[漫画]胸の鐘の音を鳴らしてよ。『アオハル』0.99号
こわーれぇるーほーどーのー。青春の歌ですね。
せめて一生消えない 深い 深い 傷を
珍しく雑誌の感想でもやってみるかと。「アオハル」の最新号の感想です。
ヤングジャンプの増刊という立ち位置ですが、独自路線を行ってますよね。今回も溢れ出るコミティア臭に、「そうそうこれがアオハルだよね」と一人頷きましたよ。
どんな感じの雑誌かは公式HPで見てもらえれば。
今回も表紙がさわやかうつくしい。宇木敦哉さんのイラストはアオハルにぴったり。
0号、0.5号ときて、昨年のバレンタインデーとホワイトデーに「sweet」「bitter」を出し、しばらく期間を開けて今回の「0.99号」です。その間にアオハルオンラインとか始まりましたが。
にしても「0.99号」って。往生際が悪い!もうさっさと1号になっちゃえよ!というか、なんだかんだで大好きな雑誌なので定期になって欲しいんですが。
読み切り&描き下ろし41本収録ということでボリュームも充分。お腹いっぱいになれますな。雑誌ですけど読み切りばかりなので、今回から読んでもOKです。
載ってる漫画全部の感想を書くってのは難しいので、好きな作品をいくつかあげて感想を。
●シルヴァンドルと星屑ストライク/倉橋ユウス
「恋愛遊星」「ほしのうえでめぐる」といったスペーシーなドラマを描き続ける倉橋ユウス先生。アオハルオンラインでやっているシリーズの長編読み切りですね。
くすぶってる主人公のもとに、幼女みたいな宇宙人シルヴァンドルがやってくるストーリー。
こちらはスケールの大きさを感じさせてくれる少年漫画っぽいアツい雰囲気。ショートな作品が多いアオハルでは結構珍しいかな。そして巻頭に近いタイミングで掲載されているのはいい配置。
少年が殻をブチ破る展開と、微笑ましいラブコメ模様が楽しい佳作!以前までより絵の力強さというか、勢いのよさが加わっている気がします。
それと、素直になれない幼馴染女の子かわいいなー!
●ギブミーマネー/位置原光Z
お金目的にセックスしようぜと持ちかける女子高生。設定としてはエグいんだけど、そこは位置原先生らしいギャグのノリでいやらしさを感じさせない不思議w
あっけらかんと「あっそうだお父さん!あとでセックスしようね!」と満面の笑み。男たちからスルーされまくってもめげない!いいヒロインだなぁ。
●ひなちゃんは家族の事で悩んでいます/鈴木ニューフルーツ
うわーこれはバカ丸出しな変態漫画がきたぞ・・・!ぷにっとキュートなタッチで、だいぶ際どいマニアックな変態プレイの連続。息子と母親の恥じらい一切ぬきのアブノーマルイチャイチャっぷり!それをやめさせようと苦悩する長女も、だんだんとおかしくなっていくw 最終的には「これも家族の愛の形だよね!」と感動話っぽく丸め込んでしまう無茶苦茶なパワフルさで魅せる!
これは楽しいなー。怒涛のように変態ネタが来るのも、それでいてストーリーに波があってきっちり締まるのも上手い。これ一回きりで終わらせてしまう設定としては、あまりにも惜しい・・・!連載で読みたいな!
●すみっこのふたり/香魚子
地味系女子の微百合。儚げな香魚子さんの美麗な絵も、ほっと胸あたたまる優しいお話も、だいぶツボ。恋愛感情は伴なわない、あくまでも友情を描いたお話ですね。なんだかんだで一生続いていく関係のような気がします。
●制服魔法きいなちゃん/水あさと
魔法を使うたび服が消えていくという魔法少女の不幸を描いた日常コメディシリーズ。なにげにアオハルでも珍しい続きものですね。
いいねえ、こういうしょーもない日常コメディは!どうやっても少女の赤面を拝める設定は!いいキャラしてるお友達も増えましたしね。次が楽しみです。次いつ読めるのか知りませんけども・・・!
