[漫画]ボーイ・ミーツ・ガールは旋律の中で 『さよならピアノソナタ』漫画版1巻
通常更新再開。
さよならピアノソナタ1巻
なぜか こんなにも胸がざわつく
「さよならピアノソナタ」の漫画版1巻が発売されたので購入しました。
原作は杉井光先生のライトノベルで、もともとかなり評価が高かったので気になっていましたが
発売されたこのコミック版の表紙が一発で気にいり、ほとんど表紙買い。
内容も面白く、いい作品に出会えて嬉しくなりました。原作も読みたくなる勢い。
今回はこの漫画についてぼちぼち感想を。
音楽評論家を父に持つ主人公は、たまにステレオ機材をあさりにゴミ処理場に来る少年。
ある日、彼はそこで不思議な音楽を聞きます。周囲の廃棄物それぞれに音が反響しあい、まるでオーケストラのような…。それを奏でいたのは1台のピアノ。弾いているのは女の子。
男の子と女の子は、世界の終わりみたいな場所で出会ったのでした。
第1話こそ印象的な冒頭と2人の出会いが描かれますが、2話からは学園モードに突入します。
そこから世界観に現実味が出てくるのですが、やはり1話の最初に叩きつけられた出会いのインパクトと、ちょっとファンタジックなムードを頭の中に引き摺るので、読んでてなかなか面白い感覚になりました。
自分を、あるいは世界のなにかを変える「革命」を目指す青春劇。
「才能」について登場人物たちが悩むシーンがなかなかのお気に入り。というか他作品に関してもそうなので、自分はそういう描写が好きなのかもしれない。どんな好みだ…。
天才と呼ばれるほどの人物が、わざわざ評価と与えられた地位を捨ててやってくる。
圧倒的才能に、自分の居場所を侵される。差を見せつけられる。
真冬はもともとピアノの世界にいた才能だったのに、なぜかギターを始めていて、そしてギターでもその才能を発揮させている。
対する自分は、言葉でしか音楽を語る力がない。ギターも大した腕じゃない。
悔しいだろ。才能なんて暴力だ。持たざるものを打ちのめす暴力だ。
けれどこのステージの上なら、自分は丸腰じゃない。積み重ねた努力とプライド、ちっぽけでも武器はちゃんとあるんだ。いつまでも負けてばかりじゃいられないだろ。ということで奮起する主人公。
けれど真冬にも、まだ深くは描かれていませんが相当な覚悟が備わっていることが伝わってきます。ギターを手にした彼女の真意とは。そして主人公との不仲はどうなるのか。
彼女に関しては気になることがたくさんありますね。
この1巻の時点では、主人公とヒロインの真冬はいがみあうことが多いのですが、終盤には2人が少しだけ歩み寄る展開に。可愛らしい女の子ですし、ラブコメ的にも期待大ということで!
音楽が大きなテーマとして、作中深く根付いている本作。
楽しさや高揚感、感動…それは音楽を通じて得られる幸福です。
しかしこの1巻は、むしろ音楽に対してネガティブな感情が渦巻いています。
上で書いた主人公が悩む「才能」の話もそうですが、真冬の過去と現在についても、もやもやと考えを巡らせてしまうというものです。
彼女はとても大きな力を持ち、それを評価され、華やかな活躍をしていました。
けれど彼女の回想には、華やかな世界にいた時の記憶すら、ほぼ恐怖しか描かれません。
「音楽のせいで母は出ていった」「たのしいことなんてあるはずなくて」
などなど、とにかく重く沈んだ言葉ばかり使われる回想シーン…。
音楽の世界が持つ残酷さを嫌と言うほど味わったのに、それでも取りつかれたように音楽から離れることができないのが真冬という女の子。
どんなに傷つけられても、無邪気に笑いながら音楽を楽しんだ子どものころが記憶が、彼女を音楽に縛り付けてしまっているようです。
回想で幼い真冬のそばにいるのは、いなくなってしまったお母さんかな。
彼女が持つ音楽へのネガティブイメージはやはり相当強いものなようです。
主人公も、今のところ音楽を素直に楽しめてるという感じではなさそうか。真冬という才能に出会ってからは特に、反発しあってばかりですし。
「音楽だけが僕たちをつないでいた」と、この1巻のオビにあるのですが
「音楽に繋がれている・囚われている」とも言えそうな2人だと思いました。
新しい日々が、互いにとっての救いになってくれるといいのですが。
そしてそんな重たくネガティブな感情から羽ばたいていってくれるであろう今後の展開には、一層期待をしてしまいたくなります。
本編も面白かったのですが、オマケ漫画のノリが異常なのもよかったw
原作者繋がりで神メモのパロ&いじり、暴露話をしたり「とりあえずいろんなブログ名を叫ぼう!」とかもやってて、酷い暴走っぷりです。本編のしんみりムードとは一体なんだったのか。
中でもアニメ化が難しいという話は凄く生々しかった…。た、担当さん・・・!
