[漫画]ヒナお掃除がんばる!ホームレスもがんばる? 『ヒナまつり』2巻
ヒナまつり 2 (ビームコミックス) (2011/11/15) 大武政夫 商品詳細を見る |
何やってんだ さっさと家に帰るぞ
エスパーでカッコいい感じの表紙でやってきたヒナまつり2巻。
でも宙に待っている赤い粒はイクラです。なんだろう、あんまりかっこよくない。そこがこの作品らしいといえばらしいのですが!
後ろでなんかポーズとってる新田さん、イクラが潰れないようソフトに摘んでいますね。これもシュール。
まぁそういう感じのおとぼけコメディ。ヤクザ・ミーツ・サイキック少女、そして同居!
1巻がとても面白かったですが、2巻も期待通りでした。
1巻のラストで登場した気になる新キャラは、ヒナを追うもう1人のサイキック少女!
女の子同士のサイキックバトルが始まってしまうのか・・・・・・!?
とおもいきや大してそんなことはなく。この作品で物騒でシリアスなことにはなりません。ヤクザ社会が舞台のはずなのにね!ヤクザの皆さんもみんなかわいいですからね!
とは言え、超能力少女がもう1人増えてしまったことでいろんな騒動が巻き起こります。
追手の女の子の名前はアンズと言い、ヒナにライバル意識を持っているようです。
しかしヒナにはそんな意識全くなく、顔合わせても「よっ」くらいのノリ。
そこにアンズはイライラしてしまい、決闘をすることになってしまったり。
エスパーを駆使しての2人のあっちむいてほいバトルは冗談抜きに爆笑してしまったw あの表情は反則だろ! しかもこの件で改めて分かったんですが、ヒナって能力がすごく強いエスパーなんですね。
・・・なんというか、もったいない。ろくな超能力の使い方しないじゃないですかー!
しかしこの一件からアンズは、この作品の準レギュラーのポジションに収まります。
もとの世界に帰れなくなってホームレス化しますけども。なにこれ切ない・・・。
仕方なくホームレスになったアンズ。
しかし先輩に生き方を学び、その力強さと暖かさに触れ心を入れ替えました。やがてその幼い身体に、ホームレスたる誇りを宿すまでにたくましく!ヒュー、カッコいい背中してやがる!生きることの難しさを知るシブい背中だ!でもそれで大丈夫なのか。
個人的に好きなエピソードは、第8話。
新田に「役立たず」と思われたくないので、たまにはいっちょ家事の手伝いでもやってみるかと一念発起するヒナちゃんのお話。
アンズのことをエスパーとしてライバル視はしていなくとも、同じような境遇にある存在として意識はいているみたいで、もしアンズが新田に気に入られたら自分の居場所はどうなるんだろう?と焦っているようです。ヒナにも一応、自分があんまり働いていないという自覚はあるのかも知れません。
そんなわけで慣れない掃除をがんばるヒナちゃん。
ずさんだよ! 文字通り投げちゃったよ!
「なにかしなければ」「新田に喜んでもらいたい」そんな思いばかりが先行し掃除をはじめましたが、実際ヒナにマトモな家事ができるはずもなくさんざん。それもとても可愛いんですがっ・・・しかし結果は、期待していた新田の好感度アップとは逆方向へ・・・。
そこからヒナは第9話で放浪することになるわけですが、これもまた笑わせて頂きました。なんでヒナのまわりはイつもこんなに賑やかなんだろうな。バカを惹きつけるんだろうか。
また、第10話も面白かったですね。ヒナが生徒会に立候補するお話。
これはヤクザのオジサンたちの動きがとても面白く、シリアスなことをしてるように見せかけてやってることはヒナを生徒会に入れるための工夫という、なんともほのぼのしたもの。
この作品、ヤクザのみなさんのおとぼけっぷりが本当にいい味を出している。
警察のやっかいとかそんな生ぬるい話じゃねえ。ヒナちゃんを生徒会長にするんだよ。
おじいちゃーん、気合入りすぎよ。
そんな感じの「ヒナまつり」第2巻でした。
今回も本当に面白かったんですが、なかなかこの漫画、面白さを伝えづらい。
自分がギャグ漫画の感想を書くのが苦手だということもありますが、ストーリーだけ書いても面白さはこれっぽっちもわからない類の作品です。もう読んで感じてもらうしかない。
ちょっとだけ劇画調タッチが入った絵ですが、これがこの作品の面白さをより引き立てます。内容のほのぼの感とのギャップというか。
そして何よりキャラクターが濃い。主人公のヒナと新田は当然のこと、ちょこちょこ物語に顔を出すサブキャラたちも非常に面白く、それだけで存在感があります。こんなに賑やかな世界が楽しくないわけがない!
特に2巻になって新キャラも出ましたし、既存キャラもどんなキャラかを強調するシーンが多数登場し、さらにこの愛すべき世界が進化してきていると感じました。みんなかわいいんだ。
なんだかんだでいい話風に終わらせてしまう適当さのセンスも大好き。
描きおろし漫画もあり、これはクラスメイトの三島さんをフィーチャー。彼女の巻き込まれ体質もハンパじゃない。第二のヒナのお守り役は間違いなく彼女です!
そして3巻は作品名にちなんで、3月3日雛祭りに発売。
来年のヒナまつりは「ヒナまつり」を読んで過ごすんだ!
お人好しヤクザと超能力少女の同居コメディ、ますます面白くなってきて見逃せない。
『ヒナまつり』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
しっかり笑えてなんとな~く心温まる、不思議な雰囲気の作品。
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