だんだんと服の面積が小さくなって、追い詰められていくヒロインが素晴らしい!
●鬼火の夜/TNSH
今回のアオハルでは、これが1番心に残りました。適度におふざけを入れつつも全体の印象としてはシリアス寄り。で、ガチで姉と弟の近親ネタに取り組んでもいます。
田舎の町。窮屈な空気。2人が生きる世界の雰囲気作りが抜群!冬のつめたさの中で切実な気持ちをぶつけ合うクライマックスなんか絶品ですよ!
踏み出せない。踏み込めない。彼らを致命的に近づけて離れなくして、そして最後までを許さない、その体に流れる同じ血。その葛藤が胸にズキズキと突き刺さります。
傷くらい…くれたっていいじゃない
ままならない現実と確かな想い。クライマックスには心がブルブル震えましたね。
胸を切なく熱くしてくれる、素晴らしい姉弟愛漫画でした。大好きだ・・・!
●夏音色/とめおにぎり
前に読んだ漫画が面白かったので個人的に期待している新人さん。素朴で淡いタッチがかもす雰囲気が心地いいのです。夏の爽やかさがすうッと胸に溶けこむ!
今回は季節の擬人化漫画かな。短いページの中でたっぷりの余韻。いいですね。
それにしても作者コメントでとめおにぎりさんが上げていたバンドが面白い。インディーズのJ-ROCKですなあ。俺も好きな範囲だからなんとなく嬉しい。キュウソネコカミはこれから来ると思います!キャブズは聞きたいんだけど近くのレンタルで仕入れてくれないんですよね。(もう漫画関係ない話してる
●餅巣菓さんに呼ばれる/イシデ電
連続シリーズ。ほのぼのした大人のラブコメ模様に心がホカホカするお話でした。
「わたくしが香田君に会うときに おしゃれをしない日など一日たりともありません!」のいっぱいいっぱいな文句がかわいすぎた・・・・・・。これもそのうち単行本化とかしてほしいですねえ。
●大きな森 小さな園/鈴木謙也
傑作「蝋燭姫」執筆したあとフェローズでしばらく姿を見なかった鈴木健也さんですが、アオハルにやってきました。ビックリ。でも意外と合っているかもな!
書き込まれた濃い目の世界観と、テンポいいセリフ回しが気持ちいい作家さんです。クセがあるタッチですが一度ハマるとこれがもう抜け出せない。
「蝋燭姫」は完全にファンタジーでしたが、今作は現代が舞台、女子高生が主人公。とだいぶ方向性が違います。雰囲気も明るいし、読みやすいなw
クールを気取っていながらかわいい服への憧れを持つ高森ちゃんがステキですわ。お調子者のチビッ子、福園ちゃんとの凸凹コンビっぷりも楽しい。女の子のかわいらしい部分をフィーチャーした、ニヤニヤできる漫画でしたね。もっと読みたい!
●ポリゴン彼女/タアモ
今「たいようのいえ」をやっているタアモさんの新作読み切り。ショートなのでオチありきの構成をしているのですが、それで綺麗にすべてまとまってる感ある面白い話。ネトゲのプレイヤーにガチで恋に落ちてしまった男ですが、実は・・・?という流れ。最初はおっおっいきなり百合ちゅっちゅきたぞ!?と慌てたんですがw
●彼女の恋/工藤シンイチ
素朴なタッチで毒をきかせるソリッドなお話。油断していただけに内容の禍々しさに思わず「やられた!」とうろたえまし。こういう不意打ち気味に襲いかかってくる構成の漫画は面白いなー!
