[漫画]ギリギリなネタ満載!出版社の擬人化マンガ『飯田橋のふたばちゃん』1巻
飯田橋のふたばちゃん(1) (アクションコミックス) (2013/06/28) 横山 了一 商品詳細を見る |
マンガ界とは一切関係ありません
世の中にはいろんな擬人化漫画がありますが…漫画好きだからこそ楽しめる擬人化漫画としては、かなりの面白さだと思います。「飯田橋のふたばちゃん」1巻がでました。
これは出版社を擬人化した漫画。
ネット上で話題になったりしてるのでそれで知った人も多そう。やっと単行本化ですよ!!
S英社、K談社、S学館にA田書店…などなど他にもたくさんあるもんですが、そんな各社の特徴を盛り込んだ女子高生たちの賑やかな4コマ漫画となっています。
だいぶ危ないネタも飛び出してきて、かわいい&きわどい!
その会社を代表する作品のネタはもちろんのこと、あんまり明るみには出せないようなブラックな一面もばっちり仕込まれています。
だ、大丈夫!実在する出版社とは一切関係ないハズだから!あくまでもソレっぽい名前とそれっぽい特徴の女の子たちがワイワイやってるだけだから!
当然ですがほぼ全ネタ、その出版社らしいオチが付く。
正直メチャクチャ面白い漫画だと思うんですけど、あまりに細かいネタを拾ってくるコアな4コマギャグとなっており、読者にもある程度の知識が求められているよなぁ…!
現実の出版社ごとのカラーを知っているから、この漫画を読んで「どこまで踏み込んでいるのか」というギリギリ感に笑わせられる!
だから知らないと反応できない所もちらほら…。俺はホーム社、銀杏社あたりは「そ、そうなの…?」という感じでした。
特にブラックネタ関係は、「そういうことがあった」ということを知ってないとチンプンカンプンな部分が多いし。(S学館ちゃんやたらとものを無くしちゃう
だからこそか、分かる際どいネタの数々に「大丈夫かよこれwww」と興奮する。
風刺っぽいコメディというのは受け手にも結構求められる要素が大きいかもしれない。「漫画好きだからこそ楽しめる」と思うのは、そういう部分です。
作者的にはギリギリをせめているんでしょうが、まぁほぼアウトだよねこれw
しかしブラックユーモアばかりというわけもなく、徹底的な出版社単位のパロディも輝いていますね。有名作品のパロディの数々…!
ネタのチョイスがお見事ですし、それぞれの女の子もとてもキャラが立ってる!
集英ちゃんは束縛が強く結果次第で即打ち切り、ジャンプシステム丸出し。
小学ちゃんは恋愛面に強いけどおっちょこちょいでたまに物を無くす。
講談ちゃんはデンプシーロールと丸太アタックが得意技。ゴシップ集めも好き。
秋田ちゃんはヤンキー。単行本発売に関してシビア。危ない妹がいる。
そして主人公兼ツッコミ役が双葉ちゃん。地味だが親族エロまみれ。
他にもメインの出版社はあらかた登場して、それぞれに個性的なキャラになってます。ウィキを見たらご丁寧に各キャラごとのブラックな一面に関するリンクまで貼られているのでヒドイとおもいました、まる。
個人的に白泉ちゃん、スクエミちゃんが出てくると賑やかで楽しいなぁ。
というか秋田ちゃんのキャラ立ちはすごいわw
秋田ちゃんの妹の問題児、いちごちゃん。
なにやらアダルトだったりアブノーマルな友達が多いらしい。
いちごちゃんはキャラ的にとても美味しいのか、メチャクチャやってますねw
いろんな特徴を持つ擬人化出版社娘たち。
更にそこからいろんな作品のネタや会社としてのどーのこーのを設定として盛り込んでいくので、一言では語りきれないくらい各キャラ濃ゆーく膨らみ上がっていきます。
芳文ちゃんは似た顔の姉妹がいっぱいいるけど、実は中身はオッサンだったりして面白いw
詰め込みすぎなくらいにネタが放り込まれていて、テンポの良さが凄いな!
ネタのチョイスも楽しいし、4コマ漫画として純粋な流れとかも楽しいのです。単なる一発ネタ漫画に終わらない魅力を感じさせてくれる!
このネタが面白かったよね、これは危なかったよね、と逐一書いていってもキリがない質量感!お腹いっぱいですよ…!
個人的に「おお…これは…」と思ったヨシモトちゃんとガンボちゃん。懐かしいな…。
なんというか、こういう時代ですし、この漫画に登場した擬人化娘がある日とつぜん休学とか転校とかしないでほしいなと願うしかない…!
そして時に話題になる漫画界の「引き抜き」…!!
日文ちゃんはお家芸感あるけど、小学ちゃんも目立ってるからな。スクエミちゃーん!
