[漫画]夏は遊ぼう!海へ行こう! 『琴浦さん』3巻
流行りの「ザ・インタビューズ」はじめてみましたが、遊び方が結構難しいですねこれ。
海にきてよかった・・・かな?
わーい、2巻からしばらく経ちまして、3巻も発売されました「琴浦さん」です。
心が読める能力を持つ女の子・琴浦さんをメインに繰り広げられるラブコメを描く作品。
海に行ったり、新キャラがひと夏の恋に燃えたり、この3巻は夏モードです。
今回のゲスト寄稿が801ちゃんの小島アジコ先生でちょっとびっくり。
では感想ー。
心が読めるから恋をした。さみしがり屋な女の子が取り戻した笑顔に乾杯 『琴浦さん』1巻
相変わらず琴浦さんと真鍋のラブコメちゅっちゅぷりにはニヤニヤしてしまう第3巻。
しかし2巻からこの3巻の前半に続いている第3部はかなり異色のシリーズとなっており、サスペンスチックな展開が繰り広げられています。
琴浦さんが偶然街中で、殺人事件の犯人の心を読んでしまったことから、恐ろしい事態に巻き込まれていくという始まり。この作品らしい間の抜けた雰囲気も残しつつ、緊迫感が漂う内容。
2巻に収録された分ではありますが、死人が出たりしました。ギャグでなくシリアスに。
日常ラブコメ4コマ漫画でありながら、こうまで重い空気をつくってくるのは珍しい気がします。
合間合間にはいるコメディパートで中和はされているものの、どういう展開になるかドキドキしながら読みました。けっこう恐いし・・・。
この作品、1巻の頃からキャラクターのひどい闇の部分をあえて描いており、そこが面白い部分なのですが、ここまで方向を振り切ってきたのには少々ビックリしましたね。
この第3部で最も印象的だったのがこのシーン。彼女の成長が表れている気がします。
琴浦さんが、自分からこの能力を使って捜査に協力するよう願い出たのでした。
これってなかなかすごいことだなぁと、書いてて改めて思いますね。
かつての彼女は、その能力のせいで人のイヤな心が見えすぎてしまったり、そのせいで付き合いが難しくなったことから、他人から恐がられたり、疎まれたり、いじめられたり・・・。
初期の彼女を見ると、自分の能力をポジティブに捉えることは出来てなかった感じです。せっかくの能力なのに、むしろそれを恨んでいるみたいに。
それが今回、彼女自ら、誰かのためにこの能力を提供しようとするのです。こんなの、自信がなきゃできません。新しい自信が、かつてのトラウマの拘束力を上回ったのですね。
これは成長と呼べる、とてもいい前進です。
そしてこの変化の理由は、きっと真鍋たちとの友情や信頼が大きいのだと思います。
ヘンに思われたって、自分はもう1人ぼっちじゃない。誰かが自分を味方をしてくれる・信じてくれている。そんな思いが、彼女を前に進めたようです。
そして上の画像。「実はわたし、人の心が読めるんです!」っていう琴浦さんまじかわゆし。鼻息あらげてそうにドヤ顔する女の子はかわいいのです!
そしてそうか、この能力をドヤ顔で明かすことができるくらい、彼女は強くなったんだ。
この第3部、ラストもほんのりと切ない形で終わり、テンションの浮き沈みが激しいこの作品の中でも、過去最高にシリアスなエピソードになったと思います。
個人的には琴浦さんたちひたすらラブコメしてて欲しいのですが、こういう話も織り交ぜてくるのもこの作品の面白さでしょうね。
シリアスを抜けて番外編、続く第4部は通常営業(?)日常編!
海に遊びにいくお話なんかは大変美味しくいただきました。
「どうせ私はおっぱい小さいし!」てむくれちゃってる琴浦さんがまたかわいいうえに、ラストにはちゃんと報われてくれて満足!
この作品、ヒロインの琴浦さんも相当ひどい目に合ってるので、彼女が幸せそうに笑ってくれてるシーンがより胸にしみるのですよ。ちゃんと手料理たべさせてあげられてよかったなぁ。
1巻53ページの、お弁当を渡せないまま帰宅して自分でそれを夕ご飯にするエピソードが切なすぎて忘れられなかったので、真鍋が琴浦さんの料理食べてるシーンはどれも大好き!
せっかくの夏、もっと遊ぶぞ!ということで琴浦さんが「食い倒れツアー」を企画。
すごくテンション上がってる琴浦さんもかわいい。寝付けなくてクマできちゃってる。
琴浦さん家についに「真鍋専用茶碗」も登場。これは明らかな同居フラグ!
