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正直どうでもいい(移転しました)

マンガ感想を主に書くブログ。移転につき凍結中。

[漫画]イヴの時間を楽しんでますか?『イヴの時間』3巻

激辛ペヤングが本当に辛かった・・・なんとなく甘く見てたけどホント激辛だった・・・。
イヴの時間(3)(完) (ヤングガンガンコミックス)イヴの時間(3)(完) (ヤングガンガンコミックス)
(2012/04/25)
吉浦 康裕、太田 優姫 他

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   いきなり 話しかけたら きっとあなたは困ってしまうから だから 「内緒」

コミック版「イヴの時間」3巻が発売してます。これにて完結。
最初に言うと、素晴らしい漫画だったと思います。
原作アニメのファンからしても嬉しい追加要素の連発。オリジナル展開はどれも見応え充分。それでいて原作を知らずとも作品の世界に没入できるであろう完成度。
表紙もまた味わい深い。表紙に関しても書こうかな。じゃあ感想。

隠された想いが胸を打つ・・・アンドロイドと人間の切なく暖かな未来。『イヴの時間』1巻
いじらしくも切ない、それぞれの想い。『イヴの時間』漫画版2巻




さてさてアニメ見た時から散々「リクオとサミィとペアがかわいすぎんぞ」と激情ほとばしらせてた自分ですが、3巻も最高に萌える。
人間とアンドロイドの不器用な意志疎通を描いた作品は探せばいくつもある気がしますが、この作品はその様子をクローズアップしとても集中して描いており、絶妙な距離感からくる切なさ・もどかしさの表現が俺にクリーンヒットしていました。
もとからアンドロイド恋愛ものとか大好物なんですよ・・・。
まぁ本作は恋愛に限ったものではないのですが、それにしたってこの作品の描き方は心に響きます。
作品の設定などの説明は、過去の1,2巻の感想などでやってたはずなので割愛。

2巻では漫画版オリジナル展開でリクオのお姉ちゃんの秘めたる想いを掘り下げており、普通にいい話でほんのり泣けてしまうなり興奮してしまうなりで大変嬉しかったことをが思い出されますが、3巻で一旦リクオとサミィの関係がまとめられます。
この作品の中でリクオとサミィがたどった想いの軌跡は、人間とアンドロイドが共存するこの世界そのものにも、ひっそりと大きな意味を持つものではないかなと思いますね。
ピアニストとしてのプライドと傷つけられた14歳のリクオ。彼はそれ以来ピアノを引くことをやめていました。それは人間としての傲慢さからか、弱さからか。
少なくともリクオは「アンドロイド」という、人間のようで人間ではない彼らの存在を認めることが出来ない。うまく咀嚼して、納得して、許すことができない。
アンドロイドと人間を区別するルール。それは人間が自己保身のためのエゴにすぎないのだけども、そうすることで守られる大切なものもやっぱりあるのであろう。
この作品は最初から人間とアンドロイドの間にある、近いけど限りなく遠い、切ない距離感を徹底的に提示してきていますが、それに見合う理由がしっかりと与えられている。そうして一筋縄ではいかない世界観になっていることが好きである理由。

イヴ4

そしてこのシーン。
リクオの心が氷解していく一連のシーンの美しさと高揚感は饒舌に尽くしがたい。
人間とアンドロイドの共存。簡単なことのようであり、けれど本当に実現が難しいその理想。リクオはその問題に対して超個人的な結論を出します。本当に個人的な答えです。
リクオが一人で勝手に傷ついて、勝手に悩んで塞ぎこんで沈んで、勝手に納得してまた歩き出したという、それだけのシーンですよここは。けれどそれだからこそ、1人の少年のドラマとして抜群に胸あたたまる名シーンですし、ここから更なる飛躍が期待できるという意味で2重で熱い。これは最初の一歩なんです。

「僕のピアノで 喜んでくれる人がいる。――僕はそれが嬉しいんだ」

ピアノを弾き終えたリクオのモノローグの何気ない一節です。誰に向けたものでもないこれを、アンドロイドたちが多くいる「イヴの時間」で思うということ。「人」と呼ぶこと。その意味のさりげない重大さにゾクゾクきてしまう・・!
人間はアンドロイドにどう向かうべきか。アンドロイドは人間に対しどうあるべきか。・・・そんな小難しいことは彼は、ピアノを弾くその瞬間にはきっと考えてはいないんでしょう。
でも彼がそっと手にした答えは、優しく頑丈な、未来を照らす力のあるものです。葛藤の末に無意識のうちに見つけ出したものは、結局は「誰かのために何かをしたい」という、人が生命に対して向けるありふれた感情そのもののだったという。