でもこの作品はアニメでも見てみたいなー!
(クリック拡大)
そんなオマケ漫画の話で感想〆。
いまのところはとてもきれいに進行していて、クセも少なく読みやすさ抜群。
主人公とヒロインのほかにもキャラクターは複数登場しますが、まだまだどんなキャラクターかはつかめない感じではあります。しかしそれは物語が進んでいけば大丈夫でしょう。
音楽と青春、それぞれの光と影がうまく組み合わさる物語に非常に引き込まれました。
ところどころ表れる中2っぽい言い回しも好感触。大好きです。
原作も読んでみたくなる出来でした。青春と音楽が革命を起こす、眩しい作品。
よどみの中から革命を。少年少女の音楽で世界を切り開け。
『さよならピアノソナタ』漫画版1巻 ・・・・・・・・・★★★★
ちょくちょく名前を見かける原作だったので気になっていましたが、これは面白い。
物語はもちろん、漫画だからこそと言える表現も合わせて魅力的でした。
さよならピアノソナタ1巻
なぜか こんなにも胸がざわつく
「さよならピアノソナタ」の漫画版1巻が発売されたので購入しました。
原作は杉井光先生のライトノベルで、もともとかなり評価が高かったので気になっていましたが
発売されたこのコミック版の表紙が一発で気にいり、ほとんど表紙買い。
内容も面白く、いい作品に出会えて嬉しくなりました。原作も読みたくなる勢い。
今回はこの漫画についてぼちぼち感想を。
音楽評論家を父に持つ主人公は、たまにステレオ機材をあさりにゴミ処理場に来る少年。
ある日、彼はそこで不思議な音楽を聞きます。周囲の廃棄物それぞれに音が反響しあい、まるでオーケストラのような…。それを奏でいたのは1台のピアノ。弾いているのは女の子。
男の子と女の子は、世界の終わりみたいな場所で出会ったのでした。
第1話こそ印象的な冒頭と2人の出会いが描かれますが、2話からは学園モードに突入します。
そこから世界観に現実味が出てくるのですが、やはり1話の最初に叩きつけられた出会いのインパクトと、ちょっとファンタジックなムードを頭の中に引き摺るので、読んでてなかなか面白い感覚になりました。
自分を、あるいは世界のなにかを変える「革命」を目指す青春劇。
「才能」について登場人物たちが悩むシーンがなかなかのお気に入り。というか他作品に関してもそうなので、自分はそういう描写が好きなのかもしれない。どんな好みだ…。
天才と呼ばれるほどの人物が、わざわざ評価と与えられた地位を捨ててやってくる。
圧倒的才能に、自分の居場所を侵される。差を見せつけられる。
真冬はもともとピアノの世界にいた才能だったのに、なぜかギターを始めていて、そしてギターでもその才能を発揮させている。
対する自分は、言葉でしか音楽を語る力がない。ギターも大した腕じゃない。
悔しいだろ。才能なんて暴力だ。持たざるものを打ちのめす暴力だ。
けれどこのステージの上なら、自分は丸腰じゃない。積み重ねた努力とプライド、ちっぽけでも武器はちゃんとあるんだ。いつまでも負けてばかりじゃいられないだろ。ということで奮起する主人公。
けれど真冬にも、まだ深くは描かれていませんが相当な覚悟が備わっていることが伝わってきます。ギターを手にした彼女の真意とは。そして主人公との不仲はどうなるのか。
彼女に関しては気になることがたくさんありますね。
この1巻の時点では、主人公とヒロインの真冬はいがみあうことが多いのですが、終盤には2人が少しだけ歩み寄る展開に。可愛らしい女の子ですし、ラブコメ的にも期待大ということで!
音楽が大きなテーマとして、作中深く根付いている本作。
楽しさや高揚感、感動…それは音楽を通じて得られる幸福です。
しかしこの1巻は、むしろ音楽に対してネガティブな感情が渦巻いています。
上で書いた主人公が悩む「才能」の話もそうですが、真冬の過去と現在についても、もやもやと考えを巡らせてしまうというものです。
彼女はとても大きな力を持ち、それを評価され、華やかな活躍をしていました。
けれど彼女の回想には、華やかな世界にいた時の記憶すら、ほぼ恐怖しか描かれません。
「音楽のせいで母は出ていった」「たのしいことなんてあるはずなくて」
などなど、とにかく重く沈んだ言葉ばかり使われる回想シーン…。
音楽の世界が持つ残酷さを嫌と言うほど味わったのに、それでも取りつかれたように音楽から離れることができないのが真冬という女の子。
どんなに傷つけられても、無邪気に笑いながら音楽を楽しんだ子どものころが記憶が、彼女を音楽に縛り付けてしまっているようです。
回想で幼い真冬のそばにいるのは、いなくなってしまったお母さんかな。
彼女が持つ音楽へのネガティブイメージはやはり相当強いものなようです。
主人公も、今のところ音楽を素直に楽しめてるという感じではなさそうか。真冬という才能に出会ってからは特に、反発しあってばかりですし。
「音楽だけが僕たちをつないでいた」と、この1巻のオビにあるのですが
「音楽に繋がれている・囚われている」とも言えそうな2人だと思いました。
新しい日々が、互いにとっての救いになってくれるといいのですが。
そしてそんな重たくネガティブな感情から羽ばたいていってくれるであろう今後の展開には、一層期待をしてしまいたくなります。
本編も面白かったのですが、オマケ漫画のノリが異常なのもよかったw
原作者繋がりで神メモのパロ&いじり、暴露話をしたり「とりあえずいろんなブログ名を叫ぼう!」とかもやってて、酷い暴走っぷりです。本編のしんみりムードとは一体なんだったのか。
中でもアニメ化が難しいという話は凄く生々しかった…。た、担当さん・・・!
