[漫画]胸の鐘の音を鳴らしてよ。『アオハル』0.99号
こわーれぇるーほーどーのー。青春の歌ですね。
せめて一生消えない 深い 深い 傷を
珍しく雑誌の感想でもやってみるかと。「アオハル」の最新号の感想です。
ヤングジャンプの増刊という立ち位置ですが、独自路線を行ってますよね。今回も溢れ出るコミティア臭に、「そうそうこれがアオハルだよね」と一人頷きましたよ。
どんな感じの雑誌かは公式HPで見てもらえれば。
今回も表紙がさわやかうつくしい。宇木敦哉さんのイラストはアオハルにぴったり。
0号、0.5号ときて、昨年のバレンタインデーとホワイトデーに「sweet」「bitter」を出し、しばらく期間を開けて今回の「0.99号」です。その間にアオハルオンラインとか始まりましたが。
にしても「0.99号」って。往生際が悪い!もうさっさと1号になっちゃえよ!というか、なんだかんだで大好きな雑誌なので定期になって欲しいんですが。
読み切り&描き下ろし41本収録ということでボリュームも充分。お腹いっぱいになれますな。雑誌ですけど読み切りばかりなので、今回から読んでもOKです。
載ってる漫画全部の感想を書くってのは難しいので、好きな作品をいくつかあげて感想を。
●シルヴァンドルと星屑ストライク/倉橋ユウス
「恋愛遊星」「ほしのうえでめぐる」といったスペーシーなドラマを描き続ける倉橋ユウス先生。アオハルオンラインでやっているシリーズの長編読み切りですね。
くすぶってる主人公のもとに、幼女みたいな宇宙人シルヴァンドルがやってくるストーリー。
こちらはスケールの大きさを感じさせてくれる少年漫画っぽいアツい雰囲気。ショートな作品が多いアオハルでは結構珍しいかな。そして巻頭に近いタイミングで掲載されているのはいい配置。
少年が殻をブチ破る展開と、微笑ましいラブコメ模様が楽しい佳作!以前までより絵の力強さというか、勢いのよさが加わっている気がします。
それと、素直になれない幼馴染女の子かわいいなー!
●ギブミーマネー/位置原光Z
お金目的にセックスしようぜと持ちかける女子高生。設定としてはエグいんだけど、そこは位置原先生らしいギャグのノリでいやらしさを感じさせない不思議w
あっけらかんと「あっそうだお父さん!あとでセックスしようね!」と満面の笑み。男たちからスルーされまくってもめげない!いいヒロインだなぁ。
●ひなちゃんは家族の事で悩んでいます/鈴木ニューフルーツ
うわーこれはバカ丸出しな変態漫画がきたぞ・・・!ぷにっとキュートなタッチで、だいぶ際どいマニアックな変態プレイの連続。息子と母親の恥じらい一切ぬきのアブノーマルイチャイチャっぷり!それをやめさせようと苦悩する長女も、だんだんとおかしくなっていくw 最終的には「これも家族の愛の形だよね!」と感動話っぽく丸め込んでしまう無茶苦茶なパワフルさで魅せる!
これは楽しいなー。怒涛のように変態ネタが来るのも、それでいてストーリーに波があってきっちり締まるのも上手い。これ一回きりで終わらせてしまう設定としては、あまりにも惜しい・・・!連載で読みたいな!
●すみっこのふたり/香魚子
地味系女子の微百合。儚げな香魚子さんの美麗な絵も、ほっと胸あたたまる優しいお話も、だいぶツボ。恋愛感情は伴なわない、あくまでも友情を描いたお話ですね。なんだかんだで一生続いていく関係のような気がします。
●制服魔法きいなちゃん/水あさと
魔法を使うたび服が消えていくという魔法少女の不幸を描いた日常コメディシリーズ。なにげにアオハルでも珍しい続きものですね。
いいねえ、こういうしょーもない日常コメディは!どうやっても少女の赤面を拝める設定は!いいキャラしてるお友達も増えましたしね。次が楽しみです。次いつ読めるのか知りませんけども・・・!
だんだんと服の面積が小さくなって、追い詰められていくヒロインが素晴らしい!
●鬼火の夜/TNSH
今回のアオハルでは、これが1番心に残りました。適度におふざけを入れつつも全体の印象としてはシリアス寄り。で、ガチで姉と弟の近親ネタに取り組んでもいます。
田舎の町。窮屈な空気。2人が生きる世界の雰囲気作りが抜群!冬のつめたさの中で切実な気持ちをぶつけ合うクライマックスなんか絶品ですよ!
踏み出せない。踏み込めない。彼らを致命的に近づけて離れなくして、そして最後までを許さない、その体に流れる同じ血。その葛藤が胸にズキズキと突き刺さります。
傷くらい…くれたっていいじゃない
ままならない現実と確かな想い。クライマックスには心がブルブル震えましたね。
胸を切なく熱くしてくれる、素晴らしい姉弟愛漫画でした。大好きだ・・・!
●夏音色/とめおにぎり
前に読んだ漫画が面白かったので個人的に期待している新人さん。素朴で淡いタッチがかもす雰囲気が心地いいのです。夏の爽やかさがすうッと胸に溶けこむ!
今回は季節の擬人化漫画かな。短いページの中でたっぷりの余韻。いいですね。
それにしても作者コメントでとめおにぎりさんが上げていたバンドが面白い。インディーズのJ-ROCKですなあ。俺も好きな範囲だからなんとなく嬉しい。キュウソネコカミはこれから来ると思います!キャブズは聞きたいんだけど近くのレンタルで仕入れてくれないんですよね。(もう漫画関係ない話してる
●餅巣菓さんに呼ばれる/イシデ電
連続シリーズ。ほのぼのした大人のラブコメ模様に心がホカホカするお話でした。
「わたくしが香田君に会うときに おしゃれをしない日など一日たりともありません!」のいっぱいいっぱいな文句がかわいすぎた・・・・・・。これもそのうち単行本化とかしてほしいですねえ。
●大きな森 小さな園/鈴木謙也
傑作「蝋燭姫」執筆したあとフェローズでしばらく姿を見なかった鈴木健也さんですが、アオハルにやってきました。ビックリ。でも意外と合っているかもな!
書き込まれた濃い目の世界観と、テンポいいセリフ回しが気持ちいい作家さんです。クセがあるタッチですが一度ハマるとこれがもう抜け出せない。
「蝋燭姫」は完全にファンタジーでしたが、今作は現代が舞台、女子高生が主人公。とだいぶ方向性が違います。雰囲気も明るいし、読みやすいなw
クールを気取っていながらかわいい服への憧れを持つ高森ちゃんがステキですわ。お調子者のチビッ子、福園ちゃんとの凸凹コンビっぷりも楽しい。女の子のかわいらしい部分をフィーチャーした、ニヤニヤできる漫画でしたね。もっと読みたい!
