[本]ステージで待ってるよ、ライバルとして、アイドルとして!『O/A』3巻
更新したい作品がどんどん増えてきて更新が追い付かないのでもうじゃんじゃかやって行こうかと。1作品あたりの感想はやや短めですが更新頻度を上げていきたいです。
これまでみたいなボリュームの更新も続けていきます。・・・しかしこの記事書き上げてみたら普段とそこまで変ってなかったので特に気にする必要ないかもですね。ぶわっ。
サっ サインくださいっ!!!
3巻発売しました、事後絵師こと渡会けいじ先生の「O/A」です。
この巻は表紙をゆたかのライバルキャラ・海江田ミホちゃんがかっさらっていることから分かる通り、ミホちゃん主役奪取!な一冊となっています。
ミホちゃん、なんて馴れ馴れしく書いてますが、2巻まで特別いい印象のキャラクターではありませんでした。しかしこの3巻で彼女は化けましたねぇ!
彼女の強さ、抱える想い、アイドルとしてのスタンス・・・ああ、もう輝きすぎです。
かつてはソフトボールプレイヤーで、天才少女とまで呼ばれていたミホ。
しかし選手として致命的なケガをしてしまい、ソフトボールの道を諦めてしまう・・・。
それ以降目に見えて落ち込み、性格に精彩を欠く彼女に対して、周囲の友人たちは彼女にアイドルになるという選択肢を勧めます。
仲間たちの「彼女には輝いていて欲しい」という想いが、彼女をアイドルにしたのです。
そしてゆたかと出会う。彼女の生まれ持っての人間としての輝きに、魅了される。
彼女の部屋には、ゆたかのポスターや関連グッズがたくさんありました。
これまで憎まれ口ばかり叩いてきた彼女ですが、実はゆたかの大ファンなんですよね。
よく見ると第6話でゆたかが来ていたきぐるみに由来していると思われる、カバの人形も。
今やゆたかをしのぐアイドルになった(というかゆたかの方がトラブルで沈没してしまった・・・)彼女ですが、それで憧れを手放すことはしません。「ステージの上で!」と、ゆたかを待っているんですよ。再び並びたてる日を待ち望んでいるのです。どんだけ一途なんですかァー!
大好きなんだけど本人の前ではあまり素直になれない女の子。アイドルとしての厳しさと、彼女本来のやさしさと。彼女の心は全てゆたかに向かっているんだなぁ。
揺るがぬ憧れを抱いて、自分なりにゆたかを応援するミホちゃんはほんとかわいいなぁ。強いなぁ。女の子だなぁ。気持ちのいいキャラクターです。
そんな素晴らしいエピソードをミホちゃんがやってるのにですよ。
主人公たちはトイレでブツが流れないという話でまるっと一話使ってるんですよ!
何度水力で押し流そうともビクともしない、その迫力ある佇まい・・・まさに『レッド・オクトーパー』・・・!とかやっててもなんなんだこの漫画はとwほんと下ネタ多いですねw
他にもNEVER MINDのジャケネタやってたり、作者の魂の叫びが漏れ出てたり。
小ネタも効いててそちらも楽しめましたね。
しかし3巻の主役はやっぱりミホちゃん。物語の核となる『秘密』を偶然知ってしまった彼女、今後一層ストーリーの本筋に絡んでくることでしょうね。
キャラクターたちの掛け合いに大きな面白さがある作品ですので、今後も期待大!
でも別に大に期待をしているわけではありません。(トイレ的な意味で)
それと主人公ゆたかの作中歌「君にドキッ☆」のリアル製作が決まったようです。
今後のメディア展開にも期待していまう作品ですねぇ。個人的には作中ラジオ番組オペレーション・オーロラが現実に始まって欲しいなーなんて思っていたりします。難しいかw
『O/A』3巻 ・・・・・・・・・★★★☆
色んな意味でキャラの輝きが増してきた第3巻。続きが楽しみです。
これまでみたいなボリュームの更新も続けていきます。・・・しかしこの記事書き上げてみたら普段とそこまで変ってなかったので特に気にする必要ないかもですね。ぶわっ。
O/A (3) (角川コミックス・エース 216-6) (2011/03/04) 渡会 けいじ 商品詳細を見る |
サっ サインくださいっ!!!
3巻発売しました、事後絵師こと渡会けいじ先生の「O/A」です。
この巻は表紙をゆたかのライバルキャラ・海江田ミホちゃんがかっさらっていることから分かる通り、ミホちゃん主役奪取!な一冊となっています。
ミホちゃん、なんて馴れ馴れしく書いてますが、2巻まで特別いい印象のキャラクターではありませんでした。しかしこの3巻で彼女は化けましたねぇ!
彼女の強さ、抱える想い、アイドルとしてのスタンス・・・ああ、もう輝きすぎです。
かつてはソフトボールプレイヤーで、天才少女とまで呼ばれていたミホ。
しかし選手として致命的なケガをしてしまい、ソフトボールの道を諦めてしまう・・・。
それ以降目に見えて落ち込み、性格に精彩を欠く彼女に対して、周囲の友人たちは彼女にアイドルになるという選択肢を勧めます。
仲間たちの「彼女には輝いていて欲しい」という想いが、彼女をアイドルにしたのです。
そしてゆたかと出会う。彼女の生まれ持っての人間としての輝きに、魅了される。
彼女の部屋には、ゆたかのポスターや関連グッズがたくさんありました。
これまで憎まれ口ばかり叩いてきた彼女ですが、実はゆたかの大ファンなんですよね。
よく見ると第6話でゆたかが来ていたきぐるみに由来していると思われる、カバの人形も。
今やゆたかをしのぐアイドルになった(というかゆたかの方がトラブルで沈没してしまった・・・)彼女ですが、それで憧れを手放すことはしません。「ステージの上で!」と、ゆたかを待っているんですよ。再び並びたてる日を待ち望んでいるのです。どんだけ一途なんですかァー!
大好きなんだけど本人の前ではあまり素直になれない女の子。アイドルとしての厳しさと、彼女本来のやさしさと。彼女の心は全てゆたかに向かっているんだなぁ。
揺るがぬ憧れを抱いて、自分なりにゆたかを応援するミホちゃんはほんとかわいいなぁ。強いなぁ。女の子だなぁ。気持ちのいいキャラクターです。
そんな素晴らしいエピソードをミホちゃんがやってるのにですよ。
主人公たちはトイレでブツが流れないという話でまるっと一話使ってるんですよ!
何度水力で押し流そうともビクともしない、その迫力ある佇まい・・・まさに『レッド・オクトーパー』・・・!とかやっててもなんなんだこの漫画はとwほんと下ネタ多いですねw
他にもNEVER MINDのジャケネタやってたり、作者の魂の叫びが漏れ出てたり。
小ネタも効いててそちらも楽しめましたね。
しかし3巻の主役はやっぱりミホちゃん。物語の核となる『秘密』を偶然知ってしまった彼女、今後一層ストーリーの本筋に絡んでくることでしょうね。
キャラクターたちの掛け合いに大きな面白さがある作品ですので、今後も期待大!
