電波少女は世界の秘密と出会う。『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』2巻
クラスメート、上村ユウカはこう言った。(2) (ガンガンコミックスONLINE) (2012/04/21) 桜井 慎 商品詳細を見る |
乱暴にしないでね?
ながーいタイトルの「クラスメート、上村ユウカはこう言った。」2巻が出ています。
絵が好きな感じだったので軽く手を出した作品でしたが、これが意外と奥深く、内容でも楽しませてくれるものでした。ラブコメをやりつつもSF世界を電波に駆け抜ける。
1巻は意表を突かれたかたちで楽しませてもらいましたが、さて2巻は。
前巻→予測不能な恋と混沌の世界を疾走せよ『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』1巻
そうそう、またしてもいい表紙してますねー。上村ユウカの瞳は見ていて引きずり込まれそう。
疾走感あるミステリアスなボーイ・ミーツ・ガールといったイメージが強かった第一巻。
まぁどんな作品かも分からず手を出してあんな展開だったので、「うひょー、なんだこれなんだこれ!」とワクワクしましたよ。立ち上がりはなかなかに素晴らしかった。
2巻はと言うと、1巻ラストの気になる引きから続き、世界の秘密に確実に近づいていく内容。
スピード感は2巻では薄れていましたが、じっくりと謎に迫る一冊でした。
何が何やら分からず手を引かれ走りだした主人公。それは読者も同じことですが、一旦状況を落ち着かせることができた彼らは、改めて「この世界はどうなっているのか」それを探るべく行動を始めます。
明確な手がかりはなくともささいな違和感を頼りに秘密に迫っていく2人。
そのなかで確実に絆を深めていくわけですが・・・
「世界に1人取り残された人間の女の子」「世界の理から外れた機械の男の子」
彼らがどんな関係を気づき上げていくのか。単なる恋仲で終われるのかねえ。
さて2巻の見所は・・・委員長さんですよね!
2巻は裏表紙にもへっぴり腰でファイティングポーズを構える委員長がいます。
今回の2巻では、後半は完全に委員長さんをめぐるエピソードになっていました。
ユウカにくすぐられて色っぽく体をくねらせたり…
縛られた上で言葉攻め受けたり…
なんかひどい扱われ方をしている委員長がエロくて素晴らしいとおもいます。
初期から重要キャラの1人として描かれていましたが、こうして物語に絡みだして嬉しい展開。
ユウカはかわいいけどなかなかクセが強い女の子でもありますしね。こういうタイプの女の子が出てきてバランスがいいラブコメになってきた感じはあります。
そう、この作品はラブコメですよ。変化球だけどそれはきっと間違いなく。
ユウカにしても委員長にしても(名前がまだ出てきてないのがまた扱いがヒドイよね・・・)主人公への好感度が序盤から猛烈に高くてニヤニヤしちゃうじゃないですか!
ユウカと委員長の間にちょっと絆が芽生えたりする、会話シーンの微妙な空気感もいい。
世界の秘密探索と、委員長をめぐっての混乱と、それから2巻ラストの引き。
見応えはありましたが、1巻で受けたインパクト以上のものはなかったかも知れないです。設定の面白さには光るものがありますが、ここからやはり、物語をどう動かしていくかによって評価が左右しますね。
特に2巻は起承転結の承の部分にあたるのか、身長に世界観を見つめなおすっていう描写が多かったため、ストーリーの進みは遅めだった気がします。
演出面にけっこう贅沢にページを割いているって印象もあって、ページ数のわりにあんまりストーリーが進みませんね。
けれどこの作品の世界観とかセンスとかにピンと来る人は、ストーリーが進まずともとりあえず引きこまれてしまいそうなオーラはある。
SFっぽさを前面に押し出しながらもラブコメのシチュは整って来ましたし、これからまた盛り上がっていきそうな雰囲気があります。3巻は8月に発売予定とのこと。
しかし・・・オビでロリユウカちゃん大活躍!?って煽ってましたけど、ほんの数ページしか出てこないじゃないですかーかわいかったけどー!!もっと見てみたかった・・・。
『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
世界の謎に迫る第2巻。いじめられちゃう委員長さんに思い滾らせつつ、物語も気になる。
[漫画]君も僕もかわっていく。『君と僕。』11巻
君と僕。(11) (ガンガンコミックス) (2012/03/27) 堀田 きいち 商品詳細を見る |
それでも…楽しいことの方が多いから
「君と僕。」11巻が出ています。涼やかな表紙でいいですなー。このゆる~っとした空気好き。今回は要と悠太のツッコミ担当?というよりクール担当の2人ですね。
11巻もわいわいと賑やかで、甘酸っぱくキュンとさせられました。
男女問わず楽しめる日常系青春漫画ですなぁ。アニメも放送中ですね。
前巻→過ぎ去りし青春、今ここにある青春。『君と僕。』10巻
なぜか応援団なんて似合わない熱血集団に仲間入りしてしまった祐希!
