[漫画]今日も明日も楽しくゾンビライフ!『りびんぐでっど!』2巻
フォトカノが止まらない・・・。セクハラ写真撮るの楽しいですフヘヘ
せっかくおばさんが着付けてくれたんだから、見てくれないと悲しいよ・・・
「りびんぐでっど!」2巻が出ましたよ!
少年チャンピオンにて連載中でいつも楽しみにしているのですが、単行本で一気読みするとさらに頭がバカになる感じがしてステキです。
今回も1話完結型を貫き、ゾンビ少女をめぐるカオスな日常を描くコメディになっています。
そういえばこのアマゾンの書影、実物と色合いがちょっと違いますね。ゾンビ感マシ。
→ゾンビなあのコと色々あぶない同棲生活『りびんぐでっど!』1巻
あっさりぽっくり逝っちゃった女子高生・灰田もなこはゾンビとして復活。
ソンビ化した彼女がなりゆきで同居することになった圭太は、生前からもなこに思い寄せていました。同居となれば嬉し恥ずかしなイベントも盛りだくさんだろう・・・と思いきやそうはいかず。
みんながみんなボケボケなこの世界じゃ、ドキドキするにしても別ベクトルなのですよ!
これはひどい・・・。メインヒロインがコレかよ!
このもなこちゃんゾンビなので不死身なのですが、とにかくとにかく体がモロい。
毎回のように腕も脚も色々ともげてしまうので、冷静に考えてみればとてつもなくグロテスクな光景ですよ!でもあまりにもあっけらかんともげるし悲壮感も痛みも0も無いので笑えるw
この作品はグロいはずなのにほのぼのした空気が充満しているんですよね。
それはどこか間の抜けた独特のセリフ回しだったり、ボケボケなメインキャラ達だったり、散りばめられた小ネタだったり、全体からゆる~い雰囲気が漂う。でもギャグの勢いはよくて。
「スッポンエキス」ってどんな擬音ww遊んでるなあ。
そして取れたパーツはボンドで接着。適当すぎだろ!!
明らかにツッコミ役が足りてないこのお話は、読んでてついつい自分でツッコんでしまいます。
この2巻ではもなこのバイト先の男の子・緑川くんが新たに介入してきて
ラブコメ的にも新たな動きを見せるようになり、更に賑やかになりました。
圭太のことを自分を狙うホモだと勘違いするのですが、加えてもなこと倒れこみながらイチャつく(ように緑川は見えた)ところを目撃した彼の脳内で圭太がどれほどの変態になっているか心配です。女も男もいけちゃう上にやたら手が出るのが早い危険人物だと思われてるよ!
それと2巻を読んで思ったのは、圭太ママの滲み出るエロスたまんないな!
とても圭太の母親とは思えないけれど少女ではないむっちり感とか、あのほんわかしてて天然ボケMAXなところとか、でも包容力もすさまじい所とかいいですねえ。
ダイエットを頑張る話などでも、ママさんの屈託ない笑顔に癒されてしまうのは仕方なし。
2巻はかわいいママさんから幕を開けることですし、影の主役と言っても過言ではない。
と色々楽しめたわけですが、もなこの解体されっぷりも当然注目どころ。
もはや毎話のノルマのように体がとれちゃう彼女ですが、体が縦に真っ二つになって左右がケンカしてバラバラに歩いていっちゃうエピソードではさすがに狂気を感じましたよ。
なんちゅう絵面だ・・・!でもこれがすごく面白いんだw
左右まっぷたつになってしまったもなこは外にまで出て行ってしまうのですが、どうやって一般市民の目をごまかすのか!どう考えてもムチャなのにそれが通じちゃうあほっぷりがまた。
でもそんなバカ丸出しなもなこちゃんの突き抜けた明るさがかわいい!
