[漫画]ボーイ・ミーツ・ガールは旋律の中で 『さよならピアノソナタ』漫画版1巻
通常更新再開。
さよならピアノソナタ1巻
なぜか こんなにも胸がざわつく
「さよならピアノソナタ」の漫画版1巻が発売されたので購入しました。
原作は杉井光先生のライトノベルで、もともとかなり評価が高かったので気になっていましたが
発売されたこのコミック版の表紙が一発で気にいり、ほとんど表紙買い。
内容も面白く、いい作品に出会えて嬉しくなりました。原作も読みたくなる勢い。
今回はこの漫画についてぼちぼち感想を。
音楽評論家を父に持つ主人公は、たまにステレオ機材をあさりにゴミ処理場に来る少年。
ある日、彼はそこで不思議な音楽を聞きます。周囲の廃棄物それぞれに音が反響しあい、まるでオーケストラのような…。それを奏でいたのは1台のピアノ。弾いているのは女の子。
男の子と女の子は、世界の終わりみたいな場所で出会ったのでした。
第1話こそ印象的な冒頭と2人の出会いが描かれますが、2話からは学園モードに突入します。
そこから世界観に現実味が出てくるのですが、やはり1話の最初に叩きつけられた出会いのインパクトと、ちょっとファンタジックなムードを頭の中に引き摺るので、読んでてなかなか面白い感覚になりました。
自分を、あるいは世界のなにかを変える「革命」を目指す青春劇。
「才能」について登場人物たちが悩むシーンがなかなかのお気に入り。というか他作品に関してもそうなので、自分はそういう描写が好きなのかもしれない。どんな好みだ…。
天才と呼ばれるほどの人物が、わざわざ評価と与えられた地位を捨ててやってくる。
圧倒的才能に、自分の居場所を侵される。差を見せつけられる。
真冬はもともとピアノの世界にいた才能だったのに、なぜかギターを始めていて、そしてギターでもその才能を発揮させている。
対する自分は、言葉でしか音楽を語る力がない。ギターも大した腕じゃない。
悔しいだろ。才能なんて暴力だ。持たざるものを打ちのめす暴力だ。
けれどこのステージの上なら、自分は丸腰じゃない。積み重ねた努力とプライド、ちっぽけでも武器はちゃんとあるんだ。いつまでも負けてばかりじゃいられないだろ。ということで奮起する主人公。
けれど真冬にも、まだ深くは描かれていませんが相当な覚悟が備わっていることが伝わってきます。ギターを手にした彼女の真意とは。そして主人公との不仲はどうなるのか。
彼女に関しては気になることがたくさんありますね。
この1巻の時点では、主人公とヒロインの真冬はいがみあうことが多いのですが、終盤には2人が少しだけ歩み寄る展開に。可愛らしい女の子ですし、ラブコメ的にも期待大ということで!
音楽が大きなテーマとして、作中深く根付いている本作。
楽しさや高揚感、感動…それは音楽を通じて得られる幸福です。
しかしこの1巻は、むしろ音楽に対してネガティブな感情が渦巻いています。
上で書いた主人公が悩む「才能」の話もそうですが、真冬の過去と現在についても、もやもやと考えを巡らせてしまうというものです。
彼女はとても大きな力を持ち、それを評価され、華やかな活躍をしていました。
けれど彼女の回想には、華やかな世界にいた時の記憶すら、ほぼ恐怖しか描かれません。
「音楽のせいで母は出ていった」「たのしいことなんてあるはずなくて」
などなど、とにかく重く沈んだ言葉ばかり使われる回想シーン…。
音楽の世界が持つ残酷さを嫌と言うほど味わったのに、それでも取りつかれたように音楽から離れることができないのが真冬という女の子。
どんなに傷つけられても、無邪気に笑いながら音楽を楽しんだ子どものころが記憶が、彼女を音楽に縛り付けてしまっているようです。
回想で幼い真冬のそばにいるのは、いなくなってしまったお母さんかな。
彼女が持つ音楽へのネガティブイメージはやはり相当強いものなようです。
主人公も、今のところ音楽を素直に楽しめてるという感じではなさそうか。真冬という才能に出会ってからは特に、反発しあってばかりですし。
「音楽だけが僕たちをつないでいた」と、この1巻のオビにあるのですが
「音楽に繋がれている・囚われている」とも言えそうな2人だと思いました。
新しい日々が、互いにとっての救いになってくれるといいのですが。
そしてそんな重たくネガティブな感情から羽ばたいていってくれるであろう今後の展開には、一層期待をしてしまいたくなります。
本編も面白かったのですが、オマケ漫画のノリが異常なのもよかったw
原作者繋がりで神メモのパロ&いじり、暴露話をしたり「とりあえずいろんなブログ名を叫ぼう!」とかもやってて、酷い暴走っぷりです。本編のしんみりムードとは一体なんだったのか。
中でもアニメ化が難しいという話は凄く生々しかった…。た、担当さん・・・!