11巻はいよいよ体育祭の本番。祐希の晴れ舞台はどうなるのか、ということだけでなく、悠太やメリーの過ごし方も重視されて描かれていました。いちいちエピソードが青春100%でニヤニヤしてしまうな・・・!
人付き合いの不器用さがこれまで何度もフィーチャーされてきたメリー。
第50話「白のエール」では、クラスの輪に加われることも多くなった彼女が登場。でもやっぱり彼女はなかなか勇気を持てない。
些細なことにおどおどしてしまって、「今の受け答えで大丈夫だったかな」「変に思われなかったかな」とか、不安になってばかり。けれどそれって当然なことなんだな。
前よりも近づけたからこそ、今までにない距離感に戸惑うのは、誰にでもあることなんじゃないかなと。いちいち自己嫌悪して落ち込んでしまうのも可愛らしい。こんなに真剣に悩んでしまうのも、メリーがちゃんと人と向き合いたいって思っている証拠なんだし。
人とのコミュニケーションの不安を解消するのは、またコミュニケーションです。
そんなメリーに人付き合いのアドバイスを送るのが祐希というのも、面白い構図だったなとw
コミュニケーションのとり方としては、かなり違ったタイプの2人ですよねえ。
しかしゆるゆるな付き合いをモットーとしているような祐希が、どんなことを思っているのかを覗けました。ゆるゆるな祐希だって何も考えていないわけがないんだ。
辛いこともたくさんあるけれど、「それでも、楽しいことの方が多いから」と語る祐希に、しんみりしてしまいました。
さてそんな今回の主役?といえる祐希。でも個人的にグッときたのは、祐希を見守るお兄さん・悠太ですよ!ゆううたあああああフオオオオオオオ
余裕ぶっておいて、その実かなり祐希がちゃんと応援団として頑張れるのか心配してこっそりソワソワしていた悠太。そしてそんな心配を見事裏切ってみせた弟に向けたこの微笑み!
双子という最も近しいといえる間柄にだって、気づかないこともある。
もしかしたら近いからこそ上手く見えないものもあるのかもしれない。みんな、なんでもないように過ごす日常の中で、確実に変わっていく。
ちょっとのことだけれど新鮮な驚き。弟を見守るお兄さんはとても嬉しそうです。
しかしこれら祐希関連だけでなく、11巻は悠太が猛烈にかわいいのですよ!
チアガール姿の高橋さんを見て、この表情である。
本当に、悠太はこっそりとこんないい表情するんですよね!
人並みに女の子に照れたりねえ、こういう少年がチラッと性欲のぞかせて恥ずかしそうなワンシーン大好きなんですなあ。性欲っていうとゲスいけど男子高校生だよ性欲さ。(そういえば自分は春くんの弟の冬樹がデートする話も大好きだった)
今度はなりゆきでも同情でも慰めでもなく、また近づけていけたらいいな、この2人。
第50話は各キャラクターを総合的に描いた上で、変化(成長)していくことを肯定的に捉えた前向きなメッセージが宿っており、かつこれから先に待つであろう彼らの微笑ましく幸福なドラマも暗示しているかのようでたまらないのです。
でも今はゆったりゆっくり、焦っても焦らなくても、まだ高校生だ。
一方で52話「エンドロールで会いましょう」も極上のエピソード。
メインは要と、彼の幼馴染である日紗子。日紗子がメインに来る話はかなり珍しい気がしますし、個人的にこの2人の行方は気になっていたので歓喜せざるを得ない。
迫るのは6月の静奈さんの結婚式。要が恋していた女性が、決定的に離れていく時。
しずねえに送るプレゼントを選ぼうと、日紗子と一緒に考える要くん。
しかし2人の間に致命的に動かすイベントが!