それでもやはりどうしようもない距離感はそうたやすく解消されてはくれない。
あんなに心を近づけることができるのは普通じゃありえない「イヴの時間」であったから。一度外に出れば当たり前の常識に囚われた、アンドロイドと一部の人間からすれば息苦しい世界が広がる。

イヴ1

リクオとサミィは、その立場的に普通は意思疎通ができない。というか疎通させる「意志」がアンドロイドにあることが、世間的には認められていない。
1度は「イヴの時間」で自然なきもちで優しさに包まれて、個人と個人として向き合えたあとにやってくる現実を描いているのがこのシーン。完全に閉塞した寂しい関係に戻ってしまった・・・。琴線もブルブル刺激される強烈な切なさに身悶えですよぐももお!
それでもリクオはギリギリの所まで近づいて手を伸ばして、サミィの心に触れようと頑張ってみる。許されないその行為に、サミィは当然応えることはない。
夢のような時間の後にやってくる現実の物寂しいこと。はぁーあ。

しかし3巻はやってくれますよ。ちゃんと気持ちいい展開をくれる。サミィの幸せ溢れんばかりの眩しい笑顔をくれる。心が暖かいものでドパドパ満たされる。

イヴ3

1コマだけで一目惚れするレベルのかわいさだなコレは・・・!!!

3巻ではリクオとサミィとフィーチャーしたエピソードだけでなく、全編通しても最もスリリングな「テックス編」もしっかり収録。ここがシリーズのクライマックスに当たります。
テックスは人形ではなく、無機質な以下にも「機械」といった形状をしています。でもだからこそテックスの慈しみ深さ、つまりは「人間的なぬくもり」にギャップがあってこれも涙腺が震える・・・!本当にこの作品が持つ、叶わない願いの切なさ・もどかしさはむちゃくちゃに胸を打つ。
アニメ版同様、「テックス編」はすばらしい盛り上がりをみせてくれました。



様々なエピソードから人間とアンドロイドの距離感を描く「イヴの時間」。
改めて全3巻の表紙を眺めてみたら、表紙においてもその距離感は丁寧に表現されてるなと、ちょっと思い込み?勘違い?っぽいですけど思ったのでちょっと書いてみようかな。
1巻から3巻にかけて、表紙絵の人間とアンドロイドの距離が縮まっていっています。

イヴ5

1巻ではリクオとサミィ。姿としてはどちらも人間にしか見えませんが、サミィの頭上のリングでアンドロイドを表現。隣り合わせに立っていますが、お互いに目を合わせていない(リクオなんか反対方向に目を逸らしててテメェこの野郎と言いたい)。
2巻はナギさんとカトラン。カトランが飲むコーヒーに青いバラを捧げているナギさん・・・と非常に印象的なイラストです。相手を思う気持ちと、間接的な接触が描かれてるかな。心の距離は1巻と比べればだいぶ違ってきていますね。
3巻はマサキとテックス。水たまりに映る姿、とワンクッションおいているのは3巻あとがきにも理由がかいてありましたが、なるほどと。つながる手と手。交わされるやさしい視線。美しいだけでなくそこに込められたメッセージに胸が熱くなりますね。

・・・と、主要キャラを順番に描いた表紙なので、別ペア同士ということで単純に比較はできないんですがでもやっぱり1巻から順に近づいていっているような気がします。
もちろんそれぞれのイラストも雰囲気たっぷりで大好きなのですが、そういうメッセージ性を読み取ろうとすると実に面白い。
というか3巻のあとがきを読んだらビックリですよ。まさかこんなに奥深い仕掛けが用意されていたなんて。そこかしこにまだ気づいていなかったメッセージが散りばめられていることに今更ながらに気づいて、読みかえしては大興奮。2巻表紙の青バラにはゾクゾクしましたねえ。
この全3巻、本当に満足度が高いな!