でもこの作品はアニメでも見てみたいなー!
(クリック拡大)
そんなオマケ漫画の話で感想〆。
いまのところはとてもきれいに進行していて、クセも少なく読みやすさ抜群。
主人公とヒロインのほかにもキャラクターは複数登場しますが、まだまだどんなキャラクターかはつかめない感じではあります。しかしそれは物語が進んでいけば大丈夫でしょう。
音楽と青春、それぞれの光と影がうまく組み合わさる物語に非常に引き込まれました。
ところどころ表れる中2っぽい言い回しも好感触。大好きです。
原作も読んでみたくなる出来でした。青春と音楽が革命を起こす、眩しい作品。
よどみの中から革命を。少年少女の音楽で世界を切り開け。
『さよならピアノソナタ』漫画版1巻 ・・・・・・・・・★★★★
ちょくちょく名前を見かける原作だったので気になっていましたが、これは面白い。
物語はもちろん、漫画だからこそと言える表現も合わせて魅力的でした。
[漫画]ぬくもりに胸がいっぱい。 『スピカ ~羽海野チカ初期短編集~』
来週末までだらだらと試験が続いてげんなり。更新ペース落ちててごめんなさい。
泣いてもやめられないほど好きなものがあるってのはさ
きっとすごいことなんだぜ
「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」の羽海野チカ先生の短編集が発売されました。
収録作されているのは2000年~2004年に発表された6作品となっています。
どこか懐かしいような、優しい気持ちにさせてくれる羽海野先生の魅力を、様々な角度から楽しめる一冊に仕上がっているのではないでしょうか。なかなかバリエーションに富んだ内容です。
今回は主に、特にお気に入りな2編について感想を。
高校3年の夏。本当に好きで続けたいことへの情熱と、そろそろちゃんと考えなきゃいけない将来への不安に板挟みになる男の子たちと女の子を描いた青春物語。
等身大の「悩める高校生たち」の様子がなんともかわいらしい!のですが、「自分が全力を注いで熱中してるそれは、将来の役に立つのか?」とシビアな問題に気を落ち込ませるのをこちらも考え込んでしまう。将来を思うと本当に不安しかなかったあの時期だなぁ。今も他人事じゃなくてドキンドキン。
ヒロインの美園は、バレエをならっている女子高生。
大好きなバレエ。追い続けたい夢。けれどその世界は、凡人に優しくないことも分かっている。
情熱だけではどうにもならないいらだちや寂しさは、どんどんと彼女を追い詰めていく。
加えて親からは「もしバレエでダメだったどうする気よ」「みんなに笑われるのよ?」、そろそろ現実を見たほうがいいんじゃないかと言われてしまい・・・。
「なにかを好きになるって そんなに悪いことなのかなあ 笑われるほど?」
周囲への不満、夢を実現することに絶対の自信を持つことができない自分のふがいなさ・・・その涙には悔しさがにじみます。
そうした中から、主人公の野球少年とのやりとりによって勇気を手にし、立ち上がっていく姿には心温まりました。好きなんだから、簡単に諦めることなんてできるわけがないんだ。誰しもが不安と闘いながら、できることからやりたいことを掴んでいく。
そして爽やかなラストシーンが大のお気に入り。
(クリック拡大)
序盤に触れられた花火大会の話を踏まえた上でのこの誘い文句!くあー!
