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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[漫画]恐怖、恋愛、快楽、全部ぜんぶグチャグチャだ。『蟲姫』

本日9月6日は黒ロンの日。黒ロン祭に参加する記事です。

前々からこっそり「黒ロンの日用にとっておこう」と暖めていた作品のひとつだったりします。
今年は何について書こうかなと考えた時、やはりコレだなと思いました。

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「蟲姫」という作品です。全3巻で、こないだ完結しました。→公式紹介ページ
自分の趣味嗜好を考えるに、黒ロンというのは恐怖とロマンを同時に孕んだような、底しれない何かを感じさせてくれるような、背筋がゾクゾク震え立つような、そういうのを求めてしまいがちです。
そういった部分で最近読んだ漫画で一番ゾクゾクきたのは、この「蟲姫」だったのです。

現代社会が異常発生した虫たちから攻撃を受ける、パニックホラー漫画であり
その核となるキャラクター、宗方聴久子が今回とりあげたい黒ロンヒロイン。
ぶっちゃけると人の形をしたモンスターで、人間食べます。
口から触手のばしたりして、キスして相手の内側から触手ねじこんで洗脳したり
腕からトゲはやしたり、毒を打ち込んだり、恐ろしいですね!

けれど彼女時折、涙を流す。
そして次々明かされる彼女の悲壮な過去。想い。

そういった部分できちんと魅せてくれる作品。
虫たちが活躍(いろんな意味で)する作品のため、虫嫌いな人はページをめくっただけでトラウマになりかねない。そこは注意なんですが、パニックものとしての緊迫感や高揚感、そしてその中に息づく哀しみや痛みといった繊細な感情表現が見事。
全3巻という尺も過不足無く、一本の映画を見たような感覚です。

作品紹介はこれくらいにして。今日の記事は黒ロン更新用なんですよ。
なんのためにこれを書いているのか。黒ロンのためです。

虫姫12

宗方聴久子。本作のヒロイン兼ラスボス。
シンプルイズベスト。ストレートな黒髪、セーラー服、凛々しい顔。
第1巻ではじわじわと主人公に忍び寄り、2巻では主人公を我が物にしようと強烈な束縛心を見せる。
作品内でラスボス扱いなのに、なんかもう、強さも弱さも兼ね揃えていて、正直メロメロにされます。

若干ネタバレをしますが、聴久子は主人公に大して本能的に惹かれてしまうワケがあります。
作品のキーとなる「虫」にまつわる事なのですが、そこに元はと言えば人間であった、聴久子という単なるひとりの女の子の想いもある。
生存願望。生殖欲求。
どこからが人の欲望で、どこまでが虫の本能なのか、その境界はもはや誰にもわからない。
ある種アンビバレントな感情を融合させあるいはねじ伏せ、
ここまで強くオーラのある形であれる彼女の立ち姿そのものがカッコいいのです。

けれど彼女は時折、涙を流す。
人でなくなった自分を嘆き、悲しむ。
今なおせめぎあう彼女の中の「人」と「虫」。
彼女というキャラクターの内で渦巻くものを感じ取ると、感情移入の先はむしろ、彼女になる。
味わい深い女の子だと思います。異型のモンスターでもあり、どこまでも儚い少女でもある。
結局、運命に翻弄されていた中で暴走していただけなのかもしれないけれど
彼女のたどる結末も含め、幸福を望みたくなる。

蟲姫11

そして彼女の行う捕食行為も官能的で・・・こう・・・キモチワルいのに・・・じっと見てしまうよね・・・。
グロテスクかつエロティックな要素というのが本作はいたるところまで充満していて
息がくるしくほどに世界観のいやらしさが感じられます。

この作品、作画をイラストレーターの里見有さんが担当しています。
漫画としての完成度も高くすばらしいのですが、1枚絵の一気に読み手の心を掴んでくる、イラストレーターさんならではのワザも堪能できてそこも大好きです。見開きや、ここぞというキメゴマもありますし、個人的には各話扉絵が大好きなんですよ・・・
特に1巻の扉というのが、だんだんと距離を詰めてくるヒロインのミステリアスの魅力を
存分に味わえる見事なイラストで飾られているのです。一部を紹介すると

蟲姫14

蟲姫13

カッコいいなこれ!!!!! 忍び寄る恐怖と官能の世界が、見事に表れているのではないでしょうか。
そんなわけで個人的には今年読んだ中で最強黒ロン、宗方聴久子さんの紹介でした。
クライマックスは正直ちょっと涙ぐんでしまいました。ハッピー・・・エンド・・・!!




