り返した練習と、最も尊敬する人物に応えたいという思い。
厳しい練習に耐え、ただ1人残った三年生。彼がいたからこそ、出場してる2年・1年のメンバーも猛特訓で力をつけてきたのでしょう。真鍋が背負うドラマに思わず感動・・・!
ハンザスカイを読んでいてたびたび思うんですけど、こんなエピソードを相手校に持ってこられては本当にどっちを応援したらいいのか分からなくなってしまう!もったいないくらい!
でもこの作品をこんなに面白くしているのはこのおかげ。人間ドラマがしっかりとしているんですよね。単なる技と技とぶつかり合いではなく、人と人がぶつかり合っている。
相手校の1人1人に、彼らが「主人公」として歩んできた物語を、しっかりと用意している。たまたま「ハンザスカイ」の物語の中では相手となって登場しますが、彼らもまたまぎれもなく主人公たちなんだよなーと!試合や作品そのものに、立体感があるんですよね。奥行きがある感じ。
キャラクター愛に満ち満ちた作品だなぁと思います。今回もそれを強く感じました。
真鍋選手の闘い方もまた、同時に非常に印象的でしたね。
これまで登場した多くの選手たちが、それぞれの個性が強く表れた、テクニカルな戦い方をしていました。何か特化したものを身につけ、それを武器にしていました。
しかし大将真鍋選手は、至ってシンプルです。ただ、速いのです。
それは特殊なスキルでも能力でもない。純粋に単純に人体を鍛え上げた、積み重ねた練習の成果。なんの仕掛けもない、シンプルが故の強さを宿らせているのでした。
これに青柳も苦しめられることになります。

しかしながら青柳さんの先頭バカっぷりは笑うしかないですね。
超えるべき目の前の壁が高いほどに、笑みをこぼすのが彼なのですが、元日本一・国島太陽そのままの技を土壇場で繰り出した真鍋に向けてこの表情ですよ。あれ、悔しがったりしないんだ。笑っちゃうんだ。青柳さん本当に頼りがいのあるイケメン野郎ですけど、やっぱりちょっとどっかトんでますね!だからこそ頼れるのも間違いないんですが、確かに闘志を燃やすシーンであるのに不気味とも感じられそうなくらいで、そこが彼の面白い部分。
6話も使ってじっくりと描かれた大将戦。その壮絶な試合運びに関して、下のサイトさんがうまく文章化して書いてくれているので、こちらも読んでみては。
●ハンザスカイ 8巻 佐渡川準(コーラはおやつに入りませんさん)
試合運びもとてもドラマティックで必見ですが、試合が終わった後にも熱い。熱すぎる。
まず試合終了後の半座ですよ。結城選手との握手のシーンがまた堪らないのです。

6巻の時、先鋒戦で半座は結城に白星をあげましたが、試合そのものは負けていました。
頭に血がのぼった結城選手が反則行為をしたために偶然拾えた勝利。
結城は自分がしてしまった反則を重く受け止め、部を止めようとも考えていましたが、それをチームメイトたちは「(俺たちの試合を)見とけ」とだけ言っていました。
試合終了後、結城は彼らの闘いぶりに何を思ったのか。そしてこの半座のセリフです。
この瞬間、過去も失敗も関係ない、「次」闘うことを約束したライバルになった。
リベンジだ。『次』は絶対に負けない。もっと強くなるんだ。