こんな調子で、漫画業界のちょっと(?)ブラックな所をネタにしていく漫画。
ニヤリとさせられるネタばかりで、がっつり楽しめましたw
こちらのインタビューもみてみると、作者夫婦のコダワリとか面白い裏話とかも見れて嬉しい。
→出版社擬人化4コママンガ「飯田橋のふたばちゃん」はかくして生まれた
このインタビューで「双葉社だからできた内容」という事も語られていましたが、なるほどなぁ。たしかに、他の出版社がメチャクチャにキャラ濃いのに比べれば、…という感じはあるのかもしれないw でも双葉ちゃんだって面白い面はたくさん持ってるからなw
業界裏話なこの漫画がこれからも続くのなら、今後なにかしら漫画業界のニュースがあったときにも、この作品ならネタに反映してくれるんだろうなーという期待をしてしまうw
実際、何かと騒がしいエロ漫画の関連ネタも面白い仕込みをしてくれています(メロンブックスで買ったら描きおろし4コマのリーフレット付いて来ました
せっかくwebコミックでいつでも読めるので、定期的にチェックしないとな。
ギリギリすぎるネタの連発。あまり広まりすぎるとそれはそれで危ない気がする作品だけど、でもとても気に入った作品なのでオススメしたい、複雑な漫画w
『飯田橋のふたばちゃん』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
中身のギッシリ詰まった、漫画好きに送る漫画業界漫画。そのネタはあぶない!
[漫画]この血塗れた手は、世界を変える覚悟だ。『新装版 真・女神転生デビルチルドレン』2巻
新装版 真・女神転生 デビルチルドレン(2) (KCデラックス) (2013/06/21) 藤異 秀明 商品詳細を見る |
弱い 無力すぎるよ 何かを変えるだけの知恵もない
未来キーック!「新装版 真・女神転生デビルチルドレン」2巻の感想。
10年以上前にコミックボンボンで連載され、幼年誌らしからぬバイオレンスっぷりに当時の少年たちの度肝を抜き、またトラウマを植え付けたりもした、あの傑作の新装版でございます。
昔この作品ほんとハマってたんすよ~っていう話は前回したので省略。
前巻
世界を救うハードボイルド小学生漫画、復活ッ!『新装版 真・女神転生 デビルチルドレン』1巻
よくもまぁ小学生相手の漫画雑誌でこんな漫画やっていたよなと!
それはバイオレンス描写や作者が影響を受けたであろう作品のオマージュだけじゃない。
世界を救うにはたくさんの犠牲を乗り越え、また自らの手を血で汚すしかない。
そんな現実と戦う覚悟を、小学生が背負うという、ね…!
まぁ小学生に見えていたのは1巻の最初のうちだけで。この新装版2巻の時期になると「お前ら小学生とかぜったい嘘だろ!」と叫びたくなるような大人びた風に成長してます。
いいんだよ細かいことは!カッコ良けりゃいいの!熱けりゃいいの!
世界を包む混沌はその色を強くしていく。
デビルチルドレンである刹那と未来の運命もますます過酷に。
物語の厚みも増していき、バトルと合わせてズッシリと迫力ある展開に向かいます。
新装版2巻は冒頭、フォレストランドでの未来の戦闘から熱気十分!
常に敵から命を狙われる、緊迫した生活。それに疲れてしまうのはまだ小学生の女の子なら当然だよなぁ。
ニーズホッグとの戦闘は、リアルタイムで読んでいた時もすごくドキドキした。
巨体を土の中から引きずり下ろし、魔法で森全体を凍りづけにして天然の針地獄。落下して串刺しになった所を改めて魔法で切断。うーん、見た目ハデだし実にクレバーな戦略!カッチョイイ。
このフォレストランドで未来はユキヒサと出会って、そこから「天使軍」の策略にハマり込んでいってしまう。
この「天使軍」の存在こそこの新装版2巻のポイント。
魔王軍VSアンチ魔王軍、のシンプルな構図だった所に「いやいや天使こそ至高の存在だろお前ら俺ら抜きでなに言ってんの?」と出しゃばってきて色々メチャクチャにやっていくのです。
天使軍が刹那サイドに送った刺客がドッペルゲンガー。
刹那が探し求めている未来の、まさにその姿を借りて刹那を殺しに来る。
このバトルでは刹那は腕がちぎれちゃうんですよね。
当時小学生の俺。腕がバツンとやられてしまった時点で「え、終わりじゃん。死ぬじゃん。これからどうすんの?」とマジで焦った記憶があります・・・。
バトルの緊迫感が凄い。ドッペルゲンガーまじで怖いし、このギリギリで戦っている実感が少年心を心底ワクワクさせてくれましたよ…!
ドッペル未来さん、いい顔するよなぁ…!!
メインヒロインの顔した敵がここまで顔芸やるもんだから、本当に怖かったんだよ!!
口調も下品で、こうしてある程度大人になって読んでみると、「未来ちゃんを汚しやがってこのやろう!!」とも思えてくる。侮辱的ですよねえ。他人の姿形を借りて人の弱みに付け入って、顔芸に下品な言葉遣い繰り出してるんだから。
刹那としては本当に腸煮えくり返るほどムカつく相手だったと思う。
お前たちは自分のエゴで生きている!!