賑やかに部活メンバーと遊ぶことが多いので、めったに2人きりになれない彼らですが
こういう微笑ましい恋人らしい生活も、もっと見たいものですねー。
さて第4部には真鍋のおにいさんが新登場し、なぜか(失礼すぎる)森谷を好きになり、ひと夏の恋が始まってしまいます。しかし森谷も、もう諦めかけてるとは言え、真鍋のことを想い続けてるわけで・・・。
彼らの恋の行方も見逃せないところです。これも、夏らしいのではないでしょうか。
森谷さんも、初期はともかく、ここ最近は報われない娘属性付きでなかなか可愛いですね。
巻末オマケ漫画もステキにラブコメしており、最後まで楽しめました。
本編の話はここまでにして、今回の限定版の話もしてみましょう。
今回は「琴浦さんの生徒手帳」がついてきていますね。
こんな感じ。「やたら本格的」とオビにもありましたが、本当にやたらと本格的!
なかみも一部ネタに走ってる(校歌とかw)部分もありますが、本物の生徒手帳そのままな仕上がり。本文のちょっとしたイラストも、作者のえのきづさんが手がけているようです。
「健康の記録」では、琴浦さんの身体の数値がちらほら載っていたり、カレンダーには作中まだ明かされいない、キャラクターの誕生日などがメモってあったり。
メモ欄には、琴浦さんが日々どんなことを考えてるかちょっとだけ覗けるような書きこみがされており、これにはかなりニヤリとさせられますね!面白いサービス。
本編とは直接関係ないアイテムではありますが、ファンなら楽しめると思います。
この公式の動画でも紹介されてるのでチェックしてみては↓
という感じの第3巻でした。今回も様々な面で楽しませてもらいました。
10月から連載が始まるとか。4巻もいずれ発売になるということで楽しみです。
そういえば琴浦ママの久美子さんの16のときのイラストがありましたが、超ツボ!
『琴浦さん』3巻 ・・・・・・・・・★★★☆
アンバランスさに味がある作品。シリアス展開もあるけど、やはりラブコメ。
琴浦さん3 琴浦さんの生徒手帳つき初回限定版 (マイクロマガジン・コミックス) (2011/09/03) えのきづ 商品詳細を見る |
海にきてよかった・・・かな?
わーい、2巻からしばらく経ちまして、3巻も発売されました「琴浦さん」です。
心が読める能力を持つ女の子・琴浦さんをメインに繰り広げられるラブコメを描く作品。
海に行ったり、新キャラがひと夏の恋に燃えたり、この3巻は夏モードです。
今回のゲスト寄稿が801ちゃんの小島アジコ先生でちょっとびっくり。
では感想ー。
心が読めるから恋をした。さみしがり屋な女の子が取り戻した笑顔に乾杯 『琴浦さん』1巻
相変わらず琴浦さんと真鍋のラブコメちゅっちゅぷりにはニヤニヤしてしまう第3巻。
しかし2巻からこの3巻の前半に続いている第3部はかなり異色のシリーズとなっており、サスペンスチックな展開が繰り広げられています。
琴浦さんが偶然街中で、殺人事件の犯人の心を読んでしまったことから、恐ろしい事態に巻き込まれていくという始まり。この作品らしい間の抜けた雰囲気も残しつつ、緊迫感が漂う内容。
2巻に収録された分ではありますが、死人が出たりしました。ギャグでなくシリアスに。
日常ラブコメ4コマ漫画でありながら、こうまで重い空気をつくってくるのは珍しい気がします。
合間合間にはいるコメディパートで中和はされているものの、どういう展開になるかドキドキしながら読みました。けっこう恐いし・・・。
この作品、1巻の頃からキャラクターのひどい闇の部分をあえて描いており、そこが面白い部分なのですが、ここまで方向を振り切ってきたのには少々ビックリしましたね。
この第3部で最も印象的だったのがこのシーン。彼女の成長が表れている気がします。
琴浦さんが、自分からこの能力を使って捜査に協力するよう願い出たのでした。
これってなかなかすごいことだなぁと、書いてて改めて思いますね。
かつての彼女は、その能力のせいで人のイヤな心が見えすぎてしまったり、そのせいで付き合いが難しくなったことから、他人から恐がられたり、疎まれたり、いじめられたり・・・。
初期の彼女を見ると、自分の能力をポジティブに捉えることは出来てなかった感じです。せっかくの能力なのに、むしろそれを恨んでいるみたいに。
それが今回、彼女自ら、誰かのためにこの能力を提供しようとするのです。こんなの、自信がなきゃできません。新しい自信が、かつてのトラウマの拘束力を上回ったのですね。
これは成長と呼べる、とてもいい前進です。
そしてこの変化の理由は、きっと真鍋たちとの友情や信頼が大きいのだと思います。
ヘンに思われたって、自分はもう1人ぼっちじゃない。誰かが自分を味方をしてくれる・信じてくれている。そんな思いが、彼女を前に進めたようです。
そして上の画像。「実はわたし、人の心が読めるんです!」っていう琴浦さんまじかわゆし。鼻息あらげてそうにドヤ顔する女の子はかわいいのです!