あとオマケ的に最近読んだ中でよかった黒ロンちゃんを追加でふたり。

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主人公が黒ロン。召喚した悪魔にぶつくさ文句いいつつ友達づくりを頑張る不器用ガール。
やさしい雰囲気のコメディ漫画のようでいて、時々するどい言葉でこちらを突き刺してくる。
主人公のいじけっぷりや謎理論武装もかわいい、それ以上にがんばる姿がまたかわいい。

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麦盛なぎ先生は思春期の空気を描くのが本当にうまい。線から言葉から思春期が感じられるぜ・・・!
ちょっと歪んだお父さんの秘密を隠そうと奮闘する、家族思いな黒ロン中学生主人公。
ツヤ髪が踊るたびに俺の心も弾むし、むしろ第1話の1コマ目で髪を結うしぐさで俺は死んだ。

[漫画]2015年09月単行本の購入予定

ジタバタする日々の中で艦これを再開させてしまう謎。瑞穂掘りで心折れつつあります。

09/04 講談社 ヤンマガKC 亜人ちゃんは語りたい 2 ペトス
09/04 集英社 ジャンプコミックス I・ショウジョ+ 4 高山 としのり
09/05 小学館クリエイティブ ヒーローズコミックス 死にたがりの尺度 淡田青 連作短編集 淡田 青
09/07 講談社 アフタヌーンKC 甘々と稲妻 5 雨隠 ギド
09/07 講談社 KCxARIA オルガの心臓 3 雨宮 もえ
09/07 講談社 アフタヌーンKC 鉄風 7 太田 モアレ
09/07 講談社 アフタヌーンKC つるつるとザラザラの間 4 月子
09/10 マッグガーデン ブレイドコミックス 魔法使いの嫁 4 ヤマザキ コレ
09/11 小学館 ビッグ コミックス たそがれメモランダム 2 田村 茜
09/11 小学館 ビッグ コミックス 恋は雨上がりのように 3 眉月 じゅん
09/14 KADOKAWA BEAM COMIX ヒナまつり 9 大武 政夫
09/17 講談社 KC月刊マガジン ボールルームへようこそ 8 竹内 友
09/18 集英社 ヤングジャンプコミックス イエスタデイをうたって 11(完) 冬目 景
09/18 小学館 サンデーGXコミックス じごくあね 3 吉田丸 悠
09/19 KADOKAWA MFコミックス アライブシリーズ 断裁分離のクライムエッジ 11 緋鍵 龍彦
09/23 講談社 モーニングKC コンプレックス・エイジ 6 佐久間 結衣
09/23 講談社 KCDX 独身OLのすべて 3 まずりん
09/23 講談社 モーニングKC ホーリータウン 宮崎 夏次系
09/23 講談社 モーニングKC 夕方までに帰るよ 宮崎 夏次系
09/25 白泉社 ジェッツコミックス 3月のライオン 11 羽海野 チカ
09/26 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT ib ―インスタントバレット― 5 赤坂 アカ
09/26 KADOKAWA 電撃コミックスNEXT 凪のあすから 5 前田 理想/Project-118
09/26 白泉社 ジェッツコミックス3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 1 西川 秀明/羽海野 チカ
09/30 小学館 ビッグ コミックス 茄子とアルタイル 2 大野 ツトム
09/30 少年画報社 YKコミックス 壊れていてもかまいません 2 あらた 伊里
09/30 少年画報社 YKコミックス 僕らはみんな河合荘 7 宮原 るり
09/30 新書館 ひらり、コミックス ショートケーキと加瀬さん。 高嶋 ひろみ
09/30 竹書房 バンブーコミックス 私に見えない恋心 仙石 寛子
09/30 白泉社 書籍扱いコミックス アパルトめいと 2(完) 犬上 すくね
09/下 新書館 ウィングス・コミックス はれたら明日! 高嶋 ひろみ

9月の購入予定。
「亜人ちゃんは語りたい」、すでに人気盛り上がってる感じではありますがその中での2巻発売。
ハジケてくれている「I・ショウジョ+」も4巻目。いいぞ、もっとやれ。
「鉄風」7巻。来月発売の8巻でついに完結。「才能」を描いた作品って好きなんですが、この作品は中でも強烈に輝いていた作品に思います。雑誌読んでなかったので結末が楽しみです。
「魔法使いの嫁」。静かに穏やかに風のようにやってる作品。もうそろそろメディア展開来そうな予感も。
やさしいせつない夕暮れ、「たそがれメモランダム」はしっとり読みたい作品。
「ボールルームへようこそ」8巻!着々と巻数を重ねて、テンションが落ちてこない。
地味に、大事件な「イエスタデイをうたって」の最終巻。雑誌で読んだけれど、なんか感慨深い。
「ホーリータウン」「夕方までに帰るよ」と夏次系をたっぷり堪能できる秋。
「3月のライオン」も新刊発売。前巻のラストがアレだったので、めちゃくちゃ続きが気になってた。
合わせてスピンオフ「灼熱の時代」も楽しみ。まだまったく読めてない。
ナイスラブコメ「壊れていてもかまいません」待ってました第2巻。作者の百合趣味があふれでる。
高嶋ひろみ先生は単行本2冊リリース。加瀬さんシリーズ大好きなんですよね・・・!!!