そこまで性急なものでもないかな。いやいや、どうだろう。ニヤニヤしてしまうな。
といってもそのじいさんのモノローグと回想で半分くらいが進行するので、実質主人公はこのじいさんのような気がする。しかしまぁこれがよくまとまってる上にいい話で、思わず涙が出てしまいました。
憎しみを糧に生き、孤独のまま研究に没頭してきた寂しい男は
ただ1人自分を愛してくれる女性すら、まっすぐに見つめることできない。
自分の都合のいい世界を作り上げて、その罪悪感は苦しいほどあるのに逃げられない。
「あさましい私」「小さい世界」「愛のコトバを吐き続けた」と、自虐的な言葉をあえて選んでいるシーンにはぐっと切なくさせられます。
上の画像で抱きしめてはいるけれど、きっと本心から満たされてはいない。
孤独って苦しいけれど、ほんのすこし楽な世界でもあるのかも知れない。1人ぼっちの世界は、自分を責める人間も自分だけ。この男とその奥さんは、自分の世界だけで完結し輪になった孤独の『歯車』を、すこしだけ相手の歯車に噛ませながら回り続けてきたのかも。奥さんのコンプレックスも根深いものだったようですが、彼女もまた彼のあやまちにすがっていた面も・・・。
しかしそんな鬱々とした展開を抜けてのラストシーンの感動はまた格別!
ヘビーですがとても人間臭いお話。かわいいおじいちゃんとおばあちゃん。
では他4作品についても。
・冬のキリン
フルカラーのショートショート。ビターな味わいの中に、切なくも温かなものを感じます。
・ミドリの仔犬
「はなのゆりかご」と合わせて同じ男の子が登場するシリーズ。こちらが1作目。
かわいい男の子ががんばるお話で、まったりほんわか楽しめるました。犬をつれ戻してきたときにショックを受けるシーンには一気に引き込まれました。表情といいモノローグといい、痛い。
・夕日キャンディー
お、ソフトなBL漫画。羽海野先生のBLはなんだか新鮮でした。
タバコを使ったシチュってシブくてカッコイイですねえ。しかし野宮だとう。
・イノセンスを待ちながら
エッセーに近い作品。羽海野チカ先生が語る、押井守監督。
・・・といった内容の短編集でした。単行本はちょっと大きめA5版。
10年以上前の作品も多いのですが、羽海野先生が好きなら違和感ないでしょう。現在にまで繋がる要素も数多く、このころから既に作風が定まっていたんだなと。まぁハチクロも始まっていた時期なので、再確認という具合ですが、やはりこの人の漫画は好きですねー。
なんとなく、やさしい匂いがする気がします。
花とゆめレーベルからの発売になりますが、男性にも読みやすいと思います。
「3月のライオン」と合わせてオススメしたい1冊。3月のライオン新刊は22日発売。
そういえばライオン開始以降、久々の「少女漫画」単行本になるんですかね。
あとなんだか東京で原画展をやるようで。行きたい・・・。
『スピカ ~羽海野チカ初期短編集~』 ・・・・・・・・・★★★☆
短編集。100ページほどの読みやすいボリュームの中に"らしさ"はたっぷり詰まっています。
スピカ ~羽海野チカ初期短編集~ (花とゆめCOMICSスペシャル) (2011/07/20) 羽海野チカ 商品詳細を見る |
泣いてもやめられないほど好きなものがあるってのはさ
きっとすごいことなんだぜ
「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」の羽海野チカ先生の短編集が発売されました。
収録作されているのは2000年~2004年に発表された6作品となっています。
どこか懐かしいような、優しい気持ちにさせてくれる羽海野先生の魅力を、様々な角度から楽しめる一冊に仕上がっているのではないでしょうか。なかなかバリエーションに富んだ内容です。
今回は主に、特にお気に入りな2編について感想を。
表題作。2002年に小学館のフラワーズに掲載されたようです。スピカ
高校3年の夏。本当に好きで続けたいことへの情熱と、そろそろちゃんと考えなきゃいけない将来への不安に板挟みになる男の子たちと女の子を描いた青春物語。
等身大の「悩める高校生たち」の様子がなんともかわいらしい!のですが、「自分が全力を注いで熱中してるそれは、将来の役に立つのか?」とシビアな問題に気を落ち込ませるのをこちらも考え込んでしまう。将来を思うと本当に不安しかなかったあの時期だなぁ。
ヒロインの美園は、バレエをならっている女子高生。
大好きなバレエ。追い続けたい夢。けれどその世界は、凡人に優しくないことも分かっている。
情熱だけではどうにもならないいらだちや寂しさは、どんどんと彼女を追い詰めていく。
加えて親からは「もしバレエでダメだったどうする気よ」「みんなに笑われるのよ?」、そろそろ現実を見たほうがいいんじゃないかと言われてしまい・・・。
「なにかを好きになるって そんなに悪いことなのかなあ 笑われるほど?」
周囲への不満、夢を実現することに絶対の自信を持つことができない自分のふがいなさ・・・その涙には悔しさがにじみます。
そうした中から、主人公の野球少年とのやりとりによって勇気を手にし、立ち上がっていく姿には心温まりました。好きなんだから、簡単に諦めることなんてできるわけがないんだ。誰しもが不安と闘いながら、できることからやりたいことを掴んでいく。
そして爽やかなラストシーンが大のお気に入り。
(クリック拡大)
序盤に触れられた花火大会の話を踏まえた上でのこの誘い文句!くあー!