錯覚かもしれないんだけれど、でも多分、互いの唇がかすかに触れた。
煮え切らない幼馴染として続いてきた2人の関係はどうなっていくのやらっつー!
ラブコメ展開・・・来てるな!!
いまだ甘い憧れを引きずる要と、それを切なくも暖かく?見守る日紗子。
相手の前じゃあなんでもないように装いながらも、明らかに動揺している2人にニヤニヤが止まらないでやんの、俺が。特に日紗子の浮かれようはすごくかわいいw
でも気になるところで次の巻へ続く。・・・くそ、Gファンでこの続きだけでもすぐ読みたい・・・!
ラストシーン、恋愛映画のキスシーンをぼうっと見つめる要の表情も味わい深い。
なにを考えているんだろうなあ。きっと報われない恋心を向けた相手か。
「エンドロールで会いましょう」と、詩的なタイトルもしみじみ素敵。誰とかな。
そんな「君と僕。」11巻でした。
体育祭という一大イベントを軸にして、今回もいつもどおり、たっぷりとノスタルジーに心を浸せられる上質な青春物語でございました。
情感たっぷりに心をザワザワとしんみりと刺激してくるのがこの作品の良さ。
今回はけっこう恋愛イベントも多く、ラブコメ好きとしてもお気に入り。
なお、巻末には「君と僕。」連載以前に描かれた読み切りが収録。「あきらとこーちゃん」シリーズではありますが、晃一の弟である太一が登場。こちらもだいぶニヤニヤできる仕上がり。兄弟ラブ。
気になる所で終わったのではやく12巻が欲しいわけですが、発売は冬予定。ぐぬぬ・・・いつもの刊行ペースだけど・・・はやく読みたい・・・!
『君と僕。』11巻 ・・・・・・・・★★★★
むずがゆい、清々しい、さらさら流れていく青春。ラブコメモードで次巻へ続く!
[漫画]食べろ、生きろ、学べ。生命の物語。『銀の匙 Silver Spoon』3巻
銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス) (2012/04/18) 荒川 弘 商品詳細を見る |
金の遣い方で男の価値はわかるものさ。
うおーっし「銀の匙 Silver Spoon」3巻でたー。
荒川弘先生が描く青春農業グラフィティ。2巻から引き続き、夏真っ盛りです。
鋼の錬金術師の大ヒットのあとにどんな作品を描くかそわそわしていたのも昔の話。安定感のある、荒川先生自身の体験をいかした青春ストーリー。
今回は表紙にもいる豚の話がクローズアップされた内容となっています。
八軒が「豚丼」と名付け、食用なのに違った愛情を注いでしまった一頭の豚。
思い悩む八軒は、はたしてどんな決断をするのか。
大地とともに生きる。『銀の匙 Silver Spoon』2巻
いやぁ、エゾノーってすごい楽しそうですね!
3巻を読んでまず思ったのはそれ。この作品の舞台、大蝦夷農業高校の生徒たちを見てるとすごく眩しい。みんなすごいエネルギッシュだよなぁ!