[漫画]2015年08月単行本の購入予定

ついに俺もレイバンに感染しクソリプ撒き散らしてしまいました。つらい。

08/04 集英社 ジャンプコミックス 僕のヒーローアカデミア 5 堀越 耕平
08/05 白泉社 花とゆめコミックス 世界で一番悪い魔女 1 草川 為
08/07 講談社 講談社コミックス 進撃の巨人 17 諫山 創
08/07 講談社 KCxITAN その娘、武蔵 2 田中 相
08/07 講談社 講談社コミックス 銀河は彼女ほどに 2 高木 ユーナ
08/07 講談社 KCxARIA 死にたがりと雲雀 3 山中 ヒコ
08/10 双葉社 アクションコミックス ぼくは麻理のなか 6 押見 修造
08/10 双葉社 アクションコミックス 青春のアフター 1 緑のルーペ
08/10 マッグガーデン ブレイドコミックス 戦国妖狐 15 水上 悟志
08/12 KADOKAWA BEAM COMIX カプチーノ 3 菊池 まりこ
08/12 KADOKAWA BEAM COMIX ダンジョン飯 2 九井 諒子
08/12 小学館 裏少年サンデーコミックス 世界鬼 11(完) 岡部 閏
08/12 小学館 ビッグ コミックス スペシャル 共学高校のゲンジツ 5 さぬい ゆう/伊丹 澄一
08/12 徳間書店 リュウコミックス モンスター娘のいる日常 8 オカヤド
08/12 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 メテオCOMICS 深海魚のアンコさん 4(完) 犬犬
08/12 フレックスコミックス発行/ほるぷ出版発売 メテオCOMICS 危ノーマル系女子 3 真田 ジューイチ
08/17 講談社 KC月刊マガジン ボールルームへようこそ 8 竹内 友
08/18 一迅社 IDコミックス/百合姫コミックス かわいさ余って好きさ100倍!! めの
08/19 集英社 ヤングジャンプコミックス 恋は光 3 秋★枝
08/19 集英社 ヤングジャンプコミックス 娘の家出 3 志村 貴子
08/21 講談社 モーニングKC コンプレックス・エイジ 5 佐久間 結衣
08/21 講談社 モーニングKC メタラブ 2 小路 啓之
08/28 小学館 小学館プラス・アンコミックスシリーズ デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 3 ぬいぐるみ付き限定版 浅野 いにお
08/28 双葉社 アクションコミックス 富士山さんは思春期 7 オジロ マコト
08/29 少年画報社 YKコミックス スピリットサークル 5 水上 悟志

さて8月の購入予定。
草川先生の新作「世界で一番悪い魔女」。これまでも割と出てた魔法使い的モチーフが今回はメインに。
「死にたがりと雲雀」3巻。もしかしなくてもまた泣いてしまいそうだ。
緑のルーペ先生の一般向け新作「青春のアフター」。胸締め付けられる、青春のその先へ。
最高潮がひたすらに続くバトルバトル&バトル真っ最中「戦国妖狐」15巻。水上漫画術炸裂しまくり。
バカ売れ「ダンジョン飯」は早めな第2巻発売。ワクワクする食と冒険。
密かに夢中になっていた少女×ダークネス×セカイ、「世界鬼」は最終巻。寂しい。
アニメは見れていないけれど「モンスター娘のいる日常」、ベストなタイミングでの新刊発売だ。
「深海魚のアンコさん」最終巻か・・・寂しいな・・・地元の近くの駅にポスターあって嬉しかった。
「危ノーマル系女子」、久しぶりな第3巻。第2巻はめちゃくちゃ完成度の高い一冊だっただけに期待。強烈個性と病んだ世界観!
「ボールルームへようこそ」は貯めの展開を経て、熱狂待ち受ける舞台へ。
めの先生の「かわいさ余って好きさ100倍!!」は超絶オススメ百合漫画。コミティア発行の同人誌を収録した商業本となっているとのこと。同人誌ほぼ全部買っちゃってますが当然買いだ・・・!!すごくいい作家さんです。
発売ペースが依然早い志村貴子先生の「娘の家出」、3巻目。折り重なる少女と世界と感傷と。
「デ略」、3巻目はいよいよ限定版でグッズ付き。個人的にプンプン最終巻の限定版のやつみたいなどぎついTシャツ欲しい。ぬいぐるみってどうしような・・・。

