[漫画]不思議がいっぱい、愛する2人の逃避行。『ノケモノと花嫁 THE MANGA』1,2巻
![]() | ノケモノと花嫁 THE MANGA ~第一巻~ (2009/12/15) 中村 明日美子 商品詳細を見る |
![]() | ノケモノと花嫁 THE MANGA 第二巻 (2011/06/25) 原作:幾原邦彦 漫画:中村明日美子 商品詳細を見る |
ねぇ あなた名前を教えて? あなたと愛し合いたいの
いやぁ、「輪るピングドラム」面白いですねえ。
現在放送されているアニメの中でも、トップクラスに楽しみにしてるアニメです。
監督は幾原邦彦さんという、セーラームーンや少女革命ウテナで名を馳せた方らしく、放送前から話題になっていましたが、その両作とも集中して見てはいなかった自分。しかしピングドラムにはハマってしまい、その流れで、幾原邦彦監督が原作をつとめているというこの「ノケモノと花嫁」という作品も購入しました。
作画を担当しているのは中村明日美子先生。色んな雑誌で活躍してる作家さんですが、この作品が連載されているのは「KERA」というファッション誌!そんなところでも描いていたとは。
さて内容は・・・・・・、これまた、1口に説明がしづらいものとなっていますね。
意味わからないまま走り出して止まらない感は、ピングドラムに似ているかも知れません。
では1巻と2巻合わせてのを感想をー。
ドレスをまとった少女・世羅ヒツジ。大きなクマのぬいぐるみ・羽熊塚イタル。
良く分からない組み合わせですが、2人は恋人で、駆け落ちの最中であるというのです。
彼らを狙う謎の組織「燃えるキリン」も登場し、どんどん過激に賑やかに、恋人たちを巡るコミカル・ハードボイルド・ラブストーリーが展開します。
まず気になる大きなクマのぬいぐるみは、実は中に男の子が入っています。(2巻表紙)
ベタベタに2人が甘えてイチャイチャしまくる1巻の序盤にはいきなりニヤケ顔で楽しみましたが、わりと早くにヒツジが連れ去られてしまい、2人は離ればなれに。
みゆたんとまろにえちゃんなどのサブキャラとドタバタ劇を繰り広げつつ、ヒツジの救出に向かうきぐるみイタルくん。救出シーンと、それからの流れはなるほどハードボイルド・・・!?
ともかく、意外ではありましたがなかなか熱い展開に突入していき、楽しめました。中村明日美子先生のバトルシーン(銃撃戦アリ)だぞ!ちょっと新鮮!
さて、いろいろごった返してカオスな作品ですが、メインとなっているのは「恋心」。
メインのヒツジとイタルの恋愛劇は当然としても、注目したいのがまろにえちゃん!
相棒のみゆたんと一緒にコントやったり、、やふおくで怪しいものを売りさばいていたり、わりと人気らしいバンドをやっていたり、この作品を賑やかにしてくれるキャラクターの1人。
ところがまろにえちゃんはこっそりと、イタルに密かに恋心を寄せているみたいです。

2人きりだとこんなツンケンしちゃいますけど、イタルとの仲を周りから茶化されるとほんのり顔を赤くしてしまったり、彼が危ない目に合えば涙浮かべながら心配したり、はぁーかわゆい!
そして外見も素敵です。黒髪ロングにこの超冴えた眼つき……これは怒られたい。
可愛らしいキャラクターたちが多いのもそうですが、敵となる組織もなぜか動物のきぐるみを来ての登場が多く(組織の規則らしい)、どこかゆる~い空気が漂う、おもしろい世界観です。
しかしそんな、夢の中にいるかのようなふわふわと可愛らしい雰囲気に安心していると
現実味を帯びた鋭い針にぷすりと痛めつけられてしまいます。
チクリと強烈に生々しい毒が、甘い空気の中に入り込んだ作品でもあるのです。
主人公とその父親の間にはどうも近親相姦の要素を匂わせる描写もされていたり
ふとした時に見せるキャラクターが見せる狂気や殺意にドキッとさせられます。
強烈だったのが、傷ついた子どもたちの遺体が無数に並んでいるところと、その1人1人が火葬されていくシーン。彼らは虐待された子供たちということも言及されています。
静かに大量に並べられた子どもたちの亡きがらという、絵的に非常に痛ましい様子をガツンと描いてくることからも、この作品がそこに何らかのメッセージ性を持たせているように感じます。
まず敵組織「燃えるキリン」が子どもたちにのみ構成されたものであり、大人たちとその社会の破壊を目的に行動していることが印象的。
常に傷付けられる側であった子どもたちと、彼らの反逆が表現されています。
考えてみれば、かなりヘヴィーなテーマを背負っていることに気付かされますね。
「大人」の社会。「子ども」の社会。

「せめて最後 逝り出すときに愛をこめてあげるんだよ」 「愛してる」
愛されないまま命を落とした子どもたちを、きぐるみのイタルは愛を込めて火葬をしていきます。心に残る場面ですが、イタルという少年がどういった存在なのか、一層疑問が浮かびます。なんで組織から抜け追われているのか。なんでずっときぐるみを着ているのか。どうやら死なない身体であるのも不思議です。
そんな彼とヒツジの出会いもまた素晴らしいもので。
「僕は愛されたことなんて1度もない」「誰も僕を愛しようがない」
そう寂しい表情でもらす彼の手をとり、笑顔で純粋な愛をささげるヒツジ。