●ポリゴン彼女/タアモ
今「たいようのいえ」をやっているタアモさんの新作読み切り。ショートなのでオチありきの構成をしているのですが、それで綺麗にすべてまとまってる感ある面白い話。ネトゲのプレイヤーにガチで恋に落ちてしまった男ですが、実は・・・?という流れ。最初はおっおっいきなり百合ちゅっちゅきたぞ!?と慌てたんですがw
●彼女の恋/工藤シンイチ
素朴なタッチで毒をきかせるソリッドなお話。油断していただけに内容の禍々しさに思わず「やられた!」とうろたえまし。こういう不意打ち気味に襲いかかってくる構成の漫画は面白いなー!
ラストに添えられた煽り文のするどくセンスよくてドキッとした。「誰かの気持ちを解ろうなんてしないほうがいい」。
●きみ笑うなかれ/御徒町鳩
これも続きモノですが、今回は番外編みたいな。心近づく2人がいれば、人知れず散っていく恋がある。うわぁー、つらいつらい。でも清々しい気持ちになれる作品。告白をして玉砕もつらいけど、こういう静かに突きつけらる失恋も、胸がぎゅっとなりますわ。
この恋わらうなかれ。笑えるもんか。美しく切ない失恋のお話。
●kampfguppe kinderheim 孤児院戦闘団/山田穣
「がらくたストリート」の3巻はよ!な山田稔さんの新作読み切り。
第二次世界大戦中のドイツを舞台としたミリタリー色つよめな作品ですね。オッサンと子供たちが戦車に乗り込み、まったりしたりドンパチしたり。緊張感の緩急がたのしい漫画でした。ラストはスカッとするし!
戦闘を通じて子供たちがやたらイキイキしちゃうのもいいよね。戦争は大人の勝手だけど、子供がそれを楽しんじゃっている。歴史漫画にみられる政治的な描写はなく、ただ戦争に振り回され、でもはしゃいじゃう子供たちの姿を描いています。
扉絵に書いてあった「漫画界のケーニッヒス・ティーガー・山田穣」のなるほどわからん感もお気に入り。戦車らしいですけど。
●VS宇宙人/U-temo
ボーイミーツガールは宇宙人ミーツ天才科学者。こっそり地球にやってきていた宇宙人は、自分をじっと見つめてくるその少女を警戒していたのだけど・・・そのままラブコメへ突っ込んでいくッ!
ずっとむっとしていたヒロインがパッと花開くように赤面しちゃってそのまま激甘初々しいラブコメモードに突入していく様子がまたニヤニヤするのですよ!
「恋人は 手をつないで 帰るもんだ」のセリフのぎこちなさとか最高や・・・!
なにお前ら、かわいすぎません?
●泡沫、晴天、アスファルトワールド/五十嵐藍
散乱とした、いい意味でとりとめない内容。どこか夢の世界にいるかのような、ドリーミーな感触。乾いていてちょっとノスタルジックで。まぁつまりいつもの(特に最近の)五十嵐藍さんの漫画です。雑誌のクライマックスにあるのはピタッとはまりますね、こういう漫画は。さらりとした手触りで、心に不思議なひっかかりだけ残していく。好きだ。
●アナーキー・イン・ザ・JK/位置原光Z
位置原さんのおなじみJKたちの4コマ。なんの意味もなく非現実的で個性豊かすぎる女の子達。なんでさらっと単眼ちゃんがいるんだよってツッコミは過去に何度も心の中でしているので今さらどうでもいい些細な問題である。こいつら楽しいよなー、もっと読みたい。
●象の見る夢/道満晴明
エレファントマンことジョゼフ=メリックと、ロンドンのリシアルキラー、ジャック・ザ・リッパーのお話。アオハル0.99号のラストがこの漫画なんだなあ、いいな。なんとなくポエミーで、そして歪んでいる。独特の、ものさびしい読後感を残していってくれる漫画でした。
ジョゼフ=メリックに興味湧いたんでちょっと調べてみましたが、なるほど、彼はたしかに数奇な運命をたどったもんだ。
という感じで、気に入った漫画の感想でした。
ちゃんと全部読んで面白かったので全部の感想も書きたいもんだけど、やっぱ本数多くてキツいな。でも好きだなーアオハル。マニアックな執筆作家陣を眺めるだけでワクワクきてしまいますわ。「とっておきたくなる雑誌」を作ってくれてますしね。
次号予告?のところでは、2013年は春夏秋冬になにかあるようにほのめかしているような。4月1日に「アオハル新学期計画」が発表されるみたいなので、そこで今後の発売についてなにか知れるかな。
アオハル0.99号、おなかいっぱい味わいました。ごちそうさま!
もうすぐ0から1に届くよ。あと少し。あと0.01。
アオハル 0.99号 2013年 3/10号 [雑誌] (2013/02/01) 不明 商品詳細を見る |
せめて一生消えない 深い 深い 傷を
珍しく雑誌の感想でもやってみるかと。「アオハル」の最新号の感想です。
ヤングジャンプの増刊という立ち位置ですが、独自路線を行ってますよね。今回も溢れ出るコミティア臭に、「そうそうこれがアオハルだよね」と一人頷きましたよ。
どんな感じの雑誌かは公式HPで見てもらえれば。
今回も表紙がさわやかうつくしい。宇木敦哉さんのイラストはアオハルにぴったり。
0号、0.5号ときて、昨年のバレンタインデーとホワイトデーに「sweet」「bitter」を出し、しばらく期間を開けて今回の「0.99号」です。その間にアオハルオンラインとか始まりましたが。
にしても「0.99号」って。往生際が悪い!もうさっさと1号になっちゃえよ!というか、なんだかんだで大好きな雑誌なので定期になって欲しいんですが。
読み切り&描き下ろし41本収録ということでボリュームも充分。お腹いっぱいになれますな。雑誌ですけど読み切りばかりなので、今回から読んでもOKです。
載ってる漫画全部の感想を書くってのは難しいので、好きな作品をいくつかあげて感想を。
●シルヴァンドルと星屑ストライク/倉橋ユウス
「恋愛遊星」「ほしのうえでめぐる」といったスペーシーなドラマを描き続ける倉橋ユウス先生。アオハルオンラインでやっているシリーズの長編読み切りですね。
くすぶってる主人公のもとに、幼女みたいな宇宙人シルヴァンドルがやってくるストーリー。
こちらはスケールの大きさを感じさせてくれる少年漫画っぽいアツい雰囲気。ショートな作品が多いアオハルでは結構珍しいかな。そして巻頭に近いタイミングで掲載されているのはいい配置。
少年が殻をブチ破る展開と、微笑ましいラブコメ模様が楽しい佳作!以前までより絵の力強さというか、勢いのよさが加わっている気がします。
それと、素直になれない幼馴染女の子かわいいなー!
●ギブミーマネー/位置原光Z
お金目的にセックスしようぜと持ちかける女子高生。設定としてはエグいんだけど、そこは位置原先生らしいギャグのノリでいやらしさを感じさせない不思議w
あっけらかんと「あっそうだお父さん!あとでセックスしようね!」と満面の笑み。男たちからスルーされまくってもめげない!いいヒロインだなぁ。
●ひなちゃんは家族の事で悩んでいます/鈴木ニューフルーツ
うわーこれはバカ丸出しな変態漫画がきたぞ・・・!ぷにっとキュートなタッチで、だいぶ際どいマニアックな変態プレイの連続。息子と母親の恥じらい一切ぬきのアブノーマルイチャイチャっぷり!それをやめさせようと苦悩する長女も、だんだんとおかしくなっていくw 最終的には「これも家族の愛の形だよね!」と感動話っぽく丸め込んでしまう無茶苦茶なパワフルさで魅せる!