[漫画]2015年07月単行本の購入予定

銭湯通いにハマるの巻。
休憩室の本棚にはやたらと漫画が充実していて、往年の名作がどっさりある。

07/03 白泉社 花とゆめコミックス LaLa インヘルノ 2 マツモト トモ
07/04 KADOKAWA カドカワコミックス 僕だけがいない街 6 三部 けい
07/06 講談社 ヤンマガKC 雪にツバサ・春 7 高橋 しん
07/07 講談社 KCxITAN 私も世界を終わらせたい 2(完) さかもと 麻乃
07/09 講談社 講談社コミックス ハピネス 1 押見 修造
07/09 講談社 KCDX そんな未来はウソである 5 桜場 コハル
07/10 祥伝社 フィールコミックス こんな私はだめですか? シモダ アサミ
07/10 双葉社 アクションコミックス 中学性日記 4(完) シモダ アサミ
07/13 講談社 KCBL 放課後カルテ 9 日生 マユ
07/13 徳間書店 リュウコミックス とりきっさ! 2 ノブヨシ侍
07/15 KADOKAWA BEAM COMIX ジゼル・アラン 5 笠井 スイ
07/17 講談社 KC月刊マガジン サマー・ソルト・ターン 2 保志 レンジ/井龍 一
07/22 一迅社 IDコミックス/4コマKINGSぱれっとコミックス やはり4コマでも俺の青春ラブコメはまちがっている。 2 種田 優太/渡 航(小学館「ガガガ文庫」刊)/ぽんかん8
07/23 KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ スイようび 3 汐村 友
07/23 KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ ラブホの上野さん 2 博士/上野
07/23 KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ デンキ街の本屋さん 10 水 あさと
07/23 KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ 高杉さん家のおべんとう 10 柳原 望
07/23 講談社 イブニングKC 累 6 松浦 だるま
07/23 講談社 アフタヌーンKC フラジャイル 3 恵 三朗/草水 敏
07/23 講談社 モーニングKC 繋がる個体 上 山本 中学
07/23 講談社 モーニングKC 繋がる個体 下 山本 中学
07/27 少年画報社 YKコミックス 純愛とろとりっぷ 2(完) 小鳩 ねねこ
07/27 竹書房 バンブーコミックス COLORFUL SELECT ネトラセラレ 2 色白 好
07/30 少年画報社 YKコミックス 蒼き鋼のアルペジオ 11 Ark Performance
07/30 竹書房 バンブーコミックス ひねもすふたり 1 かずま こを
07/31 白泉社 書籍扱いコミックス あなただけ宝石 仙石 寛子
07/31 白泉社 書籍扱いコミックス 花はニセモノ 仙石 寛子

7月購入予定。
「僕だけがいない街」新刊はもう読んだんだけど、確信した、この漫画は傑作。
押見先生の新作「ハピネス」、相変わらず暗い漫画ではあるけれど、少年漫画らしい高揚感もある。
「こんな私はだめですか?」「中学性日記」とシモダアサミ先生の単行本が同時リリース!
「ジゼル・アラン」・・・ほぼ二年ぶりの新刊じゃないか・・・大切に読もう・・・。
大注目の水泳少年漫画「サマーソルトターン」、迫真の感情描写と絡み合う多角関係の面白さ!
「スイようび」、やましい思いを抱えてしまいがちではあるけど、読んでる時はわりとピュアに楽しむ。
「高杉さん家のおべんとう」、毎巻、読むのに緊張感がある作品ではあるけど、今回も。
「フラジャイル」、いま連載中の新薬編がスタートかな。このシリーズめちゃくちゃおもしろいのでオススメ。
「繋がる個体」、連載はとぎれとぎれに読んでたりするので単行本化買って補完したい。
キスのエロさを追求する「純愛とろとりっぷ」は完結巻かー。もっと長く読みたかった。
待ってたぜ「ネトラセラレ」2巻!!趣向、思想、捻くれててとてもいいと思います!!
「蒼き鋼のアルペジオ」は本編がまた大きな盛り上がりに向かっていっている。期待大。
「あなただけ宝石」「花はニセモノ」とすでにタイトルからにじみ出る名作オーラ。仙石寛子作品2冊同時発売で7月完。

アニメ俺ガイル3期もしくは劇場版、お待ちしております。

[漫画]2015年上半期面白かった漫画BEST10

ツイッターには毎日顔出してるのにブログはこのざまです。お久しぶりです。
7月になったということで、せっかくだから上半期の面白かった漫画をまとめました。
すっかりアウトプットの時間は減りましたが、やはり漫画は大好きなので
こうして半年間を振り返る作業は楽しかったです。

では10位から。





10.わがままちえちゃん/志村貴子

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2015年上半期は怒涛のごとく志村貴子作品が発売されていました。ありがたさしか無ぇ。
どれも甲乙つけがたし。ですがあえて1番すきだったのはこの「わがままちえちゃん」。好きというか、1番心に引っかかりが残って後を引いたのはこれ。

「ちえ」「さほ」は姉妹。そして、幼いころに死に別れてしまいました。
日々を生きる中で、その喪失を噛みしめる女の子を描いた作品です。
この漫画は複雑というか、トリックがおおい構成をしているため、読みにくさがあります。例えば導入部ではさほが主人公でちえが死んだ幽霊となって登場します。が、それはちえの妄想。現実はちえが生きて、さほが死んだ。
結局終盤まで、ちえの妄想がいろんな所にあらわれて、その過去が本当なのか、今見えてる光景は現実なのか、わかりづらいまま進んでいく。きっとそれは混沌としたちえの精神世界そのものなんだろう。