そしてそうか、この能力をドヤ顔で明かすことができるくらい、彼女は強くなったんだ。
この第3部、ラストもほんのりと切ない形で終わり、テンションの浮き沈みが激しいこの作品の中でも、過去最高にシリアスなエピソードになったと思います。
個人的には琴浦さんたちひたすらラブコメしてて欲しいのですが、こういう話も織り交ぜてくるのもこの作品の面白さでしょうね。
シリアスを抜けて番外編、続く第4部は通常営業(?)日常編!
海に遊びにいくお話なんかは大変美味しくいただきました。
「どうせ私はおっぱい小さいし!」てむくれちゃってる琴浦さんがまたかわいいうえに、ラストにはちゃんと報われてくれて満足!
この作品、ヒロインの琴浦さんも相当ひどい目に合ってるので、彼女が幸せそうに笑ってくれてるシーンがより胸にしみるのですよ。ちゃんと手料理たべさせてあげられてよかったなぁ。
1巻53ページの、お弁当を渡せないまま帰宅して自分でそれを夕ご飯にするエピソードが切なすぎて忘れられなかったので、真鍋が琴浦さんの料理食べてるシーンはどれも大好き!
せっかくの夏、もっと遊ぶぞ!ということで琴浦さんが「食い倒れツアー」を企画。
すごくテンション上がってる琴浦さんもかわいい。寝付けなくてクマできちゃってる。
琴浦さん家についに「真鍋専用茶碗」も登場。これは明らかな同居フラグ!
賑やかに部活メンバーと遊ぶことが多いので、めったに2人きりになれない彼らですが
こういう微笑ましい恋人らしい生活も、もっと見たいものですねー。
さて第4部には真鍋のおにいさんが新登場し、なぜか(失礼すぎる)森谷を好きになり、ひと夏の恋が始まってしまいます。しかし森谷も、もう諦めかけてるとは言え、真鍋のことを想い続けてるわけで・・・。
彼らの恋の行方も見逃せないところです。これも、夏らしいのではないでしょうか。
森谷さんも、初期はともかく、ここ最近は報われない娘属性付きでなかなか可愛いですね。
巻末オマケ漫画もステキにラブコメしており、最後まで楽しめました。
本編の話はここまでにして、今回の限定版の話もしてみましょう。
今回は「琴浦さんの生徒手帳」がついてきていますね。
こんな感じ。「やたら本格的」とオビにもありましたが、本当にやたらと本格的!
なかみも一部ネタに走ってる(校歌とかw)部分もありますが、本物の生徒手帳そのままな仕上がり。本文のちょっとしたイラストも、作者のえのきづさんが手がけているようです。
「健康の記録」では、琴浦さんの身体の数値がちらほら載っていたり、カレンダーには作中まだ明かされいない、キャラクターの誕生日などがメモってあったり。
メモ欄には、琴浦さんが日々どんなことを考えてるかちょっとだけ覗けるような書きこみがされており、これにはかなりニヤリとさせられますね!面白いサービス。
本編とは直接関係ないアイテムではありますが、ファンなら楽しめると思います。
この公式の動画でも紹介されてるのでチェックしてみては↓
という感じの第3巻でした。今回も様々な面で楽しませてもらいました。
10月から連載が始まるとか。4巻もいずれ発売になるということで楽しみです。
そういえば琴浦ママの久美子さんの16のときのイラストがありましたが、超ツボ!
『琴浦さん』3巻 ・・・・・・・・・★★★☆
アンバランスさに味がある作品。シリアス展開もあるけど、やはりラブコメ。
[漫画]フェチ心あふれる、少年少女の恋愛模様 『妄想少年観測少女』
妄想少年観測少女 1 (電撃コミックス) (2011/08/27) 大月 悠祐子 商品詳細を見る |
彼女は 愛おしそうに オレの指をなめた
電撃大王GENESISに連載中の「妄想少年観測少女」の1巻が発売されました。
雑誌で毎号楽しみにしていて、念願の単行本化です。
高校生の男女の、「ちょっと歪んだ」恋愛模様が描かれる作品。
1ペアにつき2話構成になっており、前編と後編で主人公が入れかわる構成になっているのですが、それぞれのペアにテーマとなるフェチが決まっているのも特徴的ですね。
表紙は左から髪・手・眼鏡となっていますが、これが1巻の内容そのままです。
いろいろなものがむき出しになってる感じがたまらない青春漫画。
というか、エロいです・・・。
●1話目は「手」がテーマとなる相原裕/柏木真由ペア。
しょっぱなからエロス全開なエピソードになっていて、テンション上がっちゃうじゃないですか!