ラストに添えられた煽り文のするどくセンスよくてドキッとした。「誰かの気持ちを解ろうなんてしないほうがいい」。
●きみ笑うなかれ/御徒町鳩
これも続きモノですが、今回は番外編みたいな。心近づく2人がいれば、人知れず散っていく恋がある。うわぁー、つらいつらい。でも清々しい気持ちになれる作品。告白をして玉砕もつらいけど、こういう静かに突きつけらる失恋も、胸がぎゅっとなりますわ。
この恋わらうなかれ。笑えるもんか。美しく切ない失恋のお話。
●kampfguppe kinderheim 孤児院戦闘団/山田穣
「がらくたストリート」の3巻はよ!な山田稔さんの新作読み切り。
第二次世界大戦中のドイツを舞台としたミリタリー色つよめな作品ですね。オッサンと子供たちが戦車に乗り込み、まったりしたりドンパチしたり。緊張感の緩急がたのしい漫画でした。ラストはスカッとするし!
戦闘を通じて子供たちがやたらイキイキしちゃうのもいいよね。戦争は大人の勝手だけど、子供がそれを楽しんじゃっている。歴史漫画にみられる政治的な描写はなく、ただ戦争に振り回され、でもはしゃいじゃう子供たちの姿を描いています。
扉絵に書いてあった「漫画界のケーニッヒス・ティーガー・山田穣」のなるほどわからん感もお気に入り。戦車らしいですけど。
●VS宇宙人/U-temo
ボーイミーツガールは宇宙人ミーツ天才科学者。こっそり地球にやってきていた宇宙人は、自分をじっと見つめてくるその少女を警戒していたのだけど・・・そのままラブコメへ突っ込んでいくッ!
ずっとむっとしていたヒロインがパッと花開くように赤面しちゃってそのまま激甘初々しいラブコメモードに突入していく様子がまたニヤニヤするのですよ!
「恋人は 手をつないで 帰るもんだ」のセリフのぎこちなさとか最高や・・・!
なにお前ら、かわいすぎません?
●泡沫、晴天、アスファルトワールド/五十嵐藍
散乱とした、いい意味でとりとめない内容。どこか夢の世界にいるかのような、ドリーミーな感触。乾いていてちょっとノスタルジックで。まぁつまりいつもの(特に最近の)五十嵐藍さんの漫画です。雑誌のクライマックスにあるのはピタッとはまりますね、こういう漫画は。さらりとした手触りで、心に不思議なひっかかりだけ残していく。好きだ。
●アナーキー・イン・ザ・JK/位置原光Z
位置原さんのおなじみJKたちの4コマ。なんの意味もなく非現実的で個性豊かすぎる女の子達。なんでさらっと単眼ちゃんがいるんだよってツッコミは過去に何度も心の中でしているので今さらどうでもいい些細な問題である。こいつら楽しいよなー、もっと読みたい。
●象の見る夢/道満晴明
エレファントマンことジョゼフ=メリックと、ロンドンのリシアルキラー、ジャック・ザ・リッパーのお話。アオハル0.99号のラストがこの漫画なんだなあ、いいな。なんとなくポエミーで、そして歪んでいる。独特の、ものさびしい読後感を残していってくれる漫画でした。
ジョゼフ=メリックに興味湧いたんでちょっと調べてみましたが、なるほど、彼はたしかに数奇な運命をたどったもんだ。
という感じで、気に入った漫画の感想でした。
ちゃんと全部読んで面白かったので全部の感想も書きたいもんだけど、やっぱ本数多くてキツいな。でも好きだなーアオハル。マニアックな執筆作家陣を眺めるだけでワクワクきてしまいますわ。「とっておきたくなる雑誌」を作ってくれてますしね。
次号予告?のところでは、2013年は春夏秋冬になにかあるようにほのめかしているような。4月1日に「アオハル新学期計画」が発表されるみたいなので、そこで今後の発売についてなにか知れるかな。
アオハル0.99号、おなかいっぱい味わいました。ごちそうさま!