ということで、「イヴの時間」3巻でした。おなかいっぱい。切なさに身悶えして、幸せな涙を流して、そして続きの物語に思いを馳せる・・・じっくり磨き上げられた原作を、さらに昇華させたコミカライズといってもいいかも知れません。アニメと同じくらいに気に入りました。
漫画とCGアニメとでだいぶ表現方法が異なるために苦労しただろうなぁと思いますが、「漫画ならではおもしろさ」を引き出ししていたと言えます。
この作品に関しては、絵の表現力という点ではアニメの情報量には叶わないとは言え、キャラクターの内面の練り込み、そして丁寧な盛り上がりの演出・・・そしてなんといっても漫画版オリジナル展開が最高すぎて何も言えない。読めて最高に幸せです。
3巻のラストもまさかまさかの展開。ここにきてもまた予想を裏切ってくれるのかと!
アキコちゃんの幸せな未来が見たいです先生ー!「イヴの時間」第2期はいつですか!
吉浦監督は次回作「サカサマのパテマ」に取り掛かっておりこちらも期待大ですが、イヴの次の動きも楽しみにしています・・・!

未来、たぶん日本。
“ロボット”が実用化されて久しく、“アンドロイド”が実用化されて間もない時代。

イヴ2

僕らは同じ景色を見ながら生きている。停滞と微かな変化の日々をおくる。
けれどちゃんと広がっている。ぬくもりの輪は少しずつ大きくなる。
「イヴの時間」へようこそ。次はあなたの番です。

『イヴの時間』3巻 ・・・・・・・・・・★★★★☆
原作を知っていても知らなくても満足いくであろう上質な漫画。全3巻と丁度よいコンパクトさも魅力ですねえ。人間とアンドロイドの絆を描く作品で、そういうのが苦手でないならぜひぜひ!

[漫画]取り戻せなくなる前に。『雪にツバサ』3巻

雪にツバサ(3) (ヤンマガKCスペシャル)雪にツバサ(3) (ヤンマガKCスペシャル)
(2012/05/07)
高橋 しん

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   もう二度と私の前に現れるな

高橋しん先生の「雪にツバサ」3巻が発売されました。
うむ、今回の表紙も好き。高橋しん先生のカラーの美しさは素晴らしい。
しかしさて中身はというと、ヘビーでウワアな展開に向かっております。

前巻→声にできない想いを託して『雪にツバサ』2巻



2巻中盤から始まった楽器捜索編は3巻をまるっと使い、そしてまた続いていく。
この章のクライマックスへの過程となる第三巻ですが、正直気が重くなる内容・・・!
しっとりと切ない感情を盛り上げていく感じはさすが上手い。
でもこの巻はその切ない雰囲気とは食い合せが悪いような・・・雰囲気を悪くさせるエゲツなさが込められていたように感じました。
まぁ過去作読んでみればこういう方向になることも十分予想できてましたし、1巻の頃から雪先輩関連でブラックな一面を見せていましたが・・・やっと本性を表したか、という感じ。
どうにも高橋しんさんは、少女に重荷を持たせるんだ。

雪1

「もうこれ以上、私・・・汚れようがないから、大丈夫」

眼鏡の女の子・チコをめぐる一連の流れは痛くて痛くて・・・思わず何度も単行本をおいて読むのを中断したりしました。
この漫画はキャラクターがガンガン周囲にメッセージを飛ばしてきて、それはつまり読者めがけて投げつけてくる刃物みたいなもので。
3巻のあとがきにも書かれていましたが、本当に痛みを伴う物語になってきている。
うすらぼんやりと、優しい青春ボーイミーツガールを期待しつつ読み進めていた自分は、ちょっとやそっとじゃなく心をグサグサ傷つけられております。高橋しん先生だって時点でなんでそんな期待を持っていたのか!

少年少女たちの輝きを時に前向きに、時にネガティブに捉えようとする所がある作家さんだと高橋しん先生を思っているんですが、今度ばかりはやり口がキツい上に状況もひどくて息苦しいったらない。
思春期まっただ中にある「少女」、その幸福や揺らぎや悲しみをすべてひっくるめて少女ロマンを作り出しているんですが、そうする手段として「少女たちをあえて傷つけてみる」といった、サディスティックなイヤらしさみたいなのがある。
サディスティックかどうかは自分の受け取り方次第か。でもなんというか、本当にしんどい漫画なのだ、この「雪にツバサ」は。