これは楽しいなー。怒涛のように変態ネタが来るのも、それでいてストーリーに波があってきっちり締まるのも上手い。これ一回きりで終わらせてしまう設定としては、あまりにも惜しい・・・!連載で読みたいな!
●すみっこのふたり/香魚子
地味系女子の微百合。儚げな香魚子さんの美麗な絵も、ほっと胸あたたまる優しいお話も、だいぶツボ。恋愛感情は伴なわない、あくまでも友情を描いたお話ですね。なんだかんだで一生続いていく関係のような気がします。
●制服魔法きいなちゃん/水あさと
魔法を使うたび服が消えていくという魔法少女の不幸を描いた日常コメディシリーズ。なにげにアオハルでも珍しい続きものですね。
いいねえ、こういうしょーもない日常コメディは!どうやっても少女の赤面を拝める設定は!いいキャラしてるお友達も増えましたしね。次が楽しみです。次いつ読めるのか知りませんけども・・・!
だんだんと服の面積が小さくなって、追い詰められていくヒロインが素晴らしい!
●鬼火の夜/TNSH
今回のアオハルでは、これが1番心に残りました。適度におふざけを入れつつも全体の印象としてはシリアス寄り。で、ガチで姉と弟の近親ネタに取り組んでもいます。
田舎の町。窮屈な空気。2人が生きる世界の雰囲気作りが抜群!冬のつめたさの中で切実な気持ちをぶつけ合うクライマックスなんか絶品ですよ!
踏み出せない。踏み込めない。彼らを致命的に近づけて離れなくして、そして最後までを許さない、その体に流れる同じ血。その葛藤が胸にズキズキと突き刺さります。
傷くらい…くれたっていいじゃない
ままならない現実と確かな想い。クライマックスには心がブルブル震えましたね。
胸を切なく熱くしてくれる、素晴らしい姉弟愛漫画でした。大好きだ・・・!
●夏音色/とめおにぎり
前に読んだ漫画が面白かったので個人的に期待している新人さん。素朴で淡いタッチがかもす雰囲気が心地いいのです。夏の爽やかさがすうッと胸に溶けこむ!
今回は季節の擬人化漫画かな。短いページの中でたっぷりの余韻。いいですね。
それにしても作者コメントでとめおにぎりさんが上げていたバンドが面白い。インディーズのJ-ROCKですなあ。俺も好きな範囲だからなんとなく嬉しい。キュウソネコカミはこれから来ると思います!キャブズは聞きたいんだけど近くのレンタルで仕入れてくれないんですよね。(もう漫画関係ない話してる
●餅巣菓さんに呼ばれる/イシデ電
連続シリーズ。ほのぼのした大人のラブコメ模様に心がホカホカするお話でした。
「わたくしが香田君に会うときに おしゃれをしない日など一日たりともありません!」のいっぱいいっぱいな文句がかわいすぎた・・・・・・。これもそのうち単行本化とかしてほしいですねえ。
●大きな森 小さな園/鈴木謙也
傑作「蝋燭姫」執筆したあとフェローズでしばらく姿を見なかった鈴木健也さんですが、アオハルにやってきました。ビックリ。でも意外と合っているかもな!
書き込まれた濃い目の世界観と、テンポいいセリフ回しが気持ちいい作家さんです。クセがあるタッチですが一度ハマるとこれがもう抜け出せない。
「蝋燭姫」は完全にファンタジーでしたが、今作は現代が舞台、女子高生が主人公。とだいぶ方向性が違います。雰囲気も明るいし、読みやすいなw
クールを気取っていながらかわいい服への憧れを持つ高森ちゃんがステキですわ。お調子者のチビッ子、福園ちゃんとの凸凹コンビっぷりも楽しい。女の子のかわいらしい部分をフィーチャーした、ニヤニヤできる漫画でしたね。もっと読みたい!
●ポリゴン彼女/タアモ
今「たいようのいえ」をやっているタアモさんの新作読み切り。ショートなのでオチありきの構成をしているのですが、それで綺麗にすべてまとまってる感ある面白い話。ネトゲのプレイヤーにガチで恋に落ちてしまった男ですが、実は・・・?という流れ。最初はおっおっいきなり百合ちゅっちゅきたぞ!?と慌てたんですがw
●彼女の恋/工藤シンイチ
素朴なタッチで毒をきかせるソリッドなお話。油断していただけに内容の禍々しさに思わず「やられた!」とうろたえまし。こういう不意打ち気味に襲いかかってくる構成の漫画は面白いなー!
ラストに添えられた煽り文のするどくセンスよくてドキッとした。「誰かの気持ちを解ろうなんてしないほうがいい」。
●きみ笑うなかれ/御徒町鳩
これも続きモノですが、今回は番外編みたいな。心近づく2人がいれば、人知れず散っていく恋がある。うわぁー、つらいつらい。でも清々しい気持ちになれる作品。告白をして玉砕もつらいけど、こういう静かに突きつけらる失恋も、胸がぎゅっとなりますわ。
この恋わらうなかれ。笑えるもんか。美しく切ない失恋のお話。
●kampfguppe kinderheim 孤児院戦闘団/山田穣
「がらくたストリート」の3巻はよ!な山田稔さんの新作読み切り。
第二次世界大戦中のドイツを舞台としたミリタリー色つよめな作品ですね。オッサンと子供たちが戦車に乗り込み、まったりしたりドンパチしたり。緊張感の緩急がたのしい漫画でした。ラストはスカッとするし!
戦闘を通じて子供たちがやたらイキイキしちゃうのもいいよね。戦争は大人の勝手だけど、子供がそれを楽しんじゃっている。歴史漫画にみられる政治的な描写はなく、ただ戦争に振り回され、でもはしゃいじゃう子供たちの姿を描いています。
扉絵に書いてあった「漫画界のケーニッヒス・ティーガー・山田穣」のなるほどわからん感もお気に入り。戦車らしいですけど。
●VS宇宙人/U-temo
ボーイミーツガールは宇宙人ミーツ天才科学者。こっそり地球にやってきていた宇宙人は、自分をじっと見つめてくるその少女を警戒していたのだけど・・・そのままラブコメへ突っ込んでいくッ!
ずっとむっとしていたヒロインがパッと花開くように赤面しちゃってそのまま激甘初々しいラブコメモードに突入していく様子がまたニヤニヤするのですよ!
「恋人は 手をつないで 帰るもんだ」のセリフのぎこちなさとか最高や・・・!
なにお前ら、かわいすぎません?