単行本1ページ目のカラー口絵ですが、この色っぽい雰囲気がまたたまりません!
ヒロイン・柏木さんの艶然とした笑みに、心をがっしり掴まれてしまいました。
女の子の良さは「肌」にアリ、なんて言う主人公・相原。口ぶりからしてちょっとひねくれ者な彼ですが。現実の女の子とはうまく離せない性格でもありました。
彼はもんもんと、柏木さんを脱がし、そのなめらかな肌に色をつけていく妄想をします。
女の子をキャンバスに絵をかきたい、とだいぶ危ない欲望をこっそり持っている少年でした。
そんな欲望が、本人である柏木さんに知られてしまう所から一気に物語が加速。
彼女は相原にひいてしまうどころか、「筆じゃなくて、相原くんのこの"指”で描いて欲しい」と言い放ったのでした・・・。
この作品、女性的なエロさがある作品だなと感じます。どういうのが女性的かって上手く言葉にはできない上にこっぱずかしいのですが、本当になんとなく、感覚的に。メインイメージである「自分の身体に絵を描かれることを笑顔で受け入れる女の子」というところからして凄いなぁ。
『好きな女の子の身体に絵を描きたい。筆を這わせたい。』
『大好きな"彼の手”が欲しい。あの手が欲しい。あの手に愛されたい。』
二人の欲望が偶然にも重なり、儀式のような時間が始まります。
面白いのが柏木さんが好きなのが、相原そのものではないということ。
彼女が本当に恋しいのは「彼の手」であり、ただその一点において彼が特別なのです。
手だけじゃないですよね?と詰め寄る主人公は、手の魅力だけでは、きっといつか愛想をつかされてしまう・・・なんて不安もあるんでしょう。彼女を繋ぎとめることに自信がない。
でも違う。柏木さんにとっては相原の手がなにより大事なのです。通常とはズレた思いであっても、彼女にとって彼がなにより誰より特別であることに、間違いはない。
1番の願いは「彼を手をつなぐこと」だという柏木さん。
そのことを相原は知らないわけですが、きっと彼にとって悲しいことにはなりません。したい事・して欲しい事を重ね合わせて、もっとイチャイチャすればいいと思いますこの2人。
思春期の内なる欲望、性的興奮、フェチズム、背徳感、独占欲。
それが絡み合う、強烈に心魅かれるエピソードだったと思います。こういうの大好きです・・・。
●第3、4話。2ペア目は新城和貴/金沢はるかの兄妹もの。血の繋がりはなし。
親の結婚により、それぞれの連れ子として出会い、家族になった2人は
親が離婚した後も、兄と妹の関係をこっそりと続けていました。
しかし兄(役)の和貴は、はるかには言っていない秘密を、引き出しに隠していました。
無遠慮で無警戒、でもちゃんと女の子。
和貴ははるかにペースを乱されっぱなしで、(まぁ本心はともかく)彼はストレスをため込んでいます。そのせいでついつい口が悪くなってしまいまいます。
『・・・・・・きもちわりー顔』
この状況にこのセリフかよ!と思いますが大好きなシーン&セリフ。
言いたい言葉をうまく探しきれなくて、もしくはわざと、ひどい言葉を言ったりする。
このシーンの2人の心情を思うとこれが、子どもっぽいけれど切実な、コミュニケーションのための言葉であるとわかります。にしたって他に言い方は・・・、でもそんな不器用さがいい!
