[小説]過ぎ去った日々を別視点から。『さくら荘のペットな彼女』5.5巻
さくら荘のペットな彼女 5.5 (電撃文庫 か 14-14) (2011/09/10) 鴨志田 一 商品詳細を見る |
泣いて、笑って、騒いで、遊んで・・・・・・。
5,5巻、ちょっと時期を逃してましたけど感想書こうかなと。9月に出ました。
5巻は衝撃的なラストではやく続くを読ませてくれー!というところですが、今回は番外編・短篇集となっています。電撃文庫MAGAZINEで掲載されたのが中心。加筆修正や描きおろしあり。
ではさくっと感想書いていきたいと思います。
●神田空太の普通な1日。
日常茶飯事のようにましろが起こるトラブルに巻き込まれる空太。非常事態が日常です。
ぱんつすら自分で履けないましろですが、なんとぱんつを履かないまま学校に来てしまいました。無注意無警戒なましろなので、いつ誰に大切な部分を見られるともわかりません。
なんとかましろのスカートの中を死守ししょうと頑張る空太でした。
この作品としてはかなり基本的なドタバタ劇という内容でしたが、テンポよく進んでくれて読みやすいですねえ。短篇集のしょっぱなとしてテンションも高くスピード感あり。
●三鷹仁の大人への階段
仁とその恋人との甘くエロティックな様子が垣間見える短編。
これまでほとんど見えて来なかった部分なので、こういう視点の話が読めるのもこの短篇集の面白い点でしょうか。あとがきを読むと、このVer.は直接表現Verなんだとか。
大人になりたいのに、なろうとしているのに、ままならない不甲斐なさ。結局まだ「子供」であることを盾に、守ってもらうことしかできない。「子供」の特権を利用するしか。
けれど、この悔しさをかみしめてこそ、彼は前を向いて歩いて行くことができるんでしょう。
留美さん出来過ぎなくらいいい女ですね。なんてカッコいいんだ。幸せになってくれ。
●青山七海の乙女なクリスマス
恋報われないオーラがマッハな七海さんのお話。切ないけど、恋のために四苦八苦したりがんばったりする女の子のお話は大好物。
「今日はさっきまで最悪な気分だったのに、たったの一言で最高の一日に変わってしまうのだから」というクライマックスの言葉が全てと言うか。恋は女の子を輝かせますね。
●もうひとつのクリスマス
クリスマスの夜。仁と美咲はどんな夜を過ごしたのか。多くの読者が気になっていたところがついに読めたエピソード。5巻を読んだ今では、これすらニヤニヤ読めてしまうのですが!
また仁たちだけでなく、ほかのさくら荘メンバーがどんなクリスマスを過ごしていたのか。場面はクルクルと変わり、いろんなシーンが描き出されていきます。
リタちゃんとメイドちゃんのやりとりが個人的にお気に入り。あと先生コンビw
●住めば都のさくら荘?
空太がはじめてさくら荘に来た日の話。美咲や仁との出会いが描かれます。
初々しさが感じられる空太の様子にはニヤニヤしてしまいますね。
個人的には生まれたてのメイドちゃんと空太のファーストコンタクトに笑ったw メイドちゃんそんなところまで再現してたのかよw
そんな笑いもありつつ、全体的に時の流れを意識させられる、ちょっとノスタルジックなエピソードだったと思います。本編ではまさに今、3年生の卒業が間近に迫ってるタイミングですからね。
なんでもないような日々の1ページにすらこんな甘酸っぱい気持にさせられる。青春とはいいものですな。さくら荘の連中はちゃんとみんなで集合写真とろう。
という具合の短篇集第5,5巻。ここまで読み進めてきた読者にとっては、「見れて嬉しい」シーンの連続じゃないかなと思います。見たかった部分をすくいあげていく、いい一冊。
本編はいよいよクライマックスに突入中ですが、さてさてどうなるやら。
漫画版の1巻も発売されてますし、今度どんな動きがおこるのかも気になるところ。
青春ムード満点でたまらないシリーズです。ましろちゃんかわいいし!
[小説]呪われた者たちの“正しさ”とは 『C3-シーキューブ』12巻
たまにやるラノベ更新。
止まれ。いや。止まるな。
アニメも現在放送中の「C3 シーキューブ」の最新第12巻です。
不安だったアニメが予想よりいい感じでうれしいです。フィアかわいい!
これで原作も大ヒットすれば・・ご祝儀適的に前作「ぼくと魔女式アポカリプス」の新刊も出るのでは・・・なんて淡い期待を持っているわけですが、・・・うん、ムリっぽい。
魔女カリ復活への希望も託したりしてますが、シーキューブそれ自体もとても好きで。
今回もこの作品らしい2面性ある内容になっているのではないでしょうか。
あとカラー口絵で乳輪みえてますね。サービスサービスゥ。
さて今回のメインイベントは奈良・京都の修学旅行。
わいわいと友人同士で盛り上がってる様子にはニヤニヤしてしまうというもの。
修学旅行というスペシャルな時間の中で、どう行動すべきかに頭を悩ませるヒロインたちの姿にもまた。
しかし旅行先で以外な出会いを果たすことになります。
それはビブオーリオ家族会。
解散したはずの彼らは、遠いその地に争いをすてた生活を送っていたのでした。
しかし平和を望む家族会と主人公一行に、竜島/竜頭師団のニルシャーキら、闇曲拍明率いる研究室長国とぞくぞく敵対勢力が登場。三つ巴、四つ巴の戦いになっていきます。
個人的に嬉しかったのは家族会のメンバーの再登場。
シリーズのわりと初期のころに活躍した彼らですが、お気に入りのキャラも多かったです。
組織としてでなく家族として愛し合っていた彼らは、戦いから退いた今でも、愛でつながっていました。しかしそれは歪んだものなんかではなく、ありふれた普通の家族としての、正しい愛。
二階堂クルリちゃんがとんでもない萌えキャラになってたのも最高ですな!
家族会メンバーの変化には、おもわず心温まりました。
そして修学旅行なので、当然イベントだって盛りだくさん。
ラブコメ的にも今回見逃せない大きな変化がやってきましたし、必見です。いんちょーさんの恋する乙女っぷりが最高潮すぎて素晴らしい・・・!
