[本]ちょっぴりオトナ、ちょっぴりカゲキ。 『amaro』創刊号
amaro vol.01 (マジキューコミックス) (2011/05/25) すめらぎ琥珀、小梅 けいと 他 商品詳細を見る |
エンターブレインの新漫画誌「amaro」の創刊号。
amaroとはイタリア語で「苦い」という意味らしく、「萌え」や「美少女」が大好きでゲームや同人誌にも興味がある……でも少し落ち着いた作品を読みたい、そんな大人な貴方に送るコミック誌、みたいなのがキャッチコピーになっています。
雑誌のデザインなどから同じくエンターブレインが発行している漫画雑誌「Fellows!」を踏襲していることは明らかですが、様々な点でFellows!との差別化はされているなと感じました。
フェローズファンとしてはこちらもためしにチェックしてみるかなーと思い買ったのですが
これがかなり面白くできた雑誌でして、創刊号なので応援の意も込めて更新をと!
フェローズとの比較が楽なので、どういったところが異なっているかまずは箇条書き的に。
・掲載作家陣の作風
参加されている作家さんたちの名前をつらつら見ていくと、成年向けの界隈で名前をよく見かける方々がそろっています。全員ではありませんが、そういう方向性も少々あるということです。
amaroは一般誌ではありますが、一部過激な描写も見られます。
ただエロス的にぶっ飛んだ内容のものはむしろ少なく、多数を占めるのはのんびりと楽しめたり、ちょっと切なかったり、微笑ましかったりする作品たち。確かに落ち着きを感じられる誌面になっているとは思います。エロコメというよりラブコメというべき作品が揃っていますかね。
どんな作品が載っているかは、公式HPに掲載作品紹介ページがあるのでそちらを参照。
新人を育てる場というより、外から作家さんを呼んでくるパターンが多そうです。
・雑誌としての構成
Fellowsは一切広告をいれず、また巻頭口絵以外ではカラーページを設けていないなど、ストイックさを感じさせるような誌面で1号から続いていますが、この「amaro」はしっかりカラー入り。
巻頭カラーイラストギャラリーを売りの1つにしてるようにも感じられます。
それと、雑誌としての構成がなかなか面白い風になってるのも特徴かなと。
創刊号では連載策(次号に『続く』とあるもの)が4作あり、そのほかは読みきり作品な様子なのですが、その読みきり作品にテーマを設けており、統一感のあるムードに仕上がっているのです。創刊号のテーマは『はじめての・・・』ということで私好みのこっぱずかしいニヤニヤ作品がいくつか掲載されておりガッツポーズ。また下で取り上げます。
雑誌でありながらアンソロジーコミックという側面も持つのはなかなか面白いなと。
また真田鈴先生はアマガミアンソロジーで連続掲載してた響先輩を特集した『If・・・』シリーズの新作も載るなど、ここもオリジナルに拘るFellowsとは異なった方向性を見せています。
そういえば掲載作家さんに『アマガミ Various Artists』に作品を掲載したことのある作家さんがちらほら見受けられますが、もしかしたら出発点はそこなのでしょうか?
・・・と、大きく違うと感じたのはこの2点ですか。
かわいらしい女の子がぎっしり詰まった誌面は非常に華やかですが、「やりすぎじゃない?」と思うようなハラハラしたような作品は無く、そこはなるほど大人な落ち着き(?)。
では以下、特に気に入った作品を個別感想なんぞ。
もうまんまですがキスを描いた作品。オールカラー。とろしお先生作。・キス
なんにせよこのラストのキスの幸福感と言ったらなんでしょうねコレ!もう!
(クリック拡大)
「すっごいふわふわ・・・」 「もう1回確認させて」
女の子の唇をすごくおいしそう描いてくれていて辛抱たまらんですよ!