普段酷い言葉を投げかけられても、心の奥ではちゃんと自分を想ってくれているとわかってるはるかは、あまりそれには動じません。不安定なようでがっちりと固まった信頼関係。でもそれははるかが一方的な思いこみであり、兄が悶々と抱えてる思いに気づいてからは、彼女の心はグラグラと揺れ動きだします。
このエピソードのテーマは「髪」であり、、これが最も強く表れるのが終盤のこのシーン。
子どもの頃から和貴の髪を触るのが好きらしいはるかは、今もそれは変わらない様子。
また、第4話にはるか視点になったとたん、登場する男性キャラの髪が「サラッ・・・」と流れる描写が見られるようになったりも。潜在的に髪が好きみたいですねこの娘。
そんな中でこのこの告白からの流れは、「兄妹」という関係性からの変化を、「髪にさわる」という行為と告白でもって、より鮮明に浮かび上がらせているなぁとか思ったり。
彼女にとって、壁を1つ乗り越えたものであるのかな。素直になれました。
なんか小難しいこと気がしますが、ようするに恋しちゃったら人間おかしくなるということで。
2人の親をめぐる人間関係が複雑でちょっと混乱してしまいましたが、まぁ特別内容には関係ないからいっか!(
●第5話は鈴木清信が主人公の、「眼鏡」をめぐるエピソード。
本好きな憧れの女の子に近づくため、彼女の借りた本を後追いで借りていく主人公。
そうしているうちに、彼の行動の理由を見抜いた、図書委員の女の子・山田さんと知り合い、行動を共にするようになります。
眼鏡をかけている人への苦手意識(なんか見下されてるような気がするらしい)があるらしい鈴木くんですが、どうもこの山田さんはちょっと違うみたいだぞと、彼の心情にもすこし変化が。
ここまでオーソドックスなボーイ・ミーツガールの流れですが、しかしこの作品らしい色っぽいシーンでこの1巻が終わり。続きを2巻のお楽しみね!ってえー!ここで切っちゃうのかよ!
まぁともかく、かなりいい所で終わってしまうので、これは2巻も読みたくなりますねえ。
ということで、「妄想少年観測少女」の1巻でした。
「ちょっとだけ普通じゃない」恋愛模様を描くオムニバス作品です。
からっした明るさは少なく、どこかほの暗いなにかを感じ取れるエピソードが多いです。
しかしそれこそがこの作品最大の魅力なのではないでしょうか。直接的なエロさというより、いい香水のにおいが漂っているような雰囲気で魅せる感覚的なエロス。いいですねいいですよ。
続く2巻はかなり早めに、11月26日発売予定。見逃せませんね。
掲載誌の電撃大王GENESIS、けっこういい作品揃ってると思います。季刊でスタートして隔月発売になりましたし、勢いあるんでしょうかね。好きな雑誌です。
妄想する少年、それをこっそり見守る少女。
まっすぐな気持ちは、ちょっとだけ歪んでて生臭く、かわいらしくて"きもちいい”。
『妄想少年観測少女』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
こじれた青春臭さに、みだらなムードが合わさる作品。しみじみ、エロい・・・。
[漫画]分からないなら、2人で探っていこう。 『ココロの飼い方』3巻
ココロの飼い方(3) (ヤングマガジンコミックス) (2011/08/05) コタニ ヨーコ 商品詳細を見る |
俺 ちゃんとコロを飼えてる・・・?
順調に回を重ねて3巻目。コタニユーコ先生の「ココロの飼い方」です。
すでに展開が安定しているので、超展開などは期待はできないのですが、テーマがテーマなので、相も変わらず初々しくも刺激的な2人のやりとりに釘付けになってしまいます。
コロという女の子「飼われたい」と言われ付き合うことになった主人公は、今回もまたうらやまけしからんイベントをこなしつつ、ちょっとだけ暴走しながら頑張ります。
ではさくっと3巻目の感想をしていきたいと思います。
第20話から第29話までが収録されているこの3巻。
いよいよ近づく定期テストシーズンにテンション落ちまくりのコロちゃん。
彼女のモチベーションを上げるべく、テストで50位以内に入ったら、コロがしたいことをなんでもしてあげるというご褒美を提案した主人公。それを聞いてコロは俄然やる気を出すのでした。
そして無事そのご褒美を勝ち取ったコロが希望したものとは・・・!!
「おちんちんが見たい」
ご褒美がそれかよー!となりますが、いやいやこれは良いものです。
こんな堂々と「見たい」と言われてしまったら、そりゃ見せないわけにはいきません。(キリッ
ということでパンツを脱ぐ主人公!しげしげそれを見つめるコロちゃん!
あ、つついちゃダメです・・・。
とまぁこんな風にいつも通り?にイチャついている2人なわけですが。
今回の見所の1つに、コロの過去話があったかなと思います。純粋でありながらSM的プレイの知識を得て、憧れを持つまでに至ったのかも今回明かされました。まさか犬に弟子入りを果たしていたとは・・・。しかしなによりあの母のおかげですよね、やっぱりw
しかし、コロの過去を知ったことにより、主人公の胸には不安が芽生えます。
自分はちゃんと彼女を飼えているだおるか?彼女はちゃんと満足してくれているのか?
その疑問をコロに直接尋ねるのですが、さて彼女の返答とは・・・?