でも別に大に期待をしているわけではありません。(トイレ的な意味で)
それと主人公ゆたかの作中歌「君にドキッ☆」のリアル製作が決まったようです。
今後のメディア展開にも期待していまう作品ですねぇ。個人的には作中ラジオ番組オペレーション・オーロラが現実に始まって欲しいなーなんて思っていたりします。難しいかw
『O/A』3巻 ・・・・・・・・・★★★☆
色んな意味でキャラの輝きが増してきた第3巻。続きが楽しみです。
[本]"自由"がテーマの新4コマ雑誌創刊! 『まんがタイムきらら ミラク』創刊号
この更新は「素晴らしい日々」の八戸さんによるクロスレビュー企画への参加記事です。
詳細はリンク先参照。今日は「まんがタイムきらら ミラク」創刊第1号の感想です。
公式サイトはこちら
自分は4コマ漫画に対しては単行本派という立場で有り続けてまして、きらら系列雑誌を「雑誌を読む」という意識で購入するのは今回が初めてだったりします。
好きな漫画のカラー目当てか何かで前に1,2度買ったかどうか、くらい。
自分としても4コマの方でも何かしら作品の新規開拓をしていきたいなーと思っていたのですが、そんな時にナイスなタイミングで創刊してくれたのがこのミラクという感じです。
と言うわけで4コマ雑誌を取り上げるのも読むのも初心者ですが・・・こんなことうだうだ書いてねーでさっさと作品について書きますか。
企画のルールにのっとった上で、気になった作品をいくつかピックアップ。
上にも張りましたが、華やかな表紙イラストはお見事!レベル高いです。画像だと分かりにくいですが黒スカートをよく見るとちょっと透けてるような・・・。これはいいものですね!(笑顔
本編のストーリーとしては、とある姉妹が「悪魔憑きの館」と呼ばれている怪しげな建物にもぐりこみ中を物色していると、ページが白紙のこれまた怪しげな書物を発見。妹の久美がそれを開いた瞬間、「リリィ」と名乗る悪魔と出会ってしまった・・・というもの。
責任感があり、しっかりしてそうなんだけどのほほんとどこか呑気なお姉ちゃんと、調子に乗りやすく表情豊かな妹の組み合わせ。和みますねぇ。あ、お姉ちゃんはおっぱいが豊かです。
今後はリリィ様による2人へのセクハラ攻撃を楽しみたいところですが、はたしてそんな展開は待ちうけていてくれるのでしょうか。気になるところですね、ええ。絵のレベルも高し。
天真爛漫な女の子・優。彼女のお世話をしながら大きな愛情を寄せる主人公・春香。
誰とでもすぐに仲良くなる優を見守りながらも、独占欲の強い春香はそれが寂しい・・・。
春香の想いを汲んだ優は、彼女を安心させようと「他の人とはできないような"特別”なことをしよう」と提案するのですが、それは友達同士でする行為を域をちょっと超えてしまっているような・・・つまりは、キスをしようというもので。2人してドキマギしながら顔を寄せていくのです
なんだこれー!かわいすぎるだろこのキスシーンー!
読んでいてニヤニヤと涎が止まりませんでした。キスをする直前の緊張感、してる最中の恥ずかしいモノローグ・・・!一話目にしてこの幸福感ですよ!どうなるんだ!
桜の花びらが教室内を舞うシーンも美しい。コマの半分以上を花びらが覆っていたり、王道ですが演出として桜が効果的に用いられていて、「桜Trick」というタイトルもうなづけるというもの。
春らしい内容ですし、内容も素晴らしかったです。良質な赤面百合漫画。
チェックを続けていきたい作品です。
この雑誌をひととおり読んだ中で、ギャグ漫画として印象に残った作品はコレでした。
看板娘であるスイカちゃんを徹底的にイジりまくる内容で、勢いも良いです。
メインキャラがスイカちゃんの他に4人がいるようですが、まだそれぞれの性格等も濃く描かれはしなかったので、周囲の設定も固められてくるとより面白くなりそうです。
ビジュアル的には春島杏ちゃんが好きなのですが・・・飄々としていて面白い女の子w
もちろんスイカちゃんも、怒ったりすねたり泣いたり笑ったりびっくりしたり・・・色んな可愛い表情を見せてくれてお気に入り。パンツ履いてなかったし。(そこ
というのも学校の先生たちがメインキャラである作品だからです。
主人公のリサ先生はイギリス人。カタコトですが日本語もちゃんと喋れます。
英語教師として学校に赴任してきた彼女。その学校で色んな先生たちとお知り合いに。
一生懸命でくりっとした目も可愛らしいリサ先生(おっぱい大きいのもいいですよね!)に、自分は扉絵からがっちりハートキャッチされてしまったわけですが、サイドを固める他の先生たちもそれぞれ魅力的。とりあえずリサ先生はいっぱい日野先生と絡んで欲しいですね。
大人である先生たちが少女みたいに騒いだりだらけたりしながらオフの時間を過ごす様子は、それだけでもなんだか面白くていい雰囲気が出るなぁと。
それと、非常に読みやすかったです。整頓された綺麗な作画で清涼感あり。
次号からはリサ先生が実際に教壇に立つようで、楽しみですね。
そういえば先生ばかりの学校4コマというと「教艦ASTRO」が自分は思い浮かぶのですが、あちらは・・・いつ・・・いや、何も言うまい。待ってるデス。
オタクな男子高校生と、まさかの運命的な出会いを果たしてしまった・・・と思い込んでしまった少女漫画マニアな女子高生がいきなり告白してしまいます。好きな少女漫画の出会いの場面とカブってしまったんだとか。
女子高生・みのるは自分のイメージする理想的な恋愛シチュエーションをリアルに実現するために、仮の彼氏彼女の関係を作り上げただけで、別にオタク男子高校生を好きなわけではないです。男子の方も同じような感じで、恋人とやってみたい2次元的なシチュを実現させたいだけで、彼女に無遠慮にメイド服着せたりします。互いが互いを利用している、「趣味のため」と結構割り切った関係です。
でも、そこから少しずつ変わっていっている・・・?ような、そんな微妙で曖昧な、初々しい雰囲気がたまらんのです!
だんだんと変わっていっているんですよね。自分を物語のヒロインに見立てて楽しむのではなく、彼とすごす時間そのものが自然と楽しくなっていっている。イイヨイイヨー
こういう作品なら少々のエロ要素も映えると思うので、それも期待したいですね・・・!
野球好きという趣味も外見もどこかボーイッシュな主人公、たま。
けれど入学した先は野球部の無かった!ということで新しく立ち上げようとするのですが・・・という野球をベースにした学園コメディな作品。これからキャラも増えていくことでしょう。
絵柄がデフォルメの効いて親しみやすい上、他のミラク作品と被っていませんので結構目立ちますね。オリジナリティも感じます。魅力のある絵。
しかしいくつか見づらい構図もありましたね。4コマというある程度限定されたコマ割の中で、スポーツという複雑な動きやアングルを描く必要のある題材を選んでいるので、難易度は高そう。
そこの描写を本格的にする必要はこの作品には無いとは思いますが、頑張って欲しい所!
では、雑誌としての総括。
「もっと、自由に4コマを」というキャッチフレーズを掲げ創刊したミラク。
ビジュアル性の高い誌面を目指しているようですが、実際作画のレベルは高かったです。
ほとんどの参戦作家さんがマンガ初挑戦の新人作家・・・ということを事前にアナウンスしていて、確かに楽しみでしたが不安も感じていたのは確かです。が、全くの杞憂に終わりました。
雑誌としての作品バランス・・・というのは、4コマ雑誌に今回(ほぼ)初挑戦な自分は考えられませんでしたが、よかったと思います。掲載順も違和感なく、題材モロかぶりというケースも無し。
個人的には全力で笑いを取りに来てるような作品があと少しあればなとは感じましたが。
どの作品も整っていて読みやすいのですが、雑誌としては「なんじゃこりゃ」な作品もあってくれた方が楽しめると言えば楽しめるんですよねw読者自身がツッコミ役になれるような。でもそれをあえて求めるのも違いますかね。
思っていた以上に楽しめたというのは間違いないです。特にチェックしていきたい作家さんは小波ちま先生、タチ先生、はりかも先生、奄美あまゆ先生、パイン先生、CUTEG先生あたり。
ミラク2号目は5月発売予定。隔月発売になるのでしょうか。
面白かったので次号にも期待しています。
どうせなので掲載作品全部触れたいなぁ、ということでここからオマケ?の1行感想。
上で取り上げなかった作品についてざらっと行きます。作家さんの敬称略。
・純粋欲求系リビどる/眉毛
主人公の妄想でしたオチが序盤頻発して、後半の流れに乗るのに最初手間取りました。
絵柄は非常にポップで可愛らしいです。数少ない男の子主人公。
・夜森の国のソラニ/はりかも
カラーが質感がよかったです。しかしちょっと絵柄に特徴が無さ過ぎている気が。
作品のファンタジックな世界観は結構お気に入り。夜森ちゃんツボ。
・前から2両目/name
主人公の女の子の濃いキャラが面白かったですw活き活きしてるなー!