自分の邪魔になるものを傷つけながら生きている!!
それもいいだろう この汚れた世界ともに生きていゆけ!!!
だが忘れるな!!!
お前の手や顔、そして体についた血は決して消えやしない!!!
ドッペルゲンガーを倒した刹那。この時のドッペルゲンガーの死に際のセリフは、本当にグッサリ刺さった。
世界を救おうとする正義の味方なのに、結局は汚れなくちゃいけないんだと。
綺麗なままのヒーローであることを絶対に許さない。
何かを救うためには何かを犠牲にする必要がある。そういうシビアな現実を、10もいかないような少年に見せつけたのがこの作品の、個人的にすごく好きな所です。
傷ついて、自分の血にまみれて、誰かの血を浴びて、やっと前に進める。
ゼットくんはエロいんだよ!!!(唐突)
思えば俺が初めて「少年」キャラクターにドキッとしたのはゼットくんかも知れない。
挑発的で、思慮深くて、ミステリアス。
もともと中性的な顔立ちのキャラクターなのですが、物語中盤から明らかに作者が意図して色気をもたせている。唇にトーンが貼られだして、艶っぽさが出てきます。
少年心になぜかを感じ取ったことを覚えています。
ヒロインである未来やエレジーに心は向かいながらも、ゼットくんが香らせるフェロモンはこう、グッッ…っとキました。
人も悪魔も天使も魔王も超越した存在。
そんな特殊な立ち位置であるゼットは、それが故の苦悩を抱えます。
簡単に国も人を救ったり、または滅ぼすことができる。
あまりに大きな力を持つあまり、それにがんじがらめにされる。
新装版2巻のラスト「とまらぬ怒り」では未来と衝突するゼット。ここでゼットの苦悩は表面化して、ゼットが更に好きになりましたね。
今まで天上人って感じで、あまり感情移入ができていなかったのですが
泣きもする。悔しがったり、悩んだりもする。彼もまたそんな血の通った存在だったんだな、ここで初めてわかった。印象深いシーンですね。
誰しも戦っている。戦って生きていく。この作品らしいよなぁ。しびれる。
しかし一番ゾクゾクしたのは、「最愛なる者へ」でゼットと刹那が出会った場面です。ここで初めて刹那は、普通の友達だと思っていたゼットがとんでもない存在であることを知る。
「くやしいでしょ?」
刹那を導くためでもあるが、こうしてヒールのような役回りをする。
たっぷりと皮肉って、挑発的な笑みを浮かべる邪悪ゼット。ムカつくなぁ!でも似合うなぁ!!かっこいいなぁ!!!
でもこのエピソードのサブタイ「最愛なる者へ」は、ゼットから刹那に向けたものなのかもしれないな、とも今回ふと思った。
人間を遥か高みから見物するようなゼット。しかしここでは刹那というたった1人の少年のためにメッセージを投げかける。
そのメッセージはネガティブなものではあるんだけど、刹那たちの身を案じた優しさでもあるよな。未来と刹那、デビルチルドレンたちを守ろうとするゼットの内面の深さは、今でも味わい深いものだ。
もうひとつ名シーンを選ぶなら。
刹那が幽体離脱してファイアーランドを向かうまでモノローグ。
「死が平安をもたらすのならば 生きている意味ってあるのか?」
「この世に人間は必要なのか?」
「世界は汚れてなんかいないし 滅んだりもしない 問題なのは人の行く末だ」
「生きている意味ってあるのか?」の言葉は、これを当時自分どう受け止めていたかは覚えていないけど、なんにせよ衝撃的だった記憶がある。
生きている意味を疑うなんて、小学生置いてけぼりですよ。でも感じ入った。
刹那さんはホント達観したイケメン小学生やで…。
各キャラクターの苦悩を深めていく内容だったこの2巻。
ストーリーの進行も当然ですが、精神的な成長やドラマを重視したのもこの作品の面白さ。想いの折り重なった、多層的なストーリーになっています。
↑の感想では触れられませんでしたが、エレジーちゃんの健気さに心打ち抜かれ、もうエレジーちゃん最高!!となるまでありましたが省略します。
新装版3巻は7月発売。描きおろし漫画にも期待大ですね…!!
そういえばこの新装版2巻、連載当時カラーだった話数の扉絵が描きおろしイラストに代えられていました。今の絵柄で見る刹那たちは新鮮で、楽しい!