それにしてもこの作品、「飼う」という刺激的なワードがポイントになっていたりしますけれど、やっていることは小っ恥ずかしい恋愛劇。高校生がおずおずと大人っぽい世界にチャレンジしてみようとするものの、どうすればいいのか分からないし、あんまり恐いことも痛いこともしたくない。
作品自体がハードなSM方面に進む様子がありませんし、コロちゃんもそこまでの覚悟はないような感じです。
「こんなことしちゃって大丈夫なのかな?」とちょっと戸惑う主人公が面白いのですし、過激になりすぎず微笑ましいラインを守ろうとしているのは作品から伝わってくる気がします。積極的に束縛を希望しているコロちゃんも、主人公のヘタレっぷりに甘えているように見受けられます。
主人公が暴走してやりすぎてしまった時、コロは逆に恐がって逃げだしてしまいましたしね。
彼のヘタレぷりを不満に思っているようなのに、実際に迫られるとこんなことになってしまう中途半端さ。それがまたかわいいんですよね。
「ぐいぐい来て欲しいけど、優しくしてくれなきゃ嫌なの!」
そしてこのセリフ。コロちゃんて、常識が少しズレていたり、恋愛願望がちょっとおかしなだけで、変態では無さそうなんですよね。恋する女子高生そのままです。ドキドキのスパイスとしてアブノーマルな行為へのあこがれがあるという感じで。
その上具体的にどんなことをされたいか、ビジョンはあんまり持っていないようで。そこを主人公からのリードに任せたいと思ってるらしいところも、女の子らしくてかわいいです。
ということで設定や説明を読んで受ける印象と、実際読む印象は結構違ってくる気がします。
なんて爽やかに青春をやっているんだろうかと!
それでもやっぱりちょくちょく過激だったりするので、そのギャップが面白いんですがw
4巻からは夏休みモードに入っていくんでしょう。今から楽しみです。
主人公のそわそわっぷりと、コロちゃんの何でも受け入れてくれそうなのに時々恐がってしまう様子にニヤニヤし続けたい作品です。個人的に手越さんも好きなので彼女の出番もプリーズ。
ということでそんな3巻でした。安定感は良くも悪くもありますね。
『ココロの飼い方』3巻 ・・・・・・・・・★★★☆
コロの過去話と主人公のちょっとした葛藤。しかしやはり2人のイチャイチャがメイン!
[漫画]下品でも単純でもないと証明します! 『こえでおしごと!』6巻
こえでおしごと! 6巻 (ガムコミックスプラス) (2011/07/25) 紺野 あずれ 商品詳細を見る |
エロゲの仕事が下品でも単純でもないことを証明します!
「こえでおしごと!」6巻が発売されました。
毎回凝った限定版を用意してくる本作、今回はなんとゲームが付いてきました。→こえでおしごと! 6巻 【初回限定版】 (ガムコミックスプラス)(AA)
うぶな女子高生がエロゲー声優をやってしまうという随分とひどい羞恥プレイに注目があつまり、アニメにもなってしまったこの作品ですが、この6巻はいつもよりぐっと真面目に声優業の厳しさを描いた内容になっています。
それでもサービスシーンは欠かさないのがこの作品のジャスティス!では感想。
今回は最近ちょっと出番が少なかった文花さんのエピソードが多くを占めています。
エロゲ声優として主人公の憧れの先輩であり、真面目でおっぱいも大きいナイスなお方。
しかし彼女、エロゲーでの演技は素晴らしいのですが、アニメのい現場となるととたんに緊張してしまい、実力を発揮することができないという悩みも抱えていました。
オーディションに出て見ても、いい役は全く獲得することができず・・・
そんな中、既に有名な役をいくつもゲットしている文花の同期・住吉神楽が登場。
不調な文花に対し、こんなセリフを吐きます。
(クリック拡大)
「エロゲーみたいな下品で単純な仕事ばっかりやってるから――
アニメに耐えうる技術とか度胸とかが身につかないのよ!」
エロゲの仕事も、大切な声優の仕事の1つ。
プライドを持って今まで積み重ねてきたものを「下品で単純なもの」と馬鹿にされ、イライラを募ら文。しかし現状彼女を見返せるような、アニメ関連の大きな仕事を獲得することは難しく・・・。
難しい局面に立たされた文花さんはどう立ち向かっていくのか。
文花さんの声優としてのレベルアップをしっかりと描いた大切なエピソードだったと思います。
ライバルキャラも憎たらしいだけではなく、恋愛や声優としてのライバル意識を絡めなかなかに読ませられる仕上がり。えっちぃシーンが少なくとも楽しめました。というとなんかおかしい気がしますけど、実際えっちぃシーンを売りにした作品であるのは間違いないと思うので、そんな中で声優業のハードな側面にもきっちり触れ、そこに真剣に立ち向かっていく声優さんたちの姿を描いたというのは大きいのかも知れません。実際面白かったですし。