構成上、もう一度読みなおすとある程度把握できますが、やはりストーリーに本筋は見えづらい。ストーリーを楽しむというより、千切れたようにバラバラに散らばった少女の心をそっと集めていくためのお話のように思う。
晴れることのない後悔、悲しみ、嫌悪、喪失感。「聞こえるような気がするだけ 自分の聞きたいように聞こえるだけ」と涙するちえちゃんの姿には、こっちまで泣きそうになった。

「ちえ」という少女を読み解く面白さもありますが、喪失とどう向きあえばいいのかというテーマは非常の好みでした。
思春期の女の子のナカミはわかりづらいってのを、体現した作品でもあるのかな。なんにせよ、はち切れんばかりに濃密に、少女の心の声を浴びせられる漫画でした。
まるで少女の痛みの声が、薄く永遠に響いているような。



9.ステラとミルフイユ/渡辺カナ

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連載が終わったのは去年ですが単行本発売が3月だったため入れる。
渡辺カナ先生は「星屑クライベイビー」(記事 ほんとは寂しがりやのあなたに届くように。『星屑クライベイビー』)を読んで1発でファンになったんですが、今作が2作目の連載作。前連載作「花と落雷」と違い少年が主人公の青春漫画。
年上ヒロインの椿さんがかわいくてなァ・・・!見た目、ちょっとやんちゃな(明るい髪色で八重歯が目立つとなぜかヤンキーっぽく見える)彼女ですが、ワタワタと慌ただしく照れたりする様子がたまらない。そして抱えた過去や、そこにあった仄かな初恋!
再び、ちゃんと言葉にしてさよならを告げる椿さんは非常に切ない。
確かに好きだった。けれど一緒に歩んでは行けない。

コミュニケーション不全かつ父親との不仲もある主人公もいい。
恋によって変わる、というわけではなく、変わるために彼自身の努力が見えるのが好感度高いのです。閉じた部屋が開かれそこから光が差し込むように、どんどんと彼をめぐる世界は輝きだす。
恋愛だけではなく、人生を考えた時になにが大切なものなのか、深いテーマに潜っていく最終巻。
特に椿さんの下した決断それぞれはどれも女性としてのカッコよさを感じるし、同時にある種の男らしさもあって、3巻は特にしびれまくった。
刹那的に誰かの手をとるよりよほど誠実に、2人は寄り添う。甘酸っぱさあふれるクライマックス。
表紙デザインもカンペキ。本編の清涼感にぴったりの綺麗さだ。手元においておきたくなる、このデザイン性もお気に入りになっている理由のひとつ。



8.ダンジョン飯/九井諒子

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九井 諒子

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2015年初頭、発売日から3日遅れで書店をめぐるも・・・・・・まさかの「ダンジョン飯難民」になったことのインパクトが強い。買えたのは2週間くらい後でしたね・・・コミティアのジュンク堂出張販売コーナーで・・・。さっすがコミティアだぜ!
さて2015年を象徴するタイトルのひとつになったようにも思う本作。売れに売れ、脅威の売れ行きになっているとか。「坂本ですが?」といいなにがポーンと売れるのかわかんないな。

しかし売れるのも納得のおもしろさ。最近グルメ漫画は目立ってきてるように思いますが、この作品はファンタジー。
自給自足でダンジョン内の食材を料理する、異色の作品となっています。
バジリスクをローストターキーみたいにしたり、人喰い植物をタルトにしたり、なんと“動く鎧”まで調理!そして毎回、丁寧なレシピ付きだ!
ゲームの世界の食文化を、まるでそれが実在しているかのように丁寧に描いていく。読めば読むほどどんどんと異世界に自分が入ってしまうような、不思議なリアリティと没入感。
個人的に九井諒子作品だと叙情的な作品(「進学天使」とかたまんないです)が好きだったんですが、「ダンジョン飯」は娯楽要素たっぷりでハッピーな作品。ほんといろんな漫画を描ける、すごい作家さんです。この作品だけじゃなくとりあえず単行本全部面白いから、ビビる。
リアクション芸人みたいになってきてるエルフのマルシルさんの不思議なかわいさにも舌鼓を打ち、そろそろ妹を救いに行くという目的も忘れていそうな彼らの旅は続く。