今回の巻末オマケ漫画はドッペルゲンガー未来ちゃん大暴れ。
当時のアシスタントさんが描いたものですが、本当に今でも愛されてるなぁデビチル!ドッペル未来ちゃんは本当にムチャクチャやるので、シリアスじゃなくギャグとしてなら色々可能性があって面白いなw
『新装版 真・女神転生デビルチルドレン』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
復活した懐かしの傑作第2巻。大人びた児童漫画だよなぁ。この傷だらけのキャラクターたちと渦巻く愛憎の物語に憧れたもんです。
[漫画]避けられぬ衝突!戦争への加速!『ブレイクブレイド』12巻
ブレイクブレイド(12) (メテオCOMICS) (2013/06/12) 吉永裕ノ介 商品詳細を見る |
初めて人を殴ったが―――… 自分も痛いんだな…
一見ロボット漫画とは思えない表紙に仕上がっている「ブレイクブレイド」第12巻の感想しかし裏表紙のマントを羽織ったデルフィング、格好いいなぁ…!朝靄の中、静かな夜明け。戦いの予感。
なお11巻末に「次巻予告」がありましたが、12巻時点での作者いわく「思ったより進まなかったんだ!予告詐欺とかではないんだ!」とのことw
ということで11巻末のあの通りなシーンはまだ出てきていませんが、大盛り上がり間違いなしのあれやこれやに備えて、着々と物語が暖まってきているのを感じるのが12巻ですね。
避けられぬ衝突に向けて熱は高まる一方ですよ…!
除隊されることになったライガット。同時にデルフィングの解体も決定。
戦争の傷によってライガットは壊れかけ。精神もボロボロ。
そんな彼を癒し守るためにシギュンも彼に付きそい、2人でクリシュナを出ました。療養のため目指すはライガットの故郷。まさにこれは喪失を癒すための時間、旅。
同棲始める気まんまんで静かにウキウキしてるシギュンと、そんなこと露知らない相変わらずの鈍感ライガット。なんとも微笑ましい2人の旅はどうなるのか!
と思いきや、そう簡単に平穏なんて訪れてはくれない。
ふたりきりで故郷へ向かうその途中で出会った、ひとりの少女。
その出会いが、ライガットを新たな運命に巻き込んでいく。
前巻→戦争の傷痕と、喪失を癒すそれぞれの旅。『ブレイク ブレイド』11巻
シギュンさん、夢の中では積極的だったね(笑顔)
いや現実でもちゃんとアタックしかけてるはずなんだが…ライガット相手だともっとストレートに頑張らないといけない…。難儀なものである。
本当だったらあんなこともこんなこともあるハズだったんですが…ライガットとシギュンのふたりきりの旅は、あっさり終焉を迎える。
アッサムでもうすぐ内戦が起こる。
ライガットたちにそう告げたのはアッサム王女のプレデリカ。クリシュナへの亡命のためにやってきたという彼女のために、ライガットたちはクリシュナへ引き換える選択を迫られます。
●ふたりのプレデリカ
12巻で謎を呼んでいるのが2人のプレデリカです。
亡命してきてライガットたちと遭遇したクールなプレデリカ(頭部右に髪飾り)。
アテネス軍・アーレス将軍の指揮下にいる明るいプレデリカ(頭部左に髪飾り)
外見そっくり。けれど性格は結構違いそう…なこの2人。
アッサム王女という肩書きからして重要人物ですが、こうして謎を秘めて2人出てくると、やはり今後のストーリーのカギとなる予感がビシビシしてきますね。
恐らくは双子という事なんでしょうが、複雑な事情もありそうです。
アーレスと一緒にいる明るい方のプレデリカですが、やや影を感じさせる部分もあります。
主に敵ゴゥレムと戦っている時の顔つきだけなんですけどね。
戦っている時の集中力と、その緊張が抜けた時のギャップが面白いシーン。
破天荒な戦闘スタイルを見ても、普通の兵士ではないという感じがします。57話でゼスから評価を受けていたり、「天才」と呼ばれていることを自覚した振る舞いをしていたりする。
新型ゴゥレムのテストを行なっているという腕前。アテネス軍にいる天才少女ということもあり、恐らくこれからクリシュナとの戦闘にも直接関与してくるであろう人物。
今回見せた戦闘センス。戦いたくない相手だなぁ…。かわいいし。うん。
ほらーかわいい!
でもこうしてライガットとの絆を深めるイベントを挟んでくると、これはやっぱり対立する展開に入っていくんじゃないかな…!
王女としての責任から、反乱分子には過激に対応する場面もありました。
いざ敵となったら容赦はしないプレデリカ。もしライガットと戦うことになったとき、彼女はどんな表情を見せてくれるのか。怖いけど今から楽しみでもある。
●シギュンの本当の気持ち
今回の12巻で特に進んだ箇所はシギュン関連かもしれない。
61話「相思相愛」は、ライガット、シギュン、ホズルの3名にとってターニングポイントになったんじゃないかな。
クリシュナに急遽帰国したライガット。危機に陥るシギュン。罪を感じて「殴れ」と言うライガットと、それに応えるホズル…。
学校時代ただの友人だった4人。しかし国がその関係を引き裂き、または男女は結婚をし、昔のままとはいかない事ばかりになってしまった今。
ホズルの感情がグッと前に出てくるこのシーンは、これまで積もり積もった歴史を感じさせ、色んな角度から胸に染みてくる。
「あいつはお前を一番に想っている――― 俺よりも―――…」
これをシギュンの夫であるホズルが言う重みよ…!
明らかな嫉妬に苦しむ表情を見せるホズル。けれど夫としての気持ちより、親友のライガットのために放った言葉なんだろう。
ライガットとの固い友情に涙腺が緩んでしまうのは仕方ない…!