過去にも声優業の難しさを語るエピソードはたくさんありましたが、今回はより生々しかった気がします。エロゲー声優がちょっとバカにされてしまうこととか。
現代の「売れる声優」に必要なスキルの話は、かなりリアリティがありました。
とまぁこの作品にとってはちょっと珍しい方向の読み応えを見せてくれましたが
紺奈はなんだかいつもどーりにラブがコメってニヤける展開を繰り広げてました。
ぐぬぬ。
今回は文花さんが強く存在感を放った巻でしたが、紺奈もちゃんと仕事はしましたね。
基本的に脱ぐ方向で。
というところで「こえのおしごと」6巻でした。
今回は間違いなく文花さんのターンでしたね。面白かったです。
過激なシーンが目立つ作品ではありますが、ネタに走り過ぎずしっかりと業界漫画らしいところも描く、懐の深さを見せつけた1冊と言えるのではないでしょうか。
しかしちょっとだけ寂しかったのは確かでもあり・・・!文花さんも脱ーげーよー!!(ジタバタ
そういえばエロゲの曲を歌った時、紺奈たちがユニット名に彼女たちが実際に通っている高校名を使ってましたが、大丈夫でしょうかね。いくら良くある名前の学校とは言え。
なんか学校バレしてしまうフラグのようにも感じてしまうんですが、心配しすぎかな。
結構長い恋愛になってきましたが、まだまだ楽しめそうです。7巻も期待。
『こえでおしごと!』6巻 ・・・・・・・・・★★★☆
生々しい話も交え、真剣に声優漫画をやってもやっぱり面白いんだなと再発見。
[漫画]初恋の女の子は、女の子が好き。『9速眼球アクティヴスリープ』
9速眼球アクティヴスリープ―中山敦支短編集 (ヤングジャンプコミックス) (2011/06/17) 中山 敦支 商品詳細を見る |
あたしなんで女の子に生まれたの?
「ねじまきカギュー」1巻と同時に発売されました、中山敦支先生の短編集。
タイトルの「9速眼球アクティヴスリープ」は中山先生のHPの名前そのままだったり。
このタイトルを意味するところは、中山先生があとがきに触れています。お気に入りのタイトルなんでしょうか。確かに引っかかりを覚える独特の語感ですね。
表紙デザインもカッコいい。大きく掲げられた作品名。佇む少女、忍ばすナイフ。
内容は3つの作品(1作は2話構成ですが)を収録した短編集となっています。
では個別にさらりと感想でも。
「トラウマイスタ」連載開始前に少年サンデーに掲載された読み切り作品。・ミュータントキングダム
連載作と見比べると、スターシステム的にまったく同じキャラクターがいたり(名前はちがう)、ここからあの作品が生まれたんだなと感じさせられる部分はちょこちょこ見受けられます。
動物専門高校を舞台に、エリートで完璧な将来目指す主人公が
いわゆる「突然変異種」を専門とする人々に出会い、自分の価値観を変えていくお話。
「普通」ではないだけで迫害を受けている罪なき動物たち・・・その姿を見て、彼はどうするのか。
少年漫画らしい、冒険心をくすぐられる内容でしたね。
絵柄が現在とは違い、月刊ジャンプ時代のものと近いように感じます。ポップかつ凛々しい、少年漫画らしいタッチ。この単行本に収められた作品の中では、もっとも読みやすいような気が。
物語のしっかりとした盛り上がり、メッセージ性。手堅いながら熱い作品です。
作者のあとがきを読むと、さらにグッと来る仕掛けにもなっていたり?
サンデー超に掲載された短編。カバーの女の子はこの作品のヒロイン(?)。・恋のスーサイド
一応少年漫画なはずなのに、ずいぶん酷いオチをつけてしまったものだなと・・・!
バイト先のマドンナ的女の子に恋をした主人公。ですがそこの店長はなんだか得体のしれない感じの怖い人。ある日刃物をつきつけられ「これ以上彼女に近づくな」と脅され、あげく「俺の恋に協力してもらう」とも言われてしまいます。どうやら店長もマドンナさんがお好き。
しぶしぶ店長のために行動を起こしだす主人公ですが・・・・・・店長の命令からのスキンシップだったのに、なぜか自分がマドンナさんから好意を寄せられ始めてしまうのでした。自分の命のために自分の想いもマドンナさんの想いも断ち切り、店長とマドンナさんをくっつけようと奔走するのですが・・・。
そんな嬉しいような恐ろしいような・・・?ラブコメディーに仕上がっています。
殺伐としてるというか、状況を見るとすごくスリリングですが、それもまた面白い!