もうすぐ0から1に届くよ。あと少し。あと0.01。
アオハル 0.99号 2013年 3/10号 [雑誌] (2013/02/01) 不明 商品詳細を見る |
せめて一生消えない 深い 深い 傷を
珍しく雑誌の感想でもやってみるかと。「アオハル」の最新号の感想です。
ヤングジャンプの増刊という立ち位置ですが、独自路線を行ってますよね。今回も溢れ出るコミティア臭に、「そうそうこれがアオハルだよね」と一人頷きましたよ。
どんな感じの雑誌かは公式HPで見てもらえれば。
今回も表紙がさわやかうつくしい。宇木敦哉さんのイラストはアオハルにぴったり。
0号、0.5号ときて、昨年のバレンタインデーとホワイトデーに「sweet」「bitter」を出し、しばらく期間を開けて今回の「0.99号」です。その間にアオハルオンラインとか始まりましたが。
にしても「0.99号」って。往生際が悪い!もうさっさと1号になっちゃえよ!というか、なんだかんだで大好きな雑誌なので定期になって欲しいんですが。
読み切り&描き下ろし41本収録ということでボリュームも充分。お腹いっぱいになれますな。雑誌ですけど読み切りばかりなので、今回から読んでもOKです。
載ってる漫画全部の感想を書くってのは難しいので、好きな作品をいくつかあげて感想を。
●シルヴァンドルと星屑ストライク/倉橋ユウス
「恋愛遊星」「ほしのうえでめぐる」といったスペーシーなドラマを描き続ける倉橋ユウス先生。アオハルオンラインでやっているシリーズの長編読み切りですね。
くすぶってる主人公のもとに、幼女みたいな宇宙人シルヴァンドルがやってくるストーリー。
こちらはスケールの大きさを感じさせてくれる少年漫画っぽいアツい雰囲気。ショートな作品が多いアオハルでは結構珍しいかな。そして巻頭に近いタイミングで掲載されているのはいい配置。
少年が殻をブチ破る展開と、微笑ましいラブコメ模様が楽しい佳作!以前までより絵の力強さというか、勢いのよさが加わっている気がします。
それと、素直になれない幼馴染女の子かわいいなー!
●ギブミーマネー/位置原光Z
お金目的にセックスしようぜと持ちかける女子高生。設定としてはエグいんだけど、そこは位置原先生らしいギャグのノリでいやらしさを感じさせない不思議w
あっけらかんと「あっそうだお父さん!あとでセックスしようね!」と満面の笑み。男たちからスルーされまくってもめげない!いいヒロインだなぁ。
●ひなちゃんは家族の事で悩んでいます/鈴木ニューフルーツ
うわーこれはバカ丸出しな変態漫画がきたぞ・・・!ぷにっとキュートなタッチで、だいぶ際どいマニアックな変態プレイの連続。息子と母親の恥じらい一切ぬきのアブノーマルイチャイチャっぷり!それをやめさせようと苦悩する長女も、だんだんとおかしくなっていくw 最終的には「これも家族の愛の形だよね!」と感動話っぽく丸め込んでしまう無茶苦茶なパワフルさで魅せる!
これは楽しいなー。怒涛のように変態ネタが来るのも、それでいてストーリーに波があってきっちり締まるのも上手い。これ一回きりで終わらせてしまう設定としては、あまりにも惜しい・・・!連載で読みたいな!
●すみっこのふたり/香魚子
地味系女子の微百合。儚げな香魚子さんの美麗な絵も、ほっと胸あたたまる優しいお話も、だいぶツボ。恋愛感情は伴なわない、あくまでも友情を描いたお話ですね。なんだかんだで一生続いていく関係のような気がします。
●制服魔法きいなちゃん/水あさと
魔法を使うたび服が消えていくという魔法少女の不幸を描いた日常コメディシリーズ。なにげにアオハルでも珍しい続きものですね。
いいねえ、こういうしょーもない日常コメディは!どうやっても少女の赤面を拝める設定は!いいキャラしてるお友達も増えましたしね。次が楽しみです。次いつ読めるのか知りませんけども・・・!