「私もあなたを『愛してる』って言うわ。だからあなたも私を『愛してる』って言うの。どう?」
お互いを愛しあおう。寂しい子どもなんていなくなくなるように。笑顔になれるように。
突拍子もない、子供じみた発言から始まった2人の小さく偉大な恋。
始まり方を知るとまた、2人の恋を応援したくなってきますね。
しかしヒツジちゃんも、普通の女の子とは思えない描写がちらほらと。秘密がありそうです。
では総括的なまとめとか、感想とか。
なかなか感想がかきにくい作品ではありましたが、面白いことは間違いなかったです。
しかしやはり抱いた感想の1つとして、分かりにくいというのはありました。
始まったときから謎が多いのにストーリーが進むにつれ増えていき、どんどんと人間関係も複雑になっていきます。1巻の時点では明らかに分かりやすい漫画ではなかったです。
なにしろ謎が多いですし、雰囲気もかなり独特、読むのに結構な時間がかかりました。
すごいいっぱいいっぱいに『何か』が詰まっていることは分かっても、それを上手く飲み込むことができないようなもどかしさは感じていました。
一転、2巻からは展開にスピードも出て派手な展開も続き、ストーリーを追う楽しみがかなり増えました。深まる謎もあれば明かされるもあり、この作品らしさもよい方向に出てきて読み応え十分!不透明だったものが見えてきて、内容も掴みやすかった。
1巻で止めず、2巻まで一気に読んでみることをオススメしたいです。
1度飲み込めてしまえば、この作品の深みを味わい楽しむことができてくるかと。
ゴチャゴチャしてはいますが、心に鋭く突き刺さるものをたくさん持った作品でした。
主人公2人の恋は一体どうなっていくのか!まろにえちゃんはどうするのか!!
3巻はいつになるか分かりませんが、完結までしっかり見届けたい作品です。
『ノケモノと花嫁 THE MANGA』1,2感 ・・・・・・・・・★★★★
かわいらしくも残酷で、耽美なおとぎ話。ラブコメ展開にも注目したい一作です。
[漫画]色彩豊かな連作短編シリーズ完結 『野ばら』2巻
![]() | 野ばら 2巻 (ビームコミックス) (2011/07/15) 高田 築 商品詳細を見る |
行ってきます また会おうね
「野ばら」の2巻が発売されました。これで完結。良質な連作短編シリーズでした。
今回はずいぶんと露出の多い表紙になっていますね。サリマジコー!
青春、バイオレンス、SF、エロス、コメディ。Fellowsにて連載がされた、様々なジャンルに属するであろう短編を7編収録した短編集。1巻から繋がりのあるシリーズもありますが、大半が独立した作品ですので、2巻から入ることも可能だったりします。1巻の感想も書きましたのでよろしけれそちらもば→素朴で不思議で怖くて愛おしい、花のような 『野ばら』1巻
では感想。特に好きな作品を個別で。
実の兄に恋をするハナ。ハナに恋をする中2男子・ゲン。彼が+α。・ハイカラ兄妹+α
恐らくは30年くらい前に日本を舞台に、まるでドラマのようなムードで進行していく青春劇。
しかしながらさらりと肉親への恋なんてヘビーな内容も熱かった作品でもあります。
ハナの告白に兄の龍はどういった返答をするのか・・・!

作品全体から漂うレトロな雰囲気と、ある意味ベタなストーリーが上手くハマってます。
ラストは爽やかに未来を感じさせてくれてニヤリとしました。
上手く切れてないたくあんを「ちぎって食べれば?」とむくれながら食卓に出すハナさんかわいいですね。彼女にはしっかり、幸せになってもらいたいです。龍兄ちゃんはカッコいいなー!
動物のお医者さんがヤクザでした漫画。・ドクター・ヘビの目
手術シーンの緊張感からいきなりコメディに転がる不思議な感覚を楽しめました。
年の差というかむしろオッサン萌え。これからいいナースになれるよ、主人公。
どうしても心が折れそうな時、『鬼』を呼べ。・鬼が来る
口座からごっそりお金がなくなる代わりに、そいつが来て君を助けてくれるはず。
終わることの無いいじめに限界を感じた主人公は、ついそいつを読んでしまいます。