んでもって思ったのが、今回もエグいことやってんなということ。
意表を突く展開が連続するのはこの作品の面白さですが、直接的なグロさというより、精神を蝕ませる毒のようなエグみを含ませてあるのもやはり特徴的。
クルリへの陵辱シーンがありましたが、あれは終盤明かされる事実を踏まえて読み直すと、さらにゾッとするシチュエーションでしたねえ。つーか、虎徹、お前・・・!
通常のラブコメ展開とのバトルでの温度差がアンバランスなんですが、アンバランスなまま12巻まで続いてきましたしね。こういうものですよ。そこが美味しくもある!
正しくあることを求める、呪われた道具たち。
正しいとはなんだろう。呪われた自分たちに、それを求める権利はあるのだろうか。道具の本質として「正しく」あろうとするなら、きっと人を傷つけるのに。
そんな葛藤を抱えつつ戦うキャラクターたちの姿も、今回の見所。
強烈に続きが気になるヒキで終わったのも面白かったですね。
しかし12月に出る13巻は、本編といったん離れて短篇集となるらしいです。
この12巻の続きが読める14巻はさらに先なのかー。もどかしい!
とは言え、2度目の短篇集となる次巻も楽しみにしています。
アニメとあわせて、未読の方は原作も読んでみてはどうでしょうか。
C3‐シーキューブ〈12〉 (電撃文庫) (2011/10/08) 水瀬 葉月 商品詳細を見る |
止まれ。いや。止まるな。
アニメも現在放送中の「C3 シーキューブ」の最新第12巻です。
不安だったアニメが予想よりいい感じでうれしいです。フィアかわいい!
これで原作も大ヒットすれば・・ご祝儀適的に前作「ぼくと魔女式アポカリプス」の新刊も出るのでは・・・なんて淡い期待を持っているわけですが、・・・うん、ムリっぽい。
魔女カリ復活への希望も託したりしてますが、シーキューブそれ自体もとても好きで。
今回もこの作品らしい2面性ある内容になっているのではないでしょうか。
あとカラー口絵で乳輪みえてますね。サービスサービスゥ。
さて今回のメインイベントは奈良・京都の修学旅行。
わいわいと友人同士で盛り上がってる様子にはニヤニヤしてしまうというもの。
修学旅行というスペシャルな時間の中で、どう行動すべきかに頭を悩ませるヒロインたちの姿にもまた。
しかし旅行先で以外な出会いを果たすことになります。
それはビブオーリオ家族会。
解散したはずの彼らは、遠いその地に争いをすてた生活を送っていたのでした。
しかし平和を望む家族会と主人公一行に、竜島/竜頭師団のニルシャーキら、闇曲拍明率いる研究室長国とぞくぞく敵対勢力が登場。三つ巴、四つ巴の戦いになっていきます。
個人的に嬉しかったのは家族会のメンバーの再登場。
シリーズのわりと初期のころに活躍した彼らですが、お気に入りのキャラも多かったです。
組織としてでなく家族として愛し合っていた彼らは、戦いから退いた今でも、愛でつながっていました。しかしそれは歪んだものなんかではなく、ありふれた普通の家族としての、正しい愛。
二階堂クルリちゃんがとんでもない萌えキャラになってたのも最高ですな!
家族会メンバーの変化には、おもわず心温まりました。
そして修学旅行なので、当然イベントだって盛りだくさん。
ラブコメ的にも今回見逃せない大きな変化がやってきましたし、必見です。いんちょーさんの恋する乙女っぷりが最高潮すぎて素晴らしい・・・!
んでもって思ったのが、今回もエグいことやってんなということ。
意表を突く展開が連続するのはこの作品の面白さですが、直接的なグロさというより、精神を蝕ませる毒のようなエグみを含ませてあるのもやはり特徴的。
クルリへの陵辱シーンがありましたが、あれは終盤明かされる事実を踏まえて読み直すと、さらにゾッとするシチュエーションでしたねえ。つーか、虎徹、お前・・・!
通常のラブコメ展開とのバトルでの温度差がアンバランスなんですが、アンバランスなまま12巻まで続いてきましたしね。こういうものですよ。そこが美味しくもある!
正しくあることを求める、呪われた道具たち。
正しいとはなんだろう。呪われた自分たちに、それを求める権利はあるのだろうか。道具の本質として「正しく」あろうとするなら、きっと人を傷つけるのに。
そんな葛藤を抱えつつ戦うキャラクターたちの姿も、今回の見所。
強烈に続きが気になるヒキで終わったのも面白かったですね。
しかし12月に出る13巻は、本編といったん離れて短篇集となるらしいです。
この12巻の続きが読める14巻はさらに先なのかー。もどかしい!
とは言え、2度目の短篇集となる次巻も楽しみにしています。
アニメとあわせて、未読の方は原作も読んでみてはどうでしょうか。
[小説]最近読んだ3冊『可愛くなんかないからねっ! 』『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』2巻『僕の妹は漢字が読める』
とりあえず期末試験、筆記のもの全て終わりました。
あとはちまちましたレポートをいくつか提出するくらいです。あー終わった終わった。終わってないけどもう終わったようなもんです。
とか言ってると日曜あたりにレポートで泣きを見てるかもですが・・・。
早いとこ夏休みに突入したいところ。夏はたくさん漫画読もう。
夏コミは3日間とも行く予定です。前回の冬コミが初めてだったので、夏は未知の領域。
どんな装備でいくべきなのか調べて、万全の状態で臨みたいですね・・・。
久しぶりに日記のように書きだしてはみたものの、基本的に学校行って課題やって漫画読んでブログ更新してーってのをしてるだけで特別書くことないんですよね。
漫画よりも格段に読書量は落ちますが、ラノベもちまちまとは読んでます。
と言っても最近は自力の新規開拓はあまりしてなくて、ネットで話題になってた作品とか、好きな作家さんの最新作を追っていたりとかばかりです。
せっかくなので今日は、日記ついでに最近読んだラノベについてさらさらと。
前作「レンタル・フルムーン」がとても面白かったのですが・・・瀬那和章先生はレンフル4巻ではなく新作を発売しました。ちくしょー、でもやっぱり好きな作家さんなので購入。
可愛すぎてどうしても女の子にみられてしまう主人公が、巫女さんと一緒に幽霊(?)退治をするというお話。言わば男の娘作品なのかも知れませんが、そこを強烈に「売りです!」と押しつけてる感はなく、読者と程良い距離感を保ちながらコメディに活かしています。
逆に言えばラブコメではなく男の娘作品を期待して読むと、本作は少々物足りないかも。
また主人公にしてもヒロインにしても、やや薄味になってしまっている感はぬぐえません。
それでもこの作家さんならではの技が光り、例えばじんわりとした雨の空気や、桜吹雪が視界を覆うシーンで、その時のキャラの心情を現す表現であるとともに、そこから香り高い世界観が自分に飛び込んでくるんですよね。
ちょくちょく言われますが色彩描写がとても巧みで、読んでいて気持ちいい背景を思い浮かべられる美しい文章を生み出してくれる作家さん。本作もそれは同じで、堪能させてもらいました。
華のある作品を書く作家さんではありませんが、今後とも応援していきたいです。
って、あとがき読んだら「レンタル・フルムーン」も完全凍結というわけではないんですね!