だんだんと服の面積が小さくなって、追い詰められていくヒロインが素晴らしい!
●鬼火の夜/TNSH
今回のアオハルでは、これが1番心に残りました。適度におふざけを入れつつも全体の印象としてはシリアス寄り。で、ガチで姉と弟の近親ネタに取り組んでもいます。
田舎の町。窮屈な空気。2人が生きる世界の雰囲気作りが抜群!冬のつめたさの中で切実な気持ちをぶつけ合うクライマックスなんか絶品ですよ!
踏み出せない。踏み込めない。彼らを致命的に近づけて離れなくして、そして最後までを許さない、その体に流れる同じ血。その葛藤が胸にズキズキと突き刺さります。
傷くらい…くれたっていいじゃない
ままならない現実と確かな想い。クライマックスには心がブルブル震えましたね。
胸を切なく熱くしてくれる、素晴らしい姉弟愛漫画でした。大好きだ・・・!
●夏音色/とめおにぎり
前に読んだ漫画が面白かったので個人的に期待している新人さん。素朴で淡いタッチがかもす雰囲気が心地いいのです。夏の爽やかさがすうッと胸に溶けこむ!
今回は季節の擬人化漫画かな。短いページの中でたっぷりの余韻。いいですね。
それにしても作者コメントでとめおにぎりさんが上げていたバンドが面白い。インディーズのJ-ROCKですなあ。俺も好きな範囲だからなんとなく嬉しい。キュウソネコカミはこれから来ると思います!キャブズは聞きたいんだけど近くのレンタルで仕入れてくれないんですよね。(もう漫画関係ない話してる
●餅巣菓さんに呼ばれる/イシデ電
連続シリーズ。ほのぼのした大人のラブコメ模様に心がホカホカするお話でした。
「わたくしが香田君に会うときに おしゃれをしない日など一日たりともありません!」のいっぱいいっぱいな文句がかわいすぎた・・・・・・。これもそのうち単行本化とかしてほしいですねえ。
●大きな森 小さな園/鈴木謙也
傑作「蝋燭姫」執筆したあとフェローズでしばらく姿を見なかった鈴木健也さんですが、アオハルにやってきました。ビックリ。でも意外と合っているかもな!
書き込まれた濃い目の世界観と、テンポいいセリフ回しが気持ちいい作家さんです。クセがあるタッチですが一度ハマるとこれがもう抜け出せない。
「蝋燭姫」は完全にファンタジーでしたが、今作は現代が舞台、女子高生が主人公。とだいぶ方向性が違います。雰囲気も明るいし、読みやすいなw
クールを気取っていながらかわいい服への憧れを持つ高森ちゃんがステキですわ。お調子者のチビッ子、福園ちゃんとの凸凹コンビっぷりも楽しい。女の子のかわいらしい部分をフィーチャーした、ニヤニヤできる漫画でしたね。もっと読みたい!
●ポリゴン彼女/タアモ
今「たいようのいえ」をやっているタアモさんの新作読み切り。ショートなのでオチありきの構成をしているのですが、それで綺麗にすべてまとまってる感ある面白い話。ネトゲのプレイヤーにガチで恋に落ちてしまった男ですが、実は・・・?という流れ。最初はおっおっいきなり百合ちゅっちゅきたぞ!?と慌てたんですがw
●彼女の恋/工藤シンイチ
素朴なタッチで毒をきかせるソリッドなお話。油断していただけに内容の禍々しさに思わず「やられた!」とうろたえまし。こういう不意打ち気味に襲いかかってくる構成の漫画は面白いなー!