豚のお面、腰にあてた左手、掲げた右手はサムズダウン。傾げた首の角度も素敵!
純粋にカッコいい登場ポーズですね。痺れる。しかも制服女子かよ!
まぁそれはいいとして、そんな謎のお面女子高生がいじめっこ少年たちをボッコボコにするシーンもまた爽快なんですよねえ。向かってくる男たちをリズムに載りながら次々沈めていく!
最終的には静かに主人公の少年の少年も描かれ、スカッと楽しい1作でした。
表紙のど真ん中、裸で抱き合ってる男の子と女性のお話です。・北陸いけない夜行
学校から遠く離れたところで補導された小学生・柴田。彼の担任教師・サジマリコが彼を引き取りにやってきて、2人で地元にもどるべく夜の列車に乗り込むという始まり。
これがまた、先生と教え子、小学生と大人と壁がある中で微笑ましい恋愛劇が繰り広げられる作品となっていて、読んでてニヤニヤしてしまう短編となっています。
小学生男子にリードされる先生とか最高じゃないですかと!
しかも先生は告白されたのは小学生の彼から下に見られているせいだと思っていたのですが、結局自分から(やむを得ずではありますが)服を脱いで抱き合うというシチュに持ち込むことになったり。もう、先生のブレ方がたまりません。
しかし「これ(電車)降りたら 先生に戻れよ」と言ってから先生を抱きしめる柴田少年のシーンに代表されるような、後ろめたさや罪悪感を互いに感じながら相手を抱いている、その切なさもなかなか良いものでした。
1巻にも不条理みたいなホラー漫画が1つあって異彩を放っていましたが、2巻ではこの作品がそれか。・白衣の足音
病院を舞台に、病院関係者と侵入してきたヤクザがそれぞれの武器で鮮血散らしあっていくバイオレンスホラー。やーすごい、バンバン人が死んでいって、命の軽さに笑えて来るくらい。
これまでの収録作品とのギャップが物凄いですが、それでこそ「野ばら」だなともw
リアルな絵ではないので、楽しめる範囲のグロさに収まっているとは思います。
おばちゃんナースまじキリングマシーン。
今日も一緒に! \ためしょむも~ん/・二女の友達
「しょむたん」からスタートしたこの連載「野ばら」。ラストを飾るのもやはりしょむたん!
表紙の左上のはじっこにいる変な白いヤツ。こいつがしょむたんです。

人をバカにしてるような、でも彼自身ドジばかりで、思わず両手でがしがし撫でこねたい感じの小動物。その正体はよくわかりませんけども・・・。今回もコミカルでかわいらしい姿を見せてくれましたね。和み。
報道の仕事やってるおねーさんもいいけど、やっぱりしょむたんとのコンビが似合いますねぇ。
しょむたんがいたら報道の仕事なんてまともに出来なさそうなのが大変ですが・・・!
しょむたんはこの「野ばら」の看板キャラでしたね。最後まで存在感を放ちました。
特に気に行ったのを個別に感想、とか言いながら7作中6作で書いてるってどうなの。
残る「うさぎ de フライト」も面白かったです。パンツとか見える宇宙航空漫画。
まぁこの漫画のパンツって、全然色気がないですけどね。大体無地の白というw でもその適当さもなんだか味があるように思えてくるという。
さて、この2巻でこの漫画終わってしまいました。
エロFにも作品を掲載していますが、高田築先生にはまたFellowsにも来て欲しいところ。
華やかではない、ちょっと泥の匂いもする、けれど咲き誇ればその花は鮮やかと力強さに惹かれてしまう。いくつもいくつも、違う色で咲く。不思議な魅力を宿したこの作品はまさに野ばら。
「悲しみが溢れる時でも、世界のどこかで小さな奇跡は生まれている。
道の端で野ばらが静かに、強く咲き続けるように―――。」
と2巻オビにもありましたが、関係なさそうでいてなかなか内容に合った作品名。
2巻完結、お気に入りのシリーズでした。
『野ばら』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
しょむたんで始まりしょむたんに終わる。素朴で良質な短編集シリーズです。
[漫画]強くまっすぐ、貴方を護るために。 『ねじまきカギュー』1巻
![]() | ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス) (2011/06/17) 中山敦支 商品詳細を見る |
愛は 奪い取るものじゃない
ヤングジャンプにて連載中の「ねじまきカギュー」の1巻です。待ってました!
作者の中山敦支先生は前に「トラウマイスタ」を少年サンデーで連載しており、またそれより遡ると月刊少年ジャンプ(今は亡き)などで作品を発表してました。
もともと中山先生の作品は好きだったのですが、もーあの「トラウマイスタ」の終盤には心底惚れこんでいまして、新作を待ち望んでいました・・・!
そんな中届けられた新連載「ねじまきカギュー」。中山先生らしさをたっぷりと詰め込んだ、これまたかわいらしくもハードに破天荒な作品に仕上がっています。
主人公・葱沢鴨(ねぎさわ・かも)は学校の先生をしている23歳。
風貌は平々凡々な彼ですが、実は「ヤバイ」女の子たちを無条件で惹きつけてしまう、タチのわるい女難体質を持ってもいました。今日も今日とて女の子たちに追いかけられる朝。
しかしそんな時に颯爽と現れた謎の人物!鉤生十兵衛(かぎゅう・じゅうべえ)と名乗るその人は華麗に鴨先生にカラむタフネス系女子高生を撃退してみせました。
「先生を護るために転校してきた」らしいその人物の正体とは・・・・・・!?
と、そんな感じで始まるお話です。
この作品の魅力は、やはりというか何というか、女性キャラクターかなと。
なんせ主人公の「ヤバイ女の子を惹きつける」という体質なので、とにかくゾクゾクとネジがぶっ飛んだ女の子たちが登場してくれます。敵も味方も総じてイカれ気味な少女たち。