なにより、紡がれるこの物語にいまだ何らかの救いも見えて来ない。これが一番辛い。
何故こんな不幸な事になっているのか、という問いがあるとしても、それを「仕方ないだろ、そういう世界なんだ」と消化してしまっていてやるせなさすぎる。作品に諦観が満ちてるような。
だからこそこんな容赦無い世界に、ほんのちょっとのファンタジー(超能力)でもって足掻いて歯向かってみようとする臆病な男の子を、応援してみたくはなるんだけど・・・その前に俺の心が折れそうだ・・・な・・・。がんばってよツバサくん・・・。

そんな「居心地の悪さ」。きっとこれがこの作品の本質なんだろうなと感じてきました。
なんでもないように、ありふれたように、すぐ側に人の「悪意」がある。自分を、自分の大切な人をふいに切りつける邪悪がある。
単なるボーイミーツガールの青春モノに収まり切らないのは確かで、個人的にそのジャンルに収まりきってくれた方が嬉しいなとかちょっと批判的なことを思ってしまうことも事実。
けれどちゃんと、いつか暖かい未来がみんなを迎えてくれることを信じてみる。
なんか作品じゃなくて作家を語りつつあるんだけれど、高橋しんという作家にはなんか好きとか嫌いとかをすっ飛ばして読んじゃう何かがあるんですなあ、個人的に。

雪2

作品の話に戻ると、チコ以外のこの3人も静かに病んでる。
歳相応に賑やかでこんなにかわいい彼女たちが、その影ではムリヤリ○○させられて心ボロボロにしてるってんだからもう何も信じられねえよウワァン!
しかしむしろ恐ろしいのは、それを抱えてもこんな飄々としている女の子マジック。
でも傷つけられた・踏みにじられた少女たちがこれからどう戦っていくのか、ってところに、この作品が描きたいものがあるんだろう。



あんまりストーリーに触れませんでしたが、今回はかなり毒が強くてそっちのことばかり書いてしまいましたね。でもいいか。だいたい思ったことはそんな感じです。
3巻は特に気が滅入る内容でしたが、4巻では見事にこのモヤモヤを吹き飛ばしてくれる爽快な展開があってくれる・・・!んじゃないかなぁ、はぁー・・・。
まぁ正直、レイプ描写って自分はすごくショッキングで(最初からエロい目的で読む漫画でなら話は別です)。本作は初期からその要素を匂わせてくる作品でありビクビクと震えながら読んでます。なぜならこの漫画の気持ち悪さ、いびつさ、それでもなんとなく綺麗で切ない感じ、悪くない。けれどこれを不快だという人の気持ちもわかる。
4巻は秋発売ってことで、ここからし間が空きますが待つとしますか。
・・・蛇足だけど、「思わせぶり」な引きが多すぎるのもなんとなく感じる。「まさかあんなことになるなんて、この時はまだ思いもしなかった・・・」的な感じのアレ。まぁ実際にその後に何かしら起こるんですが、過去の連載作でもこんなしつこい風になってたっけなぁと若干首をかしげる。
色々とアンバランスでグラグラしてる作品だとは思いますね。それでも見守りたくなるのは、いつのまにか作品の魅力を感じ取っているからか。

『雪にツバサ』3巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
心にダメージを追う第3巻。切なげでいて良くも悪くもパワフルですよねこの作品。

[日記]コミティア100&第十四回文学フリマに行って来ました。

うーあー、GW終わってしまった・・・。
GWといえば、いって参りましたコミティア100と文学フリマ。
葵さんと一緒に「酔いどれ眼鏡の。」としてサークル参加しました。
来て下さった方々ありがとうございました。既刊でしたが予想以上に多くの方に手にとってもらえましてわほわほしてます。
あと全く関係ない話ですが、通路を挟んだおとなりのスペースが吾妻ひでお先生のとこでうひょあーってなってました。

サークル参加でしたが、いろんな人に手伝って貰えたおかげでガッツリ買い物できました。
なんか・・・本当に多方面にありがとうございました・・・。
まだ全然本読めていませんが、とりあえず入手した本をざらっと適当に。全部ではないですが大半かな。途中から新刊も既刊もわけわからなくなったので面白そうな本をガーッと買ってました。

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お祭りムードにのせられるように買い回りました。即売会では金銭感覚を麻痺させろ。冷静になったら負けである。とは言え当然限界はあるのでね・・・。
うーむ、100回目ということでかなり規模がデカかったですが・・・うまく回り切ることが出来ず!青年エリアはわりとがっつり探索しましたが・・・でもひとまず全エリア様子見には行きました。
結果的には初めて出会うサークルさんもたくさんあって、さすが満足の行くイベントでした。
コミティアは漫画の出会いも人との出会いもすげえ楽しい。また行こう。