7.ピコピコ少年SUPER/押切蓮介

ピコピコ少年SUPERピコピコ少年SUPER
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押切蓮介先生の体験談をもとにしたゲームエッセイコミック「ピコピコ少年」シリーズの第3弾。過去の2冊も面白かったが、それを踏まえてもやたら本作は面白かった。
エピソードがどれも脂の乗った旨さというか、これは本当に実体験なのかというくらいの意味不明な面白さ。読む者の心をやわらかく、そしてセンチメンタルに染め上げるノスタルジックな世界。
バカバカしかったり、甘酸っぱかったり、または胸が苦しくなる切なさや、静かに心に降り積もる怒りや悲しみ・・・・・・とにもかくにも、この一冊でリアルな青春時代の悲喜こもごもがたっぷり詰まっていて、エッセイという枠を超えてストーリーの面白さに夢中になる。
お気に入りはオフ会の話だ・・・もう、読んでて切なさのあまりそっとページを閉じてしまった・・・。
でもどんな悲しみもきらきら輝く大切な思い出に感じてしまうのは、僕らがちょっと大人になってしまったからだろうか。

押切先生と同年代であればさらに楽しめるわけで、そこは悔しさを感じてしまうポイントではありますが、たとえ時代を共有していなくともこの波瀾万丈感はとても楽しい。
漫画ファンを騒がせた「ハイスコアガール」の騒動のことにも触れられており、これはファンとしても必読。
絶えず好きなものを愛し続ける、楽しみ続ける、ガキの頃の愚かしさを貫く。ゲームと一緒に大きくなった。今度はゲームが救ってくれた。
泣いて笑えてしかも胸をアツくする、素晴らしい一冊。ピコピコ少年の火は消えない!



6.やさしいセカイのつくりかた/竹葉久美子

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竹葉久美子

KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-02-27
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最終巻。どうなるかと思ったら、予想を上回るすばらしい結末を見せてくれた作品です。
恋に友情に将来に・・・なやめる女子高生たちと、その教師を務める19歳の天才学者の物語。
ラブコメディーとして読んでいた序盤から一転、中盤からは努力と才能の話、家族との向き合い方、過去の恋と今の恋、報われない想い・・・「おいおいドンドン重くなってるじゃねーか!」「でもすっげー面白いぞ!」と深みを増していった作品。

特に物語後半は顕著だったけれど、女の子のずるいところや愚かな所までかなりディープに描いていて、掲載誌の電撃大王チックな萌え漫画とちょっと感触が違っている。男の女のエグい距離感も描かれる。
でもどれも、キラキラとロマンチックな関係性に決着して、最終巻は文句なしの大団円。

天才でありながらそれをひた隠していた少女、葵。彼女と主人公の朝永の関係性というのが個人的には最高の、これ以上あるかってくらい納得の結着で・・・。
「やさしい女の子」として朝永に立ち向かう少女がいて。同じ舞台で、志を同じくするライバルとして勝ち上がってきた少女がいて。
最後まで主人公である朝長は「根本的には他人を信用できないタイプの人間である」という主人公にあるまじき性質のままだと感じましたが、彼はそれでいいのだな。全能である必要もない。ただ、将来に悩む少女たちにとって道を指ししめすことができる人間ではあった。そういうところで朝永はいいキャラクターだ。
「学び舎」という舞台をもっと好きになれた作品でもありました。この作品は学校がもつ機能をちゃんと正しく描こうとしてくれた印象があり、それは最終巻で自由に羽ばたいた少女たちの姿をみて確信した。セカイの愛し方を、ようやく彼ら彼女らは知ったのだと思う。教室から笑顔で飛び出していくこの最終巻の表紙は感慨深い。
・・・若干世の理から外れた結着した女の子と教師もいたけどな!最終話で見せてくれたバッチリ幸せな夫婦っぷりにホッと一安心です。

それにしても、改めて。朝永と葵の関係、カッコよすぎるでしょ。最高。
タイトルにある「つくりかた」もこの作品らしくていいな。見つけるではなく、作るのだ。この力強さと理屈ありきな感じ、学者漫画でもある本作に合っている。最終巻で指し示されたこのタイトルに意味も、味わい深い。



5.帰ってきたサチコさん/朔ユキ蔵

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朔ユキ蔵先生がフラワーズで掲載した作品を収めた短篇集。幅広い雑誌で活躍している作家さんですが、女性向け雑誌から出た単行本って初めてだったよな。
さてこの本に収録されている5つの短編ですが、びっくりする。
5本、全部めちゃくちゃおもしろい。
舞台やジャンルは違えど、どれも激しく胸を揺さぶる、熱い作品たち。朔ユキ蔵作品をすべて読んできているわけではないけれど、これ傑作じゃないでしょうか!!