生き生きとした動物と一緒にいるからか、こんな高台な自然の中で育つからか、みんな素直に育っているって感じ。まっすぐ力強い。
3巻のお祭りのお話なんかでも、コメディタッチに彼らの元気さが表現されてて好きだなー。大人たちも生徒たちのアホみたいに元気な様子に手を焼きながらも、微笑ましく眺めている。
眺めてるというか「こっちも負けてらんねえ!」と張り合ってくるオッサンたちもいいw
この作品から感じられる生命力の強さって、人間たちのバイタリティもかなり影響していそうですね。雰囲気がすごく気持ちがいい。
つなげると、この作品から切っても切り離せないテーマも「生命」。
農業を描く本作において、「命を食べて生きている」ということは何度も何度も繰り返し描かれている。生きるために他の生命を食べている。植物だって、牛や豚などの動物だって。
そうすることでしか僕らは生きられない。けれどそれを意識するととたんに申し訳なくなったり、残酷ともとれるな自然のシステムに戸惑ってしまったり。
とは言っても美味しいのは美味しくて、笑ってはしゃいで大騒ぎもする。
命を重みを知って上で、それでも生きることを楽しもう。
農業への理解を深められる作品で、実際に「命」を奪うことを描くヘビーさが間違いなくあります。でもこの作品は読者を萎縮させるものでもない。食べることっていいことだよ、と前向きな考えに引っ張っていってくれるのが、この作品のいいところですねえ。
小難しいことを考えても、肉は美味いんだ、悔しいくらい。育ち盛りだしな。
さて3巻本編はなし。
真剣に食用動物について頭を悩ませる八軒。
小さな頃から食用動物の現実に触れていて、なんの疑問も持たない他の生徒たち。
命について真剣なディスカッションを交わす彼らの姿が印象深かったですね。
そして八軒は、現実を受け止める決断をした。
悩んで苦しんで絞り出した答え。ゾクゾクしましたね。夏休み前の八軒ならこんな決断できなかっただろうなあ。彼にとって夏休みが、すさまじい濃度の体験だったということが伺えます。
身体全部に染み渡らせた自然のにおい。泥臭く生臭い、夏休みの体験の結実。楽しいことばかりじゃなかった。自然の恐ろしさも美味しさも仕事の責任も人の温かみも、得たものはとても多かったはず。
八軒の確かな成長が見て取れて嬉しくなりますよ。強くなったなぁ・・・!
この決断がどんな結果になるのか。気になる所で4巻へ続きます。
あとアキのひい婆ちゃんの「金の遣い方で男の価値はわかるものさ。」がすごく好きな台詞。
ふとした所で名言が飛び出してくるのもいいな。根本的な部分で現実的な重みがある作品。ずっしり心に響くセリフもきっと見つかります。
そんな「銀の匙」3巻でした。
ヘタするとかなり重くなってしまう作品なのですが、メインテーマから逃げずシビアな現実も描き、けれどちゃんと噛み砕いて提供もしている。このさじ加減が本当に絶妙ですよねえ。
場人物たちのイキイキとした様子に、雰囲気が重苦しいものにならないのがいい。
エピソードとしてはもうひとつの連載「百姓貴族」で見かけたものもあります。両方とも読んでいる人はニヤッとできるかも知れないですね。
将来に思い悩んだり、ちょっとラブコメっぽいエピソードもあったり(静かに確かに動揺していたアキちゃんかわいい!)、農業だけではない青春ストーリーとしての魅力も備えています。
特に今回は八軒のお兄さんが登場したり、そこから実家の状況も見えてきました。父親は結構こわい人みたいですねえ。八軒はこの父さんに立ち向かえるのかな。
いっぱい悩め。いっぱい頑張れ。今に見えてくるものもいっぱいあるさ。
生命を学ぶ、青春を生きる農業ストーリー。満足の3巻!
・・・そういえば衝撃なのはあの人ですよあの人。多摩子ですよ!
↓
!?
『銀の匙 Silver Spoon』3巻 ・・・・・・・・・・★★★★
がっしりと安定感があります。テーマの奥深さ、人間たちのたくましさも魅力。
そうそう、今回は「銀のスプーン」付の特装版も発売されているのですよ。
自分が買ったのもこちら。値段的にも860円とそう高くなく、せっかくだったので。
こんなハコが単行本と一緒になっています。
で、これがスプーン。普通のしっかりしたスプーンなので食事に使えます。というか今夜これで晩飯食べました。飾っておくよりかは実用してた方が楽しめそうですね。
柄の部分に牛がいたり、ちゃんと作品にちなんだデザインになっていました。
価格的にもなかなか良心的だと思いますし、こちらもチェックしてみは。
[漫画]予測不能な恋と混沌の世界を疾走せよ『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』1巻
クラスメート、上村ユウカはこう言った。(1) (ガンガンコミックスONLINE) (2011/12/22) 桜井 慎 商品詳細を見る |
私を殺して?ロボットのお人形さん?