本が好きなら、きっとこの作品も好きになる。
あれ、最終的にはレンフル面白いよって話になってしまった。4巻出るのかな期待!!
ドラマCDにコミカライズにと、超スピードメディア展開を見せている作品。よっぽど1巻が評判良かったのでしょうね。GA文庫は大ヒットには恵まれてきてませんし、期待しているのでしょう。
さて、そんな俺修羅こと「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」の2巻です。
新キャラも2人登場し、1人は主人公にベッタリなおかっぱ電波少女。
もう1人が真鈴の妹である真那ちゃん。彼女が主人公と真鈴との関係を大きく混乱させ、2巻最大の見せ場へと発展していきます。
主人公がブチ切れるところは、期待通りにやってくれた!ということで相応の満足感と爽快感!主人公の必殺技は日々むき出しにされるどころかむしろ増えてく黒歴史。
しかしながら、真那ちゃんのキャラも若干ふわふわしたままラストシーンに突入してしまった感じがあり、明確な敵として描かれては可愛そうではあるのですが、やや中途半端でした。
丁寧な物語構造になっていたかは首をかしげてしまうところ。
しかし2巻になり、よりキャラクターの深部も見えてきたことで愛着がわいてきましたね。
1巻の時点ではチワワ派だったのですが、2巻を読んだらみるみる真鈴への高感度が。
今後は修羅場という名のハーレムをどんどん大きくしていったらいいと思います。
本作、「修羅場成分が足りんぞ!」と言われがちで、これには納得してしまいます。甘く可愛らしいソフトな嫉妬のぶつけあい程度。
主人公としては居心地はいいのですが、ガチ修羅場もいつか来て欲しいですね。
「きらりん!おぱんちゅ おそらいろ」なる作品が、現代日本を代表する作家の最新作として大セールスが期待される。総理大臣は非実在美少女。そんな23世紀になってしまいました。
未来の日本を舞台に繰り広げられる本作は、コミカルに現代(21世紀)とのギャップを描いた異色のラブコメ作品。ラブコメなのかなこれ、コメディ8、5割くらいですけど。
骨組は本格SFですが、そこにラノベチックな旨みを加えまくり仕上がった良作です。
発売当初、ネタとして買ったようなものなのですがこれが普通にどころかかなり面白かったです。純粋に笑えますし、「そんな未来もあり得るか」と驚きつつも、やっぱり笑えます。
我々読者の暮らす21世紀に見られる様々なものごとが、23世紀ではどのように扱われているのかこれが最高に馬鹿らしくていいですね。重要文化財の魔法少女像とか。
タイトルにもなっている妹さんのキャラが若干弱いことが気にはなりましたが、それでもこの世界観と設定に惚れこんでしまい、一気に読んでしまいました。
ただ「漢字が読める」というのが唯一最大の特徴であった(と思う。1巻の時点では。)妹さんが、その特徴を手放してしまうラストシーンには、今後の展開へ心配をしてしまいました。
まぁこっそりお兄ちゃんを想う姿は、王道ながら心ゆすぶられるものがありますが!
2巻に続くことを前提にした物語でしたが、1巻単体でも驚くほど綺麗にまとまっています。
読み終えた後、再び冒頭に戻り「21世紀のみなさまへ」を読み直すと、いっきにニヤニヤが止まらなくなってしまいました。上手い構成だなぁ。2人が歩んだドラマを想像してしまうw
2巻以降どうなっていくかはまだ読めませんが、1巻単体ではかなりオススメしたい出来!
あとはちまちましたレポートをいくつか提出するくらいです。あー終わった終わった。終わってないけどもう終わったようなもんです。
とか言ってると日曜あたりにレポートで泣きを見てるかもですが・・・。
早いとこ夏休みに突入したいところ。夏はたくさん漫画読もう。
夏コミは3日間とも行く予定です。前回の冬コミが初めてだったので、夏は未知の領域。
どんな装備でいくべきなのか調べて、万全の状態で臨みたいですね・・・。
久しぶりに日記のように書きだしてはみたものの、基本的に学校行って課題やって漫画読んでブログ更新してーってのをしてるだけで特別書くことないんですよね。
漫画よりも格段に読書量は落ちますが、ラノベもちまちまとは読んでます。
と言っても最近は自力の新規開拓はあまりしてなくて、ネットで話題になってた作品とか、好きな作家さんの最新作を追っていたりとかばかりです。
せっかくなので今日は、日記ついでに最近読んだラノベについてさらさらと。
可愛くなんかないからねっ! (電撃文庫) (2011/06/10) 瀬那 和章 商品詳細を見る |
前作「レンタル・フルムーン」がとても面白かったのですが・・・瀬那和章先生はレンフル4巻ではなく新作を発売しました。ちくしょー、でもやっぱり好きな作家さんなので購入。
可愛すぎてどうしても女の子にみられてしまう主人公が、巫女さんと一緒に幽霊(?)退治をするというお話。言わば男の娘作品なのかも知れませんが、そこを強烈に「売りです!」と押しつけてる感はなく、読者と程良い距離感を保ちながらコメディに活かしています。
逆に言えばラブコメではなく男の娘作品を期待して読むと、本作は少々物足りないかも。
また主人公にしてもヒロインにしても、やや薄味になってしまっている感はぬぐえません。
それでもこの作家さんならではの技が光り、例えばじんわりとした雨の空気や、桜吹雪が視界を覆うシーンで、その時のキャラの心情を現す表現であるとともに、そこから香り高い世界観が自分に飛び込んでくるんですよね。
ちょくちょく言われますが色彩描写がとても巧みで、読んでいて気持ちいい背景を思い浮かべられる美しい文章を生み出してくれる作家さん。本作もそれは同じで、堪能させてもらいました。
華のある作品を書く作家さんではありませんが、今後とも応援していきたいです。
って、あとがき読んだら「レンタル・フルムーン」も完全凍結というわけではないんですね!