●泡沫、晴天、アスファルトワールド/五十嵐藍
散乱とした、いい意味でとりとめない内容。どこか夢の世界にいるかのような、ドリーミーな感触。乾いていてちょっとノスタルジックで。まぁつまりいつもの(特に最近の)五十嵐藍さんの漫画です。雑誌のクライマックスにあるのはピタッとはまりますね、こういう漫画は。さらりとした手触りで、心に不思議なひっかかりだけ残していく。好きだ。
●アナーキー・イン・ザ・JK/位置原光Z
位置原さんのおなじみJKたちの4コマ。なんの意味もなく非現実的で個性豊かすぎる女の子達。なんでさらっと単眼ちゃんがいるんだよってツッコミは過去に何度も心の中でしているので今さらどうでもいい些細な問題である。こいつら楽しいよなー、もっと読みたい。
●象の見る夢/道満晴明
エレファントマンことジョゼフ=メリックと、ロンドンのリシアルキラー、ジャック・ザ・リッパーのお話。アオハル0.99号のラストがこの漫画なんだなあ、いいな。なんとなくポエミーで、そして歪んでいる。独特の、ものさびしい読後感を残していってくれる漫画でした。
ジョゼフ=メリックに興味湧いたんでちょっと調べてみましたが、なるほど、彼はたしかに数奇な運命をたどったもんだ。
という感じで、気に入った漫画の感想でした。
ちゃんと全部読んで面白かったので全部の感想も書きたいもんだけど、やっぱ本数多くてキツいな。でも好きだなーアオハル。マニアックな執筆作家陣を眺めるだけでワクワクきてしまいますわ。「とっておきたくなる雑誌」を作ってくれてますしね。
次号予告?のところでは、2013年は春夏秋冬になにかあるようにほのめかしているような。4月1日に「アオハル新学期計画」が発表されるみたいなので、そこで今後の発売についてなにか知れるかな。
アオハル0.99号、おなかいっぱい味わいました。ごちそうさま!
もうすぐ0から1に届くよ。あと少し。あと0.01。
[漫画]その目に焼き付けてくれよ、僕らの”惡”を。『惡の華』7巻
惡の華(7) (講談社コミックス) (2012/12/07) 押見 修造 商品詳細を見る |
さようなら!さようなら!すべてのクソムシども!!
「惡の華」7巻発売きたああああああっと読んでその日に感想書く!日付的には翌日になってしまいましたが。
待ってましたよ7巻!自分は単行本派なので、前巻の衝撃的すぎるラストからドキドキしっぱなし。いったいどんな事が起きるのか!?
と思って書店でコミックス手にとったら裏表紙のあらすじでさくっとネタバレされちゃったんですけど。ああ、うん・・・そういえばこのシリーズ、結構その巻の突っ込んだ内容まであらすじで書いてあったね・・・へへ・・・。
ともあれネタバレ踏もうともこの面白さ揺るがず!心震わせてくれる、とびっきりにこじれた思春期の淀みと、暴走。
まさにクライマックスのまま終わった6巻。ぜひ、6巻をもう一度読み直してその勢いで7巻を読み出して欲しい。しょっぱなから、ハンパない大興奮・・・!!表紙も素晴らしい!
春日と仲村からクソムシどもへ向ける、魂の絶叫。そして彼らの未来とは。
前巻→思春期の大暴走…もう後戻りはできない!『惡の華』6巻
●ページをめくる手が止まらない!
夏祭りの夜に、二人は舞台に上がった。
全て捨てる。これからの人生のなにもかもを、捨ててやる。その覚悟で。
手には包丁。向けられる大勢の人の目。テレビ中継もされている。
もう後戻りはできないさ。「向こう側」へ2人で行くんだ。
意気揚々と、この世界のクソムシどもに見せつけるように、死ぬんだ。
しょっぱなから、本当に、凄まじい展開です。
第33話「翔び立ち得る者は幸なり」。安い言い方をすれば神回!
シリーズ最高潮のハイテンション。ハイというかダメな躁状態。ダウナー極めてハイになってるあの不安定な恐ろしさ。
思春期をこじらせた子供たち、とかわいらしい表現で言える段階はとうに過ぎた。
彼らは罪を犯した。犯罪者だ。
そして今まさに、命をとした犯罪をしようとしている!
社会的に、彼らはとんでもないことをしている。取り返しのつかないことをしようとしている!そんなリアリティがとことん胸をいやらしく窮屈にして、ドキドキが止まらないのだ。
もともと少年少女を圧迫するものとして、警察や学校など「社会」の脅威はリアルに描かれてきた本作。だからこそ、それを振り切ってことに及ぶ春日と仲村の姿は、心配を通り越して恐怖の粋。しかしそれ以上に、圧倒されそうなくらい、眩しかったりする・・・。
ああ、どうなってしまうんだ!この2人はどこへ行ってしまうんだよ!!
とにかく読み手を心を揺さぶる、エネルギッシュな作品であることを再確認しましたね・・・こわい漫画ですよ。
読みながら焦燥で胸がかきむしられる感覚。
じっくり読みたいのに紙をすべる目の動きは止まらないし、手はページをめくり続けるし、とにかく先が気になって仕方のない!むしろじっくり読もうって意識が働くヒマもなかった。待ったなしの凄まじいスピード感を体感しました。
本当に夢中になってしまうとこういう現象が起きるんだよな。
●2人の最後の言葉
6巻の最終話で、彼らは最後の言葉を考えようと言っていていました(165P)。
いざ舞台に上がった彼らの口上から幕を開ける、衝撃的なこの7巻では
まさに彼らが心から叫びたかったものの全てがぶちまけられています。
クソムシが!!
クソムシが!!
クソムシが!!
クソムシが!!!
口汚く叫ばれる言葉が、泣きたくなるくらいに頭に響く。
こんな気持ち、いつまでも心にいさせちゃ苦しくて仕方ないよな。胸が張り裂けそうな悲痛。その叫びはもはや悲鳴だった。
読んでいるあいだ、体がブルブル震えていた。
壮絶。それに尽きる。
意味はわからないんだよ。具体的にこれがイヤだあれが不満だ、といった言葉はないから。でもそんな具体的な言葉をあげられるくらいだったら、最初から暴走なんかしてないんだ。
何もかもが嫌なんだ。自分も世界もみんな。
彼らの叫びを聞いていると、どこか恍惚とさえしてくる。
1度でもここまで心から吐き出しきったら気持ちいいだろうなぁという、憧れの思いすら抱く。春日も仲村も晴れやかさはないけれど、全力で戦っているその姿は、たしかに神聖なくらいの眩さがある。
思春期に悩みの1つもなかった人はきっといない。
少年少女は叫びたかったんだ。泣きそうな夜に、心が凍えそうな夜に、どうしようもなく全てを壊してしまいたくなる夜に。
無力感と怒りで狂ってしまいたかったんだ。
それが現実味のある形で実現されるのがこの一連の場面なんだな。
「向こう側は無い!!」と彼らは口にした。
なんだ、分かっていたのか、とここでついに涙が出た。
「私もクソムシだ!!」「ニセモノの変態!!!」
そんな風に、自分たちを否定しけなす言葉も吐き出した。
なんか意味わかんないけど、吐き気がするくらいスカッとしたのが事実。こんな言葉を望んでいたのかぁ俺は。でも、彼らがその言葉を言ってもなお諦めず戦っていることがすごかった。この結論に至ってこの舞台に上がったことに賞賛したい。
行き場をなくしたからこそ死を目指したのだとしても、こんな苦しみを抱えた人間がいることを、知らしめてやりたかったんだ。
叫び終えたあと、2人とも燃え尽きたような顔をする。自分もきっとこんな顔してた。
そのとき、惡の華は咲いていた。そして彼らを見ていた。
あの山のおく、「向こう側」で、確かに華は咲いていたんだ。
それを見た春日は涙を浮かべ、満足したように「仲村さん、いこう・・・」と呟く。
強烈なインパクトのこの見開きは、この作品通しても重要なものなのではないでしょうか。
●高校生編スタート。
えっ、高校生編・・・?