ビバ表紙買い。いやだってムチャクチャ可愛いじゃないですか表紙!
「クラスメート、上村ユウカはこう言った。」(キミを骨抜きにするんだからねっ)
と長いタイトルの作品。こういう作品は記事のタイトルも長くなる。
それはどうでもいいとして、こんな表紙を見つけてしまったら買っちゃうじゃないですか。
この表紙デザインからして自分が想像できた内容は、いわゆる巻き込まれ系ラブコメで、当然そういうのを期待して読みました。ところがどうも様子がおかしい。
期待していた感じからだんだんとズレていく。でも、これ面白いぞと!
いろいろ予想外にぶっ飛んでいく電波少女×SF×ラブコメストーリーです。
上村ユウカはおかしなクラスメート。
突然に「この世界は病んでいる」とか意味不明な演説をしだす。クラスメートを「ゴミどもが」と見下しながら登場。くるくる変わる態度の表情。面倒くさくてクラスの誰も彼女の相手をしない。
上村ユウカを腫れ物扱いするこの教室を相手に、今日も彼女は元気いっぱいに狂っている。
主人公・白崎修士は気まぐれに彼女に意地悪な言葉を投げかけた。
そんなささいなキッカケが、修士を上村ユウカの誘う世界へと突き落とす。
クラスで浮いているヒロインと、皮肉屋な主人公。教卓での謎演説。
ちょくちょく見かけるシチュエーションから幕開けて、ついつい自分も「こういう作品ね」と読み進めてしまう第1話。しかしそれがトリック。表紙やオープニングからは予想のつかない展開に転がり落ちていくのが快感!
おかしいのは果たしてどちらなのか。第1話からグイグイ惹きつけられました。
表紙から予想された展開をさくっと裏切ってみせる、狙いすました仕掛けです。
その全貌はぜひとも実際に読んでいただきたいなと!
予想を裏切る展開に向かいはしますが、立派にラブコメしちゃってるあたり、上手い。
本作の看板娘、上村ユウカがこの作品の最大の魅力。なんにせよ、かわいいのです。
オープニングから彼女の強烈なキャラはフィーチャーされ、そこから物語が転がりだします。
そんな彼女の『予測不能さ』が物語を盛り上げるのと同時に、ラブコメにおいての素晴らしい働きをするのですよ。
次にどんな行動にでるのか、どんな言葉が飛び出すのか。わけがわからないヒロインだからこそ、見ていてドキドキしてしまうのです。
ここだけ見ればベタベタなラブコメじゃないですかー!
普段は厨二病をこじらせたイタい子みたいで、でもときどき純な表情をみせてくれたり、人を食ったような言動の中に自分の本音をこっそり忍ばせてもいたり。彼女の言動に目が離せません!
他にもうっかりおっぱいを揉んじゃったりしますし、やっていることやそのシチュ事態は王道のラブコメそのものです。
しかし物語への組み込まれ方がちょっと普通ではない。普通のラブコメを楽しもうとする自分をおちょくってくるように感じるのです。それは上村ユウカの、底の見えない性格の影響かも。
そしてラブコメとは別方向に意識を向けさせて、そのまま見事に楽しませてくれる。見事にクルクル踊らされた気分ですよ。でも決して悪い気はしない。むしろ、「こっちに持って行くのか!」とニヤニヤさせてくれるのです。だって、どんな方向にだってすごく青春しているのだから。
物語と同様に『予測不能』。それが上村ユウカの魅力。
本当にこのヒロインは表情豊かだなぁ!そしてそのどれもがかわいいから困る!
小難しいことは置いといても上村ユウカはかわいいのです!
