[漫画]強くまっすぐ、貴方を護るために。 『ねじまきカギュー』1巻
ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス) (2011/06/17) 中山敦支 商品詳細を見る |
愛は 奪い取るものじゃない
ヤングジャンプにて連載中の「ねじまきカギュー」の1巻です。待ってました!
作者の中山敦支先生は前に「トラウマイスタ」を少年サンデーで連載しており、またそれより遡ると月刊少年ジャンプ(今は亡き)などで作品を発表してました。
もともと中山先生の作品は好きだったのですが、もーあの「トラウマイスタ」の終盤には心底惚れこんでいまして、新作を待ち望んでいました・・・!
そんな中届けられた新連載「ねじまきカギュー」。中山先生らしさをたっぷりと詰め込んだ、これまたかわいらしくもハードに破天荒な作品に仕上がっています。
主人公・葱沢鴨(ねぎさわ・かも)は学校の先生をしている23歳。
風貌は平々凡々な彼ですが、実は「ヤバイ」女の子たちを無条件で惹きつけてしまう、タチのわるい女難体質を持ってもいました。今日も今日とて女の子たちに追いかけられる朝。
しかしそんな時に颯爽と現れた謎の人物!鉤生十兵衛(かぎゅう・じゅうべえ)と名乗るその人は華麗に鴨先生にカラむタフネス系女子高生を撃退してみせました。
「先生を護るために転校してきた」らしいその人物の正体とは・・・・・・!?
と、そんな感じで始まるお話です。
この作品の魅力は、やはりというか何というか、女性キャラクターかなと。
なんせ主人公の「ヤバイ女の子を惹きつける」という体質なので、とにかくゾクゾクとネジがぶっ飛んだ女の子たちが登場してくれます。敵も味方も総じてイカれ気味な少女たち。
いや、これはコワい。
でも読んでると、ビクッてなると同時に笑ってしまうシーンでもあるんですよね。
「トラウマイスタ」でもその狂気的な部分に強烈な魅力を感じたわけですが
今回もその狂気を存分に全面に押し出しつつ、「でもこういう状況っておもしろいよね?」と言う風にコメディチックな見せかたをしているように感じました。そこは新しい所。
現実を舞台にしているけれどオーバーアクションしまくりで、お前らどんだけ超人なんだよと思いつつ、その迫力に驚いたり思いきり笑うこともできるw
女の子たちはイッちゃってますけど、サスペンス的な理不尽さから恐怖感というのはありません。むしろキャラのふり幅に大きさに「お前かわりすぎだろww」と笑い飛ばすことができる安心感すら。
確かに怖くもあるんですけど、結局は恋心からきたものですし、この漫画の方向性からして本当にエグいことにはならないだろうなと思えます。でもその破天荒さはやはり笑えるのです。狂気をまっすぐ楽しめてしまうのがいいですね。
青年誌ならではのHなシーンもあるものの、ノリは少年漫画にかなり近いと思います。
というかバトル漫画の雰囲気そのまま。ぶっ飛び加減がいい心地です。
「トラウマイスタ」のおかげで自分は中山先生の描く狂気にビビりっぱなしなのですが、前作はシリアスに、今回はギャグテイストに。そこに気づけれたらまたとても楽しめました。
さて、キャラクターのイカれぶりが魅力的だと書きましたが
いつもイカれていてはあまりインパクトがないというもの。普通だと思っていた人が、実は・・・というようなサプライズが大切ではないでしょうか。
上の画像の怖い女の子は実はかわいらしいクラスの学級委員で、しかも色っぽく鴨先生を誘っていたりもしてて、でもこんなすんごい顔をしてみせたりする。
その切り替わりというか、2面性が面白いのです。この作品は2面性あるキャラばかり。
というところで2面性があるといえばメインヒロイン・カギューちゃんですよ!
最初登場したときは無表情・性別不詳でなんとも不気味な人物だったのですが
主人公がほかの女の子に「大人しくしろ!」殴られた途端、ブチ切れました。
ものすごい殺気・・・!
なるほど、無表情キャラからの怒ると超怖い女の子かー、と思いきや
おいなんだこれ、かわいすぎるー!!
顔が変わりすぎです。誰ですかこの美少女は!さっきまでの怖い顔はどこに!
そう、カギューちゃんの魅力は「実は凄くかわいらしい乙女であること」なのですよ。
主人公が好きなあまり暴走もするし敵をボコボコにもするしでしょうもないんですが、彼女のその一途さに一発KO。彼女の想いの純粋さは、ライバルの女の子たちをも驚かせるほど。
螺旋エネルギーを利用し超絶な破壊力を発揮する螺旋巻拳の使い手であるカギューちゃんですが、彼女自身は清々しいくらいにまっすぐな女の子なんですね。
にしてもやっぱりカギューちゃんかわいすぎせんか!あー。
女の子として魅力的になるためには「先生を護るための力」が邪魔・・・でも戦わないと先生を護れない・・・そんないじらしい悩みを抱えていたりするカギューちゃん。
この作品らしいぶっ飛びキャラでもありますが、間違いなくヒロインとしての魅力も十分です。
ではまとめ。
中山敦支先生だからこそ、という感じのテンションに圧倒される作品。
ドキッとさせられる狂気的な描写がやたらとカッコよく、作品の大きな魅力です。
加えてそんな中でこそ輝くピュアなカギューちゃんの可愛らしさ!これもすばらしいです。(他のおかしな女の子たちもある意味ピュアを貫いていますけど・・・)
作画は結構クセのあるほうだとは思いますが、読めばすぐ馴染むのでは。
バトル展開が多く大きなコマも相当量ありますので、ズムーズに楽しく読めました。
最初こそカギューちゃんの2面性を強調するふうなエピソードでしたが、単行本後半になるとむしろカギューちゃんの純粋さが相手を変えていく、という風なお話へシフト。
今後も色々おかしな女の子が鴨先生に迫っていってほしいものですね!(笑顔)
というわけで「ねじまきカギュー」1巻の感想でした。
ゆがんでるようで、本当はすごくストレートな作品なのではないでしょうか。
『ねじまきカギュー』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
怒涛のハイテンション・バトル・ラブコメ。カギューちゃんかわいいですな!
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