非常に散らかった感想になってしまいまいましたが「りびんぐでっど!」2巻でした。
1巻から引き続きメチャクチャ可愛いこの2巻表紙。絵のかわいらいさは本編でももちろん発揮されていますし、コメディとしてもほんわかラブコメ的にも合っています。
1話完結ということで自分のペースに合わせて読めますし、繰り返して読んだりもしやすい。
この調子でまったりと続いて欲しい作品ですねえ。
なんだかこの「ほんわかグロかわいい」感じ、クセになってしまいます。
ネタキャラっぽいですけど、間違いなく、もなこはかわいい女の子です。
『りびんぐでっど!』2巻 ・・・・・・・・・・・★★★★
おとぼけなゾンビコメディー第2巻。脱力しながら楽しめる作品ですね。
りびんぐでっど! 2 (少年チャンピオン・コミックス) (2012/02/08) さと 商品詳細を見る |
せっかくおばさんが着付けてくれたんだから、見てくれないと悲しいよ・・・
「りびんぐでっど!」2巻が出ましたよ!
少年チャンピオンにて連載中でいつも楽しみにしているのですが、単行本で一気読みするとさらに頭がバカになる感じがしてステキです。
今回も1話完結型を貫き、ゾンビ少女をめぐるカオスな日常を描くコメディになっています。
そういえばこのアマゾンの書影、実物と色合いがちょっと違いますね。ゾンビ感マシ。
→ゾンビなあのコと色々あぶない同棲生活『りびんぐでっど!』1巻
あっさりぽっくり逝っちゃった女子高生・灰田もなこはゾンビとして復活。
ソンビ化した彼女がなりゆきで同居することになった圭太は、生前からもなこに思い寄せていました。同居となれば嬉し恥ずかしなイベントも盛りだくさんだろう・・・と思いきやそうはいかず。
みんながみんなボケボケなこの世界じゃ、ドキドキするにしても別ベクトルなのですよ!
これはひどい・・・。メインヒロインがコレかよ!
このもなこちゃんゾンビなので不死身なのですが、とにかくとにかく体がモロい。
毎回のように腕も脚も色々ともげてしまうので、冷静に考えてみればとてつもなくグロテスクな光景ですよ!でもあまりにもあっけらかんともげるし悲壮感も痛みも0も無いので笑えるw
この作品はグロいはずなのにほのぼのした空気が充満しているんですよね。
それはどこか間の抜けた独特のセリフ回しだったり、ボケボケなメインキャラ達だったり、散りばめられた小ネタだったり、全体からゆる~い雰囲気が漂う。でもギャグの勢いはよくて。
「スッポンエキス」ってどんな擬音ww遊んでるなあ。
そして取れたパーツはボンドで接着。適当すぎだろ!!
明らかにツッコミ役が足りてないこのお話は、読んでてついつい自分でツッコんでしまいます。
この2巻ではもなこのバイト先の男の子・緑川くんが新たに介入してきて
ラブコメ的にも新たな動きを見せるようになり、更に賑やかになりました。
圭太のことを自分を狙うホモだと勘違いするのですが、加えてもなこと倒れこみながらイチャつく(ように緑川は見えた)ところを目撃した彼の脳内で圭太がどれほどの変態になっているか心配です。女も男もいけちゃう上にやたら手が出るのが早い危険人物だと思われてるよ!
それと2巻を読んで思ったのは、圭太ママの滲み出るエロスたまんないな!
とても圭太の母親とは思えないけれど少女ではないむっちり感とか、あのほんわかしてて天然ボケMAXなところとか、でも包容力もすさまじい所とかいいですねえ。
ダイエットを頑張る話などでも、ママさんの屈託ない笑顔に癒されてしまうのは仕方なし。
2巻はかわいいママさんから幕を開けることですし、影の主役と言っても過言ではない。
と色々楽しめたわけですが、もなこの解体されっぷりも当然注目どころ。
もはや毎話のノルマのように体がとれちゃう彼女ですが、体が縦に真っ二つになって左右がケンカしてバラバラに歩いていっちゃうエピソードではさすがに狂気を感じましたよ。
なんちゅう絵面だ・・・!でもこれがすごく面白いんだw
左右まっぷたつになってしまったもなこは外にまで出て行ってしまうのですが、どうやって一般市民の目をごまかすのか!どう考えてもムチャなのにそれが通じちゃうあほっぷりがまた。
でもそんなバカ丸出しなもなこちゃんの突き抜けた明るさがかわいい!