・Good naight! Angel/柊ゆたか
ちょっぴりアクション。主人公でバックベアードちゃんを想起。可愛い髪型。
・月曜日の空飛ぶオレンジ。/あfろ
イラストレーターの漫画だなぁという感じが凄い。魅せる構図を連発してます。
この作品の理科の先生は意味わかんなくて好きでした。あとミラクはスイカがお好き。
・にじげんめのうた/川井マコト
ニコ動を元ネタにしている作品。黒歴史をいじられる梅乃ちゃん涙目かわいい!
・きしとおひめさま/パイン
ショッキングな展開と言えばこれがありましたね。素直に続きが気になります。
途中の結婚でフラグを感じましたが、まさかやられるとはという感じでした。
・Seed/双三ヒロ
描き込み量に目を引かれます。こういうよくわかんない生き物がたくさんいる世界観好き。
・スイート マジック シンドローム/CUTEG
笑顔の女の子たちはケーキよりもあまーい。ふわふわです。
・ルンルルコミュニケーション/さがら梨々
トースターで射撃してくる主人公ww面白いキャラが大勢いて賑やかな作品。
ちゃんと単行本化して欲しいなー。テンポの良さが魅力的。
・るーてぃんルーティン/パインパ
オフ会開催のために動きだした人々。これも読みやすかった作品の1つ。
・副33三色パンチ/にき
まさかのカマドウマ落ち。各キャラの特徴が明確になってくれば楽しめそうです。
粗くなりましたが以上!
詳細はリンク先参照。今日は「まんがタイムきらら ミラク」創刊第1号の感想です。
公式サイトはこちら
自分は4コマ漫画に対しては単行本派という立場で有り続けてまして、きらら系列雑誌を「雑誌を読む」という意識で購入するのは今回が初めてだったりします。
好きな漫画のカラー目当てか何かで前に1,2度買ったかどうか、くらい。
自分としても4コマの方でも何かしら作品の新規開拓をしていきたいなーと思っていたのですが、そんな時にナイスなタイミングで創刊してくれたのがこのミラクという感じです。
と言うわけで4コマ雑誌を取り上げるのも読むのも初心者ですが・・・こんなことうだうだ書いてねーでさっさと作品について書きますか。
企画のルールにのっとった上で、気になった作品をいくつかピックアップ。
小波ちま先生の作品。創刊号で表紙&巻頭カラーを飾りました。リリィ
上にも張りましたが、華やかな表紙イラストはお見事!レベル高いです。画像だと分かりにくいですが黒スカートをよく見るとちょっと透けてるような・・・。これはいいものですね!(笑顔
本編のストーリーとしては、とある姉妹が「悪魔憑きの館」と呼ばれている怪しげな建物にもぐりこみ中を物色していると、ページが白紙のこれまた怪しげな書物を発見。妹の久美がそれを開いた瞬間、「リリィ」と名乗る悪魔と出会ってしまった・・・というもの。
責任感があり、しっかりしてそうなんだけどのほほんとどこか呑気なお姉ちゃんと、調子に乗りやすく表情豊かな妹の組み合わせ。和みますねぇ。あ、お姉ちゃんはおっぱいが豊かです。
今後はリリィ様による2人へのセクハラ攻撃を楽しみたいところですが、はたしてそんな展開は待ちうけていてくれるのでしょうか。気になるところですね、ええ。絵のレベルも高し。
タチ先生の作品。個人的に「ミラク」創刊号でもイチオシの内容でした。桜Trick
天真爛漫な女の子・優。彼女のお世話をしながら大きな愛情を寄せる主人公・春香。
誰とでもすぐに仲良くなる優を見守りながらも、独占欲の強い春香はそれが寂しい・・・。
春香の想いを汲んだ優は、彼女を安心させようと「他の人とはできないような"特別”なことをしよう」と提案するのですが、それは友達同士でする行為を域をちょっと超えてしまっているような・・・つまりは、キスをしようというもので。2人してドキマギしながら顔を寄せていくのです
なんだこれー!かわいすぎるだろこのキスシーンー!
読んでいてニヤニヤと涎が止まりませんでした。キスをする直前の緊張感、してる最中の恥ずかしいモノローグ・・・!一話目にしてこの幸福感ですよ!どうなるんだ!
桜の花びらが教室内を舞うシーンも美しい。コマの半分以上を花びらが覆っていたり、王道ですが演出として桜が効果的に用いられていて、「桜Trick」というタイトルもうなづけるというもの。
春らしい内容ですし、内容も素晴らしかったです。良質な赤面百合漫画。
チェックを続けていきたい作品です。
西瓜割先生の作品。いちおう、スイカ擬人化漫画でしょうか。人間になっちゃったっていう。メラン・コリー
この雑誌をひととおり読んだ中で、ギャグ漫画として印象に残った作品はコレでした。
看板娘であるスイカちゃんを徹底的にイジりまくる内容で、勢いも良いです。
メインキャラがスイカちゃんの他に4人がいるようですが、まだそれぞれの性格等も濃く描かれはしなかったので、周囲の設定も固められてくるとより面白くなりそうです。
ビジュアル的には春島杏ちゃんが好きなのですが・・・飄々としていて面白い女の子w
もちろんスイカちゃんも、怒ったりすねたり泣いたり笑ったりびっくりしたり・・・色んな可愛い表情を見せてくれてお気に入り。パンツ履いてなかったし。(そこ
奄美あまゆ先生の作品。登場キャラの平均年齢は今号随一!LisaStep!
というのも学校の先生たちがメインキャラである作品だからです。
主人公のリサ先生はイギリス人。カタコトですが日本語もちゃんと喋れます。
英語教師として学校に赴任してきた彼女。その学校で色んな先生たちとお知り合いに。
一生懸命でくりっとした目も可愛らしいリサ先生(おっぱい大きいのもいいですよね!)に、自分は扉絵からがっちりハートキャッチされてしまったわけですが、サイドを固める他の先生たちもそれぞれ魅力的。とりあえずリサ先生はいっぱい日野先生と絡んで欲しいですね。
大人である先生たちが少女みたいに騒いだりだらけたりしながらオフの時間を過ごす様子は、それだけでもなんだか面白くていい雰囲気が出るなぁと。
それと、非常に読みやすかったです。整頓された綺麗な作画で清涼感あり。
次号からはリサ先生が実際に教壇に立つようで、楽しみですね。
そういえば先生ばかりの学校4コマというと「教艦ASTRO」が自分は思い浮かぶのですが、あちらは・・・いつ・・・いや、何も言うまい。待ってるデス。
teti先生の作品。ラブコメ。おきまりラブ
オタクな男子高校生と、まさかの運命的な出会いを果たしてしまった・・・と思い込んでしまった少女漫画マニアな女子高生がいきなり告白してしまいます。好きな少女漫画の出会いの場面とカブってしまったんだとか。
女子高生・みのるは自分のイメージする理想的な恋愛シチュエーションをリアルに実現するために、仮の彼氏彼女の関係を作り上げただけで、別にオタク男子高校生を好きなわけではないです。男子の方も同じような感じで、恋人とやってみたい2次元的なシチュを実現させたいだけで、彼女に無遠慮にメイド服着せたりします。互いが互いを利用している、「趣味のため」と結構割り切った関係です。
でも、そこから少しずつ変わっていっている・・・?ような、そんな微妙で曖昧な、初々しい雰囲気がたまらんのです!
だんだんと変わっていっているんですよね。自分を物語のヒロインに見立てて楽しむのではなく、彼とすごす時間そのものが自然と楽しくなっていっている。イイヨイイヨー
こういう作品なら少々のエロ要素も映えると思うので、それも期待したいですね・・・!