レンタル・フルムーン〈1〉第1訓 恋愛は読みものです (電撃文庫) (2009/06/10) 瀬那 和章 商品詳細を見る |
本が好きなら、きっとこの作品も好きになる。
あれ、最終的にはレンフル面白いよって話になってしまった。4巻出るのかな期待!!
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 2 (GA文庫) (2011/06/16) 裕時 悠示 商品詳細を見る |
ドラマCDにコミカライズにと、超スピードメディア展開を見せている作品。よっぽど1巻が評判良かったのでしょうね。GA文庫は大ヒットには恵まれてきてませんし、期待しているのでしょう。
さて、そんな俺修羅こと「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」の2巻です。
新キャラも2人登場し、1人は主人公にベッタリなおかっぱ電波少女。
もう1人が真鈴の妹である真那ちゃん。彼女が主人公と真鈴との関係を大きく混乱させ、2巻最大の見せ場へと発展していきます。
主人公がブチ切れるところは、期待通りにやってくれた!ということで相応の満足感と爽快感!主人公の必殺技は日々むき出しにされるどころかむしろ増えてく黒歴史。
しかしながら、真那ちゃんのキャラも若干ふわふわしたままラストシーンに突入してしまった感じがあり、明確な敵として描かれては可愛そうではあるのですが、やや中途半端でした。
丁寧な物語構造になっていたかは首をかしげてしまうところ。
しかし2巻になり、よりキャラクターの深部も見えてきたことで愛着がわいてきましたね。
1巻の時点ではチワワ派だったのですが、2巻を読んだらみるみる真鈴への高感度が。
今後は修羅場という名のハーレムをどんどん大きくしていったらいいと思います。
本作、「修羅場成分が足りんぞ!」と言われがちで、これには納得してしまいます。甘く可愛らしいソフトな嫉妬のぶつけあい程度。
主人公としては居心地はいいのですが、ガチ修羅場もいつか来て欲しいですね。
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫) (2011/06/30) かじいたかし 商品詳細を見る |
「きらりん!おぱんちゅ おそらいろ」なる作品が、現代日本を代表する作家の最新作として大セールスが期待される。総理大臣は非実在美少女。そんな23世紀になってしまいました。
未来の日本を舞台に繰り広げられる本作は、コミカルに現代(21世紀)とのギャップを描いた異色のラブコメ作品。ラブコメなのかなこれ、コメディ8、5割くらいですけど。
骨組は本格SFですが、そこにラノベチックな旨みを加えまくり仕上がった良作です。
発売当初、ネタとして買ったようなものなのですがこれが普通にどころかかなり面白かったです。純粋に笑えますし、「そんな未来もあり得るか」と驚きつつも、やっぱり笑えます。
我々読者の暮らす21世紀に見られる様々なものごとが、23世紀ではどのように扱われているのかこれが最高に馬鹿らしくていいですね。重要文化財の魔法少女像とか。
タイトルにもなっている妹さんのキャラが若干弱いことが気にはなりましたが、それでもこの世界観と設定に惚れこんでしまい、一気に読んでしまいました。
ただ「漢字が読める」というのが唯一最大の特徴であった(と思う。1巻の時点では。)妹さんが、その特徴を手放してしまうラストシーンには、今後の展開へ心配をしてしまいました。
まぁこっそりお兄ちゃんを想う姿は、王道ながら心ゆすぶられるものがありますが!
2巻に続くことを前提にした物語でしたが、1巻単体でも驚くほど綺麗にまとまっています。
読み終えた後、再び冒頭に戻り「21世紀のみなさまへ」を読み直すと、いっきにニヤニヤが止まらなくなってしまいました。上手い構成だなぁ。2人が歩んだドラマを想像してしまうw
2巻以降どうなっていくかはまだ読めませんが、1巻単体ではかなりオススメしたい出来!
[小説]恋と友情絡まる、成功と挫折の青春物語 『さくら荘のペットな彼女』
前回のゲーム更新に引き続き、普段あまりやらない更新を。今回は小説。
今一番熱中してるライトノベルはこの作品かも知れません。
1巻の感想をずいぶん前に書いたきり、このブログでは直接取り上げてきてはいませんでしたが・・・最近の、特に4巻と5巻が素晴らしすぎて震えまくり・・・!!
現在コミカライズも始まっており、アニメ化も視野に入ってるんじゃないかなーとぼんやり思っているわけですが、さてどうなるやら。まぁそれはともかく、感想というか紹介のようなことを。
この作品のメインヒロイン・椎名ましろちゃんはもはや言わずもがな。
彼女と主人公が織りなす初々しいラブコメ模様はなんとも微笑ましいものです。
・・・というのが3巻までのこの作品の感想の大部分を占めたもので、浅はかな自分はこの作品を単純なラブコメであるようにしか捉えられていなかったのです。
ところがこの4巻を読んでようやく思いました。違う違う、こんなのどこが『単純なラブコメ』だ。もちろんラブコメ的にも面白いですが、想像以上に濃密に苦味を含んだ青春であることに気づけました。遅い・・・遅すぎる・・・!