非常に散らかった感想になってしまいまいましたが「りびんぐでっど!」2巻でした。
1巻から引き続きメチャクチャ可愛いこの2巻表紙。絵のかわいらいさは本編でももちろん発揮されていますし、コメディとしてもほんわかラブコメ的にも合っています。
1話完結ということで自分のペースに合わせて読めますし、繰り返して読んだりもしやすい。
この調子でまったりと続いて欲しい作品ですねえ。
なんだかこの「ほんわかグロかわいい」感じ、クセになってしまいます。
ネタキャラっぽいですけど、間違いなく、もなこはかわいい女の子です。
『りびんぐでっど!』2巻 ・・・・・・・・・・・★★★★
おとぼけなゾンビコメディー第2巻。脱力しながら楽しめる作品ですね。
[漫画]色とりどりな世界のお伽話たち 『夜盗姫』
夜盗姫 (2012/01/31) 水谷 フーカ 商品詳細を見る |
笑って?ロチェ
水谷フーカ先生の「夜盗姫」が出ていたので読了。
司書房からかつて発売したものの絶版となってしまった同名のコミックスの新装版です。
とは言え単純に復刊したものではなく、「ひかり」「手紙吹雪」といった前回には収録されていたなかった作品を追加。さらに以前楽園から出た「GAME OVER」の番外編まで書き下ろされた一冊!
あとがきでも触れられていましたが、実に8年もの時をかける一冊になっていますw
タイトルからは多分わかりませんが、本作は短篇集。ページ数にサはありますが全部で7作。今回は特にお気に入りな作品を個別感想。
●夜盗姫
表題作。本書で最も古くに描かれたもので、確かに今見れば絵も違っていますが、大きな違和感があるものではなく、内容は水谷フーカ先生らしさがすでに感じられるもの。
ファンタジー色の強い舞台設定で、まるでお伽話のような雰囲気を出しています。
とある楽団に所属するカヤは夜盗姫を担当する少年。しかし突然に夜盗姫をクビにされてしまい、次の担当予定の女の子もやってくる。納得がいかないカヤに更に魔の手が迫り・・・。
物語の流れはごく結構シンプルなものですが、特にクライマックスのシーンが好き。
これまでの全てが集約される、神秘的なのに力強さもある不思議な感覚を味わわせてくれる場面。サイレントで雰囲気だけで説得力を持たせてある。いいなぁ。読者も魅せられる。
姫とつくのに主人公は男の子だったり、倒錯的な要素もありニヤリとさせられます。しかし水谷先生の作品は中性的な雰囲気が強いので違和感もまるでありません。
踊りで夜を盗んでしまう子供。そのモチーフもいいですね。
●雪花
雪の国を舞台に男の子と女の子を描く短編。
ボーイミーツガールの王道を行くようなストーリーが展開します。
ただ単純に子供たちの世界だけで進行はせず、理不尽な理由を振りかざす大人たちも登場し、彼らとの対決?も見所でしょうか。まぁピリッと緊張感が効いた部分もあるということです。
でも悪役さんたちも、なんだか憎めない感じなんですよねw
さて「夜盗姫」でもそうでしたが、この作品もクライマックスにあたるシーンが素晴らしい。
カラーページが挿入されて豪華。効果的なカラーの使い方をしてくれているのです。
これまで雪だらけのまっ白な背景だったからこそ、そこに芽吹いた鮮やかな生命が活きる。
個人的に水谷先生の水彩イラストが好きなので、それが効果的にストーリーの中に組み込まれた本作はそれだけでなんだか楽しいというか。
●ひかり
ごくごく短いお話。お話というか、プロローグだけ切り取ったような感じか。
世界観から感じられるムードの心地よさというのが、水谷先生の作品の大きな魅力だと思っているのですが、本作はまさにそれをフィーチャーしたような作品です。
たった5ページ。遠く離れた男子校と女子高の生徒たちが、鏡に光を反射させて遊ぶ。
それだけの内容なのに、いやだからこそか、何度でも手軽に読めてしまって、その度に胸の奥をキュンとさせてくれる作品です。きっとこれから何かが始まる、そんな予感。
同人ならでは遊び心もあって、全て鉛筆で描かれてます。このコミティア感もいい・・・!
●GAME OVER
まさかまたこの作品の新作が読めるなんて!
翔太が高校生の時を描いた番外編で、今度は電車の中が舞台。
朱美と翔太は新しいゲームを始めてるようですが、それがどんな事態を巻き起こすのか。
たっぷりとニマニマすることができる、幸せなエピソードになっているのです!