ラブコメのようでいて明らかに修羅場ムードが漂っているのも好き。
そしてステキだったのが物語の終盤・・・、まさか告白と同じコマの中で即効フラれるとは・・・読んでてやたらテンポいい上に強烈なインパクトを残してくれました。
けれどそれだけで終わらないの「恋のスーサイド」。絡めとられたら抜け出せない。
作者のシンプルなあとがきにも仰天されられる、楽しい一作!(あれマジなのかな)
ミラクルジャンプにて掲載された、二話構成のボリュームのある作品。・禁断ワンダーラバー
完璧・天才・万能・・・ゆえに、つねに周囲から注目を集めてきた主人公。
けれどクラスに1人、自分のことをまったく気にしていないような女の子がいる・・・。「なぜ自分に注目しないんだ?」と疑問を持った彼は、彼女のことばかり考えるようになってしまいます。
傷ついたプライドは疑問と好奇心へ、そしていつしか恋へと・・・?
(クリック拡大)
予期せずその女の子に甘い言葉をもらいまくって慌てる主人公!・・・しかしもちろんそうそう上手くいくものではなく、彼女は別の人物の胸に飛び込んだのでした。女の子の。
主人公の恋したのは、女の子が好きな女の子だったのでした。
主人公のキャラクターが特徴的で、勉強できるけどそれゆえに価値観がこり固まってるカタブツ少年として描かれています。
特に後半となる第2話では、彼はこれまでの価値観では理解しきれない、新しい世界を垣間見ることになります。つまりは同姓愛。それに対し「そんなものは認めない」「そんなのは間違っている」と主人公。これではダダをこねる子供そのもの。
相手を傷つけて見ないふり。かってに被害者ヅラして、でも諦める度胸もない。
注目を浴びてないと気がすまない主人公は、いつしか外部から自分に価値を与えてもらわないと(そう感じられていないと)不安で仕方のない人間になってしまったんですね。
彼自身はまるでからっぽの入れ物。恋愛をファッション感覚でステータスと考えているのは、周囲の目を気にするがあまり主体性を失ってしまった彼だからこそ、と思えば納得もできる。
とは言え、やっぱりムカつくことはムカつくんですよねコイツ!!
ヒロインが主人公に、かなり辛らつな言葉をいくつも投げかけますがどれもが同意。特に彼女の手帳の、涙で滲んだ言葉を見た後では、より主人公のクズっぷりがステキ☆
体裁とか地位とか、ほんとに大切なのは、そんなことじゃないだろ。
というところで主人公が生まれ変わる瞬間には思わず満面の笑顔になってしまったり!
後半の盛り上がりには震えましたねぇ。かなり面白かったです。ヒロインかわいいし。
この短編集で1番好きな作品をあえて挙げるなら、この作品になるかも。
メッセージの力強さと、見せかたのインパクト、テンションの高さ。どれもこれも中山敦支先生ならではだなぁという感じ!カテゴリとしては百合漫画に入りますが、別ベクトルの面白さも存分に味わえる内容となっているのではないでしょうか。
以上、個別感想でした。
そういえば、「ミュータントキングダム」を読んでなんとなく思ったことなのですが
月ジャン時代の「アストラルエンジン」「こまみたま」のやりすぎなくらいのグネった構図がこの作品あたりで一旦、だいぶマイルドになったんだなーと感じました。
あのころの絵柄もたまらなく好きなのですが、とは言え現在の作風を見るに、またちょっと違う方向に進化をしたんだなともwしかも結構アクの強い感じに・・・。
そうやって絵の変化を楽しめるの、短編集ならではの楽しみかも・・・?
収録作品は、どれもかわいらしく、ちょっと怖く、そしてあたたか(?)。
歪んでるように見えて、ちゃんとまっすぐ何かを見てくれる、もしくは見つけてくれるキャラクターたちがなんとも愛らしいです。「禁断ワンダーラバー」は特に好き。
とは言ってもやっぱり「恋のスーサイド」はちょっと異色ですね・・・好きですが!
なお「ねじまきカギュー」1巻と連動し、サイン色紙が当たるキャンペーンも開催中。
というわけで「9速眼球アクティヴスリープ」感想でした。
しみじみ、この表紙好きだ。ナイフを持つその本当の意味は。
『9速眼球アクティヴスリープ 中山敦支短編集』 ・・・・・・・・・★★★☆
中山敦支先生の初短編集。サンデー時代のもばっちり収録。濃い漫画がドドンと。