そこまで性急なものでもないかな。いやいや、どうだろう。ニヤニヤしてしまうな。
少年が1人な偏屈じいさんに出会うお話。はなのゆりかご
といってもそのじいさんのモノローグと回想で半分くらいが進行するので、実質主人公はこのじいさんのような気がする。しかしまぁこれがよくまとまってる上にいい話で、思わず涙が出てしまいました。
憎しみを糧に生き、孤独のまま研究に没頭してきた寂しい男は
ただ1人自分を愛してくれる女性すら、まっすぐに見つめることできない。
自分の都合のいい世界を作り上げて、その罪悪感は苦しいほどあるのに逃げられない。
「あさましい私」「小さい世界」「愛のコトバを吐き続けた」と、自虐的な言葉をあえて選んでいるシーンにはぐっと切なくさせられます。
上の画像で抱きしめてはいるけれど、きっと本心から満たされてはいない。
孤独って苦しいけれど、ほんのすこし楽な世界でもあるのかも知れない。1人ぼっちの世界は、自分を責める人間も自分だけ。この男とその奥さんは、自分の世界だけで完結し輪になった孤独の『歯車』を、すこしだけ相手の歯車に噛ませながら回り続けてきたのかも。奥さんのコンプレックスも根深いものだったようですが、彼女もまた彼のあやまちにすがっていた面も・・・。
しかしそんな鬱々とした展開を抜けてのラストシーンの感動はまた格別!
ヘビーですがとても人間臭いお話。かわいいおじいちゃんとおばあちゃん。
では他4作品についても。
・冬のキリン
フルカラーのショートショート。ビターな味わいの中に、切なくも温かなものを感じます。
・ミドリの仔犬
「はなのゆりかご」と合わせて同じ男の子が登場するシリーズ。こちらが1作目。
かわいい男の子ががんばるお話で、まったりほんわか楽しめるました。犬をつれ戻してきたときにショックを受けるシーンには一気に引き込まれました。表情といいモノローグといい、痛い。
・夕日キャンディー
お、ソフトなBL漫画。羽海野先生のBLはなんだか新鮮でした。
タバコを使ったシチュってシブくてカッコイイですねえ。しかし野宮だとう。
・イノセンスを待ちながら
エッセーに近い作品。羽海野チカ先生が語る、押井守監督。
・・・といった内容の短編集でした。単行本はちょっと大きめA5版。
10年以上前の作品も多いのですが、羽海野先生が好きなら違和感ないでしょう。現在にまで繋がる要素も数多く、このころから既に作風が定まっていたんだなと。まぁハチクロも始まっていた時期なので、再確認という具合ですが、やはりこの人の漫画は好きですねー。
なんとなく、やさしい匂いがする気がします。
花とゆめレーベルからの発売になりますが、男性にも読みやすいと思います。
「3月のライオン」と合わせてオススメしたい1冊。3月のライオン新刊は22日発売。
そういえばライオン開始以降、久々の「少女漫画」単行本になるんですかね。
あとなんだか東京で原画展をやるようで。行きたい・・・。
『スピカ ~羽海野チカ初期短編集~』 ・・・・・・・・・★★★☆
短編集。100ページほどの読みやすいボリュームの中に"らしさ"はたっぷり詰まっています。
[漫画]かわいい神様がやってきました。 『素足のメテオライト』1巻
素足のメテオライト(1) (ブレイドコミックス) (2011/07/08) 小西幹久 商品詳細を見る |
神は天にいまし すべて世はこともなし。
表紙買いしました。そして当たったなと!
このカッコいいイラストと「素足のメテオライト」という不思議なタイトルに惹かれ購入。
ロリな神様と一緒によく分からない化け物と戦っていく漫画です。(ざっくり)
人類が文化を持ってから、あるいは持つ前からでも、人々は神様に祈りをささげてきた。
宗教という形だったり、お気楽な願懸けだったり、まぁいろんな形で神様の力を求めつづけてきた。何千年もの歴史の中で積み重なった「願い」のエネルギーは、いよいよ神様を実現させてしまうまでになってしまいました。
神の名はダルミル。人類待望の『神様』降臨です!
ロリっぽい女の子でした。
「メテオライト」は隕石、そして素足ともあるので、このタイトルは彼女のことを指すのかな。
偉そうとは異なるにしても、神様としての自負を持っているようですし、あり得ない想像を次々現実にしていく能力を見せつけるなど、存在感を放ちます。
かと思えば外見相応の女の子らしい儚さを感じさせたり、なぜか人間味があったり。
これまで『概念』でしかなかった神様が、実体を得て地球にやってきたということで、ダルミルとしても感じることは色々あるようで、『普通』を好む主人公との仲は上手くいくのか。
神様が何故あえて幼児体型の女の子の姿になったのかは置いといて、なかなか可愛いです。
彼女の登場によりいきなり日常を乱され、混乱する主人公・有介。
家は隕石で木端微塵、神様と名乗る女の子がやってくる・・・とわけがわからない状況の中、加えてなんだか気持ち悪い怪物まで襲いかかってきます。
まるで無機物のような敵。コミュニケーションがとれない敵というのは本能的に恐いと感じてしまいます。まるで生き物っぽくないですし。
しかしそこは神様を味方につけた主人公。神の力で得た必殺技でワンパン撃破!