かわいいなあああもう!
年上なのに守られて顔をまっかにしてる朱美さんにときめく!
ちょこんと隣に座った翔太も、ほんのり頬を赤らめて。
単行本「GAME OVER」でこの2人が気に入った人は必見と言えるのではないでしょうか。
2人の恋の新たなワンシーンを垣間見れる、実に微笑ましい番外編でしたね!
4作を紹介しましたが、他の作品もかなり楽しめました。
特に「手紙吹雪」は過去の水谷フーカ先生の作品を顧みても珍しいBL。
BLとは言っても、恋愛感情とも行かないような淡い想いを「とけて消えずに残るだろう」と受け止める、爽やかな情景が印象的。男性でも抵抗なく読めるはず。ラブレターが散り散りの空を舞うシーンはロマンチックですね。
そうそう、単行本カバーをはずすとと絶版された前のカバーが印刷されてます。
今回から追加された作品群の質もいいためファンなら見逃せないでしょう。
前回の単行本を持ってる人も持っていない人も嬉しい一冊になっているのです。
異世界を舞台にしたファンタジックなものから現代劇まで、紡がれる彩り豊かな物語たち。
それらを一気に楽しむことができ、水谷先生の過去から現在までをも同時に体験できる単行本です。
『夜盗姫』 ・・・・・・・・・★★★☆
やや値段は高め。しかしファンなら見逃せない1冊になってること間違いなし!
[漫画]「好きだから」の先にあるもの 『ロング&ビューチフルライフ』
ロング&ビューチフル ライフ (Cannna Comics) (2011/11/25) 山田 酉子 商品詳細を見る |
あれは 叶うかもしれない恋だったのか
大好きな山田酉子先生の一番新しい単行本「ロング&ビューチフルライフ」。
この作家さんには去年の冬に「女の子のすべて」で出会って以降すっかり惚れ込んでしまい、BL単行本だろうと買うようになってしまったわけですが、今回も相変わらずりんりんと心震わせてくれます。
本作も女性向けのBL作品。とは言ってもこれ男性でも読みやすいんじゃないかと。がっつり生々しい性描写は無いです。しかしシャープに心をえぐるような静かな牙を、あるいは穏やかな毒を秘めた作品。作品に影響されてポエミーになっててやや恥ずかし。
短篇集のコミックスで、3つの物語を収録。個別感想行きます。
●ロング&ビューチフルライフ
表題作は女装趣味を持っていた少年とその恋人、そして2人を見守る1人の少年のお話。
男だらけとは言え三角関係モノ!しかしドロドロとはしてはいませんね。・・・いやドロドロしてないのとは言え作中ではいがみ合っていたりしてるか。見せ方の問題で。
そんな中にとあるお爺さんとお婆さんのかつての恋が絡まります。タイトルのレトロな響きはこれにちなんだもので、内容もどこか懐かしい趣も感じられる恋愛物語となっている、と同時に、過去と現代を結ぶ1つの切ないお話を紡ぎ上げるものとなっています。
傲慢で、不安定で、ずるくて、不誠実で・・・。
そんな風に、むしろ恋の切なかったり辛い部分をフィーチャーした内容であるにも関わらず、描き方がとてもソフト。先にも言いましたが、状況とは裏腹に雰囲気は何故だか優しげ。
優しげにこういうことを描くからこそ残酷でもあるのですが、この飲み込みやすさは凄い。
色々と好きなシーンはあるのですが、興奮するのは終盤。上のシーンからの一連の流れ。
物語が一段落したあとにやってくるこの幸福感たっぷりなやりとりには、思わず頬も緩んでしまうというものです。
主人公は「オレはおまえなんか好きにならない。絶対に。」と言い放ちますが、・・・ああもう、この続きの言葉が!なんて行き当たりばったりなような、予定調和なような。ふわふわした部分を残しつつ、恋愛をとても楽しんでいる彼らの姿に、良い読後感をもらいました。
欲深さと卑怯な一面を、とびきりキュートに軽やかに描くラストシーンなのです。
非常にしなやかに感情の起伏を追っていく作品で、その締め方も印象に残りますね。
様々な感情がふんわりデコレートされてるような、切なくも陽気で心地いい物語。
●みずたま
いつも水玉な服を来たストーカー少年をめぐるお話。