いや、これはコワい。
でも読んでると、ビクッてなると同時に笑ってしまうシーンでもあるんですよね。
「トラウマイスタ」でもその狂気的な部分に強烈な魅力を感じたわけですが
今回もその狂気を存分に全面に押し出しつつ、「でもこういう状況っておもしろいよね?」と言う風にコメディチックな見せかたをしているように感じました。そこは新しい所。
現実を舞台にしているけれどオーバーアクションしまくりで、お前らどんだけ超人なんだよと思いつつ、その迫力に驚いたり思いきり笑うこともできるw
女の子たちはイッちゃってますけど、サスペンス的な理不尽さから恐怖感というのはありません。むしろキャラのふり幅に大きさに「お前かわりすぎだろww」と笑い飛ばすことができる安心感すら。
確かに怖くもあるんですけど、結局は恋心からきたものですし、この漫画の方向性からして本当にエグいことにはならないだろうなと思えます。でもその破天荒さはやはり笑えるのです。狂気をまっすぐ楽しめてしまうのがいいですね。
青年誌ならではのHなシーンもあるものの、ノリは少年漫画にかなり近いと思います。
というかバトル漫画の雰囲気そのまま。ぶっ飛び加減がいい心地です。
「トラウマイスタ」のおかげで自分は中山先生の描く狂気にビビりっぱなしなのですが、前作はシリアスに、今回はギャグテイストに。そこに気づけれたらまたとても楽しめました。
さて、キャラクターのイカれぶりが魅力的だと書きましたが
いつもイカれていてはあまりインパクトがないというもの。普通だと思っていた人が、実は・・・というようなサプライズが大切ではないでしょうか。
上の画像の怖い女の子は実はかわいらしいクラスの学級委員で、しかも色っぽく鴨先生を誘っていたりもしてて、でもこんなすんごい顔をしてみせたりする。
その切り替わりというか、2面性が面白いのです。この作品は2面性あるキャラばかり。
というところで2面性があるといえばメインヒロイン・カギューちゃんですよ!
最初登場したときは無表情・性別不詳でなんとも不気味な人物だったのですが
主人公がほかの女の子に「大人しくしろ!」殴られた途端、ブチ切れました。

ものすごい殺気・・・!
なるほど、無表情キャラからの怒ると超怖い女の子かー、と思いきや

おいなんだこれ、かわいすぎるー!!
顔が変わりすぎです。誰ですかこの美少女は!さっきまでの怖い顔はどこに!
そう、カギューちゃんの魅力は「実は凄くかわいらしい乙女であること」なのですよ。
主人公が好きなあまり暴走もするし敵をボコボコにもするしでしょうもないんですが、彼女のその一途さに一発KO。彼女の想いの純粋さは、ライバルの女の子たちをも驚かせるほど。
螺旋エネルギーを利用し超絶な破壊力を発揮する螺旋巻拳の使い手であるカギューちゃんですが、彼女自身は清々しいくらいにまっすぐな女の子なんですね。

にしてもやっぱりカギューちゃんかわいすぎせんか!あー。
女の子として魅力的になるためには「先生を護るための力」が邪魔・・・でも戦わないと先生を護れない・・・そんないじらしい悩みを抱えていたりするカギューちゃん。
この作品らしいぶっ飛びキャラでもありますが、間違いなくヒロインとしての魅力も十分です。
ではまとめ。
中山敦支先生だからこそ、という感じのテンションに圧倒される作品。
ドキッとさせられる狂気的な描写がやたらとカッコよく、作品の大きな魅力です。
加えてそんな中でこそ輝くピュアなカギューちゃんの可愛らしさ!これもすばらしいです。(他のおかしな女の子たちもある意味ピュアを貫いていますけど・・・)
作画は結構クセのあるほうだとは思いますが、読めばすぐ馴染むのでは。
バトル展開が多く大きなコマも相当量ありますので、ズムーズに楽しく読めました。
最初こそカギューちゃんの2面性を強調するふうなエピソードでしたが、単行本後半になるとむしろカギューちゃんの純粋さが相手を変えていく、という風なお話へシフト。
今後も色々おかしな女の子が鴨先生に迫っていってほしいものですね!(笑顔)
というわけで「ねじまきカギュー」1巻の感想でした。
ゆがんでるようで、本当はすごくストレートな作品なのではないでしょうか。
『ねじまきカギュー』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
怒涛のハイテンション・バトル・ラブコメ。カギューちゃんかわいいですな!
[本]全力投球イチャラブエロス三昧。 『年刊中年チャンプ』ほか
18禁記事です。
今夜に『正直どうでもいい酔いどれ眼鏡ラジオまごごはん』というラジオをやります。
詳しくは告知ページのところへお願いします。→告知ページ
その告知ページにありますように、今回のラジオには自分のイチオシの成年漫画を紹介しようというコーナーがありまして、自分は純愛イチャラブ漫画をテーマに2作(2作者?)をあげさせてもらっています。
うち1作、睦茸先生の「あまみドコロ」に関しては去年の12月の更新で取り上げていますので、そちらも見てもらえると嬉しいです。 → クリスマスだからエロ漫画2010!
しかしもう一方の中年先生の作品に関してはブログで取り上げてはいなかったので、どんな作品なのかを事前に文章に起こしてみようかなと。自分の考えをスッキリさせるためでもありw
中年先生は上の3冊を出しています。「年刊中年チャンプ」シリーズですね。
もうまんまなのですぐ分かると思いますが、タイトルからロゴデザイン、目次ページまで、明らかに某週間少年漫画雑誌をネタにしていて危ない気がします・・・が、多分いいのでしょうw
最初に発売された「年刊中年チャンプ(無印)」、2冊目の「合併号」、3冊目の「初期作品号」収録されている作品は全て1話完結で、そのどれもが純愛ラブコメものです。
この作品の魅力は、ありふれた言葉になってしまうのが申し訳ないのですが、女の子が可愛いこと。そりゃもう物凄く。物凄く!そしてばっちりエロい!
オール和姦ということで身構える必要はまったくなく、極上の愛とエロスの世界にどっぷりと浸ることができる内容となっています。多種多様なヒロインたちを楽しめます。
ページ数が特別長いわけではありません。しかしながらこってり濃厚にヒロインたちの溢れんばかりの興奮と愛情を描ききっており、一冊トータルの満足感がものすごいです。しかもそれが3冊も出ているのですよ!どういうことなんですか中年先生ありがとうございます!