というのが第一印象。でも仕方ないか、あそこまでしたらこうして舞台を入れ替えざるを得ない。春日の両親はもともと引越しするつもりだったし。
春日は高校生になりました。田舎を離れ、都会で学校に通っています。
普通の生活にもどっていたように見える。けど全然違うな。
彼はまだ「惡の華」にとりつかれている。仲村の姿を探している。
詳細は語られませんが、きっとすぐに引き離され会話もろくにできていないんじゃないかな、仲村と春日は。あれだけの凶行に及んだ2人がまた一緒にいることを、大人たちが許さないだろう。
この新章、だいぶ説明不足のまま始まりました。
事件のあと、二人はどう制裁を受けたんだろう?それに佐伯さんは?
そこはすっきりカットするのか、これから描かれていくことになるのか。ううむ、佐伯さんに関しては「さよなら」の決別をしたわけだし、もう描かれないかもな。
しかしだとしたら佐伯さんは・・・不幸と言えばいいのかなんなのか。とにかく振り回し振り回された。彼女もまた惡の華を携えた人だったけど(6巻の感想で書いたやつ)。
さて、新舞台に合わせて新ヒロインが登場しました。
名前は常磐さん。リア充グループにいるけど、読書の趣味は春日と合った。
彼女が詩集「惡の華」を手にとったことから、春日との交流が始まりました。
またあの詩集かいな・・・やはり春日はこれから逃れられない。
この常磐さんがこれからどんな混乱に巻き込まれていくのか楽しみですよ!(混乱が起きることはもはや前提として話を進める)
しかし常磐さん、かわいいですわ!
「惡の華」初期からどんどん押見先生はうまくなって女の子も可愛くなってきていますが、ここに今1つの結晶を見た。
リア充っぽいけど趣味はサブカル臭満点だったりしててナイス。怖いのは彼女の年上の彼氏さんですが・・・こいつから絶対話動くよなぁwうわぁどうなるんだ!
●新しい表紙デザイン
「惡の華」は1~3巻、4~6巻で表紙デザインが一新されてきました。
3巻ごとに新しいデザインになるんですよね。紙質も変える。
こういう遊びはすごく面白いし、それぞれのデザインに特徴があって好きです。1~3巻はモノクロ・デカデカと吹き出しが載る珍しいでザインで目を引きました。
4~6巻はストーリーが混沌としてきたのに合わせたかのようにブラックなムードに。各キャラの眼力がハンパなくて、本棚に並べるとムチャクチャかっこよかった。
それで今回から新デザインです。今回は水彩!
最初見たとき、一瞬「惡の華」の表紙って気づきませんでした・・・ガラッと変わった!
新章に入ったことでキリがいいですし、なにより素晴らしく美しい。
惚れ惚れします。これ書きながらじっとり見つめて味わっています。
このキャラは仲村さん・・・だと最初は思いましたが、常磐さんですね。
仲村さんと常盤さんが似ているのは色々うまいよなぁと感じます。
まとった雰囲気とかは全然違うんですけどね。この表紙が仲村さんだったらなんて安らかな表情をするようになったんだ・・・ホロリ、とかなっていたころだった。危ない危ない(?
そんな「惡の華」7巻でした。
中学生クライマックスと、気になる高校編のオープニングが一緒になった一冊。中学編の怒涛の展開については、上で書いたとおり。
新章で心機一転!とは行かず、再度どんよ~りとした高校生活・・・。
やはりこのドロドロしたムードは、町を出た程度じゃどうにもならない。
高校編なんてものに突入するのは結構予想外ですが、楽しいですね。過ぎ去った過去をとおく見つめるような視点が生まれて新鮮。
テレビアニメ化も決定しましたね。大丈夫?「惡の華」だよ?
しかし映像で見てみたいシーンとなれば山ほどあって、どんなアニメになるのか今から楽しみです。ノイタミナっぽい?作品かなと思うのですがさて。
目を閉じたはずの惡の華は、まだ胸の中に秘められている。
またいつか目を開くときが来るんじゃないか。
そんなことを、不謹慎だけど、とてもワクワクしながら待っている。
だってそういう漫画だもの。惡の華を咲かせる瞬間が、待ち遠しい。
『惡の華』7巻 ・・・・・・・・・★★★★☆
冷静になってる方がもったいないなこの漫画は。一緒に飲み込まれてしまおう。
以降の感想
怯える幽霊と忘れられない華の影。『惡の華』8巻
[漫画]報われない、でも抜け出せない。『過ち、はじめまして。』1巻
過ち、はじめまして。 1 (バンブーコミックス COLORFUL SELECT) (2012/10/27) 色白 好 商品詳細を見る |
こんなはずじゃなかった・・・辛くなる一方だ・・・
表紙でガシッと心つかまれました。「過ち、はじめまして。」の1巻。
怪しい室内。怪しい表情。誘われるようにスカートの奥を覗き込んでしまいますよ!いかにも清楚な白い服とは裏腹に、なんとも淫靡なムードです。
加えて押見修造先生がオビにコメントを寄せています。このコメントも自分を惹きつけるもので、「痛い、でも最高に気持ちいい。」とか。絵のタッチも押見先生と少し似ている気がする。なんらかの繋がりがある作家さんなのかな。
これは竹書房のナマイキッ!掲載作なので、いわゆる非18禁のエロ漫画です。
普段ほとんど取り上げてないジャンルですが、シナリオ面で十分にゾクゾクさせてもらえたので感想を書きたいなと。
大学でも全然目立たない主人公、吉田。彼がいつも目で追うのは、学校で評判の美貌を持つ朝雛清代美。
日常の不満を妄想で発散するのが日課らしい吉田が、ある日とんでもないシーンを目撃してしまいます。清純さがトレードマークのような朝雛が、夜の大学で、教授と・・・。
教授は妻子持ち。まちがいなくこれは不倫というヤツだ。
動揺を隠しきれない吉田は、なんと本人に「実は見ていたんだ」と告げてしまう!
そこからはもう転がるようにグズグズでダメダメな2人の関係がスタート。
うっひょーこの恋模様、不毛すぎる!読んでてチクチク胸が痛む!・・・たのしい!