学園の問題児?ばかりが集められるというアパート「さくら荘」の住人たちを描くこの作品。そんな場所なので全員が規格外というか、いろんな意味で濃いキャラクターばかり。
舞台は水明芸術大学付属高校という、様々な分野において、才能ある生徒が集まる学校。
才能のある『天才』と、なにもない『凡人』。その要素は1巻からあったものです。
しかしこの要素が4巻から一気に強まってきたように感じ、そこが個人的にこの作品に引き込まれた原因なのかなと。学校がそういう場所だからこそ、登場キャラクターたちは才能の有無、そして目標との差について、深く悩まされることになります。そういうところは、芸術系の学校だからこそのシビアな感覚かも。
恋とか愛とか、ただそういう甘い気持ちだけで盛り上がれるわけではない。自分の好きなことで、認められたい。そうじゃないと自分が納得できない。そうしてさくら荘の面々が、それぞれ複雑な思いを抱きながら走り出したのが、この4巻なのかもしれません。
4巻も色々見所はありましたが、1番印象的だったのが、ましろと空太(主人公)の関係。
何もできない、やれない空太とは違い、ましろはさくら荘にやってくる前からその才能を開花させ、美術家として世界中から認められていた存在でした。
そしてその道を絶ってまで新たに始めたこと、それが漫画家。これも連載が始まれば人気も上々、大好評となります。ましろは明らかに天才であり、それが空太を悩ませることに。
ましろと並び立つには、自分も何かを成し遂げなければ。ましろからもらった熱を胸に、彼もまた夢を追う道へと進んできたのでした。
ところが自分の目標だったましろが、今度は「普通の女の子らしいこと」をしたがる。生まれたときから普通とは縁遠かった彼女は、さくら荘での生活の中で、明らかに変わったのでしょう。
空太のために・・・と、喜んでもらいたい一心で慣れない料理もやってみます。
そのいじらしさには思わず顔がニヤけてしまうわけですが、それがちょっと空太は納得できないというか、許せないというか。
彼は目標であるましろを、あまりに理想化してしまった。
わき目もふらず、ただただ高みを目指して欲しい。才能があるなら、それを全力で活かしきって欲しい。身勝手だけどそう願わざるを得ない。それは「自分がそうなりたい」姿だから。
もともとましろちゃんは、そういう「普通」のことに目を向けていない女の子だったので、女の子らしいことをしたがる今の彼女に違和感があるのはもちろんなのでしょうけど、どうにも、『才能』に翻弄されてもやもやしてしまってるんですねぇ。
空太も必死に夢のために行動を起こす。何度も何度もゲームのアイデアを考えて、メーカーに応募する。けどことごとく不合格。その苛立ちは、自分の理想像どおりになってくれないましろに向かう。
あーこの全然上手くいかない感じ!すっげぇ青春って感じがしてたまんないですね!!
そして積もったフラストレーションが爽快にふっ飛ばされる終盤も最高・・・!
もの凄くストレートに青春を描いてる作品だと思います。ちょっと捻ってあるように感じる部分は、あまり見たくない部分をも見せて来ているからで、結局それは真実だったり。
恋愛というには成熟しきれていない感情に、劣等感やら嫉妬やらが合わさって、めちゃくちゃになってしまってる感じ。素晴らしい。これぞ、これぞ。
確実にましろが恋する女の子になっていってるのに、プライドというにはあまりにも不恰好で曖昧な感情で彼女のかわいらしい変化を受け止めてあげることができない主人公!
この野郎!この野郎!そういうところが大好きだ!
そして5巻。今のところの最新刊ですが、これもまた青春らしさがハンパない。
妹の優子ちゃんかわいいなぁとか、優子ちゃんメインキャラ化まだかなとか、色々見所はあるわけですが、5巻もやっぱり甘酸っぱいような、でもだいぶ苦いような仕上がり。
今回なんか特に、「バレンタイン」なんてラブコメにか欠かせないような甘いイベントに、とあるヘビーなイベントを被らせてます。本当に忙しく生きてるなぁ、その雰囲気も好き。
4巻はましろと空太のこじれについて書きましたが、同時に3年生の美咲と仁もこじれており、5巻では3年ペアのことが大きく取り上げられていました。
空太とましろと同じように、彼らもまた『才能』にかなり翻弄されてしまったいました。
しかし1巻ころから微妙な空気を引きずっていた彼らも、ここで収束です。
美咲も、ましろとおなじく既に圧倒的才能を発揮していて、世間から認められた存在。
仁は彼女の作品の脚本を担当しているイケメン。外泊ばかりしてます。
けれど幼馴染の美咲には特別な感情を抱いていて、何人も彼女を作ってうはうはやってるのに、美咲にだけは上手く真正面から向き合うことができない。
美咲は仁に大して丸分かりな愛情表現をしてるのですが、一切応じません。
それは彼が美咲に対して、本当に特別な感情を抱いているからこそなのですが、美咲はそれが上手くわからない。でも仁としても、今応えるわけにはいかないのです。
美咲を心底好きだからこそ、彼女と一緒にいるためには、今の自分では足りない。
「美咲と付き合える自分」は、仁にとっての目標なのだから。その資格がない今、美咲と付き合うわけにはいかないのですね。例え美咲を悲しませることになっても、自分の問題だ。
ある意味自分勝手なんですけど、これは分かるんですよ、分かりたくないんですけど絶対これはグッときてしまう。この場合の恋の資格なんて、人の感覚の中にしかない。けれどそれを律儀に守りぬかなきゃ、本当に心から満足することはできない。「妥協した」なんて意識を抱えて、好きな人と付き合うことなんてできるわけがない。自分の中の何かが、それを絶対に許さない。それはきっとズルだから。
1巻のころとかあの余裕たっぷりな様子がちょっとイヤなキャラクターだったんですけど
もう5巻での仁さんがステキすぎてヤバい。無茶苦茶カッコいい。こじらせてるなぁ。
そして空太は、境遇が似た仁さんに自己投影していたり。
空太と仁上の先輩・後輩の関係、この作品においてもとてもいいものだなと思います。
5巻は七海ちゃんをめぐるやりとりも強く印象に残っています。
彼女を友人と迎えに行くシーンは、男同士のムサい青春くささがあってお気に入り。
あー、ましろと空太のやりとりは5巻もニヤニヤさせていただきました。
ましろちゃんが空太にチョコ渡すシーンのかわいさはなんぞこれと!