でもこの作品はアニメでも見てみたいなー!
(クリック拡大)
そんなオマケ漫画の話で感想〆。
いまのところはとてもきれいに進行していて、クセも少なく読みやすさ抜群。
主人公とヒロインのほかにもキャラクターは複数登場しますが、まだまだどんなキャラクターかはつかめない感じではあります。しかしそれは物語が進んでいけば大丈夫でしょう。
音楽と青春、それぞれの光と影がうまく組み合わさる物語に非常に引き込まれました。
ところどころ表れる中2っぽい言い回しも好感触。大好きです。
原作も読んでみたくなる出来でした。青春と音楽が革命を起こす、眩しい作品。
よどみの中から革命を。少年少女の音楽で世界を切り開け。
『さよならピアノソナタ』漫画版1巻 ・・・・・・・・・★★★★
ちょくちょく名前を見かける原作だったので気になっていましたが、これは面白い。
物語はもちろん、漫画だからこそと言える表現も合わせて魅力的でした。
さよならピアノソナタ1巻
なぜか こんなにも胸がざわつく
「さよならピアノソナタ」の漫画版1巻が発売されたので購入しました。
原作は杉井光先生のライトノベルで、もともとかなり評価が高かったので気になっていましたが
発売されたこのコミック版の表紙が一発で気にいり、ほとんど表紙買い。
内容も面白く、いい作品に出会えて嬉しくなりました。原作も読みたくなる勢い。
今回はこの漫画についてぼちぼち感想を。
音楽評論家を父に持つ主人公は、たまにステレオ機材をあさりにゴミ処理場に来る少年。
ある日、彼はそこで不思議な音楽を聞きます。周囲の廃棄物それぞれに音が反響しあい、まるでオーケストラのような…。それを奏でいたのは1台のピアノ。弾いているのは女の子。
男の子と女の子は、世界の終わりみたいな場所で出会ったのでした。
第1話こそ印象的な冒頭と2人の出会いが描かれますが、2話からは学園モードに突入します。
そこから世界観に現実味が出てくるのですが、やはり1話の最初に叩きつけられた出会いのインパクトと、ちょっとファンタジックなムードを頭の中に引き摺るので、読んでてなかなか面白い感覚になりました。
自分を、あるいは世界のなにかを変える「革命」を目指す青春劇。
「才能」について登場人物たちが悩むシーンがなかなかのお気に入り。というか他作品に関してもそうなので、自分はそういう描写が好きなのかもしれない。どんな好みだ…。
天才と呼ばれるほどの人物が、わざわざ評価と与えられた地位を捨ててやってくる。
圧倒的才能に、自分の居場所を侵される。差を見せつけられる。
真冬はもともとピアノの世界にいた才能だったのに、なぜかギターを始めていて、そしてギターでもその才能を発揮させている。
対する自分は、言葉でしか音楽を語る力がない。ギターも大した腕じゃない。
悔しいだろ。才能なんて暴力だ。持たざるものを打ちのめす暴力だ。
けれどこのステージの上なら、自分は丸腰じゃない。積み重ねた努力とプライド、ちっぽけでも武器はちゃんとあるんだ。いつまでも負けてばかりじゃいられないだろ。ということで奮起する主人公。
けれど真冬にも、まだ深くは描かれていませんが相当な覚悟が備わっていることが伝わってきます。ギターを手にした彼女の真意とは。そして主人公との不仲はどうなるのか。
彼女に関しては気になることがたくさんありますね。
この1巻の時点では、主人公とヒロインの真冬はいがみあうことが多いのですが、終盤には2人が少しだけ歩み寄る展開に。可愛らしい女の子ですし、ラブコメ的にも期待大ということで!