不倫と知りつつ先生への想いを募らせる朝雛。
先生も先生で、なに生徒に手を出しちゃってんだよ!しかも絶対に朝雛を苦しめるのわかってるだろ!酷なことしよる。
そんな朝雛が吉田に投げかけたあのセリフ。
「吉田くんは、私と同じ目に遭うの―――」これは象徴的です。
最初は意味がわからなかったけれど、つまり先のない片思いを続けてろっていうこと。自分の恋を思っての自虐でもあり、吉田に対しての残酷な仕打ちでもあり。
朝雛と吉田の関係は、とっても近い。でもそれは何も生み出さない、くだらない惰性の関係でしかない。泥沼の中でもがくこともせず、ただ偶然つながれたことに甘えてぐだぐだ時間を過ごしてるだけで。自分を騙し騙しの日々。
どんっどん気持ち悪い恋愛模様に落ちて戻ってこれない感じ、堪らないんす!
吉田は朝雛に夢中になってばかりで、そりゃあずっと見ていた相手と色々ヤレちゃってご満悦だろう。けれどずっと心は冷めっぱなし。
朝雛が本当は自分なんかを好きではないということを感じる、その瞬間には強く強く心は冷え込む。
少しくらいは好かれているかもしれない。本当に嫌いでたまらない相手と、こんな付き合いを続けていくのもバカだろう。
けれど朝雛が1番好きなのはあの先生なのだ。あいつには敵わないんだ。
そのことを意識するたび、吉田の心はまた崩壊に一歩近づく。
そして負った傷を忘れるために、見ないフリをするために、がむしゃら朝雛を貪る。
この気持ち悪い独占欲!結構キツい心理描写もされる作品なのです。
そんな不毛な恋しかできてない、ジメジメとした空気が蔓延する物語です。
でも吉田のバイト先の同僚、井上さんが出てきてくれるときだけは
気持ちのい~い、キレイな風が吹き込んでくれるのを感じます。
メインがねじれ捻くれちゃってるので、ストレートなヒロインが際立つ。
というか素直に可愛いしな・・・。どんどん主人公を好きになっちゃっていく感じとか。
でもアカン・・・これはガッツリ主人公に本気になっちゃうも、最終的にフラれちゃうタイプのポジションの女の子や・・・。
朝雛さんはかわいいしかわいそうだけれど、自分としてはまずクソ女であることが念頭にあるため上手いこと萌えられなかったりする。
その点、井上さんはいいな!まっさらな感じだ!めんどくさくない!
この扱いとかひどかったwそしてこれがまさか言い寄られるフラグになるとは・・・この主人公、冴えない面してけっこうなフラグ建築士ですよ。
ここですんなり不毛な恋をやめて井上さんに転がれたら楽なんだろうけど、どうせこの主人公のことだ、そうはできないんだろうな。
でも朝雛⇔吉田の関係に食い込んでくる第三者の登場は、きっと作品の空気を変えていく。
まぁ恐らく「井上さんもようこそ、このくそったれな泥沼へ!」展開だろうけれど。・・・みんなちゃんと幸せになれる未来なんて無さそう・・・。
それでも俺は井上さんがエロかわいい展開を楽しみにする!
・・・いやそこだけじゃなく、ストーリー全体がどう動いていくか予想できないので、普通に続きに期待しています。さらに盛り上がっていきそうな感じはすごくする。
しかしまーエロ漫画なのでやはりエロシーンが多い。
喜ばしいことですが、ストーリーは1冊の中でもっと動いて欲しかったな。はやく進んでくれー!ともどかしくさせられる面白さ。
吉田、朝雛のメイン2人がクセのあるキャラクターなぶん、一筋縄な物語にはならないはず。
2巻はしばらく先だそうですが、楽しみに待ちたいと思います。
ダークで生臭い、報われない恋の行方は。
吉田には先生をぶん殴っていただきたいんだけど、吉田がそんなこと出来るだろうか。1巻後半からは変わりつつある彼だけど、うーん。
『過ち、はじめまして。』1巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
エロティックな雰囲気に誘われたらハート持っていかれるインモラルラブストーリー。
[漫画]神様と人間のアツアツ夫婦『お嫁さんは神様です。』1巻
お嫁さんは神様です1 (マッグガーデンコミックスビーツシリーズ) (2012/11/14) 瀬川藤子 商品詳細を見る |
ともあれ今日も幸せです。
「お嫁さんは神様です。」1巻が発売されました。感想を書こう。
作者の瀬川藤子さんは「VIVO!」の連載もありましたが、こちらは受賞&デビュー作なんですね。受賞作を連載化したものがこの単行本。
清四郎とサクヤ、町でも評判の仲良し夫婦。しかし妻のサクヤにはとある秘密があります。まったりとした夫婦愛漫画。と同時に、ちょっとしたファンタジー要素が溶け込んでいて楽しい。
連載自分は「VIVO!」は未読なのですが、そちらも読みたくなったな。
まったりと心あたたまる、たまにちょっとトラブルが起きる。ちょっと賑やかな日常。
神様の人間の夫婦の日常って、どんなものだろう?
「結婚っていいもんです。」なんてあったかい帯文がまず象徴的ですね。
本当に心がポカポカしてくる、いい夫婦漫画ですよ。
これがただ恋人というだけなら色々不安になってしまう瞬間もちらほらこの1巻にも出てくるんですけど、「夫婦」という関係がすごく安心感をくれる。
お互いに想い合っているぬくもりが、ときどき言葉で、普段は何気ない空気の中に表れている。雰囲気のよさというのをしみじみと感じる作品でした。
まったりとした夫婦。けれど時々、強い愛情が溢れ出す。本当に大切なんだなぁと。
夫・清四郎さんも、普段から奥さんを大切にしているんだけど、サクヤがいつも全力でスキスキやってるから相対的におとなしく感じるw
でもいざとなれば照れることなく仕事をやってのける男。彼がいい仕事をするたびにサクヤさんが感動で目を潤ませる流れはもうかわいすぎるw
妻のサクヤさんはずーっと夫のこと好き好き言って行動しているので、好意がわかりやすいのも見てて楽しいです。
ストーリーは結婚してから始まります。しかし途中時々に挟まれる回想シーンがいちいちノスタルジックでいい味を出している・・・!なんてことのないように結婚前の話をしだりたりな。
思い出をいくつも積み重ねて、夫婦となった今がある。そのことをさりげなく示してくるあたり、またしてもニヤリとさせられるじゃないですか。
「お嫁さんは神様です」というこのタイトル。「お客様は神様」みたいな例えではなく、本当に本当の神様だったりします。お嫁さん、サクヤは「コノハナノヤクヤヒメ」という神様。
彼女だけでなくほかにも日本の神話に登場する神様たちが続々と。
神様はたまーに下界へ転生するようです。人間として生を受けた神様は、人間として生活をしていく。けれど神様時代の記憶は引継いでいる。神話のころの人間関係(神様関係?)をそのままいろんなトラブルが起きたりします。
とは言え神話の知識は必要ない。あくまでもメインは主人公夫婦。このかわいい夫婦を眺めてニヤニヤしていればそれでいいのです。神話は小ネタとして。作中で説明もはいるので置いてきぼりを食らうこともなかったです。そういう前世からの縁でいざこざが起こるのも面白い。
気に入ったのは第4話だなぁ。
清四郎の三つ子のお姉さんが活躍するお話。この最後のサクヤさんの満面の笑顔が素敵すぎる。「私たちにとってサクヤちゃんは救いの女神なのよ」というお姉ちゃんの言葉もね。
清四郎とサクヤが一緒になり、夫婦となった。そのことの深い意味が感じられます。
でまぁ、当事者の清四郎が「俺にはよくわからないけど」とこぼしてしまうこのちょっとした情けなさも可愛らしいポイント。男の知らないところで女たちが繋がってて、清四郎はちょっと蚊帳の外。それがいいんだ。
あとサクヤさんの姉のイワナガヒメさんもお気に入りだなぁ。
醜さが原因で男に捨てられた神様らしいのですが・・・いやいや、醜いどころか美しい。
ちょくちょく暗い一面が出ちゃう女の人なんですが、意中の相手に声をかけてもらえばすぐポワワとなってしまったり。恋に不得手なおっとりおねえちゃん。いやぁかわいいな!