無印収録『かくれん坊将軍』
全身でいっぱいに愛を受け、また愛を注ぐヒロインたち。
紅潮する肌、とろとろに蕩けた表情、女の子の性格・体つきもバリエーション豊富。性器描写も自分好みで嬉しいです。わりとリアル系描写がされますが、つるつる。
ついでに自分が好きなエロ漫画的シチュエーション・・・というか『絵』に、繋がりあいながらのキスシーンがあるのですが、泡立つくらいに激しく、またちろちろ細かく舌を合わせるなど、キスの描写も、シーンそのものの数も意外と豊富でして素晴らしいという他ないのです。
そして中年先生の作品で特徴的なのが、Hシーンが終わってからだと思ったりもします。ピロートークというと若干違いますが、ちまちまっと小さななコマでまたキャラクターたちがイチャついて、それでその話は幕を閉じます。そのイチャ付きっぷりが可愛すぎてもう・・・もう、俺はどうすればいいのでしょうか。

無印収録 『俺が犬で彼女が主で』
なんという幸福感・・・。激甘の性交シーンを味わった後にやってくる更なる刺客!エロシーンが終わっても逃がしません、さらに追い討ちをかけるか強烈な攻めの姿勢。最高です。
何度ベッドの上で転がったことか。読んでる最中どんな顔してるのかは知りたくないです。

特に好きなのが「合併号」に収録されている「うしろのメガネ太郎」という作品のラスト。左下の小さいコマが見えづらいので拡大。

「キライだから!」
「キライ!」
「・・・キライだもん」
「お願いだから『嫌わないで』って・・・言ってよう・・・」
「お願いだから『嫌わないで』って・・・言ってよう・・・」(エコー)
なんですかこのかわいい生き物!!
中年先生の手書き文字でちまちまっと小さく書かれたセリフ。画像として載せるには見えづらくて申し訳ないのですが、これにこそ、素直になれないけど頑張って愛を言葉にしたヒロインたちの本心やら羞恥やらが見え隠れし、至福の読後感を読者に届けてくれるのです。ちょっとだけ素直になれたんですよ、体を重ねたことで。もう!もう!なにそれ!
ではまとめでも。いつになくテンション高い文章になってしまって読み直すのが怖いですが。
というのも中年先生の作品は基本的にテンションが高いものが多く、読んでいて成年漫画だという意味以外でも凄く気持ちよくなれるのです。極上のラブコメがいくつも収録され、というかラブコメしかないのにそのどれもが素晴らしいという凄まじさ。
好きな作品を上げればキリがないので、挙げることがそもそも難しいです。
無印、合併号、初期作品号三冊で、中年先生が商業で発表した作品を全て網羅することができ、年代順から読んで行くと、先生の成長ぶりがよく分かり、その変化もまた楽しめる1要素。
初期作品群は確かに新しいものと比べると絵も未熟ですが、それでも描かれているものにほぼ変わりはなく、これもまた存分にニヤニヤさせてくれる作品たちなのです。
単行本として読むと統一感にはやや欠けるものの、それも全て愛しいと思えてしまうほど。
中年先生が出した3冊、そのどれもに、どこかおかしく、激しく、微笑ましい、少年と少女の等身大の感情が、目いっぱいに甘く詰まっています。
成年漫画のラブコメ、というところにおいては、強くオススメしたいのが中年先生の作品。
最初に読む一冊としては無印(一冊目)がいいと思いますが、3冊どれもお気に入りです。
また中年先生の作品が読めますように!
『年刊中年チャンプ』シリーズ3冊 ・・・・・・・・・★★★★☆
のぼせるくらいに情熱的な恋。かわいい、エロい、面白い。凄いです。
今夜に『正直どうでもいい酔いどれ眼鏡ラジオまごごはん』というラジオをやります。
詳しくは告知ページのところへお願いします。→告知ページ
その告知ページにありますように、今回のラジオには自分のイチオシの成年漫画を紹介しようというコーナーがありまして、自分は純愛イチャラブ漫画をテーマに2作(2作者?)をあげさせてもらっています。
うち1作、睦茸先生の「あまみドコロ」に関しては去年の12月の更新で取り上げていますので、そちらも見てもらえると嬉しいです。 → クリスマスだからエロ漫画2010!
しかしもう一方の中年先生の作品に関してはブログで取り上げてはいなかったので、どんな作品なのかを事前に文章に起こしてみようかなと。自分の考えをスッキリさせるためでもありw
![]() | 年刊中年チャンプ (ポプリコミックス) (2008/07) 中年 商品詳細を見る |
![]() | 年刊中年チャンプ 合併号 (ポプリコミックス71) (2010/05/27) 中年 商品詳細を見る |
![]() | 年刊 中年チャンプ 初期作品号 (ポプリコミックス79) (2010/10/27) 中年 商品詳細を見る |
中年先生は上の3冊を出しています。「年刊中年チャンプ」シリーズですね。
もうまんまなのですぐ分かると思いますが、タイトルからロゴデザイン、目次ページまで、明らかに某週間少年漫画雑誌をネタにしていて危ない気がします・・・が、多分いいのでしょうw
最初に発売された「年刊中年チャンプ(無印)」、2冊目の「合併号」、3冊目の「初期作品号」収録されている作品は全て1話完結で、そのどれもが純愛ラブコメものです。
この作品の魅力は、ありふれた言葉になってしまうのが申し訳ないのですが、女の子が可愛いこと。そりゃもう物凄く。物凄く!そしてばっちりエロい!
オール和姦ということで身構える必要はまったくなく、極上の愛とエロスの世界にどっぷりと浸ることができる内容となっています。多種多様なヒロインたちを楽しめます。
ページ数が特別長いわけではありません。しかしながらこってり濃厚にヒロインたちの溢れんばかりの興奮と愛情を描ききっており、一冊トータルの満足感がものすごいです。しかもそれが3冊も出ているのですよ!どういうことなんですか中年先生ありがとうございます!