ストーカーに悩まされるチリくんと、彼の幼なじみで理解者でもある遠目くん。2人はついにストーカー少年に接近しますが、当然ながらその少年はチリくんに恋心を持っていて・・・と。
メインの男性キャラは3人ですがこちらは三角関係ではないですね。恋愛と、それとは別の感情もろもろが複雑に絡み合ったちょっと奇妙な構図。面白いです。
こちらも飄々とした雰囲気の中ストーリーが進んでいくのですが、
しかしキャラクターの感情はガンガンこっちに押し寄せてきてズキズキ来ます。
特にチリくんと遠目くんは、モノローグを通じてささいなすれ違い感じられ、いちいちグッとくる。
遠目くんの前では本当にいい子なチリくんですが、独白では彼の本当の思いが明かされます。
「少なくともオレよりはイイ奴」「だから俺なんかにもいつまでも優しいの」などの自虐はドキッとしましたね。
しかし1番の驚きは「ちょっとくらい傷つけばいいよ 遠ちゃんなんて」と毒づいたこと。
チリと遠目の関係は不思議で、互いに好意を寄せて、それをきっと自覚していて、だからこそチリくんにはいたずら心というか、裏切ってやりたいちょっぴりの嗜虐心が芽生えもする。でもそれは多分「自分から解放されて欲しい」という思いの裏返しでもあるみたい。…それも自虐か。
キャラの機微を非常に丁寧につづられていくのが素晴らしいですね。
この作家さんの作品にはどれにも言えそうな気がしますが、この作品は特に「関係の移り変わり」に恋愛を重ねて重視しているので、より繊細さを感じたのかも知れません。
また、珍しく登場した女性キャラ・遠目くんの彼女さんがたまらんです。
可愛らしくもあり、成熟したエロさも香らせる女の子なのですが、
女性の立場から男同士の関係(恋愛含む)に見解を示し、作品全体をあるべき姿に導こうとしてくれる面白いポジション。
本当は切ない立ち位置にあるはずなのに、彼女は自分の想い人の気持ちに、とにかく力強い肯定と言葉を与えるのです。ちなみにこれを読んで自分は彼女付き男が男に揺らいじゃう系ストーリーもいいなぁ(彼女さんが切ないのですがそれも良い)とか実にどうでもいいことを思ったのですが、これは別に彼女さんがフラれるワケではないのでスッキリしています。遠目くんとのやり取りは甘さたっぷり。
彼女さんはマジできる女の子。恋を知り尽くすはやはり女の子、かなぁ。
成就と失恋を描いた、清々しくもあり切なくもありなお話でした。
●熱帯雨林の夜/森林浴
2人の男の子が共通して登場するシリーズ。高校時代と、社会人になってから。
全2作も間違いなく切ないお話だったのですが、どこかで癒しのある内容でした。
しかしこの話は違いますね。心がヒリヒリするような行き場のない恋。
タイトルやモチーフにもなった「熱帯雨林」からイメージされる風景とは異なり、ここではかなりドライで淡々としたお話が繰り広げられるのです。
主人公のキャラクターがいいですね。彼が作品のいい雰囲気を作り出している。
彼は恋に熱狂することはない。
ただ静かに穏やかに自分の中の恋を見つめ、育み、愛する。あるいは逃げたりして。
臆病な自分を嫌いつつも、おっかなびっくりその恋に向きあおうとしている。
この一説で鮮やかに締めくくられる「熱帯雨林の夜」はもう絶品!江上の肌の下の見えない水脈から
いずれ溢れ出る
その汗のたった一滴さえも
好きなのだ
このモノローグがとにかく心に響く。好きだからこそ、まっすぐ前を向くこともできないけれど、でも何もかもが好きなくらいに好きになってしまった。
ストーリーで言えばこの続きが欲しいはずの場面で、あっさりと終わってしまう。迫ってきた切なさを消化することも出来ずどこかへ放り投げられた気分になりましたよ。すごいセンス。全然すっきりしないのに、あまりにもスマートにキメられてしまうものだから、もう納得せざるを得ない。うまいことこの作品に乗せられちゃったなと感じた瞬間です。
ここから逃げ出したいのに手放せない恋心。行き場のない思いを抱える辛さ。
すごい息苦しさ。カラカラに喉が乾いてしまいそうです。
そして後編へと続くのですが、さて2人はどんなことになるのか。
このシリーズはとにかく全体を覆う雰囲気がめちゃくちゃに魅力的。
多彩な恋愛を描くこの短篇集において、この作品はかなりいい存在感を放っています。