神様時代のサクヤの夫、ニニギノミコトは現世では中学生の男の子。
こ憎たらしいやつなんだけど、子供ながらの可愛らしさも併せ持っています。
物語が進めば、もっと神様キャラが増えたりするのかな。
でも今くらいのキャラバランスがとても居心地よかったりもします。
みんな可愛らしいなぁ本当に。そしてぶっちぎりで可愛いのは、主人公夫婦です。
リラックスして楽しめる、爽やかでアマアマな夫婦愛漫画。ほっこりほっこり。
結婚前の2人とか、結婚式での2人とかも見てみたいなー。
『お嫁さんは神様です。』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
とってもかわいいお嫁さん。夫婦も周囲の人間たちもとても暖かい、甘々な作品です。
[漫画]スパルタで行くわよ!←火々里さんには難しいようです『ウィッチクラフトワークス』4巻
なんかラノベみたいな記事タイトルをつけた気がする。
私は鬼教官!!スパルタで行くわよ!
「ウィッチクラフトワークス」4巻が出ました。感想を。
今回のオビにも載っていましたが、アニメ化ですって!
まぁ今は、まだ4巻しか出ていなくても特別早いアニメ化だという印象にはならなくなりましたが(自分だけ?)、それでも思ったより早かったなーという印象。
アニメでうねる炎とかド派手な爆発とか、見てみたいですね。
でも1番見たいのはもちろん火々里さんなのは、ファンなら間違いないと思うんですが!
素直でクールで常に無表情デレでとっても素敵な火々里さんが動くの、楽しみです!
アニメ化への期待が膨らみますが、最新刊も火々里さんは相変わらずの大活躍。
けっこう入り組んだストーリーを把握するのをそっちのけにして火々里さんばかり見ている気はしますが・・・い、いいよね・・・!だって可愛いもんね・・・!
前巻→暴走ブラコン妹と、無敵クールなお姫様『ウィッチクラフトワークス』3巻
母娘対決!かざねさんと火々里さんのバトルから4巻スタート。
バトルの中で、主人公でありヒロインである多華宮くんの封印がとけ、スゴい魔法を使って苦しい戦況を抜け出したりします。おお、多華宮くんが活躍してる!
しかし封印がとけるのはマズいので、「これ異常、特殊な力を望んではいけない」と火々里さんから言いつけられます。で、根本的に彼を戦えるようにすべく、火々里さん流スパルタ特訓が始まったり・・・。
あらすじとして言葉にしてみると、ゆっくりですがストーリーは動いているんですよね。
この漫画を読んでる最中、俺がどれだけ多華宮くんと火々里さんのラブコメとして読んでいるかって話ですよ!というか他の要素が小ネタくらいの扱いな気がするんだけどなぁ・・・w
実際、本格派学園ファンタジーと言えるだけの練り込みがされているのです。魔法とかも、設定を見ればすごく作りこまれている。けれどそれがメインストーリーにがっつり影響してくることは少なくて、影響していても状況の把握が難しくなるってこともない。
ドラマの全てが多華宮くんと火々里さんに集約されているような感じ。
世界観を楽しみ味わうこともできる奥深さがあり、びっちり書き込まれた絵と相まって情報量はかなりぎっしり。でも本題(多華宮くんと火々里さんにもだもだする)にはあんまり影響ない!
この設定の贅沢な無駄づかい感(ひどい言い方だなこれ)も、ある種の笑いになってるかな。
くどくど小難しいことは置いといて、4巻の火々里さん~!(タイトルコール風)
火々里さん4巻でも様々なアプローチでぼくらの心をゆさぶるぞ!
「うおーかわいい!」とテンション上がったシーンを逐一あげて行ったらキリがなくクドくなってしまいそうですが。気に入ったシーンを順番に。
サービスしすぎだろ!ナース姿の火々里さんが登場しております。
俺は完全にエロい目で火々里さんを見ていますので、このピッチリした看護服の殺人的破壊力の打ちのめされるばかり。というか制服の上から着てるんですね。ナース服と制服のスカートの謎コンボ。
「多華宮くんともっと深く結びつきたい」とか言って、むりやり膝枕+耳かきはじめるところとか笑いましたね。自分でやっておいて緊張していつも以上に表情カタいわ仕草もおかしいわでぎこち無さすぎるw(ちなみにその後エネルギーかなにか溜まったようで輝き出す)
今日はスパルタでいく!と意気込んで特訓をはじめてみれば、すぐにこんな有様だったり。
スパルタでいくんじゃないのかよ!バトル中にでも滅多にこんな焦った表情しないだろ!
多華宮くんに厳しく接するってのは火々里さんには難しいと思うんだ・・・。
とは言えビルの上から突き落として試すってこともしてしまったり、ムチャな事はするんだな。
火々里さんがかわいいのって、読者視線からではもう多華宮くんのこと好きで好きで仕方ないのが見え見えなのに、それを言葉に表せず、かといって態度で示すにも力みが入ってぎこちなくて、不器用なところだなぁ。
それでいてこっそり自分の欲望に忠実で。
全然変わらないその無表情も、その裏にあるものを感じるとすごくかわいいw
あ、自分の欲望に忠実なのは火々里さんだけじゃなかったな。
思ったけど、この作品の女性キャラってマトモな人の方が少ない。
そんな「ウィッチクラフトワークス」4巻でした。
ほんとにねえ、多華宮くんを溺愛する火々里さんがかわいくて仕方ない。2人揃ってかわいい。
4巻の見どころといえばもう1つ、中学時代の火々里さんを描いた過去編があります。
現在と変わらぬ麗しさがこのころから!と驚きつつ、まだまだ初々しい様子がなんとも微笑ましい。
しかし多華宮くんと最初に出会った瞬間、苦しげな表情をしてお腹に手を当てていたのが気になるな。
表紙裏の設定集では火々里さんはお腹に傷があるようです。これはのちのちメインストーリーの中で触れられていく、重要な話にもなりそうですね。
日常から一気にスケールアップして魔法が炸裂するファンタジーの世界。
そのイキオイの良さや世界観の広がりの気持ちよさも好き。
日常とファンタジーが混在するにしても、その切り替わりが、ファンタジーが日常をブチ壊す様子が面白いですねえ。学園ファンタジーの1つの醍醐味でもあるのかな。
アニメ化についてですが、個人的にはもうちょっと眠らせていて欲しかったかなという思いも。
でもそういう話が出たからには、脳内はアニメになった魔女たちが止まらない。
なんだかんだでアニメとても楽しみです。もちろん次の5巻も。
そういえば掲載誌の「good!アフタヌーン」が月刊化するようですね。
となると単行本の発売ペースも変わるのかな。無理はしないで欲しいですが。
『ウィッチクラフトワークス』4巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
恐るべき安定度の主人公2人。いつまでもこの調子でいてほしいなぁ、ニヤニヤしていたい。
ウィッチクラフトワークス(4) (アフタヌーンKC) (2012/11/07) 水薙 竜 商品詳細を見る |
私は鬼教官!!スパルタで行くわよ!
