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[漫画]色彩豊かな連作短編シリーズ完結 『野ばら』2巻

野ばら 2巻 (ビームコミックス)野ばら 2巻 (ビームコミックス)
(2011/07/15)
高田 築

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   行ってきます また会おうね
   
「野ばら」の2巻が発売されました。これで完結。良質な連作短編シリーズでした。
今回はずいぶんと露出の多い表紙になっていますね。サリマジコー!
青春、バイオレンス、SF、エロス、コメディ。Fellowsにて連載がされた、様々なジャンルに属するであろう短編を7編収録した短編集。1巻から繋がりのあるシリーズもありますが、大半が独立した作品ですので、2巻から入ることも可能だったりします。1巻の感想も書きましたのでよろしけれそちらもば→素朴で不思議で怖くて愛おしい、花のような 『野ばら』1巻
では感想。特に好きな作品を個別で。

・ハイカラ兄妹+α

実の兄に恋をするハナ。ハナに恋をする中2男子・ゲン。彼が+α。
恐らくは30年くらい前に日本を舞台に、まるでドラマのようなムードで進行していく青春劇。
しかしながらさらりと肉親への恋なんてヘビーな内容も熱かった作品でもあります。
ハナの告白に兄の龍はどういった返答をするのか・・・!

20110731222605.jpg

作品全体から漂うレトロな雰囲気と、ある意味ベタなストーリーが上手くハマってます。
ラストは爽やかに未来を感じさせてくれてニヤリとしました。
上手く切れてないたくあんを「ちぎって食べれば?」とむくれながら食卓に出すハナさんかわいいですね。彼女にはしっかり、幸せになってもらいたいです。龍兄ちゃんはカッコいいなー!

・ドクター・ヘビの目

動物のお医者さんがヤクザでした漫画。
手術シーンの緊張感からいきなりコメディに転がる不思議な感覚を楽しめました。
年の差というかむしろオッサン萌え。これからいいナースになれるよ、主人公。

・鬼が来る

どうしても心が折れそうな時、『鬼』を呼べ。
口座からごっそりお金がなくなる代わりに、そいつが来て君を助けてくれるはず。
終わることの無いいじめに限界を感じた主人公は、ついそいつを読んでしまいます。

20110731222608.jpg

豚のお面、腰にあてた左手、掲げた右手はサムズダウン。傾げた首の角度も素敵!
純粋にカッコいい登場ポーズですね。痺れる。しかも制服女子かよ!
まぁそれはいいとして、そんな謎のお面女子高生がいじめっこ少年たちをボッコボコにするシーンもまた爽快なんですよねえ。向かってくる男たちをリズムに載りながら次々沈めていく!
最終的には静かに主人公の少年の少年も描かれ、スカッと楽しい1作でした。

・北陸いけない夜行

表紙のど真ん中、裸で抱き合ってる男の子と女性のお話です。
学校から遠く離れたところで補導された小学生・柴田。彼の担任教師・サジマリコが彼を引き取りにやってきて、2人で地元にもどるべく夜の列車に乗り込むという始まり。
これがまた、先生と教え子、小学生と大人と壁がある中で微笑ましい恋愛劇が繰り広げられる作品となっていて、読んでてニヤニヤしてしまう短編となっています。
小学生男子にリードされる先生とか最高じゃないですかと!
しかも先生は告白されたのは小学生の彼から下に見られているせいだと思っていたのですが、結局自分から(やむを得ずではありますが)服を脱いで抱き合うというシチュに持ち込むことになったり。もう、先生のブレ方がたまりません。
しかし「これ(電車)降りたら 先生に戻れよ」と言ってから先生を抱きしめる柴田少年のシーンに代表されるような、後ろめたさや罪悪感を互いに感じながら相手を抱いている、その切なさもなかなか良いものでした。

・白衣の足音

1巻にも不条理みたいなホラー漫画が1つあって異彩を放っていましたが、2巻ではこの作品がそれか。
病院を舞台に、病院関係者と侵入してきたヤクザがそれぞれの武器で鮮血散らしあっていくバイオレンスホラー。やーすごい、バンバン人が死んでいって、命の軽さに笑えて来るくらい。
これまでの収録作品とのギャップが物凄いですが、それでこそ「野ばら」だなともw
リアルな絵ではないので、楽しめる範囲のグロさに収まっているとは思います。
おばちゃんナースまじキリングマシーン。

・二女の友達

今日も一緒に! \ためしょむも~ん/
「しょむたん」からスタートしたこの連載「野ばら」。ラストを飾るのもやはりしょむたん!
表紙の左上のはじっこにいる変な白いヤツ。こいつがしょむたんです。

20110731222610.jpg

人をバカにしてるような、でも彼自身ドジばかりで、思わず両手でがしがし撫でこねたい感じの小動物。その正体はよくわかりませんけども・・・。今回もコミカルでかわいらしい姿を見せてくれましたね。和み。
報道の仕事やってるおねーさんもいいけど、やっぱりしょむたんとのコンビが似合いますねぇ。
しょむたんがいたら報道の仕事なんてまともに出来なさそうなのが大変ですが・・・!
しょむたんはこの「野ばら」の看板キャラでしたね。最後まで存在感を放ちました。



特に気に行ったのを個別に感想、とか言いながら7作中6作で書いてるってどうなの。
残る「うさぎ de フライト」も面白かったです。パンツとか見える宇宙航空漫画。
まぁこの漫画のパンツって、全然色気がないですけどね。大体無地の白というw でもその適当さもなんだか味があるように思えてくるという。
さて、この2巻でこの漫画終わってしまいました。
エロFにも作品を掲載していますが、高田築先生にはまたFellowsにも来て欲しいところ。
華やかではない、ちょっと泥の匂いもする、けれど咲き誇ればその花は鮮やかと力強さに惹かれてしまう。いくつもいくつも、違う色で咲く。不思議な魅力を宿したこの作品はまさに野ばら。
「悲しみが溢れる時でも、世界のどこかで小さな奇跡は生まれている。
道の端で野ばらが静かに、強く咲き続けるように―――。」

と2巻オビにもありましたが、関係なさそうでいてなかなか内容に合った作品名。
2巻完結、お気に入りのシリーズでした。

『野ばら』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
しょむたんで始まりしょむたんに終わる。素朴で良質な短編集シリーズです。

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