圧巻なのが表題作。突然70年前に飛ばされ、そこで家族をなし、そして10年がたち、また現代に戻ってきた主人公の女性。40ページほどの作品ですが、それと感じさせないくらいのストーリーの厚みとクライマックスのカタルシス!飛ばされた過去と現実がつながるラストはタイムスリップものの醍醐味ですが、魅せ方もお見事。70年前の旦那さんの強い想いが果たされる感動。なんて切なくきらめくラストシーンだろう・・・グッときたラブストーリー。
「走れみつる」は女優にあこがれてアイドルになった主人公のお話。女性が女性に憧れるときの感情って面白い。ラストのふてぶてしさと力強さに満ちたセリフもかっこいい。
「かりそめ」はお伽話のように美しい、ドリーミーな作品。夜空を飛んで心も舞い踊る。一緒に夜空を飛び、女性の手を取れるくらい。まるで一遍の詩のようなあじわい。
「心ここにあらざれば」はファンタジーが舞台。政略結婚した国王と后が、心を封印した国政の末路は、悲劇だがふたりの確かな愛情が感じられる。最後の胸に刺さる。
最後を飾る「劇的」はこれも素晴らしい。死んだ弟との思い出を回想つつ荷物を片付けるお話なのですが、切ないお話なのに前向きになれる。激しい慟哭と、再生の物語。
しばらく本棚のメイン所に配置したい。ハイレベルな一冊。短篇集好きな人には特にオススメ。



4.四月は君の嘘/新川直司

四月は君の嘘(11)<完> (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(11)<完> (講談社コミックス月刊マガジン)
新川 直司

講談社 2015-05-15
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これは単独で記事を上げているので、そちらを。
素晴らしい少年漫画でした。疾走感と喪失感が最高潮となる最終巻。クラクラしそうに美しく切ないラスト。
消えない春に君はいる。『四月は君の嘘』11巻



3.水色の部屋/ゴトウユキコ

水色の部屋<下>水色の部屋<下>
ゴトウ ユキコ

太田出版 2015-04-15
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陰鬱だ・・・しかしどうしようもなく惹かれる世界。「水色の部屋」は上下巻で発売されたゴトウユキコ先生の、まるで映画のように美しくまとまった作品。
ゴトウユキコ先生といえば思春期男子のリビドーを軸に、セクシーだったりバカバカしかったりするお話を描いてきた作家さん。
しかし今回はとても重い。とてつもなく、重い!
主人公はもんもんと、母親に対する劣情を抱く少年。近親相姦というテーマの時点の重いのに、田舎町の窮屈な空気、人間の悪意、消えない過去の傷、歪んだ欲望、エトセトラ・・・様々な「直視したくないもの」をぶつけてくる。窒息しそうだ。
描かれるのは強烈なバイオレンスと生々しい腐臭の漂うセックス。
地獄じみた世界にようこそ。でもここは現実。思春期という牢獄だ。

主人公の母親が「性の対象」となるというのが恐ろしくもあり、見どころのひとつである本作。ちゃんとかわいいんです。童顔で、エロい体型してて、母性本能強くて。
そしてこの作品、表情がいい。興奮に染まったエロい表情もいいし、情念の滲む恐ろしい表情も、虚無を体現した無表情も、試すような挑発の視線も。
息苦しい世界観とそこに生きる人間のナマっぽい空気感。これにより、この作品の暴力性はさらに威力を増す。描かれたエロスは一層、魅惑的だ。
もっとも、幸福なセックスなんてない。この作品は圧制や征服、あるいは堕落の象徴としてのセックスが多く登場する。この大人びた感触は読んでて胸のあたりがヒリヒリと痛み出す。
主人公がかかえる鬱屈とした感情は、特別なものではあるけれど、この行き場のないモヤモヤはきっと共感できるものだと思う。思春期の頃の・・・あの、学校だけが世界のすべてかのような閉塞感・・・馴染めなければそれだけで生きる資格がないような錯覚・・・辛い!思い出したくない!やめてくれ!

ストーリーの流れも素晴らしかったです。人の気持ちを大切にした、歪んだ愛の物語だったと思います。
上半期の「もっとも良かった1コマ」を選ぶとしたら、本作下巻のラストコマの、慈愛をたたえた微笑みを挙る。
母と子のオンリーワンな関係を描いた作品としても、本作は読み応えありました。血のつながりを持った母親は、どんな人間であれどんな人生を歩むのであれ、たったひとりしか存在しないんだ。

水色の部屋

ラスト。穏やかな水色の部屋、心細い背中をそっと押す、甘い声。
最後の最後まで、エロいなぁ。エロいぞこれは。



2.あそびあい/新田章

あそびあい(3)あそびあい(3)
新田章

講談社 2015-04-23
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完結したってことで一気読みした作品。あまりの面白さに1時間半くらいで三冊読破してしまった・・・俺としては脅威のハイスピード。

『不憫な恋愛漫画』。本作一言で表すならそうなる。
“僕が好きになった女の子は、誰とでも寝るんだ”って、そうオビに書かれる作品。フリーセックス主義な小谷さんと、彼女に恋した山下くんの青春ストーリー。
主人公に感情移入しながら読むと、ことごとく思いを裏切ってくれる小谷さんに腹が立つ。なのにそれでも彼女を思い続けて、好きで居続けて、勝手に傷つくまでココロの動きがシンクロしてとてもキツい。彼女と他の誰かとのセックスをこれでもかと見せつけられて、だんだんと小谷さんの無神経さが羨ましくなってくる異常な感覚にまで陥ってくる。