巻末。白滝キノコ先生の作品。びぎなーず9
野球好きという趣味も外見もどこかボーイッシュな主人公、たま。
けれど入学した先は野球部の無かった!ということで新しく立ち上げようとするのですが・・・という野球をベースにした学園コメディな作品。これからキャラも増えていくことでしょう。
絵柄がデフォルメの効いて親しみやすい上、他のミラク作品と被っていませんので結構目立ちますね。オリジナリティも感じます。魅力のある絵。
しかしいくつか見づらい構図もありましたね。4コマというある程度限定されたコマ割の中で、スポーツという複雑な動きやアングルを描く必要のある題材を選んでいるので、難易度は高そう。
そこの描写を本格的にする必要はこの作品には無いとは思いますが、頑張って欲しい所!
では、雑誌としての総括。
「もっと、自由に4コマを」というキャッチフレーズを掲げ創刊したミラク。
ビジュアル性の高い誌面を目指しているようですが、実際作画のレベルは高かったです。
ほとんどの参戦作家さんがマンガ初挑戦の新人作家・・・ということを事前にアナウンスしていて、確かに楽しみでしたが不安も感じていたのは確かです。が、全くの杞憂に終わりました。
雑誌としての作品バランス・・・というのは、4コマ雑誌に今回(ほぼ)初挑戦な自分は考えられませんでしたが、よかったと思います。掲載順も違和感なく、題材モロかぶりというケースも無し。
個人的には全力で笑いを取りに来てるような作品があと少しあればなとは感じましたが。
どの作品も整っていて読みやすいのですが、雑誌としては「なんじゃこりゃ」な作品もあってくれた方が楽しめると言えば楽しめるんですよねw読者自身がツッコミ役になれるような。でもそれをあえて求めるのも違いますかね。
思っていた以上に楽しめたというのは間違いないです。特にチェックしていきたい作家さんは小波ちま先生、タチ先生、はりかも先生、奄美あまゆ先生、パイン先生、CUTEG先生あたり。
ミラク2号目は5月発売予定。隔月発売になるのでしょうか。
面白かったので次号にも期待しています。
どうせなので掲載作品全部触れたいなぁ、ということでここからオマケ?の1行感想。
上で取り上げなかった作品についてざらっと行きます。作家さんの敬称略。
・純粋欲求系リビどる/眉毛
主人公の妄想でしたオチが序盤頻発して、後半の流れに乗るのに最初手間取りました。
絵柄は非常にポップで可愛らしいです。数少ない男の子主人公。
・夜森の国のソラニ/はりかも
カラーが質感がよかったです。しかしちょっと絵柄に特徴が無さ過ぎている気が。
作品のファンタジックな世界観は結構お気に入り。夜森ちゃんツボ。
・前から2両目/name
主人公の女の子の濃いキャラが面白かったですw活き活きしてるなー!
・Good naight! Angel/柊ゆたか
ちょっぴりアクション。主人公でバックベアードちゃんを想起。可愛い髪型。
・月曜日の空飛ぶオレンジ。/あfろ
イラストレーターの漫画だなぁという感じが凄い。魅せる構図を連発してます。
この作品の理科の先生は意味わかんなくて好きでした。あとミラクはスイカがお好き。
・にじげんめのうた/川井マコト
ニコ動を元ネタにしている作品。黒歴史をいじられる梅乃ちゃん涙目かわいい!
・きしとおひめさま/パイン
ショッキングな展開と言えばこれがありましたね。素直に続きが気になります。
途中の結婚でフラグを感じましたが、まさかやられるとはという感じでした。
・Seed/双三ヒロ
描き込み量に目を引かれます。こういうよくわかんない生き物がたくさんいる世界観好き。
・スイート マジック シンドローム/CUTEG
笑顔の女の子たちはケーキよりもあまーい。ふわふわです。
・ルンルルコミュニケーション/さがら梨々
トースターで射撃してくる主人公ww面白いキャラが大勢いて賑やかな作品。
ちゃんと単行本化して欲しいなー。テンポの良さが魅力的。
・るーてぃんルーティン/パインパ
オフ会開催のために動きだした人々。これも読みやすかった作品の1つ。
・副33三色パンチ/にき
まさかのカマドウマ落ち。各キャラの特徴が明確になってくれば楽しめそうです。
粗くなりましたが以上!
[本]それぞれの新たな決意。ヒロイン分裂ラブバトル! 『ウワガキ』2巻
では、通常更新。
だからこれからは 小秋を好きになっていく
Fellows!にて連載中、八十八良先生の「ウワガキ」2巻が発売されました。
ラブコメでありつつもちょっと緊迫感のある設定に味わい深さがある本作。
1巻がまさかの引きで終了してしまったのもあり、2巻の発売が待たれていました。
ではさっそく感想へー。
1巻は取り上げてなかったので、大まかなあらすじから。
主人公・アジオは、同じクラス女子・千秋に告白する・・・前に先読みされて撃沈。
そんな気まずい状況に突然現れた教師・山田は「実験」と称して、謎の力で千秋を2人に分裂させた。混乱するアジオと2人の千秋をスルーし、山田先生は彼らに実験内容を説明。
曰く、既に恋人がいる千秋とアジオが相思相愛になることは難しい。
しかし恋人の情報のみを削除した新しい「千秋」ならば、どうだろう。
もとの千秋には今の恋人と愛を育んでもらい、アジオにはコピーされた「千秋」との新しい恋愛に挑んでもらう。そして"好きな気持ち”が小さい千秋は、より気持ちの大きい千秋にウワガキされてしまう・・・つまり、己の存在を懸けて恋愛をする実験。
恋人の情報が削除されたコピー千秋は「小秋」と名乗り、アジオ宅に住むことになります。
そして日常を共に過ごすうちに、小秋のアジオへの想いは少しずつ変化し、また大きくなっていっているようで。しかし既に確実な恋人がいる上に、彼にベタ惚れな千秋にこのラブゲームはかなり分がある・・・どうなるアジオ&小秋!・・・と思いきやですよ。
号泣する千秋・・・。恋人である佐藤から、一方的な別れを切り出されました。
2巻序盤は千秋と佐藤を巡るエピソードが続くわけですが、結局、2人は別れます。
26Pで「今までありがとう さようなら!」と笑顔で、きっぱりさっぱり佐藤の元から去る彼女ですが・・・その後涙をボロボロ流して精神不安定状態に。
不満も未練もたらたらです。2巻の千秋を見るに、別れた後も佐藤への想いは抱き続けているみたいで・・・。
佐藤の前でだけは元気で聞き分けの良い女の子。けれどそれは全部演技だったのでしょう。彼のために、と言うのは都合がよすぎるかも知れませんが、恐らく、彼の中の自分が「いい女の子」のままでいられるように、綺麗な思い出で終われるように。
なんて辛い、自己犠牲。怒りを爆発させてしまえばよかったのに。軟弱な佐藤のことだから、泣きつけばヨリを戻せたかもしれない。でもそれをしないのが彼女の弱さでもあり、誇れる強さ。
144Pでも少し涙ぐんでいます。立派ですが、でもやっぱりまだ女の子なんだな。
終わってしまった恋。もう、実験の敗者は千秋で決まったも同然。
けれど負けてしまったら、自分だけが持っている佐藤との楽しかった日々の思い出まで「千秋」の中から消えてしまう。思い出には何の罪もないのに。
そして千秋はこの実験に再び立ち向かっていくことに決めるのでした。
2巻における千秋サイドの話は非常にシリアスで心苦しいものでしたが
意外な方向から活路を見出し、再び立ち上がる彼女には胸を熱くさせられました。
それにしても彼女はかなーり複雑で切ない胸中にあると思いますが・・・
アジオたちの前ではちゃんといつも通りでいて、空気もしっかり読んで行動しているあたり、やっぱり間違いなく「いい女の子」だなと思うのです千秋は。幸せになってくれー。
・・・でも小秋もすっごいかわいくて。どうすればいいんだ・・・。
千秋サイドがシリアスでキワキワな展開に突入してる裏で、初々しいラブコメを繰り広げているアジオ&小秋。着実に2人の気持ちが近づいていっていることが非常に分かりやすく、ニヤニヤを禁じえないというものです!2人同じバイトをすることを前提にしていて話がかみ合わず、自分の思い違いに顔を赤くする千秋には全俺ガッツポーズの巻!かわいすぎー!