無印収録『かくれん坊将軍』
全身でいっぱいに愛を受け、また愛を注ぐヒロインたち。
紅潮する肌、とろとろに蕩けた表情、女の子の性格・体つきもバリエーション豊富。性器描写も自分好みで嬉しいです。わりとリアル系描写がされますが、つるつる。
ついでに自分が好きなエロ漫画的シチュエーション・・・というか『絵』に、繋がりあいながらのキスシーンがあるのですが、泡立つくらいに激しく、またちろちろ細かく舌を合わせるなど、キスの描写も、シーンそのものの数も意外と豊富でして素晴らしいという他ないのです。
そして中年先生の作品で特徴的なのが、Hシーンが終わってからだと思ったりもします。ピロートークというと若干違いますが、ちまちまっと小さななコマでまたキャラクターたちがイチャついて、それでその話は幕を閉じます。そのイチャ付きっぷりが可愛すぎてもう・・・もう、俺はどうすればいいのでしょうか。

無印収録 『俺が犬で彼女が主で』
なんという幸福感・・・。激甘の性交シーンを味わった後にやってくる更なる刺客!エロシーンが終わっても逃がしません、さらに追い討ちをかけるか強烈な攻めの姿勢。最高です。
何度ベッドの上で転がったことか。読んでる最中どんな顔してるのかは知りたくないです。

特に好きなのが「合併号」に収録されている「うしろのメガネ太郎」という作品のラスト。左下の小さいコマが見えづらいので拡大。

「キライだから!」
「キライ!」
「・・・キライだもん」
「お願いだから『嫌わないで』って・・・言ってよう・・・」
「お願いだから『嫌わないで』って・・・言ってよう・・・」(エコー)
なんですかこのかわいい生き物!!
中年先生の手書き文字でちまちまっと小さく書かれたセリフ。画像として載せるには見えづらくて申し訳ないのですが、これにこそ、素直になれないけど頑張って愛を言葉にしたヒロインたちの本心やら羞恥やらが見え隠れし、至福の読後感を読者に届けてくれるのです。ちょっとだけ素直になれたんですよ、体を重ねたことで。もう!もう!なにそれ!
ではまとめでも。いつになくテンション高い文章になってしまって読み直すのが怖いですが。
というのも中年先生の作品は基本的にテンションが高いものが多く、読んでいて成年漫画だという意味以外でも凄く気持ちよくなれるのです。極上のラブコメがいくつも収録され、というかラブコメしかないのにそのどれもが素晴らしいという凄まじさ。
好きな作品を上げればキリがないので、挙げることがそもそも難しいです。
無印、合併号、初期作品号三冊で、中年先生が商業で発表した作品を全て網羅することができ、年代順から読んで行くと、先生の成長ぶりがよく分かり、その変化もまた楽しめる1要素。
初期作品群は確かに新しいものと比べると絵も未熟ですが、それでも描かれているものにほぼ変わりはなく、これもまた存分にニヤニヤさせてくれる作品たちなのです。
単行本として読むと統一感にはやや欠けるものの、それも全て愛しいと思えてしまうほど。
中年先生が出した3冊、そのどれもに、どこかおかしく、激しく、微笑ましい、少年と少女の等身大の感情が、目いっぱいに甘く詰まっています。
成年漫画のラブコメ、というところにおいては、強くオススメしたいのが中年先生の作品。
最初に読む一冊としては無印(一冊目)がいいと思いますが、3冊どれもお気に入りです。
また中年先生の作品が読めますように!
『年刊中年チャンプ』シリーズ3冊 ・・・・・・・・・★★★★☆
のぼせるくらいに情熱的な恋。かわいい、エロい、面白い。凄いです。
[本]初々しい年上女性との初夜が熱い! 『ノ・ゾ・キ・ア・ナ』7巻
さいきん更新が減ってきててすいません。
ノ・ゾ・キ・ア・ナ 7
宣戦布告だ・・・!
ちょいと前に週間サンデーに「ノゾミとキミオ」という全3話の作品が掲載されまして、即座に心射抜かれた自分はすぐさま本名ワコウ先生をググり、この「ノゾキアナ」をチェックしていなかったことを悔やみつつ買いに走ったものです。
むちゃくちゃに愛らしい表情をするヒロインもすばらしかったのですが、思春期独特の変態っぽさをムンムン漂わせるフェチな舞台設定は感涙モノです。
ちなみに今なら「ノゾミとキミオ」第一話が無料公開されてます→クラサンHP(4月25日まで)
しかし今回は「ノゾキアナ」の更新。
そんなわけで取り上げるのは当然今回が初めてですが、いやぁ面白いのですよ!
ケータイ漫画ということでそういう需要が大きいのでしょうが、所謂エロ漫画です。
しかしエロ漫画によくある一話完結ものではなく、しっかりとしたストーリーがある長編シリーズであり、ストーリーも文句なしに面白いのです。目が離せない展開の連続!
まぁ目が離せないのはエロいからでもありますが。
では感想へー。
6巻で新たに登場した女の子・亘まどかと急接近をする主人公・城戸龍彦。
新しい恋に浮き足立つ城戸ですが、変わらずすぐ近くで存在感を放ち続ける本作の看板娘(?)生野えみるには、やはり心乱されてしまう彼なのでした。
「死んでも覗き合いを続ける」と堂々宣言するなど、強い執着を見せるえみる。
まどかとの恋はどうなるのか・・・と同時に、えみるの動向も非常に気になる展開です。
んでこの7巻ですが、まどかちゃんがかわいすぎるんじゃい!ですよ!

