[小説]過ぎ去った日々を別視点から。『さくら荘のペットな彼女』5.5巻
さくら荘のペットな彼女 5.5 (電撃文庫 か 14-14) (2011/09/10) 鴨志田 一 商品詳細を見る |
泣いて、笑って、騒いで、遊んで・・・・・・。
5,5巻、ちょっと時期を逃してましたけど感想書こうかなと。9月に出ました。
5巻は衝撃的なラストではやく続くを読ませてくれー!というところですが、今回は番外編・短篇集となっています。電撃文庫MAGAZINEで掲載されたのが中心。加筆修正や描きおろしあり。
ではさくっと感想書いていきたいと思います。
●神田空太の普通な1日。
日常茶飯事のようにましろが起こるトラブルに巻き込まれる空太。非常事態が日常です。
ぱんつすら自分で履けないましろですが、なんとぱんつを履かないまま学校に来てしまいました。無注意無警戒なましろなので、いつ誰に大切な部分を見られるともわかりません。
なんとかましろのスカートの中を死守ししょうと頑張る空太でした。
この作品としてはかなり基本的なドタバタ劇という内容でしたが、テンポよく進んでくれて読みやすいですねえ。短篇集のしょっぱなとしてテンションも高くスピード感あり。
●三鷹仁の大人への階段
仁とその恋人との甘くエロティックな様子が垣間見える短編。
これまでほとんど見えて来なかった部分なので、こういう視点の話が読めるのもこの短篇集の面白い点でしょうか。あとがきを読むと、このVer.は直接表現Verなんだとか。
大人になりたいのに、なろうとしているのに、ままならない不甲斐なさ。結局まだ「子供」であることを盾に、守ってもらうことしかできない。「子供」の特権を利用するしか。
けれど、この悔しさをかみしめてこそ、彼は前を向いて歩いて行くことができるんでしょう。
留美さん出来過ぎなくらいいい女ですね。なんてカッコいいんだ。幸せになってくれ。
●青山七海の乙女なクリスマス
恋報われないオーラがマッハな七海さんのお話。切ないけど、恋のために四苦八苦したりがんばったりする女の子のお話は大好物。
「今日はさっきまで最悪な気分だったのに、たったの一言で最高の一日に変わってしまうのだから」というクライマックスの言葉が全てと言うか。恋は女の子を輝かせますね。
●もうひとつのクリスマス
クリスマスの夜。仁と美咲はどんな夜を過ごしたのか。多くの読者が気になっていたところがついに読めたエピソード。5巻を読んだ今では、これすらニヤニヤ読めてしまうのですが!
また仁たちだけでなく、ほかのさくら荘メンバーがどんなクリスマスを過ごしていたのか。場面はクルクルと変わり、いろんなシーンが描き出されていきます。
リタちゃんとメイドちゃんのやりとりが個人的にお気に入り。あと先生コンビw
●住めば都のさくら荘?
空太がはじめてさくら荘に来た日の話。美咲や仁との出会いが描かれます。
初々しさが感じられる空太の様子にはニヤニヤしてしまいますね。
個人的には生まれたてのメイドちゃんと空太のファーストコンタクトに笑ったw メイドちゃんそんなところまで再現してたのかよw
そんな笑いもありつつ、全体的に時の流れを意識させられる、ちょっとノスタルジックなエピソードだったと思います。本編ではまさに今、3年生の卒業が間近に迫ってるタイミングですからね。
なんでもないような日々の1ページにすらこんな甘酸っぱい気持にさせられる。青春とはいいものですな。さくら荘の連中はちゃんとみんなで集合写真とろう。
という具合の短篇集第5,5巻。ここまで読み進めてきた読者にとっては、「見れて嬉しい」シーンの連続じゃないかなと思います。見たかった部分をすくいあげていく、いい一冊。
本編はいよいよクライマックスに突入中ですが、さてさてどうなるやら。
漫画版の1巻も発売されてますし、今度どんな動きがおこるのかも気になるところ。
青春ムード満点でたまらないシリーズです。ましろちゃんかわいいし!
Comment
コメントの投稿
Track Back
TB URL