2人で一緒にいることがもう当然になってしまっている距離感。一緒に住んでればそうなるか!
千秋側がひどかったので、小秋サイドに心安らいだのは言うまでもないことですw
しかしそんな中、アジオは今の小秋との関係に違和感を覚えるようになります。
というのも、アジオが千秋を好きになったきっかけが、そもそも千秋の恋人・佐藤の存在を前提にしたものであったのです。小秋は千秋と瓜二つ・・・というかほぼ全く同一の人間ですが、小秋は「アジオが好きになった千秋」とは間違いなく、違うのです。
アジオが抱く小秋への恋心は、千秋への恋心の裏返し。だからこそアジオは頭を悩ませます。自分が好きなのは昔の千秋なのか、今の小秋なのか。それ以前に、小秋に恋をしていていいのか。千秋と小秋は、別の女の子なのだから、「千秋が好きだから小秋も好き。だから付き合う」なんて、そんなことは許されない!
そしてヘタレ男子アジオの精いっぱいな決意!小秋へ「これからは小秋を好きになっていく」とまっすぐに宣言してみせたのでした!
そして初めてのキス!アジオと小秋はもう止まらない!
11話の2人はかわいすぎてなんなのこの2人はという感じでした。ぬおぁー。
と、千秋と小秋両サイドの話について書いてきましたが、2巻ではこれまで交わりの無かった2つのルートがちょっと意外なところで繋がったりしました。
アジオと佐藤がバイト先で出会い、親交を深め出します。
アジオは佐藤が千秋の恋人であるとも、また別れたとも知りません。佐藤はもちろん千秋のコピーである小秋の存在も、アジオが彼女と同居していることも知りません。
面白い形でドラマが絡み合いだしましたね。これは先が楽しみ。
佐藤はこのまま物語から姿を消すかと思いきや、まだまだ重要人物とすての立ち位置は揺るがず、この先にも活躍がありそうです。ちょっとムカつく男ですが、面白いキャラクターです。(凄いカッコつけた自己中心的な別れ方を千秋としてましたしね。なんだコイツ)
さらりと「俺の同居人」とか言って新しい恋人(佐和さんと言うらしい)を紹介したりもしました。この女性もまた今後物語の中で面白い動きをしてくれそうですね。
ではまとめ。
2巻はちょっとストーリーに進展は少なかったです。まぁ1巻がいきなり超展開なラストで終わったので、落ちついたという感じでしょうか。
それでも気になる展開は続いた巻となっていると思います。多数のキャラに転機が訪れますし、面白い動きを見せます。2巻終盤からは物語のテンションが再浮上を始め、今後もやはり見逃せません!
作者の八十八良先生は成年向けで活躍している作家さんですが、「ウワガキ」はエロ要素などを無理に挿入せずに丁寧に物語を描いているなぁという好印象。この作品に無駄なエロは必要ないと思いますので。シンプルでポップな絵柄は女性も親しみやすいと思います。
今回は描き下ろしのオマケページも盛りだくさん。嬉しいサービス。
2巻は現在発売中のFellows最新号掲載分までが収録されているので
4月発売の号で2巻の続きが読めます。気になる方はチェックしてみてはいかがでしょう。
まぁ4分冊して1冊ずつ週刊として発売する、というおかしなこと計画してますがw
コミックナタリー→育ちすぎて4分冊!4月のFellows!は“週刊フェローズ”
掲載作品でも雑誌そのものの動向でも、読者を楽しませてくれる雑誌ですねぇFellows。
いよいよ物語は後半戦へ突入(?)。まだまだ注目していきたい作品です。
『ウワガキ』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
ひりひり切ない千秋パートと、初々しいラブコメ全開な小秋パート。どちらも面白いです。
ウワガキ 2巻 (ビームコミックス) (2011/03/14) 八十八 良 商品詳細を見る |
だからこれからは 小秋を好きになっていく
Fellows!にて連載中、八十八良先生の「ウワガキ」2巻が発売されました。
ラブコメでありつつもちょっと緊迫感のある設定に味わい深さがある本作。
1巻がまさかの引きで終了してしまったのもあり、2巻の発売が待たれていました。
ではさっそく感想へー。
1巻は取り上げてなかったので、大まかなあらすじから。
主人公・アジオは、同じクラス女子・千秋に告白する・・・前に先読みされて撃沈。
そんな気まずい状況に突然現れた教師・山田は「実験」と称して、謎の力で千秋を2人に分裂させた。混乱するアジオと2人の千秋をスルーし、山田先生は彼らに実験内容を説明。
曰く、既に恋人がいる千秋とアジオが相思相愛になることは難しい。
しかし恋人の情報のみを削除した新しい「千秋」ならば、どうだろう。
もとの千秋には今の恋人と愛を育んでもらい、アジオにはコピーされた「千秋」との新しい恋愛に挑んでもらう。そして"好きな気持ち”が小さい千秋は、より気持ちの大きい千秋にウワガキされてしまう・・・つまり、己の存在を懸けて恋愛をする実験。
恋人の情報が削除されたコピー千秋は「小秋」と名乗り、アジオ宅に住むことになります。
そして日常を共に過ごすうちに、小秋のアジオへの想いは少しずつ変化し、また大きくなっていっているようで。しかし既に確実な恋人がいる上に、彼にベタ惚れな千秋にこのラブゲームはかなり分がある・・・どうなるアジオ&小秋!・・・と思いきやですよ。
号泣する千秋・・・。恋人である佐藤から、一方的な別れを切り出されました。
2巻序盤は千秋と佐藤を巡るエピソードが続くわけですが、結局、2人は別れます。
26Pで「今までありがとう さようなら!」と笑顔で、きっぱりさっぱり佐藤の元から去る彼女ですが・・・その後涙をボロボロ流して精神不安定状態に。
不満も未練もたらたらです。2巻の千秋を見るに、別れた後も佐藤への想いは抱き続けているみたいで・・・。
佐藤の前でだけは元気で聞き分けの良い女の子。けれどそれは全部演技だったのでしょう。彼のために、と言うのは都合がよすぎるかも知れませんが、恐らく、彼の中の自分が「いい女の子」のままでいられるように、綺麗な思い出で終われるように。
なんて辛い、自己犠牲。怒りを爆発させてしまえばよかったのに。軟弱な佐藤のことだから、泣きつけばヨリを戻せたかもしれない。でもそれをしないのが彼女の弱さでもあり、誇れる強さ。
144Pでも少し涙ぐんでいます。立派ですが、でもやっぱりまだ女の子なんだな。
終わってしまった恋。もう、実験の敗者は千秋で決まったも同然。
けれど負けてしまったら、自分だけが持っている佐藤との楽しかった日々の思い出まで「千秋」の中から消えてしまう。思い出には何の罪もないのに。
そして千秋はこの実験に再び立ち向かっていくことに決めるのでした。
2巻における千秋サイドの話は非常にシリアスで心苦しいものでしたが
意外な方向から活路を見出し、再び立ち上がる彼女には胸を熱くさせられました。
それにしても彼女はかなーり複雑で切ない胸中にあると思いますが・・・
アジオたちの前ではちゃんといつも通りでいて、空気もしっかり読んで行動しているあたり、やっぱり間違いなく「いい女の子」だなと思うのです千秋は。幸せになってくれー。
・・・でも小秋もすっごいかわいくて。どうすればいいんだ・・・。
千秋サイドがシリアスでキワキワな展開に突入してる裏で、初々しいラブコメを繰り広げているアジオ&小秋。着実に2人の気持ちが近づいていっていることが非常に分かりやすく、ニヤニヤを禁じえないというものです!2人同じバイトをすることを前提にしていて話がかみ合わず、自分の思い違いに顔を赤くする千秋には全俺ガッツポーズの巻!かわいすぎー!