「シギュンはライガットのことを1番考えている、見つめている」
恐らくそんなこと最初からわかっていて彼はシギュンを王女に迎えたんだろうな。
夫婦としてちゃんと関係を持てていたかは疑問が残る2人。というか多分無いんじゃないかな。もちろんシギュンを愛おしく想っていることは間違いないんだけれど、だからこそこのセリフをいうホズルの男心的な部分にグッとくる。
国王として、夫として、親友として。ホズルは立場上とにかくいろんな気持ちに揺さぶられる、ちょっとかわいそうなポジションです。
でもそれ故にこの作品のドラマの面白い部分の中心にいる人物でもあるし、今回ちゃんとホズルに気持ちが語られて嬉しかった。読み応えがありましたね。
今回あたりでシギュンとホズルの結婚に至るエピソードが語られるかと思いましたが、それはまだお預け。
しかしホズルとライガット、シギュンに近しい人物の気持ちが整理されたことで、次のステップに行く準備が整えられた感じ。主にシギュンとライガットの関係が。
●ライガットとゼス。避けられぬ衝突。
キターッ!!とテンション上がるけど…うおぉ、心が苦しくなってくるな…。
やはり幼馴染同士が戦争で対立する、というこの作品の根本がとてもドラマティックで面白い。ゼスがアテネスを率いる将軍になった今、特にそれを感じます
久しぶりに再会したライガットとゼス。いま2人は何を思うのか…?
11巻の予告漫画を見ると、これからの流れはなんとなく察せますが!
ゼスがロキス書記長に逆らえない理由がある。
クリシュナにいるかつての友人たちを相手にしても非情に戦うであろう覚悟は、なぜ生まれているのか。
それをライガットを通じてシギュンやホズルの伝えられましたが、なにが理由なんでしょうねえ。というかシギュン・ホズルは知らずライガットだけが知っていた、ということが何やら意味深。
それにしてもライガットに向けたゼスの視線のこの冷ややかなこと。
母校である士官学校を訪れたことで何か変化はあるのかもしれませんが、少なくとも現時点でライガットをゴゥレムから見下ろす彼は、かつての親友というより敵国の将軍としてのイメージが濃くなります。
一触即発のムードに包まれる悲しい再会。続きが気になりまくる!!
そんな「ブレイクブレイド」12巻。
緊張感みなぎる展開の連続であろう次巻への引きが印象的な巻。
カギを握りそうな新キャラ・2人のプレデリカの登場や、シギュンの本心をライガットが知る恋愛面での進展など、確実に動きのある内容でした。
特にこれまで以上に、「引き裂かれた幼馴染4人のドラマ」を感じさせられましたね。やはりメイン4人のこのもどかしい関係性に惹きこまれる…!
この作品の戦いと、そこに巻き込まれる切なく熱い人間模様!
次の13巻から久しぶりにゴゥレム同士のバトルがたっぷり楽しめそうな予感。
ブレイクブレイド【新装版】(1) (メテオCOMICS) (2013/07/12) 吉永 裕ノ介 商品詳細を見る |
それとなにやら7月から新装版が順番に発売されていくようです。
しかもカバー描きおろしだし内容も加筆修正あり、全巻購入特典あり!
フレコミ版もせっかく1巻からずっと初版でオビ付きで持っているので大事にしますが…新装版の追加要素がちょいと卑怯なくらい豪華なので買いますよ…!
『ブレイクブレイド』12巻 ・・・・・・・・・★★★★
盛り上がってきたー!かつて友人だった4人の運命が加速していく!
[漫画]ひとりのオタクのひとつの終着点。『げんしけん』14巻(二代目の伍)
げんしけん 二代目の伍(14) (げんしけん (14)) (2013/06/21) 木尾 士目 商品詳細を見る |
……… 本当に…… 本当に楽しかったんだ
斑目ェ…………!!!
「げんしけん」14巻、二代目としては5巻が発売されました。
二代目になってのコミックス表紙は、女子がメインとなったサークルを象徴するかのように、女の子たちの賑やかなひと時が描かれてきました。しかし今回は一転、青色基調の斑目ソロ。ひとり部室に佇む彼の姿に哀愁を感じますわ…。この静かさが胸に染みる。
内容の方も「斑目のための巻」と言って差し支えない。
個人的にこの14巻収録の第80話を読んで、ひとつの世代がここで終わったように感じました。それだけ重要な、初代も含めても歴代最高レベルのイベントだった。
そもそも前回の13巻の引きが凄まじく、ここで次の巻まで待たせるのかよ!ってもどかしさMAX展開でしたよ。買っててよかったアフタヌーン。
以下、ネタバレには注意をしてくださいまし。
前巻→ついに運命が動き出す!初代メンバー集合の学園祭!『げんしけん』13巻(二代目の四)
それにしてももう14巻。二代目としては5冊目ですか。早く感じるなぁ。
初代は全9巻。ニ代目がどれほど続くかはわかりませんが、初代と照らしあわせてももう折り返し地点まで来てるんですね。
そんな14巻は、全体的に恋愛色が強い内容になっている気がする一冊です。
なんといっても、14巻どあたまの第81話が、すごい。
「いい最終回だった(告白Ⅱ)」とサブタイトルが付けられており、9巻の53話「告白」の続編に位置づけられているのが憎い演出。
「斑目に告白させよう」という恵子の策略により、咲ちゃんと部室に2人きりにさせられた斑目!