まどかちゃんは主人公から3つ年上の女性。
しかし学年的には後輩にあたる人物であり、またその性格からいまだに性経験がなく、処女であることにコンプレックスを抱いているようです。
さぁそんなまどかちゃんが主人公との初のセックスに挑むのが今回です!
お姉さんキャラのはずが経験がないため、主人公にリードをお願いしているまどかちゃん。頼りなく初々しい年上女性との夜とか・・・・・・これが、心か―――と浄化されかねない素晴らしさ!恥らいつつも覚悟を決めた彼女の表情に興奮も最高潮です。
そしてもちろんエロい。18禁ではないにしろ、エロさは十分です。

スペシャルサンクス:マンガのおかげでしたのけやきさん (無許可です)(ニコッ)
本当にいい表情をしてくれる・・・!本名ワコウ先生が描く表情が大好きです。
もっとじっくり2人の時間を描いて欲しかった・・・とも思いましたが、しっかりと物語を進めてくれるのは嬉しいところでしょう。主人公の心理描写も丁寧にされています。
この巻は彼女の純粋さが輝きまくる内容になっていたなと感じました。メインキャラであるえみるが底知れぬものを秘めているようなキャラクターなので、余計に彼女の存在は作品においても癒しになっていたようにも。かわいいなぁ。
しかしこの巻、えみるの動きにも注目したいところですね。
6巻で改めてその潜めた恐ろしさを主人公に、そして読者に見せ付けた彼女ですが、7巻での彼女はこれまでとは明らかに様子がおかしいのです。
目立った最初の変化は、城戸がまどかと結ばれた夜を約束どおりに覗いていた時。
自身の動揺に気づいているように見える彼女は、改めて城戸に自分との距離を、近くのにどうしようもなく遠く距離を、「あたしが城戸さんのそばにいられるのは、「覗き穴」の向こうまで・・・どうがんばっても、そこまでなんですから」と表現しました。城戸に・あるいは自分自身に言い聞かせるように。
どうがんばっても、という言い回しは実に引っかかりがあるもので
これには彼女の諦観が込められているようにも感じて、切なさが際立ちます。

愛していると告げようと、えみるは恐らく自分が報われるとは思っていない。
「覗き合い」に執着する彼女の真意はいまだ測れません。しかし彼女が城戸に並々ならぬ感情を抱いていることは間違いなく、またそれがあふれ出した今回の展開はすごかったですね。
ミステリアスなえみるの真実が見えるのも、もしかしたら近いかも知れません。
確実に変わりつつある人間関係。流石えみる、一筋縄ではいかない女の子。
ではまとめへ。
これまでなんだかんだで激動の展開を数多く迎えてきた「ノゾキアナ」ですが
今回はややしっとりと、上に書いたように人間関係の成熟・変化を追っています。
しっとりといいつつ、まぁ正しくしっとり過激なこともやっているのですが!
でもやはりそれぞれの登場キャラクターが密かに抱えるものがどんどんとふくらみ発展し、主人公をめぐる環境が複雑になってきたよなぁと。それも大分切ないカタチで。
エロ漫画ではあるのですが、物語の本筋でここまで読ませられるとは。ページをめくる手が止まりませんし、単行本読了後のはやく次を読みたいという欲求もすごいです。
最後の不穏なモノローグと次巻予告の新キャラに、期待と不安が煽られる煽られる・・・!
1巻から通して思うのですが、「覗き穴」とそれをめぐる約束事だけで、よくぞここまで面白くできるものだと。定期的にエロシーンを挿入し、また新キャラを次々投入していくエロ漫画らしい作りとなっているのですが、とにかく話が面白い。
似たような展開の繰り返しに陥らず、常に読者をハラハラさせてくれる作品です。
肉感的な絵もお気に入りですし、ヒロインたちもみんな可愛らしい。エロいですしね。
ノゾキアナで紡がれる刺激的な人間模様。目が離せない作品です!
『ノ・ゾ・キ・ア・ナ』7巻 ・・・・・・・・・★★★★
メイン女性キャラみんなかわいくて困った困った。早く続きを!ください!