でもダルミルに願いをかなえてもらうたびに、主人公は信じられないくらいの腹下りを起こしてしまうそうです。なんぞそれw
作品の全体的な感想として思ったのが、
超常的で手に負えない感じというか、ミステリアスな雰囲気が出ていて良かったということ。
特にダルミルちゃんは面白い雰囲気を持ったキャラクターだったなと!
しかし襲ってくる的が無機物っぽく不気味なのに、わりとコメディタッチにバトルの結末を迎えてしまってるのは少々残念かも。緊張感がやや足りてないというのは感じてしまいました。
しかし敵の正体もあまり掴めていないので、この先予想以上のピンチはやってきそうです。せっかく気持ち悪い敵なのでどんどん活躍して欲しいな!
女の子キャラがみんな愛嬌あってかわいらしいですね。後輩の恵ちゃんは健気な押しかけ女房、ダルミルちゃんが目立った1巻ですが、彼女もどんどん出てきて欲しいですねおっぱい。
主人公の友人、インテリぽっちゃりロリコン少年カメ次くんもかなり好き。
彼はインテリイケメンモードとロリコン暴走モードの振り幅がいいなあ。カッコいときは「惑星のさみだれ」の風巻さんみたいなのに・・・。
しかしなによりこの作品が魅力的なのは、核となる「神様」の設定。
「神の力」で様々な展開ができる自由な世界観ですが、「神」の存在とはどういうものなのか、不確定ながらも読者を納得させてくれる仕上がりです。
ダルミルとカメ次のやり取りにも感じましたが、オリジナルの神論がちゃんと成立してる感じ。
神様という漫画のみならず使い古されたキャラクター像(と言っていいのかなぁある意味)を新しい形にしてみせ、これは面白いなと納得させてくれる説得力があったと思います。
コメディとシリアスのメリハリはもっと強くつけて欲しいかなあと思いますが、個人的に期待したい新シリーズ「素足のメテオライト」1巻でした。
『素足のメテオライト』1巻 ・・・・・・・・・★★★☆
表紙カッコいいなぁとしみじみ。どんどん面白くなりそうな作品かも。神様かわいいですし。
[漫画]走れ男の子!少年漫画はこうでなきゃ!『常住戦陣!!ムシブギョー』1、2巻
常住戦陣!! ムシブギョー 1 (少年サンデーコミックス) (2011/06/17) 福田 宏 商品詳細を見る |
常住戦陣!! ムシブギョー 2 (少年サンデーコミックス) (2011/06/17) 福田 宏 商品詳細を見る |
常住戦陣!!!!
蟲奉行所同心、帰還!
サンデー超で連載していた「ムシブギョー」が、少年サンデー本誌でリメイク新連載。
タイトルを「常住戦陣!! ムシブギョー 」と改め、新たな作品に生まれ変わりました。
とは言っても前作の設定・キャラクターはそのまま。前作が好きだった人も安心です。
移籍新連載というちょっと特殊な始まり方もありますが、特殊連載が始まってから結構な回数カラーを獲得していたり、単行本発売に合わせて「サンデーCM劇場」でショートアニメになったり、最近のサンデー新連載の中でもかなり目立った存在なのでは。
どんな作品かを簡単に言うならば、気持ちいいくらいの王道少年漫画。
今回は同時発売された1巻と2巻の感想をー。
・貫け武士道、はためけふんどし 『ムシブギョー』1巻
・おっぱいとバトルの濃厚2重奏。男の子の漫画はこうでなきゃ! 『ムシブギョー』2巻
・武士だからこその意地が己を変えていく! 『ムシブギョー』3巻
どんな作品か前作「ムシブギョー」の感想で結構書いてますので、よろしければ↑も。
ノリとかはほとんど本作と変わりませんし、リメイクされた今でも十分楽しめます。
とは言っても、細かな変更点は間違いなく存在していまして、第1話がサンデーに載ったときにそこらへんをとりあげた記事も書きました。(少年サンデー新連載「常住戦陣!!ムシブギョー」を旧連載版と比べてみたり)リンク張ってばっかりじゃねーかって感じですが。
1話以降を読んでは旧連載版との細かな違いを言い出すと結構出てしまうのですが
そのほとんど作品にとっての「補強」と感じられるもので、1度仕切りなおして始まっただけに全体的にパワーアップしてくれているなという印象です。
1、2巻では「このエピソード、前のでも読んだぞ」というものが多く収録されていますが
ある程度長く続けることを見越してか、非常に丁寧な構成に再構築されています。
より深く、そのキャラクターが背負うものや感じたことを見せているなと。
2巻の無涯と一緒に蟲退治をするエピソードなどがそうなのかなと思うのですが、旧連載版で特に人気があったエピソードなんかは、今後の新連載版でも描かれることになるかもしれませんね。
まぁ、旧連載版ではつるーんと全裸になってしまっていたお春ちゃんが、新連載版ではすこし着崩れたくらいに落ち着いてしまっていたのは少しショックですが!(第2話)
でもそうですよね!最初から全部脱がせてしまうのはしょうしょう安直というもの。お春ちゃんが襲われるたびにどんどん露出度が上がっていくに違いありません!