結城だけじゃない。チーム全員、いい顔してますわ、こいつら。
真鍋がいない来年にも、きっと彼らは再びこの舞台にやってくる。
真鍋の後ろ姿が育んだ東嶺大市川の火。絶えることはないんだろうな。
という具合の「ハンザスカイ」8巻でした。いやぁ激燃えです!
これまでも毎巻熱くさせられてきましたが、この8巻は3巻も続いてきたVS東嶺大市川を締めくくる大将戦とエピローグが描かれいる分、物語としての高揚感もまたハンパないのです。
主人公全然出てないのにね!いやいや、もうこいつらみんな主人公なんです!
そして闘う彼らばかりでなく、監督(特に国島)にもスポットライトが当てられ、それでよりドラマが深まり面白くなっているという時点で、もう彼も主人公じゃないのかと。
次なる9巻は、決勝の舞台に進むもう1つの学校はどこなのかが描かれることになります。
御門もいろいろと気になる要素を抱えていますし、決勝戦がどのようになるのか。今から楽しみで仕方ありません。次こそやったれよ野田!というか番場さんどうなるんだよ!
『ハンザスカイ』8巻 ・・・・・・・・・★★★★
大熱戦!それぞれの物語が幾層にも積み重なった、熱い準決勝戦になっています。
[漫画]超弩級ラブストーリー、最大スケールで完結! 『超弩級少女4946』6巻
![]() | 超弩級少女4946 6 (少年サンデーコミックス) (2011/08/18) 東 毅 商品詳細を見る |
運命の日というものは―――思わぬタイミングで訪れるものだ
もう1ヵ月近く経ってしまいそうですが、「超弩級少女4946」第6巻が発売されました。
普通サイズの男子中学生と身長約50メートルの女の子のラブストーリーも、これでいよいよ完結となりました。ちょっとさびしいですが、なかなかいいタイミングで終わったのでは。
それにしてもこの最終巻の表紙、やばいですね。すてきですね。
では今回はこの作品の感想をー。
迫りくる巨大宇宙生物の群れ!人類存亡の危機!敵の総大将は前世の自分の恋人・・・?
とまぁクライマックスらしくとんでもないくらいに話も膨らんできた本作。
最初からそうなのですが、やってること自体は王道も王道な作品で。それが「ヒロインの身長がだいたい49m46cm」というビッグスケールなばかりに新鮮な面白さを発揮していました。
主人公も今時珍しいくらいの超熱血少年でしたしね。
この6巻なんてまるっきりハリウッド映画の展開ですよw メインキャラそれぞれが、ほとんど出ていなかったワキ役でさえ、しびれるくらいカッコつけて戦いを繰り広げます。
このテンション、まさに映画のラスト30分の空気のそれ。ガンガンテンション上がります。
印象深いシーンがたくさんあるこの最終巻ですが、まずセンリくんカッコいいな!
第25話はセンリくんをフィーチャーしたもので、彼の過去回想シーンなども描かれました。
これまで秘密が多かった彼を、少しずつ理解できてくるものでしたね。
ぐずぐずしてる主人公・マコトに対し言い放った「2人ともキミへの想いの強さで競っているのに、キミはどっちがかわいそうかで相手を選ぶのか」は名言ですなあ!そしてこれである。

「愛の探究者」として登場して以降、なんだか達観したキャラクターであり続けた彼
ですが、最後に至った結論は面白いものでした。この恥ずかしそうな笑顔も外見相応のものにも見えてジンと来ます。
彼から熱いメッセージを受けたマコトは走りますが、彼の前に立ちはだかったのは、巨大生物でもなく、地球の敵対勢力でもありませんでした。自分を好きでいてくれる、1人の女の子でした。
明美ちゃん、1巻で登場したときにはこんな大役を背負うまでになるとは思いませんでしたね・・・実際かわいいですし!あて馬感が最初っからハンパなかったですけどね(涙)!
でもそこもかわいいんですよ!