「ウィッチクラフトワークス」4巻が出ました。感想を。
今回のオビにも載っていましたが、アニメ化ですって!
まぁ今は、まだ4巻しか出ていなくても特別早いアニメ化だという印象にはならなくなりましたが(自分だけ?)、それでも思ったより早かったなーという印象。
アニメでうねる炎とかド派手な爆発とか、見てみたいですね。
でも1番見たいのはもちろん火々里さんなのは、ファンなら間違いないと思うんですが!
素直でクールで常に無表情デレでとっても素敵な火々里さんが動くの、楽しみです!
アニメ化への期待が膨らみますが、最新刊も火々里さんは相変わらずの大活躍。
けっこう入り組んだストーリーを把握するのをそっちのけにして火々里さんばかり見ている気はしますが・・・い、いいよね・・・!だって可愛いもんね・・・!
前巻→暴走ブラコン妹と、無敵クールなお姫様『ウィッチクラフトワークス』3巻
母娘対決!かざねさんと火々里さんのバトルから4巻スタート。
バトルの中で、主人公でありヒロインである多華宮くんの封印がとけ、スゴい魔法を使って苦しい戦況を抜け出したりします。おお、多華宮くんが活躍してる!
しかし封印がとけるのはマズいので、「これ異常、特殊な力を望んではいけない」と火々里さんから言いつけられます。で、根本的に彼を戦えるようにすべく、火々里さん流スパルタ特訓が始まったり・・・。
あらすじとして言葉にしてみると、ゆっくりですがストーリーは動いているんですよね。
この漫画を読んでる最中、俺がどれだけ多華宮くんと火々里さんのラブコメとして読んでいるかって話ですよ!というか他の要素が小ネタくらいの扱いな気がするんだけどなぁ・・・w
実際、本格派学園ファンタジーと言えるだけの練り込みがされているのです。魔法とかも、設定を見ればすごく作りこまれている。けれどそれがメインストーリーにがっつり影響してくることは少なくて、影響していても状況の把握が難しくなるってこともない。
ドラマの全てが多華宮くんと火々里さんに集約されているような感じ。
世界観を楽しみ味わうこともできる奥深さがあり、びっちり書き込まれた絵と相まって情報量はかなりぎっしり。でも本題(多華宮くんと火々里さんにもだもだする)にはあんまり影響ない!
この設定の贅沢な無駄づかい感(ひどい言い方だなこれ)も、ある種の笑いになってるかな。
くどくど小難しいことは置いといて、4巻の火々里さん~!(タイトルコール風)
火々里さん4巻でも様々なアプローチでぼくらの心をゆさぶるぞ!
「うおーかわいい!」とテンション上がったシーンを逐一あげて行ったらキリがなくクドくなってしまいそうですが。気に入ったシーンを順番に。
サービスしすぎだろ!ナース姿の火々里さんが登場しております。
俺は完全にエロい目で火々里さんを見ていますので、このピッチリした看護服の殺人的破壊力の打ちのめされるばかり。というか制服の上から着てるんですね。ナース服と制服のスカートの謎コンボ。
「多華宮くんともっと深く結びつきたい」とか言って、むりやり膝枕+耳かきはじめるところとか笑いましたね。自分でやっておいて緊張していつも以上に表情カタいわ仕草もおかしいわでぎこち無さすぎるw(ちなみにその後エネルギーかなにか溜まったようで輝き出す)
今日はスパルタでいく!と意気込んで特訓をはじめてみれば、すぐにこんな有様だったり。
スパルタでいくんじゃないのかよ!バトル中にでも滅多にこんな焦った表情しないだろ!
多華宮くんに厳しく接するってのは火々里さんには難しいと思うんだ・・・。
とは言えビルの上から突き落として試すってこともしてしまったり、ムチャな事はするんだな。
火々里さんがかわいいのって、読者視線からではもう多華宮くんのこと好きで好きで仕方ないのが見え見えなのに、それを言葉に表せず、かといって態度で示すにも力みが入ってぎこちなくて、不器用なところだなぁ。
それでいてこっそり自分の欲望に忠実で。
全然変わらないその無表情も、その裏にあるものを感じるとすごくかわいいw
あ、自分の欲望に忠実なのは火々里さんだけじゃなかったな。
思ったけど、この作品の女性キャラってマトモな人の方が少ない。
そんな「ウィッチクラフトワークス」4巻でした。
ほんとにねえ、多華宮くんを溺愛する火々里さんがかわいくて仕方ない。2人揃ってかわいい。
4巻の見どころといえばもう1つ、中学時代の火々里さんを描いた過去編があります。
現在と変わらぬ麗しさがこのころから!と驚きつつ、まだまだ初々しい様子がなんとも微笑ましい。
しかし多華宮くんと最初に出会った瞬間、苦しげな表情をしてお腹に手を当てていたのが気になるな。
表紙裏の設定集では火々里さんはお腹に傷があるようです。これはのちのちメインストーリーの中で触れられていく、重要な話にもなりそうですね。
日常から一気にスケールアップして魔法が炸裂するファンタジーの世界。
そのイキオイの良さや世界観の広がりの気持ちよさも好き。
日常とファンタジーが混在するにしても、その切り替わりが、ファンタジーが日常をブチ壊す様子が面白いですねえ。学園ファンタジーの1つの醍醐味でもあるのかな。
アニメ化についてですが、個人的にはもうちょっと眠らせていて欲しかったかなという思いも。
でもそういう話が出たからには、脳内はアニメになった魔女たちが止まらない。
なんだかんだでアニメとても楽しみです。もちろん次の5巻も。
そういえば掲載誌の「good!アフタヌーン」が月刊化するようですね。
となると単行本の発売ペースも変わるのかな。無理はしないで欲しいですが。
『ウィッチクラフトワークス』4巻 ・・・・・・・・・・★★★☆
恐るべき安定度の主人公2人。いつまでもこの調子でいてほしいなぁ、ニヤニヤしていたい。