人懐っこい笑顔を向けてきたとおもいきや、小馬鹿にするかのような笑みを浮かべたり、顔を赤らめ主人公に見惚れたり、はしゃいで引きずりまわしたり、感情いっぱいに涙を溢れさせたり。
子供っぽくもあり、怪しいお姉さんのような風格もあり。なんだろうこの女の子は。
物語に、そして上村ユウカにうまいように踊らされるのが楽しいんだなぁ。
序盤は彼女にいいように踊らされているような感覚ですが、しかし後半から徐々に変化。
主人公が覚醒したかのように活躍を始めると、再び雰囲気が変わります。
理不尽で得体のしれない世界をぶっちぎる熱い叫び。まるで少年漫画!
お姫様だっこされて、熱っぽく主人公を見上げる上村ユウカちゃん素晴らしいですな!
この1巻終盤の疾走感もまた個人的に大変ツボ。そういう方向にもいけちゃうんだ?みたいなドキドきが。でもそれで特に違和感なく通れちゃってるのがこの作品の意味不明な楽しさ。
2巻へのヒキも強烈。すごく気になる所で終わりましたし、これは次も買わざるを得ない。
そんな「クラスメート、上村ユウカはこう言った。」1巻でした。
期待していたラブコメも最高なのですが、どちらかというと予想していなかった方面の面白さにゾクゾクきた作品。予想外だ予想外だと書きましたが、どう予想外なのかは読んでご確認ください。
ストーリーはもちろんのこと、作品の魅力を大きく引き出している作画も素晴らしい!
クッキリとした線が好印象のシャープな作画。特にキャラクターの多彩な表情から作中漂う不穏な雰囲気もお見事。なにより綺麗で見やすいんですよね。
ストーリーも良かったと思います。いい具合に転がされました。
ただ、世界観が(今のところ)ふわふわしていることは感じます。「何を信じればいいのか?」は本作のポイントの1つですが、それで作品の軸が若干見えづらくなってる部分はあるかも。それだけなく説明が全体的に足りてない?まぁ、そこは第1巻ですしね。
うまく立ち上がれていないままに走りだしたような作品なので、どこかで一旦歩みを緩めてじっくり舞台をみせて欲しいです。
でもそれがこの作品の行き先不透明な面白さの1つかも。次になにが来るか予想不可能だという意味では、このドライブ感もマイナス点ではないかも知れません。
閉塞感のある世界観と、カラを破ろうと突き進む主人公たちの熱さも見所。
いちいち演技がかったセリフも捻くれていて自分は好きな感じ。
とりあえず、表紙とかを見て絵が気に入ったら購入を薦めたいです。
作画や物語も高水準で、本作を象徴する少女・上村ユウカのかわいさもきらめく。
恋も電波もギュンギュンほとばしる、先の読めない疾走感。これは、いい。
『クラスメート、上村ユウカはこう言った。』1巻 ・・・・・・・・・・★★★★
期待を裏切らずにさらに斜め上に突き抜けた快作。騙された分、楽しめました。
[漫画]神話をめぐる戦争の終結『ゴッドシーカー』2巻
PSP「フォトカノ」をちまちまとプレイ中。なかなか面白い。
グラン=カフナが永久にあらんことを!
堤利一郎先生の「ゴッドシーカー」、最終巻となる第2巻が発売しています。
古き良き王道のRPGを思い出す、剣と魔法のファンタジー戦記漫画でした。
硬派に思わせておきながらもラブコメ要素も欠かさない、大好きな作品だったのですが、・・・惜しくもこの2巻で完結。うー、もっと読んでいたかったなぁ。
若干打ち切りくさいんですけど、ちゃんとまとまりある内容となっていますので、心残りはあれど大きな不満はありません。それでは感想をば。
メイントラロック王国へ交渉へ向かう国主サーロードとナナ、オヴ。
無事にたどり着き交渉も校長、ほっと胸をなでおろしたのも束の間、本国にダンテノート帝国が進軍したとの知らせが。サーロードの力ですぐさま帰国する面々。
グラン=カフナを飲み込もうと襲い来る帝国との決戦がいま始まる!