初期を思うと、本当に彼女の変わりぶりには感動すら・・・・・・。
5巻はこの作品がこれまで描いてきたものを総括する内容でもあったように思います。
もちろんまだ決着の付かないものもたくさん、たくさんあるのですが・・・。
過去1番の大きな盛り上がりを見せたような気もしますね。
長い。なんでこう長くなるのか。まぁいいや。
さくら荘住人たちは、ただ一緒にバカさわぎをしてるだけじゃないです。
それぞれがそれぞれにちょっと歪なような、特別なような、言葉にしづらい感情を抱いては、互いに応援しあっているような、上へ上へといこうとしているというか、でも素直にそうすることもできないもやもやもあったりで、アパートまるごとで青春してるんですね。
キャラクター相関図のように、どのキャラがどのキャラにどんなことを思っているのか、考えてみると凄く面白い作品だとも思います。
天才、凡人。成功、挫折。男の子、女の子。
それぞれが面倒くさく絡み合ってて、それが最高に面白くもあるのです。
次はいよいよ卒業式・・・というところで、一旦短編集的なものをはさむようですが
5巻のヒキとか、続きが気になってしょうがないんですが!どうなってしまうんでしょうか。
これは引き続き買わなければ。本当にハマってしまっています。
結構な有名タイトルに成長してきたと思うので、自分が言うのもいまさらなのですが
かなり面白い作品だと思いますよ。オススメしたいです。青春サイコー!
さくら荘のペットな彼女(4) (電撃文庫) (2010/12/10) 鴨志田 一 商品詳細を見る |
今一番熱中してるライトノベルはこの作品かも知れません。
1巻の感想をずいぶん前に書いたきり、このブログでは直接取り上げてきてはいませんでしたが・・・最近の、特に4巻と5巻が素晴らしすぎて震えまくり・・・!!
現在コミカライズも始まっており、アニメ化も視野に入ってるんじゃないかなーとぼんやり思っているわけですが、さてどうなるやら。まぁそれはともかく、感想というか紹介のようなことを。
この作品のメインヒロイン・椎名ましろちゃんはもはや言わずもがな。
彼女と主人公が織りなす初々しいラブコメ模様はなんとも微笑ましいものです。
・・・というのが3巻までのこの作品の感想の大部分を占めたもので、浅はかな自分はこの作品を単純なラブコメであるようにしか捉えられていなかったのです。
ところがこの4巻を読んでようやく思いました。違う違う、こんなのどこが『単純なラブコメ』だ。もちろんラブコメ的にも面白いですが、想像以上に濃密に苦味を含んだ青春であることに気づけました。遅い・・・遅すぎる・・・!
学園の問題児?ばかりが集められるというアパート「さくら荘」の住人たちを描くこの作品。そんな場所なので全員が規格外というか、いろんな意味で濃いキャラクターばかり。
舞台は水明芸術大学付属高校という、様々な分野において、才能ある生徒が集まる学校。
才能のある『天才』と、なにもない『凡人』。その要素は1巻からあったものです。
しかしこの要素が4巻から一気に強まってきたように感じ、そこが個人的にこの作品に引き込まれた原因なのかなと。学校がそういう場所だからこそ、登場キャラクターたちは才能の有無、そして目標との差について、深く悩まされることになります。そういうところは、芸術系の学校だからこそのシビアな感覚かも。
恋とか愛とか、ただそういう甘い気持ちだけで盛り上がれるわけではない。自分の好きなことで、認められたい。そうじゃないと自分が納得できない。そうしてさくら荘の面々が、それぞれ複雑な思いを抱きながら走り出したのが、この4巻なのかもしれません。
4巻も色々見所はありましたが、1番印象的だったのが、ましろと空太(主人公)の関係。
何もできない、やれない空太とは違い、ましろはさくら荘にやってくる前からその才能を開花させ、美術家として世界中から認められていた存在でした。
そしてその道を絶ってまで新たに始めたこと、それが漫画家。これも連載が始まれば人気も上々、大好評となります。ましろは明らかに天才であり、それが空太を悩ませることに。
ましろと並び立つには、自分も何かを成し遂げなければ。ましろからもらった熱を胸に、彼もまた夢を追う道へと進んできたのでした。
ところが自分の目標だったましろが、今度は「普通の女の子らしいこと」をしたがる。生まれたときから普通とは縁遠かった彼女は、さくら荘での生活の中で、明らかに変わったのでしょう。
空太のために・・・と、喜んでもらいたい一心で慣れない料理もやってみます。
そのいじらしさには思わず顔がニヤけてしまうわけですが、それがちょっと空太は納得できないというか、許せないというか。
彼は目標であるましろを、あまりに理想化してしまった。
わき目もふらず、ただただ高みを目指して欲しい。才能があるなら、それを全力で活かしきって欲しい。身勝手だけどそう願わざるを得ない。それは「自分がそうなりたい」姿だから。
もともとましろちゃんは、そういう「普通」のことに目を向けていない女の子だったので、女の子らしいことをしたがる今の彼女に違和感があるのはもちろんなのでしょうけど、どうにも、『才能』に翻弄されてもやもやしてしまってるんですねぇ。
空太も必死に夢のために行動を起こす。何度も何度もゲームのアイデアを考えて、メーカーに応募する。けどことごとく不合格。その苛立ちは、自分の理想像どおりになってくれないましろに向かう。
あーこの全然上手くいかない感じ!すっげぇ青春って感じがしてたまんないですね!!
そして積もったフラストレーションが爽快にふっ飛ばされる終盤も最高・・・!
もの凄くストレートに青春を描いてる作品だと思います。ちょっと捻ってあるように感じる部分は、あまり見たくない部分をも見せて来ているからで、結局それは真実だったり。
恋愛というには成熟しきれていない感情に、劣等感やら嫉妬やらが合わさって、めちゃくちゃになってしまってる感じ。素晴らしい。これぞ、これぞ。
確実にましろが恋する女の子になっていってるのに、プライドというにはあまりにも不恰好で曖昧な感情で彼女のかわいらしい変化を受け止めてあげることができない主人公!