何年も胸の内で燻らせてきた片思いを今こそ吐き出すとき。
「君はハナゲが出ていたんだ」
もう無茶苦茶なセリフだ。けれどずっと胸にしまっていたこの言葉を言ったことが、斑目にとっては致命的な意味を持っているよなぁ。
53話では「この事は墓まで持っていくのだ」とか言ってたし、告白しようにも直前に思いとどまって感情を爆発させられなかった。その臆病さ、ヘタレっぷりが斑目の愛おしさ。
でもあの時、咲ちゃんの卒業を間近に控えたあの時。言えなかった言葉を、やっと斑目は口にする。
ここらへんは本当に14話、53話のか延長戦のような描かれ方をしているので、このエピソードを読み終えて過去のエピソードを読み返したら、感慨深さ一層増しましである…。
でも…でもなぁ…。
くうううぅ~~~~~~……
いねぇ~~~~~……
絶対いねぇ~~~~~~~
『「君はあの時ハナゲが出てたんだ!!!!」って愛の告白する男』……
斑目さんが完全に3巻44Pのブーメランを食らってるように感じて、切ないやらおかしいやらでいろんな感情でいっぱいですよ!!
「咲は斑目の好意に気づいているんだろうか?」というのは初代ラストの余韻のなかで提示された、もっともな疑問でした。今回でそれの回答が得られましたが、「まぁ、ですよね~~」という感じですよねw
「・・・絶対私からは話を振らないつもりだったのに 本当ヘタレだね斑目は」
のセリフに、流石だなぁと思わされる。オタク嫌いだった初期から考えれば本当に彼女も変わったなぁとも思う。この告白への咲ちゃんの対応は誠実さがにじみ出ていていいなぁ。告白されたほうが泣いちゃうんだもの。
斑目のモノローグ「うん 知ってるよ 春日部さんは 意外とよく泣く」には、彼女を見つめた斑目の万感の思いが詰まっていて、本当に涙腺が緩む。
これまでの思い出とふたりの気持ちが交差して、素晴らしい名シーンでした。
それにしてもヒドいのはこの時の雑誌連載時の煽り文ですよ!
「斑に咲く花」ってオイ!「Spotted Flower」!
楽園でやってるあの漫画のタイトルじゃないですか!
斑目と咲ちゃんのIFを思わせる幸せ夫婦漫画のタイトルをここで匂わせる。あんな風景はもう「げんしけん」世界では有り得ないと見せつけた後でコレですよ!
いつもは基本パロネタの煽り文なのですが、この時だけこんなネタを仕込んできたので印象的でした。
「Spotted Flower」は設定からしてげんしけんファンを惑わす代物で、あまりこれに踊らされちゃいかんと思い読んでいましたが、やっと気持ちの整理がついたような感じです。もともとこんなのIF以外ありえないだろーと思ってはいましたが…!
この文化祭の一連の流れには、笹原妹の恵子が大きな役割を果たしました。
前々から斑目を気にする様子を見せている恵子ですが
今回も様々な場面で斑目の心にちかづこうとしているように見える。
特にこの場面は斑目の核心に触れる部分で、彼を繊細に扱うよりある程度強引に立ち上がらせようとする恵子の気持ちが感じられてほっこりする。
恵子、すげー大人になってんなー。人生経験か。斑目の破滅的なロマンティシズムを見ぬいて、そこにフォローを入れようとしている。やっぱり結構マジなんじゃないか。
単行本のオマケ漫画では、斑目の受けを考えてかいつもより大人しいナチュラルメイクで大学に来ていると指摘。おっおっドキドキしてくるな…。
咲ちゃんが最後に言った「頑張れば本当にハーレム作れるかもよ?」は現実味がなくてどう捉えればいいのか困るものではある。それくらいの可能性がいまのあんたにはあるよっていう励ましでもあると思うんだけど。
確かに今の斑目を取り巻くヒロインたち(♂含む)の布陣は凄いことになっていて、斑目さんのモテキを確信するしかない状態ですよ。
スーも斑目と顔合わせるたびに真っ赤になっちゃうし、波戸くんも完全に乙女みたいなことになってるし。
波戸くん目覚めすぎい!
斑目さんと部室でふたりきりになったら発情しちゃうしなー。そろそろ本当に抑えが効かなくなってくるんじゃなかろうか。
「妄想と現実は全くの別」とキリッ顔で言うようなセリフが出ましたが、こんなの完璧にフラグじゃないですか。波戸くんの明日はどっちだ。
文化祭が一段落つくと、どうみても某アダルトグッズな代物が部室に落ちていて女の子たちが混乱するコメディ回に続き、賑やかな内容に移ります。
波戸くんにプレゼントをもらったのと、あのアダルトグッズを所持しているのはもしかして…?といういろんな羞恥心がごっちゃになって顔真っ赤になっちゃう矢島ー!!