音楽が大きなテーマとして、作中深く根付いている本作。
楽しさや高揚感、感動…それは音楽を通じて得られる幸福です。
しかしこの1巻は、むしろ音楽に対してネガティブな感情が渦巻いています。
上で書いた主人公が悩む「才能」の話もそうですが、真冬の過去と現在についても、もやもやと考えを巡らせてしまうというものです。
彼女はとても大きな力を持ち、それを評価され、華やかな活躍をしていました。
けれど彼女の回想には、華やかな世界にいた時の記憶すら、ほぼ恐怖しか描かれません。
「音楽のせいで母は出ていった」「たのしいことなんてあるはずなくて」
などなど、とにかく重く沈んだ言葉ばかり使われる回想シーン…。
音楽の世界が持つ残酷さを嫌と言うほど味わったのに、それでも取りつかれたように音楽から離れることができないのが真冬という女の子。
どんなに傷つけられても、無邪気に笑いながら音楽を楽しんだ子どものころが記憶が、彼女を音楽に縛り付けてしまっているようです。
回想で幼い真冬のそばにいるのは、いなくなってしまったお母さんかな。
彼女が持つ音楽へのネガティブイメージはやはり相当強いものなようです。
主人公も、今のところ音楽を素直に楽しめてるという感じではなさそうか。真冬という才能に出会ってからは特に、反発しあってばかりですし。
「音楽だけが僕たちをつないでいた」と、この1巻のオビにあるのですが
「音楽に繋がれている・囚われている」とも言えそうな2人だと思いました。
新しい日々が、互いにとっての救いになってくれるといいのですが。
そしてそんな重たくネガティブな感情から羽ばたいていってくれるであろう今後の展開には、一層期待をしてしまいたくなります。
本編も面白かったのですが、オマケ漫画のノリが異常なのもよかったw
原作者繋がりで神メモのパロ&いじり、暴露話をしたり「とりあえずいろんなブログ名を叫ぼう!」とかもやってて、酷い暴走っぷりです。本編のしんみりムードとは一体なんだったのか。
中でもアニメ化が難しいという話は凄く生々しかった…。た、担当さん・・・!
でもこの作品はアニメでも見てみたいなー!
(クリック拡大)
そんなオマケ漫画の話で感想〆。
いまのところはとてもきれいに進行していて、クセも少なく読みやすさ抜群。
主人公とヒロインのほかにもキャラクターは複数登場しますが、まだまだどんなキャラクターかはつかめない感じではあります。しかしそれは物語が進んでいけば大丈夫でしょう。
音楽と青春、それぞれの光と影がうまく組み合わさる物語に非常に引き込まれました。
ところどころ表れる中2っぽい言い回しも好感触。大好きです。
原作も読んでみたくなる出来でした。青春と音楽が革命を起こす、眩しい作品。
よどみの中から革命を。少年少女の音楽で世界を切り開け。
『さよならピアノソナタ』漫画版1巻 ・・・・・・・・・★★★★
ちょくちょく名前を見かける原作だったので気になっていましたが、これは面白い。
物語はもちろん、漫画だからこそと言える表現も合わせて魅力的でした。
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