彼女も、自分が選らばれるに違いないとは思っていません。けれど少しでも自分が、彼のなにかを変えることができれば。それで彼を救うことが出来たなら。『人類の敵』になんかにさせないために・・・。そんな一心の告白です。がんばった!女の子!
戦闘も恋愛もクライマックスに突き進んでいきます。
この先のネタバレはあまりすべきではないでしょう。せっかくの最終巻です。
主役2人のドラマへと全てが集約されていく様子はやはり盛り上がりますねー!
世界の運命を背負うラブストーリー。いいですね、セカイ系のスケール感です。
ただ途中から話の規模が膨らみすぎて、自分の中でその全体像をうまく把握できないまでになってしまいました。ちょっともどかしい!けれど、それでもテンションが突き上がっていく。
それはやっぱり、どんなに超弩級なスケールになったとしても、この作品が最終的にはシンプルなラブストーリーであるからなのではと思います。
50メートルほどの超ビッグなダイダラボッチも、ただの恋する女の子であるように。
・・・それにしたって、覚醒後のまなちゃんの強さは、やはり意味がわからないレベルw
突き抜けた爽快感、達成感、感動。少年漫画はこれくらい大胆な味付けなほうがおいしい!・・・のかも?

第1話とつながっていくラストシーンにも大満足!おなかいっぱいです!
改めて、今回の表紙はすばらしいですね。
きっとこの2人の心の距離感は、いつだってこんな風に隣り合っていて、手をつないでいる。
バカみたいなスケールで炸裂する、身長差45メートル超弩級ラブストーリー、完結!
言葉、絵、物語。何もかもが恥ずかしいくらい力強くまっすぐで、熱を帯びています。
『超弩級少女4946』6巻 ・・・・・・・・・★★★★
テンション上がりました。これで最終巻。王道でありながら唯一無二な魅力!
[漫画]新メンバー加入?で更に加速、ラブ・バンド・ピース! 『ハレルヤオーバードライブ!』5巻
![]() | ハレルヤオーバードライブ! 5 (ゲッサン少年サンデーコミックス) (2011/09/12) 高田 康太郎 商品詳細を見る |
今度は止まらないでよ。
青春バンドストーリー「ハレルヤオーバードライブ」、最新第5巻が発売されました。
今回の表紙はタンポポ先輩・愛葉先輩の仲良しコンビ。
タンポポちゃんのパンクガールらしからぬフリフリドレスとちょっと照れた表情がかわいい!
新章開幕という感じで、新キャラもたくさん登場する賑やかな内容となっています。
今回のオビにある「LOVE バンド PEACE」ってコピーがすごく好き。
最高潮な盛り上がりを見せた4巻。明確な目標を掲げ、それを叶えるために必要なものも見えてきた「金属理化学研究部」やティアドライブの面々。
というところで物語はいったん落ち着いて、ひとまずは学生らしく日常を楽しむのです。
しかしながら前までとはちょっと様子がおかしいハルさん。
どうやら4巻終盤からの小雨のカッコ良さに戸惑っているようで・・・なにやらラブが匂ってきます!ハル先輩自身、恋愛には疎いのでそれが恋なのかどうかも分からず戸惑ってしまっています。ハル先輩はどんどんとヒロイン度が上がってきててニヤニヤしますね。

ハルさんがラブコメってあわあわしだしたと思ったら今度は愛葉さん回!(第24話)
そういえばサービスシーンはあっても恋愛描写はこれまでなかった愛葉さん。
もしや彼女までもー!とは一瞬思いましたが、いやいや、やはり愛葉さんはやはり愛葉さん。スイッチ入ると怖いですけど、周囲の人間関係をほほえみながら見守っているようなイメージ通り、彼女はヒロインというよりはナイスお姉さんキャラ。
でもあ分からいたずらっぽく小雨を誘ってみたりしてましたけど、唐突に胸をもまれたときは思いっきり動揺してましたね。その歳相応に余裕ない感じがまたすっごいかわいい・・・!
そして愛葉さんとタンポポの関係の力強さを再確認。この2人の空気、いいですねえ。
さて、そんな愛葉さんのお姉ちゃんっぷりは、5巻後半でもいかんなく発揮されていきます。
まぁ彼女の妹さんがいよいよ本格参入ということで、彼女はリアルお姉ちゃんなんですが。
4巻末に収録されていた番外編「CHANGE THE WORLD」にも登場していた、愛葉さんの妹である若葉が、ティアドライブ4人目のメンバーの候補ギタリストとして挙がります。
しかしこの日、同じく4人目のメンバー候補にキーボード担当の御堂楓という新キャラクターも登場。いきなり候補が2人も現れた中、学内でゲリラライブを行うという計画が持ち上がります。
といった感じで今回は、新戦力を交えてのティアドライブの変化/進化が注目所です。
結果が見えてくるのは6巻でしょうが、変化の過程を追う内容になっていると思います。
小雨の変化がさりげなくすごいことになってる気がします。
これまで彼は、ダメな時はとことんダメ、スイッチが入れば爆発!という感じの不規則なスタイルでしたが、この5巻ではほぼ「スイッチ入りっぱなし」になっています。
確固たる目標が定まったため、集中力が増しているのでしょうね。
カギとなる小雨に安定感が出てきたのは、バンドとして間違いなくいい成長でしょう。