この野郎!この野郎!そういうところが大好きだ!
さくら荘のペットな彼女〈5〉 (電撃文庫) (2011/05/10) 鴨志田 一 商品詳細を見る |
そして5巻。今のところの最新刊ですが、これもまた青春らしさがハンパない。
妹の優子ちゃんかわいいなぁとか、優子ちゃんメインキャラ化まだかなとか、色々見所はあるわけですが、5巻もやっぱり甘酸っぱいような、でもだいぶ苦いような仕上がり。
今回なんか特に、「バレンタイン」なんてラブコメにか欠かせないような甘いイベントに、とあるヘビーなイベントを被らせてます。本当に忙しく生きてるなぁ、その雰囲気も好き。
4巻はましろと空太のこじれについて書きましたが、同時に3年生の美咲と仁もこじれており、5巻では3年ペアのことが大きく取り上げられていました。
空太とましろと同じように、彼らもまた『才能』にかなり翻弄されてしまったいました。
しかし1巻ころから微妙な空気を引きずっていた彼らも、ここで収束です。
美咲も、ましろとおなじく既に圧倒的才能を発揮していて、世間から認められた存在。
仁は彼女の作品の脚本を担当しているイケメン。外泊ばかりしてます。
けれど幼馴染の美咲には特別な感情を抱いていて、何人も彼女を作ってうはうはやってるのに、美咲にだけは上手く真正面から向き合うことができない。
美咲は仁に大して丸分かりな愛情表現をしてるのですが、一切応じません。
それは彼が美咲に対して、本当に特別な感情を抱いているからこそなのですが、美咲はそれが上手くわからない。でも仁としても、今応えるわけにはいかないのです。
美咲を心底好きだからこそ、彼女と一緒にいるためには、今の自分では足りない。
「美咲と付き合える自分」は、仁にとっての目標なのだから。その資格がない今、美咲と付き合うわけにはいかないのですね。例え美咲を悲しませることになっても、自分の問題だ。
ある意味自分勝手なんですけど、これは分かるんですよ、分かりたくないんですけど絶対これはグッときてしまう。この場合の恋の資格なんて、人の感覚の中にしかない。けれどそれを律儀に守りぬかなきゃ、本当に心から満足することはできない。「妥協した」なんて意識を抱えて、好きな人と付き合うことなんてできるわけがない。自分の中の何かが、それを絶対に許さない。それはきっとズルだから。
1巻のころとかあの余裕たっぷりな様子がちょっとイヤなキャラクターだったんですけど
もう5巻での仁さんがステキすぎてヤバい。無茶苦茶カッコいい。こじらせてるなぁ。
そして空太は、境遇が似た仁さんに自己投影していたり。
空太と仁上の先輩・後輩の関係、この作品においてもとてもいいものだなと思います。
5巻は七海ちゃんをめぐるやりとりも強く印象に残っています。
彼女を友人と迎えに行くシーンは、男同士のムサい青春くささがあってお気に入り。
あー、ましろと空太のやりとりは5巻もニヤニヤさせていただきました。
ましろちゃんが空太にチョコ渡すシーンのかわいさはなんぞこれと!
初期を思うと、本当に彼女の変わりぶりには感動すら・・・・・・。
5巻はこの作品がこれまで描いてきたものを総括する内容でもあったように思います。
もちろんまだ決着の付かないものもたくさん、たくさんあるのですが・・・。
過去1番の大きな盛り上がりを見せたような気もしますね。
長い。なんでこう長くなるのか。まぁいいや。
さくら荘住人たちは、ただ一緒にバカさわぎをしてるだけじゃないです。
それぞれがそれぞれにちょっと歪なような、特別なような、言葉にしづらい感情を抱いては、互いに応援しあっているような、上へ上へといこうとしているというか、でも素直にそうすることもできないもやもやもあったりで、アパートまるごとで青春してるんですね。
キャラクター相関図のように、どのキャラがどのキャラにどんなことを思っているのか、考えてみると凄く面白い作品だとも思います。
天才、凡人。成功、挫折。男の子、女の子。
それぞれが面倒くさく絡み合ってて、それが最高に面白くもあるのです。
次はいよいよ卒業式・・・というところで、一旦短編集的なものをはさむようですが
5巻のヒキとか、続きが気になってしょうがないんですが!どうなってしまうんでしょうか。
これは引き続き買わなければ。本当にハマってしまっています。
結構な有名タイトルに成長してきたと思うので、自分が言うのもいまさらなのですが
かなり面白い作品だと思いますよ。オススメしたいです。青春サイコー!
[小説]微・三角関係修羅場ラブコメディ。『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』
転載記事。詳しくはこちらで→[告知]小説の感想記事に関して
少々の修正を加えただけです。昔に書いたものなので現在とはノリが違うのも多いかも。
これがあたしの真の力よぎゅいんぎゅいんぎゅいん
・ライトノベル「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」 発売日前に完売相次ぐ
・『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』重版決定
…と、GA文庫ではちょっと珍しく?(失礼)1巻目から話題沸騰な新シリーズ
裕時悠示先生の「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」を読んだので感想を。
なんかよく話に上がるに試しに読んでいるか~とネット人気にホイホイ釣られた形になってしまいましたが、これがなかなか楽しめる内容で売れているのも納得です。
20Pほどの短編をいくつか重ねてゆき、物語を進行させていく形式をとっており
おかげでコメディとして非常にテンポよく読めるのはこの作品の強みの1つ。
加えてメインヒロイン2人のキャラバランスも王道ながら実にいい。
突然主人公に告白してきた帰国子女・夏川真鈴。顔◎スタイル◎性格△なJOJO好きお嬢様。
暴れん坊な暴食幼なじみ・春先千和。頭もちょっぴり残念なやきもち焼き。
無理やりお嬢様の彼氏に仕立て上げられた主人公と、その由を知らされず混乱・嫉妬する千和ちゃんという構図。幼なじみにやきもちを焼かれるというのはなかなかロマンが詰まっておりますな!
