[小説]優しい女の子は嫌いだ。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』2巻
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫) (2011/07/20) 渡 航 商品詳細を見る |
だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。
たまにやるラノベ更新。
今日は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」略して「はまち」、通称「俺ガイル」2巻。
結構まえに発売されていたのに感想かいてませんでしたので、今回さらりとでも。
どうやら次の第3巻には、ドラマCD付きの限定版の発売も決定したそうで。
ブレイクの兆しがあるような・・・?ガガガちゃんがんばって!
最近よく「残念」を掲げた作品を見かけるようになったような気がします。
本作もその1つです。確かに残念なキャラクターが揃っています。
それぞれのキャラクターが迷惑だし、面倒くさいし、わりとストレスたまったりすら。
でもそれがこの作品の楽しさであり、キャラクターへの愛着もわきます。
そしてこいつら、わりと本当に本気でダメで残念です。コメディとしても流して楽しむことが出来ないくらい、深刻にこじれていたりして。
迷惑で残念でまちがっている。だから、思い通りにいかない。
この巻のラスト、結衣との関係は近づいたようにみせかけて、最後は切なくケンカさせて終わらせたりします。なんでそうなるの・・・と思っても、それがこの作品らしくもある。
本作に最も特徴的なのが、これっぽっちも恋愛的になびかないヒロインと、無駄に頭いいのに加えて捻くれすぎて友人づきあいを上手くやっていくつもりが毛頭なさそうな主人公。
特にこの主人公が特徴的で、この作品の魅力の大部分を担っています。
最近のラノベらしいフォーマットにのかってはいても、真髄は明らかにズレてる。
心地よく冷めた空気をちゃんと纏ってくれているのが好きなところでもあります。
ちゃんとぼっちとしての理論に力強く筋がとおっているというか、プライドを持って孤独を演じているというか。
でも本当にテンポよく、マシンガンのようにギャグやパロネタを仕込んできているのも良いですよね。だから基本的には本当に明るい様子なのです。けれどふと影が差す。
その切り替えと、2種類の空気のまじりあい方が絶妙かなと。
青春のダメな部分を変に誇示はせず、けれど美しいものとして描くこともない。
等身大に、どこか「まちがっている」青春ラブコメ。タイトル通り。
2巻でメインストーリーにあった動きと言えば、八幡と結衣の関係の進展?でしょうか。
2人を繋ぐ思い出が共有になったものの、それが良い方向に転がるとは限らず・・・。
結衣ちゃんの、ビッチ風なのに乙女で一途なとことか、すんごいかわいいですんですが!
上にもちらっと書きましたけど、この巻のラストは胸がいたいってばよ・・・。
また、雪乃の家庭事情の謎が表面化してきたというところも気になります。
というか雪乃は、なんてなびかないヒロインだ!とニヤニヤしているんですが、むしろヒロイン分は結衣ちゃんが全部引き受けていて、彼女はもう1人の主人公ポジションでもあるのかなと。
本格的に主人公の妹・小町ちゃんも絡んできているのも目新しい点であり、今後物語を動かすのに役割を果たすパワーと持ったキャラクターになっている気がします。楽しみです。
ほかにもゲストキャラも増えてきて、より賑やかになってきた印象の第2巻。
主人公やヒロイン2人の新しい表情も見えてきたように感じました。
この調子で3巻以降も進んでいって欲しいですね。