それと旧連載版にも登場した蟲のデザインも変更されたものもありました。例えば「大人蚤」もそうですが、ちょっと無機物的になったというか、マイルドになったというか。
どちらが良いかは分かりませんが、個人的には前の方がエグくて好きだったかも。
それは「少年サンデー」に載るということを考慮してのことなのかもですね。前のはちょっと、ガチで気持ち悪くて、小さい子とかトラウマになってしまうレベルとも思います・・・。
もちろん変更された今でも、独特の迫力はおぞましさはバッチリ。作品の雰囲気を損なう大きな変更点というわけではありません。蟲のデザインも今後の楽しみの1つ?
1巻は舞台設定の説明と、蟲奉行所のメインキャラクターがどんな戦いを得意にしているのかを実に丁寧に描いた内容となっています。主人公・仁兵衛のまっすぐさも、バトルを通じて見せていく。
2巻では、仁兵衛ともう1人の蟲奉行所メンバーで任務に向かうエピソードが大きく2つ。
蟲奉行最強の人物・無涯と、ツンツン爆撃娘・火鉢ちゃんの2人がクローズアップされます。
無涯はまだまだ謎の多い人物として描かれますが、火蜂ちゃんとの距離感はぐっと、いい方向に近づいたのではないでしょうか。ちなみに彼女とのエピソードは新連載版初出。
仁兵衛のいい意味での愚直さは、周囲の人間をどんどんを変えていくのです。
お花見をする回(第12話)は、それがとても感じられた微笑ましいものでした。
2巻最終話ではまったくの新キャラクターも登場し、いよいよ旧連載版読者も知りえないところにまでストーリーが進んできます。今後どうなっていくか、とても楽しみです。
まだ登場していない「蟲奉行様」は、本作でも出てきてくれるんでしょうかね。
それと1巻のオマケページは素晴らしかったですね。分かってるな!福田先生!
読者からの質問に応えていくというベーシックな内容なのですが、質問の1つに「お春ちゃんのスリーサイズを教えてください」というものが!
これに先生、ようしパパ張り切って答えちゃうぞーと・・・
眼福なイラストを書き下ろしてくださっているのですが、それがなぜか3連発。
1ページまるまる使ったお春ちゃんのサービスイラストが、1ページ1ページに欠かさずスリーサイズが書かれて3連発。1枚で十分なのに、どんだけお春ちゃん描きたいんですか先生!!ついていきます!・・・こんな風にサービス満点なオマケページにも大満足!
加えて本編も王道だからこその面白さが詰まっており、いい「少年漫画」だなと思います。
主人公の仁兵衛のまっすぐさにまったく嫌味が無く、素直に気持ちいい雰囲気なんですよね。
背負うもの、目指すもの、戦友たち・・・ド派手でカッコいいバトルに、かわいいヒロイン。少年漫画を盛り上げる王道要素が揃いまくりです。
「日常」のヒロインがお春ちゃん、「戦場」のヒロインが火蜂ちゃんと、ダブルヒロインがうまくポジションを分けているのも上手いところ。恋愛要素は全然濃くないですけどね、お色気要因です。
月刊ペースから週刊ペースになって大丈夫かなと思っていましたが、心配無用。まったく作画に乱れは感じないまま作品のテンションはどんどん上がっています。
ちょっと珍しい仕切りなおし新連載として始まった本作。
前作を知る人はもちろんよりパワーアップした「ムシブギョー」を楽しめますし、知らない人もこのシリーズから読んでまったく問題はありません。
胸震わせ熱くしてくれる、少年漫画の醍醐味を味わえる作品なのでは!
女の子たちのおっぱいやふんどしパンツにも注目していきたいところですね。
『常住戦陣!! ムシブギョー』1、2巻 ・・・・・・・・・★★★★
まさに王道、これぞ男の子の漫画!本編・オマケともに満足度高いです。
[漫画]誰かにプレゼントしたくなる短編全24作。『ストレニュアス・ライフ』
ストレニュアス・ライフ (ビームコミックス) (2011/06/15) 丸山 薫 商品詳細を見る |
シーロン公共図書館は また明日の皆様のご来館をお待ちしています
丸山薫先生の初単行本「ストレニュアス・ライフ」が発売されました。
丸山先生は商業ではこれが初単行本で、個人的にはまさに待望と呼べる1作!