2人で一緒にいることがもう当然になってしまっている距離感。一緒に住んでればそうなるか!
千秋側がひどかったので、小秋サイドに心安らいだのは言うまでもないことですw
しかしそんな中、アジオは今の小秋との関係に違和感を覚えるようになります。
というのも、アジオが千秋を好きになったきっかけが、そもそも千秋の恋人・佐藤の存在を前提にしたものであったのです。小秋は千秋と瓜二つ・・・というかほぼ全く同一の人間ですが、小秋は「アジオが好きになった千秋」とは間違いなく、違うのです。
アジオが抱く小秋への恋心は、千秋への恋心の裏返し。だからこそアジオは頭を悩ませます。自分が好きなのは昔の千秋なのか、今の小秋なのか。それ以前に、小秋に恋をしていていいのか。千秋と小秋は、別の女の子なのだから、「千秋が好きだから小秋も好き。だから付き合う」なんて、そんなことは許されない!
そしてヘタレ男子アジオの精いっぱいな決意!小秋へ「これからは小秋を好きになっていく」とまっすぐに宣言してみせたのでした!
そして初めてのキス!アジオと小秋はもう止まらない!
11話の2人はかわいすぎてなんなのこの2人はという感じでした。ぬおぁー。
と、千秋と小秋両サイドの話について書いてきましたが、2巻ではこれまで交わりの無かった2つのルートがちょっと意外なところで繋がったりしました。
アジオと佐藤がバイト先で出会い、親交を深め出します。
アジオは佐藤が千秋の恋人であるとも、また別れたとも知りません。佐藤はもちろん千秋のコピーである小秋の存在も、アジオが彼女と同居していることも知りません。
面白い形でドラマが絡み合いだしましたね。これは先が楽しみ。
佐藤はこのまま物語から姿を消すかと思いきや、まだまだ重要人物とすての立ち位置は揺るがず、この先にも活躍がありそうです。ちょっとムカつく男ですが、面白いキャラクターです。(凄いカッコつけた自己中心的な別れ方を千秋としてましたしね。なんだコイツ)
さらりと「俺の同居人」とか言って新しい恋人(佐和さんと言うらしい)を紹介したりもしました。この女性もまた今後物語の中で面白い動きをしてくれそうですね。
ではまとめ。
2巻はちょっとストーリーに進展は少なかったです。まぁ1巻がいきなり超展開なラストで終わったので、落ちついたという感じでしょうか。
それでも気になる展開は続いた巻となっていると思います。多数のキャラに転機が訪れますし、面白い動きを見せます。2巻終盤からは物語のテンションが再浮上を始め、今後もやはり見逃せません!
作者の八十八良先生は成年向けで活躍している作家さんですが、「ウワガキ」はエロ要素などを無理に挿入せずに丁寧に物語を描いているなぁという好印象。この作品に無駄なエロは必要ないと思いますので。シンプルでポップな絵柄は女性も親しみやすいと思います。
今回は描き下ろしのオマケページも盛りだくさん。嬉しいサービス。
2巻は現在発売中のFellows最新号掲載分までが収録されているので
4月発売の号で2巻の続きが読めます。気になる方はチェックしてみてはいかがでしょう。
まぁ4分冊して1冊ずつ週刊として発売する、というおかしなこと計画してますがw
コミックナタリー→育ちすぎて4分冊!4月のFellows!は“週刊フェローズ”
掲載作品でも雑誌そのものの動向でも、読者を楽しませてくれる雑誌ですねぇFellows。
いよいよ物語は後半戦へ突入(?)。まだまだ注目していきたい作品です。
『ウワガキ』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
ひりひり切ない千秋パートと、初々しいラブコメ全開な小秋パート。どちらも面白いです。
[日記]報告までに。
ご存知の通り、3月11日に大変な災害が日本を襲いました。
自分は現在愛知在住、実家は岐阜ということで、直接的な影響はありませんでした。
自分がこのブログで出来ることは、まずいつも通りであることかと考えました。
最近ちょいと更新頻度が落ち込んでいましたが、特に忙しい時期は脱しましたので
今後はまたちょいちょいと通常更新をして行こうと思っています。
先日に40万ヒットを突破しました。このブログを長く続けていきたいです。
短い更新になりましたが、以上。
誰も心配なんかしてないと思いますが、無事ですよという一応の報告でした。
自分は現在愛知在住、実家は岐阜ということで、直接的な影響はありませんでした。
自分がこのブログで出来ることは、まずいつも通りであることかと考えました。
最近ちょいと更新頻度が落ち込んでいましたが、特に忙しい時期は脱しましたので
今後はまたちょいちょいと通常更新をして行こうと思っています。
先日に40万ヒットを突破しました。このブログを長く続けていきたいです。
短い更新になりましたが、以上。
誰も心配なんかしてないと思いますが、無事ですよという一応の報告でした。
[本]刹那的、オンナノコ。 『女の子のすべて』
女の子っていいよねぇということを長々綴るちょっと気持ちの悪い更新!
痛くてもいいよ 海ちゃん
コミック売り場で表紙に一目ぼれ。そして大当たり。
シガレットコミックスから発売されました、山田酉子先生の「女の子のすべて」です。
この清楚な表紙イラストにはちょっと不釣り合いな感じしますが、黄色い楕円が表紙右上にある通り、成年向け作品となっていますので注意。
シガレットコミックスというのは昨年8月に出来た比較的新しいレーベルで、女性向け作品を数多く出版している松文館が販売元ということもあり、女性向け成年漫画レーベルです。
作者の山田酉子先生は現在はBL漫画を中心に活動しているようですが、オビによると5年ほど前に1年間だけ成年向け作品を描いており、本作はそれをまとめた短編集ということですね。
では内容へ。
10の短編を収録。うち9作は16ページとコンパクトで読みやすい構成です。
一方で内容はかなりシリアスで、毒の強い作品も含まれています。
また成年向け作品ということで、程度の違いはあれ大半の作品にそういう描写はされています。まぁこれ買う人は18歳以上なので別段問題ないです。
登場人物はみんな学生の女の子たち、男の子たち。思春期全開。
では特に気になった作品をいくつか詳しく。いくつかと言いつつ半分以上ですが・・・!
けれどその彼女が、校内で彼氏と激しい行為に及んでいるのを目撃してしまう・・・。
自分も彼氏持ちなのにどうしようもなくその女の子に興味を持ってしまい、また影響されてしまう主人公がなんとも可愛らしかったですが、最後にむりやりにキスをしておきながらラストで「わたしの夏の恋は一瞬で終わった」と完結させてしまうのが面白い。切なさより、笑顔。
情熱的で、でも凄く乾いた世界観。
様々な「少女像」を描く本作ですが、この短編に登場する女の子たちは、この単行本としては結構分かりやすいほうのキャラ。
何を考えているのか、どうしてその行動をとるのか、理解をすることはできます。
理解できるけれど、それも面白い。その選択肢を選べるのかーっていう。女の子だなぁ。
いつも傷だらけな少女。それを憂う主人公の男の子。けれど事の真相は、少女は無茶苦茶にされることで「支配されている実感・悦び」を得ていたというもの。
傷つけられるのは、本人たっての希望だったのです。マゾか!