コミティア100はペーパーラリーという企画もやっていて、配布ペーパーを集めるだけでもとても楽しめました。一生懸命集めてる間にキャンペーンの交換が終わってしまいましたが・・・それでもここからまた新たにサークルさん開拓できそうだなと。
もらったペーパーの一部。俺のクロワーゼ湯音ちゃんクリアファイルがみるみる膨らむ。

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さて、しばらくはちまちまと同人誌を読んでいきたいですな。



で、続いては文学フリマの話。
こちらでもサークル参加しました。お越しくださった方はありがとうございました。
個人的にも、初めて行くイベントだったのでワクワクしてましたし、実際着いてみてもあのまったり感はなかなかに好きでしたよ。スペースにもかなり余裕ありましたしね。
でもやっぱ、パッと読んで「これはいいな、買い!」と行動に移せる漫画・イラスト本とは違って、テキストメインだとなかなか買いづらいもんだなってのを思いました。
即座の判断が難しいんですな・・・で、結構買い渋ったりもしましたが、しかしせっかくなのでってことでちょくちょく買ってみました。

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こんな感じ。「恋と童貞」は、ぱらっと見たら男の子が実際に書いたラブレターを赤の他人である女の子たちが勝手に評価(主にダメ出し)をするという、あまりにもいたたまれない企画が面白かったので買いましたw 1号しか買いませんでしたが、機会あったら他にも買ってみたい!
しかしラノベ作家さんもちらほらいたりしたようで興奮しましたねー。
あと割と近くに津田大介さんも来てたりしてて再度うひょあー。

ふう。なかなかにGW漫喫できたきがしますよ。前半ほとんどホワルバ2でぶっ潰しましたがそれもまたよし。

[漫画]今はまだ遠い君の所に。『鉄楽レトラ』2巻

鉄楽レトラ 2 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)鉄楽レトラ 2 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
(2012/04/12)
佐原 ミズ

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   今のままじゃ辿り着けない、君の所まで・・・・・・・

ゲッサンにて連載中の「鉄楽レトラ」2巻が発売しています。
1巻から胸熱くさせられたこの作品ですが、2巻も十分に熱く仕上がっていますよ!
静かにけれど確実に、心の深いところから感情がせり上がってくるような作品。
優しく、そして力強い。ひたむきにそれぞれの闘いに挑んでいく。

しかしこの2巻・・・驚くべきはその加筆修正の多さですよ!
雑誌でも読んでいる人は相当ビックリしたと思います。加筆修正ってレベルじゃない。ストーリーも一部リライトされています。ストーリーまで変わってるってすごいなこれ!
では加筆修正についてもあわせて、2巻の感想を。

前巻→痛みを超えて、もう1度立ち上がれ。『鉄楽レトラ』1巻



●まず加筆修正の話を。
・・・と言っても、単行本派の人にとってはなにがなんやらって感じになりそうですが・・・。
ゲッサンのバックナンバー片手に読み比べてみたところ・・・修正箇所が多すぎて整理ができませんでした!なんだこれ!
背景の書き足しやコマの書き直しなど一般的な修正も沢山あるんですが、それだけじゃない。
一部はほぼ新作といえてしまうくらい、ストーリーが変わっているんですよね。
特に描き直されていたのは、第4話「放課後のリレー」第5話「救世主」。
このあたりはまるっとリメイクされており、雑誌で読んだ人もかなり新鮮なのでは。第4話はページ数も倍くらいに増えている。
そういえば現在出ているゲッサン5月号の巻末コメントのページに、編集が「本誌で連載を読んでいる人にも驚きの仕上がり」とあったので、こういうことだったんですね。
第6話以降は雑誌版のものとストーリーも統合されるので、6話に至るまでの過程をいじくった形というわけです。でもこれ、かなり面白い修正がされていますよ。

ではこの修正はどんな効果をもたらしているのか、というと
主人公以外の人間にもかなりスポットライトが当てられるようになっています。
視野を広めた、やや群像劇的な色合いを出していたことが印象的。
特にニヤリとさせられたのは、第5話に登場する女装した男性を交えたエピソード。
ここ、雑誌では主人公の鉄宇(きみたか)がオカマと出会うことになっていました。