ナイスバディで、その上突然主人公の彼女になってしまった真鈴に最初は敵意むき出しだった彼女ですが、真鈴にうまく言いくるめられ、メチャモテ☆を目指す謎の部活に入れられてしまいます。
彼女持ちになった主人公への対抗心として、自分もイケメン彼氏を作ると言い出しますが、モテる女の子らしさ皆無な千和にすんなり彼氏ができるわけもなく…。
天真爛漫で天然におばかな千和と、真面目なように見えて茶目っ毛たっぷりな真鈴、そして彼女たちに振り回される主人公を描いた、微・三角関係修羅場ラブコメディとなっています。
主人公が医者を目指している理由や、終盤の展開はなかなか感動的ですが
基本は肩の力を抜いて楽しめる能天気なハイテンションコメディ。
JOJOやドラゴンボールを始めパロディネタや主人公の黒歴史ノートなど、読んでてアイターな気分にさせてくれる笑いもたくさん届けてくれましたw黒歴史ノートは特にひどいw
ただ、これは次回予告で作者自身いじっていましたが、1巻の時点ではそれほど「修羅場」になっていないというところは若干残念。というのも、千和がまだ主人公への恋心を恥ずかしがってあらわにしていないことと、真鈴がまだ恋愛に本気になっていないということで、よくある「主人公の手を引き合う女の子2人」の構図にはなっていないのです。
2人ともが恋心が高まりオープンになってからこそが「修羅場」の醍醐味。
ヒロイン2人ともの心境に変化をもたらした終盤の展開を経て、エピローグではやっとベタな修羅場シーンに突入しました。2巻ではさらに熱のこもった修羅場が見れるようになるでしょうか。期待!
さらりとまとめ。
1巻の時点では「修羅場」とまではなっていませんが、今後それが盛り上がることは必至。
ラブコメとして盛り上がってくるのは2巻以降かな。1巻の時点でもやきもちを焼く幼なじみヒロインや、主人公を挑発するお嬢様となかなかツボは抑えてありますが。
コメディとしては問題なく、非常に楽しめる内容となっているのではないでしょうか。
ヒロイン2人とも違った魅力があり、それぞれとてもかわいらしいです、
イラストも作風にあっていて○。るろおさんの絵は好きですなぁ。
JOJOしいお嬢様の過去も気になるところですし、2巻も継続したいと思います。
期待の新シリーズ「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」でした。
少々の修正を加えただけです。昔に書いたものなので現在とはノリが違うのも多いかも。
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる (GA文庫) (2011/02/15) 裕時 悠示 商品詳細を見る |
これがあたしの真の力よぎゅいんぎゅいんぎゅいん
・ライトノベル「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」 発売日前に完売相次ぐ
・『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』重版決定
…と、GA文庫ではちょっと珍しく?(失礼)1巻目から話題沸騰な新シリーズ
裕時悠示先生の「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」を読んだので感想を。
なんかよく話に上がるに試しに読んでいるか~とネット人気にホイホイ釣られた形になってしまいましたが、これがなかなか楽しめる内容で売れているのも納得です。
20Pほどの短編をいくつか重ねてゆき、物語を進行させていく形式をとっており
おかげでコメディとして非常にテンポよく読めるのはこの作品の強みの1つ。
加えてメインヒロイン2人のキャラバランスも王道ながら実にいい。
突然主人公に告白してきた帰国子女・夏川真鈴。顔◎スタイル◎性格△なJOJO好きお嬢様。
暴れん坊な暴食幼なじみ・春先千和。頭もちょっぴり残念なやきもち焼き。
無理やりお嬢様の彼氏に仕立て上げられた主人公と、その由を知らされず混乱・嫉妬する千和ちゃんという構図。幼なじみにやきもちを焼かれるというのはなかなかロマンが詰まっておりますな!
ナイスバディで、その上突然主人公の彼女になってしまった真鈴に最初は敵意むき出しだった彼女ですが、真鈴にうまく言いくるめられ、メチャモテ☆を目指す謎の部活に入れられてしまいます。
彼女持ちになった主人公への対抗心として、自分もイケメン彼氏を作ると言い出しますが、モテる女の子らしさ皆無な千和にすんなり彼氏ができるわけもなく…。
天真爛漫で天然におばかな千和と、真面目なように見えて茶目っ毛たっぷりな真鈴、そして彼女たちに振り回される主人公を描いた、微・三角関係修羅場ラブコメディとなっています。
主人公が医者を目指している理由や、終盤の展開はなかなか感動的ですが
基本は肩の力を抜いて楽しめる能天気なハイテンションコメディ。
JOJOやドラゴンボールを始めパロディネタや主人公の黒歴史ノートなど、読んでてアイターな気分にさせてくれる笑いもたくさん届けてくれましたw黒歴史ノートは特にひどいw
ただ、これは次回予告で作者自身いじっていましたが、1巻の時点ではそれほど「修羅場」になっていないというところは若干残念。というのも、千和がまだ主人公への恋心を恥ずかしがってあらわにしていないことと、真鈴がまだ恋愛に本気になっていないということで、よくある「主人公の手を引き合う女の子2人」の構図にはなっていないのです。
2人ともが恋心が高まりオープンになってからこそが「修羅場」の醍醐味。
ヒロイン2人ともの心境に変化をもたらした終盤の展開を経て、エピローグではやっとベタな修羅場シーンに突入しました。2巻ではさらに熱のこもった修羅場が見れるようになるでしょうか。期待!
さらりとまとめ。
1巻の時点では「修羅場」とまではなっていませんが、今後それが盛り上がることは必至。
ラブコメとして盛り上がってくるのは2巻以降かな。1巻の時点でもやきもちを焼く幼なじみヒロインや、主人公を挑発するお嬢様となかなかツボは抑えてありますが。
コメディとしては問題なく、非常に楽しめる内容となっているのではないでしょうか。
ヒロイン2人とも違った魅力があり、それぞれとてもかわいらしいです、
イラストも作風にあっていて○。るろおさんの絵は好きですなぁ。
JOJOしいお嬢様の過去も気になるところですし、2巻も継続したいと思います。
期待の新シリーズ「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」でした。