けれどそれによって確かに安心できるという少女。
主人公としては、好きな女の子にそんな破滅的思考を抱き続けられては気が気が出ない。
苦肉の策として彼女を所有しているという印を、彼女の身体に付けることに。
重いテーマでしたが、ラストはなかなかに微笑ましいものとなっています。
作中、主人公が「神埼さんって意味わかんねー」とぼやきますが、これがこの作品に共通する感情だなと思いました。そう、意味が分からない。
同じ人間なのに男の子とは明らかに違う、異性。いや時として同姓であっても理解できない女の子。だから魅かれる。んでもって可愛いんだから、しょうがないです。
レイプされたお返しに、学校でちょっとしたサプライズを仕掛けた少女。
真意の読めない女の子と、彼女に翻弄されながらも罪悪感に悩まされる男の子。
上手く言えない気持ちを伝えるため、または偽るため、身体を重ねたりする。
女の子はどこか諦観してて、なんとかしてあげたいなと思っても、もう自分の手が届くところにいなかったりする。切ないけれど、現実はそういうものなのかもしれない。
こういう時男の子ってのは弱いなぁ。情けないなぁ。そういうのも可愛いですけどね。
上手くシナリオに載せられて泣けてしまいました。オチも秀逸。
あとがきで作者も書いてましたが、「女の武器」という言葉は、面白いトゲがある。
はっきりとした寂しさが伝わる作品。性描写も至極あっさりとしてて、しかし必然性のあるものになっていてよかったです。黒髪セミロングの幽霊っ娘というのもツボでございまする。
生きてるようで死んでいて、優しいようで冷たくて、ちょっと捻くれている。
主人公の前に現れて、そして去っていった彼女を思うと、堪らない気持ちになります。
結局主人公は彼女に対して何かをしてあげることができたのか。彼女は満たされたのか。
温もりのある虚無感。
男の子はきっといつまでもその女の子を忘れられないんだろう。呪いみたいに。
画像の彼女の表情や視線には何度も心を不安定にさせられます。
子どものことは仲のいい二人でしたが、成長するにつれ少しずつズレてゆき・・・
しかし高校生になったある日、人気のない公園でレイプされている姉を発見する妹。
秘密の共有から始まる、かすかで新しい絆。しかしそれも長くは続かない。
通じ合えない、理解ができないことの切なさ、もどかしさ。
でもそういう思いを抱いているだけで、主人公は選ばれた立場にあるのでは。
肉親であること以上に、そこには愛情でも友情でもない繋がりがあったように感じる。
人差し指を口元に当てる姉の夢は、妹を突き放している冷たさと、「いつでも見てる、ここで待ってる」そんなメッセージがあるようにも思えてしまったりします。
謎めいた生(性)のまま、どこかへ消えていった姉。ただ記憶が残るのみ。
ラストには切なさと同時に清涼感も味わわせてもらいました。堪んない。
少女が見つめる「少女の性」「少女の不思議」。
やっぱりこれも、よく分からないから惹かれてしまう、とかそういう。
ミステリアスな登場人物ばかりな上、切ないラストを迎えることが多い本作の中で、初々しいまっすぐな男の子と女の子が主人公なこの「秘密の裏庭」は存在感あります。
これを最後に持ってきてくれたのは嬉しいですねぇ。構成良し。
ストレートな青春恋物語ですが、幼年期の性、そして現在の男の子と女の子、それぞれの性を描いた内容となっています。性への目覚めって、少し恐くて、でも楽しいものなのかも。
女子高に通う主人公と、その幼なじみの引き籠りの少年。
なんでもない風を装っているけれど、どこか昔とは違う、ギクシャクした感覚を多分お互いが感じてる。でもそれを口に出したり、改善のため行動する勇気は無い。
昔よく2人でかくれたしげみ
今はもう、海ちゃんひとり隠れることもできない
自分たちはもう子供では無い。成長してしまった。
けど大人というにはまだあまりにも幼く、不器用なことしかできない。
だからこそ真正面から「セックスしよう」とぶつかっていった主人公が熱かったですね!
頭脳戦なんてできるほど要領よくないですからね、肉弾戦でしか勝負できない。
もっと近づきたい。もっと触れたい。よろしい、ならばセックスだ。
深く繋がって、感じ合って、体温で、鼓動で、気持ちを伝えよう。
大人になっていく、子供な少年少女。思春期のむず痒さや恋の喜び、いろんな感情が詰まった秀作です。2人ともかわいいなぁー・・・。
ではまとめ。
凄い単行本でした。絵も言葉も、雰囲気に解かされて敏感にされた心をズクズク責める。
別れや喪失を描いた作品が多く、非常に切ない単行本となっています。
そして「女の子」へのロマンに充ち満ちています。自分が勝手に抱いてる少女へのロマンに、見事にシンクロしているかのような。
「女の子」って神秘の象徴なんじゃないかなと思います。男女問わず年齢問わず、どこかミステリアスなイメージを抱いてしまうのでは。可愛らしい外見ですが、内に何を潜めているのか分からない恐ろしさ。自分を乱されるような強烈な魅力。惑わされる背徳感。穢れようとも失われない清純、凛とした存在感。本作はそれらをしっかり実感させてくれます。
成年向け作品ということでちょっと過激な性描写も一部見られました。
エロの要素としてはノーマルの他に、近親相姦(兄/父)、輪姦、レイプ等。
しかし多くが雰囲気重視の淡泊なもので、男性的なエロでは無いです。
抜きツールとしてはそれほどパワーのある作品であるとは思えません。
殆どエロ描写のない作品もあることから、エロを重視した単行本ではないということです。
女性向け成年漫画ということですが、ディープにいやらしい感じはしませんので
普段成年向けなんて読まないなぁという女性にも、もちろん男性にもオススメできる作品。
良くも悪くも雰囲気重視の作品です。自分は完全にハマりました。絶望的に。
それでここまで結構長く書いてきてアレですが、とにかく言葉にし辛い作品でした。
こういうブログやってる人間がこんな事言うのはどうかとは思いますが。
ストーリー性の強い作品は多くありません。ただ、その短いページに込められた異様なまでの痛みやセンチメンタルは、もはやロマンティックとしか言いようがない。
ほんっとに大好きな作品なんですけど、多分このレビューで自分が言いたいこと半分も言えてません。まぁしょうがない、ロマンは言葉にしたら白けてしまうのです。自分の力不足でもあり。
一番言いたいことはこれです。
弱くて、強くて、近いような遠いような、怖くて、可愛くて、大好き。
女の子って、いいよなぁ。
よく見えないものは、もっと覗きこみたくなってしまう。でも全然分からないから、もっと身を乗り出して覗きこむ。そして井戸の中に落っこちる。戻れなくなる。ドツボですよもう。
素晴らしい作品でした。感服。
『女の子のすべて』 ・・・・・・・・・★★★★★
ピッタリ波長の合う人にはたまらないであろう1冊。うっとりする、残酷で綺麗な少女風景。
女の子のすべて (シガレットコミックス) (2011/02/28) 山田 酉子 商品詳細を見る |
痛くてもいいよ 海ちゃん
コミック売り場で表紙に一目ぼれ。そして大当たり。
シガレットコミックスから発売されました、山田酉子先生の「女の子のすべて」です。
この清楚な表紙イラストにはちょっと不釣り合いな感じしますが、黄色い楕円が表紙右上にある通り、成年向け作品となっていますので注意。
シガレットコミックスというのは昨年8月に出来た比較的新しいレーベルで、女性向け作品を数多く出版している松文館が販売元ということもあり、女性向け成年漫画レーベルです。
作者の山田酉子先生は現在はBL漫画を中心に活動しているようですが、オビによると5年ほど前に1年間だけ成年向け作品を描いており、本作はそれをまとめた短編集ということですね。
では内容へ。
10の短編を収録。うち9作は16ページとコンパクトで読みやすい構成です。
一方で内容はかなりシリアスで、毒の強い作品も含まれています。
また成年向け作品ということで、程度の違いはあれ大半の作品にそういう描写はされています。まぁこれ買う人は18歳以上なので別段問題ないです。
登場人物はみんな学生の女の子たち、男の子たち。思春期全開。
では特に気になった作品をいくつか詳しく。いくつかと言いつつ半分以上ですが・・・!