将来への不安から迷走してエロいコスROM作ろうとする大野さん―!!
そして斑目さんは会社をー!!…っておいおい。斑目ェ…。
思えば二代目がスタートする前、「くじびきアンバランス」のおまけ漫画に、げんしけん初代のアフターエピソードがちょこっと描かれたことがありました。
そこで描かれていた出来事は今回で回収されましたね。
いよいよ、ここからが本当に先の見えない領域。
っていうか最近の大野さんのおっぱいはスゴいことになってる気がする。もともと巨乳キャラだけどここまでだったか…?もしやまた大きくなってるのか…?
採寸してるときの田中に殺意を抱いたことは当然である。
田中といえば今回の巻末描きおろしもヒドかったw
自分の彼女がいかにエロいかを滔々としゃべるという、まさに「もげろ」と言うに相応しい行い。
とはいえこのオマケ漫画、斑目・久我山・田中の動機3人で野郎飲み、という実に微笑ましいワンシーンです。
卒業した今だから言える、かもしれない男同士の猥談が楽しい。しょーもねーなーってつくづく思える。でもこういう話をオープンで出来るのは面白いな。知人の誰彼をオカズに使ったわ、とかその行為自体なんか辛いし、しかもそれを友達に話せるというのがなんか別次元な感覚する。そこらへんの感覚は斑目のものに近い。でもそういう話を他人から聞くのは楽しいというw
この男同士のゆる~い関係が、げんしけんに憧れたひとつの理由でもあって、このオマケ漫画はすごくうれしい気持ちになる光景でした。
「げんしけん」14巻はまさにターニングポイントとなる一冊でした。
まず斑目の恋の決着がツイたこと。そして人間関係というか、それぞれの思いがより見えやすく表面化してきた部分も大きく感じる。
斑目関連の恋愛事がここのところ話のメインになってきていて、すっかり恋愛漫画な風格。
今回の文化祭は初代メンバーの同窓会的エピソードでもあるし、それ以外と部分でもオタクの葛藤もがっつりストーリーに組み込まれてきていて、今回のコミックスの満足度は非常に高かった。
次の段階に話をすすめるステップとなりましたし、更にこれからの展開が楽しみになってきましたよ!
15巻はOVA付き特装版も出るんだとか。TVアニメの出来みて考えようかな。
そういえば今回のオマケ4コマに、珍しく高坂の本心が見える箇所があってドキッとしました。辛辣なようでたしかに愛が感じられて、こんな所でも斑目は美味しいな全く。
『げんしけん』14巻(二代目の伍) ・・・・・・・・・★★★★☆
斑目の恋のひとつの決着。ある意味「初代げんしけん」の真の幕引きという感じかな。
[漫画]激闘で光るメンタルモデルの人間味。『蒼き鋼のアルペジオ』7巻
蒼き鋼のアルペジオ 7巻 (ヤングキングコミックス) (2013/05/30) Ark Performance 商品詳細を見る |
今日はなんて日だ…地球が保たんぞ
祝アニメ化!「蒼き鋼のアルペジオ」第7巻の感想です。
こんどアニメになるらしいですよ。ビックリしました。でもアワーズでも特にプッシュされてる作品の1つだったし、納得ですね。成功するといいな。
自分は未プレイですが「艦これ」も流行しているようですし、戦艦娘ブーム来るんか!
前回の6巻は全体的に「溜め」の展開でした(ショッキングなシーンはいっぱい)が
今回はスカッとするスケールでかい海上バトル!燃える!この作品の醍醐味が詰まった展開の連続で興奮しっぱなし。
アニメ化するってことで、この巻の内容はぜひ映像で見てみたいなぁ…タカオちゃんがめっちゃカッコいい&健気でかわいいぞ…!!
表紙でドドンと登場もしているし、この巻はタカオメイン間違いなし。
401ら主人公チームはアメリカを目指す。
協約を結んだタカオはダミーのコントロール等、401の作戦サポートを担う。
しかし監視をしていたタカオにゾルダン率いるU-2501が接近。
7巻は強襲を受けたタカオとU-2501の激戦が中心となり
久しぶりにド派手にドンパチやる華やかな戦闘が繰り広げられます。
この漫画はこまごまと広く事態が進行していくので、ストーリーの把握に結構時間がかかります。こいつらの現状はどうなっていて、どんな思惑でなにが目標で、と思い出したりする必要がある。
でもそうしてじっくりと読んでいくごとに、静かな展開の中に込められた力強い意思にテンションが上ってくる。
SF戦争漫画でもあり、何かよくわからないけど凄い平気とかいっぱいでてきて、これにまたテンション上がるのです。
あまり理解はできなくても小難しいガジェットがいっぱい出てくるとワクワクしてくるよ!