ラストに添えられた煽り文のするどくセンスよくてドキッとした。「誰かの気持ちを解ろうなんてしないほうがいい」。
●きみ笑うなかれ/御徒町鳩
これも続きモノですが、今回は番外編みたいな。心近づく2人がいれば、人知れず散っていく恋がある。うわぁー、つらいつらい。でも清々しい気持ちになれる作品。告白をして玉砕もつらいけど、こういう静かに突きつけらる失恋も、胸がぎゅっとなりますわ。
この恋わらうなかれ。笑えるもんか。美しく切ない失恋のお話。
●kampfguppe kinderheim 孤児院戦闘団/山田穣
「がらくたストリート」の3巻はよ!な山田稔さんの新作読み切り。
第二次世界大戦中のドイツを舞台としたミリタリー色つよめな作品ですね。オッサンと子供たちが戦車に乗り込み、まったりしたりドンパチしたり。緊張感の緩急がたのしい漫画でした。ラストはスカッとするし!
戦闘を通じて子供たちがやたらイキイキしちゃうのもいいよね。戦争は大人の勝手だけど、子供がそれを楽しんじゃっている。歴史漫画にみられる政治的な描写はなく、ただ戦争に振り回され、でもはしゃいじゃう子供たちの姿を描いています。
扉絵に書いてあった「漫画界のケーニッヒス・ティーガー・山田穣」のなるほどわからん感もお気に入り。戦車らしいですけど。
●VS宇宙人/U-temo
ボーイミーツガールは宇宙人ミーツ天才科学者。こっそり地球にやってきていた宇宙人は、自分をじっと見つめてくるその少女を警戒していたのだけど・・・そのままラブコメへ突っ込んでいくッ!
ずっとむっとしていたヒロインがパッと花開くように赤面しちゃってそのまま激甘初々しいラブコメモードに突入していく様子がまたニヤニヤするのですよ!
「恋人は 手をつないで 帰るもんだ」のセリフのぎこちなさとか最高や・・・!
なにお前ら、かわいすぎません?
●泡沫、晴天、アスファルトワールド/五十嵐藍
散乱とした、いい意味でとりとめない内容。どこか夢の世界にいるかのような、ドリーミーな感触。乾いていてちょっとノスタルジックで。まぁつまりいつもの(特に最近の)五十嵐藍さんの漫画です。雑誌のクライマックスにあるのはピタッとはまりますね、こういう漫画は。さらりとした手触りで、心に不思議なひっかかりだけ残していく。好きだ。
●アナーキー・イン・ザ・JK/位置原光Z
位置原さんのおなじみJKたちの4コマ。なんの意味もなく非現実的で個性豊かすぎる女の子達。なんでさらっと単眼ちゃんがいるんだよってツッコミは過去に何度も心の中でしているので今さらどうでもいい些細な問題である。こいつら楽しいよなー、もっと読みたい。
●象の見る夢/道満晴明
エレファントマンことジョゼフ=メリックと、ロンドンのリシアルキラー、ジャック・ザ・リッパーのお話。アオハル0.99号のラストがこの漫画なんだなあ、いいな。なんとなくポエミーで、そして歪んでいる。独特の、ものさびしい読後感を残していってくれる漫画でした。
ジョゼフ=メリックに興味湧いたんでちょっと調べてみましたが、なるほど、彼はたしかに数奇な運命をたどったもんだ。
という感じで、気に入った漫画の感想でした。
ちゃんと全部読んで面白かったので全部の感想も書きたいもんだけど、やっぱ本数多くてキツいな。でも好きだなーアオハル。マニアックな執筆作家陣を眺めるだけでワクワクきてしまいますわ。「とっておきたくなる雑誌」を作ってくれてますしね。
次号予告?のところでは、2013年は春夏秋冬になにかあるようにほのめかしているような。4月1日に「アオハル新学期計画」が発表されるみたいなので、そこで今後の発売についてなにか知れるかな。
アオハル0.99号、おなかいっぱい味わいました。ごちそうさま!
もうすぐ0から1に届くよ。あと少し。あと0.01。
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誤字修正しました。失礼しました…!
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