自分とは違う、小さく華奢で頼りない、可愛らしい"女の子"。夏の魔物
けれどその彼女が、校内で彼氏と激しい行為に及んでいるのを目撃してしまう・・・。
自分も彼氏持ちなのにどうしようもなくその女の子に興味を持ってしまい、また影響されてしまう主人公がなんとも可愛らしかったですが、最後にむりやりにキスをしておきながらラストで「わたしの夏の恋は一瞬で終わった」と完結させてしまうのが面白い。切なさより、笑顔。
情熱的で、でも凄く乾いた世界観。
様々な「少女像」を描く本作ですが、この短編に登場する女の子たちは、この単行本としては結構分かりやすいほうのキャラ。
何を考えているのか、どうしてその行動をとるのか、理解をすることはできます。
理解できるけれど、それも面白い。その選択肢を選べるのかーっていう。女の子だなぁ。
DVをテーマにした作品。個人的に性描写が一番マニアックでエロかった(笑顔)。わるいうわさ
いつも傷だらけな少女。それを憂う主人公の男の子。けれど事の真相は、少女は無茶苦茶にされることで「支配されている実感・悦び」を得ていたというもの。
傷つけられるのは、本人たっての希望だったのです。マゾか!
けれどそれによって確かに安心できるという少女。
主人公としては、好きな女の子にそんな破滅的思考を抱き続けられては気が気が出ない。
苦肉の策として彼女を所有しているという印を、彼女の身体に付けることに。
重いテーマでしたが、ラストはなかなかに微笑ましいものとなっています。
作中、主人公が「神埼さんって意味わかんねー」とぼやきますが、これがこの作品に共通する感情だなと思いました。そう、意味が分からない。
同じ人間なのに男の子とは明らかに違う、異性。いや時として同姓であっても理解できない女の子。だから魅かれる。んでもって可愛いんだから、しょうがないです。
表題作のヒロインはまたしても不思議。強く、不思議な女の子女の子のすべて
レイプされたお返しに、学校でちょっとしたサプライズを仕掛けた少女。
真意の読めない女の子と、彼女に翻弄されながらも罪悪感に悩まされる男の子。
上手く言えない気持ちを伝えるため、または偽るため、身体を重ねたりする。
女の子はどこか諦観してて、なんとかしてあげたいなと思っても、もう自分の手が届くところにいなかったりする。切ないけれど、現実はそういうものなのかもしれない。
こういう時男の子ってのは弱いなぁ。情けないなぁ。そういうのも可愛いですけどね。
上手くシナリオに載せられて泣けてしまいました。オチも秀逸。
あとがきで作者も書いてましたが、「女の武器」という言葉は、面白いトゲがある。
死んでしまったクラスメートは、なぜか生前大して接点の無かった主人公だけが見える幽霊になっていました。机上の花
はっきりとした寂しさが伝わる作品。性描写も至極あっさりとしてて、しかし必然性のあるものになっていてよかったです。黒髪セミロングの幽霊っ娘というのもツボでございまする。
生きてるようで死んでいて、優しいようで冷たくて、ちょっと捻くれている。
主人公の前に現れて、そして去っていった彼女を思うと、堪らない気持ちになります。
結局主人公は彼女に対して何かをしてあげることができたのか。彼女は満たされたのか。
温もりのある虚無感。
男の子はきっといつまでもその女の子を忘れられないんだろう。呪いみたいに。
画像の彼女の表情や視線には何度も心を不安定にさせられます。
双子の女の子。姉と妹の短い物語。胸の奥の小さな箱
子どものことは仲のいい二人でしたが、成長するにつれ少しずつズレてゆき・・・
しかし高校生になったある日、人気のない公園でレイプされている姉を発見する妹。
秘密の共有から始まる、かすかで新しい絆。しかしそれも長くは続かない。
通じ合えない、理解ができないことの切なさ、もどかしさ。
でもそういう思いを抱いているだけで、主人公は選ばれた立場にあるのでは。
肉親であること以上に、そこには愛情でも友情でもない繋がりがあったように感じる。
人差し指を口元に当てる姉の夢は、妹を突き放している冷たさと、「いつでも見てる、ここで待ってる」そんなメッセージがあるようにも思えてしまったりします。
謎めいた生(性)のまま、どこかへ消えていった姉。ただ記憶が残るのみ。
ラストには切なさと同時に清涼感も味わわせてもらいました。堪んない。
少女が見つめる「少女の性」「少女の不思議」。
やっぱりこれも、よく分からないから惹かれてしまう、とかそういう。
最後の最後できました、ほくほく癒し作品。かわいすぎますってーもう!秘密の裏庭
ミステリアスな登場人物ばかりな上、切ないラストを迎えることが多い本作の中で、初々しいまっすぐな男の子と女の子が主人公なこの「秘密の裏庭」は存在感あります。
これを最後に持ってきてくれたのは嬉しいですねぇ。構成良し。
ストレートな青春恋物語ですが、幼年期の性、そして現在の男の子と女の子、それぞれの性を描いた内容となっています。性への目覚めって、少し恐くて、でも楽しいものなのかも。
女子高に通う主人公と、その幼なじみの引き籠りの少年。
なんでもない風を装っているけれど、どこか昔とは違う、ギクシャクした感覚を多分お互いが感じてる。でもそれを口に出したり、改善のため行動する勇気は無い。
昔よく2人でかくれたしげみ
今はもう、海ちゃんひとり隠れることもできない
自分たちはもう子供では無い。成長してしまった。
けど大人というにはまだあまりにも幼く、不器用なことしかできない。
だからこそ真正面から「セックスしよう」とぶつかっていった主人公が熱かったですね!
頭脳戦なんてできるほど要領よくないですからね、肉弾戦でしか勝負できない。
もっと近づきたい。もっと触れたい。よろしい、ならばセックスだ。
深く繋がって、感じ合って、体温で、鼓動で、気持ちを伝えよう。
大人になっていく、子供な少年少女。思春期のむず痒さや恋の喜び、いろんな感情が詰まった秀作です。2人ともかわいいなぁー・・・。
ではまとめ。
凄い単行本でした。絵も言葉も、雰囲気に解かされて敏感にされた心をズクズク責める。
別れや喪失を描いた作品が多く、非常に切ない単行本となっています。
そして「女の子」へのロマンに充ち満ちています。自分が勝手に抱いてる少女へのロマンに、見事にシンクロしているかのような。
「女の子」って神秘の象徴なんじゃないかなと思います。男女問わず年齢問わず、どこかミステリアスなイメージを抱いてしまうのでは。可愛らしい外見ですが、内に何を潜めているのか分からない恐ろしさ。自分を乱されるような強烈な魅力。惑わされる背徳感。穢れようとも失われない清純、凛とした存在感。本作はそれらをしっかり実感させてくれます。
成年向け作品ということでちょっと過激な性描写も一部見られました。
エロの要素としてはノーマルの他に、近親相姦(兄/父)、輪姦、レイプ等。
しかし多くが雰囲気重視の淡泊なもので、男性的なエロでは無いです。
抜きツールとしてはそれほどパワーのある作品であるとは思えません。
殆どエロ描写のない作品もあることから、エロを重視した単行本ではないということです。
女性向け成年漫画ということですが、ディープにいやらしい感じはしませんので
普段成年向けなんて読まないなぁという女性にも、もちろん男性にもオススメできる作品。
良くも悪くも雰囲気重視の作品です。自分は完全にハマりました。絶望的に。
それでここまで結構長く書いてきてアレですが、とにかく言葉にし辛い作品でした。
こういうブログやってる人間がこんな事言うのはどうかとは思いますが。
ストーリー性の強い作品は多くありません。ただ、その短いページに込められた異様なまでの痛みやセンチメンタルは、もはやロマンティックとしか言いようがない。
ほんっとに大好きな作品なんですけど、多分このレビューで自分が言いたいこと半分も言えてません。まぁしょうがない、ロマンは言葉にしたら白けてしまうのです。自分の力不足でもあり。
一番言いたいことはこれです。
弱くて、強くて、近いような遠いような、怖くて、可愛くて、大好き。
女の子って、いいよなぁ。
よく見えないものは、もっと覗きこみたくなってしまう。でも全然分からないから、もっと身を乗り出して覗きこむ。そして井戸の中に落っこちる。戻れなくなる。ドツボですよもう。
素晴らしい作品でした。感服。
『女の子のすべて』 ・・・・・・・・・★★★★★
ピッタリ波長の合う人にはたまらないであろう1冊。うっとりする、残酷で綺麗な少女風景。