ってな感じでクライマックス感、というか事実クライマックスである。
国家の規模がダンチガイな大国VS小国の構図で、その戦力差をどうグラン=カフナ国に伝わる力で覆していくかが注目どころ。当然のごとく追い詰められていく主人公たち。緊迫した雰囲気が漂う、まさに最終決戦。
その戦局が行く末は物語の核心に触れる部分なので、ここではふれないでおきますが
この2巻の表紙イラストが示すとおりの、晴れやかなラストに仕上がっていましたね。
さて話は変わりますが、この作品は女の子がかわいいんですなぁ!
特にリンゼルちゃんは素晴らしかった・・・!なんですかこのニコニコ顔は!
オヴにベタ惚れで、初めてだと思われる恋にウキウキしてる様子が微笑ましい女の子。
でも戦士として凛々しい一面を発揮したりもして。
恋にバトルにと、メインキャラクターではありませんでしたが本編にも大きく関わる人物であり、2巻の後半の展開なんかはいい働きをみせてくれていましたね。
ただ惜しむべきはナナとのオヴの奪い合いシーンが見られなかったこと・・・!
せっかくこういう女の子だったのでそういう微・修羅場シーンも見てみたかったなぁw
ナナとも歳が近いですし、本作では数少ない女の子キャラだったので(まぁメインキャラがそもそも少なかったか)、2人が同じ男の子を取合えってギャアギャア騒いじゃうようなのが・・・。
しかしその点を補完してくれたのがこの2巻のカバー裏ですよ!!
うーかわいい!困り顔のオヴも合わせて3人セットでかわいすぎる!
そう・・・こういうのを見たかったんだ・・・!出来たなら本編で・・・!
まぁメインヒロインはナナ様だってわかりきってますけどー!そういうふうにラブコメっちゃう3人がもっと見たかったなーっていう話です。一点イラストだけでも見れてハッピーじゃ。
さて、物語意外でもおっと思った部分があって、それが服装へのこだわり。
この表紙も、実物で見ると実にナナちゃんのドレスの丁寧に書き込まれています。
膨らんだ裾のフリルはそれだけでお姫様のゴージャスさが表れていましたね。
このシーンなんかも。ついついじっくりと見つめてしまうのです。
キャラクターの魅力とともに、「絵」そのものへの好感度が高い作品だったかと。
ややザラついた質感の線が大変ツボですし、描き込みも多い。
絵に対しての細やかさも、自分がこの作品の好きな1つの理由なのでした。
・・・・実はフリルフェチ漫画なんじゃないの疑惑。
そんな「ゴッドシーカー」第2巻でした。
当たり前ですがそうきっぱりと書かれてはいませんが、きっと打ち切られました。
しかしストーリーはきちんと収束し、納得の得られるものとなっています。
ただし肝心の戦争描写は、尺の都合か、ずいぶん短くなってしまった模様。
バトルはありますが、もっと規模の大きい戦争を期待して読むと満足はいかないかもですねえ。結構あっさり解決してしまったと言えばそうですし。
作品の素材そのものはとても良かったのです。締め方も全く悪くない。
使い古されてそうな王道な物語をきっちりと魅力的に演出する、世界観の丈夫さ。
ラブコメを含めたキャラクター同士のやりとりの楽しさ。
そして直前にも書きましたが、この絵はとても魅力的でした。
気に入った点はたくさんあって、この作家さんの新しい作品を読みたくなりましたね!
ともあれ、「ゴッドシーカー」は完結です。楽しめました。
ファンタジー漫画が好きな人にはオススメ。サイドメニューとして恋愛描写も美味。
『ゴッドシーカー』2巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
もっと長く続いて欲しかったというのが本音。しかし充分に魅力ある作品でした。
ゴッドシーカー 2 (電撃コミックス) (2012/01/27) 堤 利一郎 商品詳細を見る |
グラン=カフナが永久にあらんことを!
堤利一郎先生の「ゴッドシーカー」、最終巻となる第2巻が発売しています。
古き良き王道のRPGを思い出す、剣と魔法のファンタジー戦記漫画でした。
硬派に思わせておきながらもラブコメ要素も欠かさない、大好きな作品だったのですが、・・・惜しくもこの2巻で完結。うー、もっと読んでいたかったなぁ。
若干打ち切りくさいんですけど、ちゃんとまとまりある内容となっていますので、心残りはあれど大きな不満はありません。それでは感想をば。
メイントラロック王国へ交渉へ向かう国主サーロードとナナ、オヴ。
無事にたどり着き交渉も校長、ほっと胸をなでおろしたのも束の間、本国にダンテノート帝国が進軍したとの知らせが。サーロードの力ですぐさま帰国する面々。
グラン=カフナを飲み込もうと襲い来る帝国との決戦がいま始まる!