Fellows!創刊号から巻末で掲載され続けていたファンタジー短編作品たちが一冊になり、この単行本では24もの作品が収められています。
雑誌で読んでたときから単行本になるのが楽しみでしたねぇ。
250ページを超えるなかなかなボリュームで、多彩な物語をたっぷりと堪能できます。
表紙もちょっと独特な感じ(Fellowsっぽいですが)。ではどんな感じの本なのかを紹介。
24の短編作品を収録。そのほとんどが10ページ強ほどで、単行本で読んでると次から次へと新しいお話に出会っていける構造です。
コンセプトとしては「おしごとにまつわる」短編集ということですが、どれもファンタジー要素が含まれていてやたら夢のある作品が並んでいます。
公式?で紹介動画が製作されているのですがこれがとても作風を掴みやすいので
どんな作品か知りたい人はこれを見てみるといいかも。まさかのアニメ仕様・・・!!
しかも大きく見ると高画質→■
なにぶん1つ1つの話が本当に短く、雰囲気を味わって楽しむという側面も強い作品なので、大好きなのにがっつりと語るというのが難しいのがちょっと歯がゆいです。
「秘密にしておきたい、でも誰かにそっと教えたい、宝物みたいな1冊」
とオビにあるのですが、まさにそのとおり。
言葉にはしづらいのですが、絵本のような、宝箱を覗いているような感覚で読める漫画。
ちょっと不思議な風景・世界をいくつも見せてくれるのです。
では特に気に入った作品をいくつか。
・8A
ウサギバスちょっと機転の利く運転手。
小さな女の子たちの仲直りのためにちょっ人肌脱いでみたり。
その世界観にほとんどなんの説明もされないのがこの単行本に共通する特徴ですが
それが与えてくれるサプライズが、この短編は特にほほえましくて好き。
ところで丸山先生の描く女の子のかわいさは何気に素晴らしい。素朴なような。
・工場の日々
読んでて一番「おーっ」となったのがこの作品かも。
いつもとある白い物を使っているらしいどこかの工場。そこで1人のバカな男がしたイタズラで、社会は大混乱。でもこういう夢のある混乱なら、ちょっと味わってみたい気も。
・ホムンクルス
この単行本では珍しい、ちょっとブラックな要素を含んだ一作。
仕組みとしてはわりとよくあるタイプなものですが、単行本で読むとこれだけ毛色が違ってドキッとさせられます。世界のどこまでがホムンクルスなのだろう。
箱庭的閉塞感が、その中で起こる少し切ないイベントの印象をさらに強めてる感じ。
まぁそれが連続して、どこにでもあり得る研究の1ケースになってしまうのが黒い。
・雲山の送り狼
少女と狼の2つの視点から描くお話。送り狼くんかわいいですね。
・小説家助手
ネコの動作が妙に愛くるしいw 無愛想なようでちゃんと主人想いな助手ネコさん。
・百万像の国
エッセーコミック風に始まる、ラオスを舞台にした作品。
ジャール平原という実在する場所を舞台にしたお話なのですが
現実とフィクションの境目をぼかしてありますね。もしかしたら、なんて気持ちに・・・
・・・は、あんまりならないのは、このインパクトある見開きのおかげか。
(クリック拡大)
これが現実だったら・・・・・・いやいや、それはそれで面白そうかも知れない・・・!?
・セイレーン
時の流れって残酷ですね・・・。でもこういう普通じゃないロマンスの思い出も間違いなく素晴らしいもので。セイレーンさんが色っぽくかわいい。そこからの変化はちょっと残念なようで、でもいい年の取り方したようでニヤニヤしますね。
ベイジル爺さんの現在の情けなさは・・・まぁおいとこう。いい夫婦ですねってことでw
基本はほのぼのしたファンタジーものばかり。
何度も読み返して味わっては、それぞれの世界に想い馳せて楽しめます。
「やばい、超面白い!」と興奮する作品ではないのですが、じんわりと「いいなぁ・・・」という気分にさせられるといえば良いのでしょうか。いや、大好きなんですけど、上手く説明できない!
単行本ラストの「シーロン公共図書館」で、もしかしたらこの短編集の作品はすべてこの図書館に収められた物語なのかも、という形で上手くまとまっているのも好き。
絵の安定感もバッチリ。背景もしっかり描かれていますが、人物絵もシンプルながらいい雰囲気を出しているように思います。女の子もかわいいし、作画の面でもお気に入りですねえ。
24もの作品を収められているので、きっと好きな作品に出会えると思います。
「おお、そうやるのか!」と驚かされる、人とそれぞれの世界の時間。
ポップでファンタジック、色んな世界を一挙に楽しめる短編集。
プレゼントとして誰かに贈りたくなるような漫画は、久しぶりに出合った気がします。
『ストレニュアス・ライフ』 ・・・・・・・・・★★★★☆
寝る前に気楽に読むのが合いそうな、ファンタジックな一冊。いい夢見れそうです。