特にこの7巻のタカオ(&401)VS U-2501のバトルは激アツ!
重巡タカオちゃん大ピンチ!!
追い込まれていく彼女にハラハラしっぱなしで読み進め、上のシーンなんかもう切なすぎてイカン。
Meたんが段々と消えていく例の画像とか弱いんだよ俺…。自意を持ったメカニックがだんだんと壊れていくようなシチュに非常に涙腺が弱いのだ。
群像艦長から便りにされてめちゃくちゃ嬉しそうに舞い上がってこの世の春みたいな状態だったタカオちゃんだって元は霧の重巡。ただでヤラれようとするはずもない。
しかしU-2501らは流石の腕前でタカオを追い詰めていく。
タカオが危機に陥っていることを群像たちも察知していた。
眼前に差し出された選択肢は、このまま作戦を進行し完遂すること。もちろんこの場合タカオは十中八九撃沈する。一方、作戦を中断しタカオの救出に向かう、という手段もある。
作戦を優先するか。タカオを優先するか。
その決断が401艦長群像に迫られます。
この時あくまでも状況を俯瞰的に捉え、作戦の優先を提言したヒュウガが印象的。メンタルモデルらしい合理的な頭脳を持っている。
同じ戦闘艦としてメンタルモデルとして、ヒュウガのこの言葉はとても重いです。
我々は戦闘艦だ。その任務を全う出来れば本望だ。
人型の外見を持ち、自律的な思考も可能なメンタルモデル。
まるで生身の少女のように考えてしまうけれど、でも根本は戦闘艦なのだ。
けれどこの一見冷たいヒュウガの発言は、似た存在としてタカオに最大限の誇りを持たせてあげたいという想いが宿った言葉でもあるように思う。
こうなると仁義より合理性を重視する機械的な主張にさえ、人間味のあるものに感じられてくる・・・。つまり「メンタルモデル」っていう存在が魅力的すぎるんだよ…。
メンタルモデルはあくまでも人工的なAIに過ぎないんだけれど
それだけじゃない明らかな人間性を持っている。
機械みたいな人間。人間みたいな機械。その間に見える彼女たちの心のブレがストーリーに組み込まれていて、やっぱりこの作品は戦争漫画としても面白いけれど、人外生命体漫画としても好きなんだなぁ。
人工AIであるメンタルモデルとのコミュニケーション。
タカオなんて完全に恋する乙女で大変ですよニヤニヤするよ。
思えば群像は6巻第31話で、タカオに「お願い」をしました。
ふつう機械相手にすることはお願いではなく「命令」です。けれど群像はあえてお願いという言葉を選んだ。そのことでタカオはニヤリを笑って、それを受け入れた。この作品における戦艦と人間の関係を示すいい場面だと思います。
「メンタルモデルの人間味」という点で今回すこぶる頭をガツンをやられたシーンがこれ。
まさに絶体絶命。コアを船体から切り離して、完全消滅を防ぐべき場面。
しかし彼女はメンタルモデルを手放さない。401クルーの証が入った服を着ていたから。
「服を着る」という事自体、本来の戦艦では有り得ないこと。その上、自分は壊される危険の中で、その証を守ろうとしたのだ。自分の存在が完全に消えてしまう恐怖をはねのけてこれを貫く勇気。むしろ敗北は確定的なこの場面でこの勇気はもはや愚かですらある。そんな愚かさを握り締める姿が愛おしい…!!
「人」としての姿にこだわったタカオのこの場面は、蒼き鋼のアルペジオの中でも個人的に最高にお気に入りですよ。
もう、どんだけ群像に惚れ込んでいるんだこの娘は。
色んな意味で本当に興奮するし切なすぎるしテンションがおかしくなっちまうよ!
「蒼き鋼のアルペジオ」7巻は過去最高潮の興奮度でした。
メンタルモデルの人間味あふれる感情、彼女たちと人間の関係性。
そういった人物の内面描写も実に深く面白い作品です。
「人工的な少女」という存在そのものが俺の中にもにゃっとした違和感みたいなのを残して、その違和感の正体を探ろうとする作業が好きなのだ。機械娘萌えに近い。
バトルも迫力満点。「衝撃波来ます!」「衝撃波ごと撃ち抜け!」のやりとりとか「今日はなんて日だ…地球が保たんぞ」とか、セリフだけでもゾクゾクしてくるしなー。
ミリタリ知識は無いので戦闘指示中に飛び交う専門用語はあんまり理解できていませんが、「よく分かんないけどすげぇ!」っていう小学生みたいに面白がり方をしてしまっているw
次から次に新しいメンタルモデルの少女たちも登場してきて、もう誰がどの戦艦だったかよく分からくなりつつありますが、これからもじっくり読んで味わっていきたい漫画。
アニメ化、楽しみだなー。PVを見るに戦闘描写に期待できそう。音楽も壮大でカッコいい!
『蒼き鋼のアルペジオ』7巻 ・・・・・・・・・・★★★★
緊迫・充実のバトル巻。タカオちゃんの健気さに心震える…!