レトラ1 これが雑誌版。

けれど単行本だと皐(たかし・表紙の子)に変更されています。
1巻のころは主人公が見た・感じた世界を中心にストーリーが構築されてましたが、
主人公からサブキャラへとメインを移し替えたこのエピソードからも、主人公から見える世界だけを描こうとしているわけでない、この作品のちょっとした方向性の変化が見えるかも。1巻の頃からもありましたが頻度が高くなってきたということかな。

レトラ こちらコミックス版。

単純にキャラクターを入れ替えただけでなく、その後の展開もかなり違う。
一方のみを知っていてももちろんいい話ですし、両方を知っているならIFの世界を覗き見ることができるニヤリとできる仕様となっています。
このエピソードは雑誌版のストーリーも捨てがたいような気がしますが、単行本には収録されないんでしょうかね、こういう修正がされていると。

それと、皐のキャラクター自体も変わったような気がします。
雑誌の頃は穏やかなふんわりとした表情をしていることも多く、主人公との出会いのシーンでもなんでもないように女装して女の子のように接していたり、結構とらえどころのない正確だったように思います。
ところが単行本ではかなり突っ張った一面も持った男の子としても描かれます。
最初は主人公にたいしての好感度が低く、彼に突っかかったりもしています。
2巻の表紙が公開されたときも、最初皐くんだとわかりませんでしたよ。こんな凛々しい表情を見せるキャラクターでは、少なくとも雑誌連載時ではなかったのです。
皐に関しては単行本でいい修正が入ったなと感じました。彼のキャラにビシッと芯が生まれたような気がしますね。鉄宇と彼が少しずつ仲良くなっていく様子も単行本ならでは。

他にも雑誌になかった大きなシーンがあって、フラメンコを踊るおばあさんの場面。
ここは完全に新たに追加されたエピソードで実にあつい内容!
フラメンコはよくわかりませんけど、なんとも言えない迫力があり、彼女のひたむきさと胸に秘めた思いの強さを感じさせてくれます。言葉はなくとも、じんと胸に染み渡る。
知られざる努力と闘いの一幕。
2巻はそんな、主人公以外のキャラの内面描写や頑張りがじっくりと描かれてます。
違った立場での、違った舞台での、それぞれの「闘い」。
この作品の世界観が、いいふうに広がったように思います。
鉄宇はもちろん、おばさんも皐も、あのオカマの男性だってきっと闘っている。
誰かを力になったり、誰かから力をもらったり・・・そんな前向きなエネルギーで世の中がまわっていく様子が心をあっためてくれます。この感覚がこの作品の良さですねえ。

雑誌版のストーリーでも十分に面白かったと思うんですが、そこからさらに手間を賭けてリメイクというのは・・・すごいですなあ。こだわりが感じられます。



●さて、加筆修正の話を交えつつ面白かった部分を書いてみましたが2巻のハイライトは第7話なのかなとも感じます。鉄宇と、彼のあこがれである少女・宝がメインのお話。

レトラ2

しばらく顔を合わせていない、けれど相手のことを思っては自分を奮い立たせる・・・互いが互いを間接的に支えているような2人。
そんな距離感を保ってきた彼らが、ついに接近するのです。
・・・とは言え、まだ顔をあわせるわけにはいかない。
そう簡単に、そんななんでもないように、声をかけるわけにはいかない。
まだ満足してない。まだ頑張りきっていない。彼女が思い描いてくれている「強い鉄宇」に、近づいてからじゃないと。今はまだその勇気も足りないし、資格もない。
自分が満足する自分になっていないと、自分が納得できない。
特別言葉をかわしてもいない。けれど彼らは示し合わせたように同じ方向を向いて頑張っているのです。つまり「あの人に恥ずかしくない自分になりたい」と。
それは恋とか友情とかとも違った、複雑なようでシンプルな感情。
今回は主人公が宝を見つけ、宝の方が彼の存在に気づきませんでしたが
もし2人の立場が逆だったとしても、きっと宝は鉄宇に声をかけられなかったんじゃないかなって思ったりしました。2人ともまだ弱くて、誠実で、ムダにストイックだもんな。
鉄宇と宝の関係はもどかしすぎますが、そんな2人だからこそ、応援したくなる。
いつかしゃんと立って、誇れる自分で、君に会いに行くよ。なんて。