宣戦布告だ・・・!
ちょいと前に週間サンデーに「ノゾミとキミオ」という全3話の作品が掲載されまして、即座に心射抜かれた自分はすぐさま本名ワコウ先生をググり、この「ノゾキアナ」をチェックしていなかったことを悔やみつつ買いに走ったものです。
むちゃくちゃに愛らしい表情をするヒロインもすばらしかったのですが、思春期独特の変態っぽさをムンムン漂わせるフェチな舞台設定は感涙モノです。
ちなみに今なら「ノゾミとキミオ」第一話が無料公開されてます→クラサンHP(4月25日まで)
しかし今回は「ノゾキアナ」の更新。
そんなわけで取り上げるのは当然今回が初めてですが、いやぁ面白いのですよ!
ケータイ漫画ということでそういう需要が大きいのでしょうが、所謂エロ漫画です。
しかしエロ漫画によくある一話完結ものではなく、しっかりとしたストーリーがある長編シリーズであり、ストーリーも文句なしに面白いのです。目が離せない展開の連続!
まぁ目が離せないのはエロいからでもありますが。
では感想へー。
6巻で新たに登場した女の子・亘まどかと急接近をする主人公・城戸龍彦。
新しい恋に浮き足立つ城戸ですが、変わらずすぐ近くで存在感を放ち続ける本作の看板娘(?)生野えみるには、やはり心乱されてしまう彼なのでした。
「死んでも覗き合いを続ける」と堂々宣言するなど、強い執着を見せるえみる。
まどかとの恋はどうなるのか・・・と同時に、えみるの動向も非常に気になる展開です。
んでこの7巻ですが、まどかちゃんがかわいすぎるんじゃい!ですよ!

まどかちゃんは主人公から3つ年上の女性。
しかし学年的には後輩にあたる人物であり、またその性格からいまだに性経験がなく、処女であることにコンプレックスを抱いているようです。
さぁそんなまどかちゃんが主人公との初のセックスに挑むのが今回です!
お姉さんキャラのはずが経験がないため、主人公にリードをお願いしているまどかちゃん。頼りなく初々しい年上女性との夜とか・・・・・・これが、心か―――と浄化されかねない素晴らしさ!恥らいつつも覚悟を決めた彼女の表情に興奮も最高潮です。
そしてもちろんエロい。18禁ではないにしろ、エロさは十分です。

スペシャルサンクス:マンガのおかげでしたのけやきさん (無許可です)(ニコッ)
本当にいい表情をしてくれる・・・!本名ワコウ先生が描く表情が大好きです。
もっとじっくり2人の時間を描いて欲しかった・・・とも思いましたが、しっかりと物語を進めてくれるのは嬉しいところでしょう。主人公の心理描写も丁寧にされています。
この巻は彼女の純粋さが輝きまくる内容になっていたなと感じました。メインキャラであるえみるが底知れぬものを秘めているようなキャラクターなので、余計に彼女の存在は作品においても癒しになっていたようにも。かわいいなぁ。
しかしこの巻、えみるの動きにも注目したいところですね。
6巻で改めてその潜めた恐ろしさを主人公に、そして読者に見せ付けた彼女ですが、7巻での彼女はこれまでとは明らかに様子がおかしいのです。
目立った最初の変化は、城戸がまどかと結ばれた夜を約束どおりに覗いていた時。
自身の動揺に気づいているように見える彼女は、改めて城戸に自分との距離を、近くのにどうしようもなく遠く距離を、「あたしが城戸さんのそばにいられるのは、「覗き穴」の向こうまで・・・どうがんばっても、そこまでなんですから」と表現しました。城戸に・あるいは自分自身に言い聞かせるように。
どうがんばっても、という言い回しは実に引っかかりがあるもので
これには彼女の諦観が込められているようにも感じて、切なさが際立ちます。

愛していると告げようと、えみるは恐らく自分が報われるとは思っていない。
「覗き合い」に執着する彼女の真意はいまだ測れません。しかし彼女が城戸に並々ならぬ感情を抱いていることは間違いなく、またそれがあふれ出した今回の展開はすごかったですね。
ミステリアスなえみるの真実が見えるのも、もしかしたら近いかも知れません。
確実に変わりつつある人間関係。流石えみる、一筋縄ではいかない女の子。
ではまとめへ。
これまでなんだかんだで激動の展開を数多く迎えてきた「ノゾキアナ」ですが
今回はややしっとりと、上に書いたように人間関係の成熟・変化を追っています。
しっとりといいつつ、まぁ正しくしっとり過激なこともやっているのですが!
でもやはりそれぞれの登場キャラクターが密かに抱えるものがどんどんとふくらみ発展し、主人公をめぐる環境が複雑になってきたよなぁと。それも大分切ないカタチで。
エロ漫画ではあるのですが、物語の本筋でここまで読ませられるとは。ページをめくる手が止まりませんし、単行本読了後のはやく次を読みたいという欲求もすごいです。
最後の不穏なモノローグと次巻予告の新キャラに、期待と不安が煽られる煽られる・・・!
1巻から通して思うのですが、「覗き穴」とそれをめぐる約束事だけで、よくぞここまで面白くできるものだと。定期的にエロシーンを挿入し、また新キャラを次々投入していくエロ漫画らしい作りとなっているのですが、とにかく話が面白い。
似たような展開の繰り返しに陥らず、常に読者をハラハラさせてくれる作品です。
肉感的な絵もお気に入りですし、ヒロインたちもみんな可愛らしい。エロいですしね。
ノゾキアナで紡がれる刺激的な人間模様。目が離せない作品です!
『ノ・ゾ・キ・ア・ナ』7巻 ・・・・・・・・・★★★★
メイン女性キャラみんなかわいくて困った困った。早く続きを!ください!