ってな感じでクライマックス感、というか事実クライマックスである。
国家の規模がダンチガイな大国VS小国の構図で、その戦力差をどうグラン=カフナ国に伝わる力で覆していくかが注目どころ。当然のごとく追い詰められていく主人公たち。緊迫した雰囲気が漂う、まさに最終決戦。
その戦局が行く末は物語の核心に触れる部分なので、ここではふれないでおきますが
この2巻の表紙イラストが示すとおりの、晴れやかなラストに仕上がっていましたね。
さて話は変わりますが、この作品は女の子がかわいいんですなぁ!
特にリンゼルちゃんは素晴らしかった・・・!なんですかこのニコニコ顔は!
オヴにベタ惚れで、初めてだと思われる恋にウキウキしてる様子が微笑ましい女の子。
でも戦士として凛々しい一面を発揮したりもして。
恋にバトルにと、メインキャラクターではありませんでしたが本編にも大きく関わる人物であり、2巻の後半の展開なんかはいい働きをみせてくれていましたね。
ただ惜しむべきはナナとのオヴの奪い合いシーンが見られなかったこと・・・!
せっかくこういう女の子だったのでそういう微・修羅場シーンも見てみたかったなぁw
ナナとも歳が近いですし、本作では数少ない女の子キャラだったので(まぁメインキャラがそもそも少なかったか)、2人が同じ男の子を取合えってギャアギャア騒いじゃうようなのが・・・。
しかしその点を補完してくれたのがこの2巻のカバー裏ですよ!!
うーかわいい!困り顔のオヴも合わせて3人セットでかわいすぎる!
そう・・・こういうのを見たかったんだ・・・!出来たなら本編で・・・!
まぁメインヒロインはナナ様だってわかりきってますけどー!そういうふうにラブコメっちゃう3人がもっと見たかったなーっていう話です。一点イラストだけでも見れてハッピーじゃ。
さて、物語意外でもおっと思った部分があって、それが服装へのこだわり。
この表紙も、実物で見ると実にナナちゃんのドレスの丁寧に書き込まれています。
膨らんだ裾のフリルはそれだけでお姫様のゴージャスさが表れていましたね。
このシーンなんかも。ついついじっくりと見つめてしまうのです。
キャラクターの魅力とともに、「絵」そのものへの好感度が高い作品だったかと。
ややザラついた質感の線が大変ツボですし、描き込みも多い。
絵に対しての細やかさも、自分がこの作品の好きな1つの理由なのでした。
・・・・実はフリルフェチ漫画なんじゃないの疑惑。
そんな「ゴッドシーカー」第2巻でした。
当たり前ですがそうきっぱりと書かれてはいませんが、きっと打ち切られました。
しかしストーリーはきちんと収束し、納得の得られるものとなっています。
ただし肝心の戦争描写は、尺の都合か、ずいぶん短くなってしまった模様。
バトルはありますが、もっと規模の大きい戦争を期待して読むと満足はいかないかもですねえ。結構あっさり解決してしまったと言えばそうですし。
作品の素材そのものはとても良かったのです。締め方も全く悪くない。
使い古されてそうな王道な物語をきっちりと魅力的に演出する、世界観の丈夫さ。
ラブコメを含めたキャラクター同士のやりとりの楽しさ。
そして直前にも書きましたが、この絵はとても魅力的でした。
気に入った点はたくさんあって、この作家さんの新しい作品を読みたくなりましたね!
ともあれ、「ゴッドシーカー」は完結です。楽しめました。
ファンタジー漫画が好きな人にはオススメ。サイドメニューとして恋愛描写も美味。
『ゴッドシーカー』2巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
もっと長く続いて欲しかったというのが本音。しかし充分に魅力ある作品でした。