おっぱいもみもみなシーンもあり、ごちそう様でしたな短編作品。
個人的にイチオシなのがこの作品。水瀬るるう先生の作品。・はじめてのお泊り
恋人いない暦=年齢なサラリーマンとOLさんが、会社の飲み会の帰りに勢いで一緒に帰ってしまって始まるお話なのですが、その強烈な初々しさに眩暈してしまいました。
「今夜僕の部屋に初めてお母さん以外の女の人が!」とテンション上げる主人公、ドキドキしながらヘタクソに彼氏がいるのかいないか聞き出そうとすると・・・
(クリック拡大)
相手も男の部屋に入るの初めてでしたーってあああかわいいいいいいい!!
最近いろいろと社会人ヒロインに心揺るぎっぱなしなのですが、ここにもいましたか素晴らしい社会人ヒロインが!大人なのに奇跡のような初々しさを発揮するとき、俺の胸のときめきも加速するのです!普段そんなそぶりを見せないからこその破壊力・・・!
ダサい下着着けてきちゃったなぁと後悔しつつ勝負下着を着てきたら・・・と悶々するヒロインの様子にこちらも悶々させれましたし、彼女の後にお風呂に入った主人公が発した「間接お尻~」の童貞臭さに涙。体がかゆくなりそうな恥ずかしくも嬉しいイベントが盛りだくさん。
最後までニヤニヤできる快作でした。読みきりですが、連載で読んで見たいなぁ。
ギャル系女子高生がふと読んでしまった漫画で腐趣味に目覚めてしまうお話。・はじめての腐女子
新たな世界に興味津々ながらも他人の目が気になりオドオドしてしまう様子にほっこり。
BL漫画を読みたい買いたい!・・・けどそんな自分を知られるのが怖い!
ということで赤面しながら慌てまくる主人公が可愛いのなんの。
ナチュラルに毒吐きまくるゆかりちゃんのお気に入りのキャラクターです。
テンポが良く絵も読みやすく、連載で読んで見たい作品の1つ。作者のあわ箱さん、「浪漫三重奏」の作者さんだったんですね。なるほどなと。
山田いぶき先生の連載作品。・ミミック
学校でウワサのお嬢様・・・と、偶然帰り道が一緒になった主人公。
そこで彼女の秘密を知ってしまった彼は、彼女の家へ招待されることに。
常備したボウガンで暴走イノシシをしとめてみせた彼女は、森の洞窟にすむサバイバル系美少女だったのでした。お嬢様だと誤解を招いた毛皮は、単なる戦利品だったのです。
ワイルドだけどかわいいからOKOK。彼女の笑顔の爽やかさにやられました。
そのほか。
・してんA/B 井ノ本リカ子/BENNY'S
違ったキャラクターからとあるケーキショップの1日を描くシリーズ。
未来を行くもの、未来を夢見るものと、少女らと女性らで違った立ち位置から世界を見て感じていることが分かり、微笑ましく楽しめるシリーズ。
・はじめての禁煙/馬鈴薯
指ペロペロするお姉さんえっちぃですねぇ。しかしもっと情熱込めて胸を揉んで欲しかった。(え
・はじめての恋 虹と桜と染める初春/渡まかな
話のインパクトはやや薄かったにしろ、ラストの切なさ・美しさにはやられました。
しっかりと完結して見せたというところで読みきりとして良い作品だったかなと。
・Gift Bringer/clover
おやハイパーピンチのお方じゃないですか。買ってから分かって嬉しかったです。個人的にかなり好きな絵を描いて下さる作家さんで、オリジナルは初めて読みましたが面白かったです。
若干のサービスシーンはありますが、これも微笑ましく読み進められる良作。
こんなところですかね。個人的にはかなり楽しめた1冊でした。
しかし値段が若干高めな設定なので、買うときちょっと躊躇してしまいました。漫画雑誌で900円オーバーか・・・。Fellowsみたいにどんどん分厚くなっていってくれれば嬉しいですね。
次号は夏発売予定。8月発売とすれば3ヶ月おきの発売になるのかも?
ちなみに次のアンソロジーテーマは「男装女子」・・・きっと買うでしょうねw
そんな感じの「amaro」創刊号の感想でした。掘り出し物的面白さアリ。
『amaro』vol.01 ・・・・・・・・・・★★★☆
新創刊、ちょっとオトナなアナタのための美少女コミック誌。アンソロジー企画大当たり!
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