誰からの物か悟られないように、そっと忍ばせた応援のメッセージ…ほんとグッと来ます。



そんな「鉄楽レトラ」2巻でした。
1巻も素晴らしかったですが、2巻も大変たのしめました。
1巻の第3話のような涙腺ぬズガンと直撃するようなエピソードはありませんでしたが、心を芯から暖かくしてくれる、そして勇気をくれる、そんな力強いエピソードが並びます。
そうそう、開始当初はなんのこっちゃかわからないタイトルでしたが、説明が入りました。「レトラ」とはフラメンコの曲の「歌詞」を指す言葉なんだとか。
ちょっとずつ練習が始まり、音楽的な要素も入って来ましたね。続きが楽しみ。
実にまっすぐな人間ドラマ。読めば読むほど心動かされます。
心がいたんだり、切なくて身悶えするようなシーンも多いですが、それでも立ち上がり闘っているキャラクターたちの姿は、多くの人が何かを感じるんじゃないかなと。

『鉄楽レトラ』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
安定のクオリティですね。切なく、凛々しく、たくましい人々の姿が描かれます。

[告知]GW中のイベント参加について

特別何にもしてないのにサークル副代表?をやってます漣です。げへ。
いやでも本を作った時には頑張りましたよ。これです、冬コミで出したこれ。



葵さんとの共同?サークル「酔いどれ眼鏡の。」で制作した「楽園に花束を Des Fleurettes pour Le Paradis」(以下「楽園に花束を」)です。
前回で冬コミで頒布した他、COMIC ZINさんにて委託もさせてもらっています。
もうお手にとってくださった方、ありがとうございます。

で本題。
5月5日に開催されるコミティア100で「酔いどれ眼鏡の。」がサークル参加します。
新刊はありません。既刊の「楽園に花束を」のみを置いているとおもいます。
スペースは「の47b」です。まだ手に入れてない方、是非に。

自分は去年のGWにコミティアに初めて参加したのですが、以降名古屋コミティアにも行くようになったくらいにコミティアってイベントが好きになりまして。(東京にはそうヒョイヒョイ気楽には行けないのでせめて名古屋コミティアにはと・・・。)
オリジナルものオンリーということで、漫画ファンの自分としても馴染みやすいというか。
そして本当に「好き」な気持ちがキラキラ充満してる空間。自由。
まぁそんな憧れなイベントなわけで、サークルとしての初参加それ自体とても嬉しいです。もちろん100回目っていうのも、なんか記念になりそうでいいですね・・・へへ・・・。
イベントも100回目ということで規模も非常に大きいようで、ワクワクしますな。
というかサークルチェック進めてますが、買いたい本おおすぎて途方に暮れる。

本のCMっぽいことをしてみよう。
アンソロジー「楽園 Le Paradis」の評論本である「楽園に花束を」ですが、コミティアに縁ある作家さんも「楽園」で執筆してますので、わりとコミティアと関連性があるような気がします!
詳しいことは上に貼ってあるバナーなどから、同人誌の詳細に飛んでいってもらえればと。
参加して下さった方々も異様に豪華で、今でも何が何やらですが、いい本のハズです。
恥ずかしくないくらいには愛注いでますので。

で、もう一件。
●5月6日に開催される「第十四回文学フリマ」でも、サークル参加をします。
こちらも置く本は「楽園に花束を」のみです。ええ、だってこれしか作ってません。
スペースは「オ-59」ということで、よろしくおねがいします。

文学フリマ・・・このイベントには自分は過去参加したことはありません。
しかし今回はコミティアの翌日ということで自分も参加しやすく、あと単純にどんなイベントなのか体験してみたかったのが参加の大きな理由です。
「創作文芸・評論オンリーの同人誌即売会」ということで、一参加者としてとても楽しみ。未体験ゾーン。今まであまり出会えなかった本に出会えそうな気がしてます。むふぅむふぅ。

ということで、このGW中に2つの同人イベントにサークル参加しますよっと。
改めまして、よろしくお願いします。
なんか、こういう告知はソワソワしてしまいますね・・・。変なこと書かなかったかな・・・。

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ブログを引っ越しました。 当ブログは更新を停止し、新ブログにて更新をしています。 https://sazanami233.hatenablog.com/

楽園に花束を

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漣

Author:漣
「さざなみ」と読みます。
漫画と邦ロックとゲーム。
好きなのは思春期とかラブコメとか終末。

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