あそびあい

しかしドラマが動いていくと単なる「彼女に裏切られるオレってかわいそう」なお話から、趣が変わる。ここからが更に面白いのだ。
彼女に誠実なお付き合いを求めていた純情な主人公。なのにいざ別の女の子と付き合うことになったら、小谷さんのことを忘れられずひどいお付き合いをしてしまう。
恋愛において何らかを「選ぶ」ことを難しさと残酷さ。悲しいくらい届かない、本当の気持ち。
自己嫌悪と闘いながら、思い通りにいかない想い人に傷つけられながら、汚い人間になりながら、それでも下す決断の価値。その重みをしっかりと感じさせてくれるストーリーの完成度。
中盤から襲いかかる主人公の苦難は、ページをめくる手をひたすらに早めてくれた。

ラストも個人的には素晴らしかった。こういう距離感の男女関係に着地するか、と。
主人公が望む関係ではないけれど、でもほかの一体だれが、スーパー特売まで一緒に来て欲しいと彼女に言ってもらえるだろうか。
「体の関係」をフィーチャーした本作。その結末はとても穏やかに心のつながりを確かめるもので、彼らの不透明な「いつか」を夢見ながら泣いてしまった。ラスト5話はぜひ読んでみて欲しい、傑作だと思います。
女の子ってこわいな。そしてかわいいな。でもって、わけがわからない。
あっっでもこの作品って主人公がセックス上手くないと成り立たないからやっぱムカつくわ!!!!!!!



1. ハレルヤオーバードライブ!/高田康太郎

ハレルヤオーバードライブ! 14 (ゲッサン少年サンデーコミックス)ハレルヤオーバードライブ! 14 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
高田 康太郎

小学館 2015-06-12
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あ゛゛~~~~~~最高だ~~~~~~~~~~!

まさにクライマックスのさなかである。ここに至るための物語だった。大きなステージで、まばゆいスポットライトを浴びて、ティアドライブは疾走する!
青春バンドグラフィティ、「ハレルヤオーバードライブ」。15巻で完結すると明言されたので、今回の第14巻は物語全体における最高潮!!
1巻から読み進めているとみるみる画力があがっていき、ライブの描写力が上がっていったのも本作の特徴であり見どころ。光がちらばり、魅惑のメロディが空間をうめつくす。僕らの歌声が、未来に祝福を奏でる。

ハレルヤ151

とても贅沢な一冊になっていると思う。なにせページの大半が演奏シーンなのです。エモーショナルな会場の空気をバッチリ捉えた描写は最高級の臨場感をもたらす。
上の画像のような各話タイトルコールの演出も電撃的でカッコいい。こういう、「ズバーンッ!!!!」てキメるタイトル演出大好きなんだよ・・・映画みたいでさ・・・!!
ひと目見ただけで読む者の心を掴んで離さない、閃光のような華やかな作画はこの作品の大きな武器。その武器が、過去最高にいかされているのが巻なんですよ!

ここにきて浅緋にまつわる種明かしがされる。正直いえば「いや、とは言え盗作した罪は消えませんよね??」という思いは拭えなかった。倒れた彼を見て、必死だったんだなとは思えど、同情は出来なかった。
そんな微妙なモヤモヤは、主人公の小雨が晴らしてくれる。ロックスターに面と向かって、「オレは勝手にやりたいようにやるんで…貴方も自分で勝手に助かってください」と言ってのける。
助けを差し伸べるではなく、音楽を愛する者として、信頼を寄せた発言。小雨だってとっておきの曲を浅緋に奪われたのに・・・こんなセリフを言われてしまっては、こちらも何も言えなくなる。
長くに渡りこの作品のラスボスとして君臨した浅緋。その結末も含め、14巻の完成度は素晴らしい。素晴らしいという以外ないよこんなの!
「ハレルヤオーバードライブ」のタイトルもついに本編に登場。ライブシーンでこの作品がやりたかったことは果たされた印象も受ける。
破裂しそうな興奮と湧き上がる寂しさとが混ざり合って、なにも言えなくなる・・・。
上半期の1位を決めるにあたって結構迷っていたんですが、やっぱり自分を一番興奮させてくれたこの作品にしたいなと思って。三角関係にしろ、演奏シーンの華やかさにしろ、終わりゆく青春の1ページを刻む物語にしろ・・・すべてがツボです。
いよいよ、次が最終巻。ハレルヤ!みんな幸せになってくれ!!麗あ!





ということでBEST10でした。また下半期も同じようにやれたらいいな。では。
読んでいただきありがとうございました。

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漫画と邦ロックとゲーム。
好きなのは思春期とかラブコメとか終末。

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