むしろメンバーに対抗意識を燃やして「負けられっか!!」と本気だしていたり、スイッチを自分でコントロールできつつある?感じすら。ずいぶんと頼りがいある感じになってきました。
そしてこの巻、ほぼ初登場にして最もフィーチャーされてるのが若葉ちゃん。
ギタリストとして確かな実力がありながら、思春期らしい悩みやトラウマが妨げになっているようで、うまく自分を解放できない女の子。姉の愛葉さんの後ろに隠れています。
演奏に夢中になるととたんにぼさぼさになってしまうクセっ毛。それを笑われるのが怖い。コンプレックスやトラウマは、その内容とはまた別に、その存在そのものが自分の弱さを証明していると思いこませて、本人を縛りつけてしまいます。彼女はそれに陥っているようで。「逃げてしまう自分がなによりもイヤだ」と。

そんな若葉が自分のカラを破ってみせるシーンは、わかっていても胸が熱くされられてしまうというものです。彼女を見守る愛葉さんや先輩たちのまなざしのやさしいことやさしいこと・・・!
そういえば第25話の見開きカラー(みんなで傘をさしてるイラスト)、自分大好きなんですけど、第27話の扉絵ととリンクしているんですね。単行本で初めて気がつきました・・・。

ティアドライブの現メンバーの間に落ちているひとつの傘。1人分のスペースもあり。
これってもう1人のメンバーの加入をイメージさせてるんでしょうねえ。
でもって第27話の扉絵は、水たまりに移りこんでる1人ぼっちで傘を持った若葉。
27話の時点では彼女はまだ心を開いていないので、そのせいでしょうね。
ということから、ティアドライブに正式加入するのはやはり若葉ちゃんなのではー、という、今更かよという結論に至ったのでした。楓さんはどうなるかなー。どうも裏がありそう?
まぁサポートミュージシャン的な位置づけもありでしょうかね。
ティアドライブがどういうバンドになるのか、ひとまずの完成系が楽しみです!
という感じの「ハレルヤオーバードライブ!」第5巻でした。
ラブコメ的な盛り上がりも見逃せませんが、バンドの変化にテンション上がってきます。
大きく物語が動いたわけではありませんが、次の山場に向けてエンジンあったまってきたという感じでしょうか。
気になることはと言えば、新登場の生徒会長・御角日向さん。ずいぶんの手厳しい対応をしている会長さんなようで、彼女もまた「金属理化学研究部」をつぶそうとする動きをしてくる予感。
そしてキーボードの楓も気になるところ。どうもただのぽっと出の新キャラとは思えませんよね。今度物語を動かすキーパーソンになるのかもしれません。
うむ、やはり続きが楽しみな作品ですね。これぞ、青春と音楽の物語!
本当に楽しそうに生きてるな、この作品のキャラクターたちは。
『ハレルヤオーバードライブ!』5巻 ・・・・・・・・・★★★☆
新キャラ続々登場、そして新展開の予感。愛葉さんのお姉ちゃんモードもステキ。