生々しい描写もありますが、なによりもバカみたいにロマンティックなのだ。
そんな短篇集「ロング&ビューチフルライフ」。
なんでしょうね。この雰囲気の良さは。
ザクザクと人の心をえぐっといて、平然とすまし顔を続けてる、そんな作品。
ひだまりにいるような暖かさと、どうしようもない切なさを、オシャレな世界に閉じ込めてしまっています。でも当然オシャレなだけじゃない。
山田酉子先生がみせるサディスティックなストーリーは切れ味鋭く、切られたそこからどんどんと感情が溢れでてくる。
それが気持ちよくて、なんだか何度も読みなおしてしまう。
男同士の恋愛を描いた作品ですが、恋愛の面白さを魅せつけてくれる作品でしょう。
恋愛に大切な心理描写もまた巧みなんですよねぇ。唸らされまくりです。
モノローグなどで特に感じるんですが、言葉選びや文章のテンポ、そういった部分も素敵。
山田酉子先生が描く恋愛はもう何から何までツボですなー!
男性キャラも結構フェミニンな感じで、普通にかわいらしいんですよね。
BL単行本だと『クララはいつも傷だらけ』や『かなしい人はどこにもいない』がすでに発売されていますが、中でも今回の『ロング&ビューチフルライフ』は現時点でのベストだと感じます。
このジャンルは詳しくないので分からないのですが、掲載誌の違いからか性描写も登場が少なくて、出てもかなりあっさりとしたものでエグみがない。
個人的にはまた女の子たちの性愛を描いて欲しいなあと思ってるんですが、しかしこれだけBLでも楽しませてもらっては、もう充分ごちそう様です・・・。
「好きだから」の先にある様々な答え。この作品は色々な恋愛を軽やかに描いています。
『ロング&ビューチフルライフ』 ・・・・・・・・・★★★★
鬱々しさと清々しさとばかばかしさの同居は実現されています。キュンキュンするな!
[漫画]声にできない想いを託して『雪にツバサ』2巻
雪にツバサ(2) (ヤンマガKCスペシャル) (2012/01/23) 高橋 しん 商品詳細を見る |
この街で あの夜あったすべてのことが 雪に埋もれて消えたように。
コミックス2ヶ月連続発売で2巻目。高橋しん先生の「雪にツバサ」です。
久しぶりの週刊連載ということで近年スローペースな高橋しん先生にしては珍しいスピードですね。好きな作家さんなので嬉しいですが、物語もちょこっとずつ動き出しました。
話すことができない少女と、気が弱いエスパー少年の、田舎町を舞台にした冒険?のお話。
喋れない少女とエスパー少年『雪にツバサ』1巻
雪先輩と一緒にやってきた温泉にて、予想外のハプニングが。
近隣の街から逃走してきた殺人犯とバッタリ出くわしてしまったのです。
襲われる雪先輩の声をテレパシーで直接脳で感じながら、彼は彼女を守るために恐ろしいほどの力を発揮。今まさに先輩を傷つけようとする男を、本気で殺してやろうとする。
本来ツバサの超能力は本当にちっぽけで、「せっかくのエスパー能力なのにショボい」ということも彼のコンプレックスの1つでした。
しかし雪先輩と関係した時にだけ彼の能力は増幅させられます。
そのことは1巻の時からわかっていましたが、今回で彼は初めて自分の力を恐れました。
その気になれば人を殺すことだってできると知ってしまった。
無事に先輩を守れたことよりも、人の命を脅かしたことが彼にとって大きな真実。この事が彼を混乱させ、一時的に雪先輩との心の距離をつくりだしてしまいもする。
少年が背負うにしてはあまりに大きな力。それに揺らいでしまうのも仕方無いか。
しかしこの事件でもう一つ気になったのは、明らかに雪先輩の様子がおかしくなったこと。
男に襲われたショックのせいか、彼女は錯乱したような状態になってしまうのですが
途端に「何か・・・・あったんかい」と平穏そうに言い放ち、記憶が飛んだことが伺えます。
そして「またユキといけないことするの?」「どうしてユキにこんなことするの?」など、明らかに不穏な発言も飛び出す。
彼女は町じゃヤリマンと呼ばれてしまっている(喋れないのでガラの悪い男達にいいようにされていた様子)のですが、やはり性的なことで相当なトラウマを抱えているんでしょうか・・・。
生々しく暗い過去をイメージさせつつ、全貌はまだ漠然としています。
後々明かされることになるでしょうが・・・・高橋しん先生は優しい絵柄でエグいことやってくるのでなんだか怖いですなあ。
記憶を一時的になくしてしまうようになってるのも、彼女が心に深い傷を負ったことがあるからこその心の逃避行動の一種とすれば・・・、なんだかヘビーな予感。
でもこういう「痛み」を確かに潜めた物語だからこそ、切ない雰囲気がより色濃くなり、自分はムホムホ喜んでしまうのです。降り注ぐ雪と白い息が揺らめくこの世界観は、見てるだけで胸がざわつく。
2巻は殺人犯関連の序盤が強烈なインパクトを与えますが、後半からは新展開。
今度は雪先輩の学校の舞台に『超能力探偵団』(雪先輩命名)の2人は活動します。
行方不明になったアルトサックスを超能力で探しだそうとしますが・・・
しかしそこでも色々一悶着ありそうな、重い事実が出てきそうな。
さて、このエピソード中に何気なく出てきたこのセリフが印象的でした。
雪先輩は喋れない女の子。ですから、なるほど、彼女は楽器を使っての「音」でしか自分の口から何かを伝えることはできないのか。
この連載では1巻のオープニングや表紙イラスト等に、印象的な形で楽器が登場するのですが、雪先輩が喋れないのと楽器が繋がるということに発想がいってなかったのでハッとしました。
意識してみればなるほど、彼女が楽器を吹くときの表情はなかなか深い。
言葉で伝えられないからこそ、音で何かを届けられるように。
その姿や表情はちょっと神聖なほど。感情を込めていることがわかるような。
そして演奏は、誰かと一緒の舞台に立つための武器のようなものでもある。
しかし彼女と同じ部活の面々はちょっと雪先輩と距離をおいているようなこともわかります。雪先輩がたくさん笑顔になれるような居心地いい世界になるためには、雪の理解者がもっと必要なんですけどねえ。なかなか難しい。せめて部活の女の子たちには友達になってほしいなぁと思いますが、さてどうなるやら。
そんな2巻でした。
気になるといえば他にもう一点、2巻でいう第2話で登場した「雪だるま」の女性。
ゲストキャラ的な感じでしたが、伏線のようなものも張られたので、じきにまた登場することでしょう。しかしツバサはなにげに美人なお姉さんと遭遇してはフラグ立ててますな。
まだまだ続刊が出ていきそうな感じですし、続きを楽しみにするとします。
淡い恋と、チクチク胸が痛むような切なさが共にある、雪の町の物語。
主人公の変化が今後の展開のカギを握りそうですね。
『雪にツバサ』2巻 ・・・・・・・・・★★★☆
話が動いた第2巻。相変わらず雰囲気の良さは抜群。女性キャラもかわいいです。
[漫画]新たなダメ少女、登場。『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』1巻
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1) (ガンガンコミックスONLINE) (2012/01/21) 谷川 ニコ 商品詳細を見る |
せいぜいカス同士でベタな青春でも送ってくださいよ
タイトルながっ。「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」1巻です。
ガンガンオンインで読んでいたときから単行本化を待っていたわけですが来ましたね。
タイトルからして自分がモテない理由を「お前ら」にブン投げてる、この目付きの悪い女の子・黒木智子が主人公の本作。ボッチな女子高生のイタい毎日を描いたギャグ漫画となっています。
オビには「海外の2ちゃん的な掲示板で大人気!!」とありましたが、つまりそれって4・・・。人気あったんですか。というかそれ宣伝文句なのかw面白いですけどw
人と上手くコミュニケーションをとることができず、しゃべることができなかったりどもってしまったり。モテようと努力してみてもオーバーすぎて引かれてしまったり。
そんな女の子が主人公の黒木智子。高校生活のスタートを目前に控えています。
オープニングではインターネットで「喪女」と検索し、「私は違う」といきなりの豪語。
そう、彼女はなぜだか自信だけはたっぷりあるのです。心は強い。
自分のことも他人のことも勘違いしまくってる彼女ですが、根本的な部分では意味不明にポジティブ。もしかしてコイツ私のこと好きなんじゃ・・・?と妄想だけ暴走させる。
でも案の定友達はいない・・・。
ギャグとして様々な出来事が起こりますが、そのどれを通じても伝わってくるのは彼女の残念さばかり。でも完全にバカには出来ない、このうっすらとしたシンクロ感はなんだろう・・・。
まぁいつもかわいそうな目にあってるのにまだ強くあれる彼女は、それはそれで凄いのだ。
この作品は基本的に主人公の智子の独白を中心として進行していくのですが
彼女がちょっと・・・歪んだ性格をしているため、彼女のもつ雰囲気がダイレクトに読んでいる自分のところにやってきます。そこが面白くもあり、人を選ぶかもしれない点でしょうか。
かなりインパクトがあるんですよ、黒木冴子というキャラクターは。
まず基本的にいつも口が悪いです。発想も歪んでますし、可愛げない下ネタもバンバン。
そして友達はいないのに、周りのリア充な学生たちをやたらと見下しています。
でもなんとかモテたいので色々ファッションを試してみたりしてる。矛盾してるような・・・。
で、なぜだかプライドは高い。これだけの現実をつきつけられてなお・・・。
学校では挙動不審、部屋にいればPCゲームをプレイしたり、マニアックなドラマCDを聴いてホコホコしていたり。乙女向けも腐向けもどっちも行けるらしい彼女ですが、第1話で披露された彼女のゲームプレイ中のツボすぎます。
眼つきわっる!
腐ったような目で無心に男の裸体をツツキまくる智子!
これじゃ全然ヘブン状態じゃないよ!いや、ヘブン状態は確かにゲームキャラですけど!
しかもこのあと「チッ」と悪態ついてゲームを放り投げる。楽しくプレイして欲しい・・・。
でもたまにゲームのシナリオがドツボにハマったり、ドラマCDにドキドキしてる時なんかは、すごくキラキラする。己の趣味に生き満喫する女の子というのは、これはこれで。
たしかにお世辞にもかわいくはない彼女ですが、時折なぜだかかわいく感じてしまう。
人と接することに不慣れで、一挙一動イタイタしいキャラクターなのですが
そんな彼女がふといつもの濁りきった表情を変えてくれる一瞬。惹かれます。
例えば乙女ゲーでメチャクチャ盛り上がってる瞬間だったり、このシーンみたいに現実でなにか始まりそうなイベントに出くわした時だったり。
そういう時の彼女はいつもの負のオーラもなく、なんだか純粋そうに見えるのです。
まぁ色々口でヒドいこと言ってても、やっぱり彼女は女の子なわけで。だいぶベクトルを間違えていますが青春の只中を生きている・・・はずなのです。
つまり浮かれちゃう女の子ってのはかわいいなあと!
とにもかくにも、主人公の女の子のキャラクターの強烈さが作品の魅力です。
彼女を気に入れば好きな作品になるでしょうけど、なかなかクセが強い気がするなぁw
上昇志向というか、自分を変えたいとい意思は持っているようなのだけれども、それがうまく結果を出せないのがいつものパターン。これからも頑張ってから回ってください智子。
お前がモテないのはどう考えてもお前が悪い。
根本的にバカだし、なのになぜか自信家だし、ゲロ吐くし、眼つきが悪いし、雰囲気がドロドロしてるし、下品だし、コミュ力低いし、不器用だし、・・・でもそこがかわいくもある。
モテない系少女の悶々とした欲求もそこかしても描かれている作品であり、ギャグとして笑うこともできれば、なんだかドキドキと楽しめてしまったりもするんですよね。
2巻は夏ごろに発売予定とのこと。甘くない、苦く酸っぱいだけの、でも時々ドキドキもする青春の日々。この残念な女の子は、見守っていたくなる何かがあります。
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』 ・・・・・・・・・・★★★☆
残念なヒロインというのは流行りの1つみたいですが、